JP2970847B2 - 放射性廃棄物中の超ウラン元素分析方法 - Google Patents

放射性廃棄物中の超ウラン元素分析方法

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉燃料の製造工場
や使用済核燃料の再処理工場等から発生する可燃性およ
び難燃性固体廃棄物中に含まれる超ウラン元素(TR
U)を核種別に定量するための分析方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】原子炉燃料の製造工場や使用済核燃料の
再処理工場等から発生する固体放射性廃棄物の貯蔵、処
理、処分に際しては、廃棄物中のTRUを核種別に定量
することが、廃棄物の放射能管理の上から必要となる。
【0003】放射性廃棄物中のTRUを核種別に定量分
析する最も一般的な方法の一つに、図1に示すγ線核種
分析装置を用いる方法がある。この方法は、放射性廃棄
物中に含有するTRUから放出されるγ線をゲルマニウ
ム検出器により検出し、各TRUに特有のγ線エネルギ
ーに比例した波高のパルスを整形し計数することによ
り、各TRU核種の定量を行うものである。図1の装置
は、測定対象である放射性廃棄物1を載置するターンテ
ーブル2、放射性廃棄物中のTRUからのγ線を検出す
るゲルマニウム検出器3および高圧電源4からなり、ゲ
ルマニウム検出器3からの電気的出力は、前置増幅器
5、線形増幅器6、A/D変換器7を経てマルチチャン
ネル波高分析器8に送られ、ここでγ線エネルギーに比
例した波高パルスとして計数される。
【0004】上記方法による分析に際しては、廃棄物中
に含有されるTRUから放出されるγ線は、廃棄物自身
による吸収を受けるため、廃棄物の構成材や密度等が変
化すると、同じγ線量に対して、検出されるγ線量が変
化するため、精度よく定量するためには補正する必要が
ある。かような廃棄物自身による吸収の影響を補正する
ために、測定対象核種のγ線ピークと重ならず、かつこ
のγ線ピークに近い波高位置にピークを持つ外部γ線源
(図1の番号10)を用いて、廃棄物自身による吸収が
どの程度であるかを予め測定しておき、γ線の吸収補正
を行うことが行われている。
【0005】例えば、廃棄物中の239−Puを分析し
ようとする場合、239−Puのγ線ピークのγ線エネ
ルギー414.7KeVと重ならず、かつこれに近いγ
線ピークのγ線エネルギー400.6KeVのγ線を放
出する75−Seを外部γ線源として使用する。この外
部γ線源から放出され廃棄物を透過したのち測定された
γ線ピークの計数率Iと、廃棄物が無い場合に外部γ線
源から放出されたγ線を直接測定したときのγ線ピーク
の計数率I0とから、下記式により廃棄物の透過度Tを
予め測定しておく。
【0006】T=I/I0 この外部γ線源による廃棄物の透過度Tを239−Pu
からのγ線が廃棄物を透過する際の透過度とみなし、こ
れを下記式に代入して、吸収補正係数Fを算出する。
【0007】F=−ln(T)/(1−T) 廃棄物中の239−Puから放出されるγ線ピークの計
数率実測値(ゲルマニウム検出器で測定された値)に、
上記で求めた吸収補正係数Fを乗ずることにより、23
9−Puの真のγ線ピーク計数率を求めることができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとき従来の方
法においては、廃棄物中に含有される測定対象核種が複
数あり、それぞれのγ線ピークのγ線エネルギーが広範
囲である場合には、単一の外部γ線源によってはすべて
の測定対象核種のγ線ピークに対して正確な吸収補正が
できないため、複数の外部γ線源を使用しなければなら
ない。
【0009】例えば、廃棄物中に含有される239−P
u(γ線エネルギー:414.7KeV)、235−U
(186KeV)および238−Pu(766KeV)
を測定対象核種とする場合には、239−Pu用に75
−Se(γ線エネルギー:400.6KeV)、235
−U用に169−Yb(177.6、198.0Ke
V)、238−Pu用に137−Cs(662KeV)
等を外部γ線源として使用し、それぞれの外部γ線源に
ついて吸収補正係数Fを求める必要があった。
【0010】しかしながら、各種の外部γ線源を使用
し、各々についてγ線ピークの計数率IおよびI0を実
測することは、測定操作が煩雑となり、時間もかかるこ
とから、簡便で迅速に精度良く分析できる方法の出現が
望まれるところである。
【0011】そこで本発明は、放射性廃棄物中に含有さ
れるTRUの複数の核種を測定対象とする場合において
も、単一の外部γ線源を使用して、正確な吸収補正係数
が得られる新規かつ改良された分析方法を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明においては、外部γ線源として、測定対象であ
る放射性廃棄物中に含有されるTRUのγ線ピークと少
なくとも一つは重ならない複数のγ線ピークを持つ単一
の外部γ線源を使用するとともに、測定対象の放射性廃
棄物と同様な炭素および酸素の化合物を構成材とした基
準廃棄物を調製してこの基準廃棄物における透過度を求
め、この透過度を所定の関係式のもとに測定対象の放射
性廃棄物の透過度と近似させるのである。
【0013】すなわち本発明による放射性廃棄物中のT
RU分析方法は、下記1〜5の工程からなることを特徴
とするものである。
【0014】1.測定対象である放射性廃棄物中に含有
されるTRUのγ線ピークと少なくとも一つは重ならな
い複数のγ線ピークを持つ外部γ線源から放出される各
γ線ピークの計数率I0を測定し、該外部γ線源から放
出されて放射性廃棄物と同様な炭素および酸素の化合物
を構成材とした基準廃棄物を透過した各γ線ピークの計
数率ISを測定し、これらの計数率から基準廃棄物を透
過する際の各γ線ピークの透過度TS(=IS/I0)を
求めて、各γ線ピークのγ線エネルギーEと透過度TS
との関係式 TS=gS(E) …[1] を得る工程、
【0015】2.該外部γ線源から放出されて測定対象
である放射性廃棄物を透過した各γ線ピークのうち、該
放射性廃棄物中のTRUのγ線ピークと重ならない1つ
のγ線ピークの計数率IMを測定し、この計数率IMと前
記1つのγ線ピークについての前記計数率I0とから該
放射性廃棄物を透過する際の前記1つのγ線ピークの透
過度TM(=IM/I0)を求め、TM=TS nの関係と式
[1]とから外部γ線源の各γ線ピークのγ線エネルギ
ーEと透過度TMとの関係式 TM=gM(E)={gS(E)}n …[2] を得る工程、
【0016】3.上記関係式[2]に該放射性廃棄物中
に含有される各TRUのγ線ピークのγ線エネルギーを
代入して、各TRUのγ線エネルギーそれぞれの透過度
Tを求める工程、
【0017】4.上記透過度Tを下記関係式 F=−ln(T)/(1−T) に代入して各TRUごとの吸収補正係数Fを求める工
程、および
【0018】5.該放射性廃棄物からの各TRUのγ線
ピーク計数率実測値Cにそれぞれの吸収補正係数Fを乗
じて各TRUの真のγ線ピーク計数率を求める工程。
【0019】ここで基準廃棄物について説明すると、測
定対象の放射性固体廃棄物は、核燃料施設等から発生す
る木片、紙、布、プラスチック、ポリエチレン、ゴム等
から構成されており、これらは炭素および酸素の化合物
がほとんどの割合を占めている。そのため、基準廃棄物
も炭素および酸素の化合物を構成材として作成すればよ
く、測定対象の放射性固体廃棄物と必ずしも同じ材質の
構成材とする必要はない。
【0020】炭素および酸素のγ線質量減衰係数は、表
1および図2に示すとおりであり、炭素および酸素の質
量減衰係数μ/ρとγ線エネルギーEとの関係式をそれ
ぞれμcarbon/ρ=fcarbon(E)およびμoxygen/ρ
=foxygen(E)とすると、ある範囲のエネルギーのγ
線に対して と近似でき、近似による誤差が廃棄物定型容器内に含ま
れる核種量の評価という測定目的にとって許容できない
ほど多量でないことがわかる。よって、基準廃棄物のγ
線減衰係数をμSとすると と近似できる。
【0021】
【0022】また、測定対象廃棄物の減衰係数μMと基
準廃棄物の減衰係数μSは、 と近似でき、ある範囲のγ線エネルギーにおける測定対
象廃棄物の透過度TM (Xはγ線が廃棄物中を透過した距離) および基準廃棄物の透過度TS は、 と近似が可能である。
【0023】この近似式にそれぞれTM=IM/I0およ
びTS=IS/I0を代入して (IM/I0)=(IS/I0n n=ln(IM/I0)/ln(IS/I0) により係数nを求めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の方法を工程順に説
明する。
【0025】[工程1]本発明で使用するγ線核種分析
装置は、図1に示した従来と同様の装置が使用できる。
本発明が従来方法と相違する点は、外部γ線源として、
測定対象の廃棄物中に含有されるTRUのγ線ピークと
少なくとも一つは重ならない複数のγ線ピークを持つ外
部γ線源を使用する点、および測定対象廃棄物と同様な
炭素および酸素の化合物を構成材とした基準廃棄物を使
用する点である。
【0026】かような外部γ線源としては、例えば4個
の主要なγ線ピークを有する133−Ba、6個の主要
なγ線ピークを有する137−Cs、8個の主要なγ線
ピークを有する152−Eu等を挙げることができる。
【0027】かような外部γ線源を図1の10の位置に
固定し、ターンテーブル2上に廃棄物を設置することな
く、外部γ線源から放出される各γ線ピークの計数率I
01、I02、I03...をゲルマニウム検出器3にて測定
する。このときの各γ線ピークのγ線エネルギーとそれ
ぞれの計数率カウントとの関係は図3のようになる。
【0028】次いで、図1のターンテーブル2上に基準
廃棄物を設置して、外部γ線源の各γ線ピークの計数率
S1、IS2、IS3...を測定する。このときの各γ線
ピークのγ線エネルギーとそれぞれの計数率カウントと
の関係は図4のようになる。
【0029】かくして、各γ線ピークについての基準廃
棄物の透過度TS=IS/I0を算出し、各γ線ピークの
γ線エネルギーとそれぞれの透過度TSとの関係をプロ
ットすると図5のようになる。この図5の曲線の式を求
めることにより下記関係式[1]を得る。 TS=gS(E) …[1]
【0030】[工程2]図1に示した分析装置のターン
テーブル2上に測定対象廃棄物1を設置して、外部γ線
源10から放出されて測定対象廃棄物1を透過した各γ
線ピークの計数率をゲルマニウム検出器3にて測定す
る。この際、測定対象廃棄物中に含まれているTR
1、TRU2...から放出されて測定対象廃棄物を透
過してきたγ線ピークも同時に検出されるため、各γ線
ピークのγ線エネルギーと計数率カウントとの関係は図
6のようなる。
【0031】外部γ線源の各γ線ピークの計数率IM1
M2、IM3...のうち、測定対象廃棄物中のTRUの
γ線ピークと重ならない1つのγ線ピークの計数率(例
えばIM3)を選択する。この1つのγ線ピークについて
のI03(測定対象廃棄物や基準廃棄物を透過しない計数
率)と前記IM3とから、この1つのγ線ピークについて
の測定対象廃棄物の透過度TM3(=IM3/I03)を求
め、この透過度TM3を、透過度TMとγ線エネルギーと
の関係を示す図7のグラフに二重丸としてプロットす
る。なお、図7中の点線の曲線は、図5のTS=g
S(E)に相当する曲線である。
【0032】図7中のTM3とTS3とは、 TM3=TS3 n により近似できるから、この関係式を用いて係数nを算
出する。
【0033】次いで、この係数nを用いてTS1
S2...に対応するTM1、TM2...を算出し、図7
のグラフに黒丸でプロットすることにより実線の曲線を
描くことができ、この実線の曲線の関係式は TM=gM(E)={gS(E)}n …[2] で表すことができる。
【0034】[工程3]上記関係式[2]に、測定対象
廃棄物中のTRU1、TRU2...のγ線ピークのエネ
ルギーEを代入して、各TRUそれぞれについての測定
対象廃棄物の透過度Tを算出する。これらの透過度T
は、図7のTM=gM(E)の曲線上の星印に該当する。
【0035】[工程4および工程5]上記工程3で得ら
れた各TRUについての測定対象廃棄物の透過度Tか
ら、関係式 F=−ln(T)/(1−T) を用いて、各TRUに対する吸収補正係数Fを算出す
る。
【0036】測定対象廃棄物中の各TRUから放出され
て測定対象廃棄物を透過してきたγ線ピークをゲルマニ
ウム検出器により実測した計数率C(図6のTRU1
TRU2...に相当する)に、上記で得られたそれぞ
れの吸収補正係数Fを乗ずることにより、各TRUのγ
線ピークの真の計数率を求めることができる。
【0037】なお、上記の吸収補正係数Fは、廃棄物を
収容する容器の形状によって変化するため、より精度の
高い補正を行う必要がある場合には、容器形状ファクタ
ーPを用いて F=−P・ln(T)/(1−TP) の関係式により吸収補正係数Fを算出することが望まし
い。
【0038】容器形状ファクターPについては、従来か
ら種々検討がなされており、例えばドラム缶のごとき円
柱状容器においては、透過度Tが0.1より小さい場合
にP=0.75、透過度Tが0.1〜1.0の間である
場合にP=0.82を採用することができる(「Attenu
ation Corrections for the Passive Gamma-Ray Assay
of Cylindrical Samples」, J.L.Parker, T.D.Relly, L
os Alamos ScientificLaboratory Progress Report LA-
6142-PR (1975), p.16参照)
【0039】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに詳述する。 [実施例] 測定対象廃棄物:200リットル容ドラム缶に241−
Puを0.108g、241−Amを0.011g、2
39−Puを0.388g含有した廃棄物構成材を充填
したもの(密度0.25g/cm3 )。
【0040】基準廃棄物:200リットル容ドラム缶に
廃棄物構成材(ペーパータオル細断物とプリンタ用紙細
断物の混合物)を充填したもの(密度0.1g/c
3)。
【0041】外部γ線源:0.2764MeV、0.3
0285MeV、0.356MeV、0.38385M
eVのγ線を放出する133−Ba。
【0042】上記の測定対象廃棄物、基準廃棄物および
外部γ線源により、図1に図示したγ線核種分析装置を
用いて測定対象廃棄物中のTRUの分析を行った。
【0043】(1)外部γ線源から放出される4つのγ
線ピークについて、廃棄物の無い場合の計数率I0と基
準廃棄物を透過した場合の計数率ISとから、TS=gS
(E)に相当する下記関係式を得た。 TS=0.4605×(E)0.5+0.2304 …
【0044】(2)下記数値を測定した。・測定対象廃
棄物中の各TRUから放出されたγ線ピークのγ線エネ
ルギー(括弧内数値)とその計数率C 241−Pu (0.1486 MeV) 12.84 cps … 241−Am (0.20798MeV) 0.1839cps … 239−Pu (0.41369MeV) 0.8528cps …
【0045】・測定対象廃棄物を設置した場合の外部γ
線源からのγ線ピークのγ線エネルギー(括弧内数値)
とその計数率IM 本実施例では、133−Baが放出する4つのγ線ピー
クのうち、0.356MeVを選択した。 133−Ba (0.356MeV) 1.283 cps …
【0046】・廃棄物を設置しない場合の外部γ線源か
らのγ線ピークのγ線エネルギー(括弧内数値)とその
計数率I0 133−Baが放出する4つのγ線ピークのうち、上記
と同じ0.356MeVを選択した。 133−Ba (0.356MeV) 6.455 cps …
【0047】(3)下記数値を計算した。 ・外部γ線源の上記γ線ピークのγ線エネルギー(0.
356MeV)での測定対象廃棄物の透過度TMは、
、より TM=IM/I0=1.283/6.455=0.1988 …
【0048】・外部γ線源の上記γ線ピークのγ線エネ
ルギー(0.356MeV)での基準廃棄物の透過度T
Sは、式に外部γ線源のγ線エネルギー(0.356
MeV )を代入して TS=IS/I0 =0.4605×(0.356)0.5+0.2304=0.5052 …
【0049】・TM=TS n における係数nは、、
より n=ln(IM/I0)/ln(IS/I0)=2.366
【0050】(4)241−Puについての分析 ・241−Puのγ線エネルギー(0.1486Me
V)での測定対象廃棄物の透過度Tを算出すると、 T=TS n={0.4605×(E)0.5+0.2304}n ={0.4605×(0.1486)0.5+0.2304}2.366 =0.1198
【0051】・241−Puのγ線エネルギー(0.1
486MeV)の吸収補正係数Fを、廃棄物形状が円柱
の場合の廃棄物形状ファクターP=0.82を用いて算
出すると、 F=−P×lnT/(1−TP) =−0.82×ln(0.1198)/(1−0.11980.82) =2.110
【0052】・241−Puの分析値 241−Puの単位計数率(0.1486MeV)当た
りの核種量=0.004179[g/cps] 対象核種量=単位計数当たりの核種量×計数率×吸収補
正係数であるから、 241−Pu=0.004179×12.84×2.110 =0.1132[g]
【0053】・241−Puの分析誤差 誤差[%]={(分析値−真値)/真値}×100 ={(0.1132−0.108)/0.108}×100 =4.8
【0054】(5)241−Amについての分析 241−Puと同様にして下記のように求められる。 ・241−Amのγ線エネルギー(0.20798Me
V)での測定対象廃棄物の透過度T=0.1437
【0055】・241−Amのγ線エネルギー(0.2
0798MeV)の吸収補正係数Fを、廃棄物形状が円
柱の場合の廃棄物形状ファクターP=0.82を用いて
算出すると、F=1.998
【0056】・241−Amの分析値 241−Amの単位計数率(0.20798MeV)当
たりの核種量0.03128[g/cps]を用いて算
出した241−Am核種量は、0.01149[g] ・241−Amの分析誤差=4.5[%]
【0057】(6)239−Puについての分析 241−Puと同様にして下記のように求められる。 ・239−Puのγ線エネルギー(0.41369Me
V)での測定対象廃棄物の透過度T=0.2193
【0058】・239−Puのγ線エネルギー(0.4
1369MeV)の吸収補正係数Fを、廃棄物形状が円
柱の場合の廃棄物形状ファクターP=0.82を用いて
算出すると、F=1.748
【0059】・239−Puの分析値 239−PUの単位計数率(0.41369MeV)当
たりの核種量0.2475[g/cps]を用いて算出
した239−Pu核種量は、0.3689[g] ・239−Puの分析誤差=−4.9[%]
【0060】なお、基準廃棄物と測定対象廃棄物の構成
材および充填密度は同じにしなくてもよい。基準廃棄物
と測定対象廃棄物の構成材や密度の違いによる補正係数
(透過度)の違いは、係数nを求めることにより問題と
ならない。
【0061】[比較例](従来法) 基準廃棄物を使用しなかった以外は、γ線核種分析装
置、測定対象廃棄物および外部γ線源は実施例と同じも
のを使用した。ただし、外部γ線源である133−Ba
の4種のγ線のうち、0.38385MeVのγ線のみ
使用した。
【0062】(1)下記数値を測定した。 ・測定対象物中の各TRUから放出されたγ線ピークの
γ線エネルギー(括弧内数値)とその計数率 241−Pu (0.1486 MeV) 12.84 cps …(1) 241−Am (0.20798MeV) 0.1839cps …(2) 239−Pu (0.41369MeV) 0.8528cps …(3)
【0063】・測定対象廃棄物を設置した場合の外部γ
線源からのγ線エネルギー(括弧内数値)とその計数率
M 133−Ba (0.38385MeV) 0.887 cps …(4)
【0064】・廃棄物を設置しない場合の外部γ線源か
らのγ線エネルギー(括弧内数値)とその計数率I0 133−Ba (0.38385MeV) 0.185 cps …(5)
【0065】(2)下記数値を計算した。 ・外部γ線源のγ線エネルギー(0.38385Me
V)の測定対象廃棄物の透過度Tは、(4)、(5)より T=IM/I0=0.185/0.887=0.2086 …(6)
【0066】・外部γ線源のγ線エネルギー(0.38
385MeV)の吸収補正係数Fを、廃棄物形状ファク
ターP=0.82を用いて算出すると、 F=−P×lnT/(1−TP) =−0.82×ln(0.2086)/(1−0.20860.82) =1.777 この吸収補正係数Fを測定対象廃棄物中のすべてのTR
Uのγ線ピークの計数率実測値乗ずることにより補正を
行う。
【0067】(3)241−Puの分析 ・分析値 241−Puの単位計数率(0.1486MeV)当た
りの核種量=0.004179[g/cps] 対象核種量=単位計数当たりの核種量×計数率×吸収補
正係数であるから、 241−Pu=0.004179×12.84×1.777 =0.09535[g]
【0068】・分析誤差 誤差[%]={(分析値−真値)/真値}×100 ={(0.09535−0.108)/0.108}×100 =−11.7
【0069】(4)241−Amの分析 ・分析値 241−Amの単位計数率(0.20798MeV)当たりの核種量 =0.03128[g/cps] 241−Amの核種量=0.03128×0.1839×1.777 =0.01022[g]
【0070】・分析誤差 誤差[%]={(分析値−真値)/真値}×100 ={(0.01022−0.011)/0.011}×100 =−7.1
【0071】(5)239−Puの分析 ・分析値 239−Puの単位計数率(0.41369MeV)当
たりの核種量=0.2475[g/cps] 239−Puの核種量=0.2475×0.8528×
1.777=0.37512[g]
【0072】・分析誤差 誤差[%]={(分析値−真値)/真値}×100 ={(0.3751−0.388)/0.388}×100 =−3.3
【0073】上記の実施例(本発明法)および比較例
(従来法)における分析誤差を比較してまとめると表2
のようになり、本発明法の方が分析精度が向上している
ことがわかる。
【0074】
【0075】
【発明の効果】上述したところからわかるように本発明
においては、複数のγ線ピークをもつ外部γ線源、およ
び測定対象廃棄物と同様な化合物を構成材とする基準廃
棄物を使用し、測定対象廃棄物中の複数のTRUのそれ
ぞれについて吸収補正係数を求めて、各TRUごとにそ
れぞれの吸収補正係数を用いて透過度の補正を行うよう
にしたから、各TRU毎に計数率の正確な補正ができ、
分析精度を向上させることができる。
【0076】また従来法においては、複数のTRUを分
析するためには、各TRUのγ線エネルギーに近似した
γ線ピークを有する複数の外部γ線源を使用しなければ
ならなかったが、本発明によれば、各TRUのγ線ピー
クと少なくとも一つは重ならない複数のγ線ピークをも
つ単一の外部γ線源を使用することができるため、煩雑
な分析操作が不要になり、分析時間も短縮できるという
利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】γ線核種分析装置の一例を示す説明図。
【図2】炭素および酸素のγ線質量減衰係数とγ線エネ
ルギーとの関係を示すグラフ。
【図3】外部γ線源からのγ線が廃棄物を透過せずに直
接検出されたときの、各γ線ピークのγ線エネルギーと
それぞれの計数率カウントとの関係を示すグラフ。
【図4】外部γ線からのγ線が基準廃棄物を透過して検
出されたときの、各γ線ピークのγ線エネルギーとそれ
ぞれの計数率カウントとの関係を示すグラフ。
【図5】外部γ線からのγ線について、各γ線ピークの
γ線エネルギーとそれぞれの基準廃棄物の透過度TS
の関係を示すグラフ。
【図6】外部γ線からのγ線が測定対象廃棄物を透過し
て検出されたときの、外部γ線源のγ線ピークおよび測
定対象廃棄物中のTRUのγ線ピークのγ線エネルギー
とそれぞれの計数率カウントとの関係を示すグラフ。
【図7】各γ線ピークのγ線エネルギーとそれぞれの測
定対象廃棄物の透過度TMとの関係を示すグラフ。TS
S(E)の関係式を点線で、TM=gM(E)の関係式
を実線でそれぞれ示している。
フロントページの続き (72)発明者 助川 泰弘 茨城県那珂郡東海村大字村松4番地33 動力炉・核燃料開発事業団 東海事業所 内 原子力技術株式会社内 (72)発明者 田所 秀明 茨城県那珂郡東海村大字村松4番地33 動力炉・核燃料開発事業団 東海事業所 内 原子力技術株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−27044(JP,A) 特開 平10−268055(JP,A) 特開 平10−239438(JP,A) 特開 平10−48342(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01T 1/167 G21C 17/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程1〜5からなることを特徴とす
    る放射性廃棄物中の超ウラン元素(TRU)分析方法: 1.測定対象である放射性廃棄物中に含有されるTRU
    のγ線ピークと少なくとも一つは重ならない複数のγ線
    ピークを持つ外部γ線源から放出される各γ線ピークの
    計数率I0を測定し、該外部γ線源から放出されて放射
    性廃棄物と同様な炭素および酸素の化合物を構成材とし
    た基準廃棄物を透過した各γ線ピークの計数率ISを測
    定し、これらの計数率から基準廃棄物を透過する際の各
    γ線ピークの透過度TS(=IS/I0)を求めて、各γ
    線ピークのγ線エネルギーEと透過度TSとの関係式 TS=gS(E) …[1] を得る工程、 2.該外部γ線源から放出されて測定対象である放射性
    廃棄物を透過した各γ線ピークのうち、該放射性廃棄物
    中のTRUのγ線ピークと重ならない1つのγ線ピーク
    の計数率IMを測定し、この計数率IMと前記1つのγ線
    ピークについての前記計数率I0とから該放射性廃棄物
    を透過する際の前記1つのγ線ピークの透過度TM(=
    M/I0)を求め、TM=TS nの関係と式[1]とから
    外部γ線源の各γ線ピークのγ線エネルギーEと透過度
    Mとの関係式 TM=gM(E)={gS(E)}n …[2] を得る工程、 3.上記関係式[2]に該放射性廃棄物中に含有される
    各TRUのγ線ピークのγ線エネルギーを代入して、各
    TRUのγ線エネルギーそれぞれの透過度Tを求める工
    程、 4.上記透過度Tを下記関係式 F=−ln(T)/(1−T) に代入して各TRUごとの吸収補正係数Fを求める工
    程、および 5.該放射性廃棄物からの各TRUのγ線ピーク計数率
    実測値Cにそれぞれの吸収補正係数Fを乗じて各TRU
    の真のγ線ピーク計数率を求める工程。
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