JP2966925B2 - 幼植物体の生産法 - Google Patents

幼植物体の生産法

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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、植物組織培養技術を用いた、幼植物体の生
産法に関するものである。
発明の背景技術 近年、組織培養技術の発達により、多数の植物で大量
増殖の商業化の可能性が拓けつつある。特に、観葉植物
などにおいてはそれらの単価が比較的高価なために、組
織培養による増殖が実用化されてきている。一方、例え
ば、種苗単価の安い野菜などにおいては、組織培養由来
の植物は増殖効率などの問題から商業的に適用可能な技
術に至っているとは言い難い。
組織培養による種苗の増殖技術には、カルスを経由せ
ずに分割しつつ増殖する方法、培養物から直接またはカ
ルスを経由して不定芽を分化させ、発根させて植物体を
得る方法、また、別の方法としてカルスから不定胚を誘
導し植物体を得る方法、苗条原基による方法などがあ
る。
分割して増殖する方法としては、例えば、アスパラガ
スにおいては小側枝や節を外植片として地上部を増殖
後、発根させて植物体を得る方法が知られている[Chee
−kok Chin(HortScience 17(4):590−591,1982)、
高山ら(公開特許公報昭63−109722)]。また、ニンニ
クでは、生長点培養によって得た植物体を増殖培地上で
分割、増殖することにより増殖する方法が報告されてい
る[S.Bhojwani(Scientia Horticulturae,13:47−52,1
980)。タマネギについてもニンニクと同様の増殖方法
が報告されている[G.Hussey(Sci.Hortic.,9:227−23
6,1978)]。他の植物の例として、カラジウム[R.D.Ha
rtman(Phytopathology,64(2):237−240,1971)]、
コルディリーネ[J.T.Kunisaki(Hort Science,10
(6):601−602,1975)]、パイナップル[V.H.Mathew
sら(Scientia Hort.,11:319−328,1979)]、カーネー
ション[藤野ら(日本園芸学会昭和46年度春季大会研究
発表要旨p.302−303)]など多くの報告がある。
不定芽による増殖技術としては、その例としてセント
ポーリア、グロキシニアなどをあげることができる[N.
D.Startら(HortScience,11(3):204−205,1976)、
C.Haramaki(Int.Plant Prop.Soc.,21:442−448、197
1)]。これらの植物では、得られた不定芽を分割、発
根させて幼植物を得ている。カルスを経由した不定芽に
よる増殖としては、イチゴ[大沢ら(農林水産省野菜試
験場報告書A、1:41−57,1974)]、トマト[E.Delangh
eら、Scientia Horticulturae,4:221−227,1976)]な
ど多くの植物で報告されている。
不定胚による技術としては、例えば、ニンジン[鎌田
(植物の化学調節、Vol.15(2):62−78,1980)]、ニ
ンニク[M.Abo El−Nil(Plant Sicence Letters,9:259
−264,1977)、荒木ら(日本園芸学会昭和63年度秋季大
会研究発表要旨p.254−255)]、アスパラガス[甲村ら
(日本園芸学会昭和63年度春季大会研究発表要旨p.232
−233)、平田ら(同要旨p.230−231)]などの報告が
ある。
以上に増殖方法別に若干の具体例を記述したが、これ
ら組織培養技術を用いた植物の増殖技術については、古
川仁朗著「図解 組織培養入門」(誠文堂新光社、昭和
60年)、加古舜治著「園芸植物の器官と組織の培養」
(誠文堂新光社、昭和60年)などに記載されている。
発明が解決しようとする課題 前述のように、組織培養による植物の大量増殖に関す
る技術は種々の植物について開発されてきているが、例
えば、分割による増殖方法では十分に発根しなかった
り、もともと分割によるものなので増殖率が低かった
り、不定芽による増殖でも、分割したり、発根工程を必
要とし、また不定胚による方法では不定胚が得られても
その苗化率が低かったりして、商業的に適用可能な技術
に至っているとは言い難い状況にある。本発明は、植物
の種類に制約されることなく、簡便で、再現性よく、か
つ効率的な植物苗の大量増殖を可能とする技術を提供し
ようとするものである。
発明の開示 本発明者らは、植物の大量増殖方法、すなわち培養に
使用する植物の部位、培地組成、培養工程などを鋭意検
討した結果、根を液体培地で培養することにより植物体
に分化する細胞塊が得られることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
すなわち、本発明による幼植物体の生産法は、根を外
植片として、少なくとも無機塩類、炭素源およびオーキ
シンを含有する液体培地で培養して細胞塊を誘導し、必
要に応じて該細胞塊をさらに同様の液体培地で培養して
細胞塊を増殖した後、該細胞塊を少なくとも無機塩類お
よび炭素源を含有する再分化培地で培養して幼植物体を
得ることを特徴とするものである。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
対象植物 本発明の対象となる植物としては、根を有する植物で
あればよく、双子葉植物、単子葉植物に限定されるもの
ではない。
細胞塊 本発明でいう細胞塊とは、根を外植片として液体培地
で培養して得られるものであり、脱分化した細胞が集ま
ったカルスとは異なり、表皮層を有する独立した単位体
である。細胞塊の形状は球形乃至だ円体、さらにはそれ
らが癒合した不定型のものもある。また、植物の種類に
よっては、細胞塊は形態学的に球状胚となっており、培
養がさらに進むと不定胚となっている場合もある。
細胞塊の誘導、増殖および幼植物体への再生 培養は、合目的的な任意の態様で行うことができる
が、好ましい態様の一つを以下に示す。
(イ)根の調製 細胞塊を誘導するための外植片として根を使用する。
この根は、発芽種子、塊茎、球根などから発生する根に
限られることなく、葉や茎などの組織片より誘導された
不定根でもよい。また、根そのものを無菌化して増殖し
て得た根であってもよい。これらの根を外植片として使
用するにあたっては、必要に応じて殺菌処理を行う。殺
菌処理は常法により行えばよく、例えば、エタノール、
次亜塩素酸ナトリウム水溶液などを使用して行うことが
できる。
(ロ)細胞塊の誘導 根から細胞塊を誘導するための液体培地は、少なくと
も無機塩類、炭素源及びオーキシンを必須成分とし、必
要に応じてビタミン類、アミノ酸類などを添加したもの
である。具体的には、従来から植物の組織培養に用いら
れている基本培地、例えば、ムラシゲ・スクーグ(Mura
shige & Skoog)の培地(以下、MS培地と記す)、リン
スマイヤー・スクーグ(Linsmaier & Skoog)の培地
(以下、LS培地と記す)、ガンボルグ(Gamborg)のB
−5培地などに、オーキシンを添加して調整される液体
培地を例示することができる。これら従来公知の培地組
成などは、例えば、原田および駒嶺著「植物細胞組織培
養」p.390−391、理工学社、1984年に記載されている。
また、用いる基本培地は、植物の種類によって選択性が
ある場合もあり、例えば、ネギ属の植物の場合はB−5
培地を改変したBDS培地[Dunstan,D.I.and Short,K.C.
(Physiologia Plantarum,41:70−72,1977)が好ましい
場合がある。
培地の炭素源としては、蔗糖、ブドウ糖などを例示す
ることができ、炭素源濃度は5−100g/が好ましい。
オーキシン類としては、2,4−D、ナフタレン酢酸(NA
A)、インドール酢酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)
などを例示することができ、それらを単独または組み合
わせて使用することができる。オーキシン濃度は、0.01
−50mg/が好ましく、0.1−20mg/がより好ましい。
培地のpHとしては、一般に5.0−6.5に調整されたもの
が好ましい。
また、上記培地に浸透圧調節剤として5−150g/の
マニトールやソルビトールなどの糖アルコールを添加す
ることにより、さらに好ましい結果が得られる場合があ
る。
このように調製した液体培地に、根を置床して約15−
35℃の温度で培養することにより細胞塊が得られる。こ
の培養は、静置培養でもよいが、60−160rpmでの振盪培
養もしくは回転培養、通気培養または通気撹拌培養など
により、培地を強制的に攪拌しつつ培養することによ
り、より良好に細胞塊を誘導することができる。
(ハ)細胞塊の増殖 工程(ロ)で得た細胞塊は、下記の工程(ホ)によっ
て幼植物体を得ることができるが、さらに本工程(ハ)
において培養することによって、細胞塊を増殖すること
も可能である。
細胞塊を増殖する場合、上記工程(ロ)において得ら
れた細胞塊を、少なくとも無機塩類、炭素源および1種
以上のオーキシンを必須成分とし、必要に応じてビタミ
ン類、アミノ酸類などを添加した培地で培養することに
より、それらを増殖することができる。具体的には、前
記した基本培地に炭素源として蔗糖を好ましくは5−10
0g/、およびオーキシン類として好ましくは2,4−D、
NAAなどを0.01−10mg/の濃度で添加して調製される培
地を例示することができる。また、上記培地にベンジル
アデニン(BA)、カイネチン(KN)、ゼエアチン(Zaet
in)などのサイトカイニン類を0.01−10mg/添加する
ことにより、下記の工程(ホ)においてより好ましい幼
植物体への再分化率が得られる場合がある。
また、上記培地に浸透圧調節剤として5−150g/の
マニトールやソルビトールなどの糖アルコールを添加す
ることにより、さらに好ましい結果が得られる場合があ
る。
培養条件は、工程(ロ)と同様に、振盪または回転培
養等によって培地を強制的に攪拌しつつ培養することが
好ましい。
(ニ)細胞塊の後培養 上記工程(ロ)または(ハ)で得た細胞塊は、下記の
工程(ホ)によって幼植物体を得ることができるが、必
要に応じて本工程によって後培養することにより、工程
(ホ)においてより好ましい幼植物体への再分化率が得
られる場合がある。
上記工程(ロ)または(ハ)で得た細胞塊を、無機塩
類として上記の基本培地に、炭素源として蔗糖などを含
有した液体または固体培地で培養することにより、より
植物体に分化しやすい細胞塊または成熟した不定胚を得
ることができる。好ましくは、無機塩類として、1/10か
ら通常の濃度のMS培地などの基本培地に炭素源として0
−80g/の蔗糖を添加した液体または固体培地を使用す
ることができる。固体培地の支持体としては、寒天、ジ
ェランガム、カラギーナン、アガロースなどを通常の濃
度、例えば、ジェランガムであれば2−10g/で用いる
ことができる。
また、好ましくは、上記培地に浸透圧調節剤として5
−150g/のマニトールやソルビトールなどの糖アルコ
ールを添加する。
(ホ)幼植物体への再生 工程(ロ)、(ハ)または(ニ)で得られた細胞塊ま
たはそれらがさらに生育した不定胚が得られたならば、
下記の再分化培地で培養することによって、幼植物体を
得ることができる。
再分化培地は、少なくとも無機塩類および炭素源を必
須成分とし、必要に応じてビタミン類、アミノ酸類が添
加されたものである。例えば、炭素源として5−100g/
の蔗糖またはブドウ糖を添加したMS培地などの基本培
地で細胞塊を培養することにより幼植物体を得ることが
できる。また、再分化培地には、必要に応じて浸透圧調
節剤として5−150g/のマニトール、ソルビトールな
どの糖アルコール、0.001−5mg/のIBA、NAA、KNおよ
び/またはBA、0.5−10mg/ GA3などの植物ホルモンを
培地に添加することにより、より好ましい結果が得られ
る場合がある。
得られた幼植物体は、さらに、湿度約75−95%に保っ
た温室内で順化することにより、旺盛な生育を示す植物
体が得られる。
一般に、植物組織培養で誘導される細胞の集団(いわ
ゆるカルス)については、植物体への再生能を有するエ
ンブリオジェニックなカルスと、植物体に再生する能力
を有さないノンエンブリオジェニックなカルスが存在す
るといわれている。本発明は、そもそもカルスを誘導す
るための技術ではなく、根を外植片として少なくとも無
機塩類、炭素源およびオーキシンを含有する液体培地で
培養することにより、カルスとは異なる細胞塊を誘導
し、該細胞塊をさらに培養して植物体が得られるもので
ある。
本発明によって次のような効果が得られる。
植物の種類、品種によって左右されることなく、簡便
で、再現性よく、さらに効率よく幼植物体を生産するこ
とが可能となる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものでなく、当業者
であれば考え得る改良、改変が本発明に含まれることは
言うまでもない。
実施例−1〔アスパラガス〕 アスパラガス(Asparagus officinalis L.)の若い茎
の先端から約50mmを切り取り、70%エタノールおよび次
亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度0.5%)によ
り表面殺菌し、先端部および側芽の生長点部分を切り出
した。8g/寒天および0.5mg/カイネチン、0.2mg/
IBAを含むMS培地(pH5.8)上で無菌的に育成した個体
の、10−50mmに伸長した2、3本の根を株元から切断
し、500ml容三角フラスコに分注した100mlの、2mg/
2,4−D、40g/シュクロース、さらに好ましくは10mM
プロリン、100mg/カゼイン加水分解物、30g/マニト
ールを含むMS液体培地(pH5.8)中に置床し、約3000lu
x、12時間照明下、100rpmで振盪または回転培養した。
その後、1−2ヵ月で細胞塊が誘導され、以後、上記培
地で細胞塊を継代培養し、増殖した。
また、細胞塊の増殖培地ととして、0.5−1mg/の2,4
−Dおよび30g/シュクロースを含むMS液体培地で継代
培養することにより、細胞塊を増殖した。さらに、この
培地に30g/ソルビトールおよび/または0.2mg/カイ
ネチンを添加することにより、細胞塊の増殖率および幼
植物体への再分化率において良好な結果が得られた。
次に、増殖した細胞塊を、30g/シュクロースおよび
4g/ゲルライトを含むMS培地(pH5.8)上に置床したと
ころ、約2週間目から正常な幼植物体となり、旺盛な生
育を示した。
比較例−1〔アスパラガス〕 実施例−1において、細胞塊の誘導培地に8g/の寒
天を含有した個体培地を使用したところ、細胞塊はほと
んど得られなかった。
実施例−2〔パセリ〕 パセリ(Petroselinum crispum Nym.、品種:パラマ
ウント)の種子を70%エタノールおよび次亜塩素酸ナト
リウム水溶液(有効塩素濃度0.5%)で表面殺菌し、8g/
寒天を含むMS培地(pH5.8)上に播種した。発芽した
個体の根を株元から切断し、300ml容三角フラスコに分
注した70mlの、5mg/ 2,4−D、30g/シュクロースを
含むMS液体培地(pH5.8)中に置床し、約3000lux、12時
間照明下、90rpmで振盪培養した。
約1カ月後に得られた細胞塊を30g/シュクロース、
8g/寒天を含むMS培地(pH5.8)上に置床したところ、
魚雷型の不定胚を経由して正常な幼植物体が得られた。
実施例−3〔ニンニク〕 ニンニク(Allium sativum L.、品種:ホワイト6
片)種球の普通葉を70%エタノールおよび次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液(有効塩素濃度0.5%)により表面殺菌
後、生長点部分を0.2mmに切り取り、NAA、BAをそれぞれ
0.01mg/および30g/シュクロースを含んだBDS寒天培
地(pH5.8)上に置床し、約3カ月後に再生した植物体
基部より発生した30−50mmの根を株元から切断し、300m
l容三角フラスコに分注した70mlの、2mg/ 2,4−D、3
0g/シュクロースを含むBDS液体培地(pH5.8)中に置
床し、約3000lux、12時間照明下、120rpmで振盪培養し
た。
約1カ月後に、得られた細胞塊を上記の新鮮な誘導培
地で継代培養し、増殖した。増殖して得られた細胞塊を
20g/シュクロース、0.1mg/カイネチン、50g/マニ
トールを含むBDS培地(pH5.8)中に約1週間後培養後、
20g/シュクロースを含むBDS固体培地(pH5.8)に置床
したところ約2週間目から幼植物体となり、旺盛な生育
を示した。
なお、上記の後培養は必須ではなく、細胞塊を0.5mg/
NAA、2mg/カイネチンおよび30g/シュクロースを
含むBDS固体培地(pH5.8)で培養することにより、幼植
物体が得られた。
比較例−2〔ニンニク〕 実施例−3において、細胞塊の誘導培地に8g/の寒
天を含有した固体培地を使用したところ、細胞塊はほと
んど得られなかった。
実施例−4〔ユリ〕 30g/シュクロースおよび8g/寒天を含むMS培地(p
H5.8)上で維持している鉄砲ユリ(Lilium longiflorum
Thunb.、品種:長太郎)の球根から伸長している15−3
0mmの根を、500ml容三角フラスコに分注した100mlの、
0.1mg/ NAA、100mg/カゼイン加水分解物、30g/マ
ニトール、10g/シュクロースを含有するMS培地液体培
地(pH5.8)中で振盪培養した。
約2カ月後、得られた細胞塊を30g/シュクロース、
8g/の寒天を含むMS培地(pH5.8)上に置床したとこ
ろ、約2カ月後に幼植物体が得られた。
実施例−5〔タマネギ〕 タマネギ(Allium cepa L.)の種子を70%エタノール
および次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度0.5
%)で殺菌し、8g/寒天、30g/シュクロースを含むM
S培地(pH5.8)上に播種した。発芽した個体の根を、生
長点を含む3−5cmの長さに切断し、10g/シュクロー
ス、30g/マニトール、2mg/ 2,4−D、100mg/カゼ
イン加水分解物、12mMプロリンを含むMS液体培地(pH5.
8)に置床した。根の置床量は、100mlの上記培地を分注
した。500ml三角フラスコ当り、3本とし、80rpmで振盪
培養することによって、約2カ月後に球状胚、心臓型胚
等を含む細胞塊を得た。その後、4週間毎に、これら細
胞塊0.5gを同一組成の培地に移植し、継代培養を繰り返
した。
次に、増殖して得られた上記の細胞塊を10g/シュク
ロース、80g/マニトール、1mg/ 2,4−D、100mg/
カゼイン加水分解物、12mMプロリンを含むMS液体培地
(pH5.8)中で4週間培養した後、50g/シュクロー
ス、8g/寒天を含むMS培地(pH5.8)へ置床した。その
結果、置床した細胞塊は約2週間目から多数の幼植物体
を形成した。これらの幼植物体はこのままでも順調に生
育したが、さらに、30g/シュクロース、8g/寒天を
含むMS培地(pH5.8)へ移植することによってより旺盛
な生育を示した。
実施例−6 ネギ(Allium fistulosum L.)の種子を70%エタノー
ルおよび次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度0.
5%)で殺菌し、8g/寒天、30g/シュクロースを含む
MS培地(pH5.8)上に播種した。発芽した無菌個体よ
り、生長点を含む根を、2〜4cmの長さに切断し、10g/
シュクロロス、30g/マンニトール、0.5mg/ 2,4−
D、100mg/カゼイン加水分解物、12mMプロリンを含む
MS液体培地(pH5.8)に置床した。根の置床量は、100ml
の上記培地を分注した500ml三角フラスコ当り3〜5本
とした。20℃、暗所で、80rpmで振盪培養することによ
り、約2カ月後に球状胚を含む細胞塊が得られた。得ら
れた細胞塊を、2mg/のベンジルアデニンを含む上記の
培地で4週間ごとに継代培養して、細胞塊を増殖した。
増殖した細胞塊を、2g/ゲルライト、10g/シュク
ロース、30g/マニトール、100mg/カゼイン加水分解
物を含むMS培地(pH5.8)上に置床したところ、約3−
4週間後に幼植物体が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−164820(JP,A) 特開 昭55−118319(JP,A) 特開 平2−2341(JP,A) 特開 平2−182124(JP,A) 特開 昭57−16692(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イネ以外の植物の根を外植片として、少な
    くとも無機塩類、炭素源およびオーキシンを含有する液
    体培地で培養して細胞塊を誘導し、該細胞塊を少なくと
    も無機塩類および炭素源を含有する再分化培地で培養し
    て幼植物体を得ることを特徴とする幼植物体の生産法。
  2. 【請求項2】イネ以外の植物の根を外植片として、少な
    くとも無機塩類、炭素源およびオーキシンを含有する液
    体培地で培養して細胞塊を誘導し、該細胞塊を少なくと
    も無機塩類および炭素源を含有する液体培地でさらに培
    養して該細胞塊を増殖後、該細胞塊を少なくとも無機塩
    類および炭素源を含有する再分化培地で培養して幼植物
    体を得ることを特徴とする幼植物体の生産法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項乃至第2項記載の幼
    植物体の生産法において、該根がユリ科またはセリ科に
    属する植物のものであることを特徴とする幼植物体の生
    産法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第2項記載の幼
    植物体の生産法において、該細胞塊を誘導する培地を強
    制的に攪拌しつつ行うことを特徴とする幼植物体の生産
    法。
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