JP2965937B2 - ボーリング用地層ガス検知方法 - Google Patents

ボーリング用地層ガス検知方法

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JP2965937B2
JP2965937B2 JP9132949A JP13294997A JP2965937B2 JP 2965937 B2 JP2965937 B2 JP 2965937B2 JP 9132949 A JP9132949 A JP 9132949A JP 13294997 A JP13294997 A JP 13294997A JP 2965937 B2 JP2965937 B2 JP 2965937B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボーリング用地層
ガス検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連する技術として、シールド
掘削用地層ガス検知方法に関する下記の特許出願があ
る。 「シールド掘削用ガス検知方法及び装置」平成7年特
許願第20891号(以下の発明という)。 「シールド掘削用ガス検知方法及び装置」平成7年特
許願第347550号(以下の発明という)。
【0003】前記の発明は何れもシールド掘削工事を対
象としたもので、先に、施工中のシールドトンネルにお
いて、地層に含まれた可燃性天然ガスが坑内に漏洩し、
重大な災害事故を発生させた事例が契機となって、これ
らの発明がなされた。前二件の発明は、装置の構造はそ
れぞれ全く異なるが何れも地層ガス濃度を測定しながら
シールド掘進し、高ガス濃度地層への接近を事前に予知
し、速やかな対策の実施による災害の未然防止をその目
的としている。
【0004】すなわち、の発明は、シールド掘削にお
いて、加圧された排泥管の途中から泥水に溶存する地層
ガス成分を連続的に抽出・分析し、地層に含有するガス
成分を評価することを特徴とした発明である。
【0005】この方法は地層ガス濃度に関する連続的な
測定データを与える特徴の反面、データが見掛値のた
め、時々泥水の試料を採取してその溶存ガス成分を完全
に追い出した分析値により測定データの補正を行わねば
ならないという欠点がある。
【0006】このの発明装置を実際のシールド工事に
適用し実証試験を試みた結果、地山のガス分布は数メー
トル程度の短区間の掘進中にそれほど大幅な変化をしな
いこと、したがって、必ずしも連続測定の必要のないこ
とが判明した。その結果を踏まえての発明がなされ
た。
【0007】すなわちの発明においては、シールド掘
削機の前面から泥水(または泥土)の試料を採取し、真
空減圧や加熱による試料中のガス成分の完全追い出し、
ガスクロマトグラフ分析装置の採用、試料の採取から分
析、後処理に至る全工程の自動化などを特徴とした装置
であった。前述のように、,の発明は何れもシール
ド掘削を対象とした地層ガス検知装置である。
【0008】図によって説明すると、図7はの発明装
置の図で、泥水方式のシールド掘削を対象とした連続式
ガス検知装置を示す。同図において、ガス濃度計測装置
54は泥水配管を上下に分岐させるべく設けられた下側
本管と上側バイパス管51のうちの、上側バイパス管5
1に設けられている。つまり、上側バイパス管51の中
間部にはガス濃度計測装置本体(ガストラップ)55が
設けられており、この装置本体55の管体55a内を泥
水が矢印方向に流れる。装置本体55にはエア注入口6
4,排出ガス注入口65,テストガス注入口66,泥水
サンプル取出し口67等が設けられている。また、ガス
濃度計測装置本体55の管体55aは中間部が上方に膨
らんでいて、この管体55a内にエア噴射フィルタ57
と超音波発生装置58の超音波振動子58aが設けられ
ている。また、管体55aの上部は形成された開口70
が集ガスキャップ71で閉じられてその内側が空気溜ま
り56とされており、集ガスキャップ71を気密に貫通
して空気溜まり56に進入するよう水位検知器53を構
成する水位上限検知器53aと水位下限検知器53bが
設けられている。
【0009】の発明では、さらに、シールドトンネル
先端の加圧配管内で循環中の掘削泥水から有効に、かつ
連続的にガス成分を集め、ガス濃度を定量的に計測し、
計測後のガスを大気汚染を避けるため配管内に戻し、計
測結果は地下および地上の作業員に表示し、危険濃度に
達すれば警報を発するようになっている。
【0010】これを詳しく説明すると、図7のガス濃度
計測装置54において、下側本管から分岐して上側バイ
パス管51内を流れる掘削泥水中に含まれている天然ガ
ス(主にメタンガス)と空気との混合ガスを生成し、こ
の混合ガスを集ガスキャップ71内に集めるものであ
る。前記の混合ガスは、計測装置本体55内に注入する
当該空気を一定に保つ定流量コントローラ72及び、エ
ア注入口64を介してエア噴射フィルタ57により微小
気泡となって泥水中に噴射される。
【0011】また、超音波振動子58aにより超音波を
計測装置本体55内の泥水に放射し、そのキャビテーシ
ョン効果により混合ガス生成効率を高めている。前記の
ようにして集ガスキャップ71内に集められた混合ガス
は、配管50に設けられる開閉コック73,水素除去装
置(水素反応槽)59,水分除去装置(水分除去槽)6
0,定流量コントローラ61を経てガス濃度測定器62
(及び警報出力装置62a)に導かれ、このガス濃度測
定器62で混合ガスのメタン含有率を測定し、電気信号
を出力する。また、メタンガス濃度がある値以上になる
と警報を出力する。
【0012】前記開閉コック73は、測定ガスの流路系
とそれに付属する装置の修理,点検等を行なう時これを
閉じる。また、水素反応槽59は、測定する混合ガスに
水素が含まれていると、測定誤差になるので、水素と酸
素を反応させるためであり、水分除去槽60は混合ガス
に水分が含まれていると、測定誤差になるので、測定ガ
スの水分を除去するためのものである。このようにし
て、ガス濃度計測装置本体55に取込まれた泥水中のメ
タン含有ガス濃度は、ガス濃度測定器62で測定され、
かつ警報信号を出力する。
【0013】前記ガス濃度測定器62で測定の終了した
ガス(及び水位調節で空気溜まり56より放出されたガ
ス)は、ガス一時貯蔵タンク63に貯蔵され、その蓄積
量が監視されて、ポンプコントローラ74に圧入開始,
停止信号が出力される。ポンプコントローラ74ではガ
ス一時貯蔵タンク63からの信号を受信し、圧入ポンプ
75を制御しつつ計測装置本体55内の出口部に設けら
れた排出ガス注入口65を通って、上側バイパス管51
の下流部に適正量ずつメタンガスを戻す。
【0014】集ガスキャップ71に設けられた水位下限
検知器53bと水位上限検知器53aは、当該集ガスキ
ャップ71内の泥水液面を検知し、水位コントローラ7
5aに信号を送るためのものである。水位コントローラ
75aでは水位の上下限検知器53a,53bからの信
号を受けて、電磁バルブ76,77を制御するもので、
一方の電磁バルブ76が開くことにより集ガスキャップ
71のガスが放出され、他方の電磁バルブ77が開くこ
とにより集ガスキャップ71内に空気が補給される。ニ
ードルバルブ78は集ガスキャップ71内に空気を補給
するとき、急激な補給を抑制するためのものである。
【0015】また、テストガス注入口66は、これから
標準メタンガスを泥水中に定量圧入し、本装置の機能を
チェックするためのものである。泥水サンプル取出し口
67は泥水中の天然ガス含有率を高精度で分析する(こ
れは実験室で行なわれる)ためのものである。
【0016】次にの発明は図8に示されている。同図
において、試料採取シリンダー112には泥土試料11
4の吸入管81と排出管111が独立して設けられてい
て、それぞれが第1,第2の三方ボールバルブ83,8
4を介して前記試料採取シリンダー112に接続されて
おり、吸入管81と排出管111の前端の吸入口85と
排出口86はシールド掘進機の前面隔壁80を貫通して
その前側に位置している。
【0017】泥土試料114の採取に際しては、第1の
三方ボールバルブ83を開き、試料採取ピストン88を
動作させ、吸入管81を介して200cc. の泥土試料1
14を吸入し、次に第1の三方ボールバルブ83を閉
じ、第2の三方ボールバルブ84を開いてその全量を一
度排出した後、改めて100cc. を採取する。この動作
の目的は、前回のガス濃度測定の際の吸入管81内の残
泥土を棄て、新鮮な泥土試料114を採取することにあ
る。
【0018】泥土試料114の採取が終わると2つの三
方ボールバルブ83,84を切替え外部の泥土側との連
絡を断ち、次に温水注入ポンプ89側の第3バルブ90
と第4バルブ91を開いて温水槽92から温水を試料採
取シリンダー112内にポンプ圧入する。温水の圧入量
は、ピストン位置ゼロ検出センサー93により試料採取
ピストン88の移動量で計測するが、約100cc. であ
る。
【0019】試料採取シリンダー112への温水の注入
が終わると、第2の三方ボールバルブ84と、温水注入
ポンプ89側の第3バルブ90を閉じ、次に循環ポンプ
82側の第1の三方ボールバルブ83を切換えると共
に、第5バルブ94と第6バルブ95を開く。
【0020】前記第5バルブ94と第6バルブ95の間
を、ループ中に前記循環ポンプ82とガストラップシリ
ンダー87を介装してなる配管96,97により連結し
てなる循環ループ98が形成されていて、この循環ルー
プ98は水で充満されている。
【0021】次に、循環ポンプ82を運転して、試料採
取シリンダー112内の温水で希釈した泥土試料114
を循環ループ98内で循環させる。この間、試料採取ピ
ストン88により循環ループ98内の泥土試料114に
対し強制減圧効果を与える。
【0022】泥土試料114中のガス成分は、循環ルー
プ98を循環中にガストラップシリンダー87内の上部
に逐次貯留される。次に、空気注入バルブ99を開いて
ガストラップシリンダー87で、抽出されたガス成分と
空気との混合ガスを作る。この時の混合ガス量は常に一
定量になるように調整される。混合ガスを作る過程で循
環ポンプ82を停止する。この循環ポンプ82は、小型
のスラリー用のものを使用する。
【0023】次に水バルブ100を開くことで、ガスト
ラップシリンダー87に水が充満され、このときガス排
出バルブ101を開いておくことで、ガストラップシリ
ンダー87内の混合ガスが配管109を通してガス分析
装置113に送られ、そこで混合ガスの濃度が測定され
る。
【0024】ガストラップシリンダー87内からの混合
ガスの排出が終わると、水バルブ110を開き、温水注
入ポンプ89を操作して水槽102から試料採取シリン
ダー112内に水を送り、試料採取ピストン88を操作
することで、試料採取シリンダー112内と循環ループ
98内の泥土試料114は水で洗浄されて、前面隔壁8
0外に排出される。洗浄後、循環ループ98内は清水で
充満される。
【0025】前述のように、の発明におけるシールド
掘削用ガス検知装置は、加圧された排泥管の途中に取付
けられていて、泥水に混入しているガス成分を連続的に
抽出し、泥水中のガス濃度変化を記録し、地層ガス濃度
を算出することを目的としている。
【0026】の発明におけるシールド掘削用ガス検知
装置は、の発明と同じ名称で使用目的も同じである
が、前者を改良し計測精度の向上を意図したものであ
る。すなわち、この装置はシールド機の前面隔壁に装着
され、掘削中に泥水または泥土の試料をサンプリング
し、試料内部のガス成分を完全に追い出した後、分析定
量するもので、全ての動作がコンピュータ制御のシーケ
ンスとフェイルセーフ機能を持たせたことを特徴として
いる。
【0027】本発明は、前記,の発明とは適用分野
を異にし、更に前記,発明の計測方法を組合せて全
く新たな効果を有する発明を生み出したもので、つま
り、地層ガス検知方法をボーリング調査に適用しようと
するものである。すなわち、シールド工事においては、
通常その施工前に路線に沿って地層ガス賦存量調査を目
的としたボーリングが行われる。例えば路線長が1キロ
メートルであれば、概ね200メートル間隔に6孔、深
度約50メートルのボーリングが実施される。
【0028】ボーリング孔を用いて行われる調査内容
は、一般的な土質調査の他、地層試料や地膚水を採取し
て行うガス含有量試験、孔内水を低下させ人為的に地層
の含有ガスを遊離させて行う噴出試験などがある。これ
らの調査は、砂質地層を重点にボーリングを中断して行
われるが、予めガス賦存地層の位置が不明なだけに的確
な深度選定が難しい。
【0029】また、よく経験することではあるが、実際
の地層構造は場所によって微妙に変化しているため、前
述のような200メートル間隔のボーリング調査では、
必ずしも路線全体のガス賦存状況を把握しえない恐れが
ある。更に、調査結果そのものについても、特定の深度
区間におけるスポット的な評価であって、地層に対して
縦方向の深度別ガス濃度分布を調査することはできな
い。
【0030】,の発明が適用されるシールド掘削で
は、地層の堆積方向に対して概ね平行に進められるの
で、ガス濃度の変化は特殊な例(地層ガスが遊離してい
る状態)を除けば緩やかなものとなる。これに反して、
ボーリングのように地層の堆積方向に対して垂直に掘削
される場合には、ガス濃度の変化は比較的急激に起きる
ことが多い。しかもボーリングの場合の掘進速度は、シ
ールドの場合と比較すると10倍程度早くなるので、調
査方法もそれに適したものが必要になる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
地層ガス検知方法は、地層ガス濃度を測定しながらシー
ルド掘進し、高ガス濃度地層への接近を事前に予知し、
速やかな対策の実施による災害の未然防止がその目的で
あって、以下に述べる本発明の装置のようなシールド掘
削の路線調査で行われる、地層ガス賦存量調査ボーリン
グを対象に発明されたものは存在しなかった。
【0032】ところで、ボーリングの掘進速度はシール
ドの場合に比較してより早く、地層ガス濃度の変化もシ
ールドの場合より遙かに急激である。このような場合に
は連続測定の方が好ましく、の発明の装置が実状に適
合する。しかし、の発明装置では、データ補正のため
に時々の泥土試料を採取し分析するといった煩わしい手
間が必要になる。
【0033】そこで、本発明では、との発明を組合
せ、の装置による分析データで逐次の連続測定デー
タを補正し、連続性と高精度を両立させることにより新
たな応用の道が開けた。
【0034】本発明は、地層ガス賦存量調査ボーリング
のほか、一般的な調査ボーリング、あるいは石油・天然
ガス調査にも応用可能であり、また小口径シールド掘削
において後方台車に積載して使用するなど全ての地層ガ
ス調査に応用可能な方法と言えよう。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボーリング施
工に際し、ボーリングによって粉砕された地層掘屑を地
上に運ぶ循環泥水中に溶存するガス成分をガストラップ
で採取して、ガス濃度を連続ガス測定器で測定する連続
ガス濃度測定のプロセスと、前記循環泥水から前記地層
掘屑を泥水試料としてサンプリングしてガス抽出ユニッ
トに導き、このガス抽出ユニットにおいて、前記泥土試
料から抽出されたサンプリングガスと空気との定量混合
ガスの濃度をガス分析装置で測定すると共に、単位時間
当りの地層掘削体積(M3/min)を単位時間当りの掘進長
と泥水循環量により補正演算を行なって、掘削地層中の
ガス濃度を測定するサンプリングガス濃度測定のプロセ
スとからなり、前記連続ガス濃度測定とサンプリングガ
ス濃度測定から得られた計測データをもとに、下記の関
係式を用いて地層ガス濃度を演算することを特徴とす
る。「連続ガス」および「サンプリングガス」それぞれ
の測定値間の関係は統計的に集約され、次の関係式によ
り補正係数AとBが求められる。 サンプリングガス濃度(%)=〔連続ガス濃度(%)−
B〕/A 泥水ガス濃度(%)=〔連続ガス濃度(%)−B〕/A 次に地層ガス濃度は、次式により計算される。 地層ガス濃度(%)=〔泥水ガス濃度(%)×泥水循環
量(cc/min.)〕÷地層掘削体積(cc/min.) ただし、 地層掘削体積(cc/min.)= [(π/4)×〔ビット径
(cm)]2×掘進率(cm/min.) また、本発明は、前記連続ガス濃度を検知するに際し、
ボーリングロッドの垂直方向の移動量検出センサーによ
り、単位時間当りの推進率データを測定することを特徴
とする。また、本発明は、地下のガス成分が泥水によっ
て地上に運ばれ、検知されるまでの時間差を、ビット径
と泥水循環量、その時点での孔井深度から算出されるラ
グタイムと、地上の連続ガス測定時と当該深度掘削時と
のラグタイム補正演算を行なうことを特徴とする。
【0036】[本発明の特徴]本発明の地層ガス調査方
法は、ボーリング掘進と並行して行うことができ、深度
の増加と共に、それぞれの地層のガス濃度をリアルタイ
ムに測定しようとするものであって、従来の地層ガス賦
存量調査方法と比較して、以下に述べるような長所があ
る。 ボーリング全深度区間にわたる連続した地層ガス濃度
分布データが得られる。 従来の調査方法より短時間に実施できる。方法そのも
のも比較的簡単で済む。
【0037】の特徴につき若干の説明を加える、地層
中のガス成分は、時間の経過と共に高濃度地層から上方
の低濃度地層へと次第に拡散する傾向がある。もし上方
の地層が、例えば粘性土のような不透水性地層で、かつ
ガス成分が地層水に溶存状態で存在するような場合、そ
の拡散速度は遅くなる。これに対して地層中の溶存ガス
濃度が次第に増加し過飽和となった場合、その余剰ガス
成分は地層水から遊離し、地層上部に気体のガス溜まり
ができる。このような状態になると、不透水性地層に対
するガス成分の拡散速度は早まり、結果としてその直上
部の不透水性地層中のガス温度分布に異常が表れる。
【0038】シールド路線に沿って数孔のボーリングを
行うものとして、それぞれの深度方向のガス濃度分布を
対比し、もしその中に異常な濃度傾向を示すボーリング
地点があれば、その下方もしくは至近横方向の地層中に
遊離ガス溜まりが存在する可能性がある。
【0039】また、で言及した特徴は、従来の調査方
法においては、ボーリングを一旦中断してケーシングを
挿入し、試料を採取した後再びケーシングを抜管するな
ど手間と時間を要するのに反して、本発明の調査方法に
よれば、掘進を中断することなくこれに並行して調査が
可能であり、時間と費用の節減に寄与しうる。また、も
し試料の採取が必要な場合(地層水試料の分析とガス圧
力測定のため)には、従来の調査方法と本発明の方法を
併用することにより適切な試験深度の設定が可能にな
り、またより的確な地層ガス濃度評価が行えよう。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図を参照して説明
する。なお、以後、の発明によるデータを「連続ガス
濃度」、またの発明によるデータを「サンプリングガ
ス濃度」と呼ぶことにする。「連続ガス濃度」の特徴は
測定データの連続性にあるが、泥水中のガス濃度を測定
しているとは言え、絶対量ではなく見掛け量になる。一
方、「サンプリングガス濃度」は、一回の分析に約5分
程度の時間を要するため、測定データとしては絶対量を
表したものとは言え連続性に欠ける。これらのデータを
組合せ、更に時間当りの掘進量と泥水循環量データを加
え、地層ガス濃度演算を目的としたのが本発明である。
【0041】図1,図2は、通常のボーリング装置に本
発明のガス検知システムを取付けて使用する場合の概念
図である。その概要を説明すると、ガス検知システムに
おいては、「連続ガス」用のガストラップ10が排泥溝
(管)に取付けられ、泥水から分離されたガス成分は空
気で希釈されホースでガス濃度測定器(連続ガス測定器
23)に導かれる。また「サンプリングガス」の採り入
れ口は、立ち上がり管の途中に砂礫防護スクリーンを通
じて泥水試料をガス抽出ユニット26に導く。このガス
抽出ユニット26はシーケンサで制御され、泥水試料の
サンプリングからガス成分の抽出、サンプリングガス測
定器35による分析に至るまで全て自動的に行う。
【0042】各図に示される通常のボーリング装置にお
いては、エンジンまたはモーターで駆動し、ボーリング
ロッド2を回転させる機構部1と、同じ駆動方式で運転
される泥水循環用ポンプ3がある。また、地層5を掘進
するためボーリングロッド2の先端にはビット4が装着
され、ボーリングロッド2を懸吊するボーリング櫓1
9,ロッド2に加える荷重の調整機構6などがある。前
記回転機構部1において、エンジンまたはモーター1a
は、クラッチ機構1bと一方の傘歯車がチャック1dを
介してボーリングロッド2に固着されている傘歯車機構
1cを介して当該ボーリングロッド2と連動連結されて
いる。そして、そして、ポンプ3から圧送された泥水
は、地上の送泥ホース8を通ってボーリングロッド2の
内部を通りビットの先端で噴出し、地層5とロッド2の
間隙7を上昇して地上の排泥溝(管)を通って「連続ガ
ス」用のガストラップ10を介して泥水タンク9に至る
循環経路をたどる。
【0043】掘削された地層屑は泥水により運ばれて地
上で分離され、分離後の泥水は再びポンプにより地下に
圧送される。
【0044】地層5中のガス成分は地層空隙の被圧地下
水に溶存状態で存在する。一般に、砂質地層は透水性が
高いので地下水は流動し易く、ガス成分は地下水と共に
移動し拡散し易い。ガス成分がより下位のガス根源層か
ら補給されると、砂層のガス濃度は上昇する。もし、砂
層の上部が不透水性の厚い粘性土で覆われていると、貯
溜したガス成分はその上方向に拡散し難いためそこに滞
留し、更にこのガス濃度が過飽和状態に達すると余剰ガ
ス成分は遊離して隆起部分に気相のガス溜まり(フリー
ガス)を形成する。フリーガス部分のガス濃度は液相部
分より遙かに高くなる。
【0045】粘性土にも僅かながら透水性があるので、
砂層隆起部分にフリーガスが形成されると、その直上部
粘性土中のガス濃度は次第に上昇し、他の部分の濃度と
は明瞭な差異(濃度異常)が表れる。この現象は、前記
,の発明装置をシールド掘削に適用した場合におい
て、フリーガスへの接近を事前に地層ガス濃度の上昇傾
向から推察しうる予知効果の根拠となる重要な点であ
る。
【0046】一方、ボーリングによって粉砕された地層
掘り屑は泥水により地上へと運ばれるが、その際地層水
とそれに溶存するガス成分も共に泥水に含まれ運ばれ
る。単位時間当りの地層掘削体積は、掘削ビット4の外
径と単位時間当りの掘進長との積で表されるが、この単
位地層掘削体積が同じく単位時間当りの泥水循環量の中
に分散して地上に運ばれる。したがって、地上で泥水流
中のガス濃度を計測し、単位時間当りの掘進長と泥水循
環量により補正演算を行えば、地層ガス濃度を知ること
ができる。
【0047】泥水循環量はポンプ吐出量として地上にお
いて容易に測定でき、通常の掘進中は概ね一定と見做さ
れる。これに対し単位時間当りの掘進長(掘進率と称
し、センチメートル/分で表される)は地層の固さやビ
ットの磨耗などによって変化するので、ボーリングロッ
ドの垂直方向の移動量検出センサーにより常に正確な掘
進率データを測定する必要がある。
【0048】また、地下のガス成分が泥水によって地上
に運ばれ、検知されるまでにはある時間遅れが生ずる。
この時間差をラグタイムと称し、ビット径とポンプ吐出
量、およびその時の孔井深度から算出されるが、ボーリ
ング孔が深くなるとラグタイムは次第に増加するので、
地上のガス検出時と当該深度掘削時とのラグタイム補正
も重要な演算項目になる。
【0049】本発明においては、「連続ガス」と「サン
プリングガス」の2種類の計測を行うことを特徴とする
旨、前に述べた。そのうち、「連続ガス」の測定につい
て図1〜図3を参照して以下に説明する。
【0050】「連続ガス」の測定方法は、地上に戻った
泥水流の通路に「ガストラップ」と称するガスの採取装
置を取付けて行う。ガストラップ装置10は、上部開口
が蓋板16で閉じられ、密閉された容器11に泥水の入
口13と出口12が備えられ、容器11内の中央部には
撹拌用インペラー14が位置しており、この撹拌用イン
ペラー14はインペラー軸17を介して蓋板16に設置
したモータ18と連結されている。
【0051】容器11内部に入った泥水は、インペラー
14により撹拌され、そのキャビテーション効果により
泥水中の溶存ガスは追い出され、容器11上部の細管2
1と接続のノズルを有する空気取入れ口20から取入れ
られた所定量の空気と一緒になって、容器上部のガス取
出し口15から細管22を通して連続ガス測定器23に
導かれる。連続ガス測定器23の内部に吸引ポンプがあ
り、ガストラップ10で採取したガス成分と空気との混
合ガスを一定の割合で吸引し、ガス検知センサーはその
混合ガスの濃度(百分率)を指示するようになってい
る。
【0052】したがって、「連続ガス」の指示値は泥水
中の溶存ガス量に対する見掛けの値であり、絶対量では
ない。すなわち、ガストラップ10が採取するガス成分
量は、泥水中に溶存するガス成分量の一部に過ぎず、ポ
ンプレート、泥水の性質、ガストラップの機能などによ
り、ガスの採取能率は変わる。これを「デガッサー効
率」と称し、時々泥水試料を採取してこれを完全脱ガス
し、これのガスクロ分析値と泥水試料採取時の「連続ガ
ス」指示値とを比較し、「デガッサー効率」を求めてお
けば「連続ガス」の見掛け値を補正して真の泥水ガス濃
度値を求めることができる。通常「デガッサー効率」
は、デガッサーの機能構造、泥水の流量、泥水の性質な
どが変わらなければ、概ね一定である。
【0053】本発明では、「連続ガス」対「サンプリン
グガス」それぞれのデータから常時「デガッサー効率」
を演算し、その統計値を補正係数として用いる。ただ
し、「連続ガス」は大気圧下でのガス抽出であるため、
泥水中の溶存ガスが極めて微量の場合は理論的に抽出不
能であるが、一般的に言って「連続ガス」の指示値は、
地層ガス濃度の多少を判断する良いバロメータになる。
【0054】図4は、ボーリングにおける泥水ガス濃度
の測定プロセスを示したものである。地層が掘削される
と、地層に含まれるガス成分は掘屑と共に泥水に混入
し、地上に運ばれる。いま、単位時間当りの地層掘削体
積の中に1000ccのガスがあり、これが循環量毎分1
0リットルの泥水により地上に運ばれるものとすると、
地上では泥水ガス濃度は10%に相当する。この泥水を
毎分10リットルの処理能力をもつガストラップを用い
その脱ガス効率は0.5(50%)とする。この時、毎
分当り500ccのガスが抽出されるので、これを毎分1
500ccの空気量で希釈しガス濃度検知器に送ると、検
知器の指示値は25%になる。この場合、泥水ガス浸度
に換算する補正係数は0.4となる。
【0055】「連続ガス」はこのように、最大の長所は
記録の連続性にあり、地層の掘進中は泥水を介して地層
ガス濃度の変化をリアルタイムに反映する。特に急激に
地層ガス濃度の変化にも応答できる点は、特に掘進速度
の早いボーリングの場合には最適なガス調査方法と言え
よう。
【0056】一方、「サンプリングガス」の測定方法は
一定量の泥水試料を採取した後、これを真空吸引もしく
は加温などの効果によって完全に脱ガスし、抽出された
ガスをガスクロマトグラフに導き、各ガス成分ごとに定
量分析するもので、一回の処理分析の所要時間は凡そ5
分程度を要する。つまり「サンプリングガス」の分析記
録は約5分に一個となる。
【0057】この事実は、「サンプリングガス」がボー
リングのような掘進速度の早い場合のガス調査には適し
ないことを意味する。そこで、「連続ガス」のリアルタ
イム性と「サンプリングガス」の高精度を組合せ、前者
のデータを後者によって常時補正すれば、リアルタイム
性を失うことなく常に高精度の泥水ガス濃度データを得
ることができる。
【0058】図1,図2と図5を参照して「サンプリン
グガス」の測定を説明すると、ガス抽出ユニット26
は、次のように構成される。まず、一定量の泥水試料を
ボーリング孔24の上部に立設した排泥管25からサン
プリングし、ホース30と手動ボールバルブ28,流量
計31を介して2個の第1と第2の電磁三方バルブ2
7,27aを切替えてサンプル給排循環ポンプ32によ
り循環ループを作り、清水で希釈したサンプルを循環す
る。ガス成分の抽出を容易にするため、途中真空吸引、
ヒータ33による加熱などの補助動作を加え、抽出され
たガス成分はガストラップシリンダー34の上部に集ま
る。この時、抽出したガス量を空気で希釈し、その総量
が10ccになるよう調整した後、この混合ガスはガス分
析ユニット35に送られる。
【0059】分析終了後の試料は、再び2個の第1,第
2の電磁三方バルブ27,27aを切り換えてポンプ3
2により外部に排出され、また同時に循環ループも清水
でクリーニングされる。
【0060】各電磁弁27,27a,38,39,4
0,41やポンプ32,真空ポンプ42,ガス撹拌モー
タ46等の動作は、全てシーケンサー36により制御さ
れる。また流量計31、圧力センサー44、温度センサ
ー45等はシーケンス制御をモニターし、フェイルセー
フ動作を行わせるためのものである。47はガスゼロ検
出器、48は混合ガス水位検出器である。その他のセン
サーにつき説明を加えると、泥水流量計43は送泥管の
途中に取付けられ、毎分当りの泥水循環量のデータを与
える。また、スピンドル回転検出センサー49は、掘進
の開始と終了の信号を与える、チャック移動量検出用リ
ニアエンコーダ50は、毎分当りの掘進長さを検出す
る。前記各種のセンサー信号は、「連続ガス」データ、
「サンプリングガス」データなどと共にシーケンサーに
集められ、地層ガス濃度演算のための補正係数として用
いられる。
【0061】全ての計測データは、アナログレコーダ3
7で記録されるが、同時にフロッピーディスクにも記録
され、後日の解析評価に用いる。
【0062】本発明の地層ガス検知方法においては、ボ
ーリング中の戻り泥水を対象に「連続ガス」と「サンプ
リングガス」の2種類のガス濃度測定を同時に行うこと
が最大の特徴である。
【0063】そして、前述のように一つは、「連続ガ
ス」と称し排泥溝にガストラップを設置し、連続的に泥
水中のガス成分を抽出し、ガス濃度計によりそのガス濃
度を測定する。しかし、この方法では泥水中のガス濃度
の見掛けの値しか判らない。すなわち、ガストラップ装
置の脱ガス効率が不明な故である。
【0064】しかしながら、「連続ガス」の特徴は記録
の連続性にあり、ボーリング中に条件さえ変わらなけれ
ば、泥水中のガス濃度は地層そのものの有するガス濃度
に比例した値となる。そこで、別な方法で泥水中の真の
ガス濃度値が判れば、その値と組合せて、「連続ガス」
の値を補正できる。
【0065】一方、「サンプリングガス」は、排泥管の
途中から一定量の泥水試料を採取し、加熱減圧などの方
法で泥水中の全てのガス成分を追い出し、定量分析を行
わせるものである。この方法は、泥水中のガス濃度測定
方法として定量性に優れるが、全工程を自動化しても1
サンプル当り約5分を要する。例えば、連続的にサンプ
リングし、分析計を数台備えて連続したデータを得るよ
うな方法は、装置の大型化を招きコスト的に見合わな
い。これに代わる方法が本発明の「連続ガス」方法との
組合せである。
【0066】図6は、「連続ガス」と「サンプリングガ
ス」それぞれの計測データを組合せ、演算して地層ガス
濃度を求める演算フローチャートを示す。「連続ガス」
の測定データと「サンプリングガス」の分析データは計
算機に記憶され、統計処理を行った後、デガッサー効率
(補正係数A,B)が求まる。A,Bは、ボーリング中
に常時計算され、値は常に更新され、地層ガス濃度の演
算に用いられる。
【0067】すなわち、「連続ガス」および「サンプリ
ングガス」それぞれの測定値間の関係は統計的に集約さ
れ、次の関係式により補正係数AとBが求められる。サ
ンプリングガス濃度(%)=〔連続ガス濃度(%)−
B〕/Aボーリングの進展につれ泥水の性質や循環量が
変われば、補正係数AとBも逐次更新される。泥水ガス
濃度は、連続ガス濃度値に補正係数AとBを用いて次式
で計算される。 泥水ガス濃度(%)=〔連続ガス濃度(%)−B〕/A 次に地層ガス濃度は、次式により計算される。 地層ガス濃度(%)=〔泥水ガス濃度(%)×泥水循環
量(cc/min.)〕÷地層掘削体積(cc/min.) ただし、 地層掘削体積(cc/min.)= [(π/4)×〔ビット径
(cm)]2×掘進率(cm/min.) 以上の演算を行って、「連続ガス」の測定値を地層ガス
濃度(%)の値に換算する。
【0068】
【発明の効果】 従来のガス調査方法との比較 従来のガス調査方法は先ずボーリングを行い、次に調査
個所の上部までケーシングを挿入して他の地層と遮断し
た後、その個所で採水、採気などの方法でその地層から
ガス試料を抽出する。調査箇所が複数あればその都度ケ
ーシングを抜管し、次の個所まで再度ボーリングを行っ
て同じ調査手順を繰り返す。そのため、従来のガス調査
方法の場合には多大の手間と時間をかけざるを得なかっ
【0069】また、採水、採気などの方法は相当に入念
に行う必要があり、従来はともすれば折角の採取試料が
外気や孔内水で汚染され、測定精度を妨げる恐れも多分
にあった。それに引換え本発明の方法は、ボーリングの
進行と同時並行的にガス調査が可能で、時間も手間も大
幅に節減できる。
【0070】本発明の方法は、地層ガスが泥水で希釈さ
れ、溶存状態となり地上に還流したもののガス濃度を計
測し、その値に数々の補正を加えて地層ガス濃度を算出
するので、どちらかと言えば間接的な計測方法であり、
補正項の精度に依存し過ぎるので正確性を欠くのではと
の懸念もあろう。しかし、正味掘削体積中に含まれる地
層ガス成分は全て泥水に取り込まれ地上に運搬される。
したがって、単位時間当りの掘進率、あるいは泥水循環
量の計測は重要であり、かなりの精度が要求されること
は言うまでもない。また「連続ガス」については単位時
間当りのガス検知量の積算方法、「サンプリングガス」
については泥水試料の採取量と分析方法のそれぞれにつ
き充分な精度の維持に配慮すれば、地層ガス濃度の評価
方法として極めて有効な調査方法と言える。
【0071】 記録の連続性の利点 本発明の調査方法を用いた場合、ボーリングを行った全
深度区間にわたる地層ガス濃度分布が判る。特に深部に
ガス賦存地層があった場合、その上部粘性土層中にも地
表に近くなる程漸減傾向を示す分布が現れる。このガス
濃度分布の傾向は、深部に高濃度のガス溜まりが存在す
る場合、深度毎の濃度分布の傾斜が他より急になる現象
となって現れる。
【0072】したがって、各ボーリング地点のそれぞれ
のガス濃度分布の傾斜を比較し、あるボーリング地点に
異常傾向が見られた場合、その深部一帯に高ガス濃度地
層が存在する兆候と考えてよい。
【0073】従来、本発明のような調査手法は行われな
かった故、ボーリング調査のデータは点として扱われて
きたが、本発明の調査方法を実施すれば地下のガス濃度
分布は、路線方向と深度方向の二次元断面として捉える
ことが可能になる。換言すれば、従来のボーリング調査
が点で表したガス濃度記録であったのに対し、深度断面
のガス濃度記録を提供できる。
【0074】 石油天然ガス調査への応用 本発明で述べたガス調査手法、例えば「連続ガス」や
「サンプリングガス」は本来石油天然ガス調査方法とし
て進歩発展を遂げてきたものである。しかし、従来はそ
れぞれが単独に実施されてきた。本発明では、相互を組
合せて一連の補正演算を自動化し、ボーリングの進展と
共にリアルタイムに真の地層ガス濃度を表示しようとす
る点に新規性がある。
【0075】また、泥水試料のサンプリングの方法につ
いても、戻り泥水が空気に触れないうちに地上の立ち上
がり管の途中から自動的に採取するよう工夫し、ガス成
分の大気中への放散を防止するなど計測精度の管理に配
慮した点も斬新な方法で、計測精度の改善、全自動方式
に伴う省力化などの長所をもって、石油天然ガス調査へ
の新たな応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るボーリング用ガス調査
装置の概念図である。
【図2】図1の左側部分の拡大図である。
【図3】ガストラップ装置の概念図である。
【図4】ボーリングにおける連続ガス測定プロセスを示
す図である。
【図5】ガス抽出ユニット原理図である。
【図6】地層ガス濃度計算フローチャートの図である。
【図7】シールド掘削用ガス検知装置の概念図である。
【図8】シールド掘削用ガス検知装置の他例の概念図で
ある。
【符号の説明】
1 機構部 2 ボーリングロッド 3 泥水循環用ポンプ 4 ビット 5 地層 6 荷重調整機構 7 間隙 8 送泥ホース 9 泥水タンク 10 ガストラップ装置 11 同上密閉容器 12 泥水出口 13 泥水入口 14 撹拌用インペラー 15 ガス取出し口 16 蓋板 17 インペラー軸 18 モータ 19 ボーリング櫓 20 空気取入れ口 21,22 細管 23 連続ガス測定器 24 ボーリング穴 25 排泥管 26 ガス抽出ユニット 27 第1電磁三方バルブ 27a 第2電磁三方バルブ 28 手動ボールバルブ 30 ホース 31 流量計 32 サンプル給排循環ポンプ 33 ヒータ 34 ガストラップシリンダ 35 ガス分析ユニット 36 シーケンサー 37 アナログレゴーダー 38,39,40,41 電磁弁 42 真空ポンプ 43 流量計 44 圧力センサー 45 温度センサー 46 ガス撹拌モータ 47 ガスゼロ検出器 48 混合ガス水位検出器 51 上側バイパス管 53 水位検知器 53a 水位上限検知器 53b 水位下限検知器 54 ガス濃度計測装置 55 ガス濃度計測装置本体 55a 管体 56 空気溜まり 57 エア噴射フィルタ 58 超音波発生装置 59 水素除去装置 60 水分除去装置 61 定流量コントローラ 62 ガス濃度測定器 62a 警報装置 63 タンク 64 エア注入口 65 排出ガス注入口 66 テストガス注入口 67 泥水サンプル取出し口 68 雄雌エルボ 69 ボールバルブ 70 開口 71 集ガスキャップ 72 定流量コントローラ 73 開閉コック 74 ポンプコントローラ 75 圧入ポンプ 75a 水位コントローラ 76,77 電磁バルブ 78 ニードルバルブ 80 前面隔壁 81 吸入管 82 循環ポンプ 83 第1三方ボールバルブ 84 第2三方ボールバルブ 85 吸入口 86 排出口 87 ガストラップシリンダー 88 試料採取ピストン 89 温水注入ポンプ 90 第3バルブ 91 第4バルブ 92 温水槽 93 ピストン位置ゼロ検出センサー 94 第5バルブ 95 第6バルブ 96,97 配管 98 循環ループ 99 空気注入バルブ 100 水バルブ 101 ガス排出バルブ 102 水槽 103 ピストンロッド 104 パワーシリンダー 105 駆動モータ 106 回転筒体 107 荷重センサー 108 位置検出リニアエンコーダ 109 配管 110 水バルブ 111 排出管 112 試料採取シリンダー 113 ガス分析装置 114 泥土試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 昭人 神奈川県多摩区南生田2−27−1 (72)発明者 原田 行夫 埼玉県桶川市坂田1622−12 (72)発明者 原田 克之 神奈川県横浜市青葉区榎が丘21−7− 403 審査官 山村 祥子 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボーリング施工に際し、ボーリングによ
    って粉砕された地層掘屑を地上に運ぶ循環泥水中に溶存
    するガス成分をガストラップで採取して、ガス濃度を連
    続ガス測定器で測定する連続ガス濃度測定のプロセス
    と、前記循環泥水から前記地層掘屑を泥水試料としてサ
    ンプリングしてガス抽出ユニットに導き、このガス抽出
    ユニットにおいて、前記泥土試料から抽出されたサンプ
    リングガスと空気との定量混合ガスの濃度をガス分析装
    置で測定すると共に、単位時間当りの地層掘削体積(M
    3/min)を単位時間当りの掘進長と泥水循環量により補正
    演算を行なって、掘削地層中のガス濃度を測定するサン
    プリングガス濃度測定のプロセスとからなり、前記連続
    ガス濃度測定とサンプリングガス濃度測定から得られた
    計測データをもとに、下記の関係式を用いて地層ガス濃
    度を演算することを特徴とするボーリング用地層ガス検
    知方法。「連続ガス」および「サンプリングガス」それ
    ぞれの測定値間の関係は統計的に集約され、次の関係式
    により補正係数AとBが求められる。 サンプリングガス濃度(%)=〔連続ガス濃度(%)−
    B〕/A 泥水ガス濃度(%)=〔連続ガス濃度(%)−B〕/A 次に地層ガス濃度は、次式により計算される。 地層ガス濃度(%)=〔泥水ガス濃度(%)×泥水循環
    量(cc/min.)〕÷地層掘削体積(cc/min.) ただし、 地層掘削体積(cc/min.)= [(π/4)×〔ビット径
    (cm)]2×掘進率(cm/min.)
  2. 【請求項2】 前記連続ガス濃度を検知するに際し、ボ
    ーリングロッドの垂直方向の移動量検出センサーによ
    り、単位時間当りの推進率データを測定することを特徴
    とする請求項1記載のボーリング用地層ガス検知方法。
  3. 【請求項3】 地下のガス成分が泥水によって地上に運
    ばれ、検知されるまでの時間差を、ビット径と泥水循環
    量、その時点での孔井深度から算出されるラグタイム
    と、地上の連続ガス測定時と当該深度掘削時とのラグタ
    イム補正演算を行なうことを特徴とする請求項1又は2
    記載のボーリング用地層ガス検知方法。
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