JP2965911B2 - マトリクス型熱交換器、その組合体およびマトリクス型熱交換器の製造方法 - Google Patents
マトリクス型熱交換器、その組合体およびマトリクス型熱交換器の製造方法Info
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- F28F—DETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
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- F28F3/02—Elements or assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with recesses, with corrugations
- F28F3/04—Elements or assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with recesses, with corrugations the means being integral with the element
- F28F3/048—Elements or assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with recesses, with corrugations the means being integral with the element in the form of ribs integral with the element or local variations in thickness of the element, e.g. grooves, microchannels
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多成分蒸気の凝縮
や吸収凝縮、あるいは多成分流体の蒸発を行わせるのに
適したマトリクス型熱交換器、その組合体およびマトリ
クス型熱交換器の製造方法に関する。
や吸収凝縮、あるいは多成分流体の蒸発を行わせるのに
適したマトリクス型熱交換器、その組合体およびマトリ
クス型熱交換器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】気液混合流体等の多成分流体を作動流体
とするシステムとしては、従来から、吸収式冷凍機、吸
収式ヒートポンプ、圧縮式ヒートポンプ等が知られてい
る。これらのシステムに適用される作動流体はそれぞ
れ、臭化リチウム水溶液、アンモニア水溶液、フロン系
混合物等である。
とするシステムとしては、従来から、吸収式冷凍機、吸
収式ヒートポンプ、圧縮式ヒートポンプ等が知られてい
る。これらのシステムに適用される作動流体はそれぞ
れ、臭化リチウム水溶液、アンモニア水溶液、フロン系
混合物等である。
【0003】また、多成分流体の新たな用途として、発
電プラントの作動流体に適用するという動きもあり、多
成分流体の蒸留および吸収過程をその中に含む高効率な
サイクルが考えられている。
電プラントの作動流体に適用するという動きもあり、多
成分流体の蒸留および吸収過程をその中に含む高効率な
サイクルが考えられている。
【0004】これらのシステムにおいては、多成分流体
を蒸発ないし凝縮させる過程を通じて熱の授受を行う必
要があり、作動流体同士で一方は凝縮、他方は蒸発とい
った双方とも相変化を伴う熱交換過程が含まれることが
ある。なお、従来は、このような熱交換のために、伝熱
管を水平あるいは鉛直に多数配置した多管式熱交換器が
用いられてきた。
を蒸発ないし凝縮させる過程を通じて熱の授受を行う必
要があり、作動流体同士で一方は凝縮、他方は蒸発とい
った双方とも相変化を伴う熱交換過程が含まれることが
ある。なお、従来は、このような熱交換のために、伝熱
管を水平あるいは鉛直に多数配置した多管式熱交換器が
用いられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな多管式熱交換器においては、一定の体積の中に収容
できる伝熱面積が比較的小さく、そのため小型化するこ
とが困難であるという問題がある。
うな多管式熱交換器においては、一定の体積の中に収容
できる伝熱面積が比較的小さく、そのため小型化するこ
とが困難であるという問題がある。
【0006】このような問題点を解消するために、伝熱
管に種々の加工を施し、伝熱性能を向上させて多管式熱
交換器の小型化を図る研究および開発が継続されてきて
いるが、このような方法で向上できるのは主として凝縮
液膜ないし吸収液膜側の伝熱性能であって、蒸気側の伝
熱性能を向上させることはできない。そして、このよう
に伝熱性能の向上度合いに不均衡があると、蒸気側の熱
負荷(熱流速)が増大して蒸気側の物質移動抵抗が大き
くなるので、図10に示すように、気液界面(凝縮液膜
表面)の温度が低下する方向へ圧力、温度および濃度の
平衡点がずれてしまい、結局、実質的な伝熱量の増大は
ほとんど得られないという結果を招くことになる。
管に種々の加工を施し、伝熱性能を向上させて多管式熱
交換器の小型化を図る研究および開発が継続されてきて
いるが、このような方法で向上できるのは主として凝縮
液膜ないし吸収液膜側の伝熱性能であって、蒸気側の伝
熱性能を向上させることはできない。そして、このよう
に伝熱性能の向上度合いに不均衡があると、蒸気側の熱
負荷(熱流速)が増大して蒸気側の物質移動抵抗が大き
くなるので、図10に示すように、気液界面(凝縮液膜
表面)の温度が低下する方向へ圧力、温度および濃度の
平衡点がずれてしまい、結局、実質的な伝熱量の増大は
ほとんど得られないという結果を招くことになる。
【0007】このような結果を回避するためには、蒸気
側の伝熱面積を増大させて熱流速を軽減させてやること
が必要である。例えば多管式熱交換器においては、伝熱
面にフィンや突起等を付加して実質の伝熱面積を増大さ
せる方法が考えられる。
側の伝熱面積を増大させて熱流速を軽減させてやること
が必要である。例えば多管式熱交換器においては、伝熱
面にフィンや突起等を付加して実質の伝熱面積を増大さ
せる方法が考えられる。
【0008】しかし、多成分蒸気を一定の濃度線上で凝
縮させる場合には、必ず凝縮液膜が伝熱面を覆った状態
で新たな蒸気が凝縮してくることが必要であるが、フィ
ンや突起等では凝縮液膜ないし吸収液膜をこれらに均等
に分配することが困難である。このため、このような方
法は現在のところ実用化されるには至っていない。
縮させる場合には、必ず凝縮液膜が伝熱面を覆った状態
で新たな蒸気が凝縮してくることが必要であるが、フィ
ンや突起等では凝縮液膜ないし吸収液膜をこれらに均等
に分配することが困難である。このため、このような方
法は現在のところ実用化されるには至っていない。
【0009】一方、伝熱管を用いない熱交換器として
は、プレート式やプレートフィン式、マトリクス型等の
熱交換器がある。これらの熱交換器では、単位体積当り
の伝熱面積を増大させやすいという利点がある一方で、
構造的に大規模な熱交換器を製造するのが困難である。
は、プレート式やプレートフィン式、マトリクス型等の
熱交換器がある。これらの熱交換器では、単位体積当り
の伝熱面積を増大させやすいという利点がある一方で、
構造的に大規模な熱交換器を製造するのが困難である。
【0010】また、マトリクス型熱交換器はマトリクス
構造体を有し、このマトリクス構造体内に形成されてい
る多数の流路は互いに独立して出口まで交わることがな
いため、その入口の段階で蒸気と液体とをできるだけ均
等にこれら流路に分配しておかなければならず、このよ
うな分配は一般に非常に困難である。
構造体を有し、このマトリクス構造体内に形成されてい
る多数の流路は互いに独立して出口まで交わることがな
いため、その入口の段階で蒸気と液体とをできるだけ均
等にこれら流路に分配しておかなければならず、このよ
うな分配は一般に非常に困難である。
【0011】また、このようなマトリクス構造体からな
るマトリクス型熱交換器が複数連続して配置されている
場合には、上流側から下流側までの全てのマトリクス型
熱交換器において、蒸気と液体とを均一に分配すること
は非常に困難である。このため、マトリクス型熱交換器
をモジュール単位や、複数のモジュールを有するモジュ
ール群単位等の適当な単位で分割してより大規模なマト
リクス型熱交換器、さらにはこれらを組み合わせたマト
リクス型熱交換器組合体を構成するという自由度が小さ
いという問題がある。
るマトリクス型熱交換器が複数連続して配置されている
場合には、上流側から下流側までの全てのマトリクス型
熱交換器において、蒸気と液体とを均一に分配すること
は非常に困難である。このため、マトリクス型熱交換器
をモジュール単位や、複数のモジュールを有するモジュ
ール群単位等の適当な単位で分割してより大規模なマト
リクス型熱交換器、さらにはこれらを組み合わせたマト
リクス型熱交換器組合体を構成するという自由度が小さ
いという問題がある。
【0012】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、小型でありながら大きな伝熱面積を有し、
また蒸気側と液膜側との熱平衡ポイントを外すことなく
実質的な熱伝達促進を図り、さらに蒸気と液体とを均等
に分配して容易に大規模な熱交換器を構成することがで
きるマトリクス型熱交換器、その組合体およびマトリク
ス型熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。
ものであり、小型でありながら大きな伝熱面積を有し、
また蒸気側と液膜側との熱平衡ポイントを外すことなく
実質的な熱伝達促進を図り、さらに蒸気と液体とを均等
に分配して容易に大規模な熱交換器を構成することがで
きるマトリクス型熱交換器、その組合体およびマトリク
ス型熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、請求項1記載の発明は、気液混合系統を含む少な
くとも2系統の貫通流路が内部に形成されたマトリクス
構造体からなるマトリクス型熱交換器において、マトリ
クス構造体表面であって気液混合系統の貫通流路の入口
側開口部を横切る部分に、液体捕集用の液体捕集溝を設
けたことを特徴とする。請求項2記載の発明は、気液混
合系統の貫通流路は複数の入口側開口部を有し、液体捕
集溝を有する第1の流路開口部と、液体捕集溝を有しな
い第2の流路開口部とをマトリクス構造体表面に交互に
配列するとともに、互いに隣り合う流路開口部がマトリ
クス構造体表面から所定の深さの位置で合流されるよう
にしたことを特徴とする。 請求項3記載の発明は、気液
混合系統の貫通流路は複数の入口側開口部を有し、液体
捕集溝を有する第1の流路開口部と、液体捕集溝を有し
ない第2の流路開口部とを、第1の流路開口部に対して
一対の第2の流路開口部が挟み込むようにマトリクス構
造体表面に配列し、これら第1の流路開口部と一対の第
2の流路開口部とがマトリクス構造体表面から所定の深
さの位置で合流されるようにしたことを特徴とする。請
求項4記載の発明は、気液混合系統の貫通流路中であっ
て第1の流路開口部と第2の流路開口部とが合流される
点よりも下流側に、流路を制限する突起を設けたことを
特徴とする。請求項5記載の発明は、気液混合系統の貫
通流路中であって第1の流路開口部と第2の流路開口部
とが合流される点よりも下流側に、流路を分割する壁面
を設けたことを特徴とする。
ため、請求項1記載の発明は、気液混合系統を含む少な
くとも2系統の貫通流路が内部に形成されたマトリクス
構造体からなるマトリクス型熱交換器において、マトリ
クス構造体表面であって気液混合系統の貫通流路の入口
側開口部を横切る部分に、液体捕集用の液体捕集溝を設
けたことを特徴とする。請求項2記載の発明は、気液混
合系統の貫通流路は複数の入口側開口部を有し、液体捕
集溝を有する第1の流路開口部と、液体捕集溝を有しな
い第2の流路開口部とをマトリクス構造体表面に交互に
配列するとともに、互いに隣り合う流路開口部がマトリ
クス構造体表面から所定の深さの位置で合流されるよう
にしたことを特徴とする。 請求項3記載の発明は、気液
混合系統の貫通流路は複数の入口側開口部を有し、液体
捕集溝を有する第1の流路開口部と、液体捕集溝を有し
ない第2の流路開口部とを、第1の流路開口部に対して
一対の第2の流路開口部が挟み込むようにマトリクス構
造体表面に配列し、これら第1の流路開口部と一対の第
2の流路開口部とがマトリクス構造体表面から所定の深
さの位置で合流されるようにしたことを特徴とする。請
求項4記載の発明は、気液混合系統の貫通流路中であっ
て第1の流路開口部と第2の流路開口部とが合流される
点よりも下流側に、流路を制限する突起を設けたことを
特徴とする。請求項5記載の発明は、気液混合系統の貫
通流路中であって第1の流路開口部と第2の流路開口部
とが合流される点よりも下流側に、流路を分割する壁面
を設けたことを特徴とする。
【0014】また、請求項6記載の発明は、気液混合系
統を含む少なくとも2系統の貫通流路が内部に形成され
たマトリクス構造体を複数配置してなるマトリクス型熱
交換器において、各マトリクス構造体表面であって気液
混合系統の貫通流路の入口側開口部を横切る部分に、液
体捕集用の液体捕集溝を設け、各マトリクス構造体は少
なくとも1系統の貫通流路の入口側同士および出口側同
士がそれぞれ対応して配置され、この対応して配置され
た複数のマトリクス構造体の入口側および出口側に、各
マトリクス構造体の貫通流路を束ねるための入口カバー
および出口カバーを設けたことを特徴とする。請求項7
記載の発明は、各マトリクス構造体内において、貫通流
路が直線的に構成されていることを特徴とする。請求項
8記載の発明は、各マトリクス構造体内において、貫通
流路が途中で折り返されるように構成されていることを
特徴とする。請求項9記載の発明は、複数のマトリクス
構造体が碁盤目状または菱形状に配置されていることを
特徴とする。請求項10記載の発明は、マトリクス構造
体の下面に、液が所定の長さまで連続体を保ちながら流
下されるようにするための液流下ガイドを設けたことを
特徴とする。請求項11記載の発明は、液流下ガイド
が、マトリクス構造体の下面の互いに隣り合う流路開口
部間の略中間位置に形成され、鉛直下方に伸びる先端の
鋭利な棒状や板状、錘状等の突起物であることを特徴と
する。請求項12記載の発明は、突起物が、鉛直方向に
伸びる凹面部分を有していることを特徴とする。
統を含む少なくとも2系統の貫通流路が内部に形成され
たマトリクス構造体を複数配置してなるマトリクス型熱
交換器において、各マトリクス構造体表面であって気液
混合系統の貫通流路の入口側開口部を横切る部分に、液
体捕集用の液体捕集溝を設け、各マトリクス構造体は少
なくとも1系統の貫通流路の入口側同士および出口側同
士がそれぞれ対応して配置され、この対応して配置され
た複数のマトリクス構造体の入口側および出口側に、各
マトリクス構造体の貫通流路を束ねるための入口カバー
および出口カバーを設けたことを特徴とする。請求項7
記載の発明は、各マトリクス構造体内において、貫通流
路が直線的に構成されていることを特徴とする。請求項
8記載の発明は、各マトリクス構造体内において、貫通
流路が途中で折り返されるように構成されていることを
特徴とする。請求項9記載の発明は、複数のマトリクス
構造体が碁盤目状または菱形状に配置されていることを
特徴とする。請求項10記載の発明は、マトリクス構造
体の下面に、液が所定の長さまで連続体を保ちながら流
下されるようにするための液流下ガイドを設けたことを
特徴とする。請求項11記載の発明は、液流下ガイド
が、マトリクス構造体の下面の互いに隣り合う流路開口
部間の略中間位置に形成され、鉛直下方に伸びる先端の
鋭利な棒状や板状、錘状等の突起物であることを特徴と
する。請求項12記載の発明は、突起物が、鉛直方向に
伸びる凹面部分を有していることを特徴とする。
【0015】さらに、請求項13記載の発明は、このよ
うなマトリクス型熱交換器を複数配置してなるマトリク
ス型熱交換器組合体において、マトリクス型熱交換器間
に複数の連通路が設けられ、この連通路が液体用連通路
と気体用連通路とからなり、液体用連通路に移送ポンプ
を取り付けたことを特徴とする。
うなマトリクス型熱交換器を複数配置してなるマトリク
ス型熱交換器組合体において、マトリクス型熱交換器間
に複数の連通路が設けられ、この連通路が液体用連通路
と気体用連通路とからなり、液体用連通路に移送ポンプ
を取り付けたことを特徴とする。
【0016】さらにまた、請求項14記載の発明は、薄
板の表面にプレス加工により貫通流路用の溝を形成する
工程と、この薄板の一辺の部分にプレス加工により液体
捕集溝用の切り欠きを入れる工程と、この薄板の液体捕
集溝用の切り欠きを入れた辺と相対する他の辺に、液体
捕集溝用の切り欠きと異なる形状の液流下ガイド用の切
り欠きを入れる工程と、このようにして形成された薄板
を複数貼り合わせることにより、マトリクス構造体から
なるマトリクス型熱交換器を製造する工程と、を備えた
ことを特徴とする。
板の表面にプレス加工により貫通流路用の溝を形成する
工程と、この薄板の一辺の部分にプレス加工により液体
捕集溝用の切り欠きを入れる工程と、この薄板の液体捕
集溝用の切り欠きを入れた辺と相対する他の辺に、液体
捕集溝用の切り欠きと異なる形状の液流下ガイド用の切
り欠きを入れる工程と、このようにして形成された薄板
を複数貼り合わせることにより、マトリクス構造体から
なるマトリクス型熱交換器を製造する工程と、を備えた
ことを特徴とする。
【0017】このように、請求項1記載の発明によれ
ば、マトリクス構造体表面であって気液混合系統の貫通
流路の開口部を横切る部分に、液体捕集用の液体捕集溝
を設けることにより、マトリクス構造体表面に衝突する
気液混合系統中の液体は、一旦液体捕集溝内に捕集され
る。その後、液体捕集溝内の流体は、流路開口部から貫
通流路内に流入される。このため、流体捕集溝の形状お
よび数を適宜定めることにより、マトリクス構造体から
なるマトリクス型熱交換器の流路への気液の均一な分配
が可能となるので、流路をより細かくして体積当りの伝
熱面積をより高密度にすることができ、また伝熱面積を
容易に増大させることが可能となる。従って、より小さ
い温度差で蒸気側と液膜側との熱平衡ポイントからのず
れの小さい熱交換を行わせることができる。請求項2お
よび3記載の発明によれば、液体捕集溝を有する、主と
して液体を流入させる第1の流路開口部と、そのような
流路開口部に隣り合う、液体捕集溝を有しない、主とし
て蒸気を流入させる第2の流路開口部とを所定の深さの
位置で合流させることにより、気体と液体の流入部分に
おける気液の干渉をなくすことができる。このため、気
体と液体とをそれぞれ流路開口部からスムーズに流入さ
せた後に合流させることが可能となり、液体のフラッデ
ィングや複数の流路相互の気液分配率の不均一を解消す
ることができる。請求項4記載の発明によれば、気液混
合系統の貫通流路中であって第1の流路開口部と第2の
流路開口部とが合流される点よりも下流側に、流路を制
限する突起を設けているので、合流後の流路を制限する
ことにより流速を増加させ、流れを乱して混合を進行さ
せることができ、流路内における液をより均一に分布さ
せることができる。請求項5記載の発明によれば、気液
混合系統の貫通流路中であって第1の流路開口部と第2
の流路開口部とが合流される点よりも下流側に、流路を
分割する壁面を設けているので、壁面が流路の断面積を
縮小させることにより、流速の増大および伝熱面積の増
大が図られ、これにより、低い熱流速と高い熱伝達係数
を保つことができる。
ば、マトリクス構造体表面であって気液混合系統の貫通
流路の開口部を横切る部分に、液体捕集用の液体捕集溝
を設けることにより、マトリクス構造体表面に衝突する
気液混合系統中の液体は、一旦液体捕集溝内に捕集され
る。その後、液体捕集溝内の流体は、流路開口部から貫
通流路内に流入される。このため、流体捕集溝の形状お
よび数を適宜定めることにより、マトリクス構造体から
なるマトリクス型熱交換器の流路への気液の均一な分配
が可能となるので、流路をより細かくして体積当りの伝
熱面積をより高密度にすることができ、また伝熱面積を
容易に増大させることが可能となる。従って、より小さ
い温度差で蒸気側と液膜側との熱平衡ポイントからのず
れの小さい熱交換を行わせることができる。請求項2お
よび3記載の発明によれば、液体捕集溝を有する、主と
して液体を流入させる第1の流路開口部と、そのような
流路開口部に隣り合う、液体捕集溝を有しない、主とし
て蒸気を流入させる第2の流路開口部とを所定の深さの
位置で合流させることにより、気体と液体の流入部分に
おける気液の干渉をなくすことができる。このため、気
体と液体とをそれぞれ流路開口部からスムーズに流入さ
せた後に合流させることが可能となり、液体のフラッデ
ィングや複数の流路相互の気液分配率の不均一を解消す
ることができる。請求項4記載の発明によれば、気液混
合系統の貫通流路中であって第1の流路開口部と第2の
流路開口部とが合流される点よりも下流側に、流路を制
限する突起を設けているので、合流後の流路を制限する
ことにより流速を増加させ、流れを乱して混合を進行さ
せることができ、流路内における液をより均一に分布さ
せることができる。請求項5記載の発明によれば、気液
混合系統の貫通流路中であって第1の流路開口部と第2
の流路開口部とが合流される点よりも下流側に、流路を
分割する壁面を設けているので、壁面が流路の断面積を
縮小させることにより、流速の増大および伝熱面積の増
大が図られ、これにより、低い熱流速と高い熱伝達係数
を保つことができる。
【0018】また、請求項6記載の発明によれば、複数
のマトリクス構造体の各々の貫通流路を束ねるための入
口カバーおよび出口カバーを設けることにより、流体の
流入/流出のためのチャンネルを多数のマトリクス構造
体を包含するようにして共通化することが可能となるの
で、これらチャンネル用の構成部材の簡素化を図ること
ができ、また大規模化が容易になる。請求項7記載の発
明によれば、各マトリクス構造体内において、貫通流路
が直線的に構成されているので、流路の内部清掃を容易
に行うことができ、比較的汚れた流体にも適用すること
ができる。請求項8記載の発明によれば、各マトリクス
構造体内において、貫通流路が途中で折り返されるよう
に構成されているので、マトリクス構造体外における流
体の回折の必要性がなく、また独立した長い経路を通過
することができるため、この経路内で蒸発が生じるよう
な流体に適用した場合にマトリクス構造体外における気
液の再分配のプロセスや、別のマトリクス構造体への再
流入のプロセスを省略することができる。請求項10記
載の発明によれば、マトリクス構造体の下面に、液が所
定の長さまで連続体を保ちながら流下されるようにする
ための液流下ガイドを設けているので、マトリクス構造
体の下面において液体が表面張力によって保持されて部
分的に大きな液滴となって不規則に滴下するような現象
を抑制することができる。請求項11記載の発明によれ
ば、液流下ガイドが、マトリクス構造体の下面の互いに
隣り合う流路開口部間の略中間位置に形成され、鉛直下
方に伸びる先端の鋭利な棒状や板状、錘状等の突起物で
あるので、流路の出口側を閉塞することなく液がよりス
ムーズに流下するようにすることができる。請求項12
記載の発明によれば、突起物が、鉛直方向に伸びる凹面
部分を有しているので、液体の表面張力を利用してマト
リクス構造体内の流路の出口側から大量かつスムーズに
液を引き出すことができる。
のマトリクス構造体の各々の貫通流路を束ねるための入
口カバーおよび出口カバーを設けることにより、流体の
流入/流出のためのチャンネルを多数のマトリクス構造
体を包含するようにして共通化することが可能となるの
で、これらチャンネル用の構成部材の簡素化を図ること
ができ、また大規模化が容易になる。請求項7記載の発
明によれば、各マトリクス構造体内において、貫通流路
が直線的に構成されているので、流路の内部清掃を容易
に行うことができ、比較的汚れた流体にも適用すること
ができる。請求項8記載の発明によれば、各マトリクス
構造体内において、貫通流路が途中で折り返されるよう
に構成されているので、マトリクス構造体外における流
体の回折の必要性がなく、また独立した長い経路を通過
することができるため、この経路内で蒸発が生じるよう
な流体に適用した場合にマトリクス構造体外における気
液の再分配のプロセスや、別のマトリクス構造体への再
流入のプロセスを省略することができる。請求項10記
載の発明によれば、マトリクス構造体の下面に、液が所
定の長さまで連続体を保ちながら流下されるようにする
ための液流下ガイドを設けているので、マトリクス構造
体の下面において液体が表面張力によって保持されて部
分的に大きな液滴となって不規則に滴下するような現象
を抑制することができる。請求項11記載の発明によれ
ば、液流下ガイドが、マトリクス構造体の下面の互いに
隣り合う流路開口部間の略中間位置に形成され、鉛直下
方に伸びる先端の鋭利な棒状や板状、錘状等の突起物で
あるので、流路の出口側を閉塞することなく液がよりス
ムーズに流下するようにすることができる。請求項12
記載の発明によれば、突起物が、鉛直方向に伸びる凹面
部分を有しているので、液体の表面張力を利用してマト
リクス構造体内の流路の出口側から大量かつスムーズに
液を引き出すことができる。
【0019】さらに、請求項13記載の発明によれば、
マトリクス型熱交換器間に複数の連通路(液体用連通路
および気体用連通路)を設け、このうち液体用連通路に
移送ポンプを取り付けることにより、個々のマトリクス
型熱交換器が極端に巨大化してしまうことを防止できる
とともに、気体と液体とを完全に分離して輸送している
ので、ポンプ動力の低減と運転の安定性を図ることがで
きる。
マトリクス型熱交換器間に複数の連通路(液体用連通路
および気体用連通路)を設け、このうち液体用連通路に
移送ポンプを取り付けることにより、個々のマトリクス
型熱交換器が極端に巨大化してしまうことを防止できる
とともに、気体と液体とを完全に分離して輸送している
ので、ポンプ動力の低減と運転の安定性を図ることがで
きる。
【0020】さらにまた、請求項14記載の発明によれ
ば、マトリクス構造体の鉛直方向の貫通流路、マトリク
ス構造体表面の液体捕集溝およびマトリクス構造体の下
面の液流下ガイドがプレス加工により同時に形成される
ので、製造時間の短縮および製造精度の向上を図ること
ができる。
ば、マトリクス構造体の鉛直方向の貫通流路、マトリク
ス構造体表面の液体捕集溝およびマトリクス構造体の下
面の液流下ガイドがプレス加工により同時に形成される
ので、製造時間の短縮および製造精度の向上を図ること
ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
て図面を参照して詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明によるマトリクス型熱交換
器の一実施の形態を示す概略斜視図である。
器の一実施の形態を示す概略斜視図である。
【0023】図1に示すように、本発明によるマトリク
ス型熱交換器は、マトリクス構造体1からなっている。
この場合、マトリクス構造体1は、薄板3と薄板5とを
交互に多数組貼り合わせることにより構成されている。
このうち薄板3はマトリクス構造体1内を鉛直方向に貫
通する複数の流路2(図2参照)を形成するための溝を
有し、薄板5はマトリクス構造体1内を水平方向に貫通
する複数の流路4を形成するための溝を有している。な
お、マトリクス構造体1の流路2には気体中に液体が滴
状で分散した気液二相流が流入され、流路4には例えば
冷却水等が流入される。
ス型熱交換器は、マトリクス構造体1からなっている。
この場合、マトリクス構造体1は、薄板3と薄板5とを
交互に多数組貼り合わせることにより構成されている。
このうち薄板3はマトリクス構造体1内を鉛直方向に貫
通する複数の流路2(図2参照)を形成するための溝を
有し、薄板5はマトリクス構造体1内を水平方向に貫通
する複数の流路4を形成するための溝を有している。な
お、マトリクス構造体1の流路2には気体中に液体が滴
状で分散した気液二相流が流入され、流路4には例えば
冷却水等が流入される。
【0024】また、図1に示すように、マトリクス構造
体1の上面には、鉛直方向に貫通する複数の流路2の流
路開口部2a、2bのうちの一部の流路開口部2aを横
切る部分に、液体捕集用の液体捕集溝6が複数設けられ
ている。液体捕集溝6は、気液二相流(気液混合流)の
流体を受け入れる際に、マトリクス構造体1の上面に気
液二相流が衝突する場合、気液二相流中の液体を表面張
力により一旦回りから引き込み、液体捕集溝6の経路に
開口している流路開口部2aからマトリクス構造体1内
の流路2に液体を流入させるものである。このような液
体捕集溝6を所定の形状に定めるとともに、マトリクス
構造体1の上面に適当な間隔ないしパターンで配置する
ことにより、液体捕集溝6の経路に開口した流路開口部
2aからマトリクス構造体1内の流路2に、より均等に
液体を流入させることができる。図2は、本発明による
マトリクス構造体を有するマトリクス型熱交換器の変形
例を示す図であってマトリクス構造体の薄板上端部の概
略斜視図である。
体1の上面には、鉛直方向に貫通する複数の流路2の流
路開口部2a、2bのうちの一部の流路開口部2aを横
切る部分に、液体捕集用の液体捕集溝6が複数設けられ
ている。液体捕集溝6は、気液二相流(気液混合流)の
流体を受け入れる際に、マトリクス構造体1の上面に気
液二相流が衝突する場合、気液二相流中の液体を表面張
力により一旦回りから引き込み、液体捕集溝6の経路に
開口している流路開口部2aからマトリクス構造体1内
の流路2に液体を流入させるものである。このような液
体捕集溝6を所定の形状に定めるとともに、マトリクス
構造体1の上面に適当な間隔ないしパターンで配置する
ことにより、液体捕集溝6の経路に開口した流路開口部
2aからマトリクス構造体1内の流路2に、より均等に
液体を流入させることができる。図2は、本発明による
マトリクス構造体を有するマトリクス型熱交換器の変形
例を示す図であってマトリクス構造体の薄板上端部の概
略斜視図である。
【0025】図2に示すように、マトリクス構造体1を
構成する薄板3は、その表面に長方形状の断面を有する
第1突部11と台形状の断面を有する第2突部12、1
3とを有し、薄板5(図1参照)と貼り合わされること
により、第1突部11間にマトリクス構造体1内を鉛直
方向に貫通する流路2が形成され、また第1突部11と
第2突部12、13とによって流路開口部2a、2bが
形成される。
構成する薄板3は、その表面に長方形状の断面を有する
第1突部11と台形状の断面を有する第2突部12、1
3とを有し、薄板5(図1参照)と貼り合わされること
により、第1突部11間にマトリクス構造体1内を鉛直
方向に貫通する流路2が形成され、また第1突部11と
第2突部12、13とによって流路開口部2a、2bが
形成される。
【0026】また、図2に示すように、第1突部11は
薄板3の上端から下端まで延在し、第2突部12、13
は薄板3の上端から所定距離だけ離間した途中の位置で
終っており、第1突部11と第2突部12、13とによ
って形成された流路開口部2a、2bは、第2突部1
2、13の下端の位置で貫通流路である流路2に合流す
る。
薄板3の上端から下端まで延在し、第2突部12、13
は薄板3の上端から所定距離だけ離間した途中の位置で
終っており、第1突部11と第2突部12、13とによ
って形成された流路開口部2a、2bは、第2突部1
2、13の下端の位置で貫通流路である流路2に合流す
る。
【0027】このようにして液体捕集溝6の経路に開口
したマトリクス構造体1の流路開口部2aと、そのよう
な流路開口部2aに隣り合う流路開口部(液体捕集溝6
の経路でない開口部)2bとを所定の深さの位置で合流
させることにより、気体と液体の流入部分における気液
の干渉をなくすことができる。すなわち、前述したよう
に、マトリクス構造体1の上面に衝突する気液二相流の
うち、液体については液体捕集溝6から流路開口部2a
内に流入させ、残りの気体については主として流路開口
部2b内に流入させることができるので、気体と液体と
の干渉を防ぐことができる。このため、気体と液体とを
それぞれ流路開口部2a、2bからスムーズに流入させ
た後に合流させることが可能となり、液体のフラッディ
ングや複数の流路2相互の気液分配率の不均一を解消す
ることができる。
したマトリクス構造体1の流路開口部2aと、そのよう
な流路開口部2aに隣り合う流路開口部(液体捕集溝6
の経路でない開口部)2bとを所定の深さの位置で合流
させることにより、気体と液体の流入部分における気液
の干渉をなくすことができる。すなわち、前述したよう
に、マトリクス構造体1の上面に衝突する気液二相流の
うち、液体については液体捕集溝6から流路開口部2a
内に流入させ、残りの気体については主として流路開口
部2b内に流入させることができるので、気体と液体と
の干渉を防ぐことができる。このため、気体と液体とを
それぞれ流路開口部2a、2bからスムーズに流入させ
た後に合流させることが可能となり、液体のフラッディ
ングや複数の流路2相互の気液分配率の不均一を解消す
ることができる。
【0028】また、図2に示すように、マトリクス構造
体1表面の流路開口部2a、2bは、液体捕集溝6を有
する液体用の流路開口部2aに対して、液体捕集溝6を
有しない一対の蒸気用の流路開口部2bが挟み込むよう
に配列されているため、液体成分が少ない流体の場合で
あっても、より多くの気体を流路開口部2bからマトリ
クス構造体1内の流路2へ取り込んだ後に、より少ない
液体成分と容易に合流させることができる。
体1表面の流路開口部2a、2bは、液体捕集溝6を有
する液体用の流路開口部2aに対して、液体捕集溝6を
有しない一対の蒸気用の流路開口部2bが挟み込むよう
に配列されているため、液体成分が少ない流体の場合で
あっても、より多くの気体を流路開口部2bからマトリ
クス構造体1内の流路2へ取り込んだ後に、より少ない
液体成分と容易に合流させることができる。
【0029】さらに、図2に示すように、薄板3の上端
からみて第2突部12、13の下端の位置よりもさらに
離間した位置には、第1突部11に対して略垂直に横切
るようにして、薄板3から第1突部11よりも低い高さ
の棒状突起14が形成されている。突起14は、別々の
流路開口部2a、2bから流入された流体が合流された
後、合流後の流路2を制限することにより流速を増加さ
せ、流れを乱して混合を進行させ、流路2内における液
をより均一に分布させるためのものである。
からみて第2突部12、13の下端の位置よりもさらに
離間した位置には、第1突部11に対して略垂直に横切
るようにして、薄板3から第1突部11よりも低い高さ
の棒状突起14が形成されている。突起14は、別々の
流路開口部2a、2bから流入された流体が合流された
後、合流後の流路2を制限することにより流速を増加さ
せ、流れを乱して混合を進行させ、流路2内における液
をより均一に分布させるためのものである。
【0030】図3(A)(B)は、図2に示すマトリク
ス構造体1の薄板3の下方部分を示す図である。
ス構造体1の薄板3の下方部分を示す図である。
【0031】図3(A)(B)において、第1突部11
は、図2に示す第1突部11と同様のものである。図3
(A)(B)に示すように、薄板3上の一対の第1突部
11、11に挟まれる部分に、薄板3の上端から離間し
た途中の位置から下端まで延びる壁面21と、壁面21
の略中央部から下端まで延びる一対の壁面22とが設け
られている。なお、壁面21、22は、図2に示す第2
突部12、13の下端および突起14よりもさらに下方
に設けられており、壁面21は一対の壁面22に挟み込
まれるように配列されている。
は、図2に示す第1突部11と同様のものである。図3
(A)(B)に示すように、薄板3上の一対の第1突部
11、11に挟まれる部分に、薄板3の上端から離間し
た途中の位置から下端まで延びる壁面21と、壁面21
の略中央部から下端まで延びる一対の壁面22とが設け
られている。なお、壁面21、22は、図2に示す第2
突部12、13の下端および突起14よりもさらに下方
に設けられており、壁面21は一対の壁面22に挟み込
まれるように配列されている。
【0032】図3(A)(B)に示したようなマトリク
ス構造体1を凝縮器として用いる場合には、そのマトリ
クス構造体1内の流路2においては、通常は凝縮の進行
とともに気体成分の割合が減少して流速が低下するが、
流路2の途中の位置から始まる壁面21、22が流路2
の断面積を縮小させることにより、流速の増大および伝
熱面積の増大が図られ、これにより、低い熱流速と高い
熱伝達係数を保つことができる。
ス構造体1を凝縮器として用いる場合には、そのマトリ
クス構造体1内の流路2においては、通常は凝縮の進行
とともに気体成分の割合が減少して流速が低下するが、
流路2の途中の位置から始まる壁面21、22が流路2
の断面積を縮小させることにより、流速の増大および伝
熱面積の増大が図られ、これにより、低い熱流速と高い
熱伝達係数を保つことができる。
【0033】図4は、本発明によるマトリクス構造体を
有するマトリクス型熱交換器の変形例を示す概略斜視図
である。
有するマトリクス型熱交換器の変形例を示す概略斜視図
である。
【0034】図4を参照すると、このマトリクス型熱交
換器は、マトリクス構造体1と、マトリクス構造体1の
水平方向の両端に取り付けられ流体が流入/流出するた
めの入口部31と出口部32とを有するモジュール10
とからなっている。なお、図4に示すマトリクス構造体
1を有するモジュール10では、鉛直方向の端部には何
も取り付けられていない。
換器は、マトリクス構造体1と、マトリクス構造体1の
水平方向の両端に取り付けられ流体が流入/流出するた
めの入口部31と出口部32とを有するモジュール10
とからなっている。なお、図4に示すマトリクス構造体
1を有するモジュール10では、鉛直方向の端部には何
も取り付けられていない。
【0035】このようにしてマトリクス構造体1を有す
るモジュール10を構成することにより、従来の多管式
熱交換器における伝熱管と同じような取り扱いが可能と
なり、このようなモジュール10を多数組み合わせるこ
とにより容易に大規模な熱交換器のユニットを構成する
ことができる。なお、図4に示す例では、モジュール1
0のマトリクス構造体1内の流路が直線的に構成されて
いるため、流路の内部清掃を容易に行うことができ、比
較的汚れた流体にも適用することができる。
るモジュール10を構成することにより、従来の多管式
熱交換器における伝熱管と同じような取り扱いが可能と
なり、このようなモジュール10を多数組み合わせるこ
とにより容易に大規模な熱交換器のユニットを構成する
ことができる。なお、図4に示す例では、モジュール1
0のマトリクス構造体1内の流路が直線的に構成されて
いるため、流路の内部清掃を容易に行うことができ、比
較的汚れた流体にも適用することができる。
【0036】図5は、本発明によるモジュールからなる
マトリクス型熱交換器の変形例を示す概略斜視図であ
る。
マトリクス型熱交換器の変形例を示す概略斜視図であ
る。
【0037】図5を参照すると、このマトリクス型熱交
換器はマトリクス構造体1を有するモジュール10から
なり、このモジュール10は、図4に示したモジュール
10とほぼ同じ構成を備えている。しかしながら、図4
に示したモジュール10のマトリクス構造体1が内部に
水平方向および鉛直方向ともに1つのパスしか有してい
ないのに対して、図5に示すモジュール10のマトリク
ス構造体1は、内部の水平方向の流路がマトリクス構造
体1内の水平方向の端部で鉛直方向に折り返され、水平
方向に実質的に5つのパスがあるようになっている。
換器はマトリクス構造体1を有するモジュール10から
なり、このモジュール10は、図4に示したモジュール
10とほぼ同じ構成を備えている。しかしながら、図4
に示したモジュール10のマトリクス構造体1が内部に
水平方向および鉛直方向ともに1つのパスしか有してい
ないのに対して、図5に示すモジュール10のマトリク
ス構造体1は、内部の水平方向の流路がマトリクス構造
体1内の水平方向の端部で鉛直方向に折り返され、水平
方向に実質的に5つのパスがあるようになっている。
【0038】図5に示すモジュール10は、図4に示し
たモジュール10と同様に大規模化に適しており、図4
に示したモジュール10と比較して汚れの多い流体には
不向きである。しかしながら、流量が少ない流体であっ
ても1つのモジュール10のマトリクス構造体1内で回
折して流すことができる。このため、マトリクス構造体
1外における流体の回折の必要性がなく、また独立した
長い経路を通過することができるため、この経路内で蒸
発が生じるような流体に適用した場合にマトリクス構造
体1外における気液の再分配のプロセスや、別のマトリ
クス構造体1への再流入のプロセスを省略することがで
きるという利点も有している。
たモジュール10と同様に大規模化に適しており、図4
に示したモジュール10と比較して汚れの多い流体には
不向きである。しかしながら、流量が少ない流体であっ
ても1つのモジュール10のマトリクス構造体1内で回
折して流すことができる。このため、マトリクス構造体
1外における流体の回折の必要性がなく、また独立した
長い経路を通過することができるため、この経路内で蒸
発が生じるような流体に適用した場合にマトリクス構造
体1外における気液の再分配のプロセスや、別のマトリ
クス構造体1への再流入のプロセスを省略することがで
きるという利点も有している。
【0039】図6(A)(B)は、本発明によるモジュ
ールからなるマトリクス型熱交換器の他の変形例を示す
概略斜視図である。
ールからなるマトリクス型熱交換器の他の変形例を示す
概略斜視図である。
【0040】図6(A)(B)を参照すると、この大規
模なユニットとして構成されたマトリクス型熱交換器
は、熱交換器ユニット本体41の内部に図4に示したマ
トリクス構造体1を有するモジュール10を多数備え、
各モジュール10は、そのマトリクス構造体1の水平方
向の流路の入口側および出口側が一致するように配置さ
れている。また、各モジュール10の入口部31、出口
部32に対応して入口カバー42aおよび出口カバー4
2bが取り付けられている。なお、図6(A)(B)に
おいては、多数のモジュール10はスタッガー(三角形
状ないし菱形状)配列とされている。しかし、これに限
らずインライン(碁盤目状)配列とすることもできる。
また、各モジュール10のマトリクス構造体1におい
て、水平方向および鉛直方向の流路はともに1つのパス
のみを有する構成とされているが、水平方向の流路につ
いては、入口カバー42aおよび出口カバー42b内に
仕切り板を入れることにより、流体が入口カバー42a
および出口カバー42b内で鉛直方向に折り返される多
パス構成とすることもできる。
模なユニットとして構成されたマトリクス型熱交換器
は、熱交換器ユニット本体41の内部に図4に示したマ
トリクス構造体1を有するモジュール10を多数備え、
各モジュール10は、そのマトリクス構造体1の水平方
向の流路の入口側および出口側が一致するように配置さ
れている。また、各モジュール10の入口部31、出口
部32に対応して入口カバー42aおよび出口カバー4
2bが取り付けられている。なお、図6(A)(B)に
おいては、多数のモジュール10はスタッガー(三角形
状ないし菱形状)配列とされている。しかし、これに限
らずインライン(碁盤目状)配列とすることもできる。
また、各モジュール10のマトリクス構造体1におい
て、水平方向および鉛直方向の流路はともに1つのパス
のみを有する構成とされているが、水平方向の流路につ
いては、入口カバー42aおよび出口カバー42b内に
仕切り板を入れることにより、流体が入口カバー42a
および出口カバー42b内で鉛直方向に折り返される多
パス構成とすることもできる。
【0041】なお、図6に示すマトリクス型熱交換器
は、多管式熱交換器と同様の構成を備えるものであり、
各モジュール10のマトリクス構造体1の長手方向の端
部および中間部分を支持するための構造物の構成ないし
配置を簡素化することができ、大規模でより強固なマト
リクス型熱交換器を容易に構成することができる。ま
た、マトリクス構造体を有する多数のモジュール10の
流入/流出の入口部31および出口部32に入口カバー
42aおよび出口カバー42bを設け、複数のモジュー
ル10を包含するようにして共通化することにより、こ
れらの入口カバー42aおよび出口カバー42bの構成
部材を簡素化することができ、また大規模化を容易に行
うことができる。
は、多管式熱交換器と同様の構成を備えるものであり、
各モジュール10のマトリクス構造体1の長手方向の端
部および中間部分を支持するための構造物の構成ないし
配置を簡素化することができ、大規模でより強固なマト
リクス型熱交換器を容易に構成することができる。ま
た、マトリクス構造体を有する多数のモジュール10の
流入/流出の入口部31および出口部32に入口カバー
42aおよび出口カバー42bを設け、複数のモジュー
ル10を包含するようにして共通化することにより、こ
れらの入口カバー42aおよび出口カバー42bの構成
部材を簡素化することができ、また大規模化を容易に行
うことができる。
【0042】図7は、図4または図5に示す複数のモジ
ュール10から構成された複数のモジュール群を複数配
置してなるマトリクス型熱交換器組合体をタービンシス
テムの凝縮器に適用した場合の一例を模式的に示す図で
ある。図7において、タービン51の排気蒸気はその下
方に設置された複数のモジュール10を有する初段凝縮
器52でその一部が凝縮され、残った蒸気は気体用連通
路である配管59にて別置きの大規模熱交換器ユニット
53の上部に送られる。一方、初段凝縮器52で凝縮さ
れた凝縮液は凝縮液移送ポンプ54により液体用連通路
54aを介して大規模熱交換器ユニット53の上部に送
られ、その内部で多孔管やトレイ等により複数のモジュ
ールを有するモジュール群55の上に断面略均一に散布
される。なお、大規模熱交換器ユニット53は、モジュ
ール群55の他にも、複数のモジュール10を有する別
のモジュール群56、57も内蔵している。これらのモ
ジュール群55、56、57の鉛直方向の流路内を通過
する流体はタービン51の排気蒸気およびその凝縮液、
あるいは別系統から導入した吸収液(吸収液散布多孔管
58参照)であるが、水平方向の流路内を通過する流体
は、タービン51の排気蒸気や凝縮液の再生液、あるい
は冷却水等のように、それぞれのモジュール群55、5
6、57ごとに異なっていてもよい。
ュール10から構成された複数のモジュール群を複数配
置してなるマトリクス型熱交換器組合体をタービンシス
テムの凝縮器に適用した場合の一例を模式的に示す図で
ある。図7において、タービン51の排気蒸気はその下
方に設置された複数のモジュール10を有する初段凝縮
器52でその一部が凝縮され、残った蒸気は気体用連通
路である配管59にて別置きの大規模熱交換器ユニット
53の上部に送られる。一方、初段凝縮器52で凝縮さ
れた凝縮液は凝縮液移送ポンプ54により液体用連通路
54aを介して大規模熱交換器ユニット53の上部に送
られ、その内部で多孔管やトレイ等により複数のモジュ
ールを有するモジュール群55の上に断面略均一に散布
される。なお、大規模熱交換器ユニット53は、モジュ
ール群55の他にも、複数のモジュール10を有する別
のモジュール群56、57も内蔵している。これらのモ
ジュール群55、56、57の鉛直方向の流路内を通過
する流体はタービン51の排気蒸気およびその凝縮液、
あるいは別系統から導入した吸収液(吸収液散布多孔管
58参照)であるが、水平方向の流路内を通過する流体
は、タービン51の排気蒸気や凝縮液の再生液、あるい
は冷却水等のように、それぞれのモジュール群55、5
6、57ごとに異なっていてもよい。
【0043】なお、初段凝縮器52の各モジュール10
のマトリクス構造体1表面は、蒸気単相流の流体を受け
入れる場合には液体捕集溝6を形成する必要はなく、し
めり蒸気域の蒸気を受け入れる場合には液体捕集溝6を
形成するようにする。
のマトリクス構造体1表面は、蒸気単相流の流体を受け
入れる場合には液体捕集溝6を形成する必要はなく、し
めり蒸気域の蒸気を受け入れる場合には液体捕集溝6を
形成するようにする。
【0044】図7に示すマトリクス型熱交換器は、複数
のモジュール10からなる大規模な熱交換器を適当な規
模でモジュール群単位に分割しているため、モジュール
群からなる個々のユニットが極端に巨大化してしまうこ
とを防止することができる。また、気体は配管59にて
自由移送し、液体は液体用連通路54aを介してポンプ
輸送することにより気体と液体とを完全に分離して輸送
しているため、ポンプ動力の低減と運転の安定性を図る
とともに、移送された流体を受け入れる側の熱交換器ユ
ニットでの気液流体の再配分を均等化することができ
る。
のモジュール10からなる大規模な熱交換器を適当な規
模でモジュール群単位に分割しているため、モジュール
群からなる個々のユニットが極端に巨大化してしまうこ
とを防止することができる。また、気体は配管59にて
自由移送し、液体は液体用連通路54aを介してポンプ
輸送することにより気体と液体とを完全に分離して輸送
しているため、ポンプ動力の低減と運転の安定性を図る
とともに、移送された流体を受け入れる側の熱交換器ユ
ニットでの気液流体の再配分を均等化することができ
る。
【0045】図8は、本発明によるマトリクス構造体を
有するマトリクス型熱交換器の変形例を示す図であって
マトリクス構造体の薄板下端部の概略斜視図である。
有するマトリクス型熱交換器の変形例を示す図であって
マトリクス構造体の薄板下端部の概略斜視図である。
【0046】図8を参照すると、マトリクス構造体1の
薄板3の下端部には、薄板3表面の第1突部11間を避
けた位置すなわち、第1突部11の延長線上の下端部
に、四角錘状の突起物である液流下ガイド61が複数形
成されている。なお、この液流下ガイド61の四角錘の
一面あるいは複数面は凹面状となっている。
薄板3の下端部には、薄板3表面の第1突部11間を避
けた位置すなわち、第1突部11の延長線上の下端部
に、四角錘状の突起物である液流下ガイド61が複数形
成されている。なお、この液流下ガイド61の四角錘の
一面あるいは複数面は凹面状となっている。
【0047】図8に示す液流下ガイド61は、マトリク
ス構造体1の下面において液体が表面張力によって保持
されて部分的に大きな液滴となって不規則に滴下するよ
うな現象を抑制するためのものである。すなわち、マト
リクス構造体1の液流下ガイド61の凹面に液膜が形成
され、この液膜の表面張力により、薄板3の流路2を流
下してきた液体が吸引され、先端の細くなった部分で液
体の流下が容易に行われる。また、これと同時に、この
液流下ガイド61の先端以外の場所での液の滴下が防止
される。より具体的には、マトリクス構造体1の下面か
ら延びた液流下ガイド61は、ある所定の長さにわたっ
て液体の流れを沿わせるようにし、このことにより、常
に決まった位置で決まった流量の流下を生じさせるよう
にしている。また、マトリクス構造体1の下面の互いに
隣り合う流路2間の略中間位置に液流下ガイド61が形
成され、かつ液流下ガイド61を鉛直下方に伸びる先端
の鋭利な棒状や板状、錘状等の突起物状とすることによ
り、流路2の出口側を閉塞することなく液がよりスムー
ズに流下するようにすることができる。さらに、液流下
ガイド61の一面または複数面に設けられた凹面によ
り、液体の表面張力を利用してマトリクス構造体1内の
流路2の出口側から大量かつスムーズに液を引き出すよ
うにしている。
ス構造体1の下面において液体が表面張力によって保持
されて部分的に大きな液滴となって不規則に滴下するよ
うな現象を抑制するためのものである。すなわち、マト
リクス構造体1の液流下ガイド61の凹面に液膜が形成
され、この液膜の表面張力により、薄板3の流路2を流
下してきた液体が吸引され、先端の細くなった部分で液
体の流下が容易に行われる。また、これと同時に、この
液流下ガイド61の先端以外の場所での液の滴下が防止
される。より具体的には、マトリクス構造体1の下面か
ら延びた液流下ガイド61は、ある所定の長さにわたっ
て液体の流れを沿わせるようにし、このことにより、常
に決まった位置で決まった流量の流下を生じさせるよう
にしている。また、マトリクス構造体1の下面の互いに
隣り合う流路2間の略中間位置に液流下ガイド61が形
成され、かつ液流下ガイド61を鉛直下方に伸びる先端
の鋭利な棒状や板状、錘状等の突起物状とすることによ
り、流路2の出口側を閉塞することなく液がよりスムー
ズに流下するようにすることができる。さらに、液流下
ガイド61の一面または複数面に設けられた凹面によ
り、液体の表面張力を利用してマトリクス構造体1内の
流路2の出口側から大量かつスムーズに液を引き出すよ
うにしている。
【0048】次に、以上に説明したような構成を備える
マトリクス型熱交換器の製造方法について説明する。
マトリクス型熱交換器の製造方法について説明する。
【0049】図1、図2、図8および図9を参照する
と、本発明の実施の形態に係るマトリクス型熱交換器を
構成するマトリクス構造体1は、次のようにして製造す
ることができる。
と、本発明の実施の形態に係るマトリクス型熱交換器を
構成するマトリクス構造体1は、次のようにして製造す
ることができる。
【0050】まず、第1の工程として、図9に示すよう
に、薄い板、例えば薄板5′の表面に所定の間隔でプレ
ス加工により鉛直方向に貫通する流路2用の溝2′を形
成する。
に、薄い板、例えば薄板5′の表面に所定の間隔でプレ
ス加工により鉛直方向に貫通する流路2用の溝2′を形
成する。
【0051】次に、第2の工程として、この薄板5′の
一辺の部分のうち前記第1の工程で形成された流路2用
の溝2′の流路開口部となる部分に同じくプレス加工に
より液体捕集溝6用の切り欠き6′を入れる。
一辺の部分のうち前記第1の工程で形成された流路2用
の溝2′の流路開口部となる部分に同じくプレス加工に
より液体捕集溝6用の切り欠き6′を入れる。
【0052】続いて、第3の工程として、この薄板5′
の切り欠き6′を入れた辺と相対する他の辺に、前記第
2の工程で形成された切り欠き6′と異なる形状の液流
下ガイド61用の切り欠き61′を入れる。
の切り欠き6′を入れた辺と相対する他の辺に、前記第
2の工程で形成された切り欠き6′と異なる形状の液流
下ガイド61用の切り欠き61′を入れる。
【0053】最後に、第4の工程として、前記第1ない
し第3の工程を経て形成された薄板5′を複数貼り合わ
せることにより、マトリクス構造体1を製造する。ここ
で、流路2とは別系統の流路4(図1参照)について
は、薄板5′を貼り合わせた際にできる隙間を利用する
ようにする他、薄板5′の他に流路4用の溝を形成した
薄板を用意し、この薄板と薄板5′とを貼り合わせるこ
とによって別系統の流路を形成するようにしてもよい。
し第3の工程を経て形成された薄板5′を複数貼り合わ
せることにより、マトリクス構造体1を製造する。ここ
で、流路2とは別系統の流路4(図1参照)について
は、薄板5′を貼り合わせた際にできる隙間を利用する
ようにする他、薄板5′の他に流路4用の溝を形成した
薄板を用意し、この薄板と薄板5′とを貼り合わせるこ
とによって別系統の流路を形成するようにしてもよい。
【0054】なお、前記第1ないし第3の工程は1回の
プレス加工によって同時に行うことができ、このように
してマトリクス構造体1を製造することにより、マトリ
クス構造体1の鉛直方向の流路2、マトリクス構造体1
表面の液体捕集溝6およびマトリクス構造体1の下面の
液流下ガイド61の突起を同時に形成して、製造時間の
短縮および製造精度の向上を図ることができる。また、
このようにして製造されたマトリクス構造体1からなる
モジュール10を複数組み合わせることにより、図6ま
たは図7に示したようなより大規模なマトリクス型熱交
換器を製造することが可能となる。
プレス加工によって同時に行うことができ、このように
してマトリクス構造体1を製造することにより、マトリ
クス構造体1の鉛直方向の流路2、マトリクス構造体1
表面の液体捕集溝6およびマトリクス構造体1の下面の
液流下ガイド61の突起を同時に形成して、製造時間の
短縮および製造精度の向上を図ることができる。また、
このようにして製造されたマトリクス構造体1からなる
モジュール10を複数組み合わせることにより、図6ま
たは図7に示したようなより大規模なマトリクス型熱交
換器を製造することが可能となる。
【0055】なお、前述した工程では、プレス加工以外
にも、鋳造や鍛造、転造、放電加工等の各種の加工方法
を採用することもできる。
にも、鋳造や鍛造、転造、放電加工等の各種の加工方法
を採用することもできる。
【0056】以上説明したように、本発明の実施の形態
に係るマトリクス型熱交換器によれば、マトリクス構造
体1の気液混合系統の入口表面に液体捕集溝6を設ける
ことにより、マトリクス構造体1からなるマトリクス型
熱交換器内の流路2への気液の均一な分配が可能となる
ので、流路2をより細かくして体積当りの伝熱面積をよ
り高密度にすることができ、また伝熱面積を容易に増大
させることが可能となるので、より小さい温度差で蒸気
側と液膜側との熱平衡ポイントからのずれの小さい熱交
換を行わせることができる。
に係るマトリクス型熱交換器によれば、マトリクス構造
体1の気液混合系統の入口表面に液体捕集溝6を設ける
ことにより、マトリクス構造体1からなるマトリクス型
熱交換器内の流路2への気液の均一な分配が可能となる
ので、流路2をより細かくして体積当りの伝熱面積をよ
り高密度にすることができ、また伝熱面積を容易に増大
させることが可能となるので、より小さい温度差で蒸気
側と液膜側との熱平衡ポイントからのずれの小さい熱交
換を行わせることができる。
【0057】また、図4または図5に示したように、マ
トリクス構造体1をモジュール化して一本の伝熱管と同
様の取扱いができるようにしたので、大規模なマトリク
ス型熱交換器を容易に構成することができ、特に蒸気と
液体との再分配が容易であるので、マトリクス構造体1
のモジュール単位や、複数のモジュールを有するモジュ
ール群単位の分割が容易となり、より大規模なマトリク
ス型熱交換器、さらにはこれらを組み合わせたマトリク
ス型熱交換器組合体を構成することができる。
トリクス構造体1をモジュール化して一本の伝熱管と同
様の取扱いができるようにしたので、大規模なマトリク
ス型熱交換器を容易に構成することができ、特に蒸気と
液体との再分配が容易であるので、マトリクス構造体1
のモジュール単位や、複数のモジュールを有するモジュ
ール群単位の分割が容易となり、より大規模なマトリク
ス型熱交換器、さらにはこれらを組み合わせたマトリク
ス型熱交換器組合体を構成することができる。
【0058】さらに、図8に示したように、マトリクス
構造体1の下面に液流下ガイド61としての突起物を設
けたので、凝縮した液膜が停滞して張り付いたり、不規
則に滴下するといった現象を抑制することができ、マト
リクス型熱交換器のより安定した運転が可能となる。
構造体1の下面に液流下ガイド61としての突起物を設
けたので、凝縮した液膜が停滞して張り付いたり、不規
則に滴下するといった現象を抑制することができ、マト
リクス型熱交換器のより安定した運転が可能となる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマトリク
ス型熱交換器によれば、熱交換器のモジュールとしてマ
トリクス構造体を採用し、流路への気液の分配をより均
一化できる構造としたため、高密度な伝熱面積を有する
熱交換器を実現することが可能となり、より小さい温度
差で蒸気側と液膜側との熱平衡ポイントからのずれの小
さい熱交換を行わせることができる。
ス型熱交換器によれば、熱交換器のモジュールとしてマ
トリクス構造体を採用し、流路への気液の分配をより均
一化できる構造としたため、高密度な伝熱面積を有する
熱交換器を実現することが可能となり、より小さい温度
差で蒸気側と液膜側との熱平衡ポイントからのずれの小
さい熱交換を行わせることができる。
【0060】なお、伝熱面積をより容易に増大させるこ
とができるので、気液混合流体等の2成分ないし多成分
流体の凝縮熱伝達または沸騰熱伝達を、より小さな温度
差で、蒸気側と液膜側との熱平衡ポイントからのずれを
小さく行わせることができるようになり、発電プラント
等に適用した場合でも作動流体の受熱部あるいは放熱部
での温度差の小さいヒートバランスで運転することがで
き、プラントの効率を高めることが可能となる。
とができるので、気液混合流体等の2成分ないし多成分
流体の凝縮熱伝達または沸騰熱伝達を、より小さな温度
差で、蒸気側と液膜側との熱平衡ポイントからのずれを
小さく行わせることができるようになり、発電プラント
等に適用した場合でも作動流体の受熱部あるいは放熱部
での温度差の小さいヒートバランスで運転することがで
き、プラントの効率を高めることが可能となる。
【0061】また、本発明のマトリクス型熱交換器によ
れば、マトリクス構造体を有するモジュールを多管式熱
交換器に含まれる一本の伝熱管と同様に扱えるようにす
るとともに、複数のモジュールを有するモジュール群へ
の気液の均一な分配を可能にしてこれらのモジュール群
が互いに連通路を介して容易に接続できるようにしたた
め、熱交換器をモジュール単位や、複数のモジュールを
有するモジュール群単位で分割してより大規模なマトリ
クス型熱交換器、あるいはこれらのマトリクス型熱交換
器を複数配置してなるマトリクス型熱交換器組合体を構
成することが可能となる。
れば、マトリクス構造体を有するモジュールを多管式熱
交換器に含まれる一本の伝熱管と同様に扱えるようにす
るとともに、複数のモジュールを有するモジュール群へ
の気液の均一な分配を可能にしてこれらのモジュール群
が互いに連通路を介して容易に接続できるようにしたた
め、熱交換器をモジュール単位や、複数のモジュールを
有するモジュール群単位で分割してより大規模なマトリ
クス型熱交換器、あるいはこれらのマトリクス型熱交換
器を複数配置してなるマトリクス型熱交換器組合体を構
成することが可能となる。
【0062】さらに、本発明のマトリクス型熱交換器の
製造方法によれば、マトリクス構造体の鉛直方向の貫通
流路、マトリクス構造体表面の液体捕集溝およびマトリ
クス構造体の下面の液流下ガイドをプレス加工により同
時に形成することにより、製造時間の短縮および製造精
度の向上を図ることができる。
製造方法によれば、マトリクス構造体の鉛直方向の貫通
流路、マトリクス構造体表面の液体捕集溝およびマトリ
クス構造体の下面の液流下ガイドをプレス加工により同
時に形成することにより、製造時間の短縮および製造精
度の向上を図ることができる。
【図1】本発明によるマトリクス型熱交換器の一実施の
形態を示す概略斜視図である。
形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明によるマトリクス構造体を有するマトリ
クス型熱交換器の変形例を示す図であってマトリクス構
造体の薄板上端部の概略斜視図である。
クス型熱交換器の変形例を示す図であってマトリクス構
造体の薄板上端部の概略斜視図である。
【図3】図2に示すマトリクス構造体1の薄板3の下方
部分を示す図である。
部分を示す図である。
【図4】本発明によるマトリクス構造体を有するマトリ
クス型熱交換器の変形例を示す概略斜視図である。
クス型熱交換器の変形例を示す概略斜視図である。
【図5】本発明によるモジュールからなるマトリクス型
熱交換器の変形例を示す概略斜視図である。
熱交換器の変形例を示す概略斜視図である。
【図6】本発明によるモジュールからなるマトリクス型
熱交換器の他の変形例を示す概略斜視図である。
熱交換器の他の変形例を示す概略斜視図である。
【図7】図4または図5に示す複数のモジュール10か
ら構成されたモジュール群を複数配置してなるマトリク
ス型熱交換器組合体をタービンシステムの凝縮器に適用
した場合の一例を模式的に示す図である。
ら構成されたモジュール群を複数配置してなるマトリク
ス型熱交換器組合体をタービンシステムの凝縮器に適用
した場合の一例を模式的に示す図である。
【図8】本発明によるマトリクス構造体を有するマトリ
クス型熱交換器の変形例を示す図であってマトリクス構
造体の薄板下端部の概略斜視図である。
クス型熱交換器の変形例を示す図であってマトリクス構
造体の薄板下端部の概略斜視図である。
【図9】本発明によるマトリクス構造体を有するマトリ
クス型熱交換器の製造方法を説明するための図である。
クス型熱交換器の製造方法を説明するための図である。
【図10】2成分流体が凝縮する際の蒸気と凝縮液膜と
の平衡関係を示す温度−濃度平衡図である。
の平衡関係を示す温度−濃度平衡図である。
1 マトリクス構造体 2 流路 2a、2b、2c 流路開口部 3、5 薄板 4 流路 6 液体捕集溝 11 第1突部 12、13 第2突部 14 突起 21、22 壁面 31 入口部 32 出口部 41 熱交換器ユニット本体 42a 入口カバー 42b 出口カバー 51 タービン 52 初段凝縮器 53 大規模熱交換器ユニット 54 凝縮液移送ポンプ 54a 液体用連通路 55、56、57 モジュール群 58 吸収液散布多孔管 59 配管 61 液流下ガイド
Claims (14)
- 【請求項1】気液混合系統を含む少なくとも2系統の貫
通流路が内部に形成されたマトリクス構造体からなるマ
トリクス型熱交換器において、 マトリクス構造体表面であって気液混合系統の貫通流路
の入口側開口部を横切る部分に、液体捕集用の液体捕集
溝を設けたことを特徴とするマトリクス型熱交換器。 - 【請求項2】気液混合系統の貫通流路は複数の入口側開
口部を有し、 液体捕集溝を有する第1の流路開口部と、液体捕集溝を
有しない第2の流路開口部とをマトリクス構造体表面に
交互に配列するとともに、互いに隣り合う流路開口部が
マトリクス構造体表面から所定の深さの位置で合流され
るようにしたことを特徴とする請求項1記載のマトリク
ス型熱交換器。 - 【請求項3】気液混合系統の貫通流路は複数の入口側開
口部を有し、 液体捕集溝を有する第1の流路開口部と、液体捕集溝を
有しない第2の流路開口部とを、第1の流路開口部に対
して一対の第2の流路開口部が挟み込むようにマトリク
ス構造体表面に配列し、これら第1の流路開口部と一対
の第2の流路開口部とがマトリクス構造体表面から所定
の深さの位置で合流されるようにしたことを特徴とする
請求項1記載のマトリクス型熱交換器。 - 【請求項4】気液混合系統の貫通流路中であって第1の
流路開口部と第2の流路開口部とが合流される点よりも
下流側に、流路を制限する突起を設けたことを特徴とす
る請求項2または3記載のマトリクス型熱交換器。 - 【請求項5】気液混合系統の貫通流路中であって第1の
流路開口部と第2の流路開口部とが合流される点よりも
下流側に、流路を分割する壁面を設けたことを特徴とす
る請求項2ないし4のいずれかに記載のマトリクス型熱
交換器。 - 【請求項6】気液混合系統を含む少なくとも2系統の貫
通流路が内部に形成されたマトリクス構造体を複数配置
してなるマトリクス型熱交換器において、 各マトリクス構造体表面であって気液混合系統の貫通流
路の入口側開口部を横切る部分に、液体捕集用の液体捕
集溝を設け、 各マトリクス構造体は少なくとも1系統の貫通流路の入
口側同士および出口側同士がそれぞれ対応して配置さ
れ、この対応して配置された複数のマトリクス構造体の
入口側および出口側に、各マトリクス構造体の貫通流路
を束ねるための入口カバーおよび出口カバーを設けたこ
とを特徴とするマトリクス型熱交換器。 - 【請求項7】各マトリクス構造体内において、貫通流路
が直線的に構成されていることを特徴とする請求項1な
いし6のいずれかに記載のマトリクス型熱交換器。 - 【請求項8】各マトリクス構造体内において、貫通流路
が途中で折り返されるように構成されていることを特徴
とする請求項1ないし6のいずれかに記載のマトリクス
型熱交換器。 - 【請求項9】複数のマトリクス構造体が碁盤目状または
菱形状に配置されていることを特徴とする請求項6ない
し8のいずれかに記載のマトリクス型熱交換器。 - 【請求項10】マトリクス構造体の下面に、液が所定の
長さまで連続体を保ちながら流下されるようにするため
の液流下ガイドを設けたことを特徴とする請求項1ない
し9のいずれかに記載のマトリクス型熱交換器。 - 【請求項11】液流下ガイドが、マトリクス構造体の下
面の互いに隣り合う流路開口部間の略中間位置に形成さ
れ、鉛直下方に伸びる先端の鋭利な棒状や板状、錘状等
の突起物であることを特徴とする請求項10記載のマト
リクス型熱交換器。 - 【請求項12】突起物が、鉛直方向に伸びる凹面部分を
有していることを特徴とする請求項11記載のマトリク
ス型熱交換器。 - 【請求項13】請求項1ないし12のいずれかに記載の
マトリクス型熱交換器を複数配置してなるマトリクス型
熱交換器組合体において、 マトリクス型熱交換器間に複数の連通路が設けられ、こ
の連通路が液体用連通路と気体用連通路とからなり、液
体用連通路に移送ポンプを取り付けたことを特徴とする
マトリクス型熱交換器組合体。 - 【請求項14】薄板の表面にプレス加工により貫通流路
用の溝を形成する工程と、 この薄板の一辺の部分にプレス加工により液体捕集溝用
の切り欠きを入れる工程と、 この薄板の液体捕集溝用の切り欠きを入れた辺と相対す
る他の辺に、液体捕集溝用の切り欠きと異なる形状の液
流下ガイド用の切り欠きを入れる工程と、 このようにして形成された薄板を複数貼り合わせること
により、マトリクス構造体からなるマトリクス型熱交換
器を製造する工程と、 を備えたことを特徴とするマトリクス型熱交換器の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8218914A JP2965911B2 (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | マトリクス型熱交換器、その組合体およびマトリクス型熱交換器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8218914A JP2965911B2 (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | マトリクス型熱交換器、その組合体およびマトリクス型熱交換器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1062088A JPH1062088A (ja) | 1998-03-06 |
JP2965911B2 true JP2965911B2 (ja) | 1999-10-18 |
Family
ID=16727305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8218914A Expired - Fee Related JP2965911B2 (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | マトリクス型熱交換器、その組合体およびマトリクス型熱交換器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2965911B2 (ja) |
-
1996
- 1996-08-20 JP JP8218914A patent/JP2965911B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1062088A (ja) | 1998-03-06 |
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