JP2964891B2 - 中性子束検出器 - Google Patents
中性子束検出器Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、原子力発電所におけ
る炉外中性子検出器に関するものである。
る炉外中性子検出器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図２は従来の炉外中性子検出器における
中性子有感物質の塗布状態を示す中性子束検出器の断面
図である。図において、１は中性子有感物質、２はこの
中性子有感物質１の外側に設けられた外側電極、３は中
性子有感物質１の内側に設けられた内側電極で、外側電
極２と内側電極３は同軸円筒になっており、それらの端
部は絶縁体４で固定されている。そして外側電極２を高
圧電極、内側電極３を信号電極として使用している。
中性子有感物質の塗布状態を示す中性子束検出器の断面
図である。図において、１は中性子有感物質、２はこの
中性子有感物質１の外側に設けられた外側電極、３は中
性子有感物質１の内側に設けられた内側電極で、外側電
極２と内側電極３は同軸円筒になっており、それらの端
部は絶縁体４で固定されている。そして外側電極２を高
圧電極、内側電極３を信号電極として使用している。
【０００３】図３に示すように、中性子束検出器４個を
外筒５に収納し、一体の中性子束検出器アセンブリとす
る。中性子束検出器の中の２個をそれぞれ図３のように
直列に接続し、外部に２本の信号線を取り出す。
外筒５に収納し、一体の中性子束検出器アセンブリとす
る。中性子束検出器の中の２個をそれぞれ図３のように
直列に接続し、外部に２本の信号線を取り出す。
【０００４】また、中性子束検出器の感度は、原子力発
電所の運転制御の観点から決定されていて、要求感度が
得られるように中性子有感物質１の塗布量が計算され
る。従来の中性子束検出器は内側、外側電極共同じ膜厚
になるようにして要求感度を得ていた。
電所の運転制御の観点から決定されていて、要求感度が
得られるように中性子有感物質１の塗布量が計算され
る。従来の中性子束検出器は内側、外側電極共同じ膜厚
になるようにして要求感度を得ていた。
【０００５】図１は中性子有感物質重量（ｍｇ／ｃｍ
2 ）と中性子感度の関係図であり、中性子感度は中性子
有感物質重量に比例する比例領域と、中性子感度が飽和
する領域に分けられる。従来の中性子束検出器は内側電
極共同じ膜厚にして規定感度を得るようにしているた
め、必然的に図１に示すように比例領域を使用すること
になる。比例領域では中性子有感物質重量が変動すると
中性子感度は大きく変動するので、中性子感度を一定に
するためには、中性子有感物質の塗布量を極めて精度良
く管理する必要がある。
2 ）と中性子感度の関係図であり、中性子感度は中性子
有感物質重量に比例する比例領域と、中性子感度が飽和
する領域に分けられる。従来の中性子束検出器は内側電
極共同じ膜厚にして規定感度を得るようにしているた
め、必然的に図１に示すように比例領域を使用すること
になる。比例領域では中性子有感物質重量が変動すると
中性子感度は大きく変動するので、中性子感度を一定に
するためには、中性子有感物質の塗布量を極めて精度良
く管理する必要がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】従来の中性子束検出器
は以上のように構成されているので、次のような問題点
があった。即ち、従来の中性子束アセンブリは４本の中
性子検出器によって構成されているので、個々の検出器
の中性子感度を整える必要があるが、その為には中性子
有感物質の塗布量を極めて精度良く管理しなければなら
ないという製造上の困難な問題点があった。
は以上のように構成されているので、次のような問題点
があった。即ち、従来の中性子束アセンブリは４本の中
性子検出器によって構成されているので、個々の検出器
の中性子感度を整える必要があるが、その為には中性子
有感物質の塗布量を極めて精度良く管理しなければなら
ないという製造上の困難な問題点があった。
【０００７】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、中性子感度のばらつきの小さい
中性子束検出器を容易に製作でき、軸方向の中性子感度
のばらつきの小さい中性子束検出器アセンブリを提供す
ることを目的とする。
ためになされたもので、中性子感度のばらつきの小さい
中性子束検出器を容易に製作でき、軸方向の中性子感度
のばらつきの小さい中性子束検出器アセンブリを提供す
ることを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】請求項１の中性子束検出
器は、中性子有感物質を塗布した電極を有し、中性子有
感物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測
定することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子
束検出器において、電極に塗布する中性子有感物質の膜
厚を中性子感度が飽和する厚さとするものである。
器は、中性子有感物質を塗布した電極を有し、中性子有
感物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測
定することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子
束検出器において、電極に塗布する中性子有感物質の膜
厚を中性子感度が飽和する厚さとするものである。
【０００９】請求項２の中性子束検出器は、中性子有感
物質を塗布した内側電極と外側電極を有し、中性子有感
物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定
することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子束
検出器において、外側電極に塗布する中性子有感物質の
膜厚を中性子感度が飽和する厚さとするものである。
物質を塗布した内側電極と外側電極を有し、中性子有感
物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定
することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子束
検出器において、外側電極に塗布する中性子有感物質の
膜厚を中性子感度が飽和する厚さとするものである。
【００１０】請求項３の中性子束検出器は、中性子有感
物質を塗布した内側電極と外側電極を有し、中性子有感
物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定
することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子束
検出器において、内側電極及び外側電極に塗布する中性
子有感物質の膜厚を中性子感度が飽和する厚さとするも
のである。
物質を塗布した内側電極と外側電極を有し、中性子有感
物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定
することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子束
検出器において、内側電極及び外側電極に塗布する中性
子有感物質の膜厚を中性子感度が飽和する厚さとするも
のである。
【００１１】
【作用】請求項１の中性子束検出器は、電極の中性子有
感物質の膜厚の変動に対する中性子感度のばらつきが小
さい。
感物質の膜厚の変動に対する中性子感度のばらつきが小
さい。
【００１２】請求項２の中性子束検出器は、外側電極の
中性子有感物質の膜厚の変動に対する中性子感度のばら
つきが小さい。
中性子有感物質の膜厚の変動に対する中性子感度のばら
つきが小さい。
【００１３】請求項３の中性子束検出器は、内側、外側
電極の中性子有感物質の膜厚の変動に対する中性子感度
のばらつきが小さい。
電極の中性子有感物質の膜厚の変動に対する中性子感度
のばらつきが小さい。
【００１４】
実施例１．以下、この発明の一実施例について説明す
る。図１は中性子感度と中性子有感物質重量の関係を示
す図である。中性子有感物質の膜厚が内外の電極とも同
じ場合に、内外の電極が中性子感度に与える寄与度を測
定すると、図１に示すように外側電極が全体の７０％以
上を担っていることが判明した。従って外側電極２の中
性子有感物質１の塗布量を増加させて中性子感度が飽和
する領域を使用し（図１のＡ点）、内側電極３は逆に中
性子有感物質１の塗布量を減少させる（図１のＢ点）こ
とにより、外側電極２は中性子感度が飽和しているので
中性子有感物質１の塗布量が多少変動しても中性子感度
は一定でばらつきには関与しない。また、内側電極３は
中性子感度の比例領域を使用するが、中性子感度の増加
率が図１に示すように小さい為中性子感度ばらつきに与
える影響は少ない。
る。図１は中性子感度と中性子有感物質重量の関係を示
す図である。中性子有感物質の膜厚が内外の電極とも同
じ場合に、内外の電極が中性子感度に与える寄与度を測
定すると、図１に示すように外側電極が全体の７０％以
上を担っていることが判明した。従って外側電極２の中
性子有感物質１の塗布量を増加させて中性子感度が飽和
する領域を使用し（図１のＡ点）、内側電極３は逆に中
性子有感物質１の塗布量を減少させる（図１のＢ点）こ
とにより、外側電極２は中性子感度が飽和しているので
中性子有感物質１の塗布量が多少変動しても中性子感度
は一定でばらつきには関与しない。また、内側電極３は
中性子感度の比例領域を使用するが、中性子感度の増加
率が図１に示すように小さい為中性子感度ばらつきに与
える影響は少ない。
【００１５】以上のような中性子有感物質１の塗布の仕
方により、即ち外側電極２の塗布量を増加して中性子感
度の飽和領域を使用するようにし、内側電極３の塗布量
は逆に減少させることにより、中性子束検出器の中性子
感度のばらつきは従来の半分以下にすることができた。
方により、即ち外側電極２の塗布量を増加して中性子感
度の飽和領域を使用するようにし、内側電極３の塗布量
は逆に減少させることにより、中性子束検出器の中性子
感度のばらつきは従来の半分以下にすることができた。
【００１６】この発明による中性子束検出器の構成は、
上述の内側電極の中性子有感物質１の塗布量が異なるだ
けで、他は従来のものと同一であるのでその説明は省略
した。
上述の内側電極の中性子有感物質１の塗布量が異なるだ
けで、他は従来のものと同一であるのでその説明は省略
した。
【００１７】実施例２．上記実施例では外側電極２の中
性子感度を飽和領域で使用する例を示したが、内側電極
とも飽和領域で使用する塗布方法も考えられ、この場合
は中性子感度を規定感度にするために中性子有感物質１
の濃縮度を変化させる必要がある。この実施例によれ
ば、さらに中性子束検出器の中性子感度のばらつきを小
さくすることができる。
性子感度を飽和領域で使用する例を示したが、内側電極
とも飽和領域で使用する塗布方法も考えられ、この場合
は中性子感度を規定感度にするために中性子有感物質１
の濃縮度を変化させる必要がある。この実施例によれ
ば、さらに中性子束検出器の中性子感度のばらつきを小
さくすることができる。
【００１８】
【発明の効果】請求項１の中性子束検出器は、中性子有
感物質を塗布した電極を有し、中性子有感物質が中性子
と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定することによ
り中性子の数を検知する電離箱型中性子束検出器におい
て、電極に塗布する中性子有感物質の膜厚を中性子感度
が飽和する厚さとする構成にしたので、中性子感度のば
らつきの小さい中性子束検出器を容易に製作できる。
感物質を塗布した電極を有し、中性子有感物質が中性子
と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定することによ
り中性子の数を検知する電離箱型中性子束検出器におい
て、電極に塗布する中性子有感物質の膜厚を中性子感度
が飽和する厚さとする構成にしたので、中性子感度のば
らつきの小さい中性子束検出器を容易に製作できる。
【００１９】請求項２の中性子束検出器は、中性子有感
物質を塗布した内側電極と外側電極を有し、中性子有感
物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定
することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子束
検出器において、外側電極に塗布する中性子有感物質の
膜厚を中性子感度が飽和する厚さとする構成にしたの
で、中性子感度のばらつきの小さい中性子束検出器を容
易に製作できる。
物質を塗布した内側電極と外側電極を有し、中性子有感
物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定
することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子束
検出器において、外側電極に塗布する中性子有感物質の
膜厚を中性子感度が飽和する厚さとする構成にしたの
で、中性子感度のばらつきの小さい中性子束検出器を容
易に製作できる。
【００２０】請求項３の中性子束検出器は、中性子有感
物質を塗布した内側電極と外側電極を有し、中性子有感
物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定
することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子束
検出器において、内側電極及び外側電極に塗布する中性
子有感物質の膜厚を中性子感度が飽和する厚さとする構
成にしたので、中性子感度のばらつきのさらに小さい中
性子束検出器を容易に製作できる。
物質を塗布した内側電極と外側電極を有し、中性子有感
物質が中性子と核反応を起こし発生した荷電粒子を測定
することにより中性子の数を検知する電離箱型中性子束
検出器において、内側電極及び外側電極に塗布する中性
子有感物質の膜厚を中性子感度が飽和する厚さとする構
成にしたので、中性子感度のばらつきのさらに小さい中
性子束検出器を容易に製作できる。
【図１】 この発明の一実施例による中性子束検出器の
中性子感度と中性子有感物質重量との関係を示す図であ
る。
中性子感度と中性子有感物質重量との関係を示す図であ
る。
【図２】 従来の中性子束検出器の断面図である。
【図３】 従来の中性子束検出器アセンブリの断面図で
ある。
ある。
１ 中性子有感物質、２ 外側電極、３ 内側電極。
Claims (3)
- 【請求項１】 中性子有感物質を塗布した電極を有し、
該中性子有感物質が中性子と核反応を起こし発生した荷
電粒子を測定することにより前記中性子の数を検知する
電離箱型中性子束検出器において、前記電極に塗布する
前記中性子有感物質の膜厚を中性子感度が飽和する厚さ
とすることを特徴とする中性子束検出器。 - 【請求項２】 中性子有感物質を塗布した内側電極と外
側電極を有し、該中性子有感物質が中性子と核反応を起
こし発生した荷電粒子を測定することにより前記中性子
の数を検知する電離箱型中性子束検出器において、前記
外側電極に塗布する前記中性子有感物質の膜厚を中性子
感度が飽和する厚さとすることを特徴とする中性子束検
出器。 - 【請求項３】 中性子有感物質を塗布した内側電極と外
側電極を有し、該中性子有感物質が中性子と核反応を起
こし発生した荷電粒子を測定することにより前記中性子
の数を検知する電離箱型中性子束検出器において、前記
内側電極及び外側電極に塗布する前記中性子有感物質の
膜厚を中性子感度が飽和する厚さとすることを特徴とす
る中性子束検出器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29677494A JP2964891B2 (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 中性子束検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29677494A JP2964891B2 (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 中性子束検出器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08152479A JPH08152479A (ja) | 1996-06-11 |
| JP2964891B2 true JP2964891B2 (ja) | 1999-10-18 |
Family
ID=17837963
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29677494A Expired - Fee Related JP2964891B2 (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 中性子束検出器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2964891B2 (ja) |
-
1994
- 1994-11-30 JP JP29677494A patent/JP2964891B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08152479A (ja) | 1996-06-11 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070813 Year of fee payment: 8 |
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| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080813 Year of fee payment: 9 |
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