JP2963854B2 - 核燃料用粉末製造のための加熱容器及び方法 - Google Patents

核燃料用粉末製造のための加熱容器及び方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使用済み核燃料の再処
理によって回収されるプルトニウム、ウラン、アメリシ
ウム及びネプツニウム等の硝酸溶液を再び核燃料として
リサイクルするためのマイクロ波を加熱源とした直接脱
硝方法及びそれに適した加熱容器に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波を吸収して発熱するセラミッ
クス材料が既知であり、また、そのようなセラミックス
材料によって所定の容器(加熱容器)を作成し、マイク
ロ波による内部加熱を行うことも一般的に行われてい
る。例えば核燃料の製造においても、硝酸プルトニウム
や硝酸ウラン等にマイクロ波を照射して加熱処理を行っ
ている。
【0003】このような従来プロセスでは、図1に示さ
れるように、被加熱物の加熱(溶液の昇温、沸騰)から
脱硝(塩の分解、脱硝体の生成、NOx分解)までをマ
イクロ波照射のみの加熱処理(内部加熱)で行う。被加
熱物は、例えば使用済核燃料の再処理で回収される硝酸
プルトニウム溶液や硝酸ウラン溶液等である。マイクロ
波電界中で硝酸プルトニウムや硝酸ウランを加熱させる
ための容器は加熱容器あるいは脱硝皿と呼ばれており、
従来よりマイクロ波透過性のセラミックス等が使用され
ている。なお、「脱硝」とは、核燃料の硝酸塩を加熱し
て窒素酸化物を飛ばして酸化物の粉末に転換し、原子炉
用の原料を得る工程である。
【0004】しかしながら、このような従来プロセスで
加熱処理を行うと、脱硝体(酸化物)の生成直後にスポ
ット加熱(局部加熱)が発生する場合がある。スポット
加熱は脱硝体の任意の場所に発生し、しかも一度発生し
たスポット加熱を放置すると次第にそれが脱硝体全体に
広がってしまう。スポット加熱された部分は固くて品質
の悪い粉末となるため(局部加熱が生じた箇所からは、
品質の異なる製品(PuO2 ,UO3 ,U3 8 )がで
きる)、得られる脱硝体の品質が低下し、原子炉用原料
粉末とならなくなってしまう。このため、スポット加熱
が発生した場合には、その発生時点でマイクロ波の照射
を停止し、脱硝反応を終了させていた。しかし、局部加
熱部分の拡張防止のためにこの操作を行うと、他の部分
では脱硝反応が途中で停止されてしまうことになるた
め、脱硝体中に未分解の硝酸根(NO3 - )やその他の
揮発成分が残留してしまい、製品品質を良好に維持でき
なくなる。また、途中で停止したにしても、局部加熱が
起こってしまった部分からは非常に固い粉末ができるこ
とに変わりはない。固い粉末を含んだ原料粉末は、容器
から脱硝体のカキトリや粉末の移送時(例えば、気流輸
送)の際に、容器および配管などに固着してハンドリン
グ性を悪化させるという問題を生じさせる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】局部加熱は、マイクロ
波照射電力を小さくすることにより回避できるというこ
とが知られている。
【0006】しかしながら、電力を小さくすると未脱硝
体(硝酸分解のしない乾固体が生成)が生成し、目的と
する脱硝体とならない。即ち、小電力で作製した脱硝体
には、硝酸根(NO3 - )などの揮発性物質(硝酸根以
外のものとしては、例えば水分、低融点元素等)が残留
し、均質な品質の粉末とならないという問題がある。ま
た、小電力で作製した脱硝体は、吸湿性のある粉末であ
るために、ハンドリング性が悪く搬送容器などに固着し
てしまうという問題もあった。更には、粉末に揮発性成
分が残留していると、脱硝体を原料粉末とするために脱
硝工程の次工程として設けられている焙焼還元工程(酸
化還元処理して二酸化プルトニウム(PuO2 )と三酸
化ウラン(UO3 )に調整する)に残留硝酸根等の揮発
成分を除去する工程を付加する必要もあった。このよう
に、局部加熱発生防止のためにマイクロ波照射電力を小
さくしたとしても、原料粉末に調整し易い良質の粉末特
性を有する脱硝体を生成させるのは困難であった。
【0007】また、これらを改善するためにマイクロ波
の印加電力を被加熱物に合わせた加熱制御を行ったり、
脱硝皿の材質の変更(例えば、金属製からセラミックス
製への変更)を試みたりしたが十分な効果は期待できな
かった。
【0008】本発明は以上のような課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、脱硝体生成後のスポット加
熱の発生を防止しながら安定した熱供給を行え、良質の
脱硝体粉末を得ることができる手段を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために本発明者らは、マイクロ波吸収発熱特性を有
すると共に、マイクロ波誘電損失係数が被加熱物(溶
液)より僅かに小さくなるようにマイクロ波誘電率を調
節した炭化珪素製の脱硝皿を製作した。すると、図2に
示すように、溶液が皿内にあるうちは従来プロセス同様
に主に内部加熱が行われ、脱硝体の生成直前より炭化珪
素の発熱を主として外部加熱が行われるようになる。こ
のように、溶液が皿内にあるうちは内部加熱、水分が皿
内から消失した後は外部加熱が行われるような材質の加
熱容器としたことにより、被加熱物の局部加熱発生防止
を可能とすると同時に、残留硝酸根等の揮発性物質を完
全に除去することができる。
【0010】即ち、本発明に係る核燃料粉末製造用のマ
イクロ波加熱容器においては、炭化ケイ素を主体とした
低密度セラミックスの表面に高純度炭化ケイ素の化学蒸
着を施したことを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る核燃料粉末製造用のマ
イクロ波加熱容器においては、上記の核燃料粉末製造用
の加熱容器において、前記炭化ケイ素を主体とした低密
度セラミックスは、炭化ケイ素を母材とした無機繊維を
含むセラミックスもしくは多孔性セラミックスであるこ
とを特徴とする。
【0012】一方、本発明に係る核燃料用粉末の製造方
法においては、上記いずれかの核燃料粉末製造用の加熱
容器を用いて脱硝を行うことを特徴とする。
【0013】
【作用】以上のような構成を有する本発明に係る核燃料
粉末製造用のマイクロ波加熱容器においては、被加熱物
が加熱容器に硝酸溶液で充墳されている間は、マイクロ
波は溶液中に優先的に吸収され、硝酸溶液の加熱・濃縮
が行なわれる。これは、水の方が炭化ケイ素よりも誘電
率が高く、マイクロ波が吸収されやすいからである。
【0014】溶液の加熱・濃縮が進行し、水分が完全に
除去されると、マイクロ波の照射により被加熱物が加熱
分解し始める。加熱分解し、酸化物が生成し始めると、
マイクロ波は加熱容器に優先的に吸収されるため、被加
熱物は均一に加熱されることとなる。即ち、無水状態の
被加熱物と炭化ケイ素とでは、炭化ケイ素の方が誘電率
が高く、マイクロ波が吸収されやすい。このため、オー
ブン内のマイクロ波電力密度は加熱容器の存在下で均一
となり、酸化物の生成直後の局部加熱は発生しない。ま
た、マイクロ波の照射電力を変化させることにより、被
加熱物の昇温速度を変えることができる。
【0015】この場合において、本発明に係る核燃料粉
末製造用のマイクロ波加熱容器を用いて核燃料用粉末を
製造した場合には、被加熱物中の揮発成分を完全に除去
することができるため、次工程の処理フローが容易にな
る。またこれに加えて、従来困難であったマイクロ波照
射電力を変えることにより脱硝反応を制御することも可
能となり、脱硝工程の次工程である焙焼還元工程の処理
時間を大幅に短縮できると共に製品品質を安定させるこ
とができる。
【0016】なお、炭化珪素セラミックス材料は本来耐
薬品性(特に硝酸)が悪いが、化学蒸着法(CVD法)
により高純度の炭化珪素を被覆することによって核燃料
の脱硝用加熱容器として使用しても十分な耐蝕性が得ら
れるということが確認されている。
【0017】
【実施例】
[加熱容器(脱硝皿)]本発明に係る加熱容器(脱硝
皿)は、既に述べたように炭化珪素製であってマイクロ
波吸収発熱特性を有し、かつマイクロ波誘電損失係数が
被加熱物(溶液)より僅かに小さくなるようにマイクロ
波誘電率が調節されている必要がある。このような加熱
容器(脱硝皿)とするためには、例えば炭化ケイ素を母
材とした無機繊維を含むセラミックスもしくは多孔性セ
ラミックスのように、低密度のセラミックスを使用する
ことができる。本実施例においては、チラノ繊維(商品
名)を織布したものにSiCを含浸させ、これを焼成す
ることによってこのような低密度セラミックス製の加熱
容器を得ている。チラノ繊維(商品名)は炭化ケイ素を
母材とした無機繊維であり、本実施例においては、この
チラノ繊維(商品名)に樹脂を含浸させ、強化プラスチ
ックス(FRP)と同様の方法でプレフォームを成型
し、加熱容器(脱硝皿)の形にする。その後樹脂を炭化
し、CVI法(Chemical Vapor Infiltration )により
SiCを蒸着し、必要であれば再加工後再度SiCを蒸
着する。
【0018】以上のようにして作製された本実施例に係
る加熱容器(脱硝皿)がマイクロ波脱硝を行わせるに最
適なものであるか否かを、従来の直接脱硝法との比較試
験を行って検討した。
【0019】(1)スポット加熱(局部加熱)の発生 比較試験は、本実施例に係る加熱容器(表中、SiC製
の皿として表示されている)の他、金属(ステンレス)
製の脱硝皿、石英製の脱硝皿、Si3 4 製の脱硝皿に
ついて、マイクロ波出力を変化させて、スポット加熱発
生までの時間を測定することにより行った。なお、表1
中、MHはマイクロ波出力を示す。基礎試験とは模擬試
料(硝酸セリウム)で行った試験のことであり、確証試
験および実証試験とはウランおよびプルトニウムで行っ
た試験のことである。また、同表中にはマイクロ波出力
に対応する電力密度を示してある。
【0020】
【表1】 表1から明らかなように、本実施例に係る加熱容器を使
用してマイクロ波加熱を行った場合には、電力密度が4
0w/ccになってもスポット加熱は生じない。ここ
で、スポット加熱の発生は主に電力密度に関係し、マイ
クロ波出力の大小にはあまり左右されない。例えば、マ
イクロ波出力が大きくても、電力密度が小さい場合には
スポット加熱が生じないこともある。SiCについて
は、マイクロ波出力16kWの実証施設での実測値を得
ることはできなかったが、この状態(36w/cc)よ
りも高い電力密度下(40w/cc)での基礎試験によ
ってもスポット加熱を生じないため、かかる実証施設下
でもスポット加熱は生じないであろうことが予測でき
る。
【0021】ところで、スポット加熱が生じれば実質的
に温度制御が不可能になるため、本実施例に係る加熱容
器のみが温度制御可能であることになる。なお、本実施
例に係る加熱容器が温度制御可能となるのは、水分消失
後はマイクロ波照射によって加熱容器自体が発熱するか
らである。
【0022】(2)加熱脱硝装置の改善 図3は、本実施例に係る加熱脱硝装置の構成を示すブロ
ック図である。図3に示されるように、この加熱脱硝装
置11においては、オーブン13内に加熱容器(脱硝
皿)15が備えられる。マイクロ波はマイクロ波発生器
16から供給され、オーブン13の上部に設けられた導
波管17からオーブン13内に導かれる。実施例におい
て、マイクロ波の波長は 2450MHzである。加熱容器15
は、上述の本実施例に係る加熱容器である。本実施例に
係る加熱脱硝装置には、また、加熱容器15内の脱硝体
の温度を監視する非接触式温度測定器19、接触式温度
測定器21が設けられている。接触式温度測定器21は
加熱容器15の下部に設けられており、伝導により脱硝
体の温度を直接的に監視する。このような接触式温度測
定器21を設けることができるのは、本実施例に係る加
熱容器15を使用した場合には、従来装置とは異なり、
均一加熱を行うためのターンテーブル等を設ける必要が
なく、加熱容器15が回転等をしないからである。本実
施例においては、非接触式温度測定器19、接触式温度
測定器21及びマイクロ波発生器16にコントローラ2
3が接続されており、非接触式温度測定器19及び接触
式温度測定器21からの温度データに応じて、マイクロ
波発生器16から発せられるマイクロ波の強度を調整す
るようにしている。なお、非接触式温度測定器21とし
ては、例えば赤外線センサ等を利用したものを用いるこ
とが可能である。
【0023】以上のように、本実施例に係る加熱脱硝装
置は、従来装置とは異なり、均一加熱を行うためのター
ンテーブル等を設ける必要がなく、その分だけ装置の構
成を簡易化できる。また、加熱容器が回転等しないた
め、熱伝対などの接触式温度測定器を設けることもでき
る(勿論、赤外線センサ等を利用した非接触式温度測定
器を設けることも可能である)。更に、既に説明したよ
うに、本実施例に係る加熱容器は脱硝体生成後はマイク
ロ波を優先的に吸収して発熱するため、それを用いた場
合には別途加熱手段を設ける必要がない。
【0024】なお、本発明者らは、回転手段がなくとも
良好な質の脱硝体ができることを確認している。また、
本発明者らは、以下に述べるように、本実施例に係る加
熱容器を用いることにより容易に温度制御を行うことが
できるということを確認している。
【0025】(3)脱硝体の温度制御 既に説明したように、本実施例に係る加熱容器は、脱硝
体生成後はマイクロ波を優先的に吸収して発熱する。従
って、マイクロ波の強度を調整することにより容易に温
度制御を行うことができる。図4は無負荷の状態でマイ
クロ波を照射したときの本実施例に係る加熱容器の昇温
特性を示すグラフであり、図5は1リットル,2リット
ル,3リットルの水をそれぞれ貯留したときの該加熱容
器の昇温特性を示すグラフである。図5は硝酸ウランの
水溶液(100g/lの濃度のものを2リットル)を貯留した
状態でマイクロ波を照射したときの本実施例に係る加熱
容器の昇温特性を示すグラフである。なお、加熱は上述
した加熱脱硝装置を用いて行った。また、本実施例にお
いては、加熱容器の温度上昇を知るために、マイクロ波
電界中(オーブン内)にマイクロ波の影響を受けないよ
うに保護した熱伝対を設置して、加熱容器の温度を測定
した(加熱容器の温度は、均一に温度上昇しており、炭
化珪素は均一にマイクロ波を吸収しているものと考えら
れる)。
【0026】図4に示されるように、本実施例に係る加
熱容器は、マイクロ波の照射時間に順じて非常に滑らか
に上昇して行くことが分かる。また、マイクロ波出力の
強度を変化させるとそれに応じて曲線の立上がりが早く
なるが、曲線に乱れは生ぜず、滑らかな上昇が保たれ
る。これについては、加熱容器に水が貯留された図5の
場合も同様である。このようなことから、本実施例に係
る脱硝容器を用いて硝酸セリウム溶液による模擬の脱硝
試験を行い、前述した課題は十分に改善することが確か
められた(上記(1)の[スポット加熱(局部加熱)の
発生])ことに加え、本脱硝容器自体を脱硝体生成後に
加熱し続けることができるということが図4の結果から
明らかになる。従って、本実施例に係る脱硝容器を使用
した場合には、メタル濃度の低い被加熱物についても十
分に脱硝体が生成できること、並びに、マイクロ波照射
電力を変化させることにより被加熱物の加熱昇温速度を
容易に変化させることができ、粉末特性を任意に調製す
ることができるということが分かる。なお、脱硝体が生
成した後、加熱容器の温度を観察しながら温度を一定に
維持するようにマイクロ波の出力調整をした結果、温度
が容易に維持できること、更に、脱硝体や加熱容器に局
部加熱が発生しなかったということを本発明者らは確認
している。
【0027】ところで、無負荷状態での試験および模擬
試料での試験から、本実施例に係る脱硝容器を用いて硝
酸ウランや硝酸プルトニウムの脱硝を行った場合でも、
局部加熱を生じない均一な加熱が行えるであろうと考え
られる。事実、図6に示す硝酸ウラン水溶液での試験結
果に示されるように、温度は滑らかに上昇するため、局
部加熱は生じていないということが分かる。図6には、
全時間にわたって3kWの出力でマイクロ波照射を行っ
た場合(黒四角)と、最初は3kWの出力で行い、脱硝
体の生成が終了する60分後に5kWに上げた場合(黒
丸)とが示されているが、そのいずれも温度は滑らかに
上昇しているため、マイクロ波出力の大小に拘らず、局
部加熱を生じない均一な加熱が行えるということがわか
る。従って、図6の結果から、脱硝を効率良く行いたい
場合には、単純にマイクロ波の出力を上げればよいとい
うことがわかる。これは、スポット加熱(局部加熱)を
発生させないために出力を落としていた従来の技術では
考えられなかったことである。
【0028】(4)結論 以上の説明から明らかなように、本実施例に係る加熱容
器を使用した場合には、良質の脱硝体を生成させること
ができると共に、脱硝工程の簡素化を図ることができ
る。また、脱硝体の品質を調整するために、マイクロ波
照射電力を脱硝操作の途中で自由に変更することができ
る。更に、本実施例に係る加熱容器を使用した場合に
は、局部加熱が生じないというだけではなく、未脱硝体
も生成しない(これは、局部加熱が生じない状態で十分
な加熱が行えるからである)。また更に、少量の被加熱
物が残存しがちな貯槽のクリンナップ液のようなものに
ついては、従来は品質の悪い脱硝体が生成してしまって
いたが、これについても本実施例に係る加熱容器(脱硝
容器)を使用することにより改善することができる。こ
のようなことから、本実施例に係る脱硝容器は、今後T
RU(Am,Np,Cm)燃料の少量物質を転換するの
に有効なものとして期待することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る加熱
容器を使用した場合には、脱硝時における被加熱物の脱
硝反応を効率良く行わせることができ、被加熱物の脱硝
時に必要な熱エネルギーを脱硝皿を加熱源として急速加
熱ができるようにすることができる。また、脱硝体の生
成直後に発生する局部加熱を防止させつつ熱分解反応を
継続させることができ、硝酸根(NO3 - )などの揮発
成分を完全に分解することができるようになる。更に、
本発明に係る加熱容器では均一加熱を効果的に行うこと
ができるため、均一加熱を行わせるための機構を別途設
ける必要がなく、その分だけ加熱脱硝装置の構成を簡素
化することができる。
【0030】本発明に係る加熱容器を使用すれば、メタ
ル濃度の低い被加熱物についても十分に脱硝体が生成で
き、更にマイクロ波照射電力を変化させることにより被
加熱物の加熱昇温速度を変化させることができ、粉末特
性を任意に調製することができるようになる。本発明に
係る加熱容器によれば、硝酸根(NO3 - )などを完全
に分解し、揮発性成分を完全に除去することができるた
め、生成した脱硝体は吸湿性が低く、空気中に長時間放
置したとしても粉末はベトつかず、ハンドリング性の良
好が保たれる。当然のことながら、未分解の硝酸根(N
3 - )などを除去するために次工程(焙焼還元工程)
に除去操作を加える必要がなくなり、複雑な操作が回避
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の加熱・脱硝プロセスを説明するための
図である。
【図2】 本発明に係る加熱・脱硝プロセスを説明する
ための図である。
【図3】 本実施例に係る加熱脱硝装置を示すブロック
図である。
【図4】 無負荷状態における本実施例に係る加熱容器
の昇温特性を示す図である。
【図5】 水を貯留した状態での本実施例に係る加熱容
器の昇温特性を示す図である。
【図6】 硝酸ウランの水溶液(100g/lの濃度のものを
2リットル)を貯留した状態でマイクロ波を照射したと
きの本実施例に係る加熱容器の昇温特性を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
11 加熱脱硝装置、13 オーブン、15 加熱容器
(脱硝皿)、16 マイクロ波発生器、17 導波管、
19 非接触式温度測定器、21 接触式温度測定器、
23 コントローラ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素を主体とした低密度セラミッ
    クスの表面に高純度炭化ケイ素の化学蒸着を施したこと
    を特徴とする核燃料粉末製造用のマイクロ波加熱容器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の核燃料粉末製造用の加熱
    容器において、 前記炭化ケイ素を主体とした低密度セラミックスは、炭
    化ケイ素を母材とした無機繊維を含むセラミックスもし
    くは多孔性セラミックスであることを特徴とする核燃料
    粉末製造用のマイクロ波加熱容器。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の核燃料粉末製造
    用の加熱容器を用いて脱硝を行うことを特徴とする核燃
    料用粉末の製造方法。
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