JP2962883B2 - 新規大環状キレート配位子およびその金属錯体 - Google Patents

新規大環状キレート配位子およびその金属錯体

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JP2962883B2 JP3186941A JP18694191A JP2962883B2 JP 2962883 B2 JP2962883 B2 JP 2962883B2 JP 3186941 A JP3186941 A JP 3186941A JP 18694191 A JP18694191 A JP 18694191A JP 2962883 B2 JP2962883 B2 JP 2962883B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規大環状キレート配位
子およびその金属錯体に関し、さらに詳細には、二官能
性大環状キレート配位子およびその金属錯体に関する。
二官能性キレート配位子とは、1分子中に金属イオンと
のキレート部分と抗体などの蛋白質や糖類などの生体関
連物との結合基を有する物質である。このような二官能
性キレート配位子は、例えば医療診断、治療分野におい
て、抗体と診断・治療に用いられる金属イオンを結合さ
せ、これを生体に投与し、抗体の抗原との結合力を利用
して目的部位に金属イオンを集積させるために使用され
る。本発明は、このような目的に使用するために極めて
有用な新規大環状キレート配位子およびその金属錯体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年細胞融合法の発達により、各種の生
体関連物質に対する特異抗体が比較的容易に得られるよ
うになってきた。そこで、このような特異抗体に 111
n、99m Tcなどのγ線放出性の放射性金属を結合して
投与することによりγ−カメラを用いて癌やその他の疾
患の診断に用いようとする試みや、Gdを結合させて投
与することにより核磁気共鳴を利用する画像診断の増影
剤として利用しようという試みが行われている{例え
ば、ザ・ジャーナル・オブ・ニュークレア・メデイシン
〔J. Nuclear Medicine,26,4
88(1985)〕、インターナショナル・ジャーナル
・オブ・キャンサー〔Int. J. Cancer,
,126(1988)〕参照}。
【0003】また、この特異抗体に90Y、67Cu、 186
Re、 188Re、 211At、 212Biなどのα線または
β線放出核種を結合すれば、各種の疾患、特に癌の治療
に有効な手段を提供することができる{例えばキャンサ
ー・リサーチ〔CancerRes.,48,3270
(1988)〕、ザ・ジャーナル・オブ・ニュークレア
・メデイシン〔J. Nuclear Medicin
e,26,503(1985)〕参照}。
【0004】従来、このような抗体と金属とを結合させ
る方法として、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDT
A)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DPTA)な
どの鎖状キレート配位子を抗体に結合させ、金属をキレ
ートする方法、あるいはEDTA、DPTAなどにイソ
チオシアノ基などの生体物質との結合基を導入したいわ
ゆる二官能性キレート配位子を用いる方法が知られてい
る{インオーガニック・ケミストリー〔Inorgan
ic Chemistry,25,2772(198
6)〕、キャンサー・リサーチ〔Cancer Re
s.,49,2639(1989)〕}。
【0005】しかし、これらの配位子はまだ金属の配位
力は充分でなく、投与後、金属が遊離してしまったり血
中に存在する金属と交換してしまい、充分に目的の部位
に金属を集積させることができない。また、EDTA、
DPTAの無水物を用いた場合には、金属との配位子で
あるカルボン酸部分が一部抗体との結合に使用されるた
め、二官能性キレート配位子を用いる方法に比べて、金
属との配位力が低下するだけでなく、抗体とキレート配
位子の結合も不安定である。
【0006】そこでより強い金属捕捉能を有する二官能
性キレート配位子が研究開発されている。その中でも大
環状キレート配位子はドナルドら〔ジャーナル・オブ・
アメリカン・ケミカル・ソサイテイ(J. Am. C
hem. Soc.,1988,110,6266)、
米国特許第4,678,667号明細書〕やパーカーら
{ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイテイ・ケミカル
・コミュニケーション〔J. Chem. Soc.,
Chem. Commun.,794,797(198
9),1739(1990)〕、欧州特許第02381
96号、同第0382582号、PCT国際公開第87
/05030号公報、同第89/01476号公報、同
第90/09388号公報}によりその優れた金属キレ
ート形成能が報告されている。また、ジョンソンら〔ジ
ャーナル・オブ・メデイシナル・ケミストリー(J.
Med. Chem.,1989,32,236)、バ
イオコンジュゲート・ケミストリー(Bioconju
gate Chem.,1991,,26)、特公昭
63−290854号公報〕やチエンら(PCT国際公
開第89/12631A号公報)も同様の化合物につい
て報告している。
【0007】しかし、上記の二官能性大環状キレート配
位子は、二官能性鎖状キレート配位子に比べて、その金
属錯体は血清中で安定であるものの、金属錯体の形成に
長時間を要することなどの欠点を有している。従って、
金属錯体が血清中で安定で、かつ迅速に金属との錯体を
形成するような二官能性大環状キレート配位子の開発が
望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属との錯
体が血清中で安定で、かつ迅速に金属錯体を形成する新
規二官能性大環状キレート配位子およびその金属錯体を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式〔I〕
【化3】 (式中、nは2または3を、R1 はアルキル基、アラル
キル基、置換アルキル基または置換アラルキル基を、R
2 は水素原子、アルキル基またはアラルキル基を表す)
で表される新規大環状キレート配位子およびそれらの
塩、下記式〔II〕
【化4】 (式中、nは2または3を、R11はアルキル基、アラル
キル基、置換アルキル基または置換アラルキル基を表
す)で表される大環状ポリアミン類およびそれらの塩、
ならびに前記式〔II〕で表される大環状ポリアミン類ま
たはそれらの塩と下記式〔III] X−CH2 CO2 21・・・・・・〔III] (式中、Xはハロゲン原子、水酸基の活性化誘導体を、
21は前記式〔I〕中のR2 と同一または異なり、水素
原子、アルキル基、またはアラルキル基を表す)で表さ
れる酢酸誘導体またはそれらの塩を塩基の存在下で縮合
させ、しかる後に必要に応じて官能基変換、脱保護を行
うことを特徴とする前記式〔I〕で表される新規大環状
キレート配位子およびそれらの塩の製造法を提供するも
のである。
【0010】本発明は、また前記式〔I〕で表される新
規大環状キレート配位子またはそれらの塩と、遷移金
属、ランタノイド、アクチノイドおよびアルカリ土類金
属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属のイオ
ンとから形成される金属錯体、および前記式〔II〕で表
される大環状ポリアミン類またはそれらの塩と、遷移金
属、ランタノイド、アクチノイドおよびアルカリ土類金
属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属のイオ
ンとから形成される金属錯体を提供するものである。
【0011】前記式〔I〕および〔II〕において、nは
2または3を表す。前記式〔I〕において、R1 はアル
キル基、アラルキル基、置換アルキル基、置換アラルキ
ル基を表す。これらの例としては、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、
フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル
基、およびこれらの任意の位置に置換基を有する基が挙
げられる。ここでいう置換基としては、ニトロ基、ハロ
ゲン原子、アミノ基、アルキル基またはアラルキル基で
置換されたアミノ基、ハロアセトアミド基、水酸基、ア
ルコキシ基、イソシアノ基、イソチオシアノ基、アルキ
ル基、メルカプト基、マレイミド基、2−ピリジルジチ
オ基などを挙げることができる。
【0012】また、前記式〔I〕において、R2 は水素
原子、アルキル基またはアラルキル基を表す。水素原子
以外のこれらの例としては、メチル基、エチル基、te
rt−ブチル基、ベンジル基などが挙げられる。
【0013】前記式〔I〕および〔II〕で表される大環
状キレート配位子の塩としては、例えばフッ化水素酸
塩、塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、トリフルオ
ロ酢酸塩、ホウフッ化水素酸塩、フマル酸塩、硫酸塩な
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】前記式〔II〕において、R11はアルキル
基、アラルキル基、置換アルキル基、置換アラルキル基
を表す。これらの例としては、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、フェ
ネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、お
よびこれらの基の任意の位置に置換基を有する基が挙げ
られる。ここでいう置換基の例としては、ニトロ基、ハ
ロゲン原子、アミノ基、アルキル基またはアラルキル基
で置換されたアミノ基、ハロアセトアミド基、水酸基、
アルコキシ基、イソシアノ基、イソチオシアノ基、アル
キル基、メルカプト基、マレイミド基、2−ピリジルジ
チオ基などが挙げられる。
【0015】前記式〔III 〕において、Xはハロゲン原
子、水酸基の活性化誘導体を表す。これらの例として
は、例えばヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、トリフル
オロメタンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキ
シ基、p−トルエンスルホニルオキシ基などを挙げるこ
とができる。
【0016】また、前記式〔III 〕において、R21は前
記式〔I〕中のR2 と同一または異なり、水素原子、ア
ルキル基またはアラルキル基を表す。水素原子以外のこ
れらの例としては、メチル基、エチル基、tert−ブ
チル基、ベンジル基などが挙げられる。
【0017】前記式〔I〕で表される大環状キレート配
位子は、前記式〔II〕で表される大環状ポリアミン類ま
たはそれらの塩を、2〜30倍モルの塩基の存在下に前
記式〔III 〕で表される酢酸誘導体またはそれらの塩5
〜20倍モルと縮合させ、しかる後に必要に応じて官能
基変換、脱保護することにより製造される。
【0018】用いられる塩基としては、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸セシウムなどの無機塩基類や、トリエチルアミ
ン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、ピロリジ
ン、ピペリジン、モルホリンなどのアミン塩基類が挙げ
られる。特に、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セ
シウムが好ましい。
【0019】縮合反応の反応温度は、−40〜100
℃、特に好ましくは前記式〔III 〕で表される酢酸誘導
体またはそれらの塩において、R21が水素原子の場合は
0〜90℃程度、アルキル基またはアラルキル基の場合
は0〜50℃程度の温度範囲が採用される。反応時間は
反応温度により異なるが、20分〜3日間程度である。
【0020】溶媒としては、反応試薬とは反応しないも
のが用いられ、例えば水、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、ジメトキシエタ
ン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレン、ベンゼ
ン、トルエンなどの単独、混合または二相系溶媒を挙げ
ることができる。
【0021】特に、前記式〔III 〕で表される酢酸誘導
体またはそれらの塩において、R21が水素原子の場合は
水、エタノールの混合溶媒または水、トルエンの二相系
溶媒が好ましく、R21がアルキル基またはアラルキル基
の場合にはN,N−ジメチルホルムアミド、メタノー
ル、エタノール、テトラヒドロフランが好ましい。
【0022】前記式〔I〕で表される大環状キレート配
位子においてR2がアルキル基、アラルキル基の場合に
は、必要に応じてこれを5〜30倍モルの塩基または酸
の存在下に加水分解することにより前記式〔I〕で表さ
れる大環状キレート配位子においてR2 が水素原子のも
のに脱保護することができる。用いられる塩基または酸
としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニ
ア、塩酸、酢酸などを挙げることができる。特に、水酸
化ナトリウム、アンモニア、塩酸が好ましい。
【0023】反応温度は−40〜100℃、特に好まし
くは0〜80℃程度の温度範囲が採用される。反応時間
は反応温度により異なるが、30分〜1日程度である。
用いられる溶媒は、反応試薬と反応しないものが用いら
れ、例えば水、メタノール、エタノール、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジオキサン、ジメチルスルホキシド
などの単独、混合溶媒を挙げることができる。特に水と
メタノール、水とエタノールの混合溶媒が好ましい。
【0024】前記式〔I〕で表される大環状キレート配
位子において、R1 が置換アルキル基、置換アラルキル
基であり、これらの基に含まれる置換基が生体物質と結
合しうる置換基に変換可能な置換基の場合、必要に応じ
て生体物質と結合しうる置換基に変換することができ
る。このような官能基変換としては、ニトロ基からアミ
ノ基、シアノ基からアミノメチル基、アミノ基からハロ
アセトアミド基、アミノ基からイソチオシアノ基、アミ
ノ基からマレイミド基などが挙げられる。
【0025】例えばニトロ基からアミノ基、アミノ基か
らハロアセトアミド基、アミノ基からイソチオシアノ基
への官能基変換については以下のような条件が挙げられ
る。
【0026】ニトロ基からアミノ基への変換としては、
基質となるニトロ化合物の不均一系接触水素添加、金属
および金属塩による還元、金属水素錯化合物による還元
などが挙げられるが、特に不均一系接触水素添加が好ま
しい。この場合、用いる触媒は0.01〜0.1倍モル
の5〜10%パラジウム付活性炭あるいは酸化白金(I
V) などが好ましい。反応温度は−40〜200℃、反
応圧力は常圧〜250気圧の範囲が採用される。反応時
間は反応条件により異なるが、20分〜1日間程度であ
る。用いられる反応溶媒は水、メタノール、酢酸エチル
などであり、基質の溶解するものが用いられる。
【0027】アミノ基からハロアセトアミド基への変換
としては、基質となるアミンと1〜10倍モルのハロ酢
酸の活性化エステルまたはハロアセチルハライドなどと
の反応が挙げられる。ハロ酢酸の活性化エステルとして
は、ヨード酢酸またはブロモ酢酸のパラニトロフェニル
エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N
−ヒドロキシフタルイミドエステルなどが挙げられ、ハ
ロアセチルハライドとしては、ヨードアセチルクロリ
ド、ヨードアセチルブロミド、ブロモアセチルクロリ
ド、ブロモアセチルブロミドなどが挙げられる。
【0028】反応温度は−40〜100℃、特に好まし
くは−20〜50℃の温度範囲が採用される。反応時間
は反応温度により異なるが、20分〜3日間程度であ
る。用いられる反応溶媒は、水、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、メタノール、エタノール、ジメトキシエタ
ン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられるが、
特に水、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシドが好ましい。
【0029】アミノ基からイソチオシアノ基への変換と
しては、基質となるアミンと1〜5倍モルのチオホスゲ
ンのクロロホルム溶液との反応が挙げられる。反応温度
は−40〜100℃、特に好ましくは−20〜50℃の
温度範囲が採用される。反応時間は反応温度により異な
るが、5分〜3時間程度である。用いられる反応溶媒
は、水、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メタノー
ル、エタノール、ジメトキシエタン、クロロホルム、塩
化メチレンなどが挙げられるが、特に水、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。
【0030】かかる操作の後に得られた大環状キレート
配位子は、抽出、シリカゲルクロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィ
ー、遠心液液分配クロマトグラフィー、再結晶、蒸留な
どの通常の操作を適宜選択応用し、組み合わせて施すこ
とにより単離することができる。
【0031】得られた大環状キレート配位子は、所望に
より、公知の方法で前記のような塩とすることもでき
る。
【0032】なお、前記式〔II〕で表される大環状ポリ
アミン類およびそれらの塩はいかなる方法で合成しても
かまわないが、例えば、以下のような方法で合成するこ
とができる。すなわち、アミノマロン酸ジエチル塩酸塩
〔1〕とポリアミン類〔2〕を縮合し、得られたアミノ
置換大環状ポリアミンジオキソ誘導体〔3〕を還元して
アミノ置換大環状ポリアミン類〔4〕を得、これとアル
デヒド〔5〕と縮合することにより合成することができ
る。
【0033】
【化5】 (ここでnおよびR11は前記式〔II〕の定義と同じ。R
12はアルキル基;アラルキル基;ニトロ基、ハロゲン原
子、水酸基、アルコキシ基もしくはメルカプト基で置換
されたアルキル基;またはニトロ基、ハロゲン原子、水
酸基、アルコキシ基もしくはメルカプト基で置換された
アラルキル基を表す。)
【0034】前記式〔I〕で表される大環状キレート配
位子とそれらの塩および前記式〔II〕で表される大環状
ポリアミン類とそれらの塩は文献未記載の新規化合物で
あり、各種金属イオンと迅速に金属錯体を形成し、かつ
この金属錯体は血清中で安定である。
【0035】このような金属錯体を形成しうる金属イオ
ンとしては、遷移金属、ランタノイド、アクチノイド、
アルカリ土類金属などのイオンが挙げられる。これらの
金属イオンの中でも、特に放射性同位元素イオン、常磁
性金属イオンの場合、その金属錯体は医療診断、治療分
野において有用である。具体例を示すと、金属錯体の金
属イオンが放射性同位元素イオンの場合、この金属錯体
を各種の生体関連物質に対する特異抗体などに結合させ
れば、各種の疾患、特に癌の診断、治療に有効な手段を
提供することができる。
【0036】このような目的で用いられる金属イオンと
しては、例えば、診断分野の場合、99mTc、 111
n、 131I、 123I、 186Re、67Ga、 105Rh、
101Rhなどのイオンがあるが、特に 99mTc、 111
nのイオンが好ましい。
【0037】また、治療分野の場合、 131I、 188
e、 186Re、67Cu、90Y、 109Pd、47Sc、 153
Sm、 211At、 212Bi、 212Pb、111Ag、 105
Rh、101Rh、 125Iなどのイオンがあるが、特に
186Re、67Cu、90Yのイオンが好ましい。
【0038】また、前記金属錯体の金属イオンが常磁性
金属イオンの場合、この金属錯体は磁気共鳴画像法(m
agnetic resonance imagin
g:MRI)の増影剤として用いることができる。この
ような目的で用いられる金属イオンとしては、例えばG
d、Fe、Mnなどのイオンを挙げることができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1{1−〔N−カルボキシメチル−N−(p−ニ
トロベンジル)〕アミノ−3,6,9,12−テトラア
ザ−3,6,9,12−テトラキス(カルボキシメチ
ル)シクロトリデカン〔BZ−ATRPA〕の合成}
【化6】
【0040】1−〔N−(p−ニトロベンジル)〕アミ
ノ−3,6,9,12−テトラアザシクロトリデカン6
7mg(0.2mmol)をエタノール3mlに溶解
し、これをブロモ酢酸167mg(1.2mmol)を
水2mlに溶解し7規定KOHを数滴加えてpH約12
に調整した溶液に加え、70℃で4時間攪拌した。反応
開始後、30分、1時間、2時間後に7規定KOHを加
えてpHが約10になるように調整した。反応後、47
%HBrでpHを約1に調整し、エーテルで2回洗浄
後、濃縮した。残渣をイオン交換カラムクロマトグラフ
ィー〔AMBERLITE(登録商標)200C〕に付
し、蒸留水で400ml、次いで2規定アンモニア水3
00mlで溶出した。アンモニア水溶出分画を濃縮し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl
3 :MeOH:28%NH3 水=6:3:1)で精製し
た。濃縮残渣に水を加えて沈澱物を濾取し、化合物
〔A〕73mgを得た。
【0041】得られた化合物〔A〕の物性値は以下のと
おりである。90MHz 1H−NMR(D2 O、pD5.0、σpp
m) ;2.0〜3.8(m,27H)、3.6(s,2
H)、7.3〜7.8(m,2H)、7.9〜8.2
(m,2H)
【0042】なお、構造確認のため得られた化合物
〔A〕の誘導体化を行った。
【化7】
【0043】すなわち、得られた化合物〔A〕31mg
を水3ml、メタノール3mlの混合溶媒に溶解し、ジ
アゾメタンのエーテル溶液を滴下した。その後、過剰の
ジアゾメタンを酢酸で分解した後、酢酸エチルを加え
た。飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、濃縮し、油状の
誘導体化合物4mgを得た。
【0044】得られた誘導体化合物の物性値は以下のと
おりである。90MHz 1H−NMR(CDCl3 、σppm);
2.1〜3.0(m,17H)、3.1〜3.6(m,
10H)、3.66(s,9H)、3.70(s,6
H)、3.90(s,2H)、7.7(d,2H,J=
9Hz)、8.6(d,2H,J=9Hz)
【0045】このデータより、得られた誘導体化合物は
化合物〔B〕の構造を支持し、前記で得られた化合物
〔A〕が、目的物{1−〔N−カルボキシメチル−N−
(p−ニトロベンジル)〕アミノ−3,6,9,12−
テトラアザ−3,6,9,12−テトラキス(カルボキ
シメチル)シクロトリデカン(0.117mmol、収
率44%)}であることが確認された。
【0046】実施例2{1−〔N−メトキシカルボニル
メチル−N−(p−ニトロベンジル)〕アミノ−3,
6,10,13−テトラアザ−3,6,10,13−テ
トラキス(メトキシカルボニルメチル)シクロテトラデ
カンの合成}
【化8】
【0047】1−〔N−(p−ニトロベンジル)〕アミ
ノ−3,6,10,13−テトラアザシクロテトラデカ
ン378mg(1.08mmol)を30mlのDMF
に溶解し、これに炭酸カリウム0.89gを加えて、チ
ッソ雰囲気下、室温で1時間攪拌した。その後、ブロモ
酢酸メチル1.65g(10.8mmol)を加えて、
室温で3時間攪拌した。反応後、系に水を加えて、酢酸
エチルで2回抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(CHCl3 :MeOH=100:1
〜50:1)、次いで中圧分取シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(CH2 Cl2 :MeOH=20:1〜
2:1)で精製し、1−〔N−メトキシカルボニルメチ
ル−N−(p−ニトロベンジル)〕アミノ−3,6,1
0,13−テトラアザ−3,6,10,13−テトラキ
ス(メトキシカルボニルメチル)シクロテトラデカン2
75mg(0.387mmol、収率36%)を得た。
【0048】本化合物の物性値は以下のとおりである。90MHz 1H−NMR(CDCl3 、σppm)
1.20〜1.70(m,2H)、2.35〜3.10
(m,17H)、3.17〜3.56(m,10H)、
3.65(s,9H)、3.68(s,6H)、3.9
3(s,2H)、7.65(d,2H,J=8.6H
z)、8.16(d,2H,J=8.6Hz)
【0049】IR(neat,cm-1;3460、2
960、2850、1735、1650、1605、1
520、1430、1340、1010、850FD−
MS;m/e=710(M)+ 検出
【0050】実施例3{1−〔N−エトキシカルボニル
メチル−N−(p−ニトロベンジル)〕アミノ−3,
6,10,13−テトラアザ−3,6,10,13−テ
トラキス(エトキシカルボニルメチル)シクロテトラデ
カンの合成}
【化9】
【0051】1−〔N−(p−ニトロベンジル)〕アミ
ノ−3,6,10,13−テトラアザシクロテトラデカ
ン500mg(1.43mmol)を20mlのDMF
に溶解し、これに炭酸カリウム1.18g(8.57m
mol)を加えて、チッソ雰囲気下、室温で1時間攪拌
した。その後、ブロモ酢酸エチル2.39g(14.3
mmol)を加えて、室温で3時間攪拌した。反応後、
系に水を加えて、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を
水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl
MeOH:=100:1〜10:1)で精製した。さら
に遠心液液分配クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ
チル:メタノール:水=10:6:9:3.5、正溶
出)で精製し、1−〔N−エトキシカルボニルメチル−
N−(p−ニトロベンジル)〕アミノ−3,6,10,
13−テトラアザ−3,6,10,13−テトラキス
(エトキシカルボニルメチル)シクロテトラデカン33
8mg(0.433mmol、収率30%)を得た。
【0052】本化合物の物性値は以下のとおりである。90MHz 1H−NMR(CDCl3 、σppm)
1.25(t,9H,J=7Hz)、1.27(t,6
H,J=7Hz)、1.2〜1.6(m,2H)、2.
4〜3.1(m,17H)、3.1〜3.6(m,10
H)、3.94(s,2H)、4.12(q,6H,J
=7Hz)、4.14(q,4H,J=7Hz)、7.
67(d,2H,J=8.8Hz)、8.15(d,2
H,J=8.8Hz)
【0053】IR(neat,cm-1;2970、2
930、2820、1730、1600、1515、1
450、1410、1360、1340、1020、8
45FD−MS;m/e=781(M+1)+ 検出
【0054】実施例4{1−〔N−カルボキシメチル−
N−(p−ニトロベンジル)〕アミノ−3,6,10,
13−テトラアザ−3,6,10,13−テトラキス
(カルボキシメチル)シクロテトラデカン〔BZ−AT
EPA〕の合成}
【化10】
【0055】1−〔N−エトキシカルボニルメチル−N
−(p−ニトロベンジル)〕アミノ−3,6,10,1
3−テトラアザ−3,6,10,13−テトラキス(エ
トキシカルボニルメチル)シクロテトラデカン390m
g(0.5mmol)をメタノール20mlに溶解し、
2規定水酸化ナトリウム9ml(18mmol)を加え
て室温で6時間攪拌した。反応後5規定塩酸でpHを約
1.5に調整し、濃縮した。残渣をイオン交換カラムク
ロマトグラフィー〔AMBERLITE(登録商標)2
00C〕に付し、蒸留水で400ml、次いで2規定ア
ンモニア水で200ml溶出した。アンモニア水溶出分
画を濃縮し、残渣に水を加えて沈澱物を濾取し、1−
〔N−カルボキシメチル−N−(p−ニトロベンジ
ル)〕アミノ−3,6,10,13−テトラアザ−3,
6,10,13−テトラキス(カルボキシメチル)シク
ロテトラデカン205mg(0.32mmol、収率6
4%)を得た。
【0056】本化合物の物性値は以下のとおりである。90MHz 1H−NMR(D2 O、pD7.9、σpp
m) ;1.2〜1.6(m,2H)、1.9〜3.9
(m,27H)、3.6(s,2H)、7.3〜7.8
(m,2H)、7.9〜8.2(m,2H)SIMS
m/e=641(M+1)+ 検出
【0057】実施例5(大環状キレート配位子の金属錯
体生成反応の測定) 本発明の環外に配位原子をもつ大環状キレート配位子
が、その環外の配位原子の影響によりどの程度金属錯体
生成反応が促進されるかを調べた。配位子は、本発明の
環外に配位原子を有する大環状キレート配位子として、
実施例1で合成されたBZ−ATRPAを、キレートす
る金属としては88Yイオンを用いて錯体生成反応の促進
を測定した。
【0058】〔使用した88Yの明細〕使用した放射性同
位元素の88Y(0.332mCi/ml、0.0257
ppm、2.97×10-7M、0.23MHCl溶液)
はアマシャム社から購入した。キャリヤー・フリーであ
るが、安定な化学不純物として以下のような金属が挙げ
られている。
【0059】Al(〜1.0ppm)、Ca(0.2p
pm)、Cd(<1.0ppm)、Co(<0.1pp
m)、Cu(0.05ppm)、Mg(0.1pp
m)、Mn(<0.1ppm)、Ni(<0.2pp
m)、Pb(<1.0ppm)、Si(0.5pp
m)、Zn(0.5ppm)。
【0060】〔キャリヤー・フリーの88YCl3 バッフ
ァー水溶液〕購入品である88YCl3 0.23MHCl
の溶液100μlに蒸留水200μlと0.1M酢酸ア
ンモニウム水溶液(酢酸にてpH5に調整)600μl
を混合し、0.5Mアンモニア水32μlを加えてpH
5に調整した。この溶液の88Yの濃度は、0.036m
Ci/ml、0.0028μg/ml、0.32×10
-7Mである。
【0061】〔金属錯体生成反応〕キャリヤー・フリー
88YCl3 バッファー水溶液45μlと大環状キレー
ト配位子BZ−ATRPAの3×10-4M水溶液15μ
lを混合し、室温(25℃)で放置した。このときのp
Hは約5であった。混合後、15分、30分、1時間、
2時間、4時間後に反応溶液を4μlサンプリングし、
以下に記すペーパークロマトグラフィー法により、88
錯体の生成率を求めた。
【0062】〔ペーパークロマトグラフィー法による金
属錯体生成率の測定〕ペーパークロマトグラフィー用濾
紙(ADVANTEC社製、51B)を3×17cmに
切り、サンプリングした反応溶液を濾紙の一方の短辺
(底辺)から3cmの位置にスポッテイングした。5分
間放置した後、底辺方向からもう一方の短辺方向に15
cm展開〔展開溶媒:2%AcONH4 (pH7.
4):CH3 CN=1:1〕した。この操作により88
錯体はRf=0.5〜1.0に展開され、フリーの88
は原点に残る。展開後、風乾して、展開部分を短辺に平
行に1cmきざみで切り、それぞれの切片の放射活性を
γ−カウンター(アロカ株式会社製、ARC−361)
にて測定した。この測定値より全体の放射活性に対する
展開部分(Rf=0.5〜1.0)の放射活性の比を求
め、金属錯体生成率を算出した。
【0063】〔測定結果〕下記表1にBZ−ATRPA
の時間に対する金属錯体生成率の変化を示す。
【0064】比較例1(従来の大環状キレート配位子の
金属錯体生成反応の測定) BZ−ATRPAにかえて、従来の大環状キレート配位
子としてBZ−TRTAを用いるほかは実施例5と同様
にして88Y錯体を生成させ、その錯体生成率を調べた。
結果を表1に併せて示す。なお、BZ−TRTAは下記
構造式で示される。 BZ−TRTA;1−(p−ニトロベンジル)−3,
6,9,12−テトラアザ−3,6,9,12−テトラ
キス(カルボキシメチル)シクロトリデカン
【化11】
【0065】
【表1】
【0066】表1からわかるように、比較例1のBZ−
TRTAは、完全に金属錯体が生成するために約2時間
を要するが、一方、環外に配位原子を持つ本発明のBZ
−ATRPAは約15分で金属錯体生成が完了すること
が判明した。このことより、環外の配位原子が大環状キ
レート配位子の金属錯体生成速度を著しく高める効果を
もつことが示された。
【0067】以上のように本発明の環外に配位子原子を
持つ大環状キレート配位子は、従来の大環状キレート配
位子に比べて著しく金属錯体生成速度を高めることが明
らかであり、このような配位子を各種の生体関連物質に
対する特異抗体などに結合させたものは、各種の疾患、
特に癌の治療に非常に有用である。
【0068】実施例6〜7(大環状キレート配位子金属
錯体の血清中安定性の測定) 本発明の大環状キレート配位子の主な用途は、この配位
子を各種生体関連物質に対する特異抗体などに結合さ
せ、これに放射性同位元素などをキレートして、各種疾
患、特に癌の治療薬として用いることである。このよう
な用途においては、形成された金属錯体は人体内で安定
でなければならない。
【0069】一般に、配位子の錯体安定性は、錯生成定
数の大小で論ずることができるが、人体内で金属錯体が
安定であるかどうかを錯生成定数の大小で論ずることは
困難である。なぜならば、人体内には他の金属やあるい
は金属をキレートするような各種蛋白質も共存している
からである。
【0070】そこで本発明の大環状キレート配位子金属
錯体の人体内での安定性を評価するために、該金属錯体
の血清中での安定性を調べた。配位子は、大環状キレー
ト配位子として実施例1で合成したBZ−ATRPA
(実施例6)および実施例4で合成したBZ−ATEP
A(実施例7)を、キレートする金属として88Yイオン
を用い、血清中の大環状キレート配位子88Y錯体残存率
を測定した。
【0071】88Y、キャリヤー・フリーの88YCl3
ッファー水溶液は実施例5で使用したと同じものを使用
した。血清は、健康な成人男子5人分の混合血清を使用
前にフィルター(0.45μm)を通して滅菌処理して
使用した。また、大環状キレート配位子イットリウム錯
体残存率は、実施例5のペーパークロマトグラフィー法
による金属錯体生成率と同様にして88Y錯体を測定して
算出した。
【0072】〔サンプルの調製〕キャリヤー・フリーの
88YCl3 バッファー水溶液90μlと上記大環状キレ
ート配位子の3×10-4M水溶液30μlを混合し、室
温で18時間放置した。その後、0.5Mアンモニア水
2.5μlを加えてpHを約7に調整して室温で30分
放置した。生成した金属錯体溶液100μlと血清90
0μlを混合し、密封後、37℃でインキュベートし
た。以後、時間を追って10μlサンプリングし、ペー
パークロマトグラフィー法により88Y錯体の残存率を求
めた。
【0073】〔測定結果〕時間に対するそれぞれの大環
状キレート配位子88Y錯体の血清中での残存率を図1に
示す。
【0074】比較例2(従来の大環状キレート配位子金
属錯体の血清中安定性の測定) 大環状キレート配位子としてBZ−ATRPAにかえて
従来知られたBZ−TRTAを用いるほかは実施例6と
同様にして、88Y錯体の血清中での残存率を測定した。
結果を図1に併せて示す。
【0075】図1からわかるように、本発明の環外に配
位原子を有する大環状キレート配位子BZ−ATRP
A、およびBZ−ATEPAの金属錯体は、従来の大環
状キレート配位子BZ−TRTAのそれとほぼ同等の血
清中安定性を示した。このことは、環外の配位原子の有
無が血清中での安定性には何ら影響を及ぼさないことを
示している。
【0076】
【発明の効果】本発明は、金属との錯体が血清中で安定
で、かつ迅速に金属錯体を形成することのできる二官能
性大環状キレート配位子およびその金属錯体を提供する
ことができる。本発明の金属錯体は、その配位子を各種
の生体関連物質に対する特異抗体などと結合させると各
種疾患、特に癌の治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6、7および比較例2の大環状キレート
配位子88Y錯体の血清中安定性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 栄一 広島県広島市佐伯区美鈴が丘東4−9− 3 (56)参考文献 特開 平3−169870(JP,A) 特開 平2−304068(JP,A) 国際公開89/11475(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 257/02 A61K 49/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式〔I〕 【化1】 (式中、nは2または3を、R1 はアルキル基、アラル
    キル基、置換アルキル基または置換アラルキル基を、R
    2 は水素原子、アルキル基またはアラルキル基を表す)
    で表される新規大環状キレート配位子およびそれらの
    塩。
  2. 【請求項2】 R1 がメチル基、エチル基、プロピル
    基、ブチル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプ
    ロピル基、フェニルブチル基またはそれらの基の任意の
    位置に置換基を有する基である請求項1記載の新規大環
    状キレート配位子およびそれらの塩。
  3. 【請求項3】 置換基がニトロ基、ハロゲン原子、アミ
    ノ基、置換アミノ基、ハロアセトアミド基、水酸基、ア
    ルコキシ基、イソシアノ基、イソチオシアノ基またはア
    ルキル基である請求項1または2記載の新規大環状キレ
    ート配位子およびそれらの塩。
  4. 【請求項4】 R2 が水素原子、メチル基、エチル基、
    t−ブチル基またはベンジル基である請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の新規大環状キレート配位子およびそれ
    らの塩。
  5. 【請求項5】 下記式〔II] 【化2】 (式中、nは2または3を、R11はアルキル基、アラル
    キル基、置換アルキル基または置換アラルキル基を表
    す)で表される大環状ポリアミン類およびそれらの塩。
  6. 【請求項6】 R11がメチル基、エチル基、プロピル
    基、ブチル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプ
    ロピル基、フェニルブチル基、またはそれらの基の任意
    の位置に置換基を有する基である請求項5記載の大環状
    ポリアミン類およびそれらの塩。
  7. 【請求項7】 置換基がニトロ基、ハロゲン原子、置換
    アミノ基、ハロアセトアミド基、水酸基、アルコキシ
    基、イソシアノ基、イソチオシアノ基またはアルキル基
    である請求項5または6記載の大環状ポリアミン類およ
    びそれらの塩。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の式〔II] で表される大環
    状ポリアミン類またはそれらの塩と下記式〔III] X−CH2 CO2 21・・・・・・〔III] (式中、Xはハロゲン原子または水酸基の活性化誘導体
    を、R21は請求項1記載の式〔I〕中のR2 と同一また
    は異なり、水素原子、アルキル基、またはアラルキル基
    を表す)で表される酢酸誘導体またはそれらの塩を塩基
    の存在下で縮合させ、しかる後に必要に応じて官能基変
    換、脱保護を行うことを特徴とする請求項1記載の新規
    大環状キレート配位子およびそれらの塩の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか1項記載の新規
    大環状キレート配位子またはそれらの塩と、遷移金属、
    ランタノイド、アクチノイドおよびアルカリ土類金属か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種の金属のイオンと
    から形成される金属錯体。
  10. 【請求項10】 金属のイオンが放射性同位元素イオン
    または常磁性金属イオンである請求項9記載の金属錯
    体。
  11. 【請求項11】 金属のイオンがガドリニウム、エルビ
    ウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、ホルミウム、マ
    ンガン、鉄、ニッケル、クロム、銅、イットリウム、イ
    ンジウム、テクネシウム、ビスマス、ガリウム、スカン
    ジウム、レニウム、サマリウム、パラジウム、鉛および
    ロジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
    イオンである請求項9または10記載の金属錯体。
  12. 【請求項12】 請求項5〜7のいずれか1項記載の大
    環状ポリアミン類またはそれらの塩と、遷移金属、ラン
    タノイド、アクチノイドおよびアルカリ土類金属からな
    る群から選ばれた少なくとも1種の金属のイオンとから
    形成される金属錯体。
  13. 【請求項13】 金属のイオンが放射性同位元素イオン
    または常磁性金属イオンである請求項12記載の金属錯
    体。
  14. 【請求項14】 金属のイオンがガドリニウム、エルビ
    ウム、ユーロピウム、ジスプロシウム、ホルミウム、マ
    ンガン、鉄、ニッケル、クロム、銅、イットリウム、イ
    ンジウム、テクネシウム、ビスマス、ガリウム、スカン
    ジウム、レニウム、サマリウム、パラジウム、鉛および
    ロジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
    イオンである請求項12または13項記載の金属錯体。
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