JP2958792B2 - TiA1金属間化合物薄板の製造方法 - Google Patents
TiA1金属間化合物薄板の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は均質なTiAl金属間化合物の連続した薄板の製
造方法に関する。
造方法に関する。
TiAl金属間化合物は、一般にTiAl合金と呼ばれてお
り、金属材料としては極めて高い高温強度を持ち、しか
も耐食性が高く、軽量の材料である。Metallurgical Tr
ansaction,Vol.6A(1975),p.1991には、800℃で40kg/m
m2の高温強度が得られたことが報告されている。そこで
これらの特性を利用して、TiAl合金は、ガス・タービン
部品、自動車用エンジンのバルブやピストンへの適用、
高温用ディスクや軸受け部品、航空機用のフレーム、超
高速旅客機の機体外板等への適用が好適と考えられる。
り、金属材料としては極めて高い高温強度を持ち、しか
も耐食性が高く、軽量の材料である。Metallurgical Tr
ansaction,Vol.6A(1975),p.1991には、800℃で40kg/m
m2の高温強度が得られたことが報告されている。そこで
これらの特性を利用して、TiAl合金は、ガス・タービン
部品、自動車用エンジンのバルブやピストンへの適用、
高温用ディスクや軸受け部品、航空機用のフレーム、超
高速旅客機の機体外板等への適用が好適と考えられる。
TiAl合金は軽量で耐熱温度が高く、耐食性も高いた
め、高温で使用するタービンブレードなどに好適である
が、室温での延性が小さいため圧延・鍛造などによる成
形が困難である。
め、高温で使用するタービンブレードなどに好適である
が、室温での延性が小さいため圧延・鍛造などによる成
形が困難である。
また、特にTiAl金属間化合物の薄板は、上記適用例の
うち超高速旅客機の機体外板部分への適用が考えられる
が、この場合、厚さ約1mmで30cm×30cm程度の薄板の製
造法確立が必須となる。
うち超高速旅客機の機体外板部分への適用が考えられる
が、この場合、厚さ約1mmで30cm×30cm程度の薄板の製
造法確立が必須となる。
従来TiAl金属間化合物の薄板は、インゴットからの切
り出し、あるいは特開昭61−213361号公報に示されてい
るようにシース加工などによって製造されているが、長
尺の薄板は得られていない。また、インゴットからの切
り出しでは歩留まりが悪く、重力偏析などによって均一
な組成が得られにくいという問題がある。従来の高温塑
性加工には、シース加工、静水圧押し出し、恒温鍛造、
熱間押し出し等の方法がある。しかし、これら加工法の
適用は難しく、TiAl金属間化合物の場合は高温強度が大
きくて(1050℃で200MPa)、歪速度依存性が高いという
問題を克服しなければならなかった。すなわち、前述し
た特開昭61−213361号公報では、シース加工を用い、S
−816 Co基超合金シース材を使って1100℃、1.5m/minの
圧延速度が必要であるとしている。また、日本金属学会
シンポジウム予稿、9月21日、(1988),p.24では恒温
鍛造において、950〜1000℃の温度で、10-2〜10-3sec-1
の歪速度が必要であるとしている。したがって、温度制
御が難しく、生産速度が遅いという問題があった。
り出し、あるいは特開昭61−213361号公報に示されてい
るようにシース加工などによって製造されているが、長
尺の薄板は得られていない。また、インゴットからの切
り出しでは歩留まりが悪く、重力偏析などによって均一
な組成が得られにくいという問題がある。従来の高温塑
性加工には、シース加工、静水圧押し出し、恒温鍛造、
熱間押し出し等の方法がある。しかし、これら加工法の
適用は難しく、TiAl金属間化合物の場合は高温強度が大
きくて(1050℃で200MPa)、歪速度依存性が高いという
問題を克服しなければならなかった。すなわち、前述し
た特開昭61−213361号公報では、シース加工を用い、S
−816 Co基超合金シース材を使って1100℃、1.5m/minの
圧延速度が必要であるとしている。また、日本金属学会
シンポジウム予稿、9月21日、(1988),p.24では恒温
鍛造において、950〜1000℃の温度で、10-2〜10-3sec-1
の歪速度が必要であるとしている。したがって、温度制
御が難しく、生産速度が遅いという問題があった。
以上の観点から厚さ約1mmで30cm×30cm程度の薄板
は、前述の従来法によってインゴット等の鋳塊から製造
することは生産速度や設備的な面からも実質的に不可能
と考えられる。
は、前述の従来法によってインゴット等の鋳塊から製造
することは生産速度や設備的な面からも実質的に不可能
と考えられる。
さらに上記従来技術による薄板の製造方法では、得ら
れる薄板の寸法が例えば、長さ20mm、幅10mm、厚さ10mm
程度と小さいうえに、工程が複雑で、多大の労力や多く
の設備を必要とするという問題があった。
れる薄板の寸法が例えば、長さ20mm、幅10mm、厚さ10mm
程度と小さいうえに、工程が複雑で、多大の労力や多く
の設備を必要とするという問題があった。
TiAl金属間化合物に急冷法を用いた従来の技術として
は、特開昭62−256902号公報に示されているように、単
ロール法や双ロール法などの急速凝固プロセスを用いて
溶融金属を104℃/sec以上の冷却速度で急冷凝固させ
て、フレーク状凝固物を得る方法があるが、連続した薄
板を得たという報告はない。
は、特開昭62−256902号公報に示されているように、単
ロール法や双ロール法などの急速凝固プロセスを用いて
溶融金属を104℃/sec以上の冷却速度で急冷凝固させ
て、フレーク状凝固物を得る方法があるが、連続した薄
板を得たという報告はない。
前記したように、従来技術では、TiAl金属間化合物
の、厚さ約1mmで30cm×30cm程度の薄板製造は不可能で
あったが、本発明はそれを解決し、連続したTiAl金属間
化合物の薄板を提供すること、及び同薄板の容易かつ効
率的な製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
の、厚さ約1mmで30cm×30cm程度の薄板製造は不可能で
あったが、本発明はそれを解決し、連続したTiAl金属間
化合物の薄板を提供すること、及び同薄板の容易かつ効
率的な製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
双ロール法は厚さ数mm×幅数10cmの薄板を数m/secの
速度で連続的に製造する方法として一般的に知られてお
り、前述した薄板の寸法の観点からTiAl金属間化合物薄
板製造の理想的プロセスとして考えられる。また、従来
技術と比較して、薄板の製造までの工程が非常に簡単で
あり、省工程、省設備および労力の削減など付随的な効
果も考えられる。
速度で連続的に製造する方法として一般的に知られてお
り、前述した薄板の寸法の観点からTiAl金属間化合物薄
板製造の理想的プロセスとして考えられる。また、従来
技術と比較して、薄板の製造までの工程が非常に簡単で
あり、省工程、省設備および労力の削減など付随的な効
果も考えられる。
溶融金属から薄板を直接鋳造する他のプロセスとし
て、双ベルト法、単ベルト法や単ロール法等の方法があ
る。しかしながら、ベルトを使用した方法では、得られ
る薄板の厚さが数cmであり、最終製品の厚さに対して厚
過ぎるため、後工程において従来法で費やす労力と大差
ない。一方、単ロール法の場合、得られる薄板の厚さが
数100μmと薄く、シェル強度が弱いため連続した薄板
になりにくい。また、単ロール法の宿命ともいえる片側
冷却のため、不均一凝固になり易く、後述するように割
れが発生し易い。
て、双ベルト法、単ベルト法や単ロール法等の方法があ
る。しかしながら、ベルトを使用した方法では、得られ
る薄板の厚さが数cmであり、最終製品の厚さに対して厚
過ぎるため、後工程において従来法で費やす労力と大差
ない。一方、単ロール法の場合、得られる薄板の厚さが
数100μmと薄く、シェル強度が弱いため連続した薄板
になりにくい。また、単ロール法の宿命ともいえる片側
冷却のため、不均一凝固になり易く、後述するように割
れが発生し易い。
以上から双ロール法でのみ厚さ数mmの連続した薄板を
製造することが可能であるものと考えられる。
製造することが可能であるものと考えられる。
本発明の要旨とするところは、Al35〜44wt%と残部Ti
とを不活性雰囲気中で加熱・溶解して得られた溶融合金
を、引き続き不活性雰囲気中で、ロール周速0.1〜10m/s
ecで回転する一対の冷却ロール間にスリット状の注湯ノ
ズルを用いて連続して供給し、スプリングによる一定の
ロール支持力下で、102〜105℃/secの冷却速度で凝固さ
せることを特徴とする鋳造ままの凝固組織が薄板の両表
面から板厚中心部に向う柱状晶のみか、あるいは前記柱
状晶と板厚中心付近に存在する等軸晶との混合組織から
なる板厚0.2〜3mmの連続したTiAl金属間化合物薄板の製
造方法にある。
とを不活性雰囲気中で加熱・溶解して得られた溶融合金
を、引き続き不活性雰囲気中で、ロール周速0.1〜10m/s
ecで回転する一対の冷却ロール間にスリット状の注湯ノ
ズルを用いて連続して供給し、スプリングによる一定の
ロール支持力下で、102〜105℃/secの冷却速度で凝固さ
せることを特徴とする鋳造ままの凝固組織が薄板の両表
面から板厚中心部に向う柱状晶のみか、あるいは前記柱
状晶と板厚中心付近に存在する等軸晶との混合組織から
なる板厚0.2〜3mmの連続したTiAl金属間化合物薄板の製
造方法にある。
なお、双ロール法として、垂直型、傾斜型、異径型等
の鋳造形式が異なるものがあるが、本発明はいずれも適
用可能である。
の鋳造形式が異なるものがあるが、本発明はいずれも適
用可能である。
以下に本発明を作用とともに詳細に説明する。
Alの組成範囲を35〜44wt%に限定する理由は、この範
囲でのみTiAl金属間化合物及び少量の他相(例えばTi3A
l)との混合相からなり、マイクロビッカース硬度350Hv
程度の均質なTiAlが得られ易いためである。
囲でのみTiAl金属間化合物及び少量の他相(例えばTi3A
l)との混合相からなり、マイクロビッカース硬度350Hv
程度の均質なTiAlが得られ易いためである。
板厚を0.2〜3mmに限定した理由は、0.2mmより薄い場
合、薄板の強度や材料の変形能不足によって、鋳造時お
よびその後の搬送時に薄板が破断し易いためであり、連
続した薄板を安定して得るためには、板厚は0.2mm以上
の場合でも、より厚くする方が好ましい。また、3mmよ
り厚い場合には内部に空隙が形成され易くなる。
合、薄板の強度や材料の変形能不足によって、鋳造時お
よびその後の搬送時に薄板が破断し易いためであり、連
続した薄板を安定して得るためには、板厚は0.2mm以上
の場合でも、より厚くする方が好ましい。また、3mmよ
り厚い場合には内部に空隙が形成され易くなる。
本発明によって得られた薄板の鋳造方向における断面
組織を第1図に示す。鋳造ままの凝固組織は薄板の両表
面から板厚中心部に向かう柱状晶のみか、あるいは前記
柱状晶と板厚中心付近に存在する等軸晶との混合組織か
ら構成される。
組織を第1図に示す。鋳造ままの凝固組織は薄板の両表
面から板厚中心部に向かう柱状晶のみか、あるいは前記
柱状晶と板厚中心付近に存在する等軸晶との混合組織か
ら構成される。
本発明によって得られた薄板のミクロ組織を第3図
(A)に示す。同図において、ミクロ組織はTiAlと微量
のTi3AlおよびAl2Tiの3相からなるが、組成を変えるこ
とによってTiAl単相に近いものを得ることも可能であ
る。また、比較のためにアークメルト法によって得られ
たインゴットのミクロ組織を第3図(B)に示す。な
お、本発明によって得られた薄板の平均結晶粒度は約10
0μmである。
(A)に示す。同図において、ミクロ組織はTiAlと微量
のTi3AlおよびAl2Tiの3相からなるが、組成を変えるこ
とによってTiAl単相に近いものを得ることも可能であ
る。また、比較のためにアークメルト法によって得られ
たインゴットのミクロ組織を第3図(B)に示す。な
お、本発明によって得られた薄板の平均結晶粒度は約10
0μmである。
金属,1月号,(1989),p.49では、急冷法によるラメ
ラー組織の絶対量の増加、ラメラー間隔の減少によっ
て、延性、強度などの機械的性質の向上が期待されるこ
とが報告されている。したがって、双ロール法は機械的
性質の向上においても非常に有効な手段と考えられる。
ラー組織の絶対量の増加、ラメラー間隔の減少によっ
て、延性、強度などの機械的性質の向上が期待されるこ
とが報告されている。したがって、双ロール法は機械的
性質の向上においても非常に有効な手段と考えられる。
次に上記薄板の製造方法を説明する。
AlとTiを組成が35〜44wt%Alになるように配合して、
不活性ガス雰囲気中で1500〜1600℃に加熱・溶融し、14
00〜1500℃に降温・調整する。その後、該溶融合金をロ
ール周速0.1〜10m/secで回転する一対の冷却ロール間に
連続して供給し、一定のロール支持力下で、102〜105℃
/secで凝固させ、連続したTiAl金属間化合物薄板を製造
する。なお、ここでは、AlとTiとの金属間化合物を形成
する反応を促進させ、均一溶融状態を得るため、溶解温
度は1500〜1600℃に高めることが好ましい。
不活性ガス雰囲気中で1500〜1600℃に加熱・溶融し、14
00〜1500℃に降温・調整する。その後、該溶融合金をロ
ール周速0.1〜10m/secで回転する一対の冷却ロール間に
連続して供給し、一定のロール支持力下で、102〜105℃
/secで凝固させ、連続したTiAl金属間化合物薄板を製造
する。なお、ここでは、AlとTiとの金属間化合物を形成
する反応を促進させ、均一溶融状態を得るため、溶解温
度は1500〜1600℃に高めることが好ましい。
板厚を0.2〜3mmにするためには、ロール周速は10〜0.
1m/secが必要であり、そのときの鋳片の冷却速度は105
〜102℃/secに相当する。したがって、ロール周速を0.1
〜10m/secに、並びに冷却速度を102〜105℃/secに限定
した。
1m/secが必要であり、そのときの鋳片の冷却速度は105
〜102℃/secに相当する。したがって、ロール周速を0.1
〜10m/secに、並びに冷却速度を102〜105℃/secに限定
した。
TiAl金属間化合物の最大の問題点は材料の延性が小さ
いことである。これは双ロール法においても、凝固・冷
却中の鋳片の割れと関連する非常に重要な問題である。
延性の不足に伴う割れの主原因として幅方向の不均一冷
却・凝固が考えられる。したがって、鋳片の割れを軽減
するためには不均一凝固の原因となる注湯流の不均一性
やメニスカス表面における酸化膜等のロール/メタル間
の伝熱抵抗を極力除去する必要がある。注湯流の均一化
のためにはスリット状の注湯ノズルを用いることが望ま
しい。また、メニスカス表面における酸化膜の生成を抑
制するためには、不活性ガス中での溶解・鋳造が必要で
ある。不活性ガスはAr,Heなどのいずれでもよい。
いことである。これは双ロール法においても、凝固・冷
却中の鋳片の割れと関連する非常に重要な問題である。
延性の不足に伴う割れの主原因として幅方向の不均一冷
却・凝固が考えられる。したがって、鋳片の割れを軽減
するためには不均一凝固の原因となる注湯流の不均一性
やメニスカス表面における酸化膜等のロール/メタル間
の伝熱抵抗を極力除去する必要がある。注湯流の均一化
のためにはスリット状の注湯ノズルを用いることが望ま
しい。また、メニスカス表面における酸化膜の生成を抑
制するためには、不活性ガス中での溶解・鋳造が必要で
ある。不活性ガスはAr,Heなどのいずれでもよい。
鋳片の割れを低減するための方法として、ロール最近
接点における鋳片中心部の未凝固部分をなるべく少なく
した鋳造が望ましい。そのためには、CAMP−ISIJ,1(19
88),p.186に記されているように、ロールの支持にスプ
リングを用い、ロールを固定せず、一定の力で凝固シェ
ルを押し付け、シェルの成長とともにロールが自然に開
くような構造にする必要がある。
接点における鋳片中心部の未凝固部分をなるべく少なく
した鋳造が望ましい。そのためには、CAMP−ISIJ,1(19
88),p.186に記されているように、ロールの支持にスプ
リングを用い、ロールを固定せず、一定の力で凝固シェ
ルを押し付け、シェルの成長とともにロールが自然に開
くような構造にする必要がある。
凝固の不均一性を改善する以外の着眼点として、幅方
向への凝固シェル収縮時に拘束の原因となる鋳片端部の
鋳バリを皆無にする必要があるが、一般的にサイド堰と
ロール側面の間への溶融金属の差し込みを軽減するため
には、サイド堰の押し付け力をコントロールしなければ
ならない。
向への凝固シェル収縮時に拘束の原因となる鋳片端部の
鋳バリを皆無にする必要があるが、一般的にサイド堰と
ロール側面の間への溶融金属の差し込みを軽減するため
には、サイド堰の押し付け力をコントロールしなければ
ならない。
第2図は、本発明の方法に使用する装置の概略を示す
もので、1は金属間化合物TiAlを溶解・供給するための
るつぼである。ロール間への供給を幅方向で均一にする
ため、溶融金属は耐火物製のタンディッシュ2を通り、
回転する一対のロール3,3′間に供給される。4は耐火
物製のサイド堰であり、ロール間に溶融金属の湯溜りを
形成させるためのものである。5は不活性ガスにより保
護雰囲気とする雰囲気制御容器である。6は製造された
薄板である。7は容器5への不活性ガス導入機構、8は
排気機構である。
もので、1は金属間化合物TiAlを溶解・供給するための
るつぼである。ロール間への供給を幅方向で均一にする
ため、溶融金属は耐火物製のタンディッシュ2を通り、
回転する一対のロール3,3′間に供給される。4は耐火
物製のサイド堰であり、ロール間に溶融金属の湯溜りを
形成させるためのものである。5は不活性ガスにより保
護雰囲気とする雰囲気制御容器である。6は製造された
薄板である。7は容器5への不活性ガス導入機構、8は
排気機構である。
以下に本発明の実施例を示す。
アルミニウム地金とスポンジチタンをAl36wt%、Ti64
wt%の組成を得るように配合したもの8kgをるつぼに投
入し、これをAr雰囲気中で1600℃まで加熱溶解して合金
化した。次に、一旦1500℃に温度を調整した後、該溶融
合金を幅4mm、長さ95mmの開口部を持つタンディッシュ
を通し、種々のロール周速で回転する直径300mm、幅100
mmの一対の銅合金製のロールの間に供給し、一定のロー
ル支持力下で、102〜105℃/secの冷却速度で凝固させ
て、第1表に示す厚さの連続薄板を得た。薄板の長さは
約3mから10mであった。なお、ロール間に形成される溶
鋼の湯だまり部の高さは約80mmであった。
wt%の組成を得るように配合したもの8kgをるつぼに投
入し、これをAr雰囲気中で1600℃まで加熱溶解して合金
化した。次に、一旦1500℃に温度を調整した後、該溶融
合金を幅4mm、長さ95mmの開口部を持つタンディッシュ
を通し、種々のロール周速で回転する直径300mm、幅100
mmの一対の銅合金製のロールの間に供給し、一定のロー
ル支持力下で、102〜105℃/secの冷却速度で凝固させ
て、第1表に示す厚さの連続薄板を得た。薄板の長さは
約3mから10mであった。なお、ロール間に形成される溶
鋼の湯だまり部の高さは約80mmであった。
得られた薄板の鋳造方向における断面組織の一例を第
1図に示す。鋳造ままの凝固組織は薄板の両表面から板
厚中心部に向かう柱状晶のみか、あるいは前記柱状晶と
板厚中心付近に存在する等軸晶との混合組織から構成さ
れる。
1図に示す。鋳造ままの凝固組織は薄板の両表面から板
厚中心部に向かう柱状晶のみか、あるいは前記柱状晶と
板厚中心付近に存在する等軸晶との混合組織から構成さ
れる。
上述した通り、双ロール法で得られた薄板のミクロ組
織第3図(A)は、TiAlと微量のTi3AlおよびAl2Tiの3
相からなるが、組成を変えることによってTiAl単相に近
いものを得ることも可能である。なお、このときの平均
結晶粒度は双ロール法の場合約100μmでアークメルト
法と比較して1/5程度であった。
織第3図(A)は、TiAlと微量のTi3AlおよびAl2Tiの3
相からなるが、組成を変えることによってTiAl単相に近
いものを得ることも可能である。なお、このときの平均
結晶粒度は双ロール法の場合約100μmでアークメルト
法と比較して1/5程度であった。
さらに、鋳造ままのマイクロビッカース硬度は薄板の
測定箇所に依らず350Hvとインゴット法等で得られる値
とほぼ同等であった。
測定箇所に依らず350Hvとインゴット法等で得られる値
とほぼ同等であった。
〔発明の効果〕 本発明の製造方法を用いることにより、0.2〜3mm厚さ
の連続した金属間化合物TiAlの薄板の製造が容易にな
る。従って、通常の粉末冶金法、インゴットからの切り
出し、あるいは高温塑性加工法と異なり、工程の複雑さ
に伴う労力、設備負担等を大幅に低減することができる
など、金属間化合物TiAlの薄板を均質にかつ安価に量産
する上で極めて効果が大きい。
の連続した金属間化合物TiAlの薄板の製造が容易にな
る。従って、通常の粉末冶金法、インゴットからの切り
出し、あるいは高温塑性加工法と異なり、工程の複雑さ
に伴う労力、設備負担等を大幅に低減することができる
など、金属間化合物TiAlの薄板を均質にかつ安価に量産
する上で極めて効果が大きい。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明によって得られた薄板の鋳造方向におけ
る断面金属組織を示す写真図、第2図は本発明を実施す
る装置の概略を示す説明図、第3図(A)、(B)は各
々双ロール法およびアークメルト法によって得られた薄
板の鋳造ままの金属組織を示す顕微鏡写真図である。 1……るつぼ、2……タンディッシュ、3,3′……ロー
ル、4……サイド堰、5……雰囲気制御容器、6……薄
板、7……不活性ガス導入機構、8……排気機構。
る断面金属組織を示す写真図、第2図は本発明を実施す
る装置の概略を示す説明図、第3図(A)、(B)は各
々双ロール法およびアークメルト法によって得られた薄
板の鋳造ままの金属組織を示す顕微鏡写真図である。 1……るつぼ、2……タンディッシュ、3,3′……ロー
ル、4……サイド堰、5……雰囲気制御容器、6……薄
板、7……不活性ガス導入機構、8……排気機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正橋 直哉 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式會社第1技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−256902(JP,A) 特開 昭62−54551(JP,A) 特開 昭62−133037(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/06 C22C 14/00 C22C 1/02
Claims (1)
- 【請求項1】Al35〜44wt%と残部Tiとを不活性雰囲気中
で加熱・溶解して得られた溶融合金を、引き続き不活性
雰囲気中で、ロール周速0.1〜10m/secで回転する一対の
冷却ロール間にスリット状の注湯ノズルを用いて連続し
て供給し、スプリングによる一定のロール支持力下で、
102〜105℃/secの冷却速度で凝固させることを特徴とす
る鋳造ままの凝固組織が薄板の両表面から板厚中心部に
向う柱状晶のみか、あるいは前記柱状晶と板厚中心付近
に存在する等軸晶との混合組織からなる板厚0.2〜3mmの
連続したTiAl金属間化合物薄板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5030790A JP2958792B2 (ja) | 1989-03-02 | 1990-03-01 | TiA1金属間化合物薄板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP5064989 | 1989-03-02 | ||
JP1-50649 | 1989-03-02 | ||
JP5030790A JP2958792B2 (ja) | 1989-03-02 | 1990-03-01 | TiA1金属間化合物薄板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0344437A JPH0344437A (ja) | 1991-02-26 |
JP2958792B2 true JP2958792B2 (ja) | 1999-10-06 |
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WO1991009697A1 (en) * | 1989-12-25 | 1991-07-11 | Nippon Steel Corporation | Sheet of titanium-aluminum intermetallic compound and process for producing the same |
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1990
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JPH0344437A (ja) | 1991-02-26 |
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