JP2957812B2 - 電気泳動装置 - Google Patents

電気泳動装置

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JP2957812B2
JP2957812B2 JP4205022A JP20502292A JP2957812B2 JP 2957812 B2 JP2957812 B2 JP 2957812B2 JP 4205022 A JP4205022 A JP 4205022A JP 20502292 A JP20502292 A JP 20502292A JP 2957812 B2 JP2957812 B2 JP 2957812B2
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electrophoresis
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体試料の分析や分離
精製に用いる電気泳動装置に係わり、特に泳動槽内の気
泡や異物を除去できる良好な性能を有する電気泳動装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気泳動法は多様な機能をもつ生
体成分を研究する上で不可欠であり、細胞およびタンパ
ク質等の生体試料の分離精製手段として近年脚光を浴び
てきている。すでにいろいろの形式の電気泳動法が工夫
され使われているが、特に、注目を浴びている無担体電
気泳動法について説明する。この泳動法の原理は、泳動
槽内を薄膜状態の液体膜となって流れる分離用電解質中
に試料を連続的に注入し、層流となって移動する間に電
気泳動を行なう手法である。
【0003】その装置は、断面が矩形状の泳動槽内に、
緩衝液と呼ばれる電解質溶液を層流状に流し、その両側
方に設置した電極に直流電圧を印加して、緩衝液の流れ
方向と直角方向に電界を形成する。この緩衝液中に試料
を注入すると、試料中の各成分はそれ自身の表面電荷に
応じた力を電界から受けて、泳動槽内を電界方向に移動
する。この結果、各試料成分の分離が行われ、狭い分離
帯を形成し、分取手段によって分取されるものである。
【0004】図5にしたがって、さらに、詳しく説明す
る。図5(a)は電気泳動装置の説明図、図5(b)は
図5(a)の電気泳動装置の縦断面図である。図5
(a),(b)において、1は矩形状の溶液を流動させ
る泳動槽、2,2′は正負の電極、3,3′は電極室、
4,4′は陽イオン交換膜および陰イオン交換膜であ
り、泳動槽1の両側面には前記正負の電極2、2′が設
けられ、この正負の電極2、2′は前記電極室3、3′
に内包されている。そしてこの電極室3、3′と前記泳
動槽1の内部とはそれぞれ陽イオン交換膜4および陰イ
オン交換膜4′により仕切られている。泳動槽1の上部
には、電解質溶液(本例では、以下緩衝液という)を導
く複数の導入口5が設けられ、この緩衝液を収容するタ
ンク6と接続されている。
【0005】7は緩衝液を分離する分取流路、8は分離
した緩衝液を吸引する多連のポンブ、9は分離した緩衝
液を分収する分取容器である。前記泳動槽1の下部に、
図に示す如く左右方向に多数の分取流路7が並べて設け
られ、この分取流路7の各流路には多連分取ポンプ8の
各ポンプ要素が接続され、これに連続して分取容器9が
接続されている。
【0006】次に、この電気泳動装置の機能を説明す
る。多連分取ポンプ8の作用により、緩衝液は対応する
分取容器9の中に分取される。この分取作用により泳動
槽1の内部には、該槽内を下方に向かう層流状の緩衝液
の流れが形成される。そこに、試料を容れた容器10内
の試料を注入ポンプ11を作動させることにより試料注
入口12から注入する。注入された試料は泳動槽内の層
流状の緩衝液の流れに乗りながら、正負の電極2、2′
により形成される電界の作用を受ける。この結果、各試
料成分は、それ自身の表面電荷に応じた電界方向の力を
受けて、泳動槽1の電界方向、すなわち、図5(a)の
左右方向に移動し、図示のA、Bの様に各成分に分離さ
れ、それぞれの分取容器9に分取される。
【0007】ここで、電気泳動装置においては、印加電
圧によるジュ−ル発熱の除去ため、上記矩形断面の長辺
側の槽壁を冷却水等で冷却する構造をとるが、泳動槽の
内部流れに対する熱対流の影響を防止するため、図5
(b)の泳動槽1の縦断面図において、泳動槽1の厚み
δは、地上では1mm以下に、また熱対流の影響が少な
くなるといわれる宇宙空間においても、冷却上の制約か
ら高々数mm以内に制限される。この場合、もし泳動槽
1内に気泡ないし異物が、滞留したり付着していると、
比較的低速の緩衝液の流れでは多連分取ポンプ8の側に
流出できない。このため、これら気泡ないし異物の周囲
の緩衝液の流れは乱流となり、分離性能に悪影響を及ぼ
すことがわかる。これらの経緯が公知の文献例「藤倉
雄:電気泳動法の新しい展開:BIO INDUSTR
Y、vol.2、No.2、1985」に示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電気泳動装
置においては、この様に厚みの狭い泳動槽内に、層流状
の緩衝液の流れを形成するにあたり最大の支障となるの
は、泳動槽内に滞留したり、付着した気泡ないしゴミ等
の異物の存在である。このうち、気泡は主として最初乾
燥状態の泳動槽内に緩衝液を導入する際に混入して残留
したものであり、これが、泳動槽内に滞留したり泳動槽
の壁面に表面張力により付着する。
【0009】一方ゴミ等の異物は、最初から緩衝液中に
含まれているものも有るが、細胞等の試料の残滓が主な
ものであり、泳動槽内に浮遊したり、壁面に付着してい
る。上記の内、表面張力により泳動槽の壁面に付着した
気泡は、比較的低速の緩衝液の流れによっては、壁面か
ら剥離して分取ポンプにより排出できない。また、泳動
槽内に存在するゴミ等の異物は、分取流路の管径が極め
て細いため、やはり分取ポンプによって除去できずに残
留する。
【0010】いずれにしても、泳動槽内にこれら気泡ま
たは異物が存在すると、その周囲が乱流となり、緩衝液
の層流状の流れが形成できなくなって、分離性能が不良
となる。本発明は上記従来技術の問題点を解決するため
になされたもので、上述の泳動槽内に滞留ないし付着し
た気泡や異物を有効に除去し、分離性能の良好な電気泳
動装置を提供することを目的とする。
【0011】上記目的を達成するため、電気泳動装置に
係る本発明の構成は、溶液を流動させる泳動槽と、該泳
動槽の内部に前記溶液の流れを形成するための分取ポン
プと、前記泳動槽の両側方に設けられ前記溶液の流れに
直角な電界を形成する正負の電極とを備えた電気泳動装
置において、前記泳動槽の壁面に開口した少なくとも一
対以上の前記溶液の吸込口および吐出口と、前記泳動槽
の外部に設けた当該泳動槽の流れとは独立した前記吸込
口および吐出口に接続される配管ル−プと、該配管ル−
プ内に配設した溶液循環ポンプと気泡分離器とを具備す
るものである。
【0012】また、電気泳動装置に係る他の構成は、溶
液を流動させる泳動槽と、該泳動槽の内部に前記溶液の
流れを形成するための分取ポンプと、前記泳動槽の両側
方に設けられ前記溶液の流れに直角な電界を形成する正
負の電極とを備えた電気泳動装置において、前記泳動槽
の壁面に開口した少なくとも一対以上の前記溶液の吸込
口および吐出口と、前記泳動槽の外部に設けた当該泳動
槽の流れとは独立した前記吸込口および吐出口に接続さ
れる配管ル−プと、該配管ル−プ内に配設した溶液循環
ポンプと異物除去器とを備えたものである。また、電気
泳動装置に係るさらに他の構成は、溶液を流動させる泳
動槽と、該泳動槽の内部に前記溶液の流れを形成するた
めの分取ポンプと、前記泳動槽の両側方に設けられ前記
溶液の流れに直角な電界を形成する正負の電極とを備え
た電気泳動装置において、前記泳動槽の壁面に開口した
少なくとも一対以上の前記溶液の吸込口および吐出口
と、前記泳動槽の外部に設けた当該泳動槽の流れとは独
立した前記吸込口および吐出口に接続された配管ル−プ
と、該配管ル−プ内に配設した溶液循環ポンプと気泡分
離器と異物除去器とを備えたものである。また、電気泳
動装置に係るさらに他の構成は、上記いずれかの構成に
おいて、吸込口および吐出口に接続し、溶液循環ポンプ
を具備した配管ル−プは、そのル−プ内に、洗浄液の供
給手段を備えたものである。また、電気泳動装置に係る
さらに他の構成は、上記いずれかの構成において、吸込
口および吐出口に接続し、溶液循環ポンプを具備した配
管ル−プは、そのル−プ内に、これら吸込口と吐出口と
に対応した溶液切替弁を備えたものである。
【0013】
【作用】上記各技術手段の働きは次のとおりである。本
発明の構成によれば、泳動槽内の壁面に開口した少なく
とも一対以上の溶液の吸込口と吐出口を設け、これら吸
込口および吐出口を接続し、溶液ポンプを具備する配管
ル−プ内に気泡分離器を備えたので、この溶液ポンプを
作動させることにより、泳動槽内に溶液の吐出口から吸
込口に向かう比較的強い溶液の流れを形成することが可
能となり、泳動槽内に滞留または付着した気泡を、この
溶液の流れに乗せて溶液とともに吸込口から吸込ませる
ことができる。この気泡混じりの溶液は、配管ル−プ内
の気泡分離器により気泡のみが除去されるので、吐出口
から泳動槽内には気泡の無い溶液が供給される。
【0014】また、本発明の他の構成によれば、前記配
管ル−プ内に異物除去器を備えたので、配管ル−プ内の
溶液ポンプを作動させることにより、泳動槽内に溶液の
吐出口から吸込口に向かう比較的強い溶液の流れを形成
でき、泳動槽内に浮遊ないし付着した異物を、この溶液
の流れに乗せて溶液とともに吸込口から吸込ませること
ができる。この異物混じりの溶液は、配管ル−プ内の異
物除去器により異物のみが除去されるので、吐出口から
泳動槽内には異物の無い溶液が供給される。
【0015】さらに、本発明のさらに他の構成によれ
ば、前記配管ル−プ内に気泡分離器と異物除去器を備え
たので、溶液ポンプの作動により泳動槽内に形成された
比較的強い溶液の流れの作用で、泳動槽内に滞留ないし
付着していた気泡および異物を、溶液とともに吸込口か
ら吸込こませることができる。この気泡および異物混じ
りの溶液は、配管ル−プ内の気泡分離器および異物除去
器により気泡と異物が除去されるので、吐出口から泳動
槽内には溶液のみが供給される。
【0016】さらにまた、本発明のさらに他の構成によ
れば、前記配管ル−プ内に、洗浄液の供給手段が設けて
いるので、これを用いて吐出口から泳動槽内に洗浄液混
じりの溶液を供給し、泳動槽の壁面および配管ル−プ内
の洗浄を施すことが出来る。さらにまた、本発明の構成
によれば、前記配管ル−プ内に、泳動槽の壁面に設けた
少なくとも一対以上の吸込口と吐出口には、その各々に
対応した溶液の切替弁が設けたので、これらの切替弁の
開閉の組合せにより、泳動槽内に吐出口から吸込口に向
かう種々の方向の溶液の流れを形成でき、泳動槽内のほ
ぼ全域の気泡および異物を溶液とともに吸込口から吸込
ませ、この溶液を配管ル−プ内の除去手段を通過させる
ことにより除去することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図1ないし図4を
参照して説明する。 〔実施例 1〕図1は、本発明の1実施例に係る電気泳
動装置の説明図である。本発明に係る本実施例の電気泳
動装置は、溶液を流動させる泳動槽と、該泳動槽の内部
に前記溶液の流れを形成するための分取ポンプと、前記
泳動槽の両側方に設けられ前記溶液の流れに直角な電界
を形成する正負の電極とを備えた電気泳動装置に、前記
泳動槽の壁面に開口した少なくとも一対以上の前記溶液
の吸込口および吐出口を備え、前記泳動槽内に該吸込
口,該吐出口を通じて前記溶液を注出入させる溶液ポン
プとを配設し、さらに、前記吸込口と前記吐出口と前記
溶液ポンプとを接続する配管ル−プとを設け、この配管
ル−プ内に気泡分離器を備えて構成したものである
【0018】図1において、1は矩形状の溶液(本実施
例では、以下緩衝液という)を流動させる泳動槽、2,
2′は正負の電極、3,3′は電極室、4,4′は陽イ
オン交換膜および陰イオン交換膜であり、5は緩衝液を
導く複数の導入口、6は緩衝液を収容するタンク、7は
緩衝液を分離する分取流路、8は分離した緩衝液を吸い
込む多連のポンブ、9は分離した緩衝液を分収する分取
容器、21,21′は吸込口21′、22,22′は吐
出口、23は配管、24は気泡分離器、25は溶液ポン
プ、26は配管ル−プ、27・27,′28・28′は
切替弁、29は真空ポンプ、30は気泡分離器のケ−シ
ング、31は気泡分離器内の多孔質膜、32,33は気
泡分離器の入口と出口である。
【0019】前記泳動槽1の両側面には前記正負の電極
2、2′が設けられ、この正負の電極2、2′は前記電
極室3、3′に内包されている。そしてこの電極室3、
3′と前記泳動槽1の内部とはそれぞれ陽イオン交換膜
4および陰イオン交換膜4′により仕切られている。泳
動槽1の上部には、電解質液である緩衝液を導く複数の
導入口5が設けられ、この緩衝液を収容するタンク6と
接続されている。一方、泳動槽1の下部には、図示の左
右方向に多数の分取流路7が並べて設けられ、多連分取
ポンプ8の作用により、緩衝液は対応する分取容器9の
中に分取される。この分取ポンプ8の作用により、泳動
槽1の内部には槽内を下方に向かう層流状の緩衝液の流
れが形成される。そこで、試料容器10内の試料を、ポ
ンプ11を作動させることにより試料注入口12から注
入する。試料は泳動槽内の層流状の緩衝液流れに乗りな
がら、正負の電極2、2′により形成される電界の作用
を受ける。この結果、各試料成分はそれ自身の表面電荷
に応じた横方向の力を受けて、泳動槽の左右方向に移動
し、各成分に分離され、それぞれの分取容器9に分取さ
れる。
【0020】泳動槽1の緩衝液の流路の上下の側面に、
対向して2対の吸込口21と吐出口22および吸込口2
1′と吐出口22′とを設け、これらを配管23により
気泡分離器24および溶液ポンプ25と接続して、配管
ル−プ26を形成している。なお、配管23には吸込口
21と21′に対応して切替弁27と27′を、また吐
出口22と22′に対応して切替弁28と28′を設け
ている。このため、これら切替弁の開閉の組み合せによ
り、任意の吸込口と吐出口とを組み合わせることが可能
である。ここで、気泡分離器24の構成は、真空ポンプ
29によって減圧可能なケ−シング30内に、チュ−ブ
状の疎水性の多孔質膜31を設け、入口32と出口33
によりこの多孔質膜31内を気泡混じりの溶液が通過で
きるように構成されている。
【0021】次に、本実施例の気泡除去の動作を説明す
る。泳動槽1内に緩衝液を導入した後、実際の泳動分離
を行う前に実施される。先ず、溶液ポンプ25の作用に
より、切替弁28、28′のうち、開放状態となってい
るものに対応した吐出口22、22′より緩衝液が泳動
槽内に供給され、同時に切替弁27、27′のうち開放
状態となっているものに対応した吸込口21、21′よ
り、緩衝液が泳動槽1内から配管ル−プ26内に吸い込
まれる。このため泳動槽1内には、図1では、左向きに
緩衝液の流れが形成され、泳動槽1内に滞留ないし付着
していた気泡は、この流れに乗って吸込口21、21′
から配管ル−プ26内に吸込まれる。
【0022】次に、この気泡混じりの緩衝液は、配管ル
−プ26内の気泡分離器24に導入される。この気泡分
離器24の疎水性多孔質膜31は、気体は通過させるが
液体の通過を阻止する作用をもつ。このため、入口32
より導入された気泡混じりの緩衝液は、多孔質膜31内
を流れる。多孔質膜31の外側は、真空ポンプ29によ
って減圧されているので、該膜31内外には圧力差を生
じる。このに圧力差よって気泡のみが、前記膜31外に
排出され、真空ポンプにて吸引される。出口33に達す
る緩衝液中の気泡は、比較的少量ないし皆無とすること
ができる。この緩衝液は、溶液ポンプ25により、開放
状態となっている切替弁28、28′に対応した吐出口
22、22′を通り、泳動槽1内に再び吐出される。な
お、気泡分離器24を一度通過するだけでは、除去でき
なずに泳動槽1内に吐出された気泡は、再度、吸込口2
1、21′より吸込んで配管ル−プ26中の気泡分離器
24に供する。この作業を何回も繰り返すことで、最終
的には除去することができる。
【0023】この場合、溶液ポンプ25は比較的大容量
にすることができる。また、配管23の径も分取流路7
よりも太いものを使用できる。したがって、吐出口2
2、22′より吐出され吸込口21、21′より吸込ま
れることにより泳動槽1内に形成される左向きの緩衝液
の流れは、既述の分取ポンプ8によって泳動時に形成さ
れる下向きの流れに比べて、流量も多くかつ勢いも強い
ものとすることができる。このため、泳動槽1内に滞留
ないし付着した気泡を流れに乗せて効果的に吸込口2
1、21′より吸込み、気泡分離器に供することが可能
である。
【0024】一方、配管23に設けた吸込口21、2
1′側の切替弁27、27′,吐出口22、22′側の
切替弁28、28′の開閉の組合せ方によっては、泳動
槽1内に実線で示した真横に向かう緩衝液の流ればかり
でなく、破線で示した斜め上方ないし斜め下方に向かう
流れを形成することができる。したがって、泳動槽1内
のほぼ全域に滞留ないし付着している気泡を剥離して、
気泡まじり緩衝液を気泡分離器24を通過させることで
除去することが可能となる。また、この気泡除去の操作
は、泳動槽1内の気泡を全て除去できるまで行えばよ
い。この様に本実施例によれば、泳動槽1内のほぼ全域
に滞留ないし付着した気泡を、有効に除去することがで
きる。
【0025】〔実施例 2〕次に、本発明の他の実施例
を説明する。図2は、本発明の他の実施例に係る電気泳
動装置の説明図である。図中、図1と同一符号のものは
同等部分であるので、その説明は省略する。また、緩衝
液導入口5,緩衝液タンク6およびその配管系、試料容
器10,試料ポンプ11およびその配管系は、本実施例
の動作と直接関係がないので図中から省略する。図2に
示す実施例では、〔実施例 1〕で示した配管ル−プ2
6内に、気泡分離器24の代わりに異物除去器34を備
えたものである。該異物除去器34は、ケ−シング35
を有し、その内部に異物除去用のフィルタ−36を備え
ると共に、溶液を入口37,出口38より流入出させる
ように構成されている。
【0026】次に本実施例の動作を説明する。異物除去
の操作も、〔実施例 1〕と同様に、実際の泳動分離の
前に、必要の都度行われる。先ず溶液ポンプ25の作用
により、泳動槽1内には、〔実施例 1〕と同様の左方
へ向かう緩衝液の流れが形成され、泳動槽1内に浮遊な
いし付着していた異物は、この流れに乗って吸込口2
1、21′により配管ル−プ26に吸込まれる。配管ル
−プ26内で、この異物混じりの溶液は異物除去器34
に入口37から導入され、異物除去用フィルタ−36が
異物を除去し、異物を除去された溶液は、出口38より
流出して、溶液ポンプ25の働きにより、吐出口22、
22′から泳動槽1内に再び吐出される。
【0027】本実施例においても、〔実施例 1〕で説
明したと同様の理由で、泳動槽1内に形成する左方に向
かう流れは、比較的流量も多くかつ勢いの強いものとす
ることができる。このため、泳動槽1内に浮遊ないし付
着した異物をその流れに乗せて、効果的に除去すること
が可能である。また〔実施例 1〕で説明したと同様
に、吸込側及び吐出側の切替弁27・27′,28・2
8′の操作により、泳動槽1内に種々の向きの緩衝液の
流れを形成できるので、泳動槽1内のほぼ全域の異物を
対象とすることが可能である。この様に本実施例によれ
ば、泳動槽1内のほぼ全域に浮遊ないし付着した異物を
有効に除去できる。
【0028】〔実施例 3〕図3は、本発明のさらに他
の実施例に係る電気泳動装置の説明図である。図中、図
1と同一符号のものは同等部分であるので、その説明は
省略する。また、緩衝液導入口5,緩衝液タンク6およ
びその配管系、試料容器10,試料ポンプ11およびそ
の配管系は、本実施例の動作と直接関係がないので図中
から省略する。図3の示す電気泳動装置では、泳動槽1
内に滞留ないし付着した気泡と異物の双方の除去を図る
ため、配管ル−プ26内に、異物除去器34および気泡
分離器24の双方を設けて構成したものである。これら
異物除去器34および気泡分離器24の構成は、これま
での〔実施例 1〕、〔実施例 2〕で述べたと同じ構
成であるので説明は省略する。
【0029】したがって、これら異物除去器34および
気泡分離器24を組合せた装置の動作は、先ず溶液ポン
プ25の作用により泳動槽1内に、これまでの〔実施例
1〕、〔実施例 2〕と同様の左方へ向かう流れが形
成され、泳動槽1内に滞留ないし付着していた気泡およ
び異物は、この流れに乗って吸込口21、21′により
配管ル−プ26に吸込まれる。この気泡および異物混じ
りの緩衝液は、配管ル−プ26内で、まず異物除去器3
4に導入され、異物除去用フィルタ−36により異物が
除去される。そのあと、気泡分離器24により気泡が除
去され、溶液ポンプ25の働きにより、緩衝液のみが、
吐出口22、22′から泳動槽1内に再び吐出される。
【0030】本実施例においても、これまで〔実施例
1〕、〔実施例 2〕で説明したと同様に、泳動槽1内
に形成される左方に向かう流れは、比較的流量も多くか
つ勢いの強いものとすることができる。このため、泳動
槽1内に滞留ないし付着した気泡と異物をその流れに乗
せ、効果的に除去することが可能である。また、前述の
〔実施例 1〕、〔実施例 2〕で説明したと同様に、
吸込側および吐出側の切替弁27,27′、28,2
8′の開閉の組合せにより、泳動槽1内に種々の向きの
液の流れを形成できるので、泳動槽1内のほぼ全域の気
泡と異物を対象とすることが可能である。この様に本実
施例によれば、泳動槽1内のほぼ全域に滞留ないし付着
した気泡と異物の双方を、有効に除去することが可能で
ある。
【0031】〔実施例 4〕図4は、本発明のさらに他
の実施例に係る電気泳動装置の説明図である。図中、図
1と同一符号のものは同等部分であるので、その説明は
省略する。また、緩衝液導入口5,緩衝液タンク6およ
びその配管系、試料容器10,試料ポンプ11およびそ
の配管系は、本実施例の動作と直接関係がないので図中
から省略する。本実施例は上述の〔実施例 1〕、〔実
施例 2〕、〔実施例 3〕で述べた配管ル−プ26内
に、泳動槽1の内部や配管ル−プ26の各要素の内部を
洗浄したり、これら壁面に付着した異物を除去し易くす
るため、洗浄液注入部39を付設したものである。この
洗浄液注入部39により注入する洗浄液としては、界面
活性剤を用いることが好適である。本実施例によれば、
泳動槽1内の気泡、異物を単に除去するばかりでなく、
泳動槽1や配管ル−プ26内を洗浄できるという新しい
効果も期待できる。本発明は、上述の〔実施例 1〕、
〔実施例 2〕、〔実施例 3〕〔実施例4〕にのみ適
用が限定されるのでは無く、以下に示す変形例、応用例
が考えられる。先ず、泳動槽に付設する溶液の吸込口と
吐出口並びに切替弁の位置と数であるが、これらは泳動
槽の形状、また泳動槽内に形成すべき溶液流れの向きに
より、適宜選定することができる。また、配管ル−プ中
の洗浄液供給部、異物除去器、気泡分離器および溶液ポ
ンプの位置関係は、前述の実施例では溶液の流れに沿っ
て上記順番としたが、その位置関係は適宜変更可能であ
る。また、溶液ポンプも複数にしてもよい。
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、泳動槽内に滞留ないし付着した気泡及び異物を、
配管ル−プ内の気泡分離器及び異物除去器により除去で
きるので、分離性能の良好な電気泳動装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電気泳動装置の平面図
である。
【図2】本発明の他の一実施例に係る電気泳動装置の説
明図である。
【図3】本発明のさらに他の一実施例に係る電気泳動装
置の説明図である。
【図4】本発明のさらに他の一実施例に係る電気泳動装
置の説明図である。
【図5】従来の技術によるは電気泳動装置の説明図とそ
の縦断面図である。
【符号の説明】
1 泳動槽 2,2′ 電極 3,3′ 電極室 4,4′ イオン交換膜 5 緩衝液導入口 6 緩衝液タンク 7 分取流路 8 多連分取ポンプ 9 分取容器 10 試料容器 11 試料ポンプ 12 試料注入口 21,21′ 吸込口 22,22′ 吐出口 23 配管 24 気泡分離器 25 溶液ポンプ 26 配管ル−プ 27,27′ 切替弁 28,28′ 切替弁 29 真空ポンプ 30 ケ−シング 31 多孔質膜 32 入口 33 出口 34 異物除去器 35 ケ−シング 36 フィルタ− 37 入口 38 出口 39 洗浄液供給部
フロントページの続き (72)発明者 小島 吉夫 茨城県土浦市神立町216番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 奥沢 務 茨城県土浦市神立町216番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 坪内 邦良 茨城県土浦市神立町216番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 平2−234060(JP,A) 実開 平3−63859(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/447

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶液を流動させる泳動槽と、該泳動槽の内
    部に前記溶液の流れを形成するための分取ポンプと、前
    記泳動槽の両側方に設けられ前記溶液の流れに直角な電
    界を形成する正負の電極とを備えた電気泳動装置におい
    て、 前記泳動槽の壁面に開口した少なくとも一対以上の前記
    溶液の吸込口および吐出口と、前記泳動槽の外部に設け
    た当該泳動槽の流れとは独立した前記吸込口および吐出
    口に接続される配管ル−プと、該配管ル−プ内に配設し
    た溶液循環ポンプと気泡分離器とを具備することを特徴
    とする電気泳動装置。
  2. 【請求項2】溶液を流動させる泳動槽と、該泳動槽の内
    部に前記溶液の流れを形成するための分取ポンプと、前
    記泳動槽の両側方に設けられ前記溶液の流れに直角な電
    界を形成する正負の電極とを備えた電気泳動装置におい
    て、 前記泳動槽の壁面に開口した少なくとも一対以上の前記
    溶液の吸込口および吐出口と、前記泳動槽の外部に設け
    た当該泳動槽の流れとは独立した前記吸込口および吐出
    口に接続される配管ル−プと、該配管ル−プ内に配設し
    た溶液循環ポンプと異物除去器とを具備することを特徴
    とする電気泳動装置。
  3. 【請求項3】溶液を流動させる泳動槽と、該泳動槽の内
    部に前記溶液の流れを形成するための分取ポンプと、前
    記泳動槽の両側方に設けられ前記溶液の流れに直角な電
    界を形成する正負の電極とを備えた電気泳動装置におい
    て、 前記泳動槽の壁面に開口した少なくとも一対以上の前記
    溶液の吸込口および吐出口と、前記泳動槽の外部に設け
    た当該泳動槽の流れとは独立した前記吸込口および吐出
    口に接続された配管ル−プと、該配管ル−プ内に配設し
    た溶液循環ポンプと気泡分離器と異物除去器とを具備す
    ることを特徴とする電気泳動装置。
  4. 【請求項4】吸込口および吐出口に接続し、溶液循環ポ
    ンプを具備した配管ル−プは、そのル−プ内に、洗浄液
    の供給手段を備えたことを特徴とする請求項1,2,3
    記載のいずれかの電気泳動装置。
  5. 【請求項5】吸込口および吐出口に接続し、溶液循環ポ
    ンプを具備した配管ル−プは、そのル−プ内に、これら
    吸込口と吐出口とに対応した溶液切替弁を備えたことを
    特徴とする請求項1,2,3,4記載のいずれかの電気
    泳動装置。
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