JP2957014B2 - 回転型制振装置 - Google Patents
回転型制振装置Info
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- JP2957014B2 JP2957014B2 JP3034899A JP3489991A JP2957014B2 JP 2957014 B2 JP2957014 B2 JP 2957014B2 JP 3034899 A JP3034899 A JP 3034899A JP 3489991 A JP3489991 A JP 3489991A JP 2957014 B2 JP2957014 B2 JP 2957014B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子計算機、精密機械装
置等若しくは建物等に加わる振動を緩和し、前記機器、
建物等を地震その他の外乱振動から保護する制振装置に
関するものであり、特にうず電流またはうず電流と磁気
ヒステリシスにより制動力を利用した回転型の制振装置
に関するものである。
置等若しくは建物等に加わる振動を緩和し、前記機器、
建物等を地震その他の外乱振動から保護する制振装置に
関するものであり、特にうず電流またはうず電流と磁気
ヒステリシスにより制動力を利用した回転型の制振装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来機械装置、建物等の制振装置として
は、防振ばね若しくは防振ゴム等を使用するものがあ
り、これらの装置は機械装置や建物の床等の可動側と、
機械装置若しくは建物の基礎等の固定側との間に配設
し、交通振動、建設工事に起因する振動、地震、風震等
の外乱振動を周期の長い緩やかな動きに変換するもので
ある。
は、防振ばね若しくは防振ゴム等を使用するものがあ
り、これらの装置は機械装置や建物の床等の可動側と、
機械装置若しくは建物の基礎等の固定側との間に配設
し、交通振動、建設工事に起因する振動、地震、風震等
の外乱振動を周期の長い緩やかな動きに変換するもので
ある。
【0003】このような装置としては、構造物の底部に
例えばボールベアリングやローラを組み込んだり、ゴム
や空気ばね等を使用するものがある。しかし前者におい
ては摩擦係数が大であるため、免震若しくは制振作用が
必ずしも充分でなく、一方後者においては重量と弾性係
数によって一定の固有振動を有するため、地震波と共振
しないという保証がない。
例えばボールベアリングやローラを組み込んだり、ゴム
や空気ばね等を使用するものがある。しかし前者におい
ては摩擦係数が大であるため、免震若しくは制振作用が
必ずしも充分でなく、一方後者においては重量と弾性係
数によって一定の固有振動を有するため、地震波と共振
しないという保証がない。
【0004】またオイルダンパや鉄板ダンパ等を使用す
る制振装置も提案されているが、前者においては油洩れ
その他の不都合発生を防止するための日常のメンテナン
スが煩雑であると共に、寒暖の温度差により、油の粘性
が変化し、制振作用が不安定になるという欠点がある。
一方後者においては、メンテナンスが容易であると共
に、温度による変化がないという利点はあるものの、往
復のヒステリシスが存在し、リニアリティを欠如すると
いう欠点がある。
る制振装置も提案されているが、前者においては油洩れ
その他の不都合発生を防止するための日常のメンテナン
スが煩雑であると共に、寒暖の温度差により、油の粘性
が変化し、制振作用が不安定になるという欠点がある。
一方後者においては、メンテナンスが容易であると共
に、温度による変化がないという利点はあるものの、往
復のヒステリシスが存在し、リニアリティを欠如すると
いう欠点がある。
【0005】上記のような欠点を解消するメカニカルな
制振装置として、磁気減衰器付ボールねじ式防振器の提
案がある(日本機械学会論文集(C編)51巻471号
(昭60−11)参照)。この装置はボールねじの先端
に銅若しくはアルミニウムのような導電材料からなる平
板を設け、この平板が磁界中において回転した場合に平
板内に発生するうず電流による制動力を利用するもので
ある。
制振装置として、磁気減衰器付ボールねじ式防振器の提
案がある(日本機械学会論文集(C編)51巻471号
(昭60−11)参照)。この装置はボールねじの先端
に銅若しくはアルミニウムのような導電材料からなる平
板を設け、この平板が磁界中において回転した場合に平
板内に発生するうず電流による制動力を利用するもので
ある。
【0006】また上記同様にうず電流を利用するものと
して、回転球体と円錐または円弧状の凹面受け皿との組
み合わせによる防振、免震装置に、磁性体とこの磁性体
の磁力により制動される導体板とからなるダンパを組み
合わせたことを要旨とする提案も開示されている(特開
昭63−223244号公報参照)。
して、回転球体と円錐または円弧状の凹面受け皿との組
み合わせによる防振、免震装置に、磁性体とこの磁性体
の磁力により制動される導体板とからなるダンパを組み
合わせたことを要旨とする提案も開示されている(特開
昭63−223244号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような導体板と
磁性体との組み合わせになるダンパを使用することによ
り、定期的な点検作業が不必要となり、性能の安定性が
保証されるという利点がある。しかしながら上記従来の
ものにおいては、導体板が介在する磁界の強さが一定で
あるため、被振動体に対する制振作用若しくは免振作用
が必ずしも充分でないという問題点も併存する。
磁性体との組み合わせになるダンパを使用することによ
り、定期的な点検作業が不必要となり、性能の安定性が
保証されるという利点がある。しかしながら上記従来の
ものにおいては、導体板が介在する磁界の強さが一定で
あるため、被振動体に対する制振作用若しくは免振作用
が必ずしも充分でないという問題点も併存する。
【0008】そこで最近では被振動物に振動検出センサ
を取り付け、センサの検出信号で磁気ダンパ(電磁石)
の駆動を制御する準能動的制振法が提案されている。し
かし磁気ダンパを電磁石で構成すると(例えば上記の特
開昭63−223244号公報の実施例参照)、機械装
置、建物等のような大重量の可動体を制動するに足る制
動力を得るためには制振装置全体を大型化せざるを得
ず、また応答性も低下してしまう。また,電磁石のみで
磁気ダンパーを構成すると,停電時の減衰作用が期待で
きないなどの問題点がある。
を取り付け、センサの検出信号で磁気ダンパ(電磁石)
の駆動を制御する準能動的制振法が提案されている。し
かし磁気ダンパを電磁石で構成すると(例えば上記の特
開昭63−223244号公報の実施例参照)、機械装
置、建物等のような大重量の可動体を制動するに足る制
動力を得るためには制振装置全体を大型化せざるを得
ず、また応答性も低下してしまう。また,電磁石のみで
磁気ダンパーを構成すると,停電時の減衰作用が期待で
きないなどの問題点がある。
【0009】上記問題点を解決するために、本出願人は
すでにうず電流および磁気ヒステリシスによる制動力を
利用した回転型の制振装置について出願している(特願
平2−98995号)。この提案により、装置全体を小
型化し得ると共に、制動機能および制振機能を向上させ
得るという効果が得られたが、なお若干の問題点がある
ことが認められる。
すでにうず電流および磁気ヒステリシスによる制動力を
利用した回転型の制振装置について出願している(特願
平2−98995号)。この提案により、装置全体を小
型化し得ると共に、制動機能および制振機能を向上させ
得るという効果が得られたが、なお若干の問題点がある
ことが認められる。
【0010】すなわち制動機能および制振機能が一定で
あるため、入力に対応する制御ができず、被振動体に対
する制振作用若しくは免振作用を的確にすることが困難
であるという問題点がある。また軸方向相対移動部材の
係合部に摩擦作用が存在するため、制御作用が的確に反
映されず、信頼性が低いという問題点も併存する。
あるため、入力に対応する制御ができず、被振動体に対
する制振作用若しくは免振作用を的確にすることが困難
であるという問題点がある。また軸方向相対移動部材の
係合部に摩擦作用が存在するため、制御作用が的確に反
映されず、信頼性が低いという問題点も併存する。
【0011】本発明は上記従来技術に存在する問題点を
解決すると共に、改良提案における問題点も併せて解決
し、小型化が可能であり、かつ制御可能の優れた制振作
用を有する回転型制振装置を提供することを目的とす
る。
解決すると共に、改良提案における問題点も併せて解決
し、小型化が可能であり、かつ制御可能の優れた制振作
用を有する回転型制振装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、まず第1の発明においては、中空円筒状に形成した
ハウジングの内周面に、強磁性材料によりハウジングの
軸線を含む平面への投影形状を略U字形に形成したヨー
クを円周方向に複数個配設し、このヨークにコイルを巻
装して電磁石を形成すると共に、ヨークの開口端に空隙
を介して異極を対向させてなる永久磁石を設けて磁気回
路を構成し、前記ハウジングのヨーク開口端側の端部内
面にボールナットをリニアガイドを介して非回転かつ軸
方向移動自在に嵌挿し、ボールナットに螺合させたボー
ルねじの端部に導電材料により中空円筒状に形成したロ
ータを固着し、このロータを前記空隙内に回転自在に配
設し、被振動体に設けたセンサの信号により電流可変に
前記コイルに通電し、前記空隙内に前記永久磁石の磁界
と同方向および逆方向の磁界を印加可能に構成して前記
ロータの制動に加えてダンパ機能を持たせる、という技
術的手段を採用した。
に、まず第1の発明においては、中空円筒状に形成した
ハウジングの内周面に、強磁性材料によりハウジングの
軸線を含む平面への投影形状を略U字形に形成したヨー
クを円周方向に複数個配設し、このヨークにコイルを巻
装して電磁石を形成すると共に、ヨークの開口端に空隙
を介して異極を対向させてなる永久磁石を設けて磁気回
路を構成し、前記ハウジングのヨーク開口端側の端部内
面にボールナットをリニアガイドを介して非回転かつ軸
方向移動自在に嵌挿し、ボールナットに螺合させたボー
ルねじの端部に導電材料により中空円筒状に形成したロ
ータを固着し、このロータを前記空隙内に回転自在に配
設し、被振動体に設けたセンサの信号により電流可変に
前記コイルに通電し、前記空隙内に前記永久磁石の磁界
と同方向および逆方向の磁界を印加可能に構成して前記
ロータの制動に加えてダンパ機能を持たせる、という技
術的手段を採用した。
【0013】次に第2の発明においては、中空円筒状に
形成したハウジングの中間部内面に、強磁性材料により
ハウジングの軸線を含む平面への投影形状を略H形に形
成したヨークを円周方向に複数個配設し、このヨークに
コイルを巻装して電磁石を形成すると共に、ヨークの各
開口端に空隙を介して異極を対向させてなる永久磁石を
設けて磁気回路を構成し、前記ハウジングの両端部内面
に各々ボールナットをリニアガイドを介して非回転かつ
軸方向移動自在に嵌挿し、ボールナットに螺合させたボ
ールねじの端部に導電材料により中空円筒状に形成した
ロータを固着し、これらのロータを前記空隙内に回転自
在に配設し、被振動体に設けたセンサの信号により電流
可変に前記コイルに通電し、前記空隙内に前記永久磁石
の磁界と同方向および逆方向の磁界を印加可能に構成し
て前記ロータの制動に加えてダンパ機能を持たせる、と
いう技術的手段を採用した。
形成したハウジングの中間部内面に、強磁性材料により
ハウジングの軸線を含む平面への投影形状を略H形に形
成したヨークを円周方向に複数個配設し、このヨークに
コイルを巻装して電磁石を形成すると共に、ヨークの各
開口端に空隙を介して異極を対向させてなる永久磁石を
設けて磁気回路を構成し、前記ハウジングの両端部内面
に各々ボールナットをリニアガイドを介して非回転かつ
軸方向移動自在に嵌挿し、ボールナットに螺合させたボ
ールねじの端部に導電材料により中空円筒状に形成した
ロータを固着し、これらのロータを前記空隙内に回転自
在に配設し、被振動体に設けたセンサの信号により電流
可変に前記コイルに通電し、前記空隙内に前記永久磁石
の磁界と同方向および逆方向の磁界を印加可能に構成し
て前記ロータの制動に加えてダンパ機能を持たせる、と
いう技術的手段を採用した。
【0014】上記の発明において、ロータはアルミニウ
ム又は銅のような金属材料で形成されるが、これらの一
部若しくは全部を半硬質磁性材料によって形成すること
もできる。
ム又は銅のような金属材料で形成されるが、これらの一
部若しくは全部を半硬質磁性材料によって形成すること
もできる。
【0015】すなわち上記の発明において使用し得る半
硬質磁性材料としては、焼入鋼(磁石鋼より稍低目のC
量を有する炭素鋼、Cr鋼、Co鋼を400〜500℃
で焼戻し)、α/γ変態型合金(Fe−Cr−V(C
r)系合金、Fe−Mn系合金(Co,Ni,Ti,C
rを添加したものを含む)、Fe−Ni系合金)、アル
ニコ系合金(Fe−Ni−AlあるいはFe−Co−N
i−Al系合金のうち高い保磁力を有する組成を外れた
もの)、析出型合金(高Co−Fe系合金、Fe−Cu
系合金、Fe−Mo−Co系合金)等を使用することが
できる。上記半硬質磁性材料のうち、Fe−Cr−Co
系合金(例えば特公昭53−35536号、同55−3
0052号公報参照)が好ましい。
硬質磁性材料としては、焼入鋼(磁石鋼より稍低目のC
量を有する炭素鋼、Cr鋼、Co鋼を400〜500℃
で焼戻し)、α/γ変態型合金(Fe−Cr−V(C
r)系合金、Fe−Mn系合金(Co,Ni,Ti,C
rを添加したものを含む)、Fe−Ni系合金)、アル
ニコ系合金(Fe−Ni−AlあるいはFe−Co−N
i−Al系合金のうち高い保磁力を有する組成を外れた
もの)、析出型合金(高Co−Fe系合金、Fe−Cu
系合金、Fe−Mo−Co系合金)等を使用することが
できる。上記半硬質磁性材料のうち、Fe−Cr−Co
系合金(例えば特公昭53−35536号、同55−3
0052号公報参照)が好ましい。
【0016】また永久磁石としては、コイルおよびうず
電流による減磁界に対抗するため、保磁力の大なるもの
が望ましく、例えば希土類永久磁石を使用することが好
ましい。
電流による減磁界に対抗するため、保磁力の大なるもの
が望ましく、例えば希土類永久磁石を使用することが好
ましい。
【0017】
【作用】ロータを配設する空隙内の磁界を、ヨークに巻
装したコイルに通電することによって可変に制御するこ
とにより、被振動体に対する制振作用若しくは免振作用
を的確にすることができる。
装したコイルに通電することによって可変に制御するこ
とにより、被振動体に対する制振作用若しくは免振作用
を的確にすることができる。
【0018】またロータの一部若しくは全部を半硬質磁
性材料によって形成した場合には、半硬質磁性材料に固
有の磁気ヒステリシスのために、永久磁石による磁化よ
りも遅れて進む磁束を生じ、この遅れによってロータに
制動トルクを発生する。この制動トルクは半硬質磁性材
料に固有の磁気ヒステリシスループの面積に略比例す
る。
性材料によって形成した場合には、半硬質磁性材料に固
有の磁気ヒステリシスのために、永久磁石による磁化よ
りも遅れて進む磁束を生じ、この遅れによってロータに
制動トルクを発生する。この制動トルクは半硬質磁性材
料に固有の磁気ヒステリシスループの面積に略比例す
る。
【0019】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す縦断面図、図2
および図4は各々図1におけるA−A線断面図およびB
−B線断面拡大図、図3は図2におけるC部拡大図であ
る。これらの図において、1はハウジングであり、例え
ば軟鋼により中空円筒状に形成する。2はヨークであ
り、軟鋼等の強磁性材料により、ハウジング1の軸線を
含む平面への投影形状を略コ字形若しくは略U字状に形
成し、ハウジング1の内周面に、円周方向に等間隔に4
対固着する。
および図4は各々図1におけるA−A線断面図およびB
−B線断面拡大図、図3は図2におけるC部拡大図であ
る。これらの図において、1はハウジングであり、例え
ば軟鋼により中空円筒状に形成する。2はヨークであ
り、軟鋼等の強磁性材料により、ハウジング1の軸線を
含む平面への投影形状を略コ字形若しくは略U字状に形
成し、ハウジング1の内周面に、円周方向に等間隔に4
対固着する。
【0020】次に4は永久磁石であり、例えばSmCo
5 系磁石(日立金属製H−18B)によりアーク状に形
成し、空隙5を介しかつ異極を対向させて、エポキシ系
接着剤を介し前記ヨーク2の開口端の内面に固着する。
なお永久磁石4は例えば4対を円周方向等間隔に配設
し、かつ隣接する極性が相互に異なる磁極が表面に現れ
るように配設する。3はコイルであり、ヨーク2に巻装
すると共に、制御装置を介して直流電源(何れも図示せ
ず)と電流可変に接続する。なお上記制御装置は被振動
体に設けたセンサ(何れも図示せず)の信号によって作
動可能のように構成する。
5 系磁石(日立金属製H−18B)によりアーク状に形
成し、空隙5を介しかつ異極を対向させて、エポキシ系
接着剤を介し前記ヨーク2の開口端の内面に固着する。
なお永久磁石4は例えば4対を円周方向等間隔に配設
し、かつ隣接する極性が相互に異なる磁極が表面に現れ
るように配設する。3はコイルであり、ヨーク2に巻装
すると共に、制御装置を介して直流電源(何れも図示せ
ず)と電流可変に接続する。なお上記制御装置は被振動
体に設けたセンサ(何れも図示せず)の信号によって作
動可能のように構成する。
【0021】6はステーパイプであり、例えば軟鋼によ
り中空円筒状に形成し、ハウジング1の左端面に同軸的
に固着する。次に7はアーム、8はシャフト、9は回り
止め、10はボールナットであり、夫々同軸的に組み合
わせ、滑り軸受11およびスラスト軸受12を介して前
記ハウジング1およびステーパイプ6内に同軸的に挿入
する。すなわちアーム7、回り止め9およびボールナッ
ト10は一体に固着すると共に、シャフト8の中間部か
ら左端に亘ってボールねじ8aを刻設し、このボールね
じ8aとボールナット10とを螺合させる。従ってボー
ルナット10は非回転状態でステーパイプ6内を軸方向
移動可能であり、ボールナット10の軸方向移動によ
り、シャフト8が回転するように形成されている。
り中空円筒状に形成し、ハウジング1の左端面に同軸的
に固着する。次に7はアーム、8はシャフト、9は回り
止め、10はボールナットであり、夫々同軸的に組み合
わせ、滑り軸受11およびスラスト軸受12を介して前
記ハウジング1およびステーパイプ6内に同軸的に挿入
する。すなわちアーム7、回り止め9およびボールナッ
ト10は一体に固着すると共に、シャフト8の中間部か
ら左端に亘ってボールねじ8aを刻設し、このボールね
じ8aとボールナット10とを螺合させる。従ってボー
ルナット10は非回転状態でステーパイプ6内を軸方向
移動可能であり、ボールナット10の軸方向移動によ
り、シャフト8が回転するように形成されている。
【0022】次に17はリニアガイドであり、ハウジン
グ1と回り止め9との間に介装させる。リニアガイド1
7は、図3に拡大して示すように、ハウジング1の内面
に軸方向に平行に設けられたガイド18と、回り止め9
の外周に設けられ、横断面U字状に形成されたガイド部
材19とからなり、ガイド部材19にはホルダー(図示
せず)によって保持された複数列のボール20が介装さ
れて、ガイド18とガイド部材19との間を転動可能に
構成されている。
グ1と回り止め9との間に介装させる。リニアガイド1
7は、図3に拡大して示すように、ハウジング1の内面
に軸方向に平行に設けられたガイド18と、回り止め9
の外周に設けられ、横断面U字状に形成されたガイド部
材19とからなり、ガイド部材19にはホルダー(図示
せず)によって保持された複数列のボール20が介装さ
れて、ガイド18とガイド部材19との間を転動可能に
構成されている。
【0023】次に13は保持部材であり、外周を円筒面
に形成してシャフト8の右端に固着し、この保持部材1
3の外周に中空円筒状に形成したロータ14を固着す
る。なおロータ14はアルミニウム合金によって形成
し、前記永久磁石4,4間に形成される空隙5内におい
て回転可能なように形成する。15は金具であり、各々
アーム7およびヨーク2とピン16を介して回転自在に
接続する。
に形成してシャフト8の右端に固着し、この保持部材1
3の外周に中空円筒状に形成したロータ14を固着す
る。なおロータ14はアルミニウム合金によって形成
し、前記永久磁石4,4間に形成される空隙5内におい
て回転可能なように形成する。15は金具であり、各々
アーム7およびヨーク2とピン16を介して回転自在に
接続する。
【0024】上記構成により、1対の金具15,15を
各々可動側および固定側の構成部材に接続し、図1にお
いてアーム7とステーパイプ6との間に左右方向の振動
若しくは相対移動を付与すると、ボールナット10とボ
ールねじ8aとの螺合により、シャフト8が回転する。
従ってシャフト8に固着した保持部材13も回転し、ロ
ータ14は永久磁石4,4間に形成された空隙5内にお
いて回転する。ロータ14を形成するFe−Cr−Co
系合金は導電性材料であるため、上記回転によりロータ
14内にはうず電流が発生する。そしてこのうず電流に
よって誘起される磁界は、前記永久磁石4による磁界と
逆方向に作用するから、ロータ14に制動作用が発生す
る。
各々可動側および固定側の構成部材に接続し、図1にお
いてアーム7とステーパイプ6との間に左右方向の振動
若しくは相対移動を付与すると、ボールナット10とボ
ールねじ8aとの螺合により、シャフト8が回転する。
従ってシャフト8に固着した保持部材13も回転し、ロ
ータ14は永久磁石4,4間に形成された空隙5内にお
いて回転する。ロータ14を形成するFe−Cr−Co
系合金は導電性材料であるため、上記回転によりロータ
14内にはうず電流が発生する。そしてこのうず電流に
よって誘起される磁界は、前記永久磁石4による磁界と
逆方向に作用するから、ロータ14に制動作用が発生す
る。
【0025】一方上記ロータ14の回転により、円周方
向においてN,S交番磁界が印加されるから、ロータ1
4には磁気ヒステリシスが生じ、磁気ヒステリシスルー
プの面積に相当するヒステリシス損がロータ14の制動
力として作用する。すなわちアーム7の水平方向の移動
をうず電流損に加えてヒステリシス損を重畳させて制動
することができ、ダンパとして機能させ得るのである。
向においてN,S交番磁界が印加されるから、ロータ1
4には磁気ヒステリシスが生じ、磁気ヒステリシスルー
プの面積に相当するヒステリシス損がロータ14の制動
力として作用する。すなわちアーム7の水平方向の移動
をうず電流損に加えてヒステリシス損を重畳させて制動
することができ、ダンパとして機能させ得るのである。
【0026】この場合において、振動が始まった瞬間に
おいて、センサ(図示せず)の信号により、制御装置を
介して直流電源(何れも図示せず)からコイル3に直流
電流を通電して、コイル3に通電する直流電流の大きさ
および方向を制御する。従って前記永久磁石による空隙
5内の磁界強度をBとすると、コイル3への直流電流の
大きさ方向を制御することによって、空隙5内の磁界強
度を0〜2Bの範囲で変化させることができる。従って
同一の磁界強度範囲を電磁石のみの構成で行うものと比
較して装置全体をコンパクトにすることができる。
おいて、センサ(図示せず)の信号により、制御装置を
介して直流電源(何れも図示せず)からコイル3に直流
電流を通電して、コイル3に通電する直流電流の大きさ
および方向を制御する。従って前記永久磁石による空隙
5内の磁界強度をBとすると、コイル3への直流電流の
大きさ方向を制御することによって、空隙5内の磁界強
度を0〜2Bの範囲で変化させることができる。従って
同一の磁界強度範囲を電磁石のみの構成で行うものと比
較して装置全体をコンパクトにすることができる。
【0027】上記のようなセミアクティブ制御を行う場
合において、ボールナット10には回転力が付与される
から、回り止め9がアーム7の軸方向移動を円滑に遂行
するために有効に作用するが、本発明においては回り止
め9とハウジング1との間にリニアガイド17を介装し
ているため、アーム7の移動による摩擦抵抗を小さくす
ることができることが特徴である。すなわち回り止め9
とハウジング1との係合を従来公知の摺動係合とした場
合には、上記回転力の作用によって回り止め9とハウジ
ング1との間には摩擦抵抗が存在するため、この摩擦抵
抗が制動力として作用することになる。
合において、ボールナット10には回転力が付与される
から、回り止め9がアーム7の軸方向移動を円滑に遂行
するために有効に作用するが、本発明においては回り止
め9とハウジング1との間にリニアガイド17を介装し
ているため、アーム7の移動による摩擦抵抗を小さくす
ることができることが特徴である。すなわち回り止め9
とハウジング1との係合を従来公知の摺動係合とした場
合には、上記回転力の作用によって回り止め9とハウジ
ング1との間には摩擦抵抗が存在するため、この摩擦抵
抗が制動力として作用することになる。
【0028】上記摩擦抵抗による制動力は、回転力の大
きさおよび振動数によって変動するから、ダンパ機能を
制御する場合において極めて不都合である。この点本発
明においては、リニアガイド17により、上記摩擦抵抗
の影響を排除し、ダンパとしての制動力を高精度で制御
することができるのである。
きさおよび振動数によって変動するから、ダンパ機能を
制御する場合において極めて不都合である。この点本発
明においては、リニアガイド17により、上記摩擦抵抗
の影響を排除し、ダンパとしての制動力を高精度で制御
することができるのである。
【0029】図5は本発明の他の実施例におけるハウジ
ングを示す要部縦断面図であり、同一部分は前記図1な
いし図4と同一の参照符号で示す。図5において、ヨー
ク2は強磁性材料により、ハウジング1の軸線を含む平
面への投影形状を略エ字形若しくはH形に形成し、両端
の開口端に各々空隙5を介して異極を対向させてなる永
久磁石4を設けると共に、ハウジング1の中間部に固着
する。そして上記永久磁石4によって形成される空隙5
内には前記実施例と同一構成のロータを初めとする構成
部材を左右1対配設する。
ングを示す要部縦断面図であり、同一部分は前記図1な
いし図4と同一の参照符号で示す。図5において、ヨー
ク2は強磁性材料により、ハウジング1の軸線を含む平
面への投影形状を略エ字形若しくはH形に形成し、両端
の開口端に各々空隙5を介して異極を対向させてなる永
久磁石4を設けると共に、ハウジング1の中間部に固着
する。そして上記永久磁石4によって形成される空隙5
内には前記実施例と同一構成のロータを初めとする構成
部材を左右1対配設する。
【0030】上記構成により前記実施例と同様な制動作
用を期待できるが、本実施例におけるようにロータを初
めとする可動部材を左右1対設けることにより、可動部
材と静止部材との相対速度を1/2とすることができ、
より大荷重を印加でき、および/または装置全体を小型
化することが可能である。
用を期待できるが、本実施例におけるようにロータを初
めとする可動部材を左右1対設けることにより、可動部
材と静止部材との相対速度を1/2とすることができ、
より大荷重を印加でき、および/または装置全体を小型
化することが可能である。
【0031】上記の実施例においては、永久磁石4を円
周方向に4対設けた例を示したが、制動トルクその他を
勘案して任意の設置個数を選定できる。また永久磁石4
の形状はアーク状のみならず、直方体状とすることもで
きる。
周方向に4対設けた例を示したが、制動トルクその他を
勘案して任意の設置個数を選定できる。また永久磁石4
の形状はアーク状のみならず、直方体状とすることもで
きる。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上記述のような構成および作
用であるから、磁界発生部材を電磁石のみによって構成
したものと比較して装置全体を小型化若しくはコンパク
ト化することができると共に,永久磁石によってフェイ
ルセーフの役目も果たしている。すなわち永久磁石と電
磁石とのハイブリッド型式としたことにより、かつリニ
アガイドにより摩擦抵抗の影響を排除したことにより、
コイルの電気的容量を1/2とすることができ、冷却機
構が不要となると共に、コイルのインダクタンスが小と
なり、時定数が小さく、立ち上がりが早いため、応答性
および制御性を向上させることができる。また直流電源
も小容量のもので充分に作動させ得る。
用であるから、磁界発生部材を電磁石のみによって構成
したものと比較して装置全体を小型化若しくはコンパク
ト化することができると共に,永久磁石によってフェイ
ルセーフの役目も果たしている。すなわち永久磁石と電
磁石とのハイブリッド型式としたことにより、かつリニ
アガイドにより摩擦抵抗の影響を排除したことにより、
コイルの電気的容量を1/2とすることができ、冷却機
構が不要となると共に、コイルのインダクタンスが小と
なり、時定数が小さく、立ち上がりが早いため、応答性
および制御性を向上させることができる。また直流電源
も小容量のもので充分に作動させ得る。
【0033】更にロータ若しくは可動板の一部若しくは
全部を半硬質磁性材料で形成すると、従来のうず電流に
よる制動力に加えて、磁気ヒステリシスによる制動力を
重畳させることができ、装置全体を小型化することがで
きると共に優れた制動機能若しくは制振機能を発揮させ
得るという効果がある。
全部を半硬質磁性材料で形成すると、従来のうず電流に
よる制動力に加えて、磁気ヒステリシスによる制動力を
重畳させることができ、装置全体を小型化することがで
きると共に優れた制動機能若しくは制振機能を発揮させ
得るという効果がある。
【図1】本発明の実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】図2におけるC部拡大図である。
【図4】図1におけるB−B線断面図である。
【図5】本発明の他の実施例におけるハウジングを示す
要部縦断面図である。
要部縦断面図である。
1 ハウジング 2 ヨーク 3 コイル 4 永久磁石 8a ボールねじ 10 ボールナット 14 ロータ 17 リニアガイド
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 15/00 - 15/32 E04H 9/02 341 G06F 1/16 G12B 9/08
Claims (2)
- 【請求項1】 中空円筒状に形成したハウジングの内周
面に、強磁性材料によりハウジングの軸線を含む平面へ
の投影形状を略U字形に形成したヨークを円周方向に複
数個配設し、このヨークにコイルを巻装して電磁石を形
成すると共に、ヨークの開口端に空隙を介して異極を対
向させてなる永久磁石を設けて磁気回路を構成し、前記
ハウジングのヨーク開口端側の端部内面にボールナット
をリニアガイドを介して非回転かつ軸方向移動自在に嵌
挿し、ボールナットに螺合させたボールねじの端部に導
電材料により中空円筒状に形成したロータを固着し、こ
のロータを前記空隙内に回転自在に配設し、被振動体に
設けたセンサの信号により電流可変に前記コイルに通電
し、前記空隙内に前記永久磁石の磁界と同方向および逆
方向の磁界を印加可能に構成し、前記ロータの制動に加
えてダンパ機能を持たせたことを特徴とする回転型制振
装置。 - 【請求項2】 中空円筒状に形成したハウジングの中間
部内面に、強磁性材料によりハウジングの軸線を含む平
面への投影形状を略H形に形成したヨークを円周方向に
複数個配設し、このヨークにコイルを巻装して電磁石を
形成すると共に、ヨークの各開口端に空隙を介して異極
を対向させてなる永久磁石を設けて磁気回路を構成し、
前記ハウジングの両端部内面に各々ボールナットをリニ
アガイドを介して非回転かつ軸方向移動自在に嵌挿し、
ボールナットに螺合させたボールねじの端部に導電材料
により中空円筒状に形成したロータを固着し、これらの
ロータを前記空隙内に回転自在に配設し、被振動体に設
けたセンサの信号により電流可変に前記コイルに通電
し、前記空隙内に前記永久磁石の磁界と同方向および逆
方向の磁界を印加可能に構成し、前記ロータの制動に加
えてダンパ機能を持たせたことを特徴とする回転型制振
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3034899A JP2957014B2 (ja) | 1991-03-01 | 1991-03-01 | 回転型制振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3034899A JP2957014B2 (ja) | 1991-03-01 | 1991-03-01 | 回転型制振装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04277345A JPH04277345A (ja) | 1992-10-02 |
JP2957014B2 true JP2957014B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=12427036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3034899A Expired - Fee Related JP2957014B2 (ja) | 1991-03-01 | 1991-03-01 | 回転型制振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2957014B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100396953C (zh) * | 2005-07-29 | 2008-06-25 | 毕国忠 | 车用磁浮柔性减振器 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4142946B2 (ja) * | 2002-12-18 | 2008-09-03 | カヤバ工業株式会社 | 車両用電磁緩衝器 |
-
1991
- 1991-03-01 JP JP3034899A patent/JP2957014B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100396953C (zh) * | 2005-07-29 | 2008-06-25 | 毕国忠 | 车用磁浮柔性减振器 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04277345A (ja) | 1992-10-02 |
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