JP2955140B2 - Led光源の車両用灯具 - Google Patents

Led光源の車両用灯具

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JP2955140B2
JP2955140B2 JP4351730A JP35173092A JP2955140B2 JP 2955140 B2 JP2955140 B2 JP 2955140B2 JP 4351730 A JP4351730 A JP 4351730A JP 35173092 A JP35173092 A JP 35173092A JP 2955140 B2 JP2955140 B2 JP 2955140B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用灯具に関するもの
であり、詳細にはLED(発光ダイオード)を光源とす
る車両用灯具の構成に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ドーム型などと称されている略釣
り鐘状のパッケージングが行われているLED80を光
源として車両用灯具90を形成する場合に、その車両用
灯具90が補助制動灯などであり、それほどの発光面積
が要求されないときには、図5に示すように前記LED
80を比較的に密なピッチで一列の列状に配置して線光
源81とし、前面を適宜なレンズ91で覆うものとして
形成していた。
【0003】尚、このときに前記LED80を列状に配
置し線光源81とするときのピッチP設定の基準として
は、レンズ91面の輝度ムラを少なくするために図6に
示すように前記LED80が有する主照射角α(輝度が
最大値に対して半減する角度)が前記レンズ91で重な
るように設定するものとされているが、前記したパッケ
ージングにおいては前記主照射角αは略20°程度と狭
いものであるので、前記したピッチPは必然的に狭いも
のとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同じL
ED80を光源として広い発光面積が要求される例えば
尾灯/制動灯を形成しようとしたときには、上記に説明
した狭いピッチPで縦横列に配置しなければならないも
のとなり、LED80の数が膨大なものとなって車両用
灯具がコストアップする問題点を生じると共に、点灯時
の発熱量も増大して、例えば中心部など温度上昇の著し
い部分に輝度低下を生じて輝度ムラを生じたり、更には
LED80の破壊を生じるなど信頼性の面でも問題点を
生じ、これらの点の解決が課題とされるものとなってい
た。
【0004】また、前記LED80を光源として採用す
る理由の一つに、車両用灯具90の薄型化が可能である
点が挙げられるが、この薄型化が行われたことで点灯し
た状態での奥行感が例えば白熱電球を光源とした車両用
灯具と比較して不足するものとなり、品質感が不足し商
品性が劣るものとなると言う問題点も生じるものとなっ
ていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の
課題を解決するための具体的な手段として、LEDを光
源とする車両用灯具において、前記車両用灯具は、ハウ
ジングの底面に照射方向と対峙する方向として設けられ
た平面鏡と、前記ハウジングの上下又は左右の何れかの
二辺の前端に列状に配置され発光方向を前記平面鏡に向
かう線光源として配設されたLEDと、前記平面鏡と前
記線光源との中間に照射方向側を凸とするように湾曲し
て配置され前記線光源と直交する断面方向に複数の屈折
角を有するリニアプリズムカットが施された第一インナ
ーレンズと、前記平面鏡に略密着して設けられ前記第一
インナーレンズと同様なリニアプリズムカットが施され
た第二インナーレンズとから成ることを特徴とするLE
D光源の車両用灯具を提供することで、LEDの使用の
数の低減を可能とすると共に点灯時に奥行感の得られる
ものとして課題を解決するものである。
【0006】
【実施例】つぎに、本発明を図に示す一実施例に基づい
て詳細に説明する。図1に符号1で示すものは本発明に
係る車両用灯具であり、この車両用灯具1のハウジング
2は底面の内面が照射方向に対峙する平面に形成され且
つその平面に例えばアルミ蒸着が行われるなどして平面
鏡3とされている。
【0007】また、前記ハウジング2の上下又は左右の
何れかの二辺(この実施例においては上下の二辺の例で
示してある)にはLED4aが列状に整列された線光源
4が配置されるものとされているが、このときに前記線
光源4は前記平面鏡3の側に発光方向を向かわせるもの
とされている。尚、このときに前記線光源4の夫々はハ
ウジング2の上辺に配置されたものは発光方向をやや下
向きとし、下辺に配置されたものは発光方向をやや上向
きとするように偏寄されるものとなるが、この偏寄の量
は例えばハウジング2の上下幅などにより最適値が異な
るものとなるので、実際の実施時に決定することが好ま
しい。
【0008】更に、前記ハウジング2には第一インナー
レンズ5と第二インナーレンズ6との二枚のインナーレ
ンズが取付けられるものとされているが、ここで前記第
一インナーレンズ5と第二インナーレンズ6とには同じ
形状のプリズムカットが施された同じ構成のプリズム板
5aが採用されているので、先ず、前記プリズム板5a
の構成から説明を行う。
【0009】図2に示すものは前記プリズム板5aの要
部を拡大して示すものであり、このプリズム板5aは前
記線光源4と直交する断面では、何れか一方の面が異な
る屈折角を有する屋根型プリズムの複数を積み重ねるよ
うにして組合せた多面プリズムとして形成されているも
のであり、且つこの形状が前記線光源4の列方向には平
行移動されてリニアプリズムカット5bが形成されるも
のとされている。
【0010】上記の構成とされたプリズム板5aは第一
インナーレンズ5においては、前記平面鏡3と線光源4
との中間で車両用灯具1の照射方向側を凸とするように
湾曲して配置されるものであり、第二インナーレンズ6
においては前記平面鏡3に略密着して配置されるものと
されている。尚、前記第一インナーレンズ5に湾曲が行
われるのは線光源4からの光を効率良く透過させるため
である。尚、図1中に符号7で示すものは、例えば赤色
の透明部材で形成されたアウターレンズである。
【0011】次いで、上記の構成とした車両用灯具1の
作用について説明を行う。図3に示すものは前記車両用
灯具1中における線光源4からの光線の進行状態を垂直
断面で単純化して示すものであり、例えば上辺側に設け
られた前記線光源4から発せられる一方向の光線は前記
第一インナーレンズ5に達し、リニアプリズムカット5
bにより車両用灯具1の垂直方向で複数方向に分割され
て、この第一インナーレンズ5を透過する。
【0012】前記した分割が行われた光線の夫々は前記
第二インナーレンズ6に達して再度分割が行われて透過
し、前記平面鏡3により全反射して再度第二インナーレ
ンズ6を透過し再再度の分割が行われて第一インナーレ
ンズ5に達し、この第一インナーレンズ5を透過する際
には再々再度の分割が行われて車両用灯具1の照射方向
に向かうものとなる。尚、この作用は下辺側に設けられ
た前記線光源4に対しても全く同様に行われる。また、
前記リニアプリズムカット5bは入射角によっては全反
射を行う場合もある。
【0013】上記のように前記線光源4からの光線に対
し再々再度に渡る垂直方向への分割が行われることは、
前記線光源4からの光線は垂直方向、即ち、車両用灯具
1の上下方向に拡散されるものとなり、現実には前記線
光源4からは上記に説明した垂直断面においても放射状
に方向の異なる光線を照射しているものであるので、そ
れらが拡散されたものが重複され、線状である線光源4
からの光は面状に変換されるものとなるのである。
【0014】ここで、前記車両用灯具1を照射方向側か
ら見たときの状態について考察すれば、例えば上辺側に
設けられた線光源4からの光線がこの線光源4に比較的
に近い位置に折り返して照射方向に放射されるときに
は、その放射までに経由する平均の光路長は比較的に短
い(最短では前記線光源4から平面鏡3までの距離の略
2倍で放射されるものとなる)ものであるのに対して、
線光源4からの位置が離れる、即ち下方に行くに従って
光路長は長いものとなる。
【0015】よって、車両用灯具1を照射方向側から見
たときには、上辺側に設けられた線光源4からの光線の
拡散されたものは図4に曲線4Uで示すように恰も下方
に行くに従い後方に引込むように観視されるものとな
り、下辺側に設けられた線光源4からの光線の拡散され
たものは図中に曲線4Dで示すように恰も上方に行くに
従い後方に引込むように観視されるものとなる。
【0016】このときに生じる奥行感は前記平面鏡3で
光線を往復させていることで光路長が延長されて強調さ
れるものとなり、前記ハウジング2の奥行を遥かに越え
るものとなると共に、二面の光の面が交差すると言う全
くに新しい車両用灯具1の発光状態が提供できるものと
なる。尚、上記の実施例は上下の二辺に線光源4を設け
た例で説明したが、これは左右の二辺に設けるものとし
ても良いものであることは言うまでもない。
【0017】
【発明の効果】以上に説明したように本発明により、ハ
ウジングの底面に照射方向と対峙する方向として設けら
れた平面鏡と、前記ハウジングの上下又は左右の何れか
の二辺の前端に列状に配置され発光方向を前記平面鏡に
向かう線光源として配設されたLEDと、前記平面鏡と
前記線光源との中間に照射方向側を凸とするように湾曲
して配置され前記線光源と直交する断面方向に複数の屈
折角を有するリニアプリズムカットが施された第一イン
ナーレンズと、前記平面鏡に略密着して設けられ前記第
一インナーレンズと同様なリニアプリズムカットが施さ
れた第二インナーレンズとから成るLED光源の車両用
灯具としたことで、上下又は左右の何れかの二辺に配置
した二箇所の線光源で車両用灯具の全面を発光させるこ
とを可能とし、これによりLEDの使用総数を低減し
て、この種の車両用灯具のコストダウンと信頼性の向上
とに極めて優れた効果を奏するものである。
【0018】また、上記の構成、特に平面鏡により光路
をハウジング内で往復させる構成としたことで光路長を
長いものとして設定することを可能とし、これにより車
両用灯具に点灯状態での奥行感を与えることを可能とし
商品性の向上にも優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るLED光源の車両用灯具の一実
施例を示す断面図である。
【図2】 同じ実施例の要部を示す斜視図である。
【図3】 同じ実施例の作用を示す説明図である。
【図4】 同じ実施例の点灯状態を示す説明図である。
【図5】 従来例を示す斜視図である。
【図6】 図5のA―A線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1……車両用灯具 2……ハウジング 3……平面鏡 4……線光源 4a……LED 5……第一インナーレンズ 5a……プリズム板、5b……リニアプリズムカット 6……第二インナーレンズ 7……アウターレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F21Q 1/00 F21M 3/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LEDを光源とする車両用灯具におい
    て、前記車両用灯具は、ハウジングの底面に照射方向と
    対峙する方向として設けられた平面鏡と、前記ハウジン
    グの上下又は左右の何れかの二辺の前端に列状に配置さ
    れ発光方向を前記平面鏡に向かう線光源として配設され
    たLEDと、前記平面鏡と前記線光源との中間に照射方
    向側を凸とするように湾曲して配置され前記線光源と直
    交する断面方向に複数の屈折角を有するリニアプリズム
    カットが施された第一インナーレンズと、前記平面鏡に
    略密着して設けられ前記第一インナーレンズと同様なリ
    ニアプリズムカットが施された第二インナーレンズとか
    ら成ることを特徴とするLED光源の車両用灯具。
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