JP2953428B2 - 楕円ステップホーン - Google Patents

楕円ステップホーン

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JP2953428B2
JP2953428B2 JP12228697A JP12228697A JP2953428B2 JP 2953428 B2 JP2953428 B2 JP 2953428B2 JP 12228697 A JP12228697 A JP 12228697A JP 12228697 A JP12228697 A JP 12228697A JP 2953428 B2 JP2953428 B2 JP 2953428B2
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▲吉▼秀 宮田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楕円開口の反射鏡
を効率よく照射するための、楕円形状の開口を有する楕
円ステップホーンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、楕円開口の反射鏡を効率よく照射
するための一次放射器として楕円コルゲートホーンが用
いられている。例えば従来の楕円コルゲートホーンとし
ては、特開平3−4128号公報及び特開平2−260
703号公報に提案されたものがある。
【0003】楕円コルゲートホーンでは、長軸方向に電
界を励振した場合(even Mode)のE面(電界ベクトル
を含む面)であるe−E面と、短軸方向に電界を励振し
た場合(odd Mode)のH面(磁界ベクトルを含む面)で
あるo−H面とのビーム幅及び、even ModeのH面であ
るe−H面と、odd ModeのE面であるo−E面とのビー
ム幅が一致するという特徴がある。ところが、コルゲー
トホーン内部の周上には、自由空間波長をλとすると、
λ/4の幅の溝が同心円状に形成されているので、コル
ゲートホーンは、外形が大きくなり、重量が重くなると
いう欠点を有している。
【0004】一方、一般的な楕円ホーンアンテナでは、
e−E面とo−H面とのビーム幅及び、e−H面とo−
E面とのビーム幅が異なり、且つ、各E面のパターンに
はサイドローブが発生するため、ホーンアンテナとして
の効率が低い。さらに、長軸方向と短軸方向とでは伝搬
定数が異なるため、楕円ホーンアンテナの開口面での位
相差が発生する。この位相差を補正する手段としては、
特開昭63−176004号公報及び特開昭56−16
5404号公報などに提案されているが、E面とH面と
のビーム幅を一致させ、サイドローブを抑える手段では
ない。
【0005】楕円コルゲートホーンを試作した例とし
て、「2.6GHz帯放送衛星搭載用だ円ホーンアンテ
ナの基礎検討」(山田正源,1996年テレビジョン学会年
次大会,16-6)が挙げられる。これは、断面形状が円形
のステップの後に楕円ホーンを結合したものであるが、
低サイドローブ特性の周波数帯域が狭く、長軸と短軸と
の位相差特性が良くない。
【0006】楕円ホーンの、円形ホーンと異なる特徴と
しては、長軸方向に電界を励振した場合(even Mode)
と、短軸方向に電界を励振した場合(odd Mode)とでは
伝搬定数が異なるということがある。また、開口が楕円
形状であるため、長軸方向のビーム幅と、短軸方向のビ
ーム幅とが異なっていて、短軸方向のビーム幅よりも長
軸方向のビーム幅が狭くなる。
【0007】また、楕円ホーンにおいては、円形ホーン
と同じくTE11基本モードのみに着目するとE面のビー
ム幅がH面のビーム幅より狭く、サイドローブレベルが
高くなるという現象がある。この現象は、電界(E)方
向の振幅分布が一様であるのに対し、磁界(H)方向の
振幅分布が正弦波状であり、且つ、導波管との境界で電
界成分が0(ゼロ)となっていることによる。
【0008】上記のことに対応する手段として、E面と
H面とのビーム幅を一致させるために、楕円ホーンにコ
ルゲートやステップを備えることにより、TM11高次モ
ードを適当な量だけ発生させて、電界(E)方向の振幅
分布を磁界(H)方向の振幅分布に一致させることが行
われている。図2は、TE11基本モード及びTM11高次
モードの電界分布、並びに、TE11基本モードとTM11
高次モードとが合成されて発生したHE11モードの電界
分布を示す図である。
【0009】図3は、従来の楕円ステップホーンを示す
側面図及び正面図である。図3の(a)が側面図であ
り、図3の(a)では中心線より上半分が断面になって
いる。図3の(b)が、図3の(a)の側面図を楕円ス
テップホーンの開口面側から見た正面図である。
【0010】従来の楕円ステップホーンは、図3に示す
ように接続導波管11の端部よりステップ部12とフレ
アー部13の順で連続して延びる管部材で構成されてい
る。フレアー部13は先端で楕円形状の開口面15を形
成するようにステップ部12との境界での内径を徐々に
拡大しながら延びている。ステップ部12は、接続導波
管11の内壁に対して段差となる段差部分14を有して
いて、段差部分14の接続導波管11側の端部の位置
が、TM11高次モードを発生するステップ位置Pとなっ
ている。従来の楕円ステップホーンでは、ステップ位置
Pから開口面15までの距離が一定となっている。
【0011】ステップ部12の、楕円ステップホーンの
中心軸に対して垂直な方向の断面形状は円形であり、接
続導波管11との接続面から、ステップ位置Pを含む面
に向って円形の断面形状が連続的に徐々に拡大してい
る。ステップ位置Pを含む面からフレアー部13との境
界面までの段差部分14では、断面形状が均一な円形と
なっている。フレアー部13の断面形状は、ステップ部
12との境界面の円形からフレアー部13の楕円形状の
開口面15に向い、連続的に変化しながら徐々に拡大し
ている。
【0012】このような従来の楕円ステップホーンにお
ける電磁波の伝搬について説明すると、TM11高次モー
ドが、ステップ位置Pで発生して開口面15に向う方向
に伝搬され、TE11基本モードと合成されて開口面15
から放射される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た「2.6GHz帯放送衛星搭載用だ円ホーンアンテナ
の基礎検討」での楕円コルゲートホーンを2.6GHz
帯で実現しようとすると、楕円コルゲートホーンの重量
が10kg以上となり、楕円コルゲートホーンは人工衛
星搭載用として重すぎるという問題点がある。また、こ
の2.6GHz帯楕円ホーンアンテナでは、長短軸での
位相差特性が良好でないため、円偏波を励振した時に軸
比(交差偏波識別度)が劣化するという欠点がある。さ
らに、e−E面とo−H面とのビーム幅及び、e−H面
とo−E面とのビーム幅が一致する周波数帯域が狭いと
いう欠点がある。
【0014】次に、従来の技術における図3に示した楕
円ステップホーンの問題点について説明する。楕円ステ
ップホーンの短軸方向に着目すると、ステップ位置Pで
発生したTM11高次モードは、フレアー部13の開口面
15に向かう方向に伝搬され、TE11基本モードと位相
合成されてフレアー部13の開口面15から放射され
る。ここで、ステップ位置Pが楕円ステップホーンの短
軸方向でハイブリッド条件を満足していて、開口面15
から放射されるTE11基本モードとTM11高次モードと
の電気波長が合って両方のモードが同相となっていると
仮定する。この場合、E面のパターンはH面のパターン
とほぼ一致し、サイドローブレベルの低い良好な放射パ
ターンになる。一方、長軸方向に着目すると、長軸方向
におけるTE11基本モード及びTM11高次モードの伝搬
定数(位相)がそれぞれ、短軸方向における伝搬定数と
異なっている。従って、長軸方向では、ステップ位置P
で発生したTM11高次モードがフレアー部13まで搬さ
れTE11基本モードと合成されたとき、TE11基本モー
ドとTM11高次モードとの電気波長が合わず、ハイブリ
ッド条件を満足しないため、E面のビーム幅が大きく乱
れるという問題点がある。
【0015】上述したように、従来の楕円ステップホー
ンでは、楕円形状の開口面15における長軸方向でのス
テップ部12のステップ位置から開口面15までの距離
と、短軸方向でのステップ部12のステップ位置から開
口面15までの距離とが等しい。この場合、楕円ステッ
プホーンの開口面15における長軸または短軸のうち、
いずれか一方の軸方向でのE面とH面とのビーム幅を合
わせると、フレアー部13の楕円の非対称性によって、
他方の軸方向でのE面とH面とのビーム幅が一致しなく
なるという問題点がある。
【0016】本発明の目的は、上述した従来技術の問題
点に鑑み、楕円形状の開口面を有し、且つ、接続導波管
に対して段差となる段差部分を有する楕円ステップホー
ンにおいて、楕円ステップホーンの楕円形状の開口面に
おける長軸及び短軸のそれぞれの軸方向で、E面とH面
とのビーム幅を広帯域に渡り一致させ、低サイドローブ
特性を有する、高効率な楕円ステップホーンを提供する
ことにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、導波管の端部よりステップ部とフレアー部
の順で連続して延びる管部材からなり、該フレアー部は
先端で楕円形状の開口面を形成するように該ステップ部
との境界での内径を徐々に拡大しながら延びており、前
記ステップ部は前記導波管の内壁に対して段差部分を有
しており、該段差部分の前記導波管側の端部の位置が、
TM11高次モードを発生するステップ位置である楕円ス
テップホーンにおいて、前記ステップ部の前記段差部分
の内側の壁面が楕円柱形状であり、前記導波管内を前記
楕円ステップホーンに向かってTE 11 基本モードの電磁
波が伝搬する際に前記ステップ位置で発生したTM 11
次モードと、前記TE 11 基本モードとの電気波長が前記
楕円形状の開口面における長軸方向および短軸方向で合
うように、前記ステップ部のステップ位置は、前記フレ
アー部の楕円形状の開口面における長軸方向と、前記フ
レアー部の楕円形状の開口面における短軸方向とで異な
っていることを特徴とする。
【0018】また、前記ステップ部のステップ位置は、
前記フレアー部の楕円形状の開口面における長軸方向の
方が、前記フレアー部の楕円形状の開口面おける短軸方
向よりも前記フレアー部の開口面に近くにあることが好
ましい。
【0019】さらに、前記フレアー部の楕円形状の開口
面における長軸方向及び短軸方向での前記ステップ部の
ステップ位置は、前記長軸方向及び短軸方向での前記ス
テップ部のステップ位置から前記フレアー部の開口面ま
での距離をそれぞれL1及びL2とし、前記長軸方向及び
短軸方向のそれぞれの方向における前記段差部分及び前
記フレアー部の合計の管内波長をλ1及びλ2とすると、
【0020】
【数3】 の関係を満足していることが好ましい。
【0021】さらに、前記フレアー部の楕円形状の開口
面における長軸方向及び短軸方向を除く任意の径方向で
の前記ステップ部のステップ位置は、前記任意の径方向
での前記ステップ部のステップ位置から前記フレアー部
の開口面までの距離をL3とし、前記任意の径方向にお
ける前記段差部分及び前記フレアー部の合計の管内波長
をλ3とすると、
【0022】
【数4】 の関係を満足していることが好ましい。
【0023】上記のとおりの発明では、導波管の端部よ
りステップ部とフレアー部の順で連続して延びる管部材
からなり、前記フレアー部は楕円形状の開口面を有し、
前記ステップ部は前記導波管に対して段差部分を有した
楕円ステップホーンにおいて、前記ステップ部のステッ
プ位置は、前記フレアー部の楕円形状の開口面における
長軸方向と、前記フレアー部の楕円形状の開口面におけ
る短軸方向とで異なる位置に配置された。このような楕
円ステップホーンでは、前記ステップ位置が前記段差部
分の前記接続導波管側の端部の位置であり、このステッ
プ位置でTM11高次モードが発生するので、楕円形状の
開口面における長軸方向及び短軸方向で、TE11基本モ
ードとTM11高次モードとの電気波長を合わせることが
できる。この場合、楕円形状の開口面における長軸方向
に電界を励振した場合(even Mode)のE面と、短軸方
向に電界を励振した場合(odd Mode)のH面とのビーム
幅が広帯域に渡り一致すると共に、even ModeのH面
と、odd ModeのE面とのビーム幅も広帯域に渡り一致す
る。このように開口面の長軸方向及び短軸方向でTE 11
基本モードとTM11高次モードとが、ハイブリッド条件
を満足して位相合成されることによって、長軸及び短軸
のそれぞれの軸方向においてE面とH面とのビーム幅が
広帯域に渡り一致し、サイドローブレベルが抑えられ
る。その結果、広帯域に渡って、高効率で且つ軸比(交
差偏波識別度)が良好な楕円ステップホーンを得ること
ができる。また、この楕円ステップホーンを、円偏波を
発生させるために用いる場合でも、交差偏波の少ない良
好な特性を広帯域に渡り得ることができる。
【0024】また、前記ステップ部のステップ位置は、
前記フレアー部の楕円形状の開口面における長軸方向の
方が、前記フレアー部の楕円形状の開口面における短軸
方向よりも前記フレアー部の開口面に近くされた。この
場合では、楕円ステップホーンの内部で長軸方向の管内
波長が短軸方向の管内波長よりも小さいので、TE11
本モードとTM11高次モードとが、楕円形状の開口面に
おける長軸方向及び楕円方向でハイブリッド条件を満足
して位相合成される。その結果、広帯域に渡って、高効
率で且つ軸比(交差偏波識別度)が良好な楕円ステップ
ホーンを得ることができる。
【0025】さらに、前記フレアー部の楕円形状の開口
面における長軸方向及び短軸方向での、前記ステップ部
のステップ位置から前記フレアー部の開口面までの距離
をそれぞれL1及びL2とし、前記長軸方向及び短軸方向
のそれぞれの方向における前記段差部分及び前記フレア
ー部の合計の管内波長をλ1及びλ2とする。前記フレア
ー部の楕円形状の開口面における長軸方向及び短軸方向
での前記ステップ部のステップ位置は、
【0026】
【数5】 の関係を満足する位置に配置された。この場合、TE11
基本モードとTM11高次モードとが、楕円形状の開口面
における長軸方向及び楕円方向でハイブリッド条件を満
足して位相合成される。従って、広帯域に渡って、高効
率で且つ軸比(交差偏波識別度)が良好な楕円ステップ
ホーンが得られる。
【0027】さらに、前記フレアー部の楕円形状の開口
面における長軸方向及び短軸方向を除いた任意の径方向
での前記ステップ部のステップ位置から前記フレアー部
の開口面までの距離をL3とし、前記任意の径方向にお
ける前記段差部分及び前記フレアー部の合計の管内波長
をλ3とする。前記フレアー部の楕円形状の開口面にお
ける前記任意の径方向での前記ステップ部のステップ位
置は、
【0028】
【数6】 の関係を満足する位置に配置された。このことより、楕
円形状の開口面における長軸方向及び短軸方向以外の任
意の径方向でも、TE11基本モードとTM11高次モード
とを、ハイブリッド条件を満足させて位相合成させるこ
とができる。その結果、楕円形状の開口面における長軸
方向及び短軸方向以外のいずれの方向に対しても良好な
放射特性を有する楕円ステップホーンが得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0030】図1は、本発明の楕円ステップホーンの一
実施形態を示す図である。図1の(a)が、楕円ステッ
プホーンを開口面の長軸方向から見た側面図であり、図
1の(b)が、楕円ステップホーンを開口面の短軸方向
から見た側面図である。図1の(a)及び(b)では、
楕円ステップホーンの中心線より上半分が断面図となっ
ている。図1の(c)は、図1の(a)に示される側面
図を開口面側から見た正面図である。
【0031】本実施形態の楕円ステップホーンは、図1
に示すように接続導波管1の端部よりステップ部2とフ
レアー部3の順で連続して延びる管部材で構成されてい
る。フレアー部3は先端で楕円形状の開口面5を形成す
るようにステップ部2との境界での内径を徐々に拡大し
ながら延びている。ステップ部2は、接続導波管1の内
壁に対して段差となる段差部分4を有していて、段差部
分4の接続導波管1側の端部の位置が、TM11高次モー
ドが発生するステップ位置である。図1の(a)及び
(b)に示すように、フレアー部3の楕円形状の開口面
5における長軸方向でのステップ部2のステップ位置P
1が、短軸方向でのステップ部2のステップ位置P2より
も開口面5に近くなっている。
【0032】また、ステップ部2における段差部分4内
側の壁面は楕円柱形状となっている。ステップ部2の、
接続導波管1との接続面から任意のステップ位置までの
部分では、断面が円形である接続導波管1の一端が徐々
に拡大して延び、それぞれの位置に対応するステップ位
置で段差部分4に接続している。段差部分4内壁の形状
を規定する楕円柱の中心軸の延長線上に、開口面5の形
状を規定する楕円の中心がある。段差部分4内壁の楕円
柱における長軸方向及び短軸方向がそれぞれ、開口面5
の楕円における長軸及び短軸と平行となっている。次で
は、ステップ位置P1及びP2の位置関係について説明す
る。
【0033】ステップ位置P1及びP2から開口面5まで
の距離をそれぞれ、L1,L2とする。楕円ステップホー
ンの長軸方向における段差部分4及びフレアー部3の合
計の管内波長をλ1とし、短軸方向における段差部分4
及びフレアー部3の合計の管内波長をλ2とする。ステ
ップ位置P1及びP2は下記の式(1)の関係を満足する
位置に配置されている。
【0034】
【数7】
【0035】楕円ステップホーンの場合、長軸方向の管
内波長λ1と短軸方向の管内波長λ2との大小関係は下記
の式(2)の関係となっている。
【0036】
【数8】
【0037】従って、式(1)及び(2)の関係より、
長軸方向でのステップ位置P1は、短軸方向でのステッ
プ位置P2よりも開口面5に近くなる。ステップ位置P1
及びP2を除くステップ位置では、開口面5からの距離
がL1からL2の範囲で連続的に変化するように各々のス
テップ位置が配置されている。
【0038】ステップ位置P1及びP2が、式(1)の関
係を満足する位置に配置された楕円ステップホーンで
は、長軸方向に電界を励振した場合(even Mode)のE
面と、短軸方向に電界を励振した場合(odd Mode)のH
面とのビーム幅及び、even ModeのH面とodd ModeのE
面とのビーム幅がそれぞれ、広帯域に渡り一致する。
【0039】次に、このような楕円ステップホーンの動
作について説明する。接続導波管1内を楕円ステップホ
ーンに向かって伝搬してきたTE11基本モードの電磁波
は、ステップ位置P1及びP2を含むステップ位置でTM
11高次モードが発生して開口面5に向かって伝搬され
る。伝搬されたTM11高次モードの電磁波は、TE11
本モードの電磁波と位相合成され、開口面5から放射さ
れる。このとき、楕円ステップホーンの内部における伝
搬定数は、開口面5の長軸方向と短軸方向とで異なって
いるが、ステップ位置P1及びP2の配置が前記の式
(1)の関係を満足しているので、楕円ステップホーン
の長軸方向及び短軸方向におけるE面とH面とのビーム
幅が広帯域に渡って一致する条件となっている。従っ
て、長軸方向及び短軸方向で、開口面5から放射される
TE11基本モードとTM11高次モードとの電気波長が合
うことになる。このように、TE11基本モードとTM11
高次モードとが、長軸及び短軸のそれぞれの軸方向でハ
イブリッド条件を満足して位相合成されることにより、
even ModeのE面とodd ModeのH面とのビーム幅及び、e
venModeのH面とodd ModeのE面とのビーム幅がそれぞ
れ、広帯域に渡り一致する。その結果、サイドローブレ
ベルの低い良好な放射パターンが得られる。
【0040】以上で説明したように、本実施形態の楕円
ステップホーンでは、長軸方向のステップ位置P1が短
軸方向のステップ位置P2よりもフレアー部の開口面に
近く配置された。このことにより、even ModeのE面とo
dd ModeのH面とのビーム幅及び、even ModeのH面とod
d ModeのE面とのビーム幅がそれぞれ、広帯域に渡り一
致し、サイドローブレベルの低い良好な放射パターンが
得られる。その結果、広帯域に渡って、高効率で且つ軸
比(交差偏波識別度)が良好な楕円ステップホーンを得
ることができる。また、この楕円ステップホーンを高効
率な一次放射器として用いることができる。
【0041】また、このような楕円ステップホーンを、
垂直偏波または水平偏波を放射させるために用いるだけ
でなく、円偏波を放射させるために用いることによって
も、交差偏波の少ない良好な特性を、広帯域に渡って得
ることができる。
【0042】さらに、楕円形状の開口面5における長軸
方向及び短軸方向を除く任意の径方向においても、TE
11基本モードとTM11高次モードとの合成でハイブリッ
ド条件を満足するように、前記任意の径方向でのステッ
プ部2のステップ位置を決定することで、開口面5の長
軸方向及び短軸方向以外のいずれの方向に対しても良好
な放射特性を有する楕円ステップホーンを得ることがで
きる。例えば、開口面5における前記任意の径方向での
ステップ部2のステップ位置から開口面5までの距離を
3とし、前記任意の径方向における段差部分4及びフ
レアー部3の合計の管内波長をλ3とすると、前記任意
の径方向でのステップ部2のステップ位置は、
【0043】
【数9】 の関係を満足していることが望ましい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ステップ
部のステップ位置が、フレアー部の楕円形状の開口面に
おける長軸方向と、フレアー部の楕円形状の開口面にお
ける短軸方向とで異なったことにより、長軸及び短軸の
それぞれの方向でTE11基本モードとTM11高次モード
との電気波長を合わせることができる。このように、長
軸方向及び短軸方向においてTE11基本モードとTM11
高次モードとを、ハイブリッド条件を満足させて位相合
成することで、フレアー部の楕円形状の開口面における
長軸方向及び短軸方向で、E面とH面とのビーム幅が一
致する。その結果、広帯域に渡って、高効率で且つ軸比
(交差偏波識別度)が良好な楕円ステップホーンを得る
ことができるという効果がある。また、楕円ステップホ
ーンを高効率な一次放射器として用いることができると
いう効果がある。さらに、この楕円ステップホーンを、
円偏波を発生させるために用いる場合でも、交差偏波の
少ない良好な特性を広帯域に渡り得ることができるとい
う効果がある。
【0045】また、前記フレアー部の楕円形状の開口面
における長軸方向及び短軸方向を除く任意の径方向でも
TE11基本モードとTM11高次モードとの合成でハイブ
リッド条件を満足するように、前記任意の径方向でのス
テップ部のステップ位置を決定することで、楕円形状の
開口面における長軸方向及び短軸方向以外のいずれの方
向に対しても良好な放射特性を有する楕円ステップホー
ンが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楕円ステップホーンの一実施形態を示
す側面図及び正面図である。
【図2】TE11基本モード、TM11高次モード及びHE
11モードの電界分布を示す図である。
【図3】従来の技術による楕円ステップホーンを示す側
面図及び正面図である。
【符号の説明】
1、11 接続導波管 2、12 ステップ部 3、13 フレアー部 4、14 段差部分 5、15 開口面 P、P1、P2 ステップ位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01Q 13/02 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波管の端部よりステップ部とフレアー
    部の順で連続して延びる管部材からなり、該フレアー部
    は先端で楕円形状の開口面を形成するように該ステップ
    部との境界での内径を徐々に拡大しながら延びており、
    前記ステップ部は前記導波管の内壁に対して段差部分を
    有しており、該段差部分の前記導波管側の端部の位置
    が、TM11高次モードを発生するステップ位置である楕
    円ステップホーンにおいて、前記ステップ部の前記段差部分の内側の壁面が楕円柱形
    状であり、前記導波管内を前記楕円ステップホーンに向
    かってTE 11 基本モードの電磁波が伝搬する際に前記ス
    テップ位置で発生したTM 11 高次モードと、前記TE 11
    基本モードとの電気波長が前記楕円形状の開口面におけ
    る長軸方向および短軸方向で合うように、 前記ステップ
    部のステップ位置は、前記フレアー部の楕円形状の開口
    面における長軸方向と、前記フレアー部の楕円形状の開
    口面における短軸方向とで異なっていることを特徴とす
    る楕円ステップホーン。
  2. 【請求項2】 前記ステップ部のステップ位置は、前記
    フレアー部の楕円形状の開口面における長軸方向の方
    が、前記フレアー部の楕円形状の開口面おける短軸方向
    よりも前記フレアー部の開口面に近くにある請求項1に
    記載の楕円ステップホーン。
  3. 【請求項3】 前記フレアー部の楕円形状の開口面にお
    ける長軸方向及び短軸方向での前記ステップ部のステッ
    プ位置は、 前記長軸方向及び短軸方向での前記ステップ部のステッ
    プ位置から前記フレアー部の開口面までの距離をそれぞ
    れL1及びL2とし、前記長軸方向及び短軸方向のそれぞ
    れの方向における前記段差部分及び前記フレアー部の合
    計の管内波長をλ1及びλ2とすると、 【数1】 の関係を満足している請求項1または2に記載の楕円ス
    テップホーン。
  4. 【請求項4】 前記フレアー部の楕円形状の開口面にお
    ける長軸方向及び短軸方向を除く任意の径方向での前記
    ステップ部のステップ位置は、 前記任意の径方向での前記ステップ部のステップ位置か
    ら前記フレアー部の開口面までの距離をL3とし、前記
    任意の径方向における前記段差部分及び前記フレアー部
    の合計の管内波長をλ3とすると、 【数2】 の関係を満足している請求項3に記載の楕円ステップホ
    ーン。
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