JP2951825B2 - 高分子電解質水溶液の調製方法および装置 - Google Patents
高分子電解質水溶液の調製方法および装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水処理施設や紙・パルプ
産業において使用される油中水型高分子電解質エマルシ
ョンに水を加えて、最終的に高分子電解質水溶液とする
ための調製方法および調製装置に関するものである。
産業において使用される油中水型高分子電解質エマルシ
ョンに水を加えて、最終的に高分子電解質水溶液とする
ための調製方法および調製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水処理施設等では、各種の薬剤、例えば
凝集剤、凝集助剤、pH調整剤等を汚濁物質を含む各種
汚水に添加することによってこれら汚水の処理を行なっ
ている。上記薬剤は、被処理液に均一に混和させるため
に、薬剤を希釈して適当な濃度の水溶液に調製した後に
被処理液に添加される。例えば高分子凝集剤の場合は、
撹拌機・撹拌槽での希釈調製工程を経て、汚泥と均一に
混和され、汚泥の凝集・脱水工程が行なわれる。
凝集剤、凝集助剤、pH調整剤等を汚濁物質を含む各種
汚水に添加することによってこれら汚水の処理を行なっ
ている。上記薬剤は、被処理液に均一に混和させるため
に、薬剤を希釈して適当な濃度の水溶液に調製した後に
被処理液に添加される。例えば高分子凝集剤の場合は、
撹拌機・撹拌槽での希釈調製工程を経て、汚泥と均一に
混和され、汚泥の凝集・脱水工程が行なわれる。
【0003】これら薬剤の希釈方法としては、薬剤調製
槽に水等の希釈液を導入しておき、この希釈液を撹拌機
で撹拌しながら薬剤を少量ずつ添加し、所定時間で混合
溶解させる方法が採用されていた。しかし、例えば高分
子凝集剤を希釈する場合は、薬剤に対する希釈液の比率
が1:1000〜1:20と高く、均一な高分子凝集剤
を得るためには、長時間の混合が必要になる上に、撹拌
力が弱い時は薬剤の溶解が不完全になることがあった。
槽に水等の希釈液を導入しておき、この希釈液を撹拌機
で撹拌しながら薬剤を少量ずつ添加し、所定時間で混合
溶解させる方法が採用されていた。しかし、例えば高分
子凝集剤を希釈する場合は、薬剤に対する希釈液の比率
が1:1000〜1:20と高く、均一な高分子凝集剤
を得るためには、長時間の混合が必要になる上に、撹拌
力が弱い時は薬剤の溶解が不完全になることがあった。
【0004】液状の油中水型高分子電解質エマルション
タイプの高分子凝集剤を水溶液状態に希釈調製する場合
には相反転が伴うので、特に高分子電解質が水中に拡散
するための初期のずれ力や剪断力が必要となる。このた
め高分子電解質水溶液の調製には、高分子電解質の分散
作用から考えて高水準のエネルギーを加えなければなら
ず、ホモミキサー等の高剪断力装置の導入や、これら装
置のずれ帯域または剪断帯域を複数回通過させる必要性
が生じ、希釈・調製時間が長くなるという問題があっ
た。またその初期のずれ力や剪断力が小さいと、エマル
ションが転相する時にゲル化やエマルション粒子の凝集
が起こり、高分子電解質粒子の表面積が大きくなって、
効率的な高分子電解質水溶液の調製が不可能になること
もあった。
タイプの高分子凝集剤を水溶液状態に希釈調製する場合
には相反転が伴うので、特に高分子電解質が水中に拡散
するための初期のずれ力や剪断力が必要となる。このた
め高分子電解質水溶液の調製には、高分子電解質の分散
作用から考えて高水準のエネルギーを加えなければなら
ず、ホモミキサー等の高剪断力装置の導入や、これら装
置のずれ帯域または剪断帯域を複数回通過させる必要性
が生じ、希釈・調製時間が長くなるという問題があっ
た。またその初期のずれ力や剪断力が小さいと、エマル
ションが転相する時にゲル化やエマルション粒子の凝集
が起こり、高分子電解質粒子の表面積が大きくなって、
効率的な高分子電解質水溶液の調製が不可能になること
もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記諸問題を
解決するものであって、高分子凝集剤として有用な油中
水型高分子電解質エマルションを効率よく水で希釈し
て、均一な高分子電解質水溶液を工業的に簡易な操作で
調製する方法および装置を提供することを目的とするも
のである。
解決するものであって、高分子凝集剤として有用な油中
水型高分子電解質エマルションを効率よく水で希釈し
て、均一な高分子電解質水溶液を工業的に簡易な操作で
調製する方法および装置を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の高分子電解質水溶液の調製方法は、高分子電解質を
10〜50重量%の範囲で含む油中水型高分子電解質エ
マルションに水を添加して該エマルションを高分子電解
質水溶液とする方法において、まず該エマルションと水
を混合室に供給し、次いで混合室外と混合室内の差圧が
0.5kg/cm2以上となるように、該エマルションと水
を混合しながらまたは混合直後に、この混合液を混合室
の一部に設けられたオリフィスから圧出させるところに
要旨を有する。また、液体供給のための複数の管、2種
以上の液体を実質的に瞬時に混合するための混合室、お
よび該混合室外と混合室内の差圧を測定するための圧力
計を有し、混合液を圧出するときの混合室外と混合室内
の差圧を0.5kg/cm2 以上に保持し得る間隙を持つオ
リフィスを有する高分子電解質水溶液の調製装置も本発
明に含まれる。
明の高分子電解質水溶液の調製方法は、高分子電解質を
10〜50重量%の範囲で含む油中水型高分子電解質エ
マルションに水を添加して該エマルションを高分子電解
質水溶液とする方法において、まず該エマルションと水
を混合室に供給し、次いで混合室外と混合室内の差圧が
0.5kg/cm2以上となるように、該エマルションと水
を混合しながらまたは混合直後に、この混合液を混合室
の一部に設けられたオリフィスから圧出させるところに
要旨を有する。また、液体供給のための複数の管、2種
以上の液体を実質的に瞬時に混合するための混合室、お
よび該混合室外と混合室内の差圧を測定するための圧力
計を有し、混合液を圧出するときの混合室外と混合室内
の差圧を0.5kg/cm2 以上に保持し得る間隙を持つオ
リフィスを有する高分子電解質水溶液の調製装置も本発
明に含まれる。
【0007】
【作用】本発明では、まず油中水型高分子電解質エマル
ション(以下単にエマルションということがある)と水
のそれぞれを混合室に供給し混合液を形成させる。得ら
れた混合液を、混合室内で実質上滞留することがない様
に混合と同時または混合直後に、混合室の一部に設けら
れたオリフィスを通して混合室外の撹拌機を設置した処
理槽へと圧出させる。なお、混合液の圧出は、大気中へ
行なってから撹拌処理槽へ導くのでもよく、直接撹拌処
理槽内の希釈液中に行なってもよい。この混合室への供
給から圧出に至る短時間の混合・希釈操作により、エマ
ルションが油相連続相状態から水相連続相へ転相し、水
で希釈され、さらに撹拌処理槽内での撹拌が加わり、均
一な高分子電解質の水溶液が得られる。本発明では、効
率よく短時間で一連の混合希釈操作を行なうので、エマ
ルションが転相する際に起こり易いゲル化や、エマルシ
ョン粒子の凝集・合一化が確実に防止できる。
ション(以下単にエマルションということがある)と水
のそれぞれを混合室に供給し混合液を形成させる。得ら
れた混合液を、混合室内で実質上滞留することがない様
に混合と同時または混合直後に、混合室の一部に設けら
れたオリフィスを通して混合室外の撹拌機を設置した処
理槽へと圧出させる。なお、混合液の圧出は、大気中へ
行なってから撹拌処理槽へ導くのでもよく、直接撹拌処
理槽内の希釈液中に行なってもよい。この混合室への供
給から圧出に至る短時間の混合・希釈操作により、エマ
ルションが油相連続相状態から水相連続相へ転相し、水
で希釈され、さらに撹拌処理槽内での撹拌が加わり、均
一な高分子電解質の水溶液が得られる。本発明では、効
率よく短時間で一連の混合希釈操作を行なうので、エマ
ルションが転相する際に起こり易いゲル化や、エマルシ
ョン粒子の凝集・合一化が確実に防止できる。
【0008】本発明では、混合液を混合室の一部に設け
られたオリフィスから混合室外へ圧出させる際に、混合
室外と混合室内の差圧(ΔP)を0.5kg/cm2 以上に
保つことが必須要件である。より好ましくは差圧を1kg
/cm2 ≦ΔP<15kg/cm2の範囲に保つと良い。差圧
が0.5kg/cm2 より小さいと、エマルションの希釈溶
解が不充分となり、また調製時間の短縮効果が発現しに
くい。一方、差圧が15kg/cm2 以上になると、エマル
ション供給用ポンプの耐圧や希釈水の供給圧等の対投資
効果から考えてデメリットの方が大きくなる。この差圧
を0.5kg/cm2以上に保つことにより、オリフィス近傍
の混合液のレイノズル数(Re)が3×103 <Re<
3×105 のいわゆる乱流域となり、高分子電解質水溶
液を迅速かつ均一に調製することができるのである。
られたオリフィスから混合室外へ圧出させる際に、混合
室外と混合室内の差圧(ΔP)を0.5kg/cm2 以上に
保つことが必須要件である。より好ましくは差圧を1kg
/cm2 ≦ΔP<15kg/cm2の範囲に保つと良い。差圧
が0.5kg/cm2 より小さいと、エマルションの希釈溶
解が不充分となり、また調製時間の短縮効果が発現しに
くい。一方、差圧が15kg/cm2 以上になると、エマル
ション供給用ポンプの耐圧や希釈水の供給圧等の対投資
効果から考えてデメリットの方が大きくなる。この差圧
を0.5kg/cm2以上に保つことにより、オリフィス近傍
の混合液のレイノズル数(Re)が3×103 <Re<
3×105 のいわゆる乱流域となり、高分子電解質水溶
液を迅速かつ均一に調製することができるのである。
【0009】本発明において混合液を通過圧出させるた
めのオリフィスの間隙は、混合室内外の差圧を上記範囲
に維持できれば特に限定はされないが、高分子電解質水
溶液の調製時間の短縮化、および水溶液の均一化の観点
から、0.05〜20mmの範囲が好ましい。またオリ
フィスは混合室の一部に1個または複数個設けられてい
て、その設置位置は、混合室内で混合液の滞留が起こら
ない様に設定する。例えば、供給管を通じて供給される
エマルションと水の流れの合流位置近傍が好ましい。
めのオリフィスの間隙は、混合室内外の差圧を上記範囲
に維持できれば特に限定はされないが、高分子電解質水
溶液の調製時間の短縮化、および水溶液の均一化の観点
から、0.05〜20mmの範囲が好ましい。またオリ
フィスは混合室の一部に1個または複数個設けられてい
て、その設置位置は、混合室内で混合液の滞留が起こら
ない様に設定する。例えば、供給管を通じて供給される
エマルションと水の流れの合流位置近傍が好ましい。
【0010】混合室内に供給されたエマルションと水と
の混合室内での好ましい滞留時間は、実質的に1秒以
内、より好ましくは0.5秒以内であり、この適正滞留
時間となる様に混合室の大きさが適宜選択される。混合
室内での滞留時間が1秒を超えると、エマルションの希
釈溶解が不充分となる。一般的な混合室容積は、0.0
01〜0.5リットルの範囲の容量とするのが好まし
い。混合室内に供給する油中水型高分子電解質エマルシ
ョンと水との重量比は、所望の高分子電解質水溶液の濃
度に応じて適宜決めればよいが、一般にエマルション1
重量部に対して水20〜1000重量部の割合とするの
が好ましい。
の混合室内での好ましい滞留時間は、実質的に1秒以
内、より好ましくは0.5秒以内であり、この適正滞留
時間となる様に混合室の大きさが適宜選択される。混合
室内での滞留時間が1秒を超えると、エマルションの希
釈溶解が不充分となる。一般的な混合室容積は、0.0
01〜0.5リットルの範囲の容量とするのが好まし
い。混合室内に供給する油中水型高分子電解質エマルシ
ョンと水との重量比は、所望の高分子電解質水溶液の濃
度に応じて適宜決めればよいが、一般にエマルション1
重量部に対して水20〜1000重量部の割合とするの
が好ましい。
【0011】本発明に用いられる油中水型高分子電解質
エマルションとしては、例えばジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート4級塩とアクリルアミドの共重合
体、ポリエチレンイミンやポリエチレンイミングラフト
ポリマー等のカオチン性高分子電解質やカルボキシメチ
ルセルロースやポリアクリル酸ナトリウム等のアニオン
性高分子電解質を10〜50重量%の範囲で含有し、こ
れらの高分子電解質水溶液が液滴となって、水と混和し
ないケロシン、ナフテンやイソパラフィン等の油性液体
中に微分散した乳濁液を挙げることができ、汚濁物質の
凝集剤や汚泥の脱水剤として各種のエマルション製品が
市販されている。
エマルションとしては、例えばジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート4級塩とアクリルアミドの共重合
体、ポリエチレンイミンやポリエチレンイミングラフト
ポリマー等のカオチン性高分子電解質やカルボキシメチ
ルセルロースやポリアクリル酸ナトリウム等のアニオン
性高分子電解質を10〜50重量%の範囲で含有し、こ
れらの高分子電解質水溶液が液滴となって、水と混和し
ないケロシン、ナフテンやイソパラフィン等の油性液体
中に微分散した乳濁液を挙げることができ、汚濁物質の
凝集剤や汚泥の脱水剤として各種のエマルション製品が
市販されている。
【0012】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0013】実施例1 図1に本発明装置の概略説明図を示した。この装置を用
い以下の工程で、25重量%濃度の油中水型エマルショ
ンタイプの高分子凝集剤(ジメチルアミノエチルメタク
リレート4級塩ホモポリマー)を水で0.2重量%濃度
に希釈(混合・希釈比は1:125)して、高分子凝集
剤水溶液を得た。高分子凝集剤の高分子電解質エマルシ
ョンは、エマルション貯蔵タンク11から送液ポンプ9
により供給管1を介して本発明の調製装置Aに送られ
る。一方希釈用の水は希釈水タンク12から流量計10
で流量制御されながら供給管2を介してAに圧送され
る。
い以下の工程で、25重量%濃度の油中水型エマルショ
ンタイプの高分子凝集剤(ジメチルアミノエチルメタク
リレート4級塩ホモポリマー)を水で0.2重量%濃度
に希釈(混合・希釈比は1:125)して、高分子凝集
剤水溶液を得た。高分子凝集剤の高分子電解質エマルシ
ョンは、エマルション貯蔵タンク11から送液ポンプ9
により供給管1を介して本発明の調製装置Aに送られ
る。一方希釈用の水は希釈水タンク12から流量計10
で流量制御されながら供給管2を介してAに圧送され
る。
【0014】図2には、本発明の高分子電解質水溶液調
製装置Aの拡大図を示した。高分子電解質エマルション
の供給管1は、円筒状の混合室3内の中央部に貫通さ
れ、混合室の下端に設けられたオリフィス5の近傍に開
口部を有している。水の供給管2は、混合室3の上部側
面に開口部を有しており、混合室内外の差圧測定用の圧
力計4が混合室に付設されている。
製装置Aの拡大図を示した。高分子電解質エマルション
の供給管1は、円筒状の混合室3内の中央部に貫通さ
れ、混合室の下端に設けられたオリフィス5の近傍に開
口部を有している。水の供給管2は、混合室3の上部側
面に開口部を有しており、混合室内外の差圧測定用の圧
力計4が混合室に付設されている。
【0015】混合室3の容積は56×10-6m3 とし
た。また、エマルションと希釈水の流量は、各々毎秒
4.8×10-6m3 および毎秒607×10-6m3 であ
った。また、オリフィス5の前後の差圧が1kg/cm2 と
なる様に、オリフィスの間隙をおよそ0.5mmに調節
し、圧力計4の圧力を2kg/cm2 に制御した。混合室内
での混合液の滞留時間は、流量から計算した結果0.0
9秒であった。
た。また、エマルションと希釈水の流量は、各々毎秒
4.8×10-6m3 および毎秒607×10-6m3 であ
った。また、オリフィス5の前後の差圧が1kg/cm2 と
なる様に、オリフィスの間隙をおよそ0.5mmに調節
し、圧力計4の圧力を2kg/cm2 に制御した。混合室内
での混合液の滞留時間は、流量から計算した結果0.0
9秒であった。
【0016】オリフィス5を通過し、大気中に圧出され
た高分子電解質水溶液は、水溶液調製装置Aの下方に設
けられた処理槽6に導入される。処理槽6には、撹拌動
力が0.2kw/m3 の撹拌機7が設置されており、オリ
フィス5を通って圧出された水溶液が、所定の電気伝導
率(mS/cm)に達するまで撹拌混合して、完全溶解を
達成した。所定の電気伝導率とは、装置に投入した高分
子エマルション全量が完全に溶解した時に得られる高分
子電解質水溶液が示す電気伝導率であり、高分子電解質
の種類とその水溶液濃度によって決まる。例えば、本実
施例に用いたジメチルアミノエチルメタクリレート4級
塩ホモポリマーの場合、0.2重量%水溶液の電気伝導
率は0.86mS/cmである。
た高分子電解質水溶液は、水溶液調製装置Aの下方に設
けられた処理槽6に導入される。処理槽6には、撹拌動
力が0.2kw/m3 の撹拌機7が設置されており、オリ
フィス5を通って圧出された水溶液が、所定の電気伝導
率(mS/cm)に達するまで撹拌混合して、完全溶解を
達成した。所定の電気伝導率とは、装置に投入した高分
子エマルション全量が完全に溶解した時に得られる高分
子電解質水溶液が示す電気伝導率であり、高分子電解質
の種類とその水溶液濃度によって決まる。例えば、本実
施例に用いたジメチルアミノエチルメタクリレート4級
塩ホモポリマーの場合、0.2重量%水溶液の電気伝導
率は0.86mS/cmである。
【0017】従って、撹拌処理槽内の電気伝導率がこの
所定の電気伝導率に達した時、油中水型エマルションタ
イプの高分子凝集剤が完全に高分子電解質水溶液となっ
たものとみることができる。また、この所定の電気伝導
率に到達するために要する処理槽での撹拌時間(以下所
要撹拌時間という)が短ければ短いほど、本発明の調製
装置Aの混合効果が高いことになる。電気伝導率の測定
は、処理槽内のサンプリング液の電気伝導率(mS/c
m)を、電気伝導度計で読みとることにより行ない、所
要撹拌時間を表1に示した。また、本実施例1、後述の
実施例2および比較例1について、処理槽内の溶液の電
気伝導率の経時変化を測定し、図3にその結果を示し
た。本発明法による実施例1や2の所要撹拌時間が、比
較例1に比べかなり短縮化されていることがわかる。
所定の電気伝導率に達した時、油中水型エマルションタ
イプの高分子凝集剤が完全に高分子電解質水溶液となっ
たものとみることができる。また、この所定の電気伝導
率に到達するために要する処理槽での撹拌時間(以下所
要撹拌時間という)が短ければ短いほど、本発明の調製
装置Aの混合効果が高いことになる。電気伝導率の測定
は、処理槽内のサンプリング液の電気伝導率(mS/c
m)を、電気伝導度計で読みとることにより行ない、所
要撹拌時間を表1に示した。また、本実施例1、後述の
実施例2および比較例1について、処理槽内の溶液の電
気伝導率の経時変化を測定し、図3にその結果を示し
た。本発明法による実施例1や2の所要撹拌時間が、比
較例1に比べかなり短縮化されていることがわかる。
【0018】実施例2〜3 実施例1と同じ高分子凝集剤および水溶液調製装置を用
いて高分子電解質水溶液を得た。ただし、高分子凝集剤
エマルションの流量および希釈水の流量を表1に示した
様に設定すると共に、オリフィスの間隙を調節し、圧力
計4を表1の様に調整しながら操作した。また、実施例
1と同様にして所定の電気伝導率に到達するまでの処理
槽6での所要撹拌時間を測定し、その結果を表1に併記
した。
いて高分子電解質水溶液を得た。ただし、高分子凝集剤
エマルションの流量および希釈水の流量を表1に示した
様に設定すると共に、オリフィスの間隙を調節し、圧力
計4を表1の様に調整しながら操作した。また、実施例
1と同様にして所定の電気伝導率に到達するまでの処理
槽6での所要撹拌時間を測定し、その結果を表1に併記
した。
【0019】比較例1 実施例1と同じ高分子凝集剤および水溶液調製装置を用
いて高分子電解質水溶液を得た。ただし、高分子凝集剤
エマルションの流量および希釈水の流量を表1に示した
様に設定すると共に、オリフィス5を形成するための混
合室下端面の邪魔板Tを外し、オリフィス前後の差圧を
0kg/cm2 にした。圧力計4の指示は、1.0kg/cm2
であった。また所要撹拌時間を測定し、その結果を表1
に併記した。
いて高分子電解質水溶液を得た。ただし、高分子凝集剤
エマルションの流量および希釈水の流量を表1に示した
様に設定すると共に、オリフィス5を形成するための混
合室下端面の邪魔板Tを外し、オリフィス前後の差圧を
0kg/cm2 にした。圧力計4の指示は、1.0kg/cm2
であった。また所要撹拌時間を測定し、その結果を表1
に併記した。
【0020】比較例2 実施例1と同じ高分子凝集剤および水溶液調製装置を用
いて高分子電解質水溶液を得た。ただし、高分子凝集剤
エマルションの流量および希釈水の流量を表1に示した
様に設定して混合室内でのエマルションと希釈水の滞留
時間が2秒になるようにした。また、オリフィス5前後
の差圧を1kg/cm2 に保つ様にオリフィスの間隙を調節
し、圧力計4の指示を2kg/cm2 に制御した。所要撹拌
時間を表1に併記した。
いて高分子電解質水溶液を得た。ただし、高分子凝集剤
エマルションの流量および希釈水の流量を表1に示した
様に設定して混合室内でのエマルションと希釈水の滞留
時間が2秒になるようにした。また、オリフィス5前後
の差圧を1kg/cm2 に保つ様にオリフィスの間隙を調節
し、圧力計4の指示を2kg/cm2 に制御した。所要撹拌
時間を表1に併記した。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、高分子凝集剤として有
用な油中水型高分子電解質エマルションを所望の濃度の
高分子電解質水溶液とする場合に、エマルションの転相
時のゲル化やエマルション粒子の凝集・合一化を防止で
きると共に、溶解時間を短縮することができた。従っ
て、均一な高分子電解質水溶液を迅速かつ簡単な操作に
よって短時間で容易に調製できる。このため、処理槽に
おいて、従来から用いられている撹拌機より能力の劣っ
た撹拌機を用いたり撹拌機の使用を省略しても高分子電
解質水溶液の調製が可能になった。
用な油中水型高分子電解質エマルションを所望の濃度の
高分子電解質水溶液とする場合に、エマルションの転相
時のゲル化やエマルション粒子の凝集・合一化を防止で
きると共に、溶解時間を短縮することができた。従っ
て、均一な高分子電解質水溶液を迅速かつ簡単な操作に
よって短時間で容易に調製できる。このため、処理槽に
おいて、従来から用いられている撹拌機より能力の劣っ
た撹拌機を用いたり撹拌機の使用を省略しても高分子電
解質水溶液の調製が可能になった。
【図1】本発明の高分子電解質水溶液調製装置の構成を
示した側面概略説明図である。
示した側面概略説明図である。
【図2】図1における混合室とオリフィスの拡大説明図
である。
である。
【図3】実施例と比較例の所要撹拌時間を示すグラフで
ある。
ある。
1 エマルション供給管 2 希釈水供給管 3 混合室 4 差圧計測用圧力計 5 オリフィス 6 処理槽 7 撹拌機 8 調製液送液ポンプ 9 エマルション送液ポンプ 10 希釈水用流量計 11 エマルション貯蔵タンク 12 希釈水タンク A 高分子電解質水溶液調製装置 M モーター T 邪魔板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 智彦 大阪府大阪市西淀川区西島2−1−6 株式会社クボタ新淀川工場内 (72)発明者 利國 太 大阪府大阪市西淀川区西島2−1−6 株式会社クボタ新淀川工場内 (56)参考文献 特開 平6−157668(JP,A) 特開 平5−59324(JP,A) 特開 昭62−125893(JP,A) 特開 昭61−34026(JP,A) 特開 昭58−196206(JP,A) 特開 昭51−41090(JP,A) 特開 昭51−36262(JP,A) 特表 昭58−500859(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 21/01 C08J 3/00 - 3/11 C08L 101/12 C08L 33/00 - 33/26 C02F 1/56
Claims (2)
- 【請求項1】 高分子電解質を10〜50重量%の範囲
で含む油中水型高分子電解質エマルションに水を添加し
て該エマルションを高分子電解質水溶液とする方法にお
いて、まず該エマルションと水を混合室に供給し、次い
で混合室外と混合室内の差圧が0.5kg/cm2 以上とな
るように、該エマルションと水を混合しながらまたは混
合直後に、この混合液を混合室の一部に設けられたオリ
フィスから圧出させることを特徴とする高分子電解質水
溶液の調製方法。 - 【請求項2】 液体供給のための複数の管、2種以上の
液体を実質的に瞬時に混合するための混合室、および該
混合室外と混合室内の差圧を測定するための圧力計を有
し、混合液を圧出するときの混合室外と混合室内の差圧
を0.5kg/cm2 以上に保持し得る間隙を持つオリフィ
スを有することを特徴とする高分子電解質水溶液の調製
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17694593A JP2951825B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 高分子電解質水溶液の調製方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17694593A JP2951825B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 高分子電解質水溶液の調製方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0724215A JPH0724215A (ja) | 1995-01-27 |
JP2951825B2 true JP2951825B2 (ja) | 1999-09-20 |
Family
ID=16022488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17694593A Expired - Lifetime JP2951825B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 高分子電解質水溶液の調製方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2951825B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5149469B2 (ja) * | 2000-02-02 | 2013-02-20 | 栗田工業株式会社 | 水溶性ポリマーからなる紙パプロセス用歩留り向上剤の溶解方法 |
-
1993
- 1993-07-16 JP JP17694593A patent/JP2951825B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0724215A (ja) | 1995-01-27 |
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