JP2949184B2 - 押し付け式mapカテーテル - Google Patents

押し付け式mapカテーテル

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JP2949184B2
JP2949184B2 JP5089406A JP8940693A JP2949184B2 JP 2949184 B2 JP2949184 B2 JP 2949184B2 JP 5089406 A JP5089406 A JP 5089406A JP 8940693 A JP8940693 A JP 8940693A JP 2949184 B2 JP2949184 B2 JP 2949184B2
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秀人 渡部
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガイドワイヤが挿入さ
れて、又はガイドワイヤレスの場合にはカテーテル本体
の直接操作で心腔内へ誘導されることにより、カテーテ
ル本体の先端部正面に設けられて心内膜面へ接触する電
極と、先端部周面に設けられて心腔内に位置付けされる
電極との一対の電極で心筋細胞の活動電位を検出するた
めの押し付け式MAP(Monophasic Action Potentia
l)カテーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のカテーテルは、心筋内膜を損傷
することなく長時間測定でき、また操作及び構造も簡単
であり、吸引式に代って使用され始めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
にしても心内膜にある程度押し付ける必要があり、この
押し付力が過度になると穿孔する可能性が残され、改良
の余地が残されていた。つまり、右房の場合には、肉柱
部が少なく平坦であり、右房壁の厚みは3mm前後であ
っても弾性を伴って丈夫であるが、特に右心室の場合長
径2〜10mmの断面楕円の肉柱が縦横に形成されてお
り、その間の右心室壁については厚さ5mm前後であっ
ても、場合により穿孔の危険がある。
【0004】本発明は、このような点に鑑みて、カテー
テルによる心臓壁への穿孔を防止できる冒頭に述べた類
の押し付け式MAPカテーテルを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、カテーテル本体の先端部正面及び先端部
周面に一対の電極を設け、カテーテル本体を心腔内へ誘
導することにより、先端部正面の電極を心内膜面へ押し
付けて接触させ、先端部周面の電極を心腔内に位置付け
させて、心筋細胞の活動電位を検出するようにした押し
付け式MAPカテーテルであって、先端部周面に、カテ
ーテル本体の心臓壁への穿孔を防止するストッパとして
機能するリング状バルーンを設け、このバルーンに、カ
テーテル本体に挿入されたエアチューブを取付けたこと
を特徴とする。
【0006】
【作用】心筋細胞の活動電位を検出する際には、カテー
テル本体を心腔内へ誘導して、リング状バルーンにエア
圧源からエアチューブを通して給気して膨張させる。こ
れにより、バルーンはカテーテル本体の先端部周面から
リング状に突出し、したがって先端部正面の電極を心内
膜面へ押し付けて接触させ、先端部周面の電極を心腔内
に位置付けさせて測定する際に、右心室の肉柱又は平坦
状の心内膜面との干渉でカテーテルによる穿孔を防止し
たり、或はその穿孔量を制限するストッパとして機能す
る。
【0007】
【実施例】図1は、本発明の一実施例による押し付け式
MAPカテーテル9を示すもので、直径が例えば2mm
の塩化ビニール、ポリウレタン等の合成樹脂エアチュー
ブ製のMAPカテーテル本体10の先端部正面10aの
中心位置から、銀(Ag)線に塩化銀(Agcl)をメ
ッキされた線径が例えば0.3mmの銀−塩化銀線11
が、0.5mm程度一方の電極としてそのまま突出させ
られている。先端部周面10bの穿孔からは、銀−塩化
銀線12が直交方向に同様に0.5mm程度もう一方の
電極として突出させられている。カテーテル本体10の
このような先端部領域には、MAPカテーテル閉鎖部分
として接着性のあるエポキシセメント13が充填されて
銀−塩化銀線11、12が位置固定され、かつその非突
出部分は血液が侵入しないように完全にシールされると
共に、銀−塩化銀線11、12の突出部分11a、12
aの周囲にエポキシセメント13でほぼ半球状に包囲部
13a、13bを形成されていることにより一対の電極
21、22が形成されている。
【0008】銀−塩化銀線11、12はエポキシセメン
ト13の充填部分からカテーテル本体10の内壁に沿っ
て案内され、途中で導線11b、12bが後続されてカ
テーテル本体10の後端から導出されている。カテーテ
ル本体10におけるエポキシセメント13の充填部分の
後方には、例えば20mmの領域にわたり弾性材として
シリコンゴム14が充填され、さらにその背後までガイ
ドワイヤ挿入用のさや16が内挿されている。 先端部
周面には、ペーシング用の幅が例えば1mmのリング状
電極18、19がカテーテル本体10を切欠いて同一面
になるように埋込まれ、リード線18a、19aを接続
させてカテーテル本体10の後端から導出されている。
【0009】このように構成された押し付け式MAPカ
テーテルの構成は周知であるが、本発明により、電極2
1の先端、即ちその銀−塩化銀線11の先端からの後退
距離Aを電極22にできるだけ接近した約6mmに設定
した位置に、先端部周面10bに密着した幅3mm程度
のリング状の弾性膜で形成されたバルーン20が、前後
両端部を紐25で縛られて接着されている。このバルー
ン20からはこれに連通するエア流路としてのエアチュ
ーブ26が導出されている。
【0010】カテーテル本体10は長さ1〜1.5m程
度であり、その後端部においては、図2に示すように、
導線11b、12bに対しては測定装置本体に接続する
端子28が後続し、導線18a、19aに対してはペー
シング装置に接続する端子29が後続し、さや16には
ガイドワイヤ15が挿入されて導出され、さらにエアチ
ューブ26も導出されてエア圧源としての注射器23に
接続している。これにより、バルーン20は、注射器2
3の内筒を予め定めた位置まで挿入することにより給気
されて、先端部周面10bから5mm程度突出するよう
に膨張する。即ち、膨張状態のバルーン20の直径は、
電極21が肉部1間の谷部の心臓壁1aに接触した状態
で肉柱間の壁面に当接するように、その標準的な間隔約
10mmもしくはより僅かに広めに10〜15mm程度
に設定するのが好ましい。
【0011】このように構成された押し付け式MAPカ
テーテル9は、ガイドワイヤ15で血管内を誘導されつ
つ例えば右心室内に向けて挿入される。そして、特に電
極21が半球状の包囲部13aを備えることにより、そ
の球面に沿って突出部分11aの僅かに露出した部分が
心内膜に確実に案内・接触させられる。また、電極22
も半球状の包囲部13bを備えることにより、スムーズ
に心腔内へ誘導される。
【0012】心腔内に位置付けされた状態で、注射器2
3を操作してバルーン20を平坦リング状に5mm程度
膨張させた状態で、図3に示すように、バルーン20を
肉柱1に近接もしくは当接させ、電極21をその間の谷
部の心臓壁1aに軽く押して接触させ、側方の電極22
を血液に接触させる。これにより、導線11b、12b
から供給される測定部位の活動電位は、出力装置におい
て増幅されて記録紙に記録され、またブラウン管面でモ
ニタされる。さらに、リング状電極18、19で必要に
よりペーシング及びセンシングを行いつつMAP測定が
行われ、心拍数の変化に対する局所的な心筋活動状態も
精密にモニタできる。
【0013】この際、場合により過大な押圧力が加わっ
てもバルーン20が肉柱1の壁面に弾性を伴って当接す
ることにより、電極21又はカテーテル本体10の先端
部が、3〜5mm程度の厚みの心臓壁1aを穿孔して壁
外に達するのが防止される。肉柱1間の間隔が広く、バ
ルーン20が肉柱1に当接しない状態でも、心臓壁1a
へバルーン20の先端面20aが当接し、6mm程度以
上の穿孔を防止し、致命的な損傷を防止できる。肉柱1
自体に電極21を当て測定する場合、肉柱間の心臓壁よ
りも厚いために、突き抜けて壁外に達する可能性はな
い。
【0014】一方、右房に誘導された場合、その心臓壁
は弾性が大きいために通常問題はないが、特に過大な押
し付け力が加わって例えば10mm程度伸展して凹部を
形成したとすると、その右房心内膜にバルーン20が干
渉することにより、穿孔が防止される。
【0015】尚、後退距離Aは、肉柱1間の心臓壁1a
を突き抜けて壁外に達する量を数mm程度に制限するた
めに10mmよりも短くするのが好ましく、場合によっ
ては電極21及び22間にストッパバルーンを配置する
ことも考えられる。本発明は、銀−塩化銀を針状に代え
て塊状にしたのをカテーテル本体の先端開口及び周面開
口の穿孔位置に配置した従来からのMAPカテーテルに
も適用可能である。
【0016】
【発明の効果】以上、請求項1の発明による押し付け式
MAPカテーテルは、押し付け式であることにより、吸
引式に対して一層長時間の測定が可能になると共に、バ
ルーンストッパを備えることにより、場合により押し付
け力が過大になっても、右房の押し付けにより窪んだ心
内膜、或は右心室の肉柱又は平坦状の心内膜面との干渉
でカテーテルによる心臓壁の穿孔を防止したり、或はそ
の穿孔量を制限して致命傷になるのを防止できる。した
がって、右房又は右心室へ誘導されるカテーテルとし
て、臨床面への実用性が大幅に増すことになる。
【0017】請求項2の発明により、バルーンの膨張時
の直径を右心室の標準的な肉柱間の間隔に対応して10
〜15mm程度に設定することにより、その間の薄い心
内膜に電極が接触した状態で測定する場合でも、バルー
ンが肉柱の壁面に当接して測定が安全に行われるように
なる。バルーンの後退位置が10mm程度以内であるこ
とにより、壁厚が5mm前後の右心室での壁外への穿孔
量が致命的な損傷に至らないように制限される。また、
このような寸法関係により、右房に特に過度の押し付け
力が加わってその心臓壁の伸展で深さ10mm程度の凹
部が形成されると、バルーンがその心内膜に干渉して穿
孔が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による押し付け式MAPカテ
ーテルの要部断面図である。
【図2】同カテーテル本体の後端部の断面図である。
【図3】同カテーテルによる測定状態を示す図である。
【符号の説明】
9 押し付け式MAPカテーテル 10 カテーテル本体 10a 先端部正面 10b 先端部周面 11、12 銀−塩化銀線 20 バルーン 21、22 電極 26 エアチューブ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテーテル本体の先端部正面及び先端部
    周面に一対の電極を設け、カテーテル本体を心腔内へ誘
    導することにより、先端部正面の電極を心内膜面へ押し
    付けて接触させ、先端部周面の電極を心腔内に位置付け
    させて、心筋細胞の活動電位を検出するようにした押し
    付け式MAPカテーテルであって、 先端部周面に、カテーテル本体の心臓壁への穿孔を防止
    するストッパとして機能するリング状バルーンを設け、 このバルーンに、前記カテーテル本体に挿入されたエア
    チューブを取付けたことを特徴とする押し付け式MAP
    カテーテル。
  2. 【請求項2】 先端部正面の電極先端から10mm程度
    以下の範囲に後退した先端部周面に、直径が10〜15
    mm程度に膨張可能なリング状バルーンを取付け、この
    バルーンの先方側に前記先端部周面の電極を設けたこと
    を特徴とする請求項1の押し付け式MAPカテーテル。
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