JP2948305B2 - 漏液検出システム - Google Patents

漏液検出システム

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JP2948305B2 JP31417890A JP31417890A JP2948305B2 JP 2948305 B2 JP2948305 B2 JP 2948305B2 JP 31417890 A JP31417890 A JP 31417890A JP 31417890 A JP31417890 A JP 31417890A JP 2948305 B2 JP2948305 B2 JP 2948305B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、抵抗変化型漏液センサに交流を流して漏液
の有無を検出するシステムに関する。
[従来の技術] 従来の漏液検出システムの一例を第5図に基づいて簡
単に説明する。この漏液検出システムは抵抗変化型漏液
センサ1を備えている。この漏液センサ1は、例えばフ
レキシブルな長い非導電体(図示しない)と、この非導
電体に埋め込まれた一対の長い導線2a,2bと、これら導
線2a,2bの一端同士を接続する終端抵抗Reとを備えてい
る。上記非導電体には長手方向に沿って等間隔に穴が形
成されていて、上記導線2a,2bを外部に露出させてい
る。そして、これら一対の導線2a,2b間に水等の液体が
介在された時に抵抗変化が生じるようになっている。
漏液センサ1には、長いリード線3a,3bを介して検出
装置4が接続されている。検出装置4は、一方のリード
線3bに接続された発振器5と他方のリード線3aに接続さ
れた抵抗Raとを備えている。発振器5からの交流電流が
抵抗Re,Raに供給される。リード線3aと抵抗Raの接続点
電圧がセンサ出力として提供される。このセンサ出力は
整流平滑回路6で整流平滑され、この平滑出力は比較判
定回路7で比較される。
上記構成において、漏液センサ1の導体2a,2b間に所
定量以上の液体が介在されて漏液センサ1の抵抗が低下
した時には、平滑出力が上昇して比較判定回路7の上側
閾値を越え、その結果、比較判定回路7から漏液検出信
号が発せられる。また、終端抵抗Re,導線2a,2b,リード
線3a,3bに断線が生じた時には、センサ出力は接地電圧
になり、ひいては平滑出力も接地電圧になって比較判定
回路7の下側閾値を下回り、その結果、比較判定回路7
から断線検出信号が出力される。
上記のように、交流を漏液センサに供給してセンサ出
力を得るシステムでは、導線2a,2bに電蝕が発生しない
点や、漏水時の水の分極による影響を排して正確な漏液
センサの抵抗変化の測定を行える点で、直流による検出
システムに比べて有利である。
[発明が解決しようとする課題] しかし、交流によりセンサ出力を得るシステムでは、
漏液センサ1の一対の導線2a,2bおよび、漏液センサ1
から検知装置4までの一対のリード線3a,3bが長くなる
と、例えば数百mになると、導線2a,2b間での静電容量
およびリード線3a,3b間での静電容量が無視できなくな
る。このため、漏液センサ1の導線2a,2b,リード線3a,3
bの長さが漏液検出場所等に対応して異なると、上記静
電容量が変化し、その結果、正常時(非漏水,非断線
時)のセンサ出力が変化してしまい、比較判定回路7で
は正常な漏液,断線の判断ができなくなる。したがっ
て、正確な漏液,断線検出を確保するためには、導線2
a,2b、リード線3a,3bの長さに応じて比較判定回路7に
おける漏水判定の閾値、断線判定の閾値を変える必要が
あり、面倒だった。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記課題を解決するためになされたもので、
その要旨は、発振器と、発振器からの発振出力を受けて
センサ出力を発生させる抵抗変化型漏液センサと、漏液
センサからのセンサ出力に基づいて漏液の有無を検出す
る検出部とを備えた漏液検出システムにおいて、上記検
出部が次の構成を備えていることを特徴とする漏液検出
システムにある。
(イ)発振出力のデータを用いることにより、上記セン
サ出力から、漏液センサの抵抗にのみ依存する比較デー
タを得る比較データ発生手段。
(ロ)上記比較データ発生手段からの比較データを閾値
と比較して漏液の有無を判定する比較判定手段。
[作用] 発振出力のデータを用いることにより、センサ出力か
ら、漏液センサの導線やリード線の長さによって変化す
る静電容量の影響を排し、漏液センサの抵抗にのみ依存
する比較データが得られる。その結果、この比較データ
を閾値と比較することにより、正確に漏液検出を行うこ
とができる。また、漏液センサの導線やリード線の長さ
によって閾値を変える必要がない。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図から第3図までの図
面に基づいて説明する。
第2図に示すように、漏液検出システムは、長い一対
の導線2a,2bと終端抵抗Reを有する抵抗変化型漏液セン
サ1を備えている。漏液センサ1の構成は従来と同様で
あるから詳しい説明は省略する。この漏液センサ1には
一対の長いリード線3a,3bを介して第1図に示す検出装
置10が接続されている。
上記漏液センサ1と一対のリード線3a,3bは、第1図
に示すように、可変抵抗Rxと静電容量Cxを並列接続した
等価回路8で示すことができる。可変抵抗Rxは、導線2
a,2b間に液体が介在されない非漏液時には、終端抵抗Re
と一致する。導線2a,2b間に液体が介在すると終端抵抗R
eより小さくなる。静電容量Cxは、一対の導線2a,2bによ
り構成される静電容量と、一対のリード3a,3bの静電容
量を足し合わせたものであり、導線2a,2b,リード線3a,3
bの長さに比例する。等価回路8の合成インピーダンス
Xは次式で表すことができる。
X=1/(jωCx+1/Rx) …(1) 検出装置10は、抵抗Rfを介して負帰還接続されたオペ
アンプ11を備えている。このオペアンプ11の反転入力端
子に、リード線3aの一端すなわち上記等価回路8の一端
が接続されている。オペアンプ11の非反転入力端子に
は、発振器12からの発振出力Viが印加されている。オペ
アンプ11の2つの入力端子間のイマジナルショートによ
り、上記等価回路8には、発振出力Viと同相,同振幅の
電圧が印加される。
オペアンプ11の出力はセンサ出力Vsとして提供され
る。負帰還抵抗Rfを流れる電流と等価回路8を流れる電
流が等しいことから、次式が成立する。
(Vs−Vi)/Rf=Vi/X …(2) この(2)式を書き換えてVsを求めると次式が得られ
る。
Vs=(1+Rf/X)Vi …(3) 上記(3)式に(1)式を代入すると次式が得られ
る。
Vs={(1+Rf/Rx)+jωCxRf}Vi …(4) 上記(4)式から明らかなように、センサ出力Vsは、
発振出力Viと同位相の成分と、発振出力Viに対して90゜
位相のずれた成分に分けることができる。同相の成分は
等価回路8のうち抵抗Rxにのみ依存し、以後、抵抗分出
力Vsrと称することにする。90゜位相のずれた成分は、
等価回路8のうち容量Cxにのみ依存し、以後、容量分出
力Vscと称す。抵抗分出力Vsr,容量分出力Vscは、次式で
表すことができる。
Vsr=Ar・Vi …(5) Vsc=jAc・Vi …(6) ただし、Ar,Acは抵抗分出力Vsr,容量分出力Vscの各波
高値であり、次式で表すことができる。
Ar=(1+Rf/Rx) …(7) Ac=ωCxRf …(8) また、上記センサ出力Vsの波高値Asは次式で表すこと
ができる。
As=(Ar 2+Ac 21/2 …(9) As={(1+Rf/Rx+(ωCxRf1/2…(10) 発振出力Viとセンサ出力Vsの位相差φは次式で表すこ
とができる。
φ=tan-1{Ac/Ar)} …(11) φ=tan-1{ωCxRfRx/(Rf+Rx)} …(12) 第3図は、上記4つの出力Vi,Vs,Vsr,Vscの関係をよ
り明瞭に示す。第3図からも明らかなように、発振出力
Viがピークに達した時点では、抵抗分出力Vsrはピーク
に達し、容量分出力Vscは常にゼロである。
上記検出装置10は、さらに上記センサ出力Vsに基づき
漏液検出,漏液センサ1等の断線検出を行う検出部20を
備えている。この検出部20は、バンドパスフィルタ21
と、サンプルホールド回路22と、サンプルパルス発生回
路23と、上側閾値電圧発生回路24と、下側閾電圧発生回
路25と、第1コンパレータ26(比較判定手段)と、第2
コンパレータ27とを備えている。
上記バンドパスフィルタ21は、上記センサ出力Vsを受
けて、発振出力Viと同一周波数の成分のみをパスし、ノ
イズ成分を除去する。
サンプルパルス発生回路23は、発振出力Viを受けて、
そのプラス側のピーク時点でサンプルパルスを出力す
る。
サンプルホールド回路22は、上記サンプルパルスに応
答して、バンドパスフィルタ21を経たセンサ出力Vsをサ
ンプルホールドする。
サンプルホールド回路22からのサンプルホールド出力
Vhは、等価回路8の静電容量Cxに依存する容量分出力Vs
cがゼロの時のセンサ出力Vsを表し、ひいては抵抗分出
力Vsrの波高値Ar(比較データ)を表す。前述した
(7)式からも明らかなように、抵抗分出力Vsrの波高
値は、等価回路8の抵抗Rxに反比例する。
なお、上記サンプルホールド回路22とサンプルパルス
発生回路23により、比較データ発生手段28が構成されて
いる。
上記サンプルホールド出力Vhは、第1コンパレータ26
の非反転入力端子と、第2コンパレータ27の反転入力端
子に印加される。
上側閾電圧発生回路24は、上記発振出力Viを直流電圧
である上側閾電圧Vt1に変換し、第1コンパレータ26の
反転入力端子に供給する。上側閾電圧Vt1は、漏液の有
無の判定基準となるものである。同様に、下側閾電圧発
生回路25は、上記発振出力Viを直流電圧である下側閾電
圧Vt2に変換し、第2コンパレータ27の非反転入力端子
に供給する。下側閾電圧Vt2は、断線の有無の判定基準
となるものである。
第1コンパレータ26は、サンプルホールド出力Vhと上
側閾電圧Vt1を比較する。漏液センサ1の導線2a,2b間に
液体が介在して、等価回路8の抵抗Rxが小さくなると、
サンプルホールド出力Vhが上昇し、上側閾電圧Vt1を超
える。その結果、第1コンパレータ26はハイレベルの漏
液検出信号を出力し、これに応答して図示しない警報器
が作動する。
第2コンパレータ27は、サンプルホールド出力Vhと下
側閾電圧Vt2を比較する。漏液センサ1やリード線3a,3b
に断線が生じた時には、サンプルホールド出力Vhは接地
電圧まで低下し、下側閾電圧Vt2を下回る。その結果、
第2コンパレータ27はハイレベルの断線検出信号を出力
し、これに応答して図示しない他の警報器が作動する。
上記漏液や断線が生じない正常状態にあっては、サン
プルホールド出力Vhは、上記閾電圧Vt1,Vt2間の所定電
圧レベルにあり、コンパレータ26,27の出力はローレベ
ルである。
第4図には本発明の他の実施例が示されている。この
実施例では、検出部20Aは、バンドパスフィルタ21と、
アナログ・デジタルコンバータ30と、2つのゼロクロス
検出回路31,32と、マイクロコンピュータ33とを備えて
いる。
一方のゼロクロス検出回路31は、発振出力Viを下り坂
でのゼロクロスポイントを検出してパルスを出力する。
他方のゼロクロス検出回路32は、センサ出力Vsの下り坂
でのゼロクロスポイントを検出してパルスを出力する。
マイクロコンピュータ33は、ソフトウエア上、実質的
に位相差検出手段34,センサ出力の波高値検出手段35、
抵抗分出力の波高値検出手段36、比較判定手段37を備え
ている。
位相差検出手段34は、上記2つのゼロクロス検出回路
31,32からのパルスを受け、その入力時点の差と予め設
定された発振出力Viの周期とから、発振出力Viとセンサ
出力Vsとの間の位相差φを検出する。
センサ出力の波高値検出手段35は、アナログ・デジタ
ルコンバータ30でデジタル化されたセンサ出力Vsの波高
値Asを求める。
抵抗分出力の波高値検出手段36は、上記位相差φとセ
ンサ出力Vsの波高値Asに基づき、容量分出力Vscの波高
値Acをキャンセルするようにして(9),(11)式の方
程式を解くことにより、抵抗分出力Vsrの波高値Ar(比
較データ)を求めることができる。
上記比較判定手段37では、上記抵抗分出力Vsrと波高
値Arと上側閾値および下側閾値とを比較することによ
り、第1図〜第3図の実施例と同様にして漏液,断線を
検出する。
なお、上記位相差検出手段34と、センサ出力の波高値
検出手段35と、抵抗分出力の波高値検出手段36により、
比較データ発生手段38が構成されている。
第4図の実施例において、抵抗分出力の波高値検出手
段の代わりに、抵抗検出手段を用いてもよい。この場
合、上記位相差φとセンサ出力Vsの波高値Asに基づき、
容量Cxをキャンセルするようにして(10),(12)式の
方程式を解くことにより、抵抗Rx(比較データ)を求め
ることができる。この場合には、比較判定手段37では、
抵抗Rxが下側閾値より小さい場合に漏液検出信号を出力
し、上側閾値より大きい場合に断線検出信号を出力す
る。
本発明は上記実施例に制約されず種々の態様が可能で
ある。例えば、発振出力を漏液センサに付与してセンサ
出力を得る手段としては、第5図に示す構成等、種々の
ものを採用できることは勿論である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明では、発振出力のデータ
を用いて静電容量の影響を排し、漏液センサの抵抗にの
み依存する比較データを得ることにより、正確な漏液検
出を行うことができる。また、漏液判定のために漏液セ
ンサの導線やリード線の長さによって閾値を変える必要
がない。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図までの図面は本発明の一実施例を示す
ものであり、第1図は漏液検出システムのブロック図、
第2図は漏液検出システムの概略図、第3図は各出力と
サンプルパルスのタイミングチャート、第4図は本発明
の他の実施例を示す漏液検出システムのブロック図、第
5図は従来の漏液検出システムを示すブロックである。 1……漏液センサ、12……発振器、20,20A……検出部、
22……サンプリング手段(サンプルホールド回路)、23
……サンプルパルス発生手段、26……比較判定手段(第
1コンパレータ)、28……比較データ発生手段、34……
位相差検出手段、35……センサ出力の波高値検出手段、
36……演算手段(抵抗分出力の波高値検出手段)、37…
…比較判定手段、38……比較データ発生手段。
フロントページの続き (72)発明者 長沼 恒彦 東京都世田谷区宮坂2丁目25番25号 株 式会社潤工社内 (72)発明者 鹿戸 英樹 東京都世田谷区宮坂2丁目25番25号 株 式会社潤工社内 (72)発明者 島田 紀元 埼玉県志木市上宗岡5―19―53 株式会 社スパンドニクス内 (56)参考文献 特開 昭52−115283(JP,A) 特開 平1−299445(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 3/00 - 3/40 G01N 27/00 - 27/10 G01N 27/14 - 27/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発振器と、発振器からの発振出力を受けて
    センサ出力を発生させる抵抗変化型漏液センサと、漏液
    センサからのセンサ出力に基づいて漏液の有無を検出す
    る検出部とを備えた漏液検出システムにおいて、上記検
    出部が次の構成を備えていることを特徴とする漏液検出
    システム。 (イ)発振出力のデータを用いることにより、上記セン
    サ出力から、漏液センサの抵抗にのみ依存する比較デー
    タを得る比較データ発生手段。 (ロ)上記比較データ発生手段からの比較データを閾値
    と比較して漏液の有無を判定する比較判定手段。
  2. 【請求項2】上記比較データ発生手段が、次の構成を備
    えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の漏
    液検出システム。 (i)発振出力のピーク時点でサンプルパルスを出力す
    るサンプルパルス発生手段。 (ii)上記サンプルパルスに応答してセンサ出力をサン
    プリングすることにより、静電容量に影響されることな
    く上記漏液センサの抵抗にのみ依存する出力の波高値を
    比較データとして得るサンプリング手段。
  3. 【請求項3】上記比較データ発生手段が、次の構成を備
    えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の漏
    液検出システム。 (i)発振出力とセンサ出力の位相差を検出する位相差
    検出手段。 (ii)センサ出力の波高値を検出する波高値検出手段。 (iii)上記位相差検出手段および波高値検出手段によ
    りそれぞれ検出された位相差と波高値とから、静電容量
    に影響されることなく漏液センサの抵抗にのみ依存する
    比較データを得る演算手段。
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