JP2948041B2 - 回転式アーム・アクチュエータ - Google Patents

回転式アーム・アクチュエータ

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JP2948041B2
JP2948041B2 JP817593A JP817593A JP2948041B2 JP 2948041 B2 JP2948041 B2 JP 2948041B2 JP 817593 A JP817593 A JP 817593A JP 817593 A JP817593 A JP 817593A JP 2948041 B2 JP2948041 B2 JP 2948041B2
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正裕 三田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的にはアクチュエ
ータ・アームに関するものであり、特に磁気ディスク駆
動装置のための磁気ヘッド支持アームに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子計算機用の磁気ディスク駆動装置を
設計する場合には、ディスクの記録密度及びディスク駆
動装置の寿命を最大にすることが望まれる。殆どのディ
スク駆動装置においてディスクへのアクセスは、アクチ
ュエータ・アームの端部に設置された記録/再生ヘッド
を通じて行われる。ディスク自体は通常一連の同心の
「トラック」に分けられていてディスクは磁気ヘッドの
下で回転する。更にそれぞれのトラックは一連の最小サ
イズの隣接するデータ領域に分けられ、夫々のデータ領
域は磁気的に暗号化された1つの「ビット」をふくむ。
米国特許第4,414,594号(ファーマー、198
3年11月8日)は記録/再生ヘッドの位置決めをする
直線運動型アクチュエータを使用する通常のディスク駆
動(ドライブ)システムを例示する。
【0003】各トラックのビット数を多くすれば、或い
はトラック数を多くできれば、理論的には明らかにもっ
と多くのデータをディスクに収納することができる。情
報密度はしばしば1インチ当たりのビット数(BPI、
トラック毎に線形的に測定)と1インチ当たりのトラッ
ク数(TPI)で測定され、それ故にディスクをどれく
らい細かく多くのトラックやビット領域に分けられるか
という事にも依存している。しかしながら、たとえディ
スクの密度をかなり増加させてもディスクのドライブの
機械的限度によって、ディスクから信頼性良く読み出し
をすることは難しくなる。ディスク駆動装置(ディスク
ドライブ)の記録容量を増加させる場合の主たる限定要
因は「非再現性ラン・アウト・エラー」として知られて
おり、それは記録/再生ヘッドを十分な精度をもって位
置付けする事ができない事及びスピンドル・モータのベ
アリングの不完全性に依存しているディスクの径方向の
乱れた動きによつている。通常のディスク・ドライブで
は、ディスクの中心から離れる方向又は中心に向かう方
向にアーム端部に設置した記録/再生ヘッドを動かし、
又、ディスク面のすぐ上にヘッドを支持するためにアク
チュエータ・アームがあり、その回転をするためのベア
リングを必要とする。
【0004】ヘッド駆動システムからの非再現性エラー
はベアリングに支持されるアームのぐらつきに起因す
る。即ち、ベアリング不完全性による僅かなアーム回転
軸のずれに起因する。アームがぐらつけばヘッドも又動
くことになるが、アーム回転軸の動く方向や量は不定な
ので、ヘッドが1ビットよりも多くの領域にわたって動
く場合、どのビット領域をヘッドがオーバーしたかを知
るのは困難である。例えば、ディスクが1インチ当たり
1000トラック(TPI)を持つ、即ち、ディスクの
同心状トラックの各々が略、0.001インチ幅(これ
は現在使用されているディスクのトラック幅としては典
型的数値である)を持つと考える。もし、支持機構の径
方向の動きが+/−0.0004インチ(トラック幅の
2/5)以上はヘッドの正確な位置を知れないとすれ
ば、より高密度である4000TPIのディスクを使用
することは不可能である。何故なら、この場合、400
0TPIのディスクのトラック間隔が1/4000イン
チ=0.00025インチであり、これがヘッドの役割
より小さいので、ヘッドが今、どのトラックを読んでい
てどのトラックを読んでないのか、ということが分から
なくなるからである。ベアリング・シフトを減少させる
のに通常行う手段はベアリング(これらはしばしば高精
度の針ベアリングやボールベアリングである)に前もっ
て負荷をかけておくこと(先行負荷)である。これは実
際シフトを少なくする、というのはアクチュエータ・ア
ームがよりしっかりとピボット軸に係合するからであ
る。しかしながら、この解決手段は前もって与える負荷
が大きくなるにつれてによってベアリング摩耗を早めて
しまう。ベアリングが摩耗するにするにつれてギャップ
は再び大きくなり広がってしまい、ベアリングシフトが
再び起こってくることになる。これは先行負荷によって
避けようとしていた非再現性のエラーのまさにその問題
を引き起こす事になる。それゆえに前もって負荷を掛け
て置く事はベアリングの正確であることの期間を短くす
ることになる。
【0005】先行負荷だけがアクチュエータ・アームの
ピボットベアリングを摩耗させる力ではない。アームを
動かすために、何らかの型のモータが、ピボット・ベア
リングの廻りにアームを回すために使われる。モータの
力が強いほどアームはより早く加速されディスクのトラ
ックを変えて動く事になる。通常使用されている回転式
アクチュエータはアームのヘッドとは反対側の端部に磁
気的な力を作用させている。しかしながら、この加えら
れた力はベアリングに反力を引き起こす。この反力は先
行負荷の力と同じようにかえってベアリングの摩耗を早
めベアリングの径方向の動きや非再現性のエラーを多く
する事になる。それ故に通常の技術を使用してヘッドに
よる再生/記録のスピードを増加させる事は長い期間に
わたって保たれなければならない信頼性を減少させディ
スク・ドライブの寿命を縮める事になる。機械的共振は
すべてのディスクドライブに影響を及ぼす別の大きな問
題である。歴史的にはすべてのハードディスクドライブ
は程度の差はあれ共振周波数に関係した問題をもってい
る。共振周波数は、振動のように作動またはドライブ環
境によって引き起こされるとドライブのヘッドをトラッ
ク幅の中心に保持する能力を低める事になる。このこと
はトラック追従エラーとして当業者に知られている。最
悪の場合にはアクチュエータは共鳴によりトラック幅の
何%かに相当する径方向変化を生じ、記録/再生の失敗
を引き起こす事になる。1インチ当たりのトラック数を
多くし、トラック幅が減少するにつれて、このことは益
々大きな問題として浮かび上がって来る。最近まで共鳴
問題の殆どは3000Hz(3KHz)よりも小さい共
鳴周波数に関係するものであった。装置をしっかりした
ものにすると、3KHzよりも上の周波数で現れる共鳴
を起こす事になってきた。これはその時に要求されるT
PIを許容し得る位に十分高いものであった。装置の堅
固さを増加させる事はベアリング先行負荷を増大させる
事にもなっていた。しばしば動く部分の質量を減少させ
てその構造における共鳴周波数を増加させていた。ディ
スクドライブが小型になるにつれて動く部品の質量は減
少し振動モードの共鳴周波数は増加し、一般的には5K
Hzよりも多くなった。これは、新しいより小型のドラ
イブに対してより高いTPIを許容させるために十分な
ものであった。
【0006】ハードディスク駆動装置が更に小さくなる
につれて、ピボットベアリング構造は回転部分の慣性モ
ーメントの主たる部分になりつつあった。しかしなが
ら、より小さいボールベアリングを使用せんとする試み
は実際的ではない。何故ならばベアリングの反力に対し
て耐えることが難しくなるからである。ハードディスク
の駆動装置が小さくなるにつれて別の問題が低周波共鳴
の形で持ち上がってきた。この問題はトラック追従作用
について最も顕著に表れる。トラック幅が小さく、又、
トラック中心にヘッドを保持するために必要とされる大
変小さい動作と関係してピボットボールベアリング構造
はアクチュエータからの力に応答してただちに回転する
わけではなく、むしろ、可変のスプリング比を持つねじ
りスプリングと同様の方法で作動する。ディスク回転周
波数又は少しその上の周波数で不幸にも生じる低周波共
鳴はこのスプリング風の振舞いによっている。このよう
に、この共鳴はディスク不均衡や又、周期的なスピンド
ルモータのトルク変動によってもたやすく生じる。この
共鳴周波数をディスク回転周波数よりも小さい値とする
ためにベアリング先行負荷量を減少する試みは対応する
より高い共鳴周波数の減少を生じ、それ故に高いTPI
に対する要求と相入れない危険な周波数領域のものとす
ることになる。更に、ベアリング堅さを減少させること
は通常のシステムではアクチュエータ力によってベアリ
ングへの反力を起こし、結果としてヘッドの位置決め不
正確さを増すかもしれない。又、ピボツトベアリング部
における反作用を減少させるために、設計者はより小さ
い、異なったタイプのベアリングを考える。それはディ
スク回転周波数よりも小さい共鳴周波数を減少させる
が、同時に要求される高いTPIを可能にする高周波領
域のものである。ベアリング負荷を減少するために理論
的に可能なもう一つの方法はモータのロータ軸の上に直
接アームを取り付けることである。そうする場合には、
純トルクがアームに加えられることになりベアリングや
シャフトにゆゆしき反作用を生じない。しかしながら回
転式アクチュエータ用モータはいくつかの欠点をもって
いる。まず第1にアームを回転するトルクのモーメント
軸は、短いものであるのでアーム端部に力を加える従来
型のアクチュエータと同じようにヘッドの加速をするた
めには、モータはもっと強力なものを使用する必要があ
る。
【0007】第2に回転式アクチュエータは比較的強い
磁場を発生し、これはディスクに磁気的に暗号化されて
いるデータの記録/再生を乱すことになるので、シール
ドされなければならない(従来よりある非回転式のアク
チュエータでさえもしばしばこのような不都合をもって
といる)。更に通常の回転式モータのインダクタンスは
大変大きいものである。ヘッド進行方向を替えたり反転
させるのには相当長い時間を要している。それ故に、ロ
ータリ形モータを利用する場合、問題の解決策はより長
いベアリング寿命を得ようとすると、スピードを犠牲に
することになる。従って多分ビット密度を増加させると
ディスクの上のデータを記録/再生するのにより多くの
時間を必要とすることになる。多くの現存の設計上の問
題点というのは、アクチュエータ・モータが水平方向の
空間を多く必要とすることであり、それ故により小さく
薄いディスクドライブを使用するに適さないことにな
る。更に多くの現在のアクチュエータ・モータはアーム
に加えるトルク力がアームの位置角度に依存して変化す
ると云う短所をもっている。このことはアームの加速と
いうものがヘッドがデイスクの一定のトラックの上で
は、別のトラックの上におけるよりも小さくなってしま
うということである。この故にアームが二つのトラック
間を移動するのに要する時間というものはトラック間の
相対的距離のみならずそのトラックがディスクのどこに
あるかに依存するのである。データに対してのアクセス
時間はそれ故に均一ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】不均一トルクの問題を
解決するためにはある種のアクチュエータでは二つ又は
それ以上のコイルを使用する。これらコイルの累積され
た力が各々のコイルの生じる力が変化しても一定である
と考えられる。他の形のアクチュエータにおいて各コイ
ルの断面形状は次のようにデザインされている。即ち、
アームに取り付けられた永久磁石がコイルと相対的に運
動するにつれて、生成された力の減少がモーメント軸長
さの増大によって補われる。その結果として少なくとも
理論的にはその製品、従ってトルクは一定である。又、
別のアクチュエータにおいては同じ効果が一つ又は複数
個の可動コイルと固定した永久磁石との相互作用により
成し遂げられる。これらの解決策に関係した問題は物を
生産する場合及び実際に物を使用する場合に発生する。
第一にコイルの数を増加させることは、質量及びインダ
クタンスを増加させ、その結果、磁気記録媒体がアクチ
ュエータに近接しているコンパクトなディスクドライブ
においてはアクチュエータの構成形状として好ましく無
い。第二に永久磁石とコイルの形状は力とモーメント軸
の積を一定に保つために限られてしまう。言い替えれば
デザインを複雑にして自由にデザインをすることを妨げ
ることになる。アームに永久磁石を設けることは単にア
ームの質量を増加させるのみならず、その加速力を弱め
てしまう。しかし、また、そのことは磁場を収納しディ
スクや他の磁気記録媒体に対する磁束漏洩やデータの破
壊を防止することを難しくするのである。更に人々は磁
石とコイルを一定のトルクを発生するものに設計したい
と希望するが、実際問題として磁束線は完全にまっすぐ
である場合は少ないのでトルクを真に一定に保つのは不
可能である。
【0009】本発明の目的は、アームのピボットベアリ
ングにかかる反力を除去しあるいは少なくとも大幅に減
少させて、もって非再現性のエラーを大幅に少なくして
ディスクの収納可能なデータ密度を増加させるようなア
クチュエータ・アームの設置の仕方や動作の仕方を提供
することである。更なる目的としては、現在のアクチュ
エータ動力機よりも磁気攪乱を少なくし、敏速で小形の
アーム駆動モータを提供することである。更に本発明の
他の目的はアームに加わるトルク力がアームの角度位置
に依存せず実質的に均一であるアーム駆動システムを提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本体に加わる一対の力は
本体の重心のまわりな本体を回転するための純粋トルク
として作用するので、本体がその重心の回りを回転する
ように設置されるならば反力は加わらない。特に本発明
ではアクチュエータ動力機によって起こされる一対の力
はそのピボットベアリングを中心として実質的にアーム
に純粋トルクを加えることになる。ベアリングに加わる
反力が全く、或いは殆ど無いので結局現在のアクチュエ
ータよりも摩耗を少なくしてギャップを小さくしてベア
リングの寿命を長くし、ヘッドの位置決めを正確にでき
ることを意味する。永久磁石とモータのコイルの種々の
配列とが一対の力を創製するのに考えられる。全ての配
列に対して、ただ1つのコイルが必要とされ、コイルと
永久磁石はモータがアームに加えるトルクがアームの角
方向位置に拘らず実質的に均一であるように配列され
る。一対の力を創製するのに寄与する巻線の部分は実質
的に永久磁石の磁束線に直交する方向にコイルが作る力
を最大にするように巻かれている。更に1つの具体例で
はヨークは回転機の磁場強度を増加させるために用いら
れ、それ故にその出力を増大して磁束漏洩を少なくし磁
気記録媒体やデータを乱す危険を減少させるように用い
られる。
【0011】
【実施例】通常のディスクドライブのヘッド位置決め装
置の作動原理は、その主たる部品と共に図1に例示され
ている。通常の駆動源20は、アーム22の外端部に磁
気的な力を及ぼす(下向きの力ベクトルFAで示されて
いる)。「アーム」と言う言葉は、特に断らない限り以
下においてアーム自体のみならずヘッドアッセンブリー
のようにアームに取り付けられアームと共に動く物、従
ってモータが駆動する本体に質量や慣性モーメントを付
加する他の構成要素をも含む言葉として使用する。アー
ムはピボット・ベアリング24に取り付けられており、
マーク「CG」で示された重心を持っている。再生/記
録ヘッド26は、アーム22の一端に取り付けられてい
る。アーム22を駆動するトルクT=F・Lを生成する
ためにピボット24から距離L(慣性モーメント軸長)
だけ離れたところでアーム22に対して力FAが作用す
る。アームの移行はないので、良く知られているように
作用される磁気力FAに大きさが等しく方向が反対であ
る力が存在しなければならない。通常のシステムにおい
ては、この力は反力FRであり、それは常に生じベアリ
ング24に対して作用する。上で論じたように、このた
めに従来のシステム]ではベアリング先行負荷をかけな
ければならず、又、このことはシステムの寿命を縮める
ことになる。ゼロではない力FAがアーム22に加えら
れるので、仮にピボット・ベアリングがアームの重心に
置かれているとしても反力FRは生じることになる。
【0012】本発明においてベアリング反力の問題を解
決するために利用する原理を図2に示す。図2において
一対の力F−F(大きさは等しく方向は平行で反対であ
る)が任意の重心CGをもっている剛体28に加えられ
る。Fの作用線は距離Lだけ離れている(各々Lx1/
2のモーメント軸を生じている)ので結果としてトルク
T=FLを発生する。古典力学から良く知られているよ
うに一対の力F−Fが剛体のどこに作用されるかに拘ら
ず、その一対の力によって生じたトルクは純粋(一対の
力が大きさ等しく反対方向に向いているので結果として
力を生じない)であり、剛体28の重心CGのまわりに
作用するように移行される。もし、剛体28が重心CG
におかれているピボットベアリングに支持されていると
剛体はベアリングになんらの反力をも及ぼさずに純粋ト
ルクによって回転することになる。 本発明によれば剛
体は,ヘッド位置決めシステムのアームでありアクチュ
エータ動力源はアームに一対の力を加えることになる。
又、アームは、その重心におかれたピボットベアリング
に支持される。
【0013】図3は、ディスクドライブ(番号22によ
って示される)の主たる構成要素と本発明に従ったヘッ
ド位置決めシステムを示す。ディスクドライブ32は、
ハウジング(箱体)34をもち、それは他の構成要素に
対しての基体となり、それらを保護するものである。ス
ピンドル38に回転自在に支持される記録ディスク36
をモータドライブ(図示せず)が回転させる。本発明に
よればヘッド40はピボットベアリング44に支持され
るアーム42の一端に取り付けられている。アームは実
質上紙面内を動くことになる。場合により、アームの多
少のたわみは許容される。特に、軽量の薄型アームがそ
の慣性モーメントを減少させその加速性能を増加させる
ために使用される場合などは許容される。ピボットベア
リングはボールベアリングや針型ベアリングのような通
常使用されるベアリングであれば良い。ピボットベアリ
ング44の回転軸即ち、アームそれ自体の回転軸はアー
ムの重心(可能な限り重心に接近した所)を通る。重心
は生産する際には容易に定められる。本発明を議論する
場合、「垂直」なる言葉はアームの運動面に直交する方
向を意味し、「径方向」とはピボット44を起点とする
ベクトルの方向を意味するものとする。「接線方向」と
はアーム運動面内で径方向とは直交する方向を意味し、
「縦方向」とはアームの中心線、即ちピボットを通りア
ームをほぼ2分する線に沿った方向を意味する。「内方
向」及び「外方向」とは径方向に見てピボットへ接近す
る方向及びピボットから離れる方向をいみする。「上」
及び「下」と言う言葉は上で定義された垂直方向に関係
して用いられる。
【0014】一般的に番号46で示されているモータは
複数個の永久磁石48を含む。磁石は支持体50に固定
されている。支持体は好ましくは非磁性体であるが、生
じる効率の損失を許容できるのであれば磁性体であって
も良い。各磁石は一般的には互いに同心となっている断
面扇形(好ましくはその中心がアーム・ピボット点にく
る)のものである。図3において、アーム42の上のモ
ータ部分は一般的配置を明確に理解できるようにするた
めに省略または切断されている。ヘッド40とはピボッ
トに関して反対側のアーム42の端部には、巻線51が
ある。巻線51はアームにしっかりと固定された剛体コ
イルとなっている。コイル51は、アーム端部への支持
がなく取り付けることもできる。アーム端部にとりつけ
られた支持体に取り付けることもできる。アーム自体に
設けた開口部のまわりに巻線することもできる。アーム
の重心CGは、アーム42の可動部分質量に寄与する全
部品を考慮して計算で算定することができる。コイル5
1の軸は実質上アームの運動面に並行であり、アームの
軸線に対して直交する方向である。モータはこのように
して好ましくはファラデイ型のものであり、そこにおい
てコイルは関係式F=B・l・i(Fは力、Bは磁場強
度、lは磁場Bにおかれて磁場と直交するコイル部分の
長さである。iは長さlのワイヤ内を流れる電流であ
る)に従って動作する。
【0015】制御回路52(詳しくは述べない)は、ア
ーム巻線51に導体54を経由して電流を供給する。巻
線51に供給する電流の強さと極性を変化させる事によ
って制御回路はアームの動く方向やスピードを変化させ
ることが出来る。図3においてもし、アーム42が時計
方向に回転させられるならば、ヘッド40は、外側に即
ち、ディスク36の中心から離れる方向に動く。図3に
おいてヘッド40を通る点線はディスクの表面をヘツド
40が動く線を近似的に示すものである。一対力F−F
は、巻線51の上に示してある。この一対力が創製され
る方法は以下に説明する。図4は本発明の第1の実施例
の拡大端部を示す図である。明確にするために図示され
た構造、ピボットのように部分的には見えるかも知れな
い裏側構造は示されていない。第1実施例において、モ
ータは磁石に形成された4対のN−S極対を含む。図4
では2つの磁石対が見えている。図4は、上部と下部の
2つの部分に分かれているように見える。各々の断面で
相違する磁極対がある。色々の磁石が記号48Xy(X
は、磁石対の間のエアギャップ部磁極極性であり、yは
上部(u)又は下部(l)を示す)で示されている。図
で見える最上部磁石は48Nuであり、他も同様であ
る。図4に示されるように第1実施例は好ましくは上部
ヨーク56、下部ヨーク58とセンターヨーク60を含
んでいる。すべてのヨークは主として板状のものであり
好ましくは軟鉄である。ヨークは非磁性支持体50によ
って固定されている。ヨークは磁石を保持するのみなら
ず作用点を増加させ、その結果磁石の磁場強度を増加さ
せることになる。又、ヨークはギャップ近くの磁石の磁
束線を集中させモータの磁気回路の効率を向上させ、デ
ィスクの記録媒体を乱す可能性のある漏洩磁束を減少さ
せる。
【0016】図4において4対の磁極間の磁束線は、N
極からS極に向かっている小さな実質上平行な一連の矢
印によって示されている。更に巻線51の電流の方向は
矢印「i」で示されている。制御回路は電流iの極性を
変えてアームの動作方向を変えるので、iに付した矢印
は単なる例示である(実際、電流はループの中で動くの
でその方向は巻線のもう1つの側では下向きである。こ
のことは、以下に説明される)。図4が示すように、セ
ンターヨーク60と磁石48SU、48SLはコイル内に
配置され伸長している。更にアーム42のその外側端部
は上部ヨーク56,58に支持される磁石48NUと4
8NLの間を動く。例えば、磁石48NUと48SUの磁
極間のギャップは磁場を強くするために出来る限り小さ
くしなければならないが、アームや巻線51の自由な運
動を妨げる程小さくなっても困る。図4には、色々の磁
石が一体物として示されているが、これは必ずしもそう
ではなくても良い。同じ磁極配置が得られるのであれ
ば、どこか又は全ての磁石が2つ又はそれ以上の隣接す
る複数個の磁石で置き換えられても良い。
【0017】ここにおいて、電流が磁場内を動くとき発
生する力についてのものであるフレミングの法則または
左手の法則を思い出しておくことは有益である。フレミ
ングの左手の法則によれば次の式が成り立つ。 F=IxB I:電流ベクトル、 B:磁束ベクトル、 F:電流が流れるワイヤーに働く力ベクトル X:ベクトル積 磁束と電流が平行である特別の場合には、結果として生
じる力は0である。磁束と電流が直交するような特別の
場合には力FはBとIとのスカラー積に等しい。 良く
知られているように、BとIが互いに直交する時に発生
する力が最大となる。従って発生する力を大きく、か
つ、モータを小型化せんとする場合には、モータの駆動
力に寄与する巻線は、磁束線の方向に垂直である必要が
ある。このことはすべての本発明の具体例では実行され
ている。
【0018】図5は、本発明の第1実施例においてモー
タ46、アーム42及び、ピボット44の側面図(断面
を取っており、簡略化して示されている)である。アー
ム42と種々の見える所にある磁石は、見やすくするた
めに、又、発生する力を理解しやすくするために、断面
をとっていない。図5は説明簡単化のために4つの象限
に分けて有る。図5においてセンターヨーク60の上と
下の色々の磁極対の間で形成される磁気回路がそれぞれ
方向をもったループBUとBLで示されている。図5に示
されているように上部磁気回路BUは反時計方向にまわ
り、下部磁気回路BLは時計方向に流れている。図5は
又、巻線52を流れる電流iが時計方向に流れているこ
とが示される。これは例えであってフレミングの左手の
法則をあてはめれば磁極や電流iの流れる方向をコイル
に働く望ましい力の方向が成し遂げられるようにするこ
とが出来る。第1象限におかれた磁極対を考えれば、S
極が上部ヨーク56の下につけられており、N極が中心
ヨーク60の上につけられている。この磁極対の間の磁
束線は、図5に示されるように実質的に上向きに流れて
いる。しかしながら、電流iはこれら磁石の間において
右方向に流れている。それ故にフレミングの法則を適用
すればこれら磁石のあいだに於て右方向へ電流が流れて
おり、生成される力は紙面から出て来る方向に向くこと
になる。図5及びその後の図において紙面に垂直方向に
入るベクトルはx印の付いた○で示され、紙面に垂直に
出て来るベクトルはドットの入った○で示されている。
第2象限の磁極対に対しては電流iの方向は第1象限の
場合と同じである。しかしながら、磁束線の方向が下向
きである。再びフレミングの左手の法則を適用すればコ
イルに加えられる力は第2象限の場合には紙面に垂直に
入っていく方向に向いている。この場合、a)第一象限
と第二象限とに於て磁極対の間の磁束は強さとしては同
じであり、b)各々磁極対の間で巻線51の長さは均し
く、かつ、c)磁極間に配置された電流の強さは一定で
あるので第二象限において、紙面に入っていく力は、実
質上第一象限において、紙面から出ていく方向の力と大
きさは等しい。言い替えれば、中心ヨーク60の上の二
つの磁極対の配置は大きさが等しく方向が反対の平行な
力を生じ、この力が可動アーム42に作用する力とな
る。これらは、一定モーメント又はトルク軸長さLを有
する回転軸(点線64で示す)から離れた一対の力を創
製することになる。実際問題として、センターヨーク6
0の上の方の磁石対だけでも、アーム42を駆動するに
十分な一対力を作り出せる。しかしながら、駆動力、効
率、アーム加速力とバランスを増すために図3−図5に
示された第一の実施例は好ましくは下部磁石と下部ヨー
ク58を含むものとした。下部磁石によって作られる力
を決定するために、センターヨーク60の下の領域は実
質上は上部領域の「鏡像」であるということを考慮する
だけで十分である。磁束の方向は反対向き(下側の左側
磁極対に対して上の方向に向き、右の磁極対に対して下
向きに)である。電流iは巻線51を時計方向に流れ、
センターヨークの上で左に流れているので、センターヨ
ーク60の下で右方向に流れる。その結果としてセンタ
ーヨーク60の下で左側と右側に向いている力はヨーク
60の上でそれぞれ左向きと右向きに作用している力と
同じ方向に向く事になる。言い替えれば、下の磁気回路
(センターヨーク60の下)は上だけの磁気回路を使う
場合に比較して力を2倍にすることになる。モータの力
を2倍にすることに加えて、センターヨークの上、下に
実質的に同じ磁気回路(但し、反対の極性である)を配
列することの更なる利点は、1つの磁気回路だけであれ
ば発生するかもしれない垂直方向の力が下部磁気回路に
よって生成される反対方向に向いた力によって消去され
るということである。このことは結局、アームに加わる
垂直方向の曲げ力(これは、ベアリング44に移される
ものである)を消すことになる。コイル(剛体巻線5
1)の内端及び外端、即ち、図5において左側及び右側
の巻線部分において、電流方向は垂直方向(図5に示さ
れる)である。磁石の磁束線も又、実質上垂直方向であ
るので、フレミング法則に従って結果として生じる力は
ゼロである。コイル51の角に形成される力は、無視で
きる位小さなものであるが、それでも、それらの各々の
象限において、主たる力ベクトルと同じ方向の力であ
る。第1の実施例においてコイルの垂直部分、即ち、ア
ーム回転軸に平行な方向に伸びている巻線は非駆動部分
として作用する。というのは、電流が流れてもアームに
力を発生するのに寄与しないからである。一方、巻線の
アームの運動面内に伸びる部分は、実質的に磁束に直交
しており、アームを駆動するに寄与する部分として作用
する。
【0020】図4に関していうと、対向する磁石の極性
が反対であれば磁石48NU,48NL,48SU,48
Lは、2つ又はそれ以上の磁石に分けることもでき
る。又、図5に関して全ての磁石は180°回転させて
配置することもできる。電流方向も又逆になれば発生す
る力ベクトルは同じである。第1の実施例において、た
だ4個の平板形磁石を使用することもできるが、多くの
小さい磁石が利用価値の高く好ましい場合もある。コイ
ル51の垂直方向端部は、水平方向部分に比較して大変
小さくすることができるので、第1の実施例の実質コイ
ル長さ部分の比率は高い。更に第1の実施例における剛
体コイルの質量は比較的小さい物にできる。このこと
は、結局、アームの慣性を減少させ、アーム加速を大き
くすることが出来る。第1の実施例の効率は比較的小さ
なコイルを作っても達成でき、コイルのインダクタンス
を小さくし、電流方向をすばやく変えることも出来る
し、それ故にアーム加速を大きくすることもできる。一
方、第1の実施例は3層(ヨーク)であり、高さの大き
いものとなっている。図6−図8は、本発明の第2実施
例を示す。この場合には、ただ2つの層があるだけであ
り、第1の実施例よりももっと小型又は薄型に出来る。
更に、第2実施例のアームとヨークの一般的形状は現存
の多くのアームやモータの一般的形状に類似しているの
で、本発明の第2の実施例は通常のディスクドライブ配
置のものに容易に適用することが出来る。アーム66の
重心のまわりに回転出来るようにアーム66がピボット
ベアリング44に取り付けられる。第2の実施例におい
て、アーム66の外端は広がっており剛体コイル70が
その回りをかこむ穴68がある。コイル70の軸は実質
的にアーム66の運動面に垂直である。例示であるが、
図6においてコイル70内の電流iは上から見れば反時
計方向に廻る。第2実施例のモータは2つの平行な磁石
配列72を含む(図6には底部のものだけが示されてい
る)。各磁石は、一般的に円弧の1部の扇形のように形
成されていて(好ましくはアームのピボット点にその中
心が来るようにする)、互いに同心状に配置される。分
離面の一方の側において、磁石の極は、反対側の鏡像位
置に置かれた磁石の極性と反対である。コイル70の中
心孔の幅は、図6に示されているように一番左の部分、
即ち、主として、径方向に伸びている所でコイル巻線の
部分が、左側の磁石の幅を越えている。一方、一番右の
部分は、アームの運動領域にわたって右側の磁石の幅を
越えている。両方の駆動巻線が磁石の同じセットの上に
来ると、2つのトルクは反対向きとなり、従って互いに
打ち消すこととなる。
【0021】図7は第2実施例の端部を示す図である。
第2実施例は、上部ヨーク74と下部ヨーク76を含
む。これらヨークは非磁性支持部材50によってしっか
りと支えられている(この支持のやり方は第1実施例と
は相違しているが部品番号は簡略化するために同一のも
のを使用している)。第2実施例は、左右及び内外に分
けられた4つの磁極対を含む。上部磁石78は上部ヨー
ク74の下側にとりつけられ、下部磁石80は、下部ヨ
ーク76の上側に取り付けられている。アーム66は自
由に上部及び下部磁石の間を横方向に動ける様になって
いる。アームと磁石間のギャップは好ましくは小さい方
が良いがアームの自由な運動を妨げてはならない。図7
において、最外部磁石によって作られた磁束Bの線は反
時計方向にまわっている。左側の端部磁石の間で、電流
の方向は紙面から出てくる方向(図7)であり、一方、
右側端部磁石の間で電流方向は紙面に入る方向に向かっ
ている。フレミングの法則を適用すれば、これら外部磁
石は反時計方向に流れる電流と相互作用をして、コイル
を右に動かす力(二重矢印「F」を参照)を発生する。
さて、図6や図8に示された内側の磁石群を考えてみ
る。これら磁石の極性は外側の磁石群とは反対になって
いるので、形成する磁気回路は、外側磁石群の方向とは
反対方向のものとなる。しかしながら、電流iは、内側
と外側で同じである。ベクトルBのただ1つだけが符号
を変えるので、フレミングの式の右辺でで力ベクトルが
符号を変え、方向が逆向きのものとなる。
【0023】内側磁石群の幅(実行長さ)は、外部磁石
群と同じなので、それらの生じる力の大きさは同じであ
る。言い替えれば、第2実施例において、トルク軸長さ
Lを持ちそれぞれの側で同じ方向になっている一対の力
は一連の右側磁極対と一連の左側磁極対の各々によって
形成されると言うことである。これらトルクの両方とも
その重心においてアームに作用するものとして移行でき
る。図9−図11は、本発明の第三実施例を示すもので
ある。ここにおいて、前と同じようにアーム82はその
重心においてピボット・ベアリング44によって支持さ
れている。又、前と同じようにモータはヨーク84を含
み、ヨーク84は複数個の永久磁石を支える。第3実施
例において、ヨーク84は、扇形センターヨーク部分9
1の両側に、第1即ち内側の穴85と第2即ち外側の穴
86という2つの扇形の穴を持っている。第1の穴85
の所の第1の永久磁石87は、内側の壁(ベアリング4
4に最も近い部分)に取り付けられている。第2の永久
磁石88は、第2の穴86の内側の壁(ベアリング44
に最も近い部分)に固定されている。変形例としては、
第1の永久磁石は、第1の穴85の外側の壁(ベアリン
グ44に遠い所にある壁)へ取り付け、第2の永久磁石
88を第2の穴86の外側の壁(ベアリング44から遠
い所にある壁)に取り付けることができる。この変形例
は、ある場合にはアームをもっと短いものとし得るので
好ましい。磁石87と88の各々は、磁極配置が同じで
有れば、2つ亦はその以上の隣接する磁石で作ることも
出きる。この場合には、1つの場合に比較してヒステリ
シスを減少させることが出きるし、又、最近の磁石材料
(非鉄系)を利用することも出きる。アーム82は、コ
イル89の巻線部分を支えコイルの中心軸は接線方向に
伸びている。アーム82は好ましくは穴90を有し、ヨ
ークのアーク部分91はアームが動くに際して、穴90
を通り抜ける。言い替えれば、コイル89はアーク部分
91と外部磁石88を囲んでいる。アーク部分91はそ
れによって円柱状の分離面(アームの運動面に垂直方向
に伸長)を定めている。内部磁石と外部磁石は、それら
磁極性や配置については鏡像関係になる。図9において
磁束線は小さな矢印で描かれている。磁束線は、内部磁
石のN極から外部磁石のS極に至っている。コイル89
の巻線は垂直方向(アームの回転軸と平行方向)に伸び
ており、アームを駆動するに寄与する。上述の第1の実
施例や第2の実施例と同じように磁石87,88間の距
離即ちギャップは可能な限り小さい方がモータの力を増
加させる(アームの自由な運動は確保する必要がある)
ので好ましい。コイル89の側面図、即ちコイルの中心
軸に沿って見た図である図11を考えて見よう。例示と
して電流iはコイル89の内を時計方向に流れるように
描かれている。磁束線Bは、径方向を外に向かってい
る。巻線の上部及び下部に関して、電流は主として磁束
線と平行な方向に流れているので、これらコイル部分で
は電磁力はコイルに作用しない。図11から判るように
コイルの内側の垂直部分において、電流は下向きであ
り、外側垂直部分において上向きである。フレミングの
法則からアームに加えられる力Fは、コイルの外側部分
では紙面から垂直に出てくる方向であり内側コイル部分
においては紙面へ直角に入って行く方向の力である。永
久磁石87と88とを同じ高さとして、コイル89の幅
を一定とすると、永久磁石の実効長さは同じとなり、そ
の結果、生じる磁気的な力は同じとなる。しかしなが
ら、力の方向は逆であるので近似的にはコイル89の垂
直部分間の距離に等しいトルク軸長さLを持つ一対の力
F−Fがアームに作用する。前と同じように、それ故に
モータはアームを回転する純粋トルクを発生してベアリ
ング44に認識出来る反力はかからない。コイル89の
垂直部分で一対力を生成するのに寄与するのであるか
ら、コイルの実効長さの比率をヨーク84の高さを増加
させることによって増加させることが出来る。本実施例
ではヨーク84が大きいので磁石とコイルによって生成
する磁極の漏洩は殆ど無い。更に第3実施例においてア
ームとヨークの一般的な形は現在のアームやモータの一
般的形状に類似しているので、第3実施例は第1実施例
よりも通常のディスクドライブに適用するに容易であ
る。図12は第3実施例の変形例である。センターヨー
ク部分は無く、ヨーク84がただ1つの中央穴を持って
いる。この変形例では磁束線Bは内部磁石87から外部
磁石88へ流れている。磁石87及び88はヨークの中
央穴の円筒状内壁に取り付けられている。
【0024】アームコイル89はヨークのどの部分をも
囲まない。アーム自体が内側磁石とヨークの内側曲線に
対応する穴を持ち、アームはヨークの上と下の方へ向か
って2つに分かれる。しかしながら、この実施例では中
心ヨークを用いて磁束密度を増加させることも出来る
(この場合でも外部磁石88はセンターヨークに取り付
けられていない)。図13は、第3実施例のもう1つの
変形例を示す。この場合、センターヨークは無いが単一
の扇型磁石92がヨークに設けた穴の内で支持体93を
用いてヨークの側壁に取り付けられている。支持体93
は好ましくは非磁性体であるが、効率を多少落としても
良いのであれば磁性体であってもかまわない。この変形
例において、アームは図11に示された穴90と類似し
た穴を持ちその穴を通って永久磁石がアームの動く方向
に伸長している。コイル89は磁石92を囲む配置とな
っている。図4−12に示した実施例はすべて少なくと
も2セットの永久磁石を含み、磁石の極性はそれぞれの
対において対向する磁石の極性とは反対になっている。
この対向的配置が磁気回路を形成し、磁束線Bを生じ、
その磁束線が電流iと相互作用をしてアームに一対力を
創製することになる。しかしながら、図13においては
ただ1つの磁石92(これを複数個の隣合う磁石として
も良い)がある。この変形例においては、ヨーク84そ
れ自体が磁気回路を形成するべく対向磁石のように機能
してその誘導された内側及び外側の扇形部分の極性は回
路の一部になっておりN*やS*で示されている。図13
に示された具体例の他の利点はAlNiCoのような低
保磁力の材料が使えるということである。図12と13
とに示された変形例において、ヨーク84はセンターヨ
ーク部分を持っておらず、それ故に軽量化出来、生産容
易である。見やすくするために、磁石とコイル巻線との
間のギャップは実際よりもずっと大きく図12と図13
では示されている。その代わり、磁石(磁石又は誘導磁
極)内のギャップは出来る限り小さくして磁気力を増加
させる必要がある。このことは逆にこれらを径方向に大
幅に小型化することが出来るということになる。しかし
ながら、これらの変形例の欠点は上述の第1〜第3の実
施例のものと比較してこれらが一般的には機械的強度に
劣るということである。一方、これらの実施例は薄型
(垂直方向の小型化)は出来るが幅が大きくなる。この
ように、これらの具体例では比較的大きな極間距離をと
ることができ、このことは逆に弱い磁石を使っても強い
トルクを発生する事が出来ることを意味する。図14は
どの実施例でも使用可能であり、1つ又は複数個の板状
ヨークに代えて使用できるC型ヨーク配置の側面図であ
る(単なる例示のために図13同様に1つの磁石を配置
したものがしめされている)。この別のヨーク配置の場
合には、1つのヨーク84が磁石92を囲んでいるコイ
ル89の下、後ろ(外側)及び上に伸長している。ヨー
クはアーム82が通るスロットを内壁の近くに持つケー
スのような形をしている。図14に示されている磁石配
置(Nが外側でSが内側にある)では、ヨークには図示
されるように各々反対磁極S*とN*が誘起されている。
磁石を2つに分ける水平面の上の磁束線は時計方向に回
っており下の磁束線は反時計方向に回っている。ヨーク
84は磁石22とコイル89を囲んでいるので、モータ
の外へ出る漏洩磁束は大幅に減少している。大変小型の
ドライブでもこのC型ヨーク配置は、磁気攪乱や磁気記
録媒体にノイズの入る危険を除去する。もちろん、本発
明の別の実施例についてもヨーク/磁石配置にたいして
の色々の変形例を考える事ができる。
【0025】図15(a)−(d)は第1実施例の他の
可能な変形例を示すものである。図5に示された側面図
と比較してみて下さい。各々の変形例において、3つの
ヨーク56、58、60が使用されている。コイル51
(図15(a)−(d)では1つの巻線として示されて
いる)はセンターヨーク60を取り囲んでいる。ただ1
つの磁束線Bが各々の磁気回路に対して示されている。
磁石はNやSの磁極がついており、そのケースが磁気回
路を完成するようにヨークに誘導された磁極は、N*
*の印がつけられている。上に述べたように、電流i
の方向は単なる例示である。制御回路はアームの運動方
向を逆にするためにその極性を変えるようになってい
る。図15(a)−(d)のすべての例示された変形例
において、配置はセンターヨーク60を2分する1つの
面(これらのケースの場合、その対称中心面はアームの
運動面に平行である)に対して面対称又は鏡像関係にな
っている。今、上部磁気回路、即ち上部ヨーク56、セ
ンターヨーク60及び磁石および誘導磁極で構成されて
いる回路を考えてみよう。各々の磁気回路に対して磁束
の方向は磁束ループの反対側のものとは180度反対と
なっている。電流iの方向は2つの磁束に対して変わら
ないので生じる力は各々の領域で反対方向で大きさが等
しいのでトルク軸長Lの一対力を生じる。 図15
(a)−(d)に示されるように一般的な発明原理は本
発明の種種の具体例を発展させるのに利用することがで
きる。巻線は電流を磁束の2つの領域(2つの磁気回路
の両方叉は1つの磁気回路の2つの領域)において流
す。両方の領域において、磁束の方向叉は電流の方向は
アクチュエータ・アームの縦方向軸線に実質上平行であ
る。電流の方向と磁束の方向は1つの領域と他の領域に
おいて反対のものとなっている。
【0026】この原理は本発明のすべての実施例におい
て同じである。磁束の方向が電流の方向に対して向きを
変えるか、叉は、磁束の方向に対して電流の方向が向き
を変える。それ故に、すべての実施例において、一定の
モーメント軸長を有する一対力は、純粋な一定のトルク
をアームに加えるように発生させられる。アームはその
重心のまわりに回転するように支持されているので、ベ
アリングは、重大な反力は発生しないこととなる。本発
明のすべての具体例において、アクチュエータの作動す
る部分、すなわち、磁束線に平行でない部分で電流が通
ると力が作用する部分は実質的に真っ直ぐであり、アー
ムの全運動領域に亘って磁束線に垂直であるる理論的に
は均一のトルクが補償コイルを必要とせず発生できる。
実際上、実質的な作用ギャップにおける磁場は永久磁石
の端部で減少する。これは、磁石表面の極から対向する
磁極への磁束漏洩による。本発明は一定トルクのそのよ
うな変化を補償する手段を提供する。そのような補償の
具体例は以下の物を含む。 1.いくつかの具体例における回転端部におけるトルク
軸長変化 2.回転端部で、コイル巻線に作用する磁極を多くする
ような磁石形状の改良 3.より高い磁石負荷線を提供するための磁石長さ(S
→N)の増加、これは作用ギャップにおけるアームの回
転端部で磁場強度を大きくする、 更にただ1つのコイルがバランスのとれた均一のトルク
を生成するために必要とされる。叉、具体例の各々にお
いて生成される一対力のトルク叉はモーメント軸長はア
ームがモータ内で移動しても、アームの位置に関係なく
一定である。図16に示すように本発明ではアームがそ
の重心で支持される限りは、アーム82が曲げられてい
てもよい。ディスクドライブを非常に小型化できるし、
設計の任意性を増加させることが出来る。
【0027】上述の本発明の具体例は、磁石とヨークの
構造が場所的に固定されていてコイルが動くということ
を前提としている。しかしながら、ニュートンの作用・
反作用の法則によってこれらのアクチュエータに働く同
じ力は、コイルが場所的に固定されていて磁石とヨーク
が動くようにすることもできる。いわゆるムービング・
コイル型は、均等の磁石可動型構造よりも本来的に慣性
モーメントが小さいことは当業者には良く知られてい
る。それにも拘らず、本発明が可動コイル型とされた場
合には有利である具体例もある。従ってどの図面もコイ
ルが固定されている構造を持つと解釈されることができ
る。そこにおいては、磁石やヨーク構造は動くものとな
る。例えば、図15(a)−(d)は固定コイルと固定
磁石を使用しているものと考えることもできる。ヨーク
が動いており、それがアームに取り付けられていると考
えることもできる。特に、可動磁石型のデザインは、コ
イル51がドライブ基体に固定されていると仮定して図
15(a)で記載されることができる。この場合、ヨー
ク56,58,60は可動のアームに取り付けられてい
る(図示されていない)。同様に、図15(b)におい
てコイル51とヨーク56,58固定されていてヨーク
60に固定された磁石がアームに取り付けられて動くこ
とが出来る。図15(c)においては、コイル51とヨ
ーク60の部分が固定されて、ヨーク56,58の上の
磁石がアームと共に動くことができる。
【0029】図15(d)においてコイル51とヨーク
56,58が固定されており中心磁石はアームに取り付
けられて動くことができる。
【0030】
【発明の効果】上述の本発明は、ディスクドライブのヘ
ッド位置決めに関係して述べられている。本発明は特に
そのような応用で有益である。何故ならばディスクドラ
イブのスピードを増加させ摩耗が少なく位置精度が高い
からである。これらのことは、ディスクドライブの改良
(小型化し記録密度を増加させ、アクセスタイムを短く
するなど)のためには、特に重要である。本発明は他の
応用も可能である。例えば速くしかも正確に行ったり戻
ったりする回転部材としてアームが使われるどのような
システムにも本発明を使うことができる。本発明は他の
光学記録、光磁気記録、CDのような記録技術にも応用
できる。これらの技術においてレーザが媒体からの再生
(使用挙できるCD−ROMや光磁気記録では書き込み
も出来るが)ヘッドによって位置決めされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のヘッド位置決め装置をかなり簡略化
したものを示す図である。
【図2】本発明において応用されるトルク伝達原理を示
す図である。
【図3】部分分解でしめされた本発明の第1の実施例の
ものを組み込んだディスクドライブの具体例の略平面図
である。
【図4】図3におけるアームの駆動端の4ー4断面図で
あって、第一の実施例に従って磁気的に駆動されるもの
である。
【図5】アームと磁気駆動回路の図4における5ー5線
に沿っての部分側面断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例についてアームと動力機
配置の平面図である。
【図7】第2の実施例について、アームの駆動端部と磁
気ドライブの図6における7ー7に沿って取られた断面
図である。
【図8】図7の8ー8線に沿ってのアームと磁気ドライ
ブ回路の部分断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例についての平面図であ
る。
【図10】本発明の第3の実施例についての端面図であ
る。
【図11】本発明の第3の実施例についての側面図であ
る。
【図12】第3の実施例の変形例についての配置を示す
図である。
【図13】第3の実施例の別の変形例についての配置を
示す図である。
【図14】本発明に従ったアクチュエータのヨーク配置
の変形例側面図である。
【図15】ヨークと磁石配置の変形例を示す図である。
【図16】本発明の角度を持ったアーム配置の例を示す
図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−217774(JP,A) 特開 昭59−98350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 33/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アームと、実質上同一平面内を回転自在
    に運動し得るように前記アームをその重心においてアク
    チュエータ基体に支持する手段、及び大きさが等しく方
    向が反対であり平行である一対の力を前記アームに作用
    させる駆動手段を有し、前記一対の力の各作用点を結ぶ
    線の中点を前記重心とずらした位置に置いたことを特徴
    とする回転式アーム・アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、アームの運動がアー
    ムに固定された巻線とアクチュエータ基体に固定された
    磁石と前記巻線を通る電流によってなされることを特徴
    とする回転式アーム・アクチュエータ。
JP817593A 1992-01-21 1993-01-21 回転式アーム・アクチュエータ Expired - Lifetime JP2948041B2 (ja)

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