JP2945759B2 - C型肝炎ウイルスアシアロ糖タンパク質 - Google Patents

C型肝炎ウイルスアシアロ糖タンパク質

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JP2945759B2
JP2945759B2 JP50094492A JP50094492A JP2945759B2 JP 2945759 B2 JP2945759 B2 JP 2945759B2 JP 50094492 A JP50094492 A JP 50094492A JP 50094492 A JP50094492 A JP 50094492A JP 2945759 B2 JP2945759 B2 JP 2945759B2
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オー. ラルストン,ロバート
マーカス,フランク
ビー. スーディアム,ケント
エイ. ジャーバス,バーバラ
エイ. ホール,ジョン
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カイロン コーポレイション
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、組換えタンパク質の発現およびウイルス学
の一般的分野に関する。さらに詳細には、本発明は、C
型肝炎ウイルス(HCV)感染の診断、治療、および予防
に有用なタンパク質、ならびにこのような糖タンパク質
の生産方法に関する。
背景技術 非A型、非B型肝炎(NANBH)は、ウイルスによって
誘発されると考えられている伝染性患者(あるいは疾患
のファミリー)であり、A型肝炎ウイルス(HAV)、B
型肝炎ウイルス(HBV)、デルタ肝炎ウイルス(HDV)、
サイトメガロウイルス(CMV)、あるいはエプスタイン
ダーウイルス(EBV)に起因する肝疾患などの、他の形
態のウイルス関連肝疾患とは区別されている。伝染病学
的証拠によりNANBHには3つの型があることが示されて
いる。すなわち、水に起因する伝染型;血液あるいは針
に関連する型;および、散発的に発生する集団獲得型。
多くの原因因子は未知である。しかし最近、新種ウイル
スであるC型肝炎ウイルス(HCV)が、血液に起因するN
ANBH(BB−NANBH)の主要原因(もし唯一の原因でなけ
れば)として同定された。例えば、PCT WO89/046699を
参照のこと。C型肝炎は、アメリカ合衆国、ヨーロッパ
および日本を含む多くの国あるいは地域で、輸血関連肝
炎の主要形態であるようだ。さらに、HCVに関連する肝
細胞癌の誘発の証拠も存在する。従って、HCV感染の効
果的な予防法および治療法の必要性が存在する。
HCVキャリア、およびHCVに汚染された血液あるいは血
液製剤をスクリーニングおよび同定するための鋭敏で特
異的な方法の要求が高まっている。輸血後肝炎(PTH)
が、輸血患者の約10%に発生し、この場合の90%までは
HCVに起因する。この疾患の主要な問題は、慢性肝障害
の常習的な進行である(25−55%)。
患者の世話、ならびに血液および血液製剤による、あ
るいは患者との密接な接触によるHCVの伝染の予防に
は、HCVに関連する核酸、抗原および抗体の検出のため
の信頼し得る診断ならびに予後手段が必要とされる。さ
らに、この疾患を予防および/あるいは治療するための
有効なワクチンおよび免疫治療的治療剤の必要性が存在
する。
HCVは、他の感染性ウイルスに比較して非常に低率で
感染個体の血液中に存在するようであり、このことはこ
のウイルスの検出を非常に困難にしている。このウイル
スが低率で存在することが、おそらく、長い間NANB型肝
炎の原因因子が検出されなかった主な理由である。現在
ではクローン化されてはいるが、いまだに培養および増
殖は困難である。従って、診断/治療/予防用のHCVタ
ンパク質を生産する組換え法の必要性が強い。
このように、HCVワクチンが非常に必要である。しか
し、細胞系におけるHCVの培養には、非常な困難があ
る。したがって、組織/細胞の継代培養により弱毒化ウ
イルス株を産生することは不可能であった。
発明の開示 2種のHCVタンパク質、E1およびE2は、組換え系にお
いて発現されるときには、膜結合のアシアロ糖タンパク
質であるようであることが発現された。糖タンパク質は
通常、哺乳類中ではマンノース末端形態ではなく、さら
に他の炭水化物で修飾されていて、マンノース末端化形
態は、一般的には単に一過的なものであるので、このこ
とは予想外のことである。E1およびE2の場合(われわれ
の系において発現されるとき)には、アシアロ糖タンパ
ク質は、最終形態であるようだ。E1(エンベロープタン
パク質1)は、HCVゲノムの推定E1領域から翻訳される
分子量約35kDの糖タンパク質である。E2(エンベロープ
タンパク質2)は、HCVフラビウイルスモデルに基づ
く、HCVゲノムの推定NS1(非構造タンパク質1)から翻
訳される、分子量約72kDの糖タンパク質である。ウイル
ス性糖タンパク質は、しばしば高免疫原性であるので、
E1およびE2は、イムノアッセイおよび治療/予防ワクチ
ンに使用されるのにまさに適したものである。
E1およびE2がシアル化されていないことの発見は重要
である。タンパク質の特定の形態は、細胞が組換え発現
用の適当な宿主として働き得るように指令する。E.coli
などの原核生物は、タンパク質をグリコシル化せず、そ
して一般的には、抗原としての使用のために糖タンパク
質を産生するのには適していない。その理由は、糖タン
パク質はしばしば、タンパク質の完全な抗原性、可溶
性、ならびに安定性に対して重要であるからである。酵
母ならびに真菌のなどの下等真核生物は、タンパク質を
グリコシル化するが、一般には、末端シアル酸を付加し
て炭水化物複合体になし得ない。従って、酵母由来のタ
ンパク質は、抗原としての、それらの天然(組換え体で
はない)のタンパク質とは区別され得る。組換えタンパ
ク質のグリコシル化は野性ウイルスタンパク質のグリコ
シル化に非常に類似しているので、哺乳動物細胞での発
現は、産生物の抗原性が重要である応用に好ましい。
HCVウイルスが、肝細胞上に見い出されるアシアロ糖
タンパク質レセプター、あるいは肝内皮細胞およびマク
ロファージ(特に、クッペル(Kupffer)細胞)上に見
い出されるマンノースレセプターを介する感染中に、宿
主細胞への入口を得ることができるという新たな証拠が
示された。驚くべきことに、天然のE1およびE2塊は、末
端シアル酸残基を有さず、コアグリコシル化のみなされ
ることが発見された。さらに少画分が末端N−アセチル
グルコサミンを含む。従って、本発明の目的は、全末端
シアル酸残基あるいは実質的に全てのシアル酸残基を欠
く、HCVエンベロープ糖タンパク質を提供することであ
る。
本発明の他の局面は、例えば、分泌または放出を促進
する抗生物質を使用しての酵母での発現、あるいは哺乳
動物細胞における発現による、末端シアル酸付加を阻害
する条件下でアシアロE1あるいはE2を産生する方法であ
る。
本発明のもう一つの局面は、末端マンノース残基ある
いは末端N−アセチルグルコサミン残基に結合する、レ
クチンに対する親和性によるE1あるいはE2の精製法であ
る。
本発明のもう一つの局面は、免疫原性組成物であり、
これは、薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせた、HC
V E1およびE2からなる群より選択される組換えアシアロ
糖タンパク質を含む。所望で有れば、必要に応じて、免
疫学的アジュバントが含まれ得る。
本発明のもう一つの局面は、イムノアッセイ試薬であ
り、これは適切な支持体と組み合わせた、HCV E1および
E2からなる群より選択される組換えアシアロ糖タンパク
質を含む。本発明の他のイムノアッセイ試薬は、適切な
検出標識と組み合わせた、HCV E1およびE2からなる群よ
り選択される組換えアシアロ糖タンパク質を含む。
本発明のもう一つの局面は、E1および/あるいはE2の
ダイマーおよび高次凝集体(higher−order−aggregate
s)に関する。本発明の1種はE2複合体である。本発明
の他の種は、E1:E2ヘテロダイマーである。
本発明のもう一つの局面は、E1:E2凝集体および薬学
的に受容可能なキャリアを含むHCVワクチン組成物であ
る。
本発明のもう一つの局面は、E1:E2複合体の精製方法
である。
本発明のもう一つの局面は、以下の(a)、(b)お
よび(c)の工程を包含する、細胞培養物中でのHCVの
増殖の方法である:(a)マンノースレセプターおよび
アシアロ糖タンパク質レセプターからなる群より選択さ
れるレセプターを発現する細胞を供給する工程;(b)
細胞をHCVで感染させる工程;および(c)感染細胞を
培養する工程。好ましくは、細胞は組換えレセプターを
発現する。
発明を実施するための形態 A.定義 用語「アシアロ糖タンパク質」とは、実質的にシアル
酸成分を含まないグリコシル化タンパク質のことであ
る。アシアロ糖タンパク質は、組換え、あるいは、細胞
培養または天然源からの精製により調製され得る。まさ
に、好ましいアシアロ糖タンパク質は、HCV、好ましく
は糖タンパク質E1およびE2、最も好ましくは組換えE1お
よびE2(rE1およびrE2)由来である。シアル酸残基の量
が、実質的に糖タンパク質の、GNAのなどのマンノース
結合タンパク質への結合を阻害しない量であれば、この
定義範囲内では、タンパク質は、シアル酸を「含まな
い」。シアル化の程度は一般的には、全N結合炭水化物
の約40%未満がシアル酸であり、より好ましくは約30%
未満であり、より好ましくは約20%未満であり、より好
ましくは約10%未満であり、より好ましくは約5%未満
であり、最も好ましくは約2%未満である。
本明細書に使用されている用語「E1」は、HCVポリタ
ンパク質の最初の400アミノ酸以内に発現されるタンパ
ク質あるいはポリペプチドのことであり、ときにはEあ
るいはSタンパク質と呼ばれる。これは、その天然形態
において、膜に強く結合されていることが見いだされ
る、35kDの糖タンパク質である。ほとんどの天然のHCV
株では、E1タンパク質は、ウイルスポリタンパク質中で
C(コア)タンパク質の後にコードされる。E1タンパク
質は、ポリタンパク質全長の約192アミノ酸から約383ア
ミノ酸に広がる。本明細書に使用されている用語「E1」
には、天然E1と免疫学的に交差反応性であるアナログお
よび先端切断型変異体もまた含まれる。
本明細書に使用されている用語「E2」は、HCVポリタ
ンパク質の最初の900アミノ酸以内に発現されるタンパ
ク質あるいはポリペプチドのことであり、ときにはNS1
タンパク質と呼ばれる。これは、その天然形態におい
て、膜に強く結合されていることが見いだされる、72kD
の糖タンパク質である。ほとんどの天然のHCV株では、E
1タンパク質はE1タンパク質に続く。E2タンパク質は、
約384アミノ酸から約820アミノ酸に広がる。本明細書に
使用されている用語「E2」には、天然E2と免疫学的に交
差反応性であるアナログおよび先端切断型変異体もまた
含まれる。
本明細書に使用されている用語「凝集体」とは、1つ
より多いE1あるいはE2モノマーを含むE1および/または
E2の複合体のことである。E1:E1ダイマー、E2:E2ダイマ
ーならびにE1:E2ヘテロダイマーは、すべてこの定義内
の「凝集体」である。本発明の組成物はまた、より大き
い凝集体を含み得、800kDを越える分子量を有し得る。
本明細書に使用されている用語「粒子」とは、電子顕
微鏡により見える、少なくとも20nmの直径を有する、E
1、E2、あるいはE1/E2凝集体のことである。好ましい粒
子は、電子顕微鏡によってみとめられる、だいたい円形
形状で約40nmの直径を有する。
本明細書中でタンパク質に適用されている用語「精製
された」とは、所望のタンパク質が、組成物中の総タン
パク質成分の少なくとも35%を含む組成物のことであ
る。所望のタンパク質は、総タンパク質成分の好ましく
は少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも約50
%、さらに好ましくは約60%、さらに好ましくは約70
%、さらに好ましくは約80%、さらに好ましくは約90
%、および最も好ましくは約95%を構成する。この組成
物は、本明細書に使用されてる純度の決定に影響しな
い、炭水化物、塩、脂質、溶媒などの他の化合物を含み
得る。「単離された」HCVアシアロ糖タンパク質とは、
純度が少なくとも35%のHCVアシアロ糖タンパク質組成
物を意味する。
本明細書に使用されている「マンノース結合タンパク
質」とは、レクチンあるいはマンノース末端グリコシル
化されたタンパク質(例えば、アシアロ糖タンパク質)
に特異的に結合する他のタンパク質のことを意味し、こ
れらの例には、マンノース結合レクチン、マンノース末
端グリコシルに特異的な抗体、マンノースレセプタータ
ンパク質(R.A.B.Ezekowitzら、J Exp Med(1990)176:
1785−94)、アシアロ糖タンパク質レセプタータンパク
質(H.Kurataら、J Biol Chem(1990)265:11295−9
8)、血清マンノース結合タンパク質(I.Schuffeneker
ら、Cytogenet Cell Genet(1991)56:99−102;K.Sastr
yら、J Immunol(1991)147:692−97)、血清アシアロ
糖タンパク質結合タンパク質などが含まれる。マンノー
ス結合レクチンには、例えば、GNA、コンカナバリンA
(ConA)ならびに同様の結合性を有する他のレクチンが
含まれる。
用語「GNAレクチン」とは、マンノース末端糖タンパ
ク質に結合する市販のレクチン、Galanthus nivalus
グルチニンのことである。
本明細書に使用されている「組換え」糖タンパク質
は、組換えポリヌクレオチドから発現される糖タンパク
質であり、糖タンパク質をコードする構造遺伝子は、天
然ではこの構造遺伝子に隣接していない調節配列の制御
下に発現されるか、あるいはその構造遺伝子は改変され
ている。例えば、E1構造遺伝子が、酵母グリセルアルデ
ヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)プ
ロモーターの機能性フラグメントの制御下に配置された
ベクターを形成し得る。酵母での使用に好ましいプロモ
ーターは、米国特許第4,880,734号に記載のハイブリッ
ドADH2/GAPプロモーターであり、これは、アルコールデ
ヒドロゲナーゼ2由来の上流の活性化配列と組み合わせ
てGAPDHプロモーターのフラグメントを利用する。構造
遺伝子の改変には、縮重コドンでの別のコドンの置換
(例えば、宿主に好ましいコドンの使用、制限酵素切断
部位の削除あるいは形成、ヘアピン形成の制御のために
など)、ならびに異なるアミノ酸をコードする限定数の
コドンの置換、挿入あるいは欠損(天然アミノ酸配列
の、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満
が変えられるべきである)などが含まれる。同様に、
「組換え」レセプターとは、組換えポリヌクレオチドか
ら発現されたレセプタータンパク質のことであり、レセ
プターをコードする構造遺伝子は、天然では構造遺伝子
に隣接しない調節遺伝子の制御下に発現されるか、ある
いはその構造遺伝子は改変されている。
用語「単離されたポリペプチド」とは、他のHCVウイ
ルス成分、特にポリヌクレオチドを実質的に含まないポ
リペプチドのことである。組成物中のポリペプチドの重
量が、そのポリペプチドと他の成分と合わせた重量の少
なくとも70%、より好ましくは約80%、さらに好ましく
は約90%、そして最も好ましくは95%あるいはそれ以上
である場合には、ポリペプチド組成物は、他の成分を
「実質的に含まない」。例えば、100μg/mLのE1および
3μg/mLのみの他のHCV成分(例えば、DNA、脂質など)
を含む組成物は、「他のHCVウイルス成分」を実質的に
含まず、従って、この定義の範囲内の単離ポリペプチド
の組成物である。
用語「分泌リーダー」とは、タンパク質のN末端でコ
ードされるときに、翻訳後に宿主細胞培養培地中にその
タンパク質を分泌されるようにするポリペプチドのこと
である。分泌リーダーは、一般的に使用される宿主細胞
に由来する。例えば、酵母での使用に適した分泌リーダ
ーには、Saccharomyces cerevisiaeα因子リーダー(米
国特許第4,870,008号を参照のこと)が含まれる。
用語「下等真核生物」とは、酵母、真菌などの宿主細
胞のことである。下等真核生物は、一般的に(必ずとい
うわけではないが)単細胞である。好ましい下等真核生
物は酵母であり、特にSaccharomycesSchizosaccharom
ycesKluveromycesPichiaHansenulaなどの種であ
る。Saccharomyces cerevisiaeS.carlsbergensisおよ
K.lactisは、最も一般的に使用される酵母宿主ならび
に便利な真菌宿主である。
用語「高等真核生物」とは、哺乳類、は虫類、昆虫類
などの高等動物由来の宿主細胞のことである。現に好ま
しい高等真核宿主細胞は、チャイニーズハムスター(例
えば、CHO)、サル(例えば、COS細胞)、ヒトおよび昆
虫(例えば、Spodoptera frugiperda)由来である。宿
主細胞は、懸濁あるいはフラスコ培養、組織培養、器官
培養などで供給され得る。
用語「カルシウムモジュレーター」とは、小胞体内に
カルシウムイオンを隠ぺいあるいは結合し得るか、ある
いはカルシウム調節タンパク質(例えば、カルシウムチ
ャンネルタンパク質、カルシウムポンプなど)に作用す
ることによりER内のカルシウムイオン濃度に影響する化
合物のことである。適切なカルシウムモジュレーターに
は、例えば、サプシガルジン(thapsigargin)、EGTA
(エチレングリコールビス[β−アミノエチルエーテ
ル]N,N,N′,N′−テトラアセティックアッシド)が含
まれる。現に好ましいモジュレーターは、サプシガルジ
ンである(例えば、O.Thastrupら、Proc Nat Acad Sci
USA(1990)87:2466−70を参照のこと)。
用語「免疫原性」とは、アジュバントの存在あるいは
非存在下で、単独あるいはキャリアと結合して、体液性
および/または細胞性免疫応答をなす基質の能力のこと
である。「中和」とは、感染性物質の感染性を部分的
に、あるいは完全に抑制する免疫応答のことである。
「ワクチン」とは、HCVに対する、一部あるいは完全防
御を誘起し得る、個体の治療に有用な免疫組成物のこと
である。
用語「生物学的液体」とは、血清、血漿、唾液、胃分
泌物、粘液などの器官から得られる流体のことである。
一般的には、生物学的液体は、HCV粒子の存在に対して
スクリーニングされる。ある種の生物学的流体は、血液
凝固因子(例えば、因子VIII:C)、血清アルブミン、成
長ホルモンなどの他の産生物源として使用される。この
ような場合には、生物学的液体源がHCVのなどのウイル
スに汚染されていないことが重要である。
B.一般的な方法 HCVゲノムのE1領域は、欧州特許第388,232号に「E」
領域として、そして一方E2は「NS1」として記載されて
いる。E1領域は、全長ウイルスポリタンパク質中の約19
2−383アミノ酸を有する。E2領域は、約384−820アミノ
酸を有する。これらのタンパク質の原型の全配列(HCV
−1株)は、タンパク質の一般的なクローニングおよび
発現法と同様に、当該分野では入手可能である(欧州特
許第388,232号を参照のこと)。E1およびE2の両方は、H
CVポリタンパク質の最初の850−900アミノ酸をコードす
るポリヌクレオチドから発現され得る。ほとんどの真核
宿主細胞中では翻訳後のプロセッシングで、最初のポリ
タンパク質が、C、E1およびE2に切断される。コーディ
ング領域の5′末端を切断して、産生されるCタンパク
質量を減少し得る。
アシアロ糖タンパク質の発現は、多くの方法によりな
され得える。例えば、通常はグリコシル化タンパク質に
シアル酸残基を付加しない下等真核生物(酵母など)中
での発現が得れ得る。酵母発現系においては、タンパク
質が翻訳後に培養培地中に発現されるように、S.cerevi
siaeα因子リーダーなどの分泌リーダーを使用すること
が好ましい。さらに、pmr1などのグリコシル化欠損変異
体を使用することが好ましい。なぜなら、これらの変異
体は、コアグリコシル化のみ行い、かなり高効率に異種
タンパク質を分泌するからである(H.K.Rudolphら、Cel
l(1989)58:133−45)。あるいは、Pichia pastoris
どの他の種の酵母を使用し得る。これは、哺乳類および
S.cerevisiaeに見られるコアグリコシル化様式に類似す
ると考えられている様式で、8−9マンノース残基を有
する糖タンパク質を発現する。
あるいは、哺乳類細胞中の発現を調整して末端グリコ
シル化(シアル酸付加)をブロックし得る。組換え構築
物は、タンパク質が小胞体へ方向づけられることを確実
にするために、好ましくは分泌シグナルを含む。ゴルジ
体への移送は、E1およびE2自身でブロックされるようで
ある。哺乳類細胞でのE1あるいはE2の高レベルの発現
は、小胞体あるいはcisゴルジ体での全ての細胞タンパ
ク質の分泌を妨げるようである。さらに、グリコシル化
欠損変異体を使用し得る。例えば、P.Stanley,Ann Rev
Genet(1984)18:525−52を参照のこと。グリコシル化
あるいは移送変異体が、シアル化を伴ってE1あるいはE2
を発現する場合には、ノイラミニダーゼによる処理によ
って末端シアル酸残基を除去し得る。
収量は、小胞体内からのタンパク質の放出を得るため
のカルシウムモジュレーターの使用により増加されるべ
きである。適切なモジュレーターには、サプシガルジ
ン、EGTA、ならびにA23817(例えば、O.Thastrupら、Pr
oc Nat Acad Sci USA(1990)87:2466−70を参照のこ
と)が含まれる。例えば、組換えワクシニアウイルスベ
クターによるトランスフェクションにより、哺乳類細胞
(例えば、CHO、COSならびにヘラ(HeLa)細胞など)の
細胞内に多量のE1あるいはE2を発現させ得る。タンパク
質の発現および小胞体内の蓄積後、ER内容物の放出を起
こすのに十分な濃度のカルシウムモジュレーターに細胞
を曝す。次に、培養培地からタンパク質を回収し、培地
は次のサイクル用に取り替える。
さらに、先端切断型のエンベロープタンパク質を発現
させるのが好都合である。E1およびE2の両方は、高疎水
性ドメインを有するようであり、これは明らかにタンパ
ク質を小胞体内のとどめ、効率よい放出を妨げる。従っ
て、E1の170−190アミノ酸、260−290アミノ酸あるいは
330−380アミノ酸(ポリタンパク質のはじめからの番
号)の1つ以上の領域、並びにE2の660−830アミノ酸
(例えば、欧州特許第388、232号の図20−1を参照)の
配列の部分を欠失することが望まれ得る。これらの疎水
性ドメインの少なくとも1つは、そのタンパク質の抗原
性に必須ではなく、不利な影響もなく欠失し得る、トラ
ンスメンブラン領域を形成する。欠失に最も適した領域
は、通常専門家の技術による少数の欠失実験の実施によ
り決定し得る。E2の疎水性3′末端の欠失により、発現
されたE2部分の分泌の結果になる。このとき、分泌され
たタンパク質のシアル化をともなう。
発現を得るために種々の任意のベクターが使用され得
る。酵母などの下等真核生物は、典型的には、カルシウ
ムリン酸沈澱法を用いてプラスミドにより形質転換され
るか、あるいは組換えウイルスにより形質転換される。
ベクターは、独立して宿主細胞内で複製され得るか、あ
るいは宿主細胞ゲノムに組み込まれ得る。より高等な真
核生物は、プラスミドにより形質転換され得るが、典型
的には組換えウイルス、例えば、組換えワクシニアウイ
ルスに感染される。ワクシニアは、宿主細胞タンパク質
の発現を停止され得るので、ワクシニアが特に好まし
い。まさに好ましい宿主細胞には、ヘラならびに形質細
胞腫(plasmacytoma)細胞系が含まれる。この系では、
宿主ER中に主要なグリコシル化種としてE1およびE2が蓄
積することを意味する。rE1およびrE2は、マンノース末
端化されている主要な糖タンパク質であるので、末端マ
ンノース残基に結合するGalanthus nivalusアグルチニ
ン(GNA)などのレクチンを使用して細胞から容易に精
製され得る。
マンノース末端糖タンパク質として天然に発現される
タンパク質は、哺乳動物生理学上比較的まれである。ほ
とんどの場合において、哺乳動物の糖タンパク質は、グ
リコシル化経路での一過的な中間産物としてのみマンノ
ース末端化されている。組換え的に発現されたHCVエン
ベロープタンパク質がマンノース末端グリコシル、ある
いは(より低い程度の)N−アセチルグルコサミンを有
する事実は、HCVタンパク質および全ビリオン(viron)
が分離され、そして末端マンノースあるいはN−アセチ
ルグルコサミンに特異的なレクチンを用いて、内因性タ
ンパク質から部分的に精製され得ることを意味する。組
換えタンパク質は真正であり、成熟遊離ビリオンに見い
だされるエンベロープタンパク質、あるいは細胞結合エ
ンベロープタンパク質の形態と本質的に同じであると考
えられている。従って、GNAなどのレクチンを、マンノ
ース末端タンパク質、ならびにWGA(コムギ胚芽アグル
チニン)およびN−アセチルグルコサミン末端タンパク
質の等価物に対して使用し得る。例えばワクチンあるい
はイムノアッセイに使用するために抗原を生成するとき
の精製のために、E1およびE2を、細胞培養上清および他
の液体から分離するために、固相に結合させたレクチン
を使用し得る。
あるいは、HCV感染が疑われる被検者からの液体ある
いは組織サンプルから、E1、E2あるいはHCVビリオンを
分離するために適切なレクチンを供給し得る。マンノー
ス末端糖タンパク質は比較的まれであるので、このよう
な方法は、実質的にバックグラウンドを減少させて、試
料中に存在するタンパク質を精製するのに役立つ。レク
チンに結合後、HCVタンパク質は抗HCV抗体を用いて検出
され得る。あるいは、全ビリオンが存在する場合には、
HCVゲノムの保存領域(例えば、5′非コーディング領
域)に特異的なPCR法または他の核酸増幅法によりHCV核
酸を検出し得る。この方法で、例えば、新しい株が抗体
の調製に使用される株と免疫学的交差反応性でない場合
には、抗原の変動あるいは変化に関わらずHCVの異なる
株の分離および特徴づけができる。特定のレクチンによ
る、マンノース末端糖タンパク質特有の認識を都合よく
利用する多くの他の方法がある。例えば、HCVビリオン
あるいはタンパク質の夾雑が疑われる試料を、ビオチン
あるいはアビジン標識レクチンとインキュベートして、
タンパク質−レクチン複合体を沈澱させ得る。さらに、
治療上の使用のために、例えば、GNAに抗ウイルス化合
物を結合することにより、化合物をビリオンに標的づけ
るために、レクチンのHCVタンパク質に対する親和性を
使用し得る。あるいは、血清または血漿からマンノース
末端糖タンパク質を除去するために適切なレクチンを使
用して、HCV汚染の危険性を軽減あるいは削除し得る。
固定化マンノース結合タンパク質、特にConAあるいは
GNAなどのレクチンとのインキュベーションにより、粗
細胞溶解物からE1および/またはE2アシアロ糖タンパク
質を単離するのがまさに好ましい。例えば、細胞を低張
緩衝液中で機械的に破砕して溶解し、その後遠心分離し
て核溶解物を調製し、さらに遠心分離して粗ミクロソー
ム膜画分を得る。次に、粗膜画分をトリトンX−100、N
P40などの界面活性剤を含む緩衝液に溶解する。この界
面活性剤抽出物をさらに遠心分離して不溶性粒子を沈降
させ、得られた透明溶解物を、固定化マンノース結合タ
ンパク質、好ましくはアガロースあるいはセファロース
などに結合されたGNAを有するクラマトグラフィーカ
ラム中で、結合に十分な時間の間、典型的には16−20時
間インキュベートする。次に、この懸濁物を、E1/E2が
溶出液中に現れるまでカラムにかけ、次に、結合に十分
な時間の間、典型的には約12−24時間の間カラム中でイ
ンキュベートする。次に、結合された物質を界面活性剤
(トリトンX−100、NP40など)を含む別の緩衝液で洗
浄し、マンノースで溶出して、精製アシアロ糖タンパク
質を供給する。溶出に際しては、タンパク質が溶出物中
に現れはじめるまでのみ溶出するこが好ましく、その時
点で溶出を停止し、そしてタンパク質の溶出を進める前
にカラムを2−3時間平衡化させる。このことで、大き
なタンパク質凝集体が徐々に離脱する速度に対して十分
な時間を与えると考えられる。E1およびE2が天然形態
(すなわち、膜結合ドメインの切断なしに)でいっしょ
に発現される場合には、アシアロ糖タンパク質の実質的
な画分は、E1:E2凝集体として現れる。電子顕微鏡での
試験では、この凝集体の有意部分は、直径約40nmのだい
たい球状の粒子であり、これは完全なウイルスと予測さ
れる大きさである。これらの粒子は、自己構成サブウイ
ルス粒子(self−assemmbling subviral particles)で
あるようだ。これらの凝集体は、真正HCVビリオン粒子
に非常に類似した四次構造を示すことが予測され、従っ
て、高免疫原性ワクチンとして作用することが予測され
る。
E1/E2複合体はさらに、例えば、Fractogel−DEAEある
いはDEAE−Sepharose の塩基性媒体上でのゲルクロマ
トグラフィーにより精製され得る。Fractogel−DEAEゲ
ルクロマトグラフィーを使用して、純度約60−80%のE1
/E2複合体が得られる。さらに、E1は0−1のLys残基を
有するので、リシンプロテアーゼ処理により精製され得
る。複合体のリシンプロテアーゼ処理は、E2を破壊して
E1を容易に分離する。
HCVの組織特異性は、HCVエンベロープ糖タンパク質が
マンノース末端化されていることの観察と組み合わせ
て、そのウイルスが宿主細胞への入口を得るために、マ
ンノースレセプターあるいはアシアロ糖タンパク質レセ
プター(ASGR)を使用することを示唆する。マンノース
レセプターは、マクロファージおよび肝ジヌソイド細胞
(sinusoidal cells)上に、一方、ASGRは実質肝細胞
(parenchymal hepatocytes)上に見られる。従って、
これらのレセプターの1つあるいは両方を発現する宿主
細胞の使用により、HCVを培養することが可能である。
レセプターが維持される条件を用いて、天然にレセプタ
ーを発現する一次細胞培養物を使用するか、あるいは、
レセプター発現用のベクターで、ヘラ、CHO、COSなどの
他の細胞系をトランスフェクトし得る。マンノースレセ
プターのクローニングならびにそのトランスフェクショ
ン、および線維芽細胞での発現は、M.E.Taylorら、J Bi
ol Chem(1990)265:12156−62に実証されている。ASGR
のクローニングおよび配列決定は、K.Drickamerら、J B
iol Chem(1984)259:770−78ならびにM.Spiessら、Pro
c Nat Acad Sci USA(1985)82:6465−69に、ラットHTC
細胞での、機能性ASGRのトランスフェクションおよび発
現は、M.McPhaulおよびP.Berg,Proc Nat Acad Sci USA
(1986)83:8863−67ならびにM.McPhaulおよびP.Berg,M
ol Cell Biol(1987)7:1841−47に記載されている。従
って、1つあるいは両方のレセプターを適切な細胞系に
トランスフェクトすることは可能であり、得られた細胞
をHCVの培養での増殖のために宿主として使用すること
が可能である。このような培養でのHCVの継代により、
生ワクチンとしての使用に適した弱毒化株の開発がなさ
れる。レセプターが維持される条件を用いて、天然にレ
セプターを発現する一次細胞培養物を使用するか、ある
いは、レセプター発現用のベクターで、ヘラ、CHO、COS
などの他の細胞系をトランスフェクトし得る。マンノー
スレセプターのクローニングならびにそのトランスフェ
クション、および線維芽細胞での発現は、Taylorら、上
記で示されており、一方、ラットHTC細胞での機能性ASG
Rのトランスフェクションおよび発現は、McPhaulら、上
記に記載されている。1つあるいは両方の組換えレセプ
ターでトランスフェクトされた固定化細胞系を使用する
のが好ましい。
免疫原性組成物は、当該分野に公知の方法に従って調
製され得る。この組成物は、ポリペプチド、例えば、E
1、E2、あるいはE1/E2粒子組成物の免疫原性量を、通常
は薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含有し、
好ましくはさらにアジュバントを含有する。「カクテル
“cocktail"」が所望である場合には、例えば、E1にE2
を加えた抗原など、HCVポリペプチドの組み合わせ物
を、効果を高めるためにともに混合し得る。E1/E2凝集
体のウイルス様粒子は、ことに有用なワクチン抗原を提
供すると考えられる。免疫原性組成物は、抗体の産生を
誘発するために、抗体原の提供あるいは動物内に防御免
疫性を誘導するために、動物に投与され得る。
薬学的に受容可能なキャリアには、組成物を受け入れ
る個体に対して、それ自身が有害な抗体産生を誘発しな
い任意のキャリアが含まれる。適切なキャリアは、典型
的には、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコー
ル酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマーなどの、
大きな、徐々に代謝される高分子および不活性ウイルス
粒子である。このようなキャリアは、当業者には公知で
ある。
組成物の効果を促進する好ましいアジュバントには、
限定はされないが、水酸化アルミニウム(alum)、米国
特許第4,606,918号に記載されているN−アセチル−ム
ラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−M
DP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D
−イソグルタミン(nor−MDP)、N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン
−2−(1′−2′−ジパルミトイル−sn−グリセロ−
3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MT
P−PE)およびRIBIが含まれ、これには、2%squalene/
Tween 80乳液中に細菌から抽出された3つの成分、モ
ノホスホリルリピッドA、トリハロースジマイコレート
および細胞壁組織(MPL+TDM+CWS)が含まれる。さら
に、Stimulon(Cambridge Bioscience,Worcester,MA)
などのアジュバントが使用され得る。そのうえに、完全
フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイン
トアジュバント(IFA)が、ヒト以外の適用ならびに研
究用に使用され得る。
免疫原性組成物は、典型的には、水、生理食塩水、グ
リセロール、エタノールなどの薬学的に受容可能な賦形
剤を含有する。さらに、加湿剤あるいは乳化剤、pH緩衝
剤などの補助物質がこのような賦形剤に含有され得る。
典型的には、免疫原性組成物は、注射し得るように液
体あるいは懸濁液のいずれかに調製され得、注射前の液
体賦形剤に、溶液または懸濁液にするのに適した固形も
また調製され得る。この調製物はさらに、アジュバント
の効果を促進するために乳化あるいはリポソーム中にカ
プセル化され得る。
ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫原
性的に有効な量のHCVポリペプチド、および必要に応じ
て上記の任意の成分を含有する。「免疫原性的に有効な
量」とは、単回投与量あるいは一連の投与量の一部にお
いて、個体に投与される量が、上記定義のように、治療
に有効であることを意味する。この量は、治療される個
体の健康および生理的条件、治療される個体の分類学上
の群(例えば、ヒト以外の霊長類、霊長類など)、抗体
を合成するための個体免疫系の能力、所望の防御の程
度、ワクチンの調剤、治療医の医学上の評価、感染させ
るHCVの株、ならびに他の関連要因に依存して変化す
る。この量は、比較的に広範囲にあるので、所定の試験
により決定されることが期待される。
自己構成E1/E2凝集体はまた、ワクチンキャリアとし
て働き、B型肝炎表面抗原と同様の様式で、異種(非HC
V)ハプテンを提供し得る(欧州特許第174,444号を参照
のこと)。この使用においては、E1/E2凝集体は、その
凝集体に結合されたハプテンあるいは抗原に対して免疫
応答を刺激し得る免疫原性キャリアを提供する。抗原
は、従来の化学的方法により結合されるか、あるいはE1
および/またはE2をコードする遺伝子へ、そのタンパク
質の親水性領域に相当する配置に、クローン化され得
る。
免疫原性組成物は、典型的には皮下注射あるいは筋肉
内注射などによって、通常非経口的に投与される。さら
に、他の投与形態に適した処方剤には、経口処方剤ある
いは坐薬が含まれる。投薬処置は、単回投与計画あるい
は複数回投与計画であり得る。ワクチンは、他の免疫調
節剤と組み合わせて投与され得る。
C.実施例 以下に示されている実施例は、当該分野の専門家にさ
らに説明するために提供されていて、いかなる方法にお
いても限定することを意味していない。
実施例1 (クローニングおよび発現) (A)ベクターを、欧州特許第318,216号および欧州特
許第388,232号に記載されているように、HCVゲノムの
5′部分を有するプラスミドから構築した。カセットHC
V(S/B)は、Met1にあたる−63ヌクレオチドから始ま
る、Met1からLeu906までのポリタンパク質の5′末端を
コードするStuI−BglII DNAフラグメントを有する。こ
れには、コアタンパク質(C)、E1タンパク質(またと
きにはSと言う)、E2タンパク質(またときにはNS1と
言う)、ならびにNS2a領域の5′部分が含まれる。構築
物の発現に際しては、個々のC、E1およびE2タンパク質
がタンパク質分解プロセッシングにより産生される。
カセットHCV(A/B)は、Met1にあたる−6ヌクレオチ
ドから始まる、Met1からLeu906までのポリタンパク質の
5′末端をコードするApaLI−BglII DNAフラグメントを
有する。これには、コアタンパク質(C)、E1タンパク
質(またときにはSと言う)、E2タンパク質(またとき
にはNS1と言う)、ならびにNS2a領域の5′部分が含ま
れる。構築物の発現に際しては、個々のC、E1およびE2
タンパク質がタンパク質分解プロセッシングにより産生
される。
カセットC−E1(S/B)(StuI−BamHI部分)は、Met1
からIle340までの5′末端(遺伝子中のBamHI部位)を
有する。このカセットの発現で、Cおよび多少の先端切
断型のE1(E1′)が発現される。3′末端から切りださ
れた部分は、トランスロケーションシグナルとして作用
すると考えられている疎水性領域である。
カセットNS1(B/B)(BamHI−BglII部分)は、E1の小
さな3′部分(Met364から)、全E2、ならびにNS2a部分
(Leu906まで)を有する。この構築では、E1フラグメン
トはトランスロケーションシグナルとして作用する。
カセットTPA−NS1は、ヒト組織プラスミノーゲンアク
チベーター(tPA)リーダーを、E1の3′部分のかわり
にトランスロケーションシグナルとして使用する。この
カセットは、Gly406からGlu661までのE2の先端切断型を
有し、ここでは疎水性3′末端は欠失されている。
各カセットを、T7およびインビトロにおけるウサギ網
状赤血球発現による転写および翻訳のための、合成β−
グロビン5′非コーディング配列をともなったベクター
pGEM3Zと、この配列を伴わないベクターとに挿入した。
組換えワクシニアウイルス(rVV)ベクターを、Charkra
bartyら、Mol Cell Biol(1985)5:3403−09に記載され
ているように、そのカセットをペラスミドpSC11(Dr.B.
Moss,NIHから得た)に挿入し、その後ワクシニアウイル
スと再度組み合わせて調製した。
(B)かわりの発現ベクターを、Charkrabartyら、Mol
Cell Biol(1985)5:3403−09に記載されているよう
に、pSC59(Dr.B.Moss,NIHから得た)のStuI部位とSpeI
部位との間にHCV(A/B)を挿入し、その後ワクシニアウ
イルスと再度組み合わせて構築した。
(C)ヘラS3細胞を、500mLの滅菌遠心ボトル(JA−10
ローター)中で、室温にて、2000rpm、7分間遠心分離
して回収した。ペレットを、別の培養培地(Joklik改変
MEM攪拌培地(Spinner medium)+5%ウマ血清および
ゲンタマイシン)(「攪拌培地」)中に最終濃度2×10
7細胞/mLに再懸濁した。音波処理した粗vv/SC59−HCVウ
イルスのストックを、細胞あたり8pfu複数回感染で加
え、混合物を37℃で30分間攪拌した。次に、感染細胞を
8Lの攪拌培地を入れた攪拌フラスコに移し、37℃で3日
間インキュベートした。
次に、培養細胞を遠心分離して回収し、ペレットを緩
衝液(10mMトリス−HCl、pH9.0、152mL)に再懸濁させ
た。次に、細胞を40mLのDounce Homogenizer(50ストロ
ーク)によりホモジナイズし、核を遠心分離(5分間、
1600rpm、4℃、JA−20ローター)してペレットにし
た。核ペレットをトリス緩衝液(24mL)に再懸濁し、再
度ホモジナイズしてペレットにし、全上清を集めた。
集めた溶解物を、10mLずつにわけ、カップホルンソニ
ケーター(cuphorn sonicator)で、中程度の出力で、
3×30分音波処理した。音波処理された溶解物(15mL)
を、SW28遠心チューブ中で、17mLのスクロースクッショ
ン(36%)に重ねて、4℃で80分間、13,500rpmで遠心
分離してウイルスをペレットにした。そのウイルスペレ
ットを1mLのトリス緩衝液(1mMトリスHCl、pH9.0)に再
懸濁し、−80℃で凍結した。
実施例2 (インビトロ産生物とインビボ産生物との比較) (A)E1およびE2を、上記実施例1に記載のベクターを
用いて、インビトロおよびインビボの両方で発現させ、
35S-Met標識した。BSC−40およびヘラ細胞を、インビボ
発現用にrVVベクターに感染させた。培地および細胞溶
解物を組換えタンパク質について試験した。産生物は、
ヒトHCV免疫血清により免疫沈降させ、一方、インビト
ロタンパク質は直接分析した。得られたタンパク質をSD
S−PAGEにより分析した。
網状赤血球(reticulocyte)発現系(HCV(S/B)ある
いはHCV(A/B)を有するpGEM3Z)は、それぞれ分子量18
kD、35kDおよび72kDを有するC、E1およびE2を産生し
た。BSC−40およびヘラ細胞の溶解物を、同じタンパク
質を提示するHCV(S/B)、HCV(A/B)あるいはC−E1
(S/B)を有するrVVでトランスフェトした。網状赤血球
系は効率のよいゴルジプロセッシングを供給せず、従っ
てシアル酸を供給しないので、インビトロおよびインビ
ボ産生物が等しい移動度を示す事実は、タンパク質がイ
ンビボにおいてシアル化されていないことを示唆する。
TPA−NS1を有するrVVベクターは、E2の細胞外分泌を促
し、これはシアル化に一致する移動度の変化を示した。
(B)HCV(S/B)を、インビトロで発現させ、ビオチン
化レクチンのパネルとインキュベートした。すなわち、
GNA、SNA、PNA、WGAおよびConA。インキュベーションの
後、複合体をアビジン−アクリルビーズ上に集めて、洗
浄し、Laemmli試料緩衝液で溶出し、SDS−PAGEで分析し
た。結果は、E1およびE2がGNAおよびConAに結合したこ
とを示した。このことはマンノースの存在を示してい
る。GNAは末端マンノース基に結合し、一方、ConAはα
結合マンノースに結合する。SNA、PNAおよびWGAに結合
しないことは、タンパク質がシアル酸、ガラクトース−
N−アセチルガラクトサミン、あるいはN−アセチルグ
ルコサミンを含まないことを示す。
(C)放射標識E1およびE2を、HCV(S/B)(vv/SC11−H
CV)を有するrVVに感染させることによりBSC−40中に産
生し、ヒトHCV+免疫血清で免疫沈降させた。免疫沈降さ
せた物質の半分をノイラミニダーゼで一晩処理して、す
べてのシアル酸を除去した。処理後、処理および未処理
タンパク質をSDS−PAGEで分析した。移動度には有意な
差は観察されなかった。このことはインビボではシアル
化はされていないことを示す。
(D)放射標識E1およびE2を、HCV(A/B)(vv/SC59−H
CV)を有するrVVに感染させることによりBSC−40細胞中
に産生し、コントロールとしてHCV配列を含まないvv/SC
11を用いて、ヒトHCV+血清で免疫沈降さるか、あるいは
アクリルビーズに結合されたビオチン化GNAレクチンに
より沈澱させた。沈澱物をSDS−PAGEで分析した。デー
ターは、E1およびE2が、vv/SC59−HCV感染細胞中の主要
なマンノース末端タンパク質種であることを実証した。
GNAは、E1およびE2を細胞培養培地から沈澱させるの
に、ヒト抗血清と同程度に有効である。25kDの成分が観
察されたが、これはワクシニア感染細胞に特異的である
ようだ。
実施例3 (レクチンを用いた精製) (A)ヘラS3細胞に、精製高力価vv/SC59−HCVウイルス
のストックを、5pfu/細胞の感染多重度で接種し、混合
物を37℃で30分間攪拌した。次に、感染細胞を8Lの攪拌
培地を入れた攪拌フラスクコに移し、37℃で3日間イン
キュベートした。再度、細胞を遠心分離により集めて、
氷上で低張緩衝液(20mM HEPES、10mM NaCl、1mM MgC
l2、120mL)に再懸濁させた。次に、細胞をDounce Homo
genizer(50ストローク)でホモジナイズし、核を遠心
分離(5分間、1600rpm、4℃、JA−20ローター)して
ペレットにした。ペレットを集めて、48mLの低張緩衝液
に再懸濁し、再度ホモジナイズし、再度遠心分離し、再
度集めて、−80℃で凍結した。
次に、凍結上清を解凍して、核溶解後のミクロソーム
膜画分を、JA−20ローターでの13、500rpm、4℃におけ
る20分間の遠心分離により単離した。上清を吸引して除
去した。
ペレットを、96mLの界面活性剤緩衝液(20mMトリス−
HCl、100mM NaCl、1mM EDTA、1mM DDT、0.5%トリトン
X−100、pH7.5)に取り出し、ホモジナイズ(50ストロ
ーク)した。生成物を、13、500rpm、4℃における20分
間の遠心分離により透明にし、上清を集めた。
GNA−アガロースカラム(1cm×3cm、3mg GNA/mLビー
ズ、6mLベッド容量、Vector Labs,Burlingame,CA)を界
面活性剤緩衝液で予め平衡化した。上清試料を4℃で16
−20時間、流速1mL/分で繰り返し循環(recirculatio
n)によりカラムにかけた。次に、カラムを界面活性剤
緩衝液で洗浄した。
精製E1/E2タンパク質を、流速0.5mL/分でα−D−マ
ンノシド(界面活性剤緩衝液中0.9M)により溶出した。
E1/E2が溶出液中に出現したとき溶出を停止し、カラム
を2−3時間再度平衡化した。画分をウエスタンブロッ
トおよび銀染色により分析した。ピーク画分を集め、UV
照射して残存するワクシニアウイルスを不活性化した。
(B)GNA−アガロース精製のE1およびE2アシアロ糖タ
ンパク質を20−60%グリセロールグラジェントで沈澱さ
せた。グラジェントにかけたものを分画し、タンパク質
をSDS−PAGEおよびウエスタンブロッティングにより分
析した。ブロットをGNAでプローブしてE1およびE2を同
定した。得られた結果により、E1:E2ヘテロダイマーの
存在が示され、これは予測された速度で沈澱する(すな
わち、110kDタンパク質の位置の特徴)。HCVエンベロー
プタンパク質のより大きな凝集体もまた出現する。E2:E
2ホモダイマーもまた出現した。分別したE1:E2種もまた
検出されたが、E2が、E1に比較してより大きな種であっ
て、重なって再出現したようであった。より大きな凝集
体は、チログロブリンマーカーより有意に速く沈澱し
た。
(C)GNA−アガロース精製のE1およびE12を、1mM EDTA
を含有する20−60%グリセロールグラジェントにより沈
澱させた。画分を、β−メルカプトエタノール(βME)
の存在および不存在でSDS−PAGEにより分析した。βME
の存在あるいは不存在でのE1およびE2の外見上の量に
は、ほとんどあるは全く相違は観察されなかった。この
ことは、ヘテロダイマー間のジスルフィド結合がないこ
とを示す。
(D)E1/E2複合体(純度約40%)を、Coulter DM−4
サブミクロン粒子分析機で分析した。20−60nmレンジで
物質を検出した。
(E)E1/E2複合体(純度約40%)を、ホスホタングス
テン酸によるネガティブ染色で電子顕微鏡により分析し
た。電子顕微鏡写真は、直径約40nmの球状形の粒子の存
在を示した。E1/E2複合体をHCV+ヒト免疫血清とインキ
ュベートし、次に、ネガティブ染色でEMにより分析をし
た。大きな凝集体を有する抗体複合体および小さな粒子
を観察した。
実施例4 (クロマトグラフフィーによる精製) (A)実施例3に記載のように調製したGNAレクチン精
製物質(0.5−0.8mL)を10×緩衝液A(20mMトリス−Cl
緩衝液、pH8.0、1mM EDTA)で希釈し、緩衝液Aで平衡
化した、1.8×1.5cmのFractogel EMD DEAE−650(EM Se
parations,Gibb stown,New Jersey,カタログ番号1688
3)にかけた。E1/E2を含むタンパク質画分を、同じ緩衝
液で流速0.2mL/分で溶出し、1mLずつの画分を集めた。E
1およびE2を含む画分(SDS−PAGEで決定した)を集め
て、−80℃で凍結した。
(B)上記パート(A)で精製した物質は、SDS−PAGE
による評価で、60−80%の純度を有する。推定E1および
E2のバンドの同定は、転移法(transfer technique)を
用いた後のN−末端配列分析により確認した。実際に
は、fractogel−DEAE精製のE1/E2物質を、Laemmli緩衝
液(pH6.8、0.06Mトリス−Cl、2.3%SDS、10%グリセロ
ール、0.72Mβ−メルカプトエタノール)を加えて還元
し、3分間煮沸した。次に、試料を10%ポリアクリルア
ミドゲルにのせた。SDS−PAGE後、タンパク質を、0.2μ
mのポリビニリデンジフルオライド(PVDF)膜(Bio−R
ad Laboratories,Richmond,CA)に移した。予測される
推定E1およびE2タンパク質のバンドをブロットから切り
出し、N−末端アミノ酸分析を行った。物質の調製の間
のアミノ末端のブロックを妨げることは特別にはしなか
った。最初の15サイクルで、E1試料は、Tyr−Gln−Val
−Arg−X−Ser−Thr−Gly−X−Tyr−His−Val−X−A
sn−Aspの配列を有し、一方、E2の配列は、Thr−His−V
al−Thr−Gly−X−X−Ala−Gly−His−X−Val−X−
Gly−Pheであることを示した。このアミノ酸配列のデー
ターは、DNA配列に対して予測された配列と一致する。
上記のfractogel−DEAEクロマトグラフィーによる精
製E1/E2産物は、ゲル透過クロマトグラフィーBioSil TS
K−4000 SWカラムの排除容積領域に、多量のE1およびE2
がともに溶出する事実によって明確にされるように、凝
集されると考えられる。このことは、天然条件下では、
有意量のE1/E2複合体は、少なくとも800kDの分子量を有
することを示す。分子量約650kDのE1/E2物質もまた観察
された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/576 G01N 33/576 Z (31)優先権主張番号 758,880 (32)優先日 1991年9月13日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 スーディアム,ケント ビー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94602 オークランド,ハンペル スト リート 1220 (72)発明者 ジャーバス,バーバラ エイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94589 バレホ,シマロン コート 1001 (72)発明者 ホール,ジョン エイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94928 ローナート パーク,ラケット クラブ サークル 725 (56)参考文献 特表 平2−500880(JP,A) 国際公開90/11089(WO,A1) J.gen.Virol,Vol. 19,p.391−395(1973) The Journal of Bi ological Chemistr y,Vol.263,No.2(1988)p. 728−734 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/51 C07K 14/18 G01N 33/576 G01N 33/53 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C型肝炎ウイルス(HCV)のE1領域から発
    現されるアシアロ糖タンパク質、HCVのE2領域から発現
    されるアシアロ糖タンパク質、およびこれらの凝集体か
    ら選択されるHCVアシアロ糖タンパク質を産生する方法
    であって、 (i)HCVのE1領域、HCVのE2領域、またはその両方の領
    域のいずれかから発現されるHCVアシアロ糖タンパク質
    をコードする構造遺伝子で形質転換された宿主細胞を、
    適切な培養培地で増殖する工程; (ii)該構造遺伝子を、シアル化を阻害する条件下で発
    現させる工程;および (iii)該HCVアシアロ糖タンパク質を、マンノース末端
    糖タンパク質に特異的なマンノース結合タンパク質に接
    触させることにより、該HCVアシアロ糖タンパク質を細
    胞培養物から単離する工程; を包含する、方法。
  2. 【請求項2】前記宿主細胞が哺乳動物細胞に由来する、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記シアル化を阻害する条件が、小胞体か
    らゴルジ体への糖タンパク質の移送を阻害するのに十分
    な割合での前記アシアロタンパク質の発現を含む、請求
    項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記シアル化を阻害する条件が、 前記宿主細胞の小胞体内でタンパク質の放出を引き起こ
    すに十分な量のカルシウムモジュレーターの存在; を含む、請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記マンノース結合タンパク質が、コンカ
    ナバリンA(ConA)およびGalanthus nivalusアグルチ
    ニン(GNA)から選択されるレクチンである、請求項1
    から4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】前記マンノース結合タンパク質が支持体に
    固定されている、請求項1から5のいずれかに記載の方
    法。
  7. 【請求項7】前記接触させる工程が、前記支持体に固定
    されたマンノース結合タンパク質を有するカラム中で、
    HCVアシアロ糖タンパク質を含有する前記細胞培養物
    を、少なくとも1時間の間インキュベートすることを包
    含し;そして 前記単離する工程が、マンノースで該アシアロ糖タンパ
    ク質を溶出させることを包含する、請求項6に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】前記アシアロ糖タンパク質がHCVのE1領域
    から発現される、請求項1から7のいずれかに記載の方
    法。
  9. 【請求項9】前記アシアロ糖タンパク質がHCVのE2領域
    から発現される、請求項1から7のいずれかに記載の方
    法。
  10. 【請求項10】前記アシアロ糖タンパク質がE1/E2凝集
    体である、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】HCVのE1領域から発現されるアシアロ糖
    タンパク質、HCVのE2領域から発現されるアシアロ糖タ
    ンパク質、およびこれらの凝集体から選択されるHCVア
    シアロ糖タンパク質を精製する方法であって、 HCVアシアロ糖タンパク質を含有する組成物を、マンノ
    ース末端糖タンパク質に特異的なマンノース結合タンパ
    ク質と接触させる工程;および 該マンノース結合タンパク質と結合する該組成物の部分
    を単離する工程; を包含する、方法。
  12. 【請求項12】前記マンノース結合タンパク質がレクチ
    ンである、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記マンノース結合レクチンがGNAであ
    る、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記マンノース結合タンパク質が支持体
    に固定されている、請求項11から13のいずれかに記載の
    方法。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の方法であって、 前記接触させる工程が、前記支持体に固定化されたマン
    ノース結合タンパク質を有するカラム中で、HCVアシア
    ロ糖タンパク質を含有する前記組成物を、少なくとも1
    時間の間インキュベートすることを包含し;そして 前記単離する工程が、マンノースで該HCVアシアロ糖タ
    ンパク質を溶出することを包含する、 方法。
  16. 【請求項16】前記アシアロ糖タンパク質がHCVのE1領
    域から発現される、請求項11から15のいずれかに記載の
    方法。
  17. 【請求項17】前記アシアロ糖タンパク質がHCVのE2領
    域から発現される、請求項11から15のいずれかに記載の
    方法。
  18. 【請求項18】前記アシアロ糖タンパク質がE1/E2凝集
    体である、請求項11から15のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】HCVアシアロ糖タンパク質の存在を検出
    するためのアッセイキットであって、 固体支持体、マンノース末端糖タンパク質に特異的なマ
    ンノース結合タンパク質、および該HCVアシアロ糖タン
    パク質に特異的な抗体を含み、該抗体および該マンノー
    ス結合タンパク質の1つが該固体支持体に結合されてい
    る、キット。
  20. 【請求項20】HCVへの曝露あるいはHCVによる感染を決
    定する方法であって、 体液試料中のHCVアシアロ糖タンパク質を、アッセイ前
    に、マンノース末端糖タンパク質に特異的なマンノース
    結合タンパク質に接触させることにより濃縮する工程、
    および 該濃縮されたHCVアシアロ糖タンパク質を検出する工程 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】血漿、血清または他の生物学的液体中の
    HCVの存在を減少あるいは消滅させる方法であって、 該生物学的液体を、マンノース末端糖タンパク質に特異
    的なマンノース結合タンパク質に接触させる工程;およ
    び 該生物学的液体を該マンノース結合タンパク質から分離
    する工程; を包含する、方法。
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J.gen.Virol,Vol.19,p.391−395(1973)
The Journal of Biological Chemistry,Vol.263,No.2(1988)p.728−734

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