JP2940886B2 - 多重無線ゾーン間チャネル切替方式 - Google Patents

多重無線ゾーン間チャネル切替方式

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JP2940886B2
JP2940886B2 JP16723891A JP16723891A JP2940886B2 JP 2940886 B2 JP2940886 B2 JP 2940886B2 JP 16723891 A JP16723891 A JP 16723891A JP 16723891 A JP16723891 A JP 16723891A JP 2940886 B2 JP2940886 B2 JP 2940886B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多重無線ゾーン間チャネ
ル切替え方式に係り、特に自動車電話或いは、携帯電話
等に適する移動無線通信方式において、サービスエリア
が複数の無線ゾーンからなり、さらに、小さな無線ゾー
ンを重ねて配置し、各ゾーン毎に基地局を設け、通話中
の移動機が他のゾーンに移動した場合には無線チャネル
を切り替えて通話を継続させる多重無線ゾーン間チャネ
ル切替え方式に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は多重無線ゾーン移動通信方式の例
を示す。多重無線ゾーン移動通信方式とは、複数の無線
ゾーン50の集合を1つのサービスエリアとし、無線ゾ
ーン50に重畳して無線ゾーン50よりも小さな小無線
ゾーン51を配置する。無線ゾーン50はいわゆるマク
ロセルであり、及び小無線ゾーン51はいわゆるマイク
ロセルである。このマクロセル及びマイクロセル毎に基
地局52を設け、それぞれの制御チャネルを有する基地
局52との間で通話の接続を行う移動通信方式である
(村瀬淳、今村賢治:「多重無線ゾーン移動通信方式」
特願昭63-298775)。通常の小無線ゾーン方式においては
小ゾーン化を進めると、移動速度の速い移動機に関する
チャネル切替えが正常に行われなくなり、制御処理量も
増大するなどの問題点があったが、多重無線ゾーン移動
通信方式を導入することによりこれらの欠点を解決する
ことができる。
【0003】図6は従来の多重無線ゾーン移動通信方式
における移動機の制御手順を示すフローチャートであ
る。移動機には周辺マイクロセルの制御チャネル及びマ
クロセルの受信周波数が記憶されているものとする。先
ず、移動機は電源がオンされると、先ずマイクロセルの
制御チャネルの受信レベルを測定する(ステップ1)。
次にレベルがゾーン境界レベル以上の制御チャネルがあ
るか否かを判定する(ステップ2)。ゾーン境界レベル
以上の制御チャネルがない場合は、マクロセルの制御チ
ャネルへ移行し、マクロセルの制御チャネルの受信レベ
ルを測定する(ステップ3)。ステップ2において、レ
ベルがゾーン境界レベル以上ある場合は、レベルが最大
の制御チャネルを受信し(ステップ4)、通話チャネル
に接続する。
【0004】図7はチャネル切替え方式を説明するため
の図を示す。チャネル切替え方式とは同図のように、無
線ゾーンAにいる移動機71が、基地局72と通信しな
がら移動し、無線ゾーンBに入る場合、移動機71との
通信が中断されることなく基地局73のチャネルに切り
替える方式のことである。時分割多元接続方式(以下T
DMA方式)を採用した移動通信においては、移動機7
1は空きスロット又は、自局の属する群の着信信号以外
のフレームを利用して周波数を切り替えることにより、
通話中でも周辺基地局の制御チャネルの受信レベルの測
定を行うことが可能である(鈴木宏幸、前原昭宏、尾上
誠蔵:「ディジタル移動通信方式における移動局自律ゾ
ーン判定」電子情報通信学会秋季全国大会B-244 1990
年)。依って、通話中のチャネル切替えも図6と同様の
手順で行うことができる。
【0005】図8は従来の多重無線ゾーン移動通信方式
における通話中のチャネル切替え時のセル選択の際の制
御手順を示すフローチャートである。移動機は常に周辺
マイクロセルの制御チャネルの受信レベルを測定する
(ステップ11)。次にレベルがゾーン境界レベル以上
の制御チャネルがあるか否かを判定する(ステップ1
2)。ゾーン境界レベル以上の制御チャネルがない場合
は、マクロセルの制御チャネルへ移行し、マクロセルの
制御チャネルの受信レベルを測定する(ステップ1
3)。ステップ12において、レベルがゾーン境界レベ
ル以上ある場合は、レベルが最大の制御チャネルのセル
を移行先ゾーンとし、基地局へ報告し、(ステップ1
4)、報告を受けた基地局はチャネル切替えの判断を行
う(ステップ15)。
【0006】陸上移動通信では、通信中のチャネルにお
いて激しい受信レベルの変動が存在するため、チャネル
切替え方式においても、このような受信レベルの変動を
前提とした無線回線設計を行う必要がある。以下では先
ず、陸上移動通信におけるレベル変動の性質について述
べ、チャネル切替え方式の回線設計について例をあげて
説明する。図9は陸上移動通信におけるレベル変動の性
質を示したグラフである(奥村、大森:「陸上移動無線
の電界強度とその変動特性」信学誌VOL.50,No.11,pp.21
08〜2115、 Nov.1967)。陸上移動通信におけるレベル変
動の性質は同図に示すように長区間平均値変動(C)、
場所的変動である対数正規変動(B)、及び瞬時変動で
あるレイリー変動(A)に区別される。長区間平均値変
動とは、受信レベルの平均値を測定した場合に送信点か
ら離れるに従って減衰していく長区間平均値の距離特性
である。この距離特性は周波数、送信実行放射電力、ア
ンテナ高、伝搬路の地形特性、建築物占有面積率により
決まる。一方、数十メートル程度の短い距離毎に受信レ
ベルの平均値を測定した場合、測定値は長区間平均値の
周りに分布する。このような短区間平均値の変動特性は
移動機周辺の地形、地上物に起因するものと考えられる
ため、場所的変動と呼ばれる。市街地における短区間平
均値の確率分布は同図(B)に示すように略対数正規分
布となることが知られている。瞬時変動とは、移動機が
20メートル程度走行する間に観測される受信レベルの
変動で、フェージング特性である。都市部では電磁界の
反射、屈折体となる建築物が多く、ランダムな方向から
到来する多重波により、定在波状の電磁界が構成され
る。このため、移動機の走行に伴って受信レベルは激し
く変動し、一般に受信レベルの瞬時値は同図(A)に示
すようにレイリー分布する。場所的変動と瞬時変動は、
上記のようにその発生過程が異なることから独立と考え
られる。さらに、それぞれの変動のピッチは全く異な
り、場所的変動のピッチは瞬時変動のピッチの1/10
0程度の非常にゆっくりしたものであることが知られて
いる。
【0007】さらに、自動車電話等の通信品質を評価す
る方法として、単音明瞭度を使用する場合がある。ここ
では、例として、単音明瞭度80%以上の通信品質を規
格とする場合について考える。単音明瞭度80%は一般
人の50%に対し、文章了解度100%、一般人の80
%に対し、文章了解度90%以上を与える品質である。
図10は下り受信レベルと単音明瞭度の関係の例を示す
(桑原守二:「自動車電話」、社団法人(電子通信学会
編)、pp166)。同図縦軸は単音明瞭度を示し、横軸は受
信機入力値を示す。同図において、フェージング速度4
0Hzとした場合、単音明瞭度80%を得るために必要
な移動機受信入力中央値は約14dBμである。
【0008】一方、電波伝搬の場所的変動特性のため、
上述の品質を得ることのできる受信レベルをサービスエ
リア全体にわたって確保することは経時的、技術的に極
めて困難である。従って、伝搬特性に起因して通話品質
規格以下となる確率をある程度許容したサービス品質を
規定するのが一般的である。例えば、電波伝搬の場所的
変動特性に起因する通話品質の劣化を許容して、前サー
ビスエリアの99%以上の場所率で所要の通話品質を確
保することを規定する場合がある。言い換えると、通話
品質の場所的劣化確率として1%を許容することにな
る。
【0009】図11は所要短区間中央値および場所的劣
化率と長区間中央値の関係を示す(桑原守二:「自動車
電話」、社団法人(電子通信学会編)pp169 )。同図は
単音明瞭度80%以上の通話品質を規格とする場合につ
いて示している。同図中、縦軸は場所的劣化率を表し、
横軸は長区間中央値DG と短区間中央値DR の差を表
す。同図のグラフのiは2つの無線ゾーンが隣接してい
る場合を示し、hは隣接無線ゾーンが存在しない場合を
示す。これにより、単音明瞭度80%以上を満足しない
ゾーン周辺の場所的劣化率が例えば1%以下となる所要
長区間中央値DG は短区間中央値DRの所要値より8dB
大きくすればよいことが分かる。
【0010】図12は従来のマクロセルにおける基地局
からの距離と受信レベルを示す。同図中、縦軸は移動局
の受信レベルを示し、横軸は基地局からの距離を示す。
ゾーン周辺において、上記の単音明瞭度80%を得るた
めに必要な移動機の受信入力の短区間中央値14dBμと
長区間中央値と短区間中央値との差(DG −DR )の8
dBが必要であるので、無線ゾーンの基地局から送信され
るチャネルのゾーン周辺での所要長区間中央値を同図の
ように22dBμとしている。この所要長区間受信レベル
をゾーン境界レベルL0 とし、単音明瞭度80%を得る
ために必要な移動機の受信入力の短区間中央値14dBμ
を所要短区間受信レベルLS とすることにする。
【0011】図13は基準電界強度曲線を示すグラフで
ある。同図は移動局における基地局からの距離と電界強
度の関係を示すものである(桑原守二:「自動車電
話」、社団法人(電子通信学会編)、pp24) 。同図にお
いて、縦軸は電界強度を表し、横軸は距離を示す。距離
による伝搬損失は基地局送信出力が1kwの時、同図のよ
うになり、基地局アンテナ高を100mとし、移動局の
アンテナ高を1.5 mとし、基地局からゾーン周辺までの
距離を仮に5kmとすると、ゾーン周辺での電界強度は5
7dBμV/m であり、これを換算すると、伝搬損失は141.
4dB となる。これらの関係を先の図12に重ねて示す。
これにより基地局の実効輻射電力を求めることができ、
これは、109.6 Wと求められ、基地局送信アンテナの利
得が10dBの場合、基地局送信機の出力は25.1Wとな
る。
【0012】次にマイクロセルによりゾーンを構成する
場合について考える。図14はマイクロセルの配置例を
示す。図14のように路上等に周辺の建物より低い基地
局アンテナを設置し、半径数百mの極めて狭い領域に電
波を閉じ込めてマイクロセルを構成し、同一周波数の繰
り返し頻度を上げる移動通信方式において、半径500
m以下のゾーンにおいては図9に示した陸上移動伝搬モ
デルをそのまま使うことはできないが、このマイクロセ
ルにおける伝搬損失距離特性は路上を建物で囲まれた溝
型伝搬路モデルにより求めることができる。
【0013】図15はマイクロセルの伝搬損失距離特性
を示す(小園、田口:「市街地の路上に置かれた低基地
局アンテナ高による伝搬特性」電子情報通信学会論文誌
B-11VOL.J72-B-11 No.1 pp34-41 1989 年1 月) 。同図
は基地局送信が900MHz 帯の時の伝搬損失距離特性を
示しており、縦軸は伝搬損失を示し、横軸は距離を示
す。また、点線は自由空間の損失を示し、実線は理論
値、点で示されるのは測定値である。同図より、基地局
からゾーン周辺までの距離を仮に200mとすると伝搬
損失は84dBとなる。
【0014】図16は従来のマイクロセルにおける基地局
からの距離と受信レベルの関係の一例を示すグラフであ
る。伝搬損失84dBを考慮して、例えば場所的変動のた
めのマージンの従来の無線ゾーンと同様に8dBとした場
合の基地局の実効輻射電力を求めると0.2mW となる。路
上の街路等に簡易なアンテナを設置する場合、アンテナ
利得は殆ど期待できないが、極めて小さな送信機出力で
済むことがわかる。
【0015】ここで、マイクロセルにおける曲がり角で
のレベル減衰について考える。図17は曲がり角におけ
る伝搬モデルと伝搬損失の増加の関係を示す(小園、田
口:「低基地局アンテナ高の道路曲がり角における伝搬
特性」、電子情報通信学会春季全国大会B-28,1988 年)
。同図(A)は曲がり角における伝搬モデルを示す。
同図中、実線で示されるのは直接波であり、点線で示さ
れるのは回折波であり、一点鎖線で示されるのは反射波
である。同図(B)は交差点からの伝搬損失の増加を示
すグラフであり、周波数2200MHz 、基地局アンテナ
高が5m、移動局アンテナ高2.1 m、道路幅が6mの状
況下での値を示す。同図の縦軸は交差点を基準とした相
対伝搬損失を示し、横軸は交差点からの距離を示してい
る。同図中、実線で表される値は理論値であり、点で示
されるのは実測値である。同図において、市街地の路上
に周辺の建物より低い基地局アンテナを設置した場合
に、基地局のある通り(A道路)に交差した道路(B道
路)では、同図(B)より基地局のある通り(A道路)
から交差点で直角に曲がり、交差点から約5m程進んだ
時点で、交差点より約15dB損失が増加することがわか
る。このように、マイクロセルの基地局と通信中の移動
機が交差点を曲がると、急激にレベルが劣化するため、
マイクロセル境界付近では移動機の受信レベルが境界レ
ベルL0 を急激に下回り、マイクロセル間のチャネル切
替えがうまく行われない可能性がある。このため、交差
点における約15dB分の損失を考慮して送信パワーを上
げることが必要になる。このように送信パワーを上げて
も、従来の境界レベルのままでは、ゾーン境界レベル付
近で交差点を曲がった場合、曲がり角でのレベル減衰に
よりさらに受信レベルが低下し、チャネルレベルが低下
し、チャネル切替えが正常に行われない場合がある。従
って、曲がり角での減衰を考慮して送信パワーを上げる
場合は、境界レベルL0 も15dB上げて37dBμにする
必要がある。
【0016】図18は曲がり角伝搬損失を考慮したマイ
クロセルに基地局からの距離と受信レベルを示すグラフ
である。同図は先に示した図16のマイクロセルの従来
のレベル設定よりも15dBの損失を考慮して送信パワー
を上げた例である。また、図19は曲がり角伝搬損失を
考慮したマクロセルにおける基地局からの距離と受信レ
ベルを示すグラフである。この場合、マイクロセルの基
地局においては図18に示すように送信機出力は6.1
1mW上げるだけで十分である。しかし、図19に示す
ようにマクロセルの基地局においては実効輻射電力は34
67.4W で送信機出力は346.7Wとなり、従来より321.6 W
上げることになる。現在の自動車電話システムではせい
ぜい数十Wの送信機を用いていることから、このような
高出力の送信機はシステム上実現不可能であるといえ
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
技術において、多重無線ゾーン移動通信方式を導入する
と、移動速度の速い移動機が交差点を曲がるとき、チャ
ネル切替えが正常に行われなくなるという欠点が生じ
た。その解決策として送信パワーを上げる場合、境界レ
ベルを上げなければならなくなり、マクロセルにおいて
は不必要に高出力の送信機が必要となってしまうという
問題がある。本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
多重無線ゾーン移動通信方式におけるこの欠点を改善
し、マイクロセルの基地局と通話している移動機が交差
点を曲がる等の急激なレベルの劣化が発生しても隣接す
るマイクロセルや重畳されているマクロセルへ通話が途
切れることなくチャネル切替えを行うことができる多重
無線ゾーン間チャネル切替え方式を提供することを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】分散して配置された複数
の無線ゾーン(A)の集合によって1つのサービスエリ
アが形成され、無線ゾーン(A)より小さな複数の小無
線ゾーン(B)を配置し、無線ゾーン(A)の範囲を複
数の小無線ゾーン(B)でカバーし、無線ゾーン(A)
及び小無線ゾーン(B)毎に基地局を設け、隣接する小
無線ゾーン(B)の各基地局にはそれぞれ異なる周波数
の無線チャネルが割り当てられて、基地局と通信中の移
動機が基地局の無線ゾーン(A)または、小無線ゾーン
(B)の境界から出て、他の無線ゾーン又は小無線ゾー
ンに移行した場合には、移行先のゾーンの基地局の無線
チャネルに切替えて通信を継続する通信手段を有し、各
無線ゾーン(A)の境界又は、小無線ゾーン(B)の境
界において、ゾーン境界レベルを設定し、無線ゾーン
(A)または、小無線ゾーン(B)では移動機が各基地
局から送信される無線チャネルをゾーン境界レベル以上
で受信できるように各基地局の送信出力を設定する移動
通信方式において、小無線ゾーン(B)の境界における
ゾーン境界レベルを無線ゾーン(A)の境界におけるゾ
ーン境界レベルより高い値に設定する。
【0019】
【作用】本発明は多重無線ゾーン移動方式において、マ
イクロセルの送信電力だけを上げ、マイクロセルの境界
レベルだけを上げることにより曲がり角でのレベル劣化
を考慮して大きなマージンを持たせ、マイクロセルの境
界レベルとマクロセルの境界レベルとを異ならせること
により、マイクロセルの基地局と通信している移動速度
の速い移動機でも交差点を曲がった先のマイクロセルの
基地局に接続することができる。
【0020】
【実施例】図1は本発明の一実施例を説明するための図
である。同図中、縦軸は受信レベルを示し、横軸は移動
機の位置する地点を示す。このようにマイクロセルの境
界レベルL1 とマクロセルの境界レベルL0 とに差をも
たせ値を異ならせるのがこの発明の特徴である。
【0021】図1において、移動機が地点Xと地点Yの
間で接続処理を行う場合を考える。同図中、a,b,
c,d,hはマクロセル基地局10であり、e,f,g
はマイクロセル基地局20である。境界レベルL1 以上
のマイクロセルの受信レベルを確保できる地点ではマイ
クロセルに接続し、境界レベルL1 以上のマイクロセル
の受信レベルを確保できず、境界レベルL0 以上のマク
ロセル受信レベルを確保できる地点ではマクロセルに接
続する。つまり、区間X−A,E−Yにおいては接続せ
ず、区間A−B,C−Dにおいてはマクロセルに接続
し、区間B−C,D−Eにおいてはマイクロセルに接続
する。
【0022】マイクロセルと周辺マイクロセルのレベル
を比較し、通話中のセルよりもレベルの高いセルがあれ
ば、周辺のマイクロセルへチャネル切替えする。また、
マイクロセルのレベルが境界レベルL1 を下回った場合
は、多重設置されているマクロセルにチャネル切替えす
る。例えば、地点Pを通話中の移動器がY方向に通過す
る場合、マイクロセルcからマイクロセルdへ移行す
る。また、地点Cを通話中の移動機がY方向へ通過する
場合、マイクロセルdからマクロセルhへ移行する。地
点Qで通話中の移動機が交差点を曲がった場合は、曲が
り角のレベル減衰により、マイクロセル境界レベルL1
を下回るため、マイクロセルcからマクロセルhへ移行
する。
【0023】ここで、具体的に例をあげてそれぞれの境
界レベルを求める。図2は本発明の一実施例のゾーン周
辺での曲がり角を曲がる場合のレベル劣化を考慮したチ
ャネルマージンの例を示す。同図(A)は移動機が進む
方向を示し、(B)は切替えマージンを示す。移動機が
基地局Aから交差点B方向へ走行し、交差点Bで曲が
り、C点を通過し、D方向へ進む場合を考える。C点か
らD点の距離dは、チャネル切替えに必要な時間に移動
機が進む距離である。A点からB点へ進むと見通し伝搬
損失21、見通し場所的変動22が生じる。曲がり角B
からC点へ進むと前記の曲がり角減衰23が生じる。C
点からD点へ進むと見通し外伝搬損失24、見通し外場
所的変動25が生じる。点Dにおいて、所要スタティッ
クレベルはLS 以上必要である。そこで、マイクロセル
における境界レベルをL1 とする。L1 とは、LS に見
通し場所的変動マージン22、曲がり角減衰マージン2
3、見通し外伝搬損失24、見通し外場所的変動マージ
ン25を加えたレベルである。
【0024】具体的な数値の例として、見通し場所的変
更マージン3dB、曲がり角減衰マージン15dB、見通し
外伝搬損失5dB、見通し外場所的変動マージン6dBを代
入すると、曲がり角を考慮したマージンL1 −LS は2
9dBとなる。よって前記よりマイクロセルにおける伝搬
損失は距離200 mの時84dBであるので、これより基地局
の送信出力を求めると、25.1mWとなり、送信機出力は約
24.9mW上げれば良いことになる。以上のような無線回線
設計における移動機の呼の接続時のセル選択、また、通
話中のチャネル切替え時のセル選択の際の制御手順につ
いて以下に述べる。
【0025】図3は本発明のシステムにおける移動機の
制御手順を示すフローチャートである。従来のシステム
同様、移動機は周辺マイクロセルの制御チャネル及びマ
クロセルの受信周波数が記憶されているものとする。移
動機は電源オンされると、先ず、マイクロセルの制御チ
ャネルの受信レベルを測定する(ステップ31)。次に
レベルがマイクロセル境界レベルL1 以上の制御チャネ
ルがあるか否かを判定する(ステップ32)。ない場合
は、マクロセルの制御チャネルへ移行し、マクロセルの
制御チャネルを測定する(ステップ33)。次にレベル
がマクロセル境界レベルL0 以上かどうかを判断し、
(ステップ34)、マクロセル境界レベルL0 以下であ
れば、ステップ31に戻る。ステップ32において、レ
ベルが境界レベルL0 以上ある場合、または、ステップ
34において、レベルが境界レベルL1 以上ある場合
は、レベルが最大の制御チャネルを受信し(ステップ3
5)、通話チャネルに接続する。
【0026】図4は本発明のシステムにおける通話中の
チャネル切替え時のセル選択の際の制御手順を示すフロ
ーチャートである。移動機は常に周辺マイクロセルの制
御チャネルの受信レベルを測定する(ステップ41)。
次にマイクロセルの境界レベルL1 以上の制御チャネル
があるか否かを判定する(ステップ42)。ない場合
は、マクロセルの制御チャネルへ移行し、マクロセルの
制御チャネル測定する(ステップ43)。次にレベルが
マクロセル境界レベルL0 以上かどうかを判断し(ステ
ップ44)、マクロセル境界レベルL0 以下であれば、
ステップ41に戻る。ステップ42において、レベルが
境界レベルL0 以上ある場合、または、ステップ44に
おいて、レベルが境界レベルL1 以上ある場合は、レベ
ルが最大の制御チャネルのセルを移行先ゾーンとし、基
地局へ報告し(ステップ45)、報告を受けた基地局は
チャネル切替えの判断を行う。
【0027】これにより、曲がり角でのレベルの曲がり
角減衰を考慮して、マイクロセルの基地局の送信出力に
大きなマージンを持たせ、マイクロセルの境界レベルと
マクロセルの境界レベルとをそれぞれ設定しておき、受
信レベルを測定し、レベルが境界レベル以上ある場合
は、レベルが最大の制御チャネルを移行先ゾーンとし、
基地局に報告する。基地局は報告を基にチャネル切替え
の判断を行う。
【0028】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、マイク
ロセルの送信出力を上げ、境界レベルを2つ持つことに
より、マイクロセルの基地局と通話している移動機が交
差点を曲がる等の急激なレベルの劣化が発生しても隣接
するマイクロセルや重畳されているマクロセルへ通話が
途切れることなくチャネル切替えが行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施例のゾーン周辺での曲がり角を
曲がる場合のレベル劣化を考慮したチャネルマージンの
例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例のシステムにおける移動機の
制御手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例のシステムにおける通話中の
チャネル切替え時のセル選択の際の制御手順を示すフロ
ーチャートである。
【図5】多重無線ゾーン移動通信方式について示す図で
ある。
【図6】従来の多重無線ゾーン移動通信方式における移
動機の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】チャネル切替え方式を説明するための図であ
る。
【図8】従来の多重無線ゾーン移動通信方式における通
話中のチャネル切替え時のセル選択の際の制御手順を示
すフローチャートである。
【図9】陸上移動通信におけるレベル変動の性質を示し
たグラフである。
【図10】下り受信レベルと単音明瞭度の関係の例を示
すグラフである。
【図11】所要短区間中央値及び場所的劣化率と長区間
中央値の関係を示すグラフである。
【図12】従来のマクロセルにおける基地局からの距離
と受信レベルを示すグラフである。
【図13】基準電界強度曲線を示すグラフである。
【図14】マイクロセル配置例を示す図である。
【図15】マイクロセルの伝搬損失距離特性を示すグラ
フである。
【図16】従来のマイクロセルにおける基地局からの距
離と受信レベルの関係の一例を示すグラフである。
【図17】従来のマイクロセルにおける基地局からの距
離と受信レベルの関係の一例を示す図である。
【図18】曲がり角伝搬損失を考慮したマイクロセルに
基地局からの距離と受信レベルを示すグラフである。
【図19】曲がり角伝搬損失を考慮したマイクロセルに
おける基地局からの距離と受信レベルを示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 マクロセル基地局 20 マイクロセル基地局 21 見通し伝搬損失 22 見通し場所的変動マージン 23 曲がり角減衰 24 見通し外伝搬損失 25 見通し外場所的変動マージン 30 マクロセル 40 マイクロセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−191341(JP,A) 特開 平2−143725(JP,A) 特開 昭62−236227(JP,A) 特表 平5−503625(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 7/24 - 7/26 H04Q 7/00 - 7/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散して配置された複数の無線ゾーン
    (A)の集合によって1つのサービスエリアが形成さ
    れ、該無線ゾーン(A)より小さな複数の小無線ゾーン
    (B)を配置し、該無線ゾーン(A)の範囲を該複数の
    小無線ゾーン(B)でカバーし、該無線ゾーン(A)及
    び該小無線ゾーン(B)毎に基地局を設け、隣接する小
    無線ゾーン(B)の各基地局にはそれぞれ異なる周波数
    の無線チャネルが割り当てられて、基地局と通信中の移
    動機が該基地局の無線ゾーン(A)または、小無線ゾー
    ン(B)の境界から出て、他の無線ゾーン又は小無線ゾ
    ーンに移行した場合には、移行先のゾーンの基地局の無
    線チャネルに切替えて通信を継続する通信手段を有し、
    各無線ゾーン(A)の境界又は、小無線ゾーン(B)の
    境界において、ゾーン境界レベルを設定し、無線ゾーン
    (A)または、小無線ゾーン(B)では移動機が各基地
    局から送信される無線チャネルを該ゾーン境界レベル以
    上で受信できるように各基地局の送信出力を設定する移
    動通信方式において、 前記小無線ゾーン(B)の境界におけるゾーン境界レベ
    ルを前記無線ゾーン(A)の境界におけるゾーン境界レ
    ベルより高い値に設定することを特徴とする多重無線ゾ
    ーン間チャネル切替え方式。
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