JP2940254B2 - エッジ・領域検出方法及び装置 - Google Patents

エッジ・領域検出方法及び装置

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JP2940254B2
JP2940254B2 JP3246366A JP24636691A JP2940254B2 JP 2940254 B2 JP2940254 B2 JP 2940254B2 JP 3246366 A JP3246366 A JP 3246366A JP 24636691 A JP24636691 A JP 24636691A JP 2940254 B2 JP2940254 B2 JP 2940254B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像処理・認識におけ
るエッジと、エッジ付近の領域を検出する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】これまでの研究で用いられてきた、エッ
ジ検出方法を、文献『画像認識と画像理解』(R.Ne
vatia著,南敏訳,pp.29−30(198
6))に基づいて説明する。
【0003】ある画像Ψが与えられたとき、局所的な処
理でエッジを求める手法の一つにロバーツのエッジオペ
レータがある。画像が与えられたとき、画像中のある画
素ψi,j 地点での濃度変化量φi,j を第1式で定義す
る。
【0004】
【数1】
【0005】また、φi,j のエッジ勾配方向αi,j を第
2式で定義する。
【0006】
【数2】
【0007】第3式のようにもしφi,j の大きさが閾値
τi,j よりも大きければ、エッジが画素ψi,j 地点に存
在するとする。
【0008】
【数3】
【0009】前記ロバーツのエッジオペレータに代表さ
れる1次微分の他に、ラプラシアンや、ラプラシアンガ
ウシアンの2次微分型のエッジオペレータも良く用いら
れる。エッジオペレータにより画像を畳み込み、符号が
変化する箇所(ゼロクロス位置)をエッジが存在してい
る場所であるとしている。
【0010】また1次微分型と2次微分型を併用する手
法も提案されているが、それぞれのオペレータは、通過
周波数帯域が異なるために同じエッジを扱っているとは
限らない。このことは、画像により結果が異なる原因と
なってしまう。
【0011】次に、これまでの研究で用いられてきた、
領域分割方法を、前記文献(pp.147−149)に
基づいて説明する。
【0012】領域分割の最も簡単な手法の一つに、閾値
処理がある。ある画素属性、例えば輝度において、ある
閾値θより大きな画素はグループAに属し、残りはグル
ープBに属するとする。
【0013】
【数4】
【0014】ある範囲内における同じ画素属性をもつ画
素の集合により、領域が形成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前記エッジ検出手法と
領域分割手法は、両手法共に輝度や色のような画像属性
における境界を見つけることにより、対象物体の境界を
見つけることを目的としている。
【0016】両手法における特徴を、前記文献(pp.
159−160)に基づいて、以下に箇条書きをして示
す。 (1)領域分割手法は、必然的に閉じた境界を与える。
エッジ検出手法は概して境界の切片部分のみを与える。 (2)エッジ検出手法は、本来局所的な処理であるた
め、ある局所領域で失敗することは、完全な物体境界の
検出を妨げる。領域分割手法は、処理がより全体的であ
るため感度が余りよくなく、低いコントラストの境界や
小さな対象物体を検出できないことがある。 (3)色の追加による性能の向上は、エッジ検出手法よ
り領域分割手法において非常に効果的である。 (4)エッジ検出手法により検出されたエッジ位置は、
閾値等の処理パラメータに対して、比較的鈍感である。
しかし、領域分割によって得られた領域境界の位置は、
分割属性の値域の選択に非常に敏感であることがわか
る。
【0017】これらから、対象となる画像によって適不
適があることがわかる。また、両手法は、互いに異なる
尺度に注目した処理であるため、両手法の結果は一般に
一致せず、ある程度相補的な処理であると考えられる。
このため、両手法の結果を統合することが望ましいが、
どちらの処理結果をどの程度重く用いるか等の評価が困
難である。
【0018】また、エッジ検出手法において、閾値τ
i,j 選択の問題は、2次微分型のオペレータを採用する
ことにより回避できるが、どちらにしても検出している
エッジの物理的な意味付けが成されていなかった。
【0019】領域分割処理における閾値θの選択基準
は、適用する画像の集合を適当に与え、それらに対して
結果が良いと主観的に判断される値を選んでおり、検出
された領域の意味がはっきりしなかった。
【0020】本発明の目的は、これらの問題点を除去
し、以下の課題を解決するエッジ・領域検出方法及び装
置を提供することにある。 (a)検出されたエッジまたは領域の物理的意味がはっ
きりしていること。 (b)エッジ情報と領域情報双方を簡易に使用すること
ができること。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像のエッジ
・領域を検出するエッジ・領域検出方法において、空間
的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微分可能な
関数を、ある一つの変数で1次微分した関数を、画像に
畳み込むことにより1次微分応答画像を算出し、前記空
間的に局所的であり、低域周波数を濾過する2次微分可
能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記画像
に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出し、前記
1次微分応答画像と前記2次微分応答画像の符号をそれ
ぞれ閾値0で2値化して1微分値化画像と2次微分2
値化画像を算出し、前記画像の前記変数方向において、
前記1次微分応答画像と2次微分2値化画像の0/1値
の組み合わせにより4つの領域を、この領域の境界によ
り4種類のエッジを検出することを特徴とする。
【0022】また本発明は、画像の変曲エッジを検出す
るエッジ検出装置において、空間的に局所的であり、低
域周波数を濾過する2次微分可能な関数を、ある一つの
変数で1次微分した関数を、画像に畳み込むことにより
1次微分応答画像を算出する1次微分関数作用手段と、
前記空間的に居所的であり低域周波数を濾過する2次微
分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記
画像に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する
2次微分関数作用手段と、前記2次微分応答画像を閾値
0で2値化し、2次微分2値画像を算出する画像2値化
手段と、前記2次微分2値画像の境界線位置において、
前記1次微分画像の対応する画素の符号により、前記変
数方向の変曲エッジ位置を出力する変曲エッジ判別手段
とからなることを特徴とする。
【0023】また本発明は、画像の極値エッジを検出す
るエッジ検出装置において、空間的に局所的であり、低
域周波数を濾過する2次微分可能な関数を、ある一つの
変数で1次微分した関数を、画像に畳み込むことにより
1次微分応答画像を算出する1次微分関数作用手段と、
前記空間的に居所的であり低域周波数を濾過する2次微
分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記
画像に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する
2次微分関数作用手段と、前記1次微分応答画像を閾値
0で2値化し、1次微分2値画像を算出する画像2値化
手段と、前記1次微分2値画像の境界線位置において、
前記2次微分画像の対応する画素の符号により、前記変
数方向の極値エッジ位置を出力する極値エッジ判別手段
とからなることを特徴とする。
【0024】また本発明は、画像の、変曲エッジと極値
エッジで挟まれた領域を検出する領域検出装置におい
て、空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
分可能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数
を、画像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出
する1次微分関数作用手段と、前記空間的に局所的であ
り低域周波数を濾過する2次微分可能な関数を、前記変
数で2次微分した関数を、前記画像に畳み込むことによ
り2次微分応答画像を算出する2次微分関数作用手段
と、前記1次微分応答画像と前記2次微分応答画像を閾
値0で2値化し、それぞれ1次微分2値画像と2次微分
2値画像を算出する画像2値化手段と、前記1次微分2
値画像と前記2次微分2値画像のANDを計算し、領域
を出力するAND演算手段とからなることを特徴とす
る。
【0025】また本発明は、画像の、変曲エッジと極値
エッジで挟まれた領域を検出する領域検出装置におい
て、空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
分可能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数
を、画像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出
する1次微分関数作用手段と、前記空間的に局所的であ
り低域周波数を濾過する2次微分可能な関数を、前記変
数で2次微分した関数を、前記画像に畳み込むことによ
り2次微分応答画像を算出する2次微分関数作用手段
と、前記1次微分応答画像と前記2次微分応答画像を閾
値0で2値化し、それぞれ1次微分2値画像と2次微分
2値画像を算出する画像2値化手段と、前記1次微分2
値画像のNOTを計算し、1次微分2値NOT画像を算
出するNOT演算手段と、前記1次微分2値NOT画像
と前記2次微分2値画像のANDを計算し、領域を出力
するAND演算手段からなることを特徴とする。
【0026】また本発明は、画像の、変曲エッジと極値
エッジで挟まれた領域を検出する領域検出装置におい
て、空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
分可能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数
を、画像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出
する1次微分関数作用手段と、前記空間的に局所的であ
り低域周波数を濾過する2次微分可能な関数を、前記変
数で2次微分した関数を、前記画像に畳み込むことによ
り2次微分応答画像を算出する2次微分関数作用手段
と、前記1次微分応答画像と前記2次微分応答画像を閾
値0で2値化し、それぞれ1次微分2値画像と2次微分
2値画像を算出する画像2値化手段と、前記2次微分2
値画像のNOTを計算し、2次微分2値NOT画像を算
出するNOT演算手段と、前記1次微分2値画像と前記
2次微分2値NOT画像のANDを計算し、領域を出力
するAND演算手段からなることを特徴とする。
【0027】また本発明は、画像の、変曲エッジと極値
エッジで挟まれた領域を検出する領域検出装置におい
て、空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
分可能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数
を、画像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出
する1次微分関数作用手段と、前記空間的に局所的であ
り低域周波数を濾過する2次微分可能な関数を、前記変
数で2次微分した関数を、前記画像に畳み込むことによ
り2次微分応答画像を算出する2次微分関数作用手段
と、前記1次微分応答画像と前記2次微分応答画像を閾
値0で2値化し、それぞれ1次微分2値画像と2次微分
2値画像を算出する画像2値化手段と、前記1次微分2
値画像と前記2次微分2値画像のNOTを計算し、それ
ぞれ1次微分2値NOT画像と2次微分2値NOT画像
を算出するNOT演算手段と、前記1次微分2値NOT
画像と前記2次微分2値NOT画像のANDを計算し、
領域を出力するAND演算手段からなることを特徴とす
る。
【0028】
【作用】本発明であるエッジ・領域検出方法の原理を以
下で説明する。
【0029】図2〜図5に、代表的な4種類のエッジを
実線で示す。横軸はある1つの空間軸、縦軸は画素濃度
である。図2に示した、濃度が階段上に明るくなってい
るエッジをStep(+)エッジと呼び、その中点をエ
ッジ位置とする。また濃度が変化している座標方向の幅
をエッジの濃度変化スケール、濃度の変化量をエッジ強
度とする。同様に図3に示した、濃度が階段上に暗くな
っているエッジをStep(−)エッジと呼ぶ。また、
図4に示した、パルス的に濃度が明るくなっているエッ
ジをRoofエッジ、図5に示した、パルス的に濃度が
暗くなっているエッジをV−ditchエッジと呼ぶ。
【0030】これら特徴的なエッジで区分された領域内
では、ある種の領域特徴(平均輝度・輝度分散・テクス
チャ情報)はどこでも同じであると仮定する。このと
き、特に強度の強いエッジに注目したとき、エッジ近く
の領域だけに注目してこれら領域特徴を求めても問題は
生じない。よって、まずエッジを求め、エッジ付近での
領域を求めることにすることにより、双方の情報を共に
利用することが可能となる。
【0031】まず、以下において本発明であるエッジ検
出方法について説明する。
【0032】原画像Ψのある地点(x,y)での濃度値
ψ(x,y)を、第5式に示した(μx ,μy )に分布
中心を持ち広がりが
【0033】
【数5】
【0034】で表されるような正規分布関数N(x,
y;μx ,μy ,Σ)で、座標について畳み込み、生成
した画像Φをφ(μx ,μy ;Σ)とする。
【0035】
【数6】
【0036】このとき、原画像Ψに、濃度変化のスケー
ルがσedgeである、x方向を向いたエッジがあったとす
ると、生成した画像Φは同方向に
【0037】
【数7】
【0038】だけ更にぼかしたことになるので、エッジ
【0039】
【数8】
【0040】だけボケていることになる。故に、画像Φ
から検出したエッジはこのボケだけの位置不定性がある
と言える。急峻なエッジを検出するとき(σedge 2 〓s
x )、その位置不定性は前記関数の広がり具合で定まる
と考えて良い。
【0041】本発明であるエッジ検出方法は、図2〜図
5において実線で示した4種類のエッジ、Step
(+),Step(−),Roof,V−ditchの
各エッジを、前者2つは変曲点、後者2つは極大・極小
点の検出として、それぞれ選択的に検出するものであ
る。つまり、画像φを1次・2次偏微分して得られた画
像を用意し、検出対象のエッジ性質を考慮して、表1の
条件により閾値無しで目的のエッジが検出することが可
能となる。
【0042】
【表1】
【0043】変曲エッジは2次偏微分画像において符号
が変化する画素位置に存在し、1次偏微分の画像の画素
位置における符号により、Step(+),Step
(−)エッジの区別が可能となる。図2における実線、
Step(+)エッジに対して、長い点線、1次微分が
正、短い点線、2次微分が0の位置がStep(+)エ
ッジ位置となり、1次微分の絶対値がそのエッジ強度と
なる。また図3における実線、Step(−)エッジに
対して、長い点線、1次微分が負、短い点線、2次微分
が0の位置がStep(−)エッジ位置となり、1次微
分の絶対値がそのエッジ強度となる。
【0044】極値エッジは1次偏微分画像において符号
が変化する画素位置に存在し、2次偏微分画像の画素位
置における符号によりRoof,V−ditchエッジ
の区別が可能となる。図4における実線、Roofエッ
ジに対して、長い点線、1次微分が0、短い点線、2次
微分が負の位置がRoofエッジ位置となり、2次微分
の絶対値がそのエッジ強度となる。また図5における実
線、V−ditchエッジに対して、長い点線、1次微
分が0、短い点線、2次微分が正の位置がV−ditc
hエッジ位置となり、2次微分の絶対値がそのエッジ強
度となる。
【0045】次に、本発明の領域検出方法について説明
する。
【0046】表2より、Step(+)エッジ位置から
偏微分に用いた変数方向に向けて、1次微分が正で2次
微分が負の領域が始まり、Roofエッジ位置で終了す
ることがわかる。よってStep(+)エッジとRoo
fエッジに挟まれた領域を検出するには、1次微分画像
が正で2次微分画像が負である領域を検出すれば良い
(1次微分画像が正で2次微分画像が負である領域は必
ずしもStep(+)エッジとRoofエッジに挟まれ
た領域ではないが、このようなエッジに挟まれた領域を
検出することが目的である場合や、エッジ強度が非常に
強い、例えばStep(+)エッジの変数方向の正の側
の領域特徴を求めたい場合には特に問題とはならな
い)。同様に、Step(−)エッジとV−ditch
エッジで挟まれた領域を検出するには、1次微分画像が
負で2次微分画像が正の領域を検出すれば良い。Roo
fエッジとStep(−)エッジで挟まれた領域を検出
するには、1次微分画像と2次微分画像が共に負である
領域を検出すれば良い。V−ditchエッジとSte
p(+)エッジで挟まれた領域を検出するには、1次微
分画像と2次微分画像が共に正である領域を検出すれば
良い。
【0047】
【表2】
【0048】以上のように、明確な検出目的によりそれ
ぞれの領域を検出できることがわかる。これにより、領
域内について、原画像の情報、例えば、輝度平均,分散
や、テクスチャ情報等が利用できることになり、容易に
認識処理に利用できる。また、得られた領域境界とエッ
ジは一致しているために、従来同時に用いることが難し
かった両情報が簡易に利用できることになる。
【0049】以上では、畳み込みの際に正規分布関数を
用いて説明したが、これは座標空間上で局所的であり、
周波数空間上で低域濾過の特性を示し、2次偏微分可能
な関数であれば、発明の効果には何等影響を与えるもの
ではない。
【0050】また、適当な関数により原画像を畳み込ん
だ後、1次,2次偏微分する操作は、現実には原画像の
関数形式がわからないので、数式的に同等な手法をとる
ことになる。つまり畳み込む関数を1次・2次偏微分し
た関数で、原画像を畳み込むことにより1次・2次偏微
分画像を生成することになる。
【0051】
【実施例】以下に、本発明の第1の実施例である、変曲
エッジを検出するエッジ検出装置を、図面を用いて説明
する。
【0052】図1に第1実施例の構成を示す。このエッ
ジ検出装置100は、空間的に局所的であり低域周波数
を濾過する2次微分可能な関数を、ある一つの変数で1
次微分した関数を、画像に畳み込むことにより1次微分
応答画像を算出する正規分布1次微分関数作用手段2
と、空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、画像
に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する正規
分布2次微分関数作用手段4と、2次微分応答画像を閾
値0で2値化し、2次微分2値画像を算出する画像2値
化手段6と、2次微分2値画像の境界線位置において、
1次微分画像の対応する画素の符号により、変数方向の
変曲エッジ位置を出力する変曲エッジ判別手段8とから
構成されている。
【0053】エッジ検出装置100に画像1が入力され
たとき、正規分布1次微分関数作用手段2は、正規分布
関数をある一つの変数で1次微分した関数を画像1に畳
み込み、正規分布1次微分応答画像3を算出する。ま
た、正規分布2次微分関数作用手段4は、正規分布関数
を前記変数で2次微分した関数を画像1に畳み込み、正
規分布2次微分応答画像5を算出する。この正規分布2
次微分応答画像5を、画像2値化手段6により閾値0で
2値化し、正規分布2次微分2値画像7を算出する。
【0054】変曲エッジ判別手段8は、正規分布2次微
分2値画像7の境界線位置において、正規分布1次微分
応答画像3の対応する画素の符号によって、正規分布1
次微分応答画像3の絶対値をエッジ強度として、正なら
ばStep(+)エッジとなるエッジ画像9、負ならば
Step(−)エッジとなるエッジ画像10を出力す
る。
【0055】変曲エッジ判別手段8が、例えば、Ste
p(+)エッジのみを検出し、Step(+)エッジ画
像9のみを出力するエッジ検出装置も同様に構成するこ
とができる。また、変曲エッジ判別手段8が、単にエッ
ジ位置のみを出力するエッジ検出装置も同様に構成する
ことができる。
【0056】次に、本発明の第2の実施例である、極値
エッジを検出するエッジ検出装置を、説明する。
【0057】図6に本実施例の構成を示す。このエッジ
検出装置101は、空間的に局所的であり低域手段を濾
過する2次微分可能な関数を、ある一つの変数で1次微
分した関数を、画像に畳み込むことにより1次微分応答
画像を算出する正規分布1次微分関数作用手段12と、
空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微分可
能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、画像に畳
み込むことにより2次微分応答画像を算出する正規分布
2次微分関数作用手段14と、1次微分応答画像を閾値
0で2値化し、1次微分2値画像を算出する画像2値化
手段16と、1次微分2値画像の境界線位置において、
2次微分画像の対応する画素の符号により、前記変数方
向の極値エッジ位置を出力する極値エッジ判別手段18
とから構成されている。
【0058】エッジ検出装置101に画像11が入力さ
れたとき、正規分布1次微分関数作用手段12は、正規
分布関数をある一つの変数で1次微分した関数を画像1
1に畳み込み、正規分布1次微分応答画像13を算出す
る。また、正規分布2次微分関数作用手段14は、正規
分布関数を前記変数で2次微分した関数を画像11に畳
み込み、正規分布2次微分応答画像15を算出する。正
規分布1次微分応答画像13を、画像2値化手段16に
より閾値0で2値化し、正規分布1次微分2値画像17
を算出する。
【0059】極値エッジ判別手段18は、正規分布1次
微分2値画像17の境界線位置において、正規分布2次
微分応答画像13の対応する画素の符号によって、正規
分布2次微分応答画像15の絶対値をエッジ強度とし
て、正ならばV−ditchエッジとなるエッジ画像1
9、負ならばRoofエッジとなるエッジ画像20を出
力する。
【0060】極値エッジ判別手段18が、例えば、V−
ditchエッジのみを検出し、V−ditchエッジ
画像のみを出力するエッジ検出装置も同様に構成するこ
とができる。また、極値エッジ判別手段18が、単にエ
ッジ位置のみを出力するエッジ検出装置も同様に構成す
ることができる。
【0061】次に、本発明の第3の実施例である、4つ
の組み合わせたエッジに挟まれた領域を検出する領域検
出装置を、説明する。
【0062】図7に第3実施例の構成を示す。この領域
検出装置102は、空間的に局所的であり低域周波数を
濾過する2次微分可能な関数を、ある一つの変数で1次
微分した関数を、画像に畳み込むことにより1次微分応
答画像を算出する正規分布1次微分関数作用手段22
と、空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、画像
に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する正規
分布2次微分関数作用手段24と、1次微分応答画像と
2次微分応答画像を閾値0で2値化し、それぞれ1次微
分2値画像と2次微分2値画像を算出する画像2値化手
段26,28と、1次微分2値画像と2次微分2値画像
のNOTを計算し、それぞれ1次微分2値NOT画像と
2次微分2値NOT画像を算出するNOT演算手段3
0,32と、1次微分2値画像と2次微分2値画像のA
NDを計算し、領域を出力する領域判別手段34と、1
次微分2値NOT画像と2次微分2値画像のANDを計
算し、領域を出力する領域判別手段36と、1次微分2
値画像と2次微分2値NOT画像のANDを計算し、領
域を出力する領域判別手段38と、1次微分2値NOT
画像と2次微分2値NOT画像のANDを計算し、領域
を出力する領域判別手段40とから構成されている。
【0063】領域検出装置102に画像21が入力され
たとき、正規分布1次微分関数作用手段22は、正規分
布関数をある一つの変数で1次微分した関数を画像21
に畳み込み、正規分布1次微分応答画像23を算出す
る。また、正規分布2次微分関数作用手段24は、正規
分布関数を前記変数で2次微分した関数を画像21に畳
み込み、正規分布2次微分応答画像25を算出する。正
規分布1次微分応答画像23と正規分布2次微分応答画
像25を、画像2値化手段26,28により閾値0で2
値化し、それぞれ正規分布1次微分2値画像27と正規
分布2次微分2値画像29を算出する。NOT演算手段
30,32は、正規分布1次微分2値画像27と正規分
布2次微分2値画像29のNOTをとり、正規分布1次
微分2値NOT画像31と正規分布2次微分2値NOT
画像33を算出する。
【0064】領域判別手段34は、正規分布1次微分2
値画像27と上記正規分布2次微分2値画像29のAN
Dをとり、V−ditchエッジとStep(+)エッ
ジに挟まれた領域を含む領域を検出し、領域画像35を
出力する。領域判別手段36は、正規分布1次微分2値
NOT画像31と正規分布2次微分2値画像29のAN
Dをとり、Step(−)エッジとV−ditchエッ
ジに挟まれた領域を含む領域を検出し、領域画像37を
出力する。領域判別手段38は、正規分布1次微分2値
画像27と正規分布2次微分2値NOT画像33のAN
Dをとり、Step(+)エッジとRoofエッジに挟
まれた領域を含む領域を検出し、領域画像39を出力す
る。領域判別手段40は、正規分布1次微分2値NOT
画像31と正規分布2次微分2値NOT画像33のAN
Dをとり、RoofエッジとStep(−)エッジに挟
まれた領域を含む領域を検出し、領域画像41を出力す
る。
【0065】この領域検出装置が、例えば、V−dit
chエッジとStep(+)エッジで挟まれた領域を含
む領域のみを検出し、該当する領域画像のみを出力する
領域検出装置も同様に構成することができる。
【0066】また、前記エッジ検出装置と前記領域検出
装置の実施例すべてにおいて、畳み込む関数として正規
分布関数を例に上げたが、座標空間上で局所的であり、
周波数空間的に低域濾過の性質を示し、2次偏微分可能
な関数であるエッジ検出装置と領域検出装置も、同様に
構成することができる。
【0067】
【発明の効果】本発明により、物理的な意味がはっきり
しているエッジ情報と領域情報を、従来より簡易かつ同
時に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である変曲エッジ検出装置の一実施例を
示す図である。
【図2】検出するStep(+)エッジとその1次,2
次微分応答の説明図である。
【図3】検出するStep(−)エッジとその1次,2
次微分応答の説明図である。
【図4】検出するRoofエッジとその1次,2次微分
応答の説明図である。
【図5】検出するV−ditchエッジとその1次,2
次微分応答の説明図である。
【図6】本発明であるエッジ検出装置の実施例の構成図
である。
【図7】本発明である領域検出装置の実施例の構成図で
ある。
【符号の説明】
1,11,21 画像 2,12,22 正規分布1次微分関数作用手段 3,13,23 正規分布1次微分応答画像 4,14,24 正規分布2次微分関数作用手段 5,15,25 正規分布2次微分応答画像 6,16,26,28 画像2値化手段 7,29 正規分布2次微分2値画像 8 変曲エッジ判別手段 9,10,19,20 エッジ画像 17,27 正規分布1次微分2値画像 18 極値エッジ判別手段 30,32 NOT演算手段 31 正規分布1次微分2値NOT画像 33 正規分布2次微分2値NOT画像 34,36,38,40 領域演算手段 35,37,39,41 領域画像 100,101 エッジ検出装置 102 領域検出装置

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像のエッジ・領域を検出するエッジ・領
    域検出方法において、 空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微分可
    能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数を、画
    像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出し、前
    記空間的に局所的であり、低域周波数を濾過する2次微
    分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記
    画像に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出し、
    前記1次微分応答画像と前記2次微分応答画像の符号を
    それぞれ閾値0で2値化して1微分値化画像と2次微
    分2値化画像を算出し、前記画像の前記変数方向におい
    て、前記1次微分応答画像と2次微分2値化画像の0/
    1値の組み合わせにより4つの領域を、この領域の境界
    により4種類のエッジを検出することを特徴とするエッ
    ジ・領域検出方法。
  2. 【請求項2】画像の変曲エッジを検出するエッジ検出装
    置において、 空間的に局所的であり、低域周波数を濾過する2次微分
    可能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数を、
    画像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出する
    1次微分関数作用手段と、 前記空間的に居所的であり低域周波数を濾過する2次微
    分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記
    画像に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する
    2次微分関数作用手段と、 前記2次微分応答画像を閾値0で2値化し、2次微分2
    値画像を算出する画像2値化手段と、 前記2次微分2値画像の境界線位置において、前記1次
    微分画像の対応する画素の符号により、前記変数方向の
    変曲エッジ位置を出力する変曲エッジ判別手段とからな
    ることを特徴とするエッジ検出装置。
  3. 【請求項3】画像の極値エッジを検出するエッジ検出装
    置において、 空間的に局所的であり、低域周波数を濾過する2次微分
    可能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数を、
    画像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出する
    1次微分関数作用手段と、 前記空間的に居所的であり低域周波数を濾過する2次微
    分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記
    画像に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する
    2次微分関数作用手段と、 前記1次微分応答画像を閾値0で2値化し、1次微分2
    値画像を算出する画像2値化手段と、 前記1次微分2値画像の境界線位置において、前記2次
    微分画像の対応する画素の符号により、前記変数方向の
    極値エッジ位置を出力する極値エッジ判別手段とからな
    ることを特徴とするエッジ検出装置。
  4. 【請求項4】画像の、変曲エッジと極値エッジで挟まれ
    た領域を検出する領域検出装置において、 空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微分可
    能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数を、画
    像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出する1
    次微分関数作用手段と、 前記空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
    分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記
    画像に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する
    2次微分関数作用手段と、 前記1次微分応答画像と前記2次微分応答画像を閾値0
    で2値化し、それぞれ1次微分2値画像と2次微分2値
    画像を算出する画像2値化手段と、 前記1次微分2値画像と前記2次微分2値画像のAND
    を計算し、領域を出力するAND演算手段とからなるこ
    とを特徴とする領域検出装置。
  5. 【請求項5】画像の、変曲エッジと極値エッジで挟まれ
    た領域を検出する領域検出装置において、 空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微分可
    能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数を、画
    像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出する1
    次微分関数作用手段と、 前記空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
    分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記
    画像に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する
    2次微分関数作用手段と、 前記1次微分応答画像と前記2次微分応答画像を閾値0
    で2値化し、それぞれ1次微分2値画像と2次微分2値
    画像を算出する画像2値化手段と、 前記1次微分2値画像のNOTを計算し、1次微分2値
    NOT画像を算出するNOT演算手段と、 前記1次微分2値NOT画像と前記2次微分2値画像の
    ANDを計算し、領域を出力するAND演算手段からな
    ることを特徴とする領域検出装置。
  6. 【請求項6】画像の、変曲エッジと極値エッジで挟まれ
    た領域を検出する領域検出装置において、 空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微分可
    能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数を、画
    像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出する1
    次微分関数作用手段と、 前記空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
    分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記
    画像に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する
    2次微分関数作用手段と、 前記1次微分応答画像と前記2次微分応答画像を閾値0
    で2値化し、それぞれ1次微分2値画像と2次微分2値
    画像を算出する画像2値化手段と、 前記2次微分2値画像のNOTを計算し、2次微分2値
    NOT画像を算出するNOT演算手段と、 前記1次微分2値画像と前記2次微分2値NOT画像の
    ANDを計算し、領域を出力するAND演算手段からな
    ることを特徴とする領域検出装置。
  7. 【請求項7】画像の、変曲エッジと極値エッジで挟まれ
    た領域を検出する領域検出装置において、 空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微分可
    能な関数を、ある一つの変数で1次微分した関数を、画
    像に畳み込むことにより1次微分応答画像を算出する1
    次微分関数作用手段と、 前記空間的に局所的であり低域周波数を濾過する2次微
    分可能な関数を、前記変数で2次微分した関数を、前記
    画像に畳み込むことにより2次微分応答画像を算出する
    2次微分関数作用手段と、 前記1次微分応答画像と前記2次微分応答画像を閾値0
    で2値化し、それぞれ1次微分2値画像と2次微分2値
    画像を算出する画像2値化手段と、 前記1次微分2値画像と前記2次微分2値画像のNOT
    を計算し、それぞれ1次微分2値NOT画像と2次微分
    2値NOT画像を算出するNOT演算手段と、前記1次
    微分2値NOT画像と前記2次微分2値NOT画像のA
    NDを計算し、領域を出力するAND演算手段からなる
    ことを特徴とする領域検出装置。
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