JP2933690B2 - 自動車用交流発電機 - Google Patents

自動車用交流発電機

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車用交流発電機に係り、さらに詳細に
は、この種交流発電機のノイズ防止用コンデンサの実装
及びノイズ低減の技術に関する。
〔従来の技術〕
従来より、自動車用交流発電機には、例えば特開昭62
−163547号公報に開示されるように、電機子巻線に生じ
た交流出力を直流に変換する整流器の出力側にノイズ防
止用コンデンサを接続し、このコンデンサを発電機本体
に内蔵させていた。ノイズ防止用コンデンサは、一般に
は交流発電機の電機子巻線のインダクタンスと直列LC共
振回路を構成するように接続され、次のようなノイズの
低減化を図る。
すなわち、交流発電機の出力端子から各種の車載電気
負荷へ流れる電流が電磁波(ノイズ)を発生し、これが
アンデナを介してラジオ受信機等に侵入したりするが、
このノイズは、交流発電機の電機子巻線が発生する交流
出力を全波整流器で整流する際に転流ノイズ(転流サー
ジ)が発生することにより生成される。この転流ノイズ
は、電機子巻線の相が切り換わって今まで順方向電圧が
印加されていた整流素子が逆電圧印加となった時に発生
する(転流ノイズの発生メカニズムについては、〔実施
例〕の項で詳述する)、転流ノイズは非常に鋭いスパイ
ク状の波形で、広い周波数成分を持つ白色ノイズであ
り、広い範囲でラジオノイズを発生する。そのため、ノ
イズ防止用コンデンサと電機子巻線のインダクタンスと
で直流LC共振回路を形成することで、転流ノイズの周波
数帯域を狭くして、ラジオ受信周波数より充分低い周波
数に落としている。そのほかの従来例としては、特公昭
54−5083号公報,特開昭63−240336号公報,特開昭64−
8872号公報等に記載のように、車両用発電機に用いる全
波整流器の整流素子の少なくとも一部に所定の降伏電圧
特性を有するツェナーダイオードを用いて外来サージや
各相巻線に発生する過電圧から電圧調整装置を保護する
技術が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のこの種交流発電機に用いる全波整流器の整流素
子として、通常のダイオードを用いる場合には、耐圧が
300V以上のものを用いるのが通例であった。
その理由は、自動車では、点火装置、燃料供給装置等
のサージ電圧発生源が存在し、これらのサージ電圧に対
する耐圧を配慮したものである。
サージ電圧により整流素子にかかる電圧は、整流素子
の出力側に設けた前記ノイズ防止用コンデンサにもかか
るため、ノイズ防止用コンデンサの耐圧を破壊防止の見
地から整流素子の耐圧よりも高く設定していた。
このようにノイズ防止用コンデンサに高耐圧のコンデ
ンサを用いると、コンデンサが大形化し、その取付けス
ペースも大きくとられ、自動車用交流発電機の小形化を
進めていく上で大きな障害となり、特に、ノイズ防止用
コンデンサを電圧調整器等の電子回路と一緒にして混成
集積回路を構成するといったことができず、コンデンサ
を発電機に実装する際の手間がかかる傾向にあった。
このようなノイズ防止用コンデンサについて、電圧調
整器の回路共々に混成集積回路の要素として実現可能に
する技術は、上記した特公昭54−5083号公報,特開昭63
−240336号公報,特開昭64−8872号公報についても配慮
されていない。
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、特に、自
動車用の交流発電機のノイズ防止用コンデンサを小形化
して、電圧調整器の回路共々に混成集積回路を構成する
ことができ、この種コンデンサの実装性を高め、しかも
寒冷地運転のジャンプスタート(寒冷地で始動困難時に
バッテリ電圧を直列に2段接続してスタートをかける運
転)も配慮した自動車用交流発電機を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、基本的には次の
ような課題解決手段を提案する。
すなわち、電機子巻線から出力される交流出力を全波
整流して直流に変換する整流器と、界磁電流を制御して
前記整流器の出力電圧を調整する電圧調整器とを備え、
前記整流器の出力側にノイズ防止用コンデンサを接続し
てなる自動車用交流発電機において、 前記整流器は、降伏電圧が車載バッテリの開放電圧の
2倍から3倍の間の特性を有するツェナーダイオード及
びアバランシェダイオードのいずれかにより構成されて
いることを特徴とする。
〔作用〕
自動車用交流発電機に用いる全波整流器の整流素子と
してツェナーダイオード及びアバランシェダイオードを
使用するので、整流素子にかかるサージ電圧がある電圧
以上になると、ツェナー効果(降伏)或いはアバランシ
ェ効果(降伏)が生じて、サージ電圧を吸収しこれを低
い電圧に保つ。
ここで、サージ吸収は、次の二つの場合に分けられ
る。
一つは、発電機が自分で出すサージである。例えば、
第9図に示すように3相全波整流器の整流素子D1とD2
(ここでは、整流素子は一例としてツェナーダイオード
を使用する)に順方向電流が流れている場合、発電機自
身のサージにより出力電圧が過電圧になると、逆電圧状
態にある負極側のツェナーダイオードD0がツェナー降伏
してサージ吸収を行う。その結果、出力VBは、VB=VZ
1Vとなる。ここで、−1Vは、D1の順方向電圧である。こ
のサージを吸収する場合には、発電機出力のサージエネ
ルギーが比較的大きいので、ツェナー降伏電圧を高くし
過ぎると降伏電流が過大となり整流素子が破損するおそ
れがある。これを防止するために、本発明では、ツェナ
ー降伏電圧を、目安として車載バッテリ電圧(通常12.5
V)の2〜3倍の間(2VBO〜3VBO)にする。このツェナ
ー降伏電圧を2〜3倍にする根拠は、後述するジャンプ
スタートについての配慮も行なった結果である。
もう一つは、点火装置や燃料供給装置等の外から来る
サージである。この場合には、第10図に示すように、交
流発電機の整流素子が2個ずつ直列接続されていること
から、出力端子電圧がVB=2VZに達すると、ツェナー降
伏が生じ、VB=2VZに保持される。例えば、VZを27Vに設
定したならば、外来サージ電圧が発生した場合に整流素
子は54Vでツェナー降伏する。
なお、外来サージ電圧の場合は、電流は微小であるの
でサージエネルギーは小さく、54Vでツェナー降伏して
も整流素子の健全性を維持できる。
ここで、ツェナー降伏電圧を2VBO〜3VBOの間に設定す
る根拠となるジャンプスタートについて説明する。
寒冷地で始動困難時にバッテリ電圧を直列に2段接続
してスタータをかける、いわゆるジャンプスタートを行
なう場合、スタータ駆動時において発電機が少しでも発
電状態にある時には、第8図の経路で電流が流れるが
(第8図では、3相交流発電機でダイオードとしてツェ
ナーダイオードを例示し、現時点においてツェナーダイ
オードD2からD1の電流が流れているものとする)、この
時、遮断状態にある正極側のツェナーダイオードD3に
は、2VBO−(−1V)=2VBO+1V程度の電圧が印加され
る。
ここで、ツェナー降伏電圧VZを、VZ<2VBO+1Vに設定
してしまうと、ジャンプスタート時にツェナー降伏が生
じダイオードD3に逆方向電流が流れてバッテリから許容
以上の過電流が流れ、ツェナーダイオードが破損するお
それがある。従って、ツェナー降伏電圧VZは、VZ>2VBO
+αとする必要がある(ここでαは、余裕分である)。
ただし、一般にジャンプスタート時にバッテリ3段接
続は行わないので、VZ<3VBOで充分である。以上からす
れば、2VBO<VZ<3VBOとするのが適当である。
なお、ここでは、ツェナーダイオードを一例に説明し
たが、整流素子としてアバランシェダイオードを用いた
場合でも、サージ電圧を吸収し得るので、アバランシェ
降伏電圧を車載バッテリの開放電圧の2〜3倍に設定す
れば、上記同様の作用をなし得る。
そして、ツェナー降伏電圧或いはアバランシェ降伏電
圧を上記のように設定することで、ノイズ防止用コンデ
ンサの耐圧を低くでき、この種コンデンサのノイズ防止
機能を保ちつつ、小形化を図り得る。特に、このノイズ
防止用コンデンサを電圧調整器を構成する電子回路共々
に混成厚膜集積回路として構成することが可能になる。
〔実施例〕
本発明の一実施例を図面により説明する。
まず、第2図により本実施例に係る自動車用交流発電
機の電圧調整器の実装回路(混成厚膜集積回路)の組み
込み構造を説明する。
第2図においては、セラミック基板1、パワーIC2、
チップコンデンサ3,4、ダイオード5、溶接パッド6、
厚膜抵抗7a,7b,7c,7d、アルミワイヤ8、アルミパッド
9からなる。チップコンデンサ3が第1図に述べるノイ
ズ防止用コンデンサ22を構成する。
第1図は、第2図の電圧調整器を組み込んだ自動車交
流発電機の回路図である。
第1図において、11は3相交流発電機で、電機子巻線
(ステータコイル)12、界磁巻線(ロータコイル)13、
ツェナーダイオード16よりなる3相全波整流器14及び中
性点整流器15、電圧調整器(ICレギュレータ)17等より
なる。
界磁巻線13は、エンジンにより駆動される回転子に装
着され、回転界磁を形成する。
電機子巻線12は、発電機11のハウジング内部に設けた
固定子に装着される。
18は充電表示燈、19はキースイッチ、20は車載バッテ
リである。
端子Fは界磁巻線端子、端子Bは発電機11の出力端
子、端子Sはバッテリ電圧検出端子、端子Lは充電表示
燈端子、端子Eは車体にアース接続される(−)極端子
である。
電圧調整器17は、端子S及び抵抗24を介してバッテリ
電圧を検出して、発電機出力が設定値以上とならないよ
うに界磁巻線13の電流を制御している。
22はノイズ防止用コンデンサで、電機子巻線12のイン
ダクタンスと直列LC共振回路を構成するように、整流器
14の出力側に接続される。
23は、界磁巻線13と並列に接続されるフライホイール
ダイオードである。
25はラジオ受信機で、発電機11の出力側に端子Bを介
して接続される。26はスピーカ、27はアンテナ、28はラ
ジオスイッチである。
上記装置において、発電機11は、エンジンからの回転
力を与えられ、界磁巻線13が回転磁界を発生し、電機子
巻線12に3相交流電圧が発生する。この交流電圧は、3
相全波整流器14及び中間性整流素子15で直流電圧に変換
され、バッテリ20やラジオ受信機25等の負荷に電力が供
給される。界磁巻線13に流れる界磁電流は、電圧調整器
17により制御され、バッテリ20に供給される電圧(B端
子電圧)が一定値に調整される。
ここで、自動車用発電機から発せられる電波ノイズの
発生メカニズム及びその低減手段について説明する。
ラジオ受信機25に混入する発電機のノイズは、次の2
通りの経路を経て伝達される。
まず、電圧リップルとしてB端子からスイッチ28を介
してラジオ受信機25の電源回路へ混入する経過がある。
このノイズに関しては、ラジオ受信機25の電源回路の電
圧安定性を向上することにより防止できる。
もう1つの経路としては、B端子から各種の車載電気
負荷(図示せず)へ流れる電流が電磁波を発生し、アン
テナ27を介してラジオ受信機に電波として混入する経路
である。
後者は、ラジオ受信機25やアンテナ27では、本来の受
信放送との判別が困難であり、前者と同様の対策では、
耐ノイズ性能を上げることは困難である。このノイズ
は、電機子巻線12が発生する交流電圧を3相全波整流器
14,中性点整流器15が整流する際に転流ノイズが発生す
ることにより生成される。転流ノイズの発生メカニズム
は、次の通りである。
3相交流を整流する際には、各整流素子(ダイオー
ド)に交流電圧が印加され、順方向の波形電圧が印加さ
れた場合に整流機能をなして順方向の電流が流れる。一
方、印加電圧が逆方向になると、そのダイオードに流れ
る電流は遮断され、理想的には逆方向の電流は流れない
が、実際には、半導体接合部(P−Nジャンクション)
に等価的にコンデンサがあり、第4図の(A)又は
(B)に示すように逆電圧が加わっても、しばらく逆方
向の電流が流れる。この時間を逆回復時間τと呼ぶ。
ところで、電機子巻線は、相が切り換わる時に今まで
流れていた電流が遮断される。この時、電機子巻線にV
=−L・dI/dtという逆起電力が発生し、これを転流サ
ージと呼ぶ。
そして、逆回復時間τの間は、この逆起電力をダイオ
ードが阻止できず、出力端子へ転流サージが出力され
る。この転流サージ(転流ノイズ)は、非常に鋭いスパ
イク状の波形なので、広い周波数成分をもち、広い範囲
でラジオノイズを発生する。
元来の転流ノイズは非常に広範囲な周波数成分を持つ
白色ノイズであるが、ノイズ防止用コンデンサ22をB端
子と接地間に配置することにより、電機子巻線12のイン
ダクタンスとの間に直列LC共振回路が形成され、ラジオ
受信周波数より充分に低い周波数に落とす働きがある。
このノイズ防止用コンデンサ22は、車載負荷の遮断時
にサージ電圧が発生すると、これが整流素子16を介して
印加されるので、整流素子16の降伏電圧と関係させて、
その耐圧を設定する必要がある。
そして、従来は、3相全波整流器14及び中性点整流器
15の整流素子16として、耐圧が300V以上の通常のダイオ
ード(単に整流のみを行うダイオードを通常のダイオー
ドと定義する)を使用していたが、本実施例では、約27
Vのツェナー降伏の生じるパワー・ツェナーダイオード
を使用する。
ツェナー降伏電圧を約27Vとしたのは、車載バッテリ
の開放電圧の2〜3倍の間とするためである。なお、ツ
ェナー降伏電圧をバッテリ開放電圧の2〜3倍の間にす
るのは、〔発明の作用〕の項でも述べたように、発電機
内部で発生するサージ,外来サージの吸収に対処し、加
えてバッテリを2段に接続したジャンプスタート時のバ
ッテリ電圧に対しては降伏しない配慮のためである。
従来の整流素子と本実施例における整流素子を使用し
た場合、発電機内部にロードダンプサージ(全負荷遮断
サージ)が発生した時の端子Bの電圧波形を第3図に示
す。
従来の整流素子では、ロードダンプサージが発生する
と、第3図(a)に示す如く100Vを超える電圧が印加さ
れ、この電圧がノイズ防止コンデンサ22にも印加され
る。一方、本実施例の整流素子(ツェナーダイオード)
では、ツェナー降伏電圧を27Vとしてあり、第3図
(b)に示すようにロードダンプサージを約30Vに保て
る。
以上からすれば、従来のノイズ防止用コンデンサの耐
圧が250V程度であるのに対し、本実施例では、ノイズ防
止用コンデンサ22の耐圧を約50V程度に下げることがで
きる。従って、本実施例においては、従来に比べてノイ
ズ防止用コンデンサの小形実装化を可能にする。
具体的には、従来のノイズ防止用コンデンサは、耐圧
250Vのメタライズド・フィルムコンデンサを使用すれ
ば、特開昭62−163547号公報に記載されているように外
観寸法が10×15.5×14mm3であるのに対し、本実施例で
は、ノイズ防止用コンデンサの耐圧を50Vに下げること
により、4.5×3.2×1.6mm3のチップコンデンサを使用で
き、体積比で1/10程度に小形化できる。
そして、従来のノイズ防止用コンデンサは比較的に大
形のために、発電機にそのまま内蔵し、また容積が大き
いためその実装に苦労していたが、本実施例では、ノイ
ズ防止用コンデンサを電圧調整器のセラミック基板上へ
の実装が容易に可能となる。
従って、本実施例によれば、発電機の小形化に大きく
寄与することができ、さらにコンデンサの実装に係る工
数も、セラミック基板1の上に搭載される他の部品(例
えばコンデンサ4、アルミパッド9等)と同じにリフロ
ーはんだ付けを行うことができ、実装技術の簡便化を図
り得る。
また本実施例では、整流素子16の逆回復時間を1.5マ
イクロ秒以下のものを用いる。
自動車用交流発電機11に使用される整流素子16の正弦
波整流波形と逆回復時間とについて第4図に基づき説明
する。
第4図の(a),(b)は、正弦波電圧を整流素子に
印加した時の電流波形であり、通常は、整流素子に正規
の整流電流が一定時間(例えば10マイクロ秒)流れた
後、(A),(B)の如く逆方向に一定時間電流が流
れ、この時間を逆回復時間τと称する(逆方向に電流が
流れるメカニズムは発明の〔作用〕の項で述べたので参
照されたい)。逆回復時間τは、素子の使用,製造方法
により異なるが、逆回復時間τとラジオノイズには以下
のような相関がある。これを第4図から第7図により説
明する。
第4図(a)は、逆回復時間3マイクロ秒の通常のダ
イオードの整流波形特性を示し、第4図(b)は、逆回
復時間1マイクロ秒のツェナーダイオードの整流波形特
性を示す。
ここで、第4図(a),(b)のように逆回復時間が
異なる理由について説明する。
ダイオードの特性として、逆回復時間は半導体の比抵
抗(ρ)が大きいほど長いとされ、比抵抗(ρ)は半導
体の不純物濃度が高いほど大きい。この比抵抗(ρ)
は、半導体拡散プロセスで調整できる。また、降伏電圧
は、比抵抗(ρ)が大きい方が高い。
自動車用のダイオードでは、通常のダイオードのタイ
プ(耐圧500Vの場合)では、 ρ=10Ω・cm、ツェナータイプ(耐圧30Vの場合) では、ρ=0.05Ω・cm程度とされる。
そして、第4図(a),(b)の特性を有する各ダイ
オードを整流素子として用い、0.5μFのノイズ防止用
コンデンサ22を使用した時のB端子出力電圧波形を第5
図(a),(b)に示す。
すなわち、逆回復時間τの期間は電機子巻線に生じる
逆起電力をダイオードが阻止できずに、出力端子Bに転
流サージが出力される。この転流サージは、非常に鋭い
スパイク状の波形で広い周波数成分を持ち、広い範囲で
ラジオノイズを発生するので、出力端子Bにコンデンサ
22を入れノイズ低減を図る。第4図(a)の特性を有す
るダイオードは、逆回復時間τが長いので、電機子巻線
からコンデンサ22へ放出される転流サージのエネルギー
が大きく、その結果、第5図(a)に示すように転流サ
ージのノイズレベルは大きくなる。これに対し、第4図
(b)の特性を有するダイオードは、逆回復時間τが短
いので、電機子巻線からコンデンサ22へ放出される転流
サージのエネルギーが比較的小さく、その結果、第5図
(b)に示すように転流サージのノイズレベルは小さく
なる。
第6図(a),(b)は、第5図(a),(b)のB
端子電圧波形を周波数分析し、それと整流リップルとの
振幅比率を示す図である。第6図(a),(b)におけ
る矢印(イ),(ロ)で示す点がLC共振周波数であり、
100KHz付近の値を持つ。整流リップルと比較して、共振
周波数での振幅は、(ロ)の方が(イ)と較べて非常に
小さくなる。これからも、転流サージエネルギーのノイ
ズレベルは、逆回復時間の短いダイオードの方が低いこ
とが理解できる。
第7図に逆回復時間と、リップル周波数に対する共振
周波数の振幅比率との関係をプロットした実験結果を示
す。第7図では、一般に逆回復時間が長いほどノイズレ
ベルが大きくなることが読み取れる。
そして、電圧ノイズレベルと実際に放射される電波ノ
イズの関係は配線の状態等により異なるが、実車を使用
したノイズ評価試験からは、−10dBが許容値となる。そ
こで逆回復時間の値としては、第7図の結果よりも1.5
マイクロ秒以下とすることが望ましい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、自動車用の交流発電機のノイズ防止
用コンデンサを小形化して、電圧調整器の回路共々に混
成集積回路を構成することができ、この種コンデンサの
実装性を高め、しかも寒冷地運転のジャンプスタートも
配慮した自動車用交流発電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る自動車用交流発電機
の電気回路を示す説明図、第2図は、上記実施例に用い
る電圧調整器の具体例を示す斜視図、第3図は、自動車
用交流発電機に用いる従来の整流素子の出力端子に生じ
るサージ波形と本発明で用いる整流素子の出力端子に生
じるサージ吸収波形の比較説明図、第4図は、自動車用
交流発電機に用いる従来の整流素子と上記実施例におけ
る整流素子の逆回復時間τの比較説明図、第5図は、第
4図の逆回復時間τの相異からくる転流サージ波形の比
較説明図、第6図は、第5図の転流サージ波形を周波数
分析した特性線図、第7図は、共振周波数のリップル周
波数に対する振幅比率を示す特性線図、第8図及び第9
図は、本発明に用いる整流素子のツェナー降伏電圧或い
はアバランシェ降伏電圧を車載バッテリの2〜3倍にす
る理由の説明図、第10図は、本発明の整流素子の外来サ
ージの吸収を示す説明図である。 11……自動車用交流発電機、12……電機子巻線、13……
界磁巻線、14……整流器、15……中性点整流器、16……
ツェナーダイオード(整流素子)、17……電圧調整器、
20……車載バッテリ、22……ノイズ防止用コンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−8872(JP,A) 実開 平1−113587(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02J 7/14 - 7/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電機子巻線から出力される交流出力を全波
    整流して直流に変換する整流器と、界磁電流を制御して
    前記整流器の出力電圧を調整する電圧調整器とを備え、
    前記整流器の出力側にノイズ防止用コンデンサを接続し
    てなる自動車用交流発電機において、 前記整流器は、降伏電圧が車載バッテリの開放電圧の2
    倍から3倍の間の特性を有するツェナーダイオード及び
    アバランシェダイオードのいずれかにより構成されてい
    ることを特徴とする自動車用交流発電機。
  2. 【請求項2】前記電圧調整器は、混成厚膜集積回路より
    構成され、前記ノイズ防止用コンデンサは、前記混成厚
    膜集積回路上に搭載してなる請求項1記載の自動車用交
    流発電機。」
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