JP2931999B2 - プラスチック製容器蓋 - Google Patents
プラスチック製容器蓋Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、プラスチック製容器蓋、更に詳しくは天面
壁の内面に発泡プラスチック製シール部材が配設されて
いる形態のプラスチック容器蓋に関する。
壁の内面に発泡プラスチック製シール部材が配設されて
いる形態のプラスチック容器蓋に関する。
〔従来技術〕 日本酒、ウイスキー等のアルコール飲料等を収容した
ガラス製容器（瓶）のために特に適する容器蓋として、
天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒状スカー
ト壁を有する本体と、この本体の天面壁の内面に配設さ
れたシール部材とを具備する容器蓋が広く使用されてい
る。本体は通常の非発泡プラスチックから形成されてお
り、一方、容器の口頚部の頂面に押圧されるシール部材
は発泡プラスチックから形成されている。本体のスカー
ト壁の内面には、容器の口頚部の外面に形成されている
雄ねじ山に螺合せしめられる雌ねじ山が形成されてい
る。
ガラス製容器（瓶）のために特に適する容器蓋として、
天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒状スカー
ト壁を有する本体と、この本体の天面壁の内面に配設さ
れたシール部材とを具備する容器蓋が広く使用されてい
る。本体は通常の非発泡プラスチックから形成されてお
り、一方、容器の口頚部の頂面に押圧されるシール部材
は発泡プラスチックから形成されている。本体のスカー
ト壁の内面には、容器の口頚部の外面に形成されている
雄ねじ山に螺合せしめられる雌ねじ山が形成されてい
る。
而して、上述した通りの従来の容器蓋について種々の
実験及び分析を加えたところ、従来の容器蓋には次の通
りの問題が存在することが判明した。
実験及び分析を加えたところ、従来の容器蓋には次の通
りの問題が存在することが判明した。
内容物充填工場においては、容器にアルコール飲料等
に内容物を充填した後に、容器の口頚部に容器蓋を被嵌
し、例えば外径が30mmの容器蓋の場合には22kg・cm程度
の締め付けトルクで、口頚部に蓋を装着する（口頚部の
雄ねじ山にスカート壁の雌ねじ山を螺合せしめる）。か
くして、容器蓋のシール部材が口頚部の頂面に押圧され
口頚部が密封される。内容物が充填され容器蓋が装着さ
れた容器は、輸送のためにケースに収容され、そしてパ
レットを介在せしめて上下方向に積み重ねられる。この
場合、最下方の容器の容器蓋上面には、一本当たり50乃
至80kg程度の所謂積載荷重が加えられることが少なくな
い。容器蓋を装着する際の初期締め付けトルクに加えて
上記積載荷重が付加されると、発泡プラスチック製シー
ル部材に相当大きな応力が生成され、シール部材が過剰
に圧縮変形される。そして、上述した上下方向の積み重
ねが解除された時に、比較的短期間ではあるが、口頚部
の頂面に対するシール部材の押圧力が過剰に低下し、こ
れに起因して口頚部の密封が毀損されてしまう。口頚部
の頂面に対するシール部材の押圧力が過剰に低下した時
に、例えば容器が横にせしめられると、内容物の漏出が
発生することもある。（従来の容器蓋におけるかかる問
題については後に更に言及する。） 〔発明の課題〕 本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その
主たる技術的解決課題は、容器蓋の上面に上記積載荷重
が加えられた場合にも、口頚部に対するシール部材の押
圧力が過剰に低下することを確実に防止し、かくして積
載荷重に起因して口頚部の密封が毀損されることを確実
に回避することである。
に内容物を充填した後に、容器の口頚部に容器蓋を被嵌
し、例えば外径が30mmの容器蓋の場合には22kg・cm程度
の締め付けトルクで、口頚部に蓋を装着する（口頚部の
雄ねじ山にスカート壁の雌ねじ山を螺合せしめる）。か
くして、容器蓋のシール部材が口頚部の頂面に押圧され
口頚部が密封される。内容物が充填され容器蓋が装着さ
れた容器は、輸送のためにケースに収容され、そしてパ
レットを介在せしめて上下方向に積み重ねられる。この
場合、最下方の容器の容器蓋上面には、一本当たり50乃
至80kg程度の所謂積載荷重が加えられることが少なくな
い。容器蓋を装着する際の初期締め付けトルクに加えて
上記積載荷重が付加されると、発泡プラスチック製シー
ル部材に相当大きな応力が生成され、シール部材が過剰
に圧縮変形される。そして、上述した上下方向の積み重
ねが解除された時に、比較的短期間ではあるが、口頚部
の頂面に対するシール部材の押圧力が過剰に低下し、こ
れに起因して口頚部の密封が毀損されてしまう。口頚部
の頂面に対するシール部材の押圧力が過剰に低下した時
に、例えば容器が横にせしめられると、内容物の漏出が
発生することもある。（従来の容器蓋におけるかかる問
題については後に更に言及する。） 〔発明の課題〕 本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その
主たる技術的解決課題は、容器蓋の上面に上記積載荷重
が加えられた場合にも、口頚部に対するシール部材の押
圧力が過剰に低下することを確実に防止し、かくして積
載荷重に起因して口頚部の密封が毀損されることを確実
に回避することである。
上記技術的解決課題を達成するための本発明の解決手
段は、スカート壁の一部を弾性率が1000乃至3000kg/cm2
である非発泡プラスチックから形成することである。
尚、本明細書にて使用する語句「弾性率」はJIS:K7203
に規定されている曲げ試験方法によって測定される弾性
率を意味する。
段は、スカート壁の一部を弾性率が1000乃至3000kg/cm2
である非発泡プラスチックから形成することである。
尚、本明細書にて使用する語句「弾性率」はJIS:K7203
に規定されている曲げ試験方法によって測定される弾性
率を意味する。
即ち、本発明によれば、天面壁及び該天面壁の周縁か
ら垂下する円筒状スカート壁を有する非発泡プラスチッ
ク製本体と、該天面壁の内面に配設された発泡合成樹脂
製シール部材とを具備し、該スカート壁の内周面には雌
ねじ山が形成されているプラスチック製容器蓋におい
て、該スカート壁は弾性率が1000乃至3000kg/cm2である
プラスチックから形成された高弾性部を含み、該スカー
ト壁の残部及び該天面壁は弾性率が5000kg/cm2以上であ
る通常のプラスチックから形成されている、ことを特徴
とする容器蓋が提供される。
ら垂下する円筒状スカート壁を有する非発泡プラスチッ
ク製本体と、該天面壁の内面に配設された発泡合成樹脂
製シール部材とを具備し、該スカート壁の内周面には雌
ねじ山が形成されているプラスチック製容器蓋におい
て、該スカート壁は弾性率が1000乃至3000kg/cm2である
プラスチックから形成された高弾性部を含み、該スカー
ト壁の残部及び該天面壁は弾性率が5000kg/cm2以上であ
る通常のプラスチックから形成されている、ことを特徴
とする容器蓋が提供される。
スカート壁の高弾性部は、スカート壁の外周面部を又
は厚さ方向中間部を連続的に延び、或いは周方向に間隔
をおいた領域に存在することができる。高弾性率を有す
るプラスチックの好適例としては、エチレン−ポロピレ
ン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体とポリオレ
フィンとの混合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−
スチレン共重合体とポリオレフィンとの混合体、エチレ
ンの含有率が高い高弾性ポリプロピレン、高弾性ポリエ
ステル、高弾性ポリエステルとポリオレフィンとの混合
体、及び塩化ビニルを挙げることができる。
は厚さ方向中間部を連続的に延び、或いは周方向に間隔
をおいた領域に存在することができる。高弾性率を有す
るプラスチックの好適例としては、エチレン−ポロピレ
ン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体とポリオレ
フィンとの混合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−
スチレン共重合体とポリオレフィンとの混合体、エチレ
ンの含有率が高い高弾性ポリプロピレン、高弾性ポリエ
ステル、高弾性ポリエステルとポリオレフィンとの混合
体、及び塩化ビニルを挙げることができる。
容器の口頚部に容器蓋を所要初期締め付けトルクを加
えて装着すると、従来の容器蓋の場合と同様に、口頚部
の雌ねじ山とスカート壁の雄ねじ山との相互作用によっ
てスカート壁は半径方向外方に向いた力を受けて下方に
向かって半径方向外方に幾分傾斜せしめられる。そし
て、初期締め付けトルクに加えて上記積載荷重が加えら
れると、容器蓋は幾分下方に移動せしめられる。かくす
ると、従来の容器蓋の場合にはスカート壁の雌ねじ山が
口頚部の雄ねじ山から下方に離隔されるが、本発明の容
器蓋の場合、スカート壁の高弾性部の弾性復元作用によ
りスカート壁は半径方向内側に変位せしめられ、これに
よって容器蓋が下方へ移動せしめられたにもかかわらず
スカート壁の雌ねじ山が口頚部の雄ねじ山と係合され続
ける。上記積載荷重が開放されても、スカート壁の雌ね
じ山と口頚部の雄ねじ山との係合に起因して容器蓋が瞬
時に上方へ移動することが阻止され、従って過剰に圧縮
された発泡プラスチック製シール部材が迅速に復元され
なくても、口頚部の頂面に対するシール部材の押圧力が
所要値以上に維持され続ける。（従来の容器蓋の場合に
は、積載荷重が開放されると、スカート壁の雌ねじ山と
口頚部の雄ねじ山との間の間隙に起因して容器蓋が瞬時
に上方へ移動せしめられ、一方、過剰圧縮されていた発
泡プラスチックの復元には相当の時間を要し、それ故に
口頚部の頂面に対するシール部材の押圧力が過剰に低下
する虞がある）。上記解決課題を達成するためにはスカ
ート壁（及び天面壁）の全体を高弾性プラスチックで形
成することも意図され得るが、かくすると容器蓋の剛性
が過剰に低下し、そしてまたスカート壁の雌ねじ表面の
摩擦係数が過剰に大きくなり容器蓋の開閉操作が著しく
困難になる。
えて装着すると、従来の容器蓋の場合と同様に、口頚部
の雌ねじ山とスカート壁の雄ねじ山との相互作用によっ
てスカート壁は半径方向外方に向いた力を受けて下方に
向かって半径方向外方に幾分傾斜せしめられる。そし
て、初期締め付けトルクに加えて上記積載荷重が加えら
れると、容器蓋は幾分下方に移動せしめられる。かくす
ると、従来の容器蓋の場合にはスカート壁の雌ねじ山が
口頚部の雄ねじ山から下方に離隔されるが、本発明の容
器蓋の場合、スカート壁の高弾性部の弾性復元作用によ
りスカート壁は半径方向内側に変位せしめられ、これに
よって容器蓋が下方へ移動せしめられたにもかかわらず
スカート壁の雌ねじ山が口頚部の雄ねじ山と係合され続
ける。上記積載荷重が開放されても、スカート壁の雌ね
じ山と口頚部の雄ねじ山との係合に起因して容器蓋が瞬
時に上方へ移動することが阻止され、従って過剰に圧縮
された発泡プラスチック製シール部材が迅速に復元され
なくても、口頚部の頂面に対するシール部材の押圧力が
所要値以上に維持され続ける。（従来の容器蓋の場合に
は、積載荷重が開放されると、スカート壁の雌ねじ山と
口頚部の雄ねじ山との間の間隙に起因して容器蓋が瞬時
に上方へ移動せしめられ、一方、過剰圧縮されていた発
泡プラスチックの復元には相当の時間を要し、それ故に
口頚部の頂面に対するシール部材の押圧力が過剰に低下
する虞がある）。上記解決課題を達成するためにはスカ
ート壁（及び天面壁）の全体を高弾性プラスチックで形
成することも意図され得るが、かくすると容器蓋の剛性
が過剰に低下し、そしてまたスカート壁の雌ねじ表面の
摩擦係数が過剰に大きくなり容器蓋の開閉操作が著しく
困難になる。
スカート壁の高弾性部を構成するプラスチックの弾性
率が過剰に大きいと所期の復元作用が得られず、逆に弾
性率が過剰に小さいとスカート壁全体の剛性が過剰に小
さくなってしまう。
率が過剰に大きいと所期の復元作用が得られず、逆に弾
性率が過剰に小さいとスカート壁全体の剛性が過剰に小
さくなってしまう。
以下、添付図面を参照して本発明の容器蓋の好適具体
例について更に詳細に説明する。
例について更に詳細に説明する。
第１図を参照して説明すると、本発明に従って構成さ
れた図示の容器蓋２は、本体４とシール部材６とから構
成されている。本体４は円形天面壁８とこの天面壁８の
周縁から垂下する円筒状スカート壁10とを有する。スカ
ート壁10の外面には滑り防止要凹凸乃至ローレット12が
形成されている。スカート壁10の内面には雌ねじ山14が
形成されている。更に、スカート壁10の内面上部には環
状係止突条16が形成されている。円板形状であるシート
部材６は、本体４とは別個に成形され、天面壁８の内面
に配設される。シール部材６の周縁部は弾性的に変形さ
れて環状係止突条16を通過せしめられ、かかる環状係止
突条16によって所要位置に維持される。
れた図示の容器蓋２は、本体４とシール部材６とから構
成されている。本体４は円形天面壁８とこの天面壁８の
周縁から垂下する円筒状スカート壁10とを有する。スカ
ート壁10の外面には滑り防止要凹凸乃至ローレット12が
形成されている。スカート壁10の内面には雌ねじ山14が
形成されている。更に、スカート壁10の内面上部には環
状係止突条16が形成されている。円板形状であるシート
部材６は、本体４とは別個に成形され、天面壁８の内面
に配設される。シール部材６の周縁部は弾性的に変形さ
れて環状係止突条16を通過せしめられ、かかる環状係止
突条16によって所要位置に維持される。
天面壁８及びスカート壁10を有する本体４は、後に言
及する如くそのスカート壁10の一部を除いて、弾性率が
5000kg/cm2以上である通常の非発泡プラスチック、例え
ばポリプロピレン或いはポリエチレンから形成されてい
る。一方、シール部材６は発泡ポリエチレンの如き適宜
の発泡プラスチックから形成されている。所望ならば、
円板状のシール部材６に代えて環状のシール部材を使用
することもできる。また、シール部材６を本体４とは別
個に成形することに代えて、未発泡プラスチック素材を
本体４の天面壁８の内面に施し、かかるプラスチック素
材を天面壁８の内面で発泡せしめることもできる。
及する如くそのスカート壁10の一部を除いて、弾性率が
5000kg/cm2以上である通常の非発泡プラスチック、例え
ばポリプロピレン或いはポリエチレンから形成されてい
る。一方、シール部材６は発泡ポリエチレンの如き適宜
の発泡プラスチックから形成されている。所望ならば、
円板状のシール部材６に代えて環状のシール部材を使用
することもできる。また、シール部材６を本体４とは別
個に成形することに代えて、未発泡プラスチック素材を
本体４の天面壁８の内面に施し、かかるプラスチック素
材を天面壁８の内面で発泡せしめることもできる。
而して、本発明に従って構成された容器蓋２において
は、スカート壁10が弾性率が1000乃至3000kg/cm2である
プラスチックから形成された高弾性部18を含んでいるこ
とが重要である。第１図に図示する具体例においては、
スカート壁10における高弾性部18は、スカート壁10の外
周面部を、その上端部を除いて周方向に連続して延在し
ている。高弾性プラスチックは通常摩擦係数が高い故
に、容器の口頚部に形成されている雄ねじ山と協働する
雌ねじ山14には高弾性部が存在しないのが好都合であ
る。高弾性部18を形成するプラスチックの好適例として
は、エチレン−ポロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体とポリオレフィンとの混合体、スチレン−
エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体とポリオレフ
ィンとの混合体、エチレンの含有率が高い高弾性ポリプ
ロピレン、高弾性ポリエステル、高弾性ポリエステルと
ポリオレフィンとの混合体、及び塩化ビニルを挙げるこ
とができる。スカート壁10の一部が他の部分と相違する
材料から形成されている本体４は、高弾性部18を別個に
成形して本体４の所要部位に（加熱融着或いは接着剤に
よる接合等によって）接合して形成、或いは２色射出成
形法として周知の射出成形法によって形成することがで
きる。
は、スカート壁10が弾性率が1000乃至3000kg/cm2である
プラスチックから形成された高弾性部18を含んでいるこ
とが重要である。第１図に図示する具体例においては、
スカート壁10における高弾性部18は、スカート壁10の外
周面部を、その上端部を除いて周方向に連続して延在し
ている。高弾性プラスチックは通常摩擦係数が高い故
に、容器の口頚部に形成されている雄ねじ山と協働する
雌ねじ山14には高弾性部が存在しないのが好都合であ
る。高弾性部18を形成するプラスチックの好適例として
は、エチレン−ポロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体とポリオレフィンとの混合体、スチレン−
エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体とポリオレフ
ィンとの混合体、エチレンの含有率が高い高弾性ポリプ
ロピレン、高弾性ポリエステル、高弾性ポリエステルと
ポリオレフィンとの混合体、及び塩化ビニルを挙げるこ
とができる。スカート壁10の一部が他の部分と相違する
材料から形成されている本体４は、高弾性部18を別個に
成形して本体４の所要部位に（加熱融着或いは接着剤に
よる接合等によって）接合して形成、或いは２色射出成
形法として周知の射出成形法によって形成することがで
きる。
第１図と共に第２図を参照して説明すると、本発明に
従って構成された容器蓋２は、ガラス或いはポリエチレ
ンテレフタレートの如き適宜の非発泡プラスチックから
形成することができる容器20に適用される。容器20は略
円筒形である口頚部22を有し、この口頚部22の外面には
雄ねじ山24が形成されている。容器内にはアルコール飲
料等の所要内容物が充填され、しかる後に容器蓋２が装
着される。かかる容器蓋２の装着は、口頚部22に容器蓋
２を被嵌し、そして所要締め付けトルク（例えば容器蓋
２の外径が30mmの場合には略22kg・cm程度の締め付けト
ルク）で容器蓋２を第２図において上方から見て時計方
向に回転せしめ、容器蓋２のスカート壁10の内面に形成
されている雌ねじ山14を口頚部22の雄ねじ山24に螺合せ
しめる。かくすると、容器蓋２が下方に移動せしめられ
る故に、第２図に明確に図示する如く、シール部材６が
口頚部22の頂面に押圧せしめられて本体４の天面壁８と
口頚部22の頂面との間で圧縮せしめられ、口頚部22が充
分に密封される。また、雌ねじ山14には雄ねじ山24から
半径方向外方を向いた力も加えられ、かかる力によって
スカート壁10は第２図に２点鎖線で示す状態から第２図
に実線で示す状態に変位、即ち下方に向かって半径方向
下方に幾分傾斜した状態に変位せしめられる。締め付け
トルクを開放すると、圧縮されているシール部材６から
本体４の天面壁８に上向きの力が加えられて本体４が幾
分上昇せしめられ、、それ故に、スカート壁10の雌ねじ
山14の下側面が口頚部22の上側面から離隔して、スカー
ト壁10の雌ねじ山14の上面側が口頚部22の雄ねじ山24の
下側面に接触せしめられるようになる。
従って構成された容器蓋２は、ガラス或いはポリエチレ
ンテレフタレートの如き適宜の非発泡プラスチックから
形成することができる容器20に適用される。容器20は略
円筒形である口頚部22を有し、この口頚部22の外面には
雄ねじ山24が形成されている。容器内にはアルコール飲
料等の所要内容物が充填され、しかる後に容器蓋２が装
着される。かかる容器蓋２の装着は、口頚部22に容器蓋
２を被嵌し、そして所要締め付けトルク（例えば容器蓋
２の外径が30mmの場合には略22kg・cm程度の締め付けト
ルク）で容器蓋２を第２図において上方から見て時計方
向に回転せしめ、容器蓋２のスカート壁10の内面に形成
されている雌ねじ山14を口頚部22の雄ねじ山24に螺合せ
しめる。かくすると、容器蓋２が下方に移動せしめられ
る故に、第２図に明確に図示する如く、シール部材６が
口頚部22の頂面に押圧せしめられて本体４の天面壁８と
口頚部22の頂面との間で圧縮せしめられ、口頚部22が充
分に密封される。また、雌ねじ山14には雄ねじ山24から
半径方向外方を向いた力も加えられ、かかる力によって
スカート壁10は第２図に２点鎖線で示す状態から第２図
に実線で示す状態に変位、即ち下方に向かって半径方向
下方に幾分傾斜した状態に変位せしめられる。締め付け
トルクを開放すると、圧縮されているシール部材６から
本体４の天面壁８に上向きの力が加えられて本体４が幾
分上昇せしめられ、、それ故に、スカート壁10の雌ねじ
山14の下側面が口頚部22の上側面から離隔して、スカー
ト壁10の雌ねじ山14の上面側が口頚部22の雄ねじ山24の
下側面に接触せしめられるようになる。
上述した通りにして容器蓋２が口頚部22に装着された
後においては、通常、容器蓋２が装着された容器２がケ
ースに収容され、そしてパレットを介して間に介在せし
めて上下方向に数段積み重ねられる。そして更に、運送
のためにトラック等に荷積される。この場合、最下方の
容器20の容器蓋２の上面には、一本当たり50乃至80kg程
度の積載荷重が加わる。かかる積載荷重がくわえられる
と、第３図に図示する如く、シール部材６が更に圧縮さ
れ、本体４は更に幾分下方に移動せしめられる。かくし
て、第３図に２点鎖線で示す如く、スカート壁10の雌ね
じ山14の上側面が口頚部22の雄ねじ山24の下側面から下
方に離隔する。従来の容器蓋においては、スカート壁は
第３図に２点鎖線で示す状態（或いはこれよりも若干だ
け下方に向かって半径方向内側に戻された状態）に維持
され、スカート壁10の雌ねじ山14の上側面と口頚部22の
雄ねじ山24の下側面との間には幾分かの間隙が存在す
る。しかしながら、本発明に従って構成された容器蓋２
においては、スカート壁10に配設されている高弾性部18
の復元作用によって、スカート壁10が下方に向かって半
径方向内側に相当な復元力によって積極的に傾斜せしめ
られ、かくして、第３図に実線で示す如く、容器蓋２自
体は幾分下方に移動せしめられたままであるが、スカー
ト壁10の雌ねじ山14の上側面が口頚部22の雄ねじ山24の
下側面に当接せしめられる。
後においては、通常、容器蓋２が装着された容器２がケ
ースに収容され、そしてパレットを介して間に介在せし
めて上下方向に数段積み重ねられる。そして更に、運送
のためにトラック等に荷積される。この場合、最下方の
容器20の容器蓋２の上面には、一本当たり50乃至80kg程
度の積載荷重が加わる。かかる積載荷重がくわえられる
と、第３図に図示する如く、シール部材６が更に圧縮さ
れ、本体４は更に幾分下方に移動せしめられる。かくし
て、第３図に２点鎖線で示す如く、スカート壁10の雌ね
じ山14の上側面が口頚部22の雄ねじ山24の下側面から下
方に離隔する。従来の容器蓋においては、スカート壁は
第３図に２点鎖線で示す状態（或いはこれよりも若干だ
け下方に向かって半径方向内側に戻された状態）に維持
され、スカート壁10の雌ねじ山14の上側面と口頚部22の
雄ねじ山24の下側面との間には幾分かの間隙が存在す
る。しかしながら、本発明に従って構成された容器蓋２
においては、スカート壁10に配設されている高弾性部18
の復元作用によって、スカート壁10が下方に向かって半
径方向内側に相当な復元力によって積極的に傾斜せしめ
られ、かくして、第３図に実線で示す如く、容器蓋２自
体は幾分下方に移動せしめられたままであるが、スカー
ト壁10の雌ねじ山14の上側面が口頚部22の雄ねじ山24の
下側面に当接せしめられる。
積み重ね状態が解除され、容器蓋２の上面に加えられ
ていた積載荷重が解除されると、圧縮されていたシール
部材６から本体４の天面壁８に加えられる上向きの力に
よって、本体４が上昇せしめられんとする。しかしなが
ら、本発明に従って構成された容器蓋２においては、上
述した通りスカート壁10の雌ねじ山14の上側面が口頚部
22の雄ねじ山24の下側面に当接せしめられている故に、
本体４が上昇することが阻止され、口頚部22の頂面に対
するシール部材６の押圧力の低下が防止される。これに
対して、従来の容器蓋においては、積載荷重が解除され
ると瞬時に本体４が幾分上昇せしめられ、一方それまで
圧縮せしめらていた発泡プラスチック製シール部材６は
復元力が小さく瞬時には充分に膨張せしめられず、それ
故に、口頚部の頂面に対するシール部材の押圧力が一時
的に著しく低下せしめられる。
ていた積載荷重が解除されると、圧縮されていたシール
部材６から本体４の天面壁８に加えられる上向きの力に
よって、本体４が上昇せしめられんとする。しかしなが
ら、本発明に従って構成された容器蓋２においては、上
述した通りスカート壁10の雌ねじ山14の上側面が口頚部
22の雄ねじ山24の下側面に当接せしめられている故に、
本体４が上昇することが阻止され、口頚部22の頂面に対
するシール部材６の押圧力の低下が防止される。これに
対して、従来の容器蓋においては、積載荷重が解除され
ると瞬時に本体４が幾分上昇せしめられ、一方それまで
圧縮せしめらていた発泡プラスチック製シール部材６は
復元力が小さく瞬時には充分に膨張せしめられず、それ
故に、口頚部の頂面に対するシール部材の押圧力が一時
的に著しく低下せしめられる。
第４図並びに第５図及び第６図は、本発明に従って構
成された容器蓋の変形例を図示している。第４図に図示
する変形例においては、本体４のスカート壁10における
高弾性部18は、スカート壁10の外周面部ではなくてその
厚さ方向中間部を周方向に連続して延在している。第５
図及び第６図に図示する変形例においては、高弾性部18
は周方向に連続して延在することなく周方向に間隔をお
いた複数個の部位に存在している。かかる高弾性部18は
厚さ方向においてスカート壁10の本体部の内面から外面
まで延びているが、雌ねじ山14には存在していない。図
示の変形例においては、スカート壁10の内面に形成され
ている雌ねじ山14は、高弾性部18が存在する部位にて中
断されている。高弾性部18の横断面形状は、第６図に図
示する如く、単純な矩形ではなく他の部分からの離脱が
充分に阻止されるように、凹凸が存在する比較的複雑な
ものにせしめられている。
成された容器蓋の変形例を図示している。第４図に図示
する変形例においては、本体４のスカート壁10における
高弾性部18は、スカート壁10の外周面部ではなくてその
厚さ方向中間部を周方向に連続して延在している。第５
図及び第６図に図示する変形例においては、高弾性部18
は周方向に連続して延在することなく周方向に間隔をお
いた複数個の部位に存在している。かかる高弾性部18は
厚さ方向においてスカート壁10の本体部の内面から外面
まで延びているが、雌ねじ山14には存在していない。図
示の変形例においては、スカート壁10の内面に形成され
ている雌ねじ山14は、高弾性部18が存在する部位にて中
断されている。高弾性部18の横断面形状は、第６図に図
示する如く、単純な矩形ではなく他の部分からの離脱が
充分に阻止されるように、凹凸が存在する比較的複雑な
ものにせしめられている。
本発明の容器蓋によれば、容器蓋の上面に相当大きな
積載荷重が加えられた場合でも、容器の口頚部の頂面に
対するシール部材の押圧力が過剰に低下することが確実
に防止され、かくして口頚部の密封が毀損されることな
く維持される。
積載荷重が加えられた場合でも、容器の口頚部の頂面に
対するシール部材の押圧力が過剰に低下することが確実
に防止され、かくして口頚部の密封が毀損されることな
く維持される。
第１図は、本発明に従って構成された容器蓋の好適具体
例を、一部を断面で示す側面図。 第２図は、容器の口頚部に第１図の容器蓋を装着する際
の容器蓋の挙動を説明するための部分断面図。 第３図は、容器蓋の上面に積載荷重が加えれ、次いでか
かる積載荷重が除去された際の容器蓋の挙動を説明する
ための部分断面図。 第４図は、本発明に従って構成された容器蓋の変形例
を、一部を断面で示す側面図。 第５図は、本発明に従って構成された更に他の変形例
を、一部を断面で示す側面図。 第６図は、第５図の線Ｖ−Ｖに沿った部分断面図。 ２……容器蓋 ４……容器蓋本体 ６……シール部材 ８……天面壁 10……スカート壁 14……雌ねじ山 18……高弾性部 20……容器 22……容器の口頚部 24……雄ねじ山
例を、一部を断面で示す側面図。 第２図は、容器の口頚部に第１図の容器蓋を装着する際
の容器蓋の挙動を説明するための部分断面図。 第３図は、容器蓋の上面に積載荷重が加えれ、次いでか
かる積載荷重が除去された際の容器蓋の挙動を説明する
ための部分断面図。 第４図は、本発明に従って構成された容器蓋の変形例
を、一部を断面で示す側面図。 第５図は、本発明に従って構成された更に他の変形例
を、一部を断面で示す側面図。 第６図は、第５図の線Ｖ−Ｖに沿った部分断面図。 ２……容器蓋 ４……容器蓋本体 ６……シール部材 ８……天面壁 10……スカート壁 14……雌ねじ山 18……高弾性部 20……容器 22……容器の口頚部 24……雄ねじ山
Claims (5)
- 【請求項１】天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する円
筒状スカート壁を有する非発泡プラスチック製本体と、
該天面壁の内面に配設された発泡合成樹脂製シール部材
とを具備し、該スカート壁の内周面には雌ねじ山が形成
されているプラスチック製容器蓋において、該スカート
壁は弾性率が1000乃至3000kg/cm2であるプラスチックか
ら形成された高弾性部を含み、該スカート壁の残部及び
該天面壁は弾性率が5000kg/cm2以上である通常のプラス
チックから形成されている、ことを特徴とする容器蓋。 - 【請求項２】該高弾性部は該スカート壁の外周面部を周
方向に連続的に延びる、請求項１記載の容器蓋。 - 【請求項３】該高弾性部は該スカート壁の厚さ方向中間
部を周方向に連続して延びる、請求項１記載の容器蓋。 - 【請求項４】該高弾性部は周方向に間隔をおいた複数個
の領域に存在する、請求項１記載の容器蓋。 - 【請求項５】該高弾性部は、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体とポリオレフィン
との混合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体とポリオレフィンとの混合体、エチレンの含
有率が高い高弾性ポリプロピレン、高弾性ポリエステ
ル、高弾性ポリエステルとポリオレフィンとの混合体、
及び塩化ビニルのうちのいずれかから形成されている、
請求項１から４までのいずれかに記載の容器蓋。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2237023A JP2931999B2 (ja) | 1990-09-10 | 1990-09-10 | プラスチック製容器蓋 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2237023A JP2931999B2 (ja) | 1990-09-10 | 1990-09-10 | プラスチック製容器蓋 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04128141A JPH04128141A (ja) | 1992-04-28 |
| JP2931999B2 true JP2931999B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=17009249
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2237023A Expired - Fee Related JP2931999B2 (ja) | 1990-09-10 | 1990-09-10 | プラスチック製容器蓋 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2931999B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006168787A (ja) * | 2004-12-15 | 2006-06-29 | Yuniiku Kk | 蓋用パッキング素材およびパッキング材を装着した蓋 |
| JP2023083712A (ja) * | 2021-12-06 | 2023-06-16 | 株式会社大倉製作所 | 容器の結合構造、容器及び容器の製造方法 |
-
1990
- 1990-09-10 JP JP2237023A patent/JP2931999B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04128141A (ja) | 1992-04-28 |
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Legal Events
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