JP2931119B2 - エネルギ−吸収部材 - Google Patents

エネルギ−吸収部材

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【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はエネルギー吸収部材に係り、例え
ば自動車に装備されるバンパの衝撃吸収部材として好適
な筒状繊維構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車には衝突時における車体及び搭乗
者の保護のため、一般に車体の前後に衝突時の衝撃エネ
ルギーを吸収するバンパが取り付けられている。バンパ
は自動車が障害物と衝突した際に加わる大きな負荷に対
して非可逆的にエネルギーを吸収する必要がある。そし
て、吸収エネルギーを大きくするため、従来からバンパ
本体を支持する支持部材の材質や構造の改良が種々なさ
れている。
【0003】例えば、1988年2月18日公開のドイ
ツ特許(3626150)には、図9に示すように楕円
環状の減衰成形体21を介してバンパ22を車体のステ
イ23に取り付けたものが開示されている。減衰成形体
21は周方向に繊維が配列されたFRP(繊維強化プラ
スチック)により形成され、楕円形の長手側面がバンパ
22及びステイ23にそれぞれ接触するように取り付け
られている。
【0004】又、特開昭57−124142号公報には
バンパに使用するエネルギー吸収用構造材として、図1
1に示すように繊維複合材料(例えばエポキシ樹脂含浸
ガラス繊維)製の条帯24からなる網状組織で円筒状に
形成された構造体25が提案されている。構造体25は
筒の軸方向に圧縮負荷が加わる状態で使用され、構造体
25に軸方向の荷重が作用すると網状組織の対向する結
節点26において層間剥離を起こし、剪断降伏が繊維と
マトリックスとの界面で生ずることによりエネルギーを
段階的に吸収するようになっている。又、各結節点26
は約10層の繊維複合材料製の条帯24で形成されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記ドイツ特許には周
方向に繊維が配列されたFRP製の減衰成形体21をエ
ネルギー吸収部材として使用することは開示されている
が、その部材に荷重が加わった際に発生する応力、その
変動、吸収エネルギー等については全く触れられていな
い。周方向に長繊維が配列されたFRP製の環状構造体
の製法としては、フィラメントに樹脂を含浸(付着)さ
せながらマンドレル(芯材)に多層に巻き付けた後、加
熱硬化するフィラメントワインディング(FW)法が一
般に用いられる。FW法で作製した円環状の構造体をそ
の側面からの荷重で圧縮していくと、円弧部分に撓みが
発生するとともに変形応力を発生し、ある限度を越える
と撓みの大きい部位で繊維の層間剥離を起こし、応力が
突発的に低下する。その後の変形の進行による撓みは、
更に新たな剥離を引き起こしつつ、数次にわたる応力の
突発的変動を繰り返して層間剥離が進行し、次第に対向
する圧縮面が相互に接近する。対向面の接近とともに圧
縮面に挟まれ、大きく撓んだ円弧の中間部位で積層繊維
の曲げ破壊がおこり、応力は急速に低下してエネルギー
吸収力も大幅に減少する。この圧縮変形過程で発生する
応力と変形量の積(具体的には圧縮荷重−変位量曲線と
変位量を表す軸との間の面積)がそのときの吸収エネル
ギーとなる。バンパ支持部材などでは、こうしたエネル
ギー吸収能の他に衝撃を小さくする能力も要求されるの
で、応力の最大値を一定以下の低いレベルに抑える必要
があり、応力変動の激しい場合には全体としてのエネル
ギー吸収量が小さくなる。従って、衝撃を小さく、しか
も変形時のエネルギー吸収量を大きくするという要求を
満たすためには、突発的な応力の発生を防止し、圧縮荷
重−変位量曲線をできるだけ応力変動の少ない平坦なレ
ベルに保つことが重要となる。
【0006】ドイツ特許に開示されたものと同様に周方
向にガラス繊維が配列されたFRP製で厚さが一定な楕
円環状の構造体を作製し、楕円形の長手方向側面からの
荷重で圧縮した時の荷重と変位量の関係を測定したとこ
ろ図10に示すような結果が得られた。この場合は最初
に剥離の始まる点で荷重の突発的な変化が発生し、その
変動が非常に激しいため、荷重の最大値を一定以下の低
いレベルに抑えると、エネルギー吸収量が小さくなり、
バンパのエネルギー吸収部材としては不十分である。
【0007】一方、特開昭57−124142号公報に
開示された筒状のエネルギー吸収用構造材は、筒の軸方
向に圧縮荷重が加わる場合はその機能が発揮されるが、
斜め方向からの荷重に対してはほとんど対応できない。
又、前記のように吸収エネルギーを大きくするには変位
量が増加しても荷重が一定レベルに保たれることが重要
であるが、このエネルギー吸収用構造材は変位量の増加
に伴って荷重が次第に減衰し、エネルギー吸収量が大き
くなり難いという問題がある。
【0008】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は衝突時の衝撃を和らげ衝撃の
伝達を緩和するため、衝突変形時にある一定以上の応力
を発生せず、一定量の変形に対して吸収するエネルギー
が大きく、しかも斜め方向からの荷重に対しても高い衝
撃吸収能力を持ち、金属に比較して軽量化されたエネル
ギー吸収部材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、断面円環状をな
すように繊維が周方向に巻き付けられるとともに、該繊
維が樹脂により結束硬化された繊維強化複合材料で形成
された筒状体の外側であって、少なくとも前記筒状体の
側面からの圧縮変形過程時には圧縮加重方向に対して平
行な円弧部位以外の外側面に該筒状体の軸方向に沿って
線接触するように固体部材を設け、該固体部材は、前
筒状体の側面からの圧縮変形過程において、前記筒状体
の外側面に圧接することで該外側面に応力を集中させ前
記筒状体の層間剥離・破壊を発生させることをその要旨
とする。また、請求項2に記載の発明においては、断面
円環状をなすように繊維が周方向に巻き付けられるとと
もに、該繊維が樹脂により結束硬化された繊維強化複合
材料で形成された第1の筒状体の内側に、断面円環状を
なすように繊維が周方向に巻き付けられるとともに、該
繊維が樹脂により結束硬化された繊維強化複合材料で形
成された第2の筒状体が少なくとも1個、第1の筒状体
と少なくとも1点で接するように配置され、かつ第2の
筒状体の外側であって、少なくとも前記筒状体の側面か
らの圧縮変形過程時には圧縮加重方向に対して平行な円
弧部位以外の外側面に該筒状体の軸方向に沿って線接触
するように固体部材を設け、該固体部材は、側面からの
圧縮変形過程において前記第2の筒状体の外側面に圧接
することで該外側面に応力を集中させ前記第2の筒状体
の層間剥離・破壊を発生させることをその要旨とする。
【0010】
【作用】本発明のエネルギー吸収部材は筒部の側面から
圧縮荷重を受けるように取り付けられる。エネルギー吸
収部材を複数の筒状体で構成した場合は、変形による応
力・エネルギーの発生部位数が増し、エネルギー吸収部
材としてはそれら各部位で発生する応力・エネルギーが
平均化されるため、応力の突発的な発生が防止されて、
衝撃を緩和する効果が大きい。又、圧縮変形過程で筒状
(第2の筒状体)の外側面が固体部材に圧接され、圧
縮荷重による通常の変形と異なる変形が誘発される。そ
して、通常の圧縮変形では剥離・破壊を発生させる程大
きな応力が発生しない箇所にも圧縮変形の際に剥離・破
壊が発生し、吸収エネルギーが増大する。尚、ここでい
筒状体(第2の筒状体に対して固体部材が「圧接す
る」とは、当初から既に押圧されない程度に接触又は固
着されている両者が圧縮変形に伴って押圧される場合
含む概念である。
【0011】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を具体化した第1実施例を図
1,図2に従って説明する。図1に示すように、エネル
ギー吸収部材1は、断面がほぼ楕円形に近い第1の筒状
体2の内側ほぼ中央部に、断面が円形の第2の筒状体3
が2点で接する状態で一体に形成されている。両筒状体
2,3は合成樹脂を無端状の長繊維(フィラメント)で
補強したFRPで形成され、フィラメントが周方向に巻
き付けられた状態に形成されている。第1の筒状体2の
平面部と第2の筒状体3の外周面とにより形成される4
箇所の楔状空間には固体部材としての断面円形状の細い
ロッド4がそれぞれ1本ずつ固着されている。
【0012】この実施例ではフィラメントとしてガラス
繊維を、合成樹脂としてエポキシ樹脂をそれぞれ使用し
た。作製にはガラス繊維に樹脂を付着しながらマンドレ
ル上に巻き付けた後、樹脂を加熱硬化させるフィラメン
トワインディング(FW)法を使用した。まず第2の筒
状体3に相当する円筒をFW法で作製した後、その円筒
を中央に挟持するマンドレルを使用し、樹脂が付着した
ガラス繊維を第2の筒状体3の外周部に接触するように
FW方式で巻き付け、樹脂を加熱硬化することにより第
1の筒状体2と第2の筒状体3とが組み合わされた構造
体が形成される。次にロッド4を両筒状体2,3により
形成される楔状空間内に配置して接着剤で固定すると、
エネルギー吸収部材1が完成する。樹脂を加熱硬化させ
る前にロッド4を楔状空間内に配置し、樹脂の加熱硬化
によりロッド4を固定するようにしてもよい。
【0013】エネルギー吸収部材1に対して、その側面
(図1の上下方向)から圧縮荷重を作用させた場合の荷
重と変位量との関係を測定した結果を図2に示す。この
エネルギー吸収部材1は側面からの圧縮荷重に対して当
初から4個の円弧部で変形エネルギーを吸収し、エネル
ギー吸収部材1の全体応力は各円弧部の変形応力が平均
化されたものとなるため、従来例のようにエネルギー吸
収部材を1個の筒状体で構成した場合に比較して荷重の
突発的な変化が減少する。従って、このエネルギー吸収
部材1は荷重の変動が小さく、エネルギー吸収量と最大
荷重との比が従来のものに比較して大きくなり、バンパ
用エネルギー吸収部材として好ましい。
【0014】又、繊維を周方向に巻き付けて作製した円
環状の繊維強化複合材料を、側面から圧縮する場合の破
壊過程をよく観察すると、圧縮面間に挟まれ、圧縮方向
に対して平行な円弧部位の剥離・破壊が優先的に発生
し、その他の部位ではあまり発生しない。すなわち、円
環状をなす部材の極く一部のみが変形に関与し、他の部
位は単に円環を形成するための役割を持っているに過ぎ
ない。従って、円弧部が単純な圧縮荷重を受けるような
エネルギー吸収部材の圧縮変形時に発生する応力・エネ
ルギーは、変形する円弧部の厚さにほぼ比例して発生す
る。そのため、従来例のようにエネルギー吸収部材を構
成する円弧部がそれぞれ独立した状態で圧縮変形が進行
する場合は、部材重量と吸収エネルギーとはほぼ比例関
係となり、軽量化効果としては複合材料化したことによ
る効果以上のものは望めない。
【0015】しかし、この実施例のエネルギー吸収部材
1においては、第1の筒状体2と第2の筒状体3との間
の楔状空間に設けられたロッド4が、エネルギー吸収部
材1の圧縮変形時に第2の筒状体3に圧接され、第2の
筒状体3にはロッド4が存在しない通常の変形とは異な
る変形が誘発される。そして、通常の変形ではほとんど
破壊に関与しない圧縮荷重の方向に対して平行な円弧部
位以外の部位にも、繊維の層間剥離・破壊が発生してエ
ネルギー吸収能が増大する。すなわち、通常は層間剥離
等の破壊を起こさずエネルギー吸収に役立たない部分も
エネルギー吸収に役立つため、同じエネルギー吸収能力
をもたせる場合にはエネルギー吸収部材の大幅な軽量化
が可能となる。
【0016】(実施例2)次に第2実施例を図3,図4
に従って説明する。図3に示すように、この実施例のエ
ネルギー吸収部材1は断面がほぼ楕円形に近い第1の筒
状体2の内側に、断面が円形の第2の筒状体3が2個、
互いに当接し、かつ第1の筒状体2の円弧部とも接触す
る状態で一体に形成されている点と、固体部材としてロ
ッド4に代えて断面矩形状の平板5が2個設けられてい
る点が前記実施例のものと異なっている。このエネルギ
ー吸収部材1の作製は、まず第2の筒状体3に相当する
円筒をFW法で作製した後、2個の円筒を互いに当接す
る状態で平行に配列し、その外周部にガラス繊維を樹脂
を付着させながらFW方式で巻き付ける。次に第1の筒
状体2の平面部と第2の筒状体3の外周面とで形成され
るほぼ三角柱状の一対の空間内に、その両側部が第2の
筒状体3と当接する幅の平板5をそれぞれ嵌挿した後、
樹脂を加熱硬化する。
【0017】前記のように構成されたエネルギー吸収部
材1に対して、その側面から圧縮荷重を作用させた場合
の荷重と変位量との関係を測定した結果を図4に示す。
この実施例の場合もエネルギー吸収部材1は側面からの
圧縮荷重に対して当初から4個の円弧部で変形エネルギ
ーを吸収するので、荷重(応力)の突発的な変動がなく
なる。又、平板5が第2の筒状体3に当接した状態にあ
るため、前記実施例と同様にエネルギー吸収部材1の圧
縮変形時に第2の筒状体3には平板5からの押圧力によ
り通常の変形とは異なる変形が誘発される。そして、通
常の変形ではほとんど破壊に関与しない圧縮荷重の方向
に対して平行な円弧部位以外の部位にも、繊維の層間剥
離・破壊が発生してエネルギー吸収能が増大する。又、
この実施例の場合は両第2の筒状体3が互いに当接状態
にあるため、エネルギー吸収部材1の圧縮変形と同時に
第2の筒状体3同士が相互に圧着されて大きな変形応力
を発生する。従って、通常の変形ではほとんど破壊に関
与しない部位の繊維の層間剥離・破壊が前記実施例のも
のに比較してより多く発生し、エネルギー吸収能がより
増大する。
【0018】(実施例3)次に第3実施例を図5,図6
に従って説明する。この実施例のエネルギー吸収部材1
は固体部材として平板5に代えてロッド4を使用すると
ともに、両第2の筒状体3の外周面により形成される一
対の楔状空間に両筒状体3の外周面に当接する状態でロ
ッド4を固定した点が前記第2実施例と異なっている。
このエネルギー吸収部材1に対して、その側面から圧縮
荷重を作用させた場合の荷重と変位量との関係を測定し
た結果を図5に示す。第2の筒状体3同士の当接箇所
と、ロッド4と第2の筒状体3との当接箇所が近いた
め、前記第2実施例に比べてエネルギー吸収能は低い
が、従来のものに比較した場合にはエネルギー吸収能が
増大するとともに荷重変動も小さい。
【0019】(実施例4)次に第4実施例を図7,図8
に従って説明する。この実施例のエネルギー吸収部材1
は第1の筒状体2の平面部が長く形成され、その内側に
設けられた2個の第2の筒状体3は、圧縮変形過程にお
いても相互が接触不能な位置に配置されている。両第2
の筒状体3の間には第1の筒状体2の平面部の内側に、
エネルギー吸収部材1をバンパ及び車体フレーム等の他
の部材6に固定するためのボルト7の台座8が固定さ
れ、台座8が固体部材の役割を果たすようになってい
る。台座8はエネルギー吸収部材1が圧縮変形を受ける
前は第2の筒状体3と接触しない状態にあり、圧縮変形
の途中から第2の筒状体3に圧接される。
【0020】このエネルギー吸収部材1の場合は圧縮変
形の初期には第2の筒状体3の各円弧部は通常の変形を
受けるため、エネルギー吸収能は増大しないが、変形途
中で台座8が第2の筒状体3の円弧部を押圧する状態と
なり、その後の圧縮変形過程では単純な圧縮変形では剥
離・破壊を発生させる程大きな応力が発生しない箇所に
も、前記各実施例の場合のように剥離・破壊が発生して
吸収エネルギーが増大する。
【0021】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、例えば、固体部材としてのロッド4や平
板5等が両第2の筒状体3に対して同じ条件で圧接され
る構成に代えて、固体部材が最初は一方の第2の筒状体
3と接触した状態にあり、変形途中で他方の第2の筒状
体3にも接触する構成としたり、固体部材として断面形
状が円形や矩形以外の形状のものを使用したりしてもよ
い。又、固体部材の材質も簡単に圧縮破壊しない材質で
あればよく、金属、プラスチック、セラミックス等種々
のものが使用可能であり、特にプラスチックの場合、繊
維に付着する樹脂を部分的に筒状体間隙に残留させ本体
の硬化時に同時に硬化させ、必要に応じて硬化後形状を
整えるようにしてもよい。又、エネルギー吸収部材1の
筒部の断面形状としては円形、楕円形に限らず曲率の異
なる円弧の組み合わせ等実質的に円環状であればよい。
又、素材のFRPを構成する樹脂はエポキシ樹脂に限ら
ずフェノール樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性
樹脂を使用したり、強化繊維としてガラス繊維に代えて
カーボン繊維、アラミド繊維等の高弾性、高強度の物性
をもった各種の機能繊維を使用したりしてもよい。又、
第2の筒状体3の数を3個以上に増やしたり、径を違え
てもよい。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、エ
ネルギー吸収部材が断面円環状に形成され、その側面か
ら圧縮荷重を受ける状態で使用されるため、斜め方向か
らの荷重に対しても高い衝撃吸収能力を持つ。又、筒状
体の外周面が圧縮変形過程で固体部材に圧接されるの
で、固体部材が存在しない場合の圧縮変形では剥離・破
壊を発生させるほど大きな応力が発生しない箇所にも圧
縮変形の際に剥離・破壊が発生し、吸収エネルギーが増
大する。従って、同じエネルギー吸収能力をもたせる場
合にはエネルギー吸収部材の大幅な軽量化が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のエネルギー吸収部材の概略斜視図
である。
【図2】第1実施例のエネルギー吸収部材の圧縮荷重−
変位量曲線である。
【図3】第2実施例のエネルギー吸収部材の概略斜視図
である。
【図4】第2実施例のエネルギー吸収部材の圧縮荷重−
変位量曲線である。
【図5】第3実施例のエネルギー吸収部材の概略斜視図
である。
【図6】第3実施例のエネルギー吸収部材の圧縮荷重−
変位量曲線である。
【図7】第4実施例のエネルギー吸収部材を他の部材に
固定した状態を示す概略断面図である。
【図8】第4実施例のエネルギー吸収部材の圧縮荷重−
変位量曲線である。
【図9】従来のバンパ支持部材によるバンパ支持状態を
示す概略平面図である。
【図10】従来のバンパ支持部材の圧縮荷重−変位量曲
線である。
【図11】従来のエネルギー吸収用構造材を示す概略斜
視図である。
【符号の説明】
1…エネルギー吸収部材、2…第1の筒状体、3…第2
の筒状体、4…固体部材としてのロッド、5…固体部材
としての平板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安居 義治 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 宮下 康己 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 近藤 利郎 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 多田 直弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭54−124168(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 19/00 - 19/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面円環状をなすように繊維が周方向に
    巻き付けられるとともに、該繊維が樹脂により結束硬化
    された繊維強化複合材料で形成された筒状体の外側であ
    って、少なくとも前記筒状体の側面からの圧縮変形過程
    時には圧縮加重方向に対して平行な円弧部位以外の外側
    面に該筒状体の軸方向に沿って線接触するように固体部
    材を設け、該固体部材は、前記筒状体の側面からの圧縮
    変形過程において、前記筒状体の外側面に圧接すること
    で該外側面に応力を集中させ前記筒状体の層間剥離・破
    壊を発生させるエネルギー吸収部材。
  2. 【請求項2】 断面円環状をなすように繊維が周方向に
    巻き付けられるとともに、該繊維が樹脂により結束硬化
    された繊維強化複合材料で形成された第1の筒状体の内
    側に、断面円環状をなすように繊維が周方向に巻き付け
    られるとともに、該繊維が樹脂により結束硬化された繊
    維強化複合材料で形成された第2の筒状体が少なくとも
    1個、第1の筒状体と少なくとも1点で接するように配
    置され、かつ第2の筒状体の外側であって、少なくとも
    前記筒状体の側面からの圧縮変形過程時には圧縮加重方
    向に対して平行な円弧部位以外の外側面に該筒状体の軸
    方向に沿って線接触するように固体部材を設け、該固体
    部材は、側面からの圧縮変形過程において前記第2の筒
    状体の外側面に圧接することで該外側面に応力を集中さ
    せ前記第2の筒状体の層間剥離・破壊を発生させるエネ
    ルギー吸収部材。
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