JP2928290B2 - 耐熱導電性樹脂組成物及びトレー - Google Patents
耐熱導電性樹脂組成物及びトレーInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明により得られる耐熱導電性樹脂組成物は、耐熱
性、機械的特性、電気的特性を損なうことなく射出成形
性を著しく改良したものであり、特に半導体集積回路装
置の搬送・乾燥兼用トレーの如く易成形性、制電特性及
び高温下寸法安定性等が同時に要求される成形品を得る
のに最適な樹脂組成物及びトレーに関するものである。
性、機械的特性、電気的特性を損なうことなく射出成形
性を著しく改良したものであり、特に半導体集積回路装
置の搬送・乾燥兼用トレーの如く易成形性、制電特性及
び高温下寸法安定性等が同時に要求される成形品を得る
のに最適な樹脂組成物及びトレーに関するものである。
従来から、熱可塑性樹脂に炭素繊維、カーボンブラッ
ク、金属粉末を混入してなる半導電性樹脂を成形して成
る半導体集積回路装置搬送用トレーは、半導体集積回路
装置(ICチップにリード線を取り付け樹脂封止したも
の)の積載搬送時に該装置の静電破壊を防止し得る導電
性プラスチックトレーとして使用されている。
ク、金属粉末を混入してなる半導電性樹脂を成形して成
る半導体集積回路装置搬送用トレーは、半導体集積回路
装置(ICチップにリード線を取り付け樹脂封止したも
の)の積載搬送時に該装置の静電破壊を防止し得る導電
性プラスチックトレーとして使用されている。
半導体集積回路装置は、プラスチック、セラミックあ
るいはアルミニウム等から成る回路基板上にハンダ付け
により複数個載置して使用されるケースが多い。ところ
が封止用樹脂がエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の吸湿
性樹脂であるために、該装置のリード線を回路基板上に
ハンダ付けする際に封止樹脂中に吸湿された水分が気化
膨張して封止樹脂成形体に亀裂を生じ、更にICチップの
機能を損なうといったトラブルが、特に表面実装型の半
導体集積回路装置において起り易い。
るいはアルミニウム等から成る回路基板上にハンダ付け
により複数個載置して使用されるケースが多い。ところ
が封止用樹脂がエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の吸湿
性樹脂であるために、該装置のリード線を回路基板上に
ハンダ付けする際に封止樹脂中に吸湿された水分が気化
膨張して封止樹脂成形体に亀裂を生じ、更にICチップの
機能を損なうといったトラブルが、特に表面実装型の半
導体集積回路装置において起り易い。
従って、最近では、回路基板上にハンダ付けをする直
前に該装置をオーブン中120℃〜150℃で数時間から数十
時間乾燥する工程を設けるケースが増えている。
前に該装置をオーブン中120℃〜150℃で数時間から数十
時間乾燥する工程を設けるケースが増えている。
従来の導電性プラスチックトレーは、半導体集積回路
装置を積載、保管、搬送する目的で使用されているが、
該装置の加熱乾燥工程には適さない。何故ならば、導電
性プラスチックトレーは、安価で成形性の良い熱可塑性
樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂
のような高荷重下熱変形温度が100℃以下の樹脂を主成
分としているために、100℃以上では変形が著しく、積
載した半導体集積回路装置のリード線の屈折、破損、溶
融樹脂により汚染を招く欠点がある。従って、半導体集
積回路装置の加熱乾燥工程では、従来から熱変形の少な
いアルミニウム等の金属製トレーが使用されている。
装置を積載、保管、搬送する目的で使用されているが、
該装置の加熱乾燥工程には適さない。何故ならば、導電
性プラスチックトレーは、安価で成形性の良い熱可塑性
樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂
のような高荷重下熱変形温度が100℃以下の樹脂を主成
分としているために、100℃以上では変形が著しく、積
載した半導体集積回路装置のリード線の屈折、破損、溶
融樹脂により汚染を招く欠点がある。従って、半導体集
積回路装置の加熱乾燥工程では、従来から熱変形の少な
いアルミニウム等の金属製トレーが使用されている。
しかしながら、アルミニウム等の金属製トレーは、プ
ラスチック製トレーに比較して重量が大であり更にま
た、導電性が極めて良好なために外部から電荷流入の危
険があり、半導体集積回路装置の積載、保管、搬送工程
の使用には適さない。
ラスチック製トレーに比較して重量が大であり更にま
た、導電性が極めて良好なために外部から電荷流入の危
険があり、半導体集積回路装置の積載、保管、搬送工程
の使用には適さない。
従って多くの場合、金属製トレーは半導体集積回路装
置の加熱乾燥工程でのみ使用されている。しかし、該装
置を加熱乾燥工程の前後でプラスチック製トレーから金
属製トレーに或は金属製トレーからプラスチック製トレ
ーに載せ替える作業は、該装置のリード線の屈折や破損
を誘発し歩留りの低下を導くだけでなく、工程数を増や
し製造原価を高くする結果となる。従って半導体集積回
路装置の搬送と加熱乾燥を兼用できる安価な耐熱導電性
プラスチックトレー及び該トレー用材料の要求が急速に
高まってきている。
置の加熱乾燥工程でのみ使用されている。しかし、該装
置を加熱乾燥工程の前後でプラスチック製トレーから金
属製トレーに或は金属製トレーからプラスチック製トレ
ーに載せ替える作業は、該装置のリード線の屈折や破損
を誘発し歩留りの低下を導くだけでなく、工程数を増や
し製造原価を高くする結果となる。従って半導体集積回
路装置の搬送と加熱乾燥を兼用できる安価な耐熱導電性
プラスチックトレー及び該トレー用材料の要求が急速に
高まってきている。
現状開発されている耐熱導電性プラスチックトレー或
は材料は実用耐熱温度によって幾つかに分類することが
できる。
は材料は実用耐熱温度によって幾つかに分類することが
できる。
実用125℃までは、ポリプロピレン重合体を炭酸カル
シウム、マイカ、タルク等の無機フィラーで補強し、カ
ーボンブラックで導電性を付与しているものが多い。
シウム、マイカ、タルク等の無機フィラーで補強し、カ
ーボンブラックで導電性を付与しているものが多い。
一般にポリプロピレン重合体の様な結晶性樹脂は無機
フィラーを混入することにより結晶性及び結晶の拘束性
が高まり樹脂単体に比較して荷重下耐熱性を向上するこ
とができる。これらの樹脂組成物の特徴は、汎用樹脂に
近い成形性を有することであるが、結晶性樹脂をベース
にしているので成形品加熱時の収縮と反りが大きい。
フィラーを混入することにより結晶性及び結晶の拘束性
が高まり樹脂単体に比較して荷重下耐熱性を向上するこ
とができる。これらの樹脂組成物の特徴は、汎用樹脂に
近い成形性を有することであるが、結晶性樹脂をベース
にしているので成形品加熱時の収縮と反りが大きい。
ところで、半導体集積回路装置の搬送工程では、該装
置の加熱乾燥前後にトレーを自動搬送機へセットして使
用するので、トレーに対する寸法精度の要求が厳しい。
また、トレーを搬送工程から出し入れする際には吸引パ
ッドでトレーを拾うので反りが大きいと吸着ミスを起こ
す。一般的にトレーの寸法公差は、加熱工程前後で例え
ば長さ300mmに対して±0.3mm、反りは1.0mm以内が要求
される。
置の加熱乾燥前後にトレーを自動搬送機へセットして使
用するので、トレーに対する寸法精度の要求が厳しい。
また、トレーを搬送工程から出し入れする際には吸引パ
ッドでトレーを拾うので反りが大きいと吸着ミスを起こ
す。一般的にトレーの寸法公差は、加熱工程前後で例え
ば長さ300mmに対して±0.3mm、反りは1.0mm以内が要求
される。
従って、ポリプロピレン重合体をベースにした耐熱導
電性トレーでは予備加熱を施し予備収縮をさせた段階で
寸法出しを行い、実工程で半導体集積回路装置を載置し
て加熱乾燥に供したときの収縮量を抑制する必要があ
る。この様にポリプロピレン系の耐熱導電トレーでは予
備加熱することが必須となるが、それでも実工程の加熱
乾燥温度が125℃以上になったり或は125℃繰り返し使用
になると収縮、反りともに寸法公差から外れてしまう。
更に加熱により樹脂の結晶化が促進されて耐衝撃性が著
しく低下する。
電性トレーでは予備加熱を施し予備収縮をさせた段階で
寸法出しを行い、実工程で半導体集積回路装置を載置し
て加熱乾燥に供したときの収縮量を抑制する必要があ
る。この様にポリプロピレン系の耐熱導電トレーでは予
備加熱することが必須となるが、それでも実工程の加熱
乾燥温度が125℃以上になったり或は125℃繰り返し使用
になると収縮、反りともに寸法公差から外れてしまう。
更に加熱により樹脂の結晶化が促進されて耐衝撃性が著
しく低下する。
普通、125℃で半導体集積回路装置を乾燥するには、1
2〜24時間を要するが、加熱温度を上げることにより処
理時間を短縮することができるので必然的に125℃以上
の加熱温度に耐えるプラスチックトレーが要求される。
2〜24時間を要するが、加熱温度を上げることにより処
理時間を短縮することができるので必然的に125℃以上
の加熱温度に耐えるプラスチックトレーが要求される。
125℃〜140℃の耐熱導電性プラスチックトレー或は材
料としてポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフ
ォン樹脂等の耐熱性樹脂をベースにしたものが開発され
ている。
料としてポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフ
ォン樹脂等の耐熱性樹脂をベースにしたものが開発され
ている。
ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂は、結
晶性樹脂であり、前述のポリプロピレン系樹脂組成物と
同様に成形品加熱時の収縮、反り及び耐衝撃性の低下と
いった問題を抱えている。
晶性樹脂であり、前述のポリプロピレン系樹脂組成物と
同様に成形品加熱時の収縮、反り及び耐衝撃性の低下と
いった問題を抱えている。
また、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル或
はポリフェニレンサルファイド樹脂から成る樹脂組成物
は、充分な耐熱性を有し、加熱時の変形も少ないが、い
ずれも高温溶融樹脂に導電性充填剤として炭素繊維、カ
ーボンブラック、金属粉末等が混入しているので溶融温
度と溶融粘度が非常に高くなる。従って、射出成形性が
悪く半導体集積回路装置用トレーの如く、薄肉で微小な
リブを有する様な成形品を得ることが困難になる。ま
た、射出成形は必然的に高温高圧成形となり、剪断発熱
や発生ガスによるショートショット、ガスやけ、フロー
マーク等のトラブルを起こし易い。
はポリフェニレンサルファイド樹脂から成る樹脂組成物
は、充分な耐熱性を有し、加熱時の変形も少ないが、い
ずれも高温溶融樹脂に導電性充填剤として炭素繊維、カ
ーボンブラック、金属粉末等が混入しているので溶融温
度と溶融粘度が非常に高くなる。従って、射出成形性が
悪く半導体集積回路装置用トレーの如く、薄肉で微小な
リブを有する様な成形品を得ることが困難になる。ま
た、射出成形は必然的に高温高圧成形となり、剪断発熱
や発生ガスによるショートショット、ガスやけ、フロー
マーク等のトラブルを起こし易い。
以前に本発明者等はポリフェニレンエーテル重合体と
ポリスチレン重合体とからなるポリフェニレンエーテル
系樹脂100重量部にカーボンブラック10〜40重量部とエ
チレンアクリル酸エステル共重合樹脂5〜20重量部を含
有してなる樹脂組成物を射出成形してなる耐熱導電性プ
ラスチックトレーを出願した(特願平1−169936号)。
ポリスチレン重合体とからなるポリフェニレンエーテル
系樹脂100重量部にカーボンブラック10〜40重量部とエ
チレンアクリル酸エステル共重合樹脂5〜20重量部を含
有してなる樹脂組成物を射出成形してなる耐熱導電性プ
ラスチックトレーを出願した(特願平1−169936号)。
該樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂に成
形性改良材としてエチレン−アクリル酸エステル共重合
樹脂、好ましくはエチレン−エチルアクリレート共重合
樹脂を添加することにより半導体集積回路装置用トレー
の如く薄肉で微小構造を有する成形品を得ることを可能
にした。
形性改良材としてエチレン−アクリル酸エステル共重合
樹脂、好ましくはエチレン−エチルアクリレート共重合
樹脂を添加することにより半導体集積回路装置用トレー
の如く薄肉で微小構造を有する成形品を得ることを可能
にした。
具体的には、該処法において熱変形温度145℃、実用
耐熱温度140℃までのトレーを高温高圧下で成形するこ
とを可能にした。
耐熱温度140℃までのトレーを高温高圧下で成形するこ
とを可能にした。
ところが最近になって更に高い温度(140℃〜150℃、
或はそれ以上)の使用条件に耐え得る耐熱導電性プラス
チックトレー及び成形材料の要求が出ている。使用温度
150℃とした場合、この条件に耐え得る成形材料は熱変
形温度で少なくとも155℃以上が必要となる。
或はそれ以上)の使用条件に耐え得る耐熱導電性プラス
チックトレー及び成形材料の要求が出ている。使用温度
150℃とした場合、この条件に耐え得る成形材料は熱変
形温度で少なくとも155℃以上が必要となる。
前記の本発明者等が適用した樹脂組成物は、ポリフェ
ニレンエーテル重合体の組成比を増やすことにより熱変
形温度を向上することはできるが、流動性はそれに反し
て低下する。具体的にはポリフェニレンエーテル重合体
の組成比が90重量%以上になると成形が困難となりショ
ートショット等のトラブルを起こし易くなるという問題
を残している。
ニレンエーテル重合体の組成比を増やすことにより熱変
形温度を向上することはできるが、流動性はそれに反し
て低下する。具体的にはポリフェニレンエーテル重合体
の組成比が90重量%以上になると成形が困難となりショ
ートショット等のトラブルを起こし易くなるという問題
を残している。
本発明は、かかる欠点を解決するものであり、ポリフ
ェニレンエーテル系重合体、カーボンブラック、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合樹脂及び高流動ポリプロ
ピレン樹脂を含有することにより、耐熱性、機械的特性
及び電気的特性を損なうことなく成形性を著しく改良し
た耐熱導電性樹脂組成物及びこの樹脂組成物を射出成形
することにより耐熱導電性にすぐれたトレーを見い出し
本発明を完成するに至った。
ェニレンエーテル系重合体、カーボンブラック、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合樹脂及び高流動ポリプロ
ピレン樹脂を含有することにより、耐熱性、機械的特性
及び電気的特性を損なうことなく成形性を著しく改良し
た耐熱導電性樹脂組成物及びこの樹脂組成物を射出成形
することにより耐熱導電性にすぐれたトレーを見い出し
本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は (1)(a)ポリフェニレンエーテル重合体58〜96重量
%とポリスチレン系重合体42〜4重量%とからなるポリ
フェニレンエーテル系樹脂100重量部、(b)カーボン
ブラック10〜45重量部、(c)エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合樹脂5〜20重量部及び(d)高流動性ポリ
プロピレン樹脂5〜20重量部からなり、該高流動性ポリ
プロピレン樹脂の密度が0.89〜0.93g/cm3、メルトフロ
ーインデックスが25〜45g/10分(ASTM D−1238)である
ことを特徴とする半導体集積回路向け搬送・乾燥兼用ト
レー用の耐熱導電性樹脂組成物であり、また、 (2)(a)ポリフェニレンエーテル重合体58〜96重量
%とポリスチレン系重合体42〜4重量%とからなるポリ
フェニレンエーテル系樹脂100重量部、(b)カーボン
ブラック10〜45重量部、(c)エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合樹脂5〜20重量部及び(d)高流動性ポリ
プロピレン樹脂5〜20重量部からなり、該高流動性ポリ
プロピレン樹脂の密度が0.89〜0.93g/cm3、メルトフロ
ーインデックスが25〜45g/10分(ASTM D−1238)である
樹脂組成物を射出成形してなる半導体集積回路向け搬送
・乾燥兼用の耐熱導電性トレーであり、更に、 (3)(a)ポリフェニレンエーテル重合体58〜96重量
%とポリスチレン系重合体42〜4重量%とからなるポリ
フェニレンエーテル系樹脂100重量部、(b)カーボン
ブラック10〜45重量部、(c)エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合樹脂5〜20重量部及び(d)高流動性ポリ
プロピレン樹脂5〜20重量部からなり、該高流動性ポリ
プロピレン樹脂の密度が0.89〜0.93g/cm3、メルトフロ
ーインデックスが25〜45g/10分(ASTM D−1238)である
樹脂組成物を射出成形してなり、加熱処理前後の寸法公
差が±0.3/300以内である半導体集積回路向け搬送・乾
燥兼用の耐熱導電性トレーに関する。
%とポリスチレン系重合体42〜4重量%とからなるポリ
フェニレンエーテル系樹脂100重量部、(b)カーボン
ブラック10〜45重量部、(c)エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合樹脂5〜20重量部及び(d)高流動性ポリ
プロピレン樹脂5〜20重量部からなり、該高流動性ポリ
プロピレン樹脂の密度が0.89〜0.93g/cm3、メルトフロ
ーインデックスが25〜45g/10分(ASTM D−1238)である
ことを特徴とする半導体集積回路向け搬送・乾燥兼用ト
レー用の耐熱導電性樹脂組成物であり、また、 (2)(a)ポリフェニレンエーテル重合体58〜96重量
%とポリスチレン系重合体42〜4重量%とからなるポリ
フェニレンエーテル系樹脂100重量部、(b)カーボン
ブラック10〜45重量部、(c)エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合樹脂5〜20重量部及び(d)高流動性ポリ
プロピレン樹脂5〜20重量部からなり、該高流動性ポリ
プロピレン樹脂の密度が0.89〜0.93g/cm3、メルトフロ
ーインデックスが25〜45g/10分(ASTM D−1238)である
樹脂組成物を射出成形してなる半導体集積回路向け搬送
・乾燥兼用の耐熱導電性トレーであり、更に、 (3)(a)ポリフェニレンエーテル重合体58〜96重量
%とポリスチレン系重合体42〜4重量%とからなるポリ
フェニレンエーテル系樹脂100重量部、(b)カーボン
ブラック10〜45重量部、(c)エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合樹脂5〜20重量部及び(d)高流動性ポリ
プロピレン樹脂5〜20重量部からなり、該高流動性ポリ
プロピレン樹脂の密度が0.89〜0.93g/cm3、メルトフロ
ーインデックスが25〜45g/10分(ASTM D−1238)である
樹脂組成物を射出成形してなり、加熱処理前後の寸法公
差が±0.3/300以内である半導体集積回路向け搬送・乾
燥兼用の耐熱導電性トレーに関する。
本発明で使用するポリフェニレンエーテル系樹脂と
は、米国特許3383435号に記載されているポリフェニレ
ンエーテル重合体のホモポリマーあるいは共重合体とポ
リスチレン系重合体のブレンド系を意味するものであ
る。
は、米国特許3383435号に記載されているポリフェニレ
ンエーテル重合体のホモポリマーあるいは共重合体とポ
リスチレン系重合体のブレンド系を意味するものであ
る。
そしてポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部にお
けるブレンド組成は、ポリフェニレンエーテル重合体の
ホモポリマーあるいは共重合体が58〜96重量%、ポリス
チレン系重合体が42〜4重量%である。ポリフェニレン
エーテル重合体が58重量%より少ないと成形性は向上す
るが、上記半導体集積回路装置をオーブン中で処理する
トレーとして使用するには満足する耐熱性が得られな
い。また、ポリフェニレンエーテル重合体が96重量%を
越えると耐熱性は向上するが、成形性が低下して上記ト
レーとしての成形が困難になる。耐熱性と成形性のバラ
ンスを考えると、ポリフェニレンエーテル重合体が58〜
96重量%が好ましい。更に、ここでいうポリスチレン系
重合体の内容としては、トレーとして使用する際の耐衝
撃の補強効果を成形品のバランスを考えてゴムを2〜7
重量%含有する耐衝撃性スチレン樹脂又は同様のゴム量
を含有する耐衝撃性スチレン樹脂と透明スチレン樹脂と
の混合物の範囲が最適である。
けるブレンド組成は、ポリフェニレンエーテル重合体の
ホモポリマーあるいは共重合体が58〜96重量%、ポリス
チレン系重合体が42〜4重量%である。ポリフェニレン
エーテル重合体が58重量%より少ないと成形性は向上す
るが、上記半導体集積回路装置をオーブン中で処理する
トレーとして使用するには満足する耐熱性が得られな
い。また、ポリフェニレンエーテル重合体が96重量%を
越えると耐熱性は向上するが、成形性が低下して上記ト
レーとしての成形が困難になる。耐熱性と成形性のバラ
ンスを考えると、ポリフェニレンエーテル重合体が58〜
96重量%が好ましい。更に、ここでいうポリスチレン系
重合体の内容としては、トレーとして使用する際の耐衝
撃の補強効果を成形品のバランスを考えてゴムを2〜7
重量%含有する耐衝撃性スチレン樹脂又は同様のゴム量
を含有する耐衝撃性スチレン樹脂と透明スチレン樹脂と
の混合物の範囲が最適である。
次に本発明で使用するカーボンブラックとは、顆粒状
又は粉末状の導電性のカーボンブラックであり、例え
ば、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ファー
ネスブラック等がある。組成物中の割合は、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂100重量部に対して、カーボンブラ
ック10〜45重量部が好ましい。カーボンブラックの添加
量が10重量部より少ないと上記トレーの使用条件を満足
する導電性を発現できない。また、カーボンブラックの
添加量が45重量部を超えると樹脂の流動性が著しく低下
して上記トレーを成形することが困難となる。一般に比
表面積の小さなカーボンブラックほど多量の添加を必要
とするが、導電性と成形性のバランスおよび作業性から
考えて顆粒状のファーネスブラックが好ましく、その場
合、ポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部に対し
て、カーボンブラック10〜40重量部を添加するとよい。
又は粉末状の導電性のカーボンブラックであり、例え
ば、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ファー
ネスブラック等がある。組成物中の割合は、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂100重量部に対して、カーボンブラ
ック10〜45重量部が好ましい。カーボンブラックの添加
量が10重量部より少ないと上記トレーの使用条件を満足
する導電性を発現できない。また、カーボンブラックの
添加量が45重量部を超えると樹脂の流動性が著しく低下
して上記トレーを成形することが困難となる。一般に比
表面積の小さなカーボンブラックほど多量の添加を必要
とするが、導電性と成形性のバランスおよび作業性から
考えて顆粒状のファーネスブラックが好ましく、その場
合、ポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部に対し
て、カーボンブラック10〜40重量部を添加するとよい。
本発明では、成形性および耐衝撃性を改良するため
に、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂を使用す
る。ポリスチレン、ポリプロピレン樹脂等汎用樹脂の補
強には、不飽和系のゴムを使用するが、本発明のトレー
に使用する樹脂は、高温高圧下で加工されるため、不飽
和系のゴムを使用するとゴム分の熱分解が著しく使用で
きない。
に、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂を使用す
る。ポリスチレン、ポリプロピレン樹脂等汎用樹脂の補
強には、不飽和系のゴムを使用するが、本発明のトレー
に使用する樹脂は、高温高圧下で加工されるため、不飽
和系のゴムを使用するとゴム分の熱分解が著しく使用で
きない。
エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂としては、
エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂が成形性及び
耐衝撃性の改良効果が最も大きい。ポリフェニレンエー
テル重合体とポリスチレン系重合体のブレンド系にエチ
レン−エチルアクリレート共重合樹脂を添加して成形性
と耐衝撃性を改良することは、特公昭53−12539号公報
に記述されている。
エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂が成形性及び
耐衝撃性の改良効果が最も大きい。ポリフェニレンエー
テル重合体とポリスチレン系重合体のブレンド系にエチ
レン−エチルアクリレート共重合樹脂を添加して成形性
と耐衝撃性を改良することは、特公昭53−12539号公報
に記述されている。
本発明で使用するエチレン−エチルアクリレート共重
合樹脂は、補強効果と熱安定性のバランスを考えて、エ
チルアクリレートの含有量が5〜20重量%の範囲にある
ことが最適である。また、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合樹脂の添加量は、ポリフェニレンエーテル系樹
脂100重量部に対して5〜20重量部が最適である。エチ
レン−アクリル酸エステル共重合樹脂が5重量部より少
ないと、上記トレーの成形性と耐衝撃性の改良効果が得
られない。また、20重量部より多いと、成形性は改良さ
れるが耐衝撃性が再び低下するだけでなく、耐熱性が著
しく低下して、上記トレーの仕様を満足しない。したが
って成形性、耐衝撃性および耐熱性のバランスを考え
て、ポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部に対して
エチレンエチルアクリレート共重合樹脂5〜20重量部の
添加が好ましい。
合樹脂は、補強効果と熱安定性のバランスを考えて、エ
チルアクリレートの含有量が5〜20重量%の範囲にある
ことが最適である。また、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合樹脂の添加量は、ポリフェニレンエーテル系樹
脂100重量部に対して5〜20重量部が最適である。エチ
レン−アクリル酸エステル共重合樹脂が5重量部より少
ないと、上記トレーの成形性と耐衝撃性の改良効果が得
られない。また、20重量部より多いと、成形性は改良さ
れるが耐衝撃性が再び低下するだけでなく、耐熱性が著
しく低下して、上記トレーの仕様を満足しない。したが
って成形性、耐衝撃性および耐熱性のバランスを考え
て、ポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部に対して
エチレンエチルアクリレート共重合樹脂5〜20重量部の
添加が好ましい。
上記の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂
に対してポリフェニレンエーエル重合体の組成比が96重
量%以下の範囲においては極めて有効である。しかしな
がら、熱変形温度を向上する目的からポリフェニレンエ
ーテル重合体の組成比が96重量%を超えると成形性が著
しく低下して薄肉、微小構造の成形品を賦形することが
困難になる。
に対してポリフェニレンエーエル重合体の組成比が96重
量%以下の範囲においては極めて有効である。しかしな
がら、熱変形温度を向上する目的からポリフェニレンエ
ーテル重合体の組成比が96重量%を超えると成形性が著
しく低下して薄肉、微小構造の成形品を賦形することが
困難になる。
本発明の新規性は上記樹脂組成物の配合処方に加え
(d)高流動性ポリプロピレン樹脂を5〜20重量部添加
することにより、耐熱性、機械的特性及び電気的特性を
低下させることなく成形性を著しく改良することにあ
る。
(d)高流動性ポリプロピレン樹脂を5〜20重量部添加
することにより、耐熱性、機械的特性及び電気的特性を
低下させることなく成形性を著しく改良することにあ
る。
本発明で使用する高流動性ポリプロピレン樹脂は、密
度0.89〜0.93g/cm3、メルトフローインデックス25〜45g
/10分(ASTM D−1238)のものである。
度0.89〜0.93g/cm3、メルトフローインデックス25〜45g
/10分(ASTM D−1238)のものである。
更に好ましくは、密度0.90〜0.92g/cm3、メルトフロ
ーインデックスで25〜35g/10分(ASTM D−1238)の範囲
にあるものが最適である。密度が低すぎるポリプロピレ
ン樹脂は、冷却時の結晶化度が小さく、結晶化熱(発
熱)が小である。従って、密度が0.89g/cm3より小さい
ポリプロピレン樹脂を使用した場合には、該耐熱導電樹
脂組成物を射出成形した際に金型内での冷却速度を遅延
する効果が小さくなり、成形性改良効果が得難い。一
方、密度が高すぎるポリプロピレン樹脂は、冷却時の結
晶化度が大きく、結晶化熱(発熱)も大となる。従っ
て、密度が0.93g/cm3より大きいポリプロピレン樹脂を
使用した場合には、該耐熱導電樹脂組成物を射出成形し
た際の金型内冷却速度の遅延効果は大となり成形性改良
効果は著しく向上する。しかしながら、密度が0.93g/cm
3より大きいポリプロピレン樹脂はポリフェニレンエー
テル系樹脂との非相溶性が増々大となるので成形品に充
分な力学強度を与えることができないので好ましくな
い。
ーインデックスで25〜35g/10分(ASTM D−1238)の範囲
にあるものが最適である。密度が低すぎるポリプロピレ
ン樹脂は、冷却時の結晶化度が小さく、結晶化熱(発
熱)が小である。従って、密度が0.89g/cm3より小さい
ポリプロピレン樹脂を使用した場合には、該耐熱導電樹
脂組成物を射出成形した際に金型内での冷却速度を遅延
する効果が小さくなり、成形性改良効果が得難い。一
方、密度が高すぎるポリプロピレン樹脂は、冷却時の結
晶化度が大きく、結晶化熱(発熱)も大となる。従っ
て、密度が0.93g/cm3より大きいポリプロピレン樹脂を
使用した場合には、該耐熱導電樹脂組成物を射出成形し
た際の金型内冷却速度の遅延効果は大となり成形性改良
効果は著しく向上する。しかしながら、密度が0.93g/cm
3より大きいポリプロピレン樹脂はポリフェニレンエー
テル系樹脂との非相溶性が増々大となるので成形品に充
分な力学強度を与えることができないので好ましくな
い。
流動性がメルトフローインデックス(ASTM D−1238)
で25g/10分より小さいポリプロピレン樹脂を使用すると
該耐熱導電樹脂に充分な成形性を与えることができな
い。一方、流動性がメルトフローインデックス(ASTM D
−1238)で45g/10分より大きいポリプロピレン樹脂を使
用すると該耐熱導電樹脂に充分な成形性を付与すること
はできるが、成形品の力学強度が著しく低下するので好
ましくない。
で25g/10分より小さいポリプロピレン樹脂を使用すると
該耐熱導電樹脂に充分な成形性を与えることができな
い。一方、流動性がメルトフローインデックス(ASTM D
−1238)で45g/10分より大きいポリプロピレン樹脂を使
用すると該耐熱導電樹脂に充分な成形性を付与すること
はできるが、成形品の力学強度が著しく低下するので好
ましくない。
また、高流動性ポリプロピレン樹脂の添加量は、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂100重量部に対して、5〜20
重量部が好ましい。添加量が5重量部より少ないと流動
性の改良効果が小さく、20重量部より多いと流動性の改
良効果は極めて大となるが熱変形温度の著しい低下を招
く。このことから高流動性ポリプロピレン重合体の添加
量は最適範囲は7〜16重量部である。
フェニレンエーテル系樹脂100重量部に対して、5〜20
重量部が好ましい。添加量が5重量部より少ないと流動
性の改良効果が小さく、20重量部より多いと流動性の改
良効果は極めて大となるが熱変形温度の著しい低下を招
く。このことから高流動性ポリプロピレン重合体の添加
量は最適範囲は7〜16重量部である。
更に、本発明では、各種の添加剤、例えば抗酸化剤、
可塑剤、滑剤、難燃剤を添加してもよい。
可塑剤、滑剤、難燃剤を添加してもよい。
以下に本発明の実施方法を説明する。まず、上述の各
種原料を良く知られている混合機、例えばヘンシェルミ
キサー、リボンプレンダー、タンブラーミキサー等で混
合、撹拌する。次に混合物をやはり良く知られている混
練機、例えば同方向二軸押し出し機、異方向二軸押し出
し機や加圧ニーダー等により、250〜320℃で混練して、
ペレット状として目的とする耐熱導電性樹脂組成物を得
る。
種原料を良く知られている混合機、例えばヘンシェルミ
キサー、リボンプレンダー、タンブラーミキサー等で混
合、撹拌する。次に混合物をやはり良く知られている混
練機、例えば同方向二軸押し出し機、異方向二軸押し出
し機や加圧ニーダー等により、250〜320℃で混練して、
ペレット状として目的とする耐熱導電性樹脂組成物を得
る。
次に、以上の要領でペレット化した耐熱導電性樹脂組
成物から半導体集積回路装置搬送用トレーを射出成形法
により作成する。
成物から半導体集積回路装置搬送用トレーを射出成形法
により作成する。
射出成形条件は、例えば型締圧160トンの油圧式射出
成形機を用いて、成形温度280〜340℃、金型温度80〜14
0℃である。
成形機を用いて、成形温度280〜340℃、金型温度80〜14
0℃である。
トレーの形状は、通常、縦100〜150mm、横200〜350m
m、厚さ5〜7mm程度であり、縦横直行する格子で仕切ら
れており、該格子一つ当たりに一つの半導体集積回路装
置が積載されるようになっている。格子で仕切られた一
区画の大きさは、積載する半導体集積回路装置の大きさ
によって様々であるが、QFP型IC用トレーの場合は、一
辺10〜40mm程度である。また、格子で仕切られた区画内
には、半導体集積回路装置突き出し用の穴が開いてお
り、該穴と該格子の間には該穴を囲むように幅0.2〜0.5
mm、高さ0.2〜1.0mm程度の微小リブが形成されて、積載
した半導体集積回路装置が該微小リブで載置固定され、
リード線がトレーに触れないように配置されている。ま
た、トレーの裏側には、該格子で仕切られた各区画を連
結するように射出成形時の流動補助用のリブを縦横に設
けるとよい。
m、厚さ5〜7mm程度であり、縦横直行する格子で仕切ら
れており、該格子一つ当たりに一つの半導体集積回路装
置が積載されるようになっている。格子で仕切られた一
区画の大きさは、積載する半導体集積回路装置の大きさ
によって様々であるが、QFP型IC用トレーの場合は、一
辺10〜40mm程度である。また、格子で仕切られた区画内
には、半導体集積回路装置突き出し用の穴が開いてお
り、該穴と該格子の間には該穴を囲むように幅0.2〜0.5
mm、高さ0.2〜1.0mm程度の微小リブが形成されて、積載
した半導体集積回路装置が該微小リブで載置固定され、
リード線がトレーに触れないように配置されている。ま
た、トレーの裏側には、該格子で仕切られた各区画を連
結するように射出成形時の流動補助用のリブを縦横に設
けるとよい。
以上、説明してきた方法により、耐熱性、機械的特性
及び電気的特性を損なわずに成形性を著しく改良した耐
熱導電性樹脂組成物を得る。本発明の樹脂組成物は、半
導体集積回路装置の搬送、加熱乾燥兼用トレーの成形材
料として極めて有効である。
及び電気的特性を損なわずに成形性を著しく改良した耐
熱導電性樹脂組成物を得る。本発明の樹脂組成物は、半
導体集積回路装置の搬送、加熱乾燥兼用トレーの成形材
料として極めて有効である。
以下、本発明を実施例に従って説明する。
表1に実施例の配合組成を表2に比較例の配合組成を
示す。表3に実施例と比較例の一般物性評価結果を示
す。
示す。表3に実施例と比較例の一般物性評価結果を示
す。
実施例1〜5 ポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部に対して、
高流動性ポリプロピレン樹脂8.3重量部とカーボンブラ
ック、添加剤を一定量配合した。ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂を構成するポリフェニレンエーテル重合体の組
成比を59.9重量%(実施例1)、87.3重量%(実施例
2、4)、95.5重量%(実施例3)とした。
高流動性ポリプロピレン樹脂8.3重量部とカーボンブラ
ック、添加剤を一定量配合した。ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂を構成するポリフェニレンエーテル重合体の組
成比を59.9重量%(実施例1)、87.3重量%(実施例
2、4)、95.5重量%(実施例3)とした。
実施例1、2及び3はポリフェニレンエーテル系樹脂
中のポリスチレン系重合体として耐衝撃性スチレン樹脂
と透明スチレン樹脂との混合物を用い、実施例4は、ポ
リスチレン系重合体として耐衝撃性スチレン樹脂を単独
で用いた。
中のポリスチレン系重合体として耐衝撃性スチレン樹脂
と透明スチレン樹脂との混合物を用い、実施例4は、ポ
リスチレン系重合体として耐衝撃性スチレン樹脂を単独
で用いた。
次に実施例2の組成物を用いてインラインスクリュー
型射出成形機にてQFP型ICトレーの形状に射出成形し、
このICトレーを140℃の送風オーブン中で20時間放置し
た後の反りの発生程度や寸法変化を観察し、成形品に対
する実用耐熱性評価を行った(実施例5)。結果を表3
に示す。
型射出成形機にてQFP型ICトレーの形状に射出成形し、
このICトレーを140℃の送風オーブン中で20時間放置し
た後の反りの発生程度や寸法変化を観察し、成形品に対
する実用耐熱性評価を行った(実施例5)。結果を表3
に示す。
比較例1〜5 ポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部に対して、
カーボンブラックと添加剤を一定量配合した。ポリフェ
ニレン系樹脂を構成するポリフェニレンエーテル重合体
の組成比を87.3重量%(比較例1、2)、95.5重量%
(比較例2、3)とした。
カーボンブラックと添加剤を一定量配合した。ポリフェ
ニレン系樹脂を構成するポリフェニレンエーテル重合体
の組成比を87.3重量%(比較例1、2)、95.5重量%
(比較例2、3)とした。
比較例1、3は、高流動性ポリプロピレンを無添加、
比較例2、4は、30重量部を配合した。
比較例2、4は、30重量部を配合した。
次に比較例2の組成物を用いてインラインスクリュー
型射出成形機にてQFP型ICトレーの形状に射出成形し、
このICトレーを140℃の送風オーブン中で20時間放置し
た後の反りの発生程度や寸法変化を観察し、成形品に対
する実用耐熱性評価を行った(比較例5)。結果を表3
に示す。
型射出成形機にてQFP型ICトレーの形状に射出成形し、
このICトレーを140℃の送風オーブン中で20時間放置し
た後の反りの発生程度や寸法変化を観察し、成形品に対
する実用耐熱性評価を行った(比較例5)。結果を表3
に示す。
実施例1、2、3は、本発明の方法により熱変形温度
(18.5kg/cm2)で125℃〜156℃の範囲の樹脂組成物に成
形可能な流動性を付与できたことを示している。
(18.5kg/cm2)で125℃〜156℃の範囲の樹脂組成物に成
形可能な流動性を付与できたことを示している。
これに対して、比較例1は、実施例2に比較してメル
トフローインデックスで45%の低下が見られる。更に、
比較例3は実施例3に比較してメルトフローインデック
スで57%の低下が見られ、この流動性では、半導体集積
回路装置用トレーの如き成形品を得ることが困難であ
る。
トフローインデックスで45%の低下が見られる。更に、
比較例3は実施例3に比較してメルトフローインデック
スで57%の低下が見られ、この流動性では、半導体集積
回路装置用トレーの如き成形品を得ることが困難であ
る。
また、比較例2、4はそれぞれ実施例2、3と比較し
てポリプロピレンの添加量が多くなっているが、その結
果メルトフローインデックスが著しく向上したが、熱変
形温度は反比例的に著しく低下した。
てポリプロピレンの添加量が多くなっているが、その結
果メルトフローインデックスが著しく向上したが、熱変
形温度は反比例的に著しく低下した。
1.表面抵抗測定方法 試験片:射出成形法によりプレート(120mm×120mm×
3mm)を作成した。
3mm)を作成した。
前処理:プレートの9ケ所に10mm間隔で銀塗料を5mm
×10mmに塗布して室温下で乾燥し、プレート上に銀電極
を作成した。
×10mmに塗布して室温下で乾燥し、プレート上に銀電極
を作成した。
測 定:アドバンテック社デジタルマルチメータIR−
6853にて銀電極間の抵抗値を測定した。
6853にて銀電極間の抵抗値を測定した。
抵抗値は、n=9ケ所/枚の平均値とした。
2.QEP型ICトレーの耐熱試験測定方法 加熱処理の前後で下記の測定を行った;試料数n=6
枚/1条件 ・外形寸法:縦、横寸法を精度1/100mmのノギスにて測
定した;4辺/1枚 反り量を精度1/100mmのハイトゲージにて
測定した;15点/1枚 判 定:○は外形寸法良好、×は外形寸法不良を表
わす。
枚/1条件 ・外形寸法:縦、横寸法を精度1/100mmのノギスにて測
定した;4辺/1枚 反り量を精度1/100mmのハイトゲージにて
測定した;15点/1枚 判 定:○は外形寸法良好、×は外形寸法不良を表
わす。
以上、説明してきた方法により、耐熱性、機械的特性
及び電気的特性を損なわずに成形性を著しく改良した耐
熱導電性樹脂組成物を得る。本発明の樹脂組成物は、半
導体集積回路装置の搬送、加熱乾燥兼用トレーの成形材
料として極めて有効である。
及び電気的特性を損なわずに成形性を著しく改良した耐
熱導電性樹脂組成物を得る。本発明の樹脂組成物は、半
導体集積回路装置の搬送、加熱乾燥兼用トレーの成形材
料として極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33:08 23:10) (56)参考文献 特開 昭58−17142(JP,A) 特開 昭60−8362(JP,A) 特開 平1−146957(JP,A) 特開 昭63−128064(JP,A) 特開 平1−113466(JP,A) 特公 昭42−7069(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 71/00 - 71/14 C08L 25/00 - 25/16 C08L 33/00 - 33/26 C08L 23/00 - 23/14
Claims (3)
- 【請求項1】(a)ポリフェニレンエーテル重合体58〜
96重量%とポリスチレン系重合体42〜4重量%とからな
るポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部、(b)カ
ーボンブラック10〜45重量部、(c)エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合樹脂5〜20重量部及び(d)高流動
性ポリプロピレン樹脂5〜20重量部からなり、該高流動
性ポリプロピレン樹脂の密度が0.89〜0.93g/cm3、メル
トフローインデックスが25〜45g/10分(ASTM D−1238)
であることを特徴とする半導体集積回路向け搬送・乾燥
兼用トレー用の耐熱導電性樹脂組成物。 - 【請求項2】(a)ポリフェニレンエーテル重合体58〜
96重量%とポリスチレン系重合体42〜4重量%とからな
るポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部、(b)カ
ーボンブラック10〜45重量部、(c)エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合樹脂5〜20重量部及び(d)高流動
性ポリプロピレン樹脂5〜20重量部からなり、該高流動
性ポリプロピレン樹脂の密度が0.89〜0.93g/cm3、メル
トフローインデックスが25〜45g/10分(ASTM D−1238)
である樹脂組成物を射出成形してなる半導体集積回路向
け搬送・乾燥兼用の耐熱導電性トレー。 - 【請求項3】(a)ポリフェニレンエーテル重合体58〜
96重量%とポリスチレン系重合体42〜4重量%とからな
るポリフェニレンエーテル系樹脂100重量部、(b)カ
ーボンブラック10〜45重量部、(c)エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合樹脂5〜20重量部及び(d)高流動
性ポリプロピレン樹脂5〜20重量部からなり、該高流動
性ポリプロピレン樹脂の密度が0.89〜0.93g/cm3、メル
トフローインデックスが25〜45g/10分(ASTM D−1238)
である樹脂組成物を射出成形してなり、加熱処理前後の
寸法公差が±0.3/300以内である半導体集積回路向け搬
送・乾燥兼用の耐熱導電性トレー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1279943A JP2928290B2 (ja) | 1989-10-30 | 1989-10-30 | 耐熱導電性樹脂組成物及びトレー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1279943A JP2928290B2 (ja) | 1989-10-30 | 1989-10-30 | 耐熱導電性樹脂組成物及びトレー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03143954A JPH03143954A (ja) | 1991-06-19 |
JP2928290B2 true JP2928290B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=17618084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1279943A Expired - Fee Related JP2928290B2 (ja) | 1989-10-30 | 1989-10-30 | 耐熱導電性樹脂組成物及びトレー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2928290B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100904939B1 (ko) * | 2004-11-22 | 2009-06-29 | 하르만 인터내셔날 인더스트리즈, 인코포레이티드 | 라우드스피커 플라스틱 콘 몸체 |
-
1989
- 1989-10-30 JP JP1279943A patent/JP2928290B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03143954A (ja) | 1991-06-19 |
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