JP2925354B2 - 据付施工計画検討用レッカー模型およびテンプレート - Google Patents

据付施工計画検討用レッカー模型およびテンプレート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ユニット住宅等の建築
時にユニット等の据付工事を行なうべくレッカー(クレ
ーン車)を使用する場合に、そのレッカーによる施工計
画を図面上で検討する際に用いられるレッカー模型およ
びテンプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ユニット住宅等の建築に際し
て、ユニット等の据付工事を行なうためにレッカー(ク
レーン車)が使用される。このような場合、レッカーの
建築現場での作業動作に伴い、レッカーと、建築現場付
近に配置された電柱や電線とが干渉し合わないかどうか
を予め検討し、感電事故や停電事故が発生するのを未然
に防止する必要がある。
【0003】従来、レッカーによる据付施工を行なう際
の施工計画の検討は、例えば、図6に示すように行なわ
れる。つまり、図面上において、施工対象のユニット住
宅1や施工現場付近の電柱2および電線3を所定縮尺で
描くとともに、同一縮尺でレッカー本体4およびブーム
5を描いて、レッカー本体4およびブーム5と電柱2お
よび電線3との離隔状態/干渉状態等を判断しながら、
施工計画を検討している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
据付施工計画検討手段では、本来検討すべき事項が充分
な資料や用具がないために疎かになったり、十分な精度
が得られなかったり、あるいは、施工状況を図面上に一
々描くために時間がかかり施工計画検討に大変な時間を
要してしまう。特に不備な点は下記の通りである。
【0005】図6に示すように、レッカー本体4の立
面寸法やブーム5の回転軸の位置などの詳細が不明であ
る(従来のカタログや資料には立面寸法はほとんど記載
されていない)。
【0006】ブーム5の倒しによる作業半径や電線3
との離隔状態を検討するにしても、前述の通り寸法不明
のため、正確な図面を描けず、描いたとしても精度が悪
く、据付施工計画の検討に時間を要することになるとと
もに、その検討結果も不正確なものとなり、感電事故や
停電事故の可能性を残したままとなってしまう。
【0007】図面上で図を描きながら据付施工計画の
検討を行なうため、レッカー本体4やブーム5の位置を
変えたり、電線下し等の対策に対して、即座にその可否
判定を行なえない。
【0008】本発明は、このような課題を解決しようと
するもので、正確かつスムーズな施工計画の検討を可能
とし、その検討結果を作業関係者等に正確に伝達できる
据付施工計画検討用レッカー模型およびテンプレートを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の据付施工計画検討用レッカー模型は、据付
施工に使用するレッカーの仕様に基づき所定縮尺で形成
された立面形状についての板状レッカー本体模型と板状
ブーム模型とを有し、前記ブーム模型を前記レッカー本
体模型に対して回動可能に枢着し、据付施工計画検討時
には、施工対象を前記所定縮尺で記載された図面上の適
当な位置に、前記のレッカー本体模型とブーム模型とを
載置し、該ブーム模型を前記図面上において回動させる
ことにより据付施工計画の検討に用いられることを特徴
としている。
【0010】また、本発明の本発明の据付施工計画検討
用テンプレートは、据付施工に使用するレッカーの仕様
に基づきレッカー本体の立面形状および平面形状とブー
ム形状とを所定縮尺で型抜きしたプレートからなり、据
付施工計画検討時には、施工対象を前記所定縮尺で記載
された図面上の適当な位置に、前記プレートを載置し、
該プレートの型抜き部を用いて前記図面上に当該型抜き
部の形状を描き込むことにより据付施工計画の検討に用
いられることを特徴としている。
【0011】
【作用】上述した本発明の据付施工計画検討用レッカー
模型では、施工対象を模型の縮尺と同一縮尺で記載され
た図面上の適当な位置に、レッカー本体模型とブーム模
型とを載置し、そのブーム模型を回動させることによ
り、立面についての据付施工計画の検討が行なわれる。
【0012】また、上述した本発明の据付施工計画検討
用テンプレートでは、施工対象をプレートにおける型抜
きの縮尺と同一縮尺で記載された図面上の適当な位置
に、プレートを載置し、このプレートの型抜き部を用い
て図面上に当該型抜き部の形状を描き込むことにより、
立面もしくは平面についての据付施工計画の検討が行な
われる。
【0013】
【実施例】以下、図面により本発明の第1実施例として
の据付施工計画検討用レッカー模型について説明する
と、図1(a)はその平面図、図1(b)は図1(a)のIb
矢視図である。
【0014】これらの図1(a),(b)に示すように、本
実施例のレッカー模型6は、実際に据付施工にて使用す
るレッカーの機種,仕様に基づいて、所定縮尺(例えば
1/100)で形成された立面形状についての板状レッ
カー本体模型7と板状ブーム模型8とから構成されてい
る。
【0015】そして、板状レッカー本体模型7には、板
状ブーム模型8を嵌め込まれるブーム模型用スリット7
aが形成されるとともに、板状ブーム模型8の基端部に
おける回転軸中心位置に突設された軸部8aを係止する
ための軸部用溝7bが形成されている。
【0016】板状レッカー本体模型7と板状ブーム模型
8とは、レッカー模型6として使用しない場合には、そ
れぞれ分離され別体として保管されるが、据付施工計画
検討時には、図1(a),(b)に示すように、板状レッカ
ー本体模型7の溝7bに、板状模型8の軸部8aを係止
させることにより、板状ブーム模型8が、レッカー本体
模型7に対して回動可能に枢着されるようになってい
る。
【0017】なお、板状レッカー本体模型7,板状ブー
ム模型8は、例えばアクリル材により成形される。ま
た、レッカー模型6は、据付施工にて使用するレッカー
の機種ごとに、その仕様に基づいて製作される。
【0018】上述の構成により、据付施工計画検討時に
は、図2に示すように、図面9上に、施工対象であるユ
ニット住宅10やその周辺の電柱11,電線12の立面
位置をレッカー模型6の縮尺と同一縮尺(例えば1/1
00)で記載する。
【0019】そして、図面9上の適当な位置に、板状レ
ッカー本体模型7と板状ブーム模型8とを載置し、その
板状ブーム模型8を板状レッカー本体模型7に対して回
動させることにより、立面についての据付施工計画の検
討、例えば、立面での電線隔離距離の確保とブームの倒
し込みによる作業半径の確認とが行なわれる。
【0020】また、図面9上において、レッカー模型6
は任意の位置に配置できるので、レッカー位置を変えた
場合の可否判定を即座に行なえる。
【0021】さらに、従来のごとくブーム位置等を直接
図面上に描き込むことなく、板状ブーム模型8を回動さ
せるだけでブームの位置を確認できるので、図2に示す
ように、実線で示す現況電線高さでのブーム位置と鎖線
で示す電線下し後の高さでのブーム位置とを即座に見て
その可否を判定することができる。
【0022】なお、レッカーは、同じ能力であってもそ
のメーカーによって仕様が異なるほか、同じメーカーの
同機種であっても年式によって多少構造や寸法が異なる
場合があるので、かなり精度の高い検討を必要とする際
には、使用機種の構造,寸法を確認し、多少の調整を行
なってレッカー模型6を利用することが望ましい。
【0023】また、レッカーの高さはアウトリガーの張
り方や枕木等の利用により異なってくるので、レッカー
を高くする必要がある場合には、図面9上に配置したレ
ッカー模型6を上方へ適当な距離だけスライドさせて利
用する。
【0024】このように、本実施例のレッカー模型6を
据付施工計画検討時に用いることで、据付施工計画を正
確かつスムーズに検討でき、その検討結果を作業関係者
等に正確に伝達することもできるので、感電事故や停電
事故の発生が確実に防止されるのである。
【0025】次に、本発明の第2実施例としての据付施
工計画検討用テンプレートについて説明すると、図3は
その平面図であり、この図3に示すように、本実施例の
テンプレート13には、実際に据付施工にて使用するレ
ッカーの機種,仕様に基づいて、レッカー本体の立面形
状および平面形状とブーム形状とが所定縮尺(例えば1
/100)で型抜きされている。
【0026】なお、本実施例のテンプレート13では、
レッカーの機種として、例えば、タダノ製の4機種のも
のを用いるものとし、各機種TR−160M(16t),
TR−200M(20t),TR−250M(25t),T
R−350M(35t)について型抜きされている。
【0027】さて、本実施例のテンプレート13に設け
られた型抜き部について説明すると、図3において、1
4A〜14Dは前記各機種ごとのレッカー本体立面形状
の型抜き部、14a〜14dはそれぞれ型抜き部14A
〜14Dの位置に対応して形成されるブーム回転軸立面
位置の型抜き部、15A〜15Dは前記各機種ごとのレ
ッカー本体平面形状の型抜き部、15a〜15d,16
a〜16dはそれぞれ型抜き部15A〜15Dの位置に
対応して形成されるレッカー本体旋回中心平面位置の型
抜き部およびブーム回転軸平面位置の型抜き部、17A
〜17Dは前記各機種ごとのブーム形状の型抜き部、1
7a〜17dはそれぞれ型抜き部17A〜17Dに対応
して形成されるブーム回転軸位置の型抜き部である。
【0028】また、18は一般に用いらる電柱形状の型
抜き部、19A,19Bは電線離隔距離描込み用の型抜
き部、20は据付施工時に用いられるユニット車荷台の
立面形状の型抜き部、21A,21Bは一般的な道路の
立面形状の型抜き部、22A,22Bはユニット住宅の
施工時に用いられる各種鉄板形状の型抜き部、23A,
23Bはユニット住宅の施工時にレッカーにより据え付
けられるユニットの形状の型抜き部である。
【0029】さらに、本実施例のテンプレート13にお
いては、各種レッカーの型抜き部近傍には、そのレッカ
ーの主要寸法が印刷されており、これらの寸法データを
資料として用いることができる。
【0030】上述の構成により、立面についての据付施
工計画検討時には、図4に示すように、図面24上に、
施工対象であるユニット住宅Aやその周辺の電柱B,電
線C 1(C2は電線下し時の位置を示す),道路等の立面位
置をテンプレート13のレッカー型抜き部の縮尺と同一
縮尺(例えば1/100)で記載する。このとき、電柱B
や道路などの立面位置は、テンプレート13の型抜き部
18,21A,21Bなど用いて描くことができる。
【0031】そして、図面24上の適当な位置にテンプ
レート13を載置し、このテンプレート13の型抜き部
を用いて図面24上にその型抜き部の形状を鉛筆等によ
り描き込むことにより、立面についての据付施工計画の
検討(例えば、図2の場合と同様の電線隔離距離の確
保,ブームの倒し込みによる作業半径の確認など)が行
なわれる。
【0032】図4により具体的に説明すると、例えばレ
ッカーとしてTR−250Mを使用する場合には、テン
プレート13の型抜き部14C,14cを用いて、図面
24上の所定位置にレッカー本体の立面形状Dおよびブ
ーム回転軸立面位置D0を描き込んだ後、そのブーム回
転軸立面位置D0に、テンプレート13のブーム回転軸
立面位置の型抜き部17cを合わせて、ブーム形状
1,E2を描き込む。
【0033】これにより、ブーム位置等を即座かつ正確
に直接図面上に描き込んで、現況電線高さでのブーム位
置E1と電線下し後の高さでのブーム位置E2とを即座に
見てその可否を判定することができる。
【0034】また、図面24上において、レッカー本体
やブームを任意の位置に即座かつ正確に描き込むことが
できるので、レッカー位置を変えた場合の可否判定も即
座に行なえる。
【0035】一方、平面についての据付施工計画検討
も、立面の場合とほぼ同様にして行なわれる。つまり、
図5に示すように、図面上に、施工対象であるユニット
住宅Fやその周辺の電柱H,電線I,電線防護管J等の
平面位置をテンプレート13のレッカー型抜き部の縮尺
と同一縮尺(例えば1/100)で記載する。
【0036】そして、図面上の適当な位置にテンプレー
ト13を載置し、例えばレッカーとしてTR−250M
を使用する場合には、テンプレート13の型抜き部15
C,15cを用いて、図面上の所定位置にレッカー本体
の平面形状Gおよびブーム回転軸立面位置G1を描き込
む。
【0037】この後、ブーム回転軸立面位置G1に合わ
せて、立面検討結果により得られたブーム回転半径等を
描き込むことで、平面についての据付施工計画の検討が
行なわれる。
【0038】このように、本実施例のテンプレート13
を据付施工計画検討時に用いても、前述した第1実施例
と同様の作用効果が得られるのである。
【0039】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ことなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更
等があっても、本発明の範囲に含まれる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の据付施工
計画検討用レッカー模型によれば、施工対象を模型の縮
尺と同一縮尺で記載された図面上の適当な位置に、レッ
カー本体模型とブーム模型とを載置し、そのブーム模型
を回動させることにより立面についての据付施工計画の
検討を行なえるように構成し、また、本発明の据付施工
計画検討用テンプレートによれば、施工対象をプレート
における型抜きの縮尺と同一縮尺で記載された図面上の
適当な位置に、プレートを載置し、このプレートの型抜
き部を用いて図面上に当該型抜き部の形状を描き込むこ
とにより立面もしくは平面についての据付施工計画の検
討を行なえるように構成したので、正確かつスムーズな
施工計画の検討を実現でき、その検討結果を作業関係者
等に正確に伝達して感電事故や停電事故の発生を確実に
防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての据付施工計画検討
用レッカー模型を示すもので、(a)はその平面図、(b)
は(a)のIb矢視図である。
【図2】本実施例のレッカー模型による立面についての
据付施工計画検討手順を説明する平面図である。
【図3】本発明の第2実施例としての据付施工計画検討
用テンプレートを示す平面図である。
【図4】本実施例のテンプレートによる立面についての
据付施工計画検討手順を説明する平面図である。
【図5】本実施例のテンプレートによる平面についての
据付施工計画検討手順を説明する平面図である。
【図6】従来のレッカーによる据付施工計画検討手段を
説明するための平面図である。
【符号の説明】
6 レッカー模型 7 板状レッカー本体模型 7a ブーム模型用スリット 7b 軸部用溝 8 板状ブーム模型 8a 軸部 9 図面 10 ユニット住宅(施工対象) 11 電柱 12 電線 13 テンプレート 14A〜14D レッカー本体立面形状型抜き部 14a〜14d ブーム回転軸立面位置型抜き部 15A〜15D レッカー本体平面形状型抜き部 15a〜15d レッカー本体旋回中心平面位置型抜き
部 16a〜16d ブーム回転軸平面位置型抜き部 17A〜17D ブーム形状型抜き部 17a〜17d ブーム回転軸位置型抜き部 18 電柱形状型抜き部 19A,19B 電線離隔距離描込み用型抜き部 20 ユニット車荷台立面形状型抜き部 21A,21B 道路立面形状型抜き部 22A,22B 鉄板形状型抜き部 23A,23B ユニット形状型抜き部 24 図面

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 据付施工に使用するレッカーの仕様に基
    づき、所定縮尺で形成された立面形状についての板状レ
    ッカー本体模型と板状ブーム模型とを有し、前記ブーム
    模型が、前記レッカー本体模型に対して回動可能に枢着
    され、据付施工計画検討時には、施工対象を前記所定縮
    尺で記載された図面上の適当な位置に、前記のレッカー
    本体模型とブーム模型とを載置し、該ブーム模型を前記
    図面上において回動させることにより据付施工計画の検
    討に用いられることを特徴とする据付施工計画検討用レ
    ッカー模型。
  2. 【請求項2】 据付施工に使用するレッカーの仕様に基
    づき、レッカー本体の立面形状および平面形状とブーム
    形状とを所定縮尺で型抜きしたプレートからなり、据付
    施工計画検討時には、施工対象を前記所定縮尺で記載さ
    れた図面上の適当な位置に、前記プレートを載置し、該
    プレートの型抜き部を用いて前記図面上に当該型抜き部
    の形状を描き込むことにより据付施工計画の検討に用い
    られることを特徴とする据付施工計画検討用テンプレー
    ト。
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