JP2924196B2 - 中立位置復帰用アクチュエータ - Google Patents

中立位置復帰用アクチュエータ

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JP2924196B2
JP2924196B2 JP664691A JP664691A JP2924196B2 JP 2924196 B2 JP2924196 B2 JP 2924196B2 JP 664691 A JP664691 A JP 664691A JP 664691 A JP664691 A JP 664691A JP 2924196 B2 JP2924196 B2 JP 2924196B2
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▲ひと▼師 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動モータが停止した
ときに中立位置に戻るようにした中立位置復帰用アクチ
ュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】操作手段としてのアクチュエータにはい
ろいろな構造のものがある。例えばモータの回転運動を
ボールねじ機構によってねじ軸の往復運動に変換する構
成のものがあり、この場合は直線方向でのねじ軸の位置
はモータが停止した位置と対応する。一方、水車のガイ
ドベーンを操作するためのアクチュエータではモータが
停止すると水が流れないようにガイドベーンを閉じる重
錘やバネを用いたものがあり、あるいは自動車運転ロボ
ット用のアクチュエータではモータが停止するとバネに
よりアクセルを無負荷位置まで戻すものがある。このよ
うにモータが停止すると、被操作部材はストロークの任
意の途中位置で停止したりあるいはストロークの上限又
は下限のいずれかに戻されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、航空や船
舶の方向舵,車両等のハンドル,選別機,開閉装置など
のようにストロークの途中に中立点がある場合にはモー
タの停止時に自動的に中立点に戻ることが必要であり、
操作により中立点からプラスのストロークあるいはマイ
ナスのストロークのいずれも可能なアクチュエータが必
要である。
【0004】そこで本発明は、斯る課題を解決した中立
位置復帰用アクチュエータを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
めの本発明の構成は、ベースに回転自在に具えられると
ともにモータに連動連結されたねじ軸と、ねじ軸に螺合
されるとともにねじ軸に沿って、移動自在に案内される
ナット材と、ナット材に結合されるとともにフランジ部
を有する操作軸と、操作軸のストロークの略中間位置に
フランジ部を囲繞した状態で固定された中立環と、中立
環の一方側にねじ軸に沿って移動自在に設けられるとと
もに端面がフランジ部及び中立環に当接する第一バネ受
と、第一バネ受と対向する位置にねじ軸に沿って移動自
在に設けられた第二バネ受と、第一バネ受と第二バネ受
との間に介在させたバネと、中立環の他方側にねじ軸に
沿って移動自在に設けられるとともにフランジ部及び中
立環の双方に端面が当接する圧縮環と、圧縮環と第二バ
ネ受とを連結する連結ロッドとで構成したことを特徴と
する。
【0006】
【作用】モータを一の方向へ回転させると、フランジ部
が圧縮環を押し、圧縮環に連結ロッドを介して連結され
た第二バネ受が中立環へ向かって移動し、バネを圧縮す
る。モータを他の方向へ回転させると、フランジ部が第
一バネ受を押し、第一バネ受が反中立環側へ移動するの
で、バネを圧縮することになる。操作軸がいずれの方向
へ移動する場合にもバネを圧縮することになるので、モ
ータの駆動力がなくなるとバネの放勢力で操作軸はスト
ロークの中立位置まで戻されることになる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。本発明による中立位置復帰用アクチュ
エータの構成を図1〜図3に示す。図1の左方に位置す
るベース12の右側面に円筒形の外筒16の左端が結合
され、外筒16の右端には蓋15が取り付けられる。ベ
ース12には一対の軸受8を介してねじ軸6が回転自在
に支持され、ねじ軸6は外筒16の軸心上に位置する。
外筒16の上にはベース12に結合してモータ1が設け
られ、モータ1の出力軸はピニオンギヤ2,相互に一体
の歯車3及び歯車4,ねじ軸6に設けた歯車5を介して
ねじ軸6に連動連結される。ねじ軸6にはボールねじ機
構によりナット材7が螺合され、ナット材7にはボルト
7aにより中空の操作軸9が結合される。操作軸9の先
端にはターンバックル10,先端フォーク11が結合さ
れ、先端フォーク11に被操作部材を結合することによ
りナット材7の回転が拘束される。操作軸9は案内メタ
ル15aを介して蓋15を貫通する。
【0008】ねじ軸6を中心とする円29(図2参照)
上には一対のガイドロッド26が設けられ、ガイドロッ
ド26の一端はベース12にねじ込まれ他端は蓋15を
貫通させてナット30が螺合される。ナット材7のスト
ロークの略中間位置にはナット材7を囲繞する中立環2
0が固定される。即ち、図1の下部に示すように、ガイ
ドロッド26に貫通させた中立環20が、一端がベース
12にねじ込まれてナット27bにより回り止めされる
とともに他端が一対のナット27aで中立環20に結合
された一対の固定ロッド27により、ベース12に固定
される。
【0009】中立環20の左側には、リング状であって
内周側が操作軸9のフランジ部9aに当接するとともに
外周側が中立環20に当接する第一バネ受21が設けら
れる。第一バネ受21はフランジ部9aと中立環20と
の境界に形成した円周溝の部分にはいり込んでいる。そ
して、第一バネ受21の左側にはねじ軸6の軸心に沿っ
て移動自在に第二バネ受25が設けられる。第二バネ受
25には前記ガイドロッド26と固定ロッド27が挿通
され、固定ロッド27が挿通される挿通孔はロックナッ
ト27bの外径寸法よりも大きく設定される。これらの
第一バネ受21と第二バネ受25との間にはねじ軸6を
囲繞するバネ24が介在する。
【0010】一方、中立環20の右側にはねじ軸6の軸
心に沿って移動自在に圧縮環22が設けられ、端面が操
作軸9のフランジ部9a及び中立環20の双方に当接す
る。即ち、圧縮環22には一対のガイドロッド26と操
作軸9とが挿通され、ナット27aがはいり込む部分に
は切欠部22aが形成される。図3に示すように、中立
環20を摺動自在に貫通する一対の連結ロッド28の先
端が第二バネ受25にねじ込まれ、ナット25aにより
回り止めされる。つまり、連結ロッド28により圧縮環
22と第二バネ受25とが連結される。一対のガイドロ
ッド26と一対の固定ロッド27と一対の連結ロッド2
8とはねじ軸6を挟むようにして相互に60°間隔で配
置される(図2参照)。
【0011】ベース12の左側には歯車類を覆うカバー
13が取り付けられ、ねじ軸6の軸心上には取付クレビ
ス14が形成される。6aはねじ軸6に取り付けたスト
ッパである。なお、本実施例では中立環20をベース1
2に固定したが、蓋15に固定し、中立環20の左右方
向での取付位置を蓋15の外部から調整できるようにし
てもよい。
【0012】次に、斯かる中立位置復帰用アクチュエー
タの作用を図4に基づいて説明する。まず、モータ1の
出力軸を一の方向へ回転させると、その回転運動はピニ
オンギヤ2と歯車3〜5を介してねじ軸6へ伝わる。ナ
ット材7は被操作部材に結合することにより回転が拘束
されているので、例えば図4(a)中の右方へ移動する
ものとすると、操作軸9のフランジ部9aが圧縮環22
を右方へ押す。すると、連結ロッド28を介して圧縮環
22に連結された第二バネ受25が右方へ移動し、一
方、第一バネ受21は中立環20に引っ掛かって右方へ
は移動できないので、バネ24は圧縮されることにな
る。
【0013】逆に、モータ1の出力軸を他の方向へ回転
させると、図4(b)に示すようにナット材7は左方へ
移動する。すると、操作軸9のフランジ部9aが第一バ
ネ受21を左方へ押し、バネ24を圧縮することにな
る。つまり、ナット材7を中立位置から右方へ移動させ
る場合においても左方へ移動させる場合においてもバネ
24の放勢力に抗して圧縮することになる。
【0014】モータ1が回転してナット材7が左右方向
へ移動している最中に電流が流れなくなると、モータの
出力軸を回転する力が働かなくなる。このため、中立位
置に対して右又は左のいずれにナット材7が位置してい
る場合であってもバネ24の放勢力でナット材7は中立
位置まで戻される。このとき、ねじ軸6は駆動する方向
に対して逆回転させられその回転力は歯車3〜5を介し
てピニオンギヤ2へ伝わりモータ1の出力軸も逆回転さ
せられる。このように、モータ1に回転力がなくなると
ナット材7は常に中立位置に戻ることになる。ナット材
7のストロークは右へS1,左へS2であり、全ストロー
クはS1+S2となる。
【0015】
【発明の効果】以上の説明からわかるように、本発明に
よる中立位置復帰用アクチュエータによればバネの作用
によって操作軸がストロークの中立位置へ戻されるの
で、最終的には中立位置へ戻すことになる被操作部材に
用いることにより、モータの停止時には自動的に被操作
部材を中立点へ戻すことができる。従来はストロークの
中立位置で停止させる場合、油圧,空圧を利用したピス
トンシリンダを用いたが、この場合には中立位置を固定
しておくのが困難であり、圧油やエアの漏れによって中
立位置が変動するので固定式にしたりフィードバック制
御しなければならなかった。
【0016】また、ねじ機構という簡単な機構によって
特別に高精度でなくかつ困難な加工を行なうこともなく
安価で信頼性の高いアクチュエータが提供できる。しか
もこのアクチュエータは再現性,繰り返し性が良好であ
り、中立点が勝手に移動するようなことはない。更に、
両方向から中立位置への戻りの作用を単一のバネによっ
て行うとともにねじ軸を囲繞するようにバネを配置する
ことができるので、アクチュエータが小形化でき、機器
への組み込みが容易になる。また更に、バネが単一で足
りることから操作軸の移動ストロークを大きくすること
ができ、長ストロークのアクチュエータの小形化が図れ
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による中立位置復帰用アクチュエータの
実施例を示す正面断面図。
【図2】アクチュエータの右側面図。
【図3】アクチュエータの部分断面図。
【図4】図4(a)はモータを一の方向へ回転させた場
合の説明図、図4(b)はモータを他の方向へ回転させ
た場合の説明図。
【符号の説明】
1…モータ、6…ねじ軸、7…ナット材、9…操作軸、
9a…フランジ部、12…ベース、20…中立環、21
…第一バネ受、22…圧縮環、24…バネ、25…第二
バネ受、26…ガイドロッド、27…固定ロッド、28
…連結ロッド。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースに回転自在に具えられるとともに
    モータに連動連結されたねじ軸と、ねじ軸に螺合される
    とともにねじ軸に沿って、移動自在に案内されるナット
    材と、ナット材に結合されるとともにフランジ部を有す
    る操作軸と、操作軸のストロークの略中間位置にフラン
    ジ部を囲繞した状態で固定された中立環と、中立環の一
    方側にねじ軸に沿って移動自在に設けられるとともに端
    面がフランジ部及び中立環に当接する第一バネ受と、第
    一バネ受と対向する位置にねじ軸に沿って移動自在に設
    けられた第二バネ受と、第一バネ受と第二バネ受との間
    に介在させたバネと、中立環の他方側にねじ軸に沿って
    移動自在に設けられるとともにフランジ部及び中立環の
    双方に端面が当接する圧縮環と、圧縮環と第二バネ受と
    を連結する連結ロッドとで構成したことを特徴とする中
    立位置復帰用アクチュエータ。
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JP2005207447A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Nsk Ltd ボールねじ

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