JP2923659B2

JP2923659B2 - 弦楽器用弓ガイド

Info

Publication number: JP2923659B2
Application number: JP1505994A
Authority: JP
Inventors: ツアイダレヴイン; キースホーヴイス
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1988-05-06
Filing date: 1989-05-05
Publication date: 1999-07-26
Anticipated expiration: 2014-07-26
Also published as: CN1037987A; WO1989011146A1; US4854212A; JPH03505927A; CN1015757B

Description

【発明の詳細な説明】発明の簡単な説明本願発明は、ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ等の弦
楽器用弓ガイドに関する。この弓ガイドは、弦楽器の演
奏の妨げとなることなく指板に固定できる形式のもので
ある。

発明の背景ヴァイオリン、ヴィオラ、又はその他の弓を使う楽器
の初心者をトレーニングする場合の大きな問題は、弓を
正しく弾く能力を欠けていることを回避することにあ
る。詳しく説明すると、これらの楽器から明瞭で正しい
音を出し、運弓効率を高めるには、腕と手首から程よく
力を抜いたまま、駒に対し駒から最適の距離を置いて、
弦に対しほぼ直角な線に沿って弓を弾くことが重要であ
る。このような正しい直角方向動作に弓を保つことは、
初心者にとって、極めて困難であることがしばしばであ
り、経験豊かな演奏者でさえ、このような正しい運弓を
できないことがある。

この問題は、今までにおいても認識されてきており、
ヴァイオリン等用の多くの取り付け器具が、従来開示さ
れてきた。これらの器具の多くの物も、指板に取り付け
るものであったが、締め付け機構に恒久的に取り付ける
ワイヤー型ガイド部材を用いていた。例えば、1981年１
月12日に出願され、1982年４月15日に発行された西独特
許第3100676号明細書、1889年の英国特許明細書第19694
号明細書及び1932年のオランダ特許明細書第28771号明
細書に加えて、アメリカ合衆国特許第766549号明細書、
同第1192030号明細書、同第2782670号明細書及び同第33
06150号明細書を参照されたい。さらに、互いに離して
取り付けた一対の平板を用いて、これらの間に弓の通り
道を形成した着脱自在な装置が、1929年12月16日のスイ
ス特許第135769号明細書に記載されており、単一のガイ
ド部材をなす別の着脱自在な平板上ガイドが、アメリカ
合衆国特許第3107568号明細書に記載されている。さら
にまた、ヴァイオリンの共鳴胴を通るいわゆる「エフ
ホールズ（F holes）」に弓ガイドを取り付けること
が、アメリカ合衆国特許第4222302号明細書等で提案さ
れている。

本願発明の目的は、弓ガイドの主要構成部を、楽器の
指板にほぼ恒久的に又は半恒久的に取り付けることがで
きるとともに、ガイド面をたやすく取り外すことのでき
る弦楽器用弓ガイドを提供することにある。本願発明の
もう一つの目的は、ほとんど目立つことがないようにし
て、演奏中楽器に目をやった演奏者の気を散漫にするこ
となく、又審美的な理由から、基部を指板の延長又はそ
の一部に見えるようにした弓ガイドを提供することにあ
る。

発明の一般的説明弓を用いて演奏される弦楽器用の演奏練習器具は、初
心演奏者の練習に、また上級演奏者の継続指導にも役立
つものである。本願発明による弓ガイドは、基部と、弦
楽器の指板にこの基部を取り付ける締め付け機構と、基
部に着脱自在に取付けられるようにされた複数個のガイ
ド部材と、ガイド部材を着脱自在い保持できる複数個の
スロットを形成された保持機構とからなり、ガイド部材
は、ほぼ平らなガイド面を好ましくは備え、基部に最も
近い各々ガイド面の横方向の弓形端は、楽器の弦の上に
位置する。より好ましくは、ガイド部材は、平らで透明
な板からなり、弦の軸線に対し、直角方向の平面内に延
びる面を有する。

添付図面の説明第１図は、本願発明による弓ガイドを適所に取り付け
たヴァイオリンの部分側面図であり、第２図は、適所で締め付けた指板を示す、第１図の線
２−２における縦断面図であり、第３図は、本願発明による指ガイドの平面図であり、第４図は、本願発明による弓ガイドの側面図であり、第５図は、第２図と同じ方向からみた、本願発明によ
る弓ガイドの端面図であり、第６図は、第１図の線６−６における端面断面図であ
り、第７図は、ガイド板を取り外した本願発明による弓ガ
イドの基部を示す等角図であり、第８図は、ガイド板の一方の正面図である。

発明の詳細な説明第１図に示すように、本願発明による弓ガイドは、共
鳴胴Ｖと駒Ｂと指板Ｆと弦Ｓとを備えたヴァイオリンの
適所に固定される。本願発明の弓ガイドの全体を符号７
で示す基部は、クランプアーム10、100により指板Ｆに
締め付け固定する。指板Ｆは、クランプアーム10、100
の互いに向かい合う対抗面に形成したクランプ溝20に固
定される。クランプ溝は、第２図及び第５図に示すよう
に、溝内に向かって互いに近づきあう収束性側面21を備
える。このため、指板の厚さが異なっていても、クラン
プアームを締め付けることにより、確実に締め付けを行
うことができる。内面23は、図示のように平らなもので
も、また互いに近づきあって頂点に至る（鋭角をなす又
は丸くなる）ものでもよい。さらに、クランプアームの
材質が、強度及び剛性の点で充分であるなら、２個の側
面21を、クランプアーム10、100の厚さ全体に渡って伸
ばし（すなわち、内面23をなくして、２個のクランプア
ーム10、100を上下方向において分割する）ようにして
もよい。

クランプアーム10、100同士は、締め付け機構として
のを回転することにより押し付ける。この締め付けつま
みねじは、一方のクランプアーム100から外側に突出し
た径を大きくした回転つまみ端13と、クランプアーム10
0を貫通するシャフト11と、ねじ形成端12とを備える。
他方のクランプアーム10には、ねじがきってある穴112
が貫通形成されていて、締め付けねじ11のねじ形成端12
にねじ結合により固定できるようになっている。締め付
けねじ11を回すことにより、クランプアーム10、100同
士を押し付けあったり離したりすることができる。クラ
ンプアーム10、100の間で前方の方に伸びているいるも
のは、弓形の凸状上面35を備えた、ガイド板取付け面と
しての基礎台５である。三対の凹状スロット14、15、16
が、クランプアーム10の各々の外面と弓形の上面の基礎
台内に伸びている。

ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートな
どの比較的硬い透明な高分子材料、又はプレキシガラス
から好ましくはできた一対のガイド板３を、おおむねＣ
の字型に形成する。ガイド板３の各々の凹面４は、ガイ
ドアーム34の両端から充分に離れていて、ガイド板３を
ガイド板取付けスロット14、15、16に入れて保持する
と、弦Ｓの上に位置するようになっている。ガイドアー
ム34の厚さは、スロット14、15及び16に圧入することに
なる大きさとし、凹面４が、弓型のガイド台すなわち基
礎台35全体を横断するとともに弦Ｓをまたぐように伸び
るようにする。通常、ガイド板３の一方は、外側スロッ
ト14に入れ、もう一つのガイド板３は、弓を弾く演奏者
の技量又は好みに応じて内側スロット15、16の一方又は
他方に入れる。ガイド板３の各々の少なくとも一つの主
面（ガイド面）30は、相当な部分に渡ってほぼ平らであ
る。

本願発明による弓ガイドは、締め付けねじ11をゆる
め、指板Ｆの前端がクランプアーム10、100の間でクラ
ンプアームの溝20内でスライド移動するように弦の下で
ガイド基部７をスライドさせることにより、ガイド板３
をはずしたままヴァイオリンに固定できる。つまみ端13
を回すことにより、ねじ形成端12がねじを切った穴112
により深く入り込むので、クランプアーム10、100同士
を引き寄せることができ、クランプアーム10、100は、
指板Ｆにしっかりと締め付け固定される。締め付けねじ
11を回してクランプアーム10、100同士を引き寄せる度
合いは、指板Ｆの厚さ、つまりは指板Ｆがクランプアー
ムの溝20に入り込んでいる長さの関数である。詳しく説
明すると、指板が薄ければ薄いほど、指板の角が収束側
面21と接するまでクランプアームの溝20により深く入り
込むことになるので、クランプアーム10、100同士をね
じ12によって引き寄せる必要がある。指板Ｆが厚ければ
厚いほど、クランプの溝20に深く突入することができな
いので、ガイド基部７を適所に固定すると、クランプア
ーム10、100はより広く離されたままになる。

次いで、第１ガイド板のガイドアーム34がスロット14
に入り、第２ガイドプレートのガイドアームが残りの対
のスロット15、16の一つに入るように、ガイド板３を弦
Ｓをまたいで取り付ける。スロット14、15、16の幅と、
ガイドアーム34の厚さとは、ガイドアームとスロットと
を噛み合わせるときつい圧入となり、ガイド板３が摩擦
により適所にしっかりと固定されるようなものにする。

凸状台面35の湾曲は、指板Ｆの上面の曲線とほぼ同じ
にして、ヴァイオリンの楽器としての外観を保つように
する。こうして、ヴァイオリンの外観に大きな変化をも
たらすことなく、また、ヴァイオリンとしての楽音に影
響を与えることなく、クランプ基部をヴァイオリンに永
久的に取り付けたままにしておくことができる。図示の
ように、指板は、ヴァイオリンの共鳴胴の上に位置して
おり、このため、指板に締め付け固定しても、ヴァイオ
リンの楽音に影響を与えることはない。

ガイド板３の先端は、向かい会ったガイド面30から離
れるように外側に角度を付けて、両ガイド面30間に弓を
入れるじょうご機能（funneling effect）をもたらすよ
うにしてもよい。

ガイド基部７は、好ましくは外観が指板と同じである
黒っぽい材料で形成するのが望ましい。このガイド基部
は、木製、またはABS樹脂、繊維素プラスチック、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ナイロン及びポリウレタ
ン、若しくはこれらを公知の方法で補強したものなどの
黒っぽい不透明な高分子プラスチック材料製とするのが
好ましい。

ガイド板３は、例えば、コンサートでの演奏中、ある
いは、熟達した演奏者にあっては、一枚のガイド板だけ
を演奏会中使用する場合、簡単に取り外して使用を止め
ることができる。

ガイド板３の形状は、スロット14、15、16に入りこん
でいるガイドアーム34から、内側切取り凹面４が充分に
離れていて、弦が妨げられることなく通ることができる
充分なゆとりがあり、ガイドアーム34の厚さが、基部の
スロット14、15、16に収容できしかもしっかりと保持さ
れる大きさであることが極めて重要である。スロットへ
の挿入は、ヴァイオリンを逆さにしても、ガイド板３が
それ自体の重量のために外れることがない程度に充分き
ついことが必要とされる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ホーヴイスキースアメリカ合衆国、ニユーヨーク 10519、クロトンフオールズ、ピー. オー．ボツクス 216 (56)参考文献特開昭48−63833（ＪＰ，Ａ) 実開昭51−29945（ＪＰ，Ｕ) 登録実用新案61776（ＪＰ，Ｚ１) 登録実用新案45349（ＪＰ，Ｚ２) 登録実用新案10671（ＪＰ，Ｚ２) 登録実用新案7531（ＪＰ，Ｚ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G10D 3/16

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】基部であって、指板と駒との間のギャップ
に沿って長さ方向にのび、弦と共鳴胴との間に位置づけ
られるようにされた細長いガイド台を備えた基部と、こ
の基部に着脱自在に取り付けた少なくとも１個のガイド
板と、このガイド台から外側に長さ方向にのび、指板の
基部端に近接した位置で指板の両側とはまり合うように
された一対のクランプアームと、このクランプアームを
指板の両側に締め付けることによりガイド台を指板から
支持するようにされた締め付け機構と、基部内にのび、
弓ガイド器具を弦楽器に取り付けると、弦の方に向かっ
て外側を向くようにされた開口を備えたガイド板取付け
スロットとからなり、このガイド板は、ガイド板取付け
スロットと着脱自在にはまり合う２本のガイドアーム
と、これらガイドアームの間にのびるほぼ平らなガイド
面部材とからなり、ガイド板取付けスロットとガイドア
ームとは、ガイド板をガイド台に支持するとガイド板が
ガイド台から外側横方向にのび、ガイド板をガイド台か
ら外側横方向である単一の方向に引っ張るとガイド板が
ガイド台から取り外せるように、互いに配置され、これ
ら２本のガイドアームは、基部を指板に締め付け固定す
ると、ガイド面が、弦の上方でこれらを跨いでのびるの
に十分な長さを有し、基部は、指板に取り付けられる
と、弦と共鳴胴との間にすっぽり入るようにされたこと
を特徴とする、共鳴胴と、指板と、弦と、この指板上に
弦を支持する駒であって、指板との間にギャップができ
るように指板に基部端から離れている駒とを備えた弦楽
器用の弓ガイド器具。
【請求項２】基部と基部に着脱自在に取り付けられる少
なくとも１個のガイド板とからなり、基部は、指板と駒
との間のギャップに沿って長さ方向にのび、弦と共鳴胴
との間に位置づけられるようにされた細長いガイド台
と、このガイド台から外側に長さ方向にのび、指板の基
部端に近接した位置で指板の両側とはまり合うようにさ
れた一対のクランプアームと、このクランプアームを指
板の両側に締め付け固定することにより指板からガイド
台を支持するようにされた締め付け機構と、基部に形成
されたガイド板取付け面とからなり、このガイド板は、
ほぼ平らな透明ガイド面部材と、このガイド面部材を弦
の上方で支持するようにされたガイドアームであって、
ガイド板取付け面と着脱自在にはまり合ってガイド板を
基部に支持するガイドアームとからなり、ガイド板は、
ガイド台から外側横方向にのび、ガイドアームは、基部
を指板に締め付け固定すると、ガイド面が弦の上方でこ
れらを跨いでのびるのに十分な長さを有し、基部は、指
板に取り付けられると、弦と共鳴胴との間にすっぽり入
るようにされたことを特徴とする、共鳴胴と、指板と、
弦と、この指板上に弦を支持する駒であって、指板との
間にギャップができるように指板に基部端から離れてい
る駒とを備えた弦楽器用の弓ガイド器具。
【請求項３】前記基部に着脱自在に取り付けられ、弓の
幅よりも大である距離で前記第１のガイド板から長さ方
向において離れている第２ガイド板を備える、請求項第
２項に記載した弓ガイド器具。
【請求項４】前記ガイド板の各々は、ほぼ硬質の透明板
で形成された一体部品である請求項第２項に記載した弓
ガイド器具。
【請求項５】前記締め付け機構は、前記２本のクランプ
アームの間をのび、クランプアームの一方に回転自在に
取り付けられるとともに他方のクランプアームにねじ結
合されるねじを形成したシャフト部材からなる請求項第
２項に記載した弓ガイド器具。
【請求項６】前記ガイド板取付け面は、ガイド台の両側
に設けたスロットを形成する凹面からなる請求項第２項
に記載の弓ガイド器具。
【請求項７】前記一対のクランプアームは、指板の両側
を収容する向かい合った溝を備え、これら溝は、ガイド
台から離れたクランプアームの端部に近接して設けら
れ、各溝の内側にのびる横方向面は、互いに近づき合っ
ている請求項第２項に記載の弓ガイド器具。