JP2923339B2 - ジアセチレン基を含む複核フェロセンおよびそのポリマーならびにそれらの電荷移動錯体 - Google Patents

ジアセチレン基を含む複核フェロセンおよびそのポリマーならびにそれらの電荷移動錯体

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は新規なジアセチレン基を含む複核フェロセン
と、そのポリマーと、それぞれの電荷移動錯体に関す
る。
〈従来の技術〉 近年、高分子混合原子価錯体は、その混合原子価状態
が、導電性、触媒、センサー材料、表示記録材料などの
機能の発現が期待されることから、各種機能素子への応
用が試みられている。
本発明者らは、第37回高分子学会年次大会(1988年5
月26日、26−P−2C09)において、ジアセチレンセグメ
ントの両端にフェロセンを有する複核錯体を発表してい
る。
このものは、ラングミュア・ブロジェット膜化が可能
であるとともに、光重合可能な高分子混合原子価錯体を
得ることができ、優れた機能性材料として期待できる。
また、本発明者らは、日本化学学会第56春季年会(19
88年4月3日3IIH30)において、ジアセチレン基の一端
にフェロセンを有し、これを電荷移動錯体化したものを
発表している。
〈発明が解決しようとする課題〉 この電荷移動錯体は、フェロセン環にエステル結合に
よりジアセチレン基を結合させたものである。
そして、このものは、電磁場感応素子等の高機能材料
としての用途が可能となり、またラングミュア・ブロジ
ェット(LB)膜化が可能であり、LB膜を形成することに
より電気化学的に酸化されやすくなっていることから、
電子デバイス、スイッチング素子、情報変換素子等の高
機能膜を提供し得る。
しかもこの物は光重合可能である。
しかし、この電荷移動錯体はフェロセンの単核錯体で
あり、いわゆる複核錯体の電荷移動錯体が与える機能は
期待できない。
一方、前者の複核錯体も、ジアセチレン誘導体のジオ
ールと、フェロセンモノカルボン酸クロライドとを用
い、ジアセチレンセグメントの両端にフェロセンを導入
したものである。
しかし、この化合物は、フェロセンにエステル基が結
合することに起因して、電子受容性化合物との電荷移動
錯体が得られないことが判明した。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、主鎖のジアセチレンセグメントの両
端末にフェロセンを有する複核錯体であって、電荷移動
錯体化できる化合物と、その重合体と、これら複核錯体
およびその重合体と電子受容性化合物とから形成される
フェロセン誘導体の電荷移動錯体を提供することにあ
る。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的を達成するために、本発明者らは、N,
N−ジアルキルアミノアルキルフェロセンより、ヒドロ
キシアルキルフェロセンを得、これをハロゲン化プロパ
ギルと反応させてフェロセンアルキルプロパギルエーテ
ルを合成し、これを酢酸銅中で二量化することにより、
主鎖のジアセチレンセグメントに、エーテル構造を介し
て、アルキル基によって結合する複核フェロセンを得る
ことに成功した。
また、この複核錯体に紫外線を照射することによりそ
の重合体を得ることに成功した。
さらに、上記複核錯体およびそのポリマーをヨウ素
や、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−P−ベンゾキノン
などの電子受容性化合物と反応させることにより、電荷
移動錯体を合成すること、 すなわち、本発明は下記(1)〜(4)の構成を有す
る。
(1)一般式 Mc−R3−O−R1−DAc−R2−O−R4−Mc (ただし、R1、R2、R3およびR4はアルキレン基を、Mcは
フェロセン残基を、DAcはジアセチレン基を表わす。) で示されることを特徴とするジアセチレン基を含む複核
フェロセン。
(2)上記(1)に記載のジアセチレン基を含む複核フ
ェロセンを、前記ジアセチレン基により重合したことを
特徴とする複核フェロセンのポリマー。
(3)上記(1)に記載のジアセチレン基を含む複核フ
ェロセンと、電子受容性化合物とから形成されることを
特徴とする複核フェロセンの電荷移動錯体。
(4)上記(2)に記載の複核フェロセンのポリマー
と、電子受容性化合物とから形成させることを特徴とす
る複核フェロセンポリマーの電荷移動錯体。
〈発明の具体的構成〉 本発明の複核フェロセンは一般式(I) 一般式(I) Mc−R3−O−R1−DAc−R2−O−R4−Mc で示されるものである。
ただし、Mcは、フェロセンを表わす。
また、R1、R2、R3およびR4はアルキレン基を、DAcは
ジアセチレン2価基を表わす。
本発明の複核フェロセンは主鎖にジアセチレンセグメ
ントを含み、両端に位置するフェロセンのシクロペンタ
ジエニル環と、このジアセチレンセグメントの間に、ジ
アルキルエーテル構造が介在する。
上記式(I)において、R1、R2、R3およびR4は、それ
ぞれ、置換もしくは非置換のアルキレン基を表わし、同
一でも異なっていてもよい。
アルキレン基としては、非置換であることが好まし
く、直鎖でも分枝を有するものであってもよい。炭素数
は1〜8、特に1であることが好ましい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン
基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等が挙げら
れ、これらのうち、特にメチレン基が好ましい。
本発明の複核錯体は、中心金属原子を挾んで平行に対
向する1対のシクロペンタジエニル環のうちいずれか一
方に、上記のジアセチレンセグメントが結合したもので
ある。
この場合、ジアセチレンセグメントの両端に存在する
フェロセンは、1対のシクロペンタジエニル環のうちの
上か下かいずれか同じ方向の環に、ジアセチレンセグメ
ントが結合することが好ましいが、必ずしも同じ方向で
なくともよい。
本発明の複核錯体は、例えば、下記一般式(II)で示
されるものが好ましい。
一般式(II) 上記式(II)において、Mtは遷移金属を表わすが、特
に、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Cr、Ru、Os等が好ましい。
なお、シクロペンタジエニル環には、Cl等のハロゲ
ン、CH3等のアルキル基、OCH3等のアルコキシ基、ニト
ロ基等が置換していてもよい。
次に、本発明の複核錯体の合成法について説明する。
まず、合成法のスキームを模式的に示すと、以下のよ
うになる(スキーム1)。
同様にしてMc−R4−O−R2−C≡CHを合成し、下記の
ように最終生成物を得る。
Mc−R3−O−R1−C≡CH+Mc−R4−O−R2−C≡CH 上記スキームにおいてアミノアルキルフェロセンと水
素化ナトリウムは市販の化学用試薬をそのまま用い、そ
の他の試薬は市販の試薬特級もしくはその一般をそのま
ま用いればよい。
まず、アミノアルキルフェロセンとヨウ化アルキルを
メタノール中で反応させ、(フェロセニルアルキル)ト
リアルキルアンモニウムヨウ素を合成する。
次いでこれを水酸化ナトリウム溶液に懸濁し、還流
後、エーテルで抽出し、ヒドロキシアルキルフェロセン
を得る。このヒドロキシアルキルフェロセンを、氷浴中
で水素化ナトリウムとジメチルホルムアミドの混合物中
に加え、臭化アルキルを滴下することによりフェロセン
アルキルアルキンエーテルを得、これをピリジンに溶解
して、酢酸銅のピリジン−メタノール溶液中に滴下する
ことにより標記の複核フェロセンを得る。
このようにして得た化合物の同定はIRスペクトル、1H
−NMRスペクトル、質量スペクトル、元素分析等によれ
ばよい。IRスペクトルはKBr錠剤法等を適用して測定す
る。
IRスペクトルには、例えば、Mt=Fe、R1=R2=R3=R4
=CH2では、νc-o-c1076cm-1、シクロペンタジエニル環
の振動に起因する吸収νRingTilt500cm-1、金属と環の
振動に起因する吸収νMR482cm-1等が出現する。
また、1H−NMRスペクトルはクロロホルムベンゼン等
の溶媒中で測定する。
上記の化合物の1H−NMRスペクトルには、アセチレン
基に隣接するHの吸収2.28ppm、シクロペンタジエニル
環に隣接するO−CH2−CのHの吸収4.00〜4.33ppm等が
出現する。
さらに、上記の化合物において、質量スペクトルに
は、m/e:506(M+)、電子スペクトル(アセトニトリ
ル)には、 λmax(log ε)310(2.42)nmおよび438(2.42)nmに
ピークが現われる。
本発明の複核フェロセンは紫外線等によって光重合性
を有する。紫外線重合後のポリマーは下記一般式(II
I)のようになる。
一般式(III) このポリマーの形成は、IRスペクトル等によって確認
される。
すなわち、紫外線照射後の上記の化合物のポリマーで
は、ジアセチレン基が重合したときに生じるC=C結合
の伸縮振動に帰属される吸収νC=C1670が新たに観測さ
れる。
ラマンスペクトルは、IR不活性な部分が観察でき、重
合後のジアセチレン部分がポリジアセチレン構造をとっ
ているのか、ブタトリエン構造をとっているのか判別で
きる。
上記の化合物のラマンスペクトルでは、C≡Cに基づ
くピークが紫外線の照射前において2270cm-1に、照射後
においては2258cm-1に観察される。このことから本発明
の複核フェロセンの重合形態はポリジアセチレン構造を
有している。
本発明の複核フェロセンの電荷移動錯体は、模式的に
下記式(IV)で示されるものである。
式(IV) EA←Mc−R3−O−R1−DAc−R2−O−R4−Mc→EA 上記式(IV)において、EAは電子受容性化合物を表わ
す。
電子受容性化合物(EA)としては、下記のものが好適
である。
I.ヨウ素(I2)等のハロゲン類; II.2.3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン
(DDQ)等のキノン類; III.テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、オクタデシル
テトラシアノキノジメタン(ODTCNQ)、メチルテトラシ
アノキノジメタン(MTCNQ)、テトラデシルテトラシア
ノキノジメタン(TDTCNQ)、ドコシルテトラシアノキノ
ジメタン(DCTCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノ
ジメタン(F4TCNQ)、フルオロテトラシアノキノジメタ
ン(FTCNQ)、1,3−ジメチルテトラシアノキノジメタン
(DMTCNQ)、ジチオフェンテトラシアノキノジメタン、
ビス−1,2,5−チアジアゾテトラシアノキノジメタン等
のTCNQ類; IV.p−ジシアノキノジイミン(DCNQI)等のキノジイミ
ン類; V.ヘキシルシアノブタジエン(HCBD); VI.p−クロラニル、p−イオダニル等のキノン類; VII.M−1,3−ジチオール−2−チオン−4,5−ジチオレ
ート(M=Ni、Au)等のMetal−(dnit)2類; VIII.Ni−ジマレオニトリルジチオレート等のMetal−
(mnt)2類など。
以下に、本発明の複核フェロセンの電荷移動錯体の好
ましい合成法をスキーム2に示すが、これらに限定され
るものではない。
次に本発明の複核フェロセンの電荷移動錯体の合成法
について説明する。
まず、室温、窒素下でベンゼンに複核フェロセンを溶
解し、この中にジクロロジシアノ−P−ベンゾキノン
(DDQ)またはヨウ素等のベンゼン溶液を滴下して黒色
の析出物を得る。
なお、DDQの場合、得られた電荷移動錯体は、合成直
後はベンゾセミキノンアニオンであるが、空気中の水分
などによりフェノキサイドとなる。
このような電荷移動錯体は、上記に準じてポリマー化
できるが、この他上記のとおりポリマー化した後、電荷
移動錯体としてもよい。
〈実施例〉 以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1 1,6−ビス(フェロセニルメトキシ)ヘキサ−2,4−ジイ
ンの合成 (1−1)(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニ
ウムアイオダインの合成 N,N−ジメチルアミノメチルフェロセン49.00g(2.01
×10-1mol)を同量のメタノールに溶解し、氷浴で十分
冷やした。
ヨウ化メチル20ml(3.21×10-1mol)を滴下し、溶液
を5分間還流した。室温まで冷えた後、エーテルを約1
加えた。沈殿物をロ別し、色がなくなるまでエーテル
で十分に洗浄した。収量は76gで収率にして98%であっ
た。
赤外吸収スペクトル(KBr)波数/cm-1:513(ν ring t
ilt)、496(ν metal−ring stretch) (1−2)ハイドロキシメチルフェロセンの合成 1Nの水酸化ナトリウム溶液800mlに(フェロセンメチ
ル)トリメチルアンモニウムアイオダイド80.20g(20.8
×10-1mol)を加え、懸濁液にした。混合物を2時間還
流した。その間に、濡らしたリトマス試験紙でトリエチ
ルアミンの発生を確認した。エーテルで抽出し、水層が
中性になるまで洗浄した。
無水硫酸マグネシュウムで乾燥し、n−ヘキサンで再
結晶をした。収量は33.80gで収率にして75%であった。
赤外吸収スペクトル(KBr)波数/cm-1:3250(νO−
H)、990(νC−O)、500(ν ring tilt)、482
(ν metal−ring stretch);1H−NMR(CDCl3)/δpp
m:1.63(S、OH)、4.00〜4.22(m、Cp)、4.27(s、
CH2);質量スペクトルm/e:216(M+)。
(1−3)フェロセニルメチルプロパギルエーテルの合
成 氷浴中にて、DMF825mlに水素化ナトリウム(含有率60
%)6.00g(1.50×10-1mol)を加え攪拌した。
ハイドロキシメチルフェロセン33.00g(1.53×10-1mo
l)を少しづつ加え、氷浴を取り去り室温にて15分間攪
拌した。
再び氷浴中にて10mlのDMFで希釈した臭化プロパギル1
1.57ml(1.53×10-1mol)を滴下した。約40℃で約一晩
(12時間以上)攪拌した。多量の水を加えエーテルで抽
出した。エーテル層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシュ
ウムで乾燥した。ジクロロメタン・n−ヘキサンで再結
晶した。
収量は26.24gであり、収率にして68%であった。
赤外吸収スペクトル(KBr)波数/cm-1:3255(ν≡C−
H)、2149 (νC≡C)、1070(νC−O−C)、502(ν ring t
ilt)、485(ν metal−ring stretch);1H−NMR(CCl
4)/δppm:2.28(t、≡C−H)、3.83〜4.17(m、C
p・O−CH2−C)、4.40(t、Fc−CH2−O)、;質量
スペクトルm/e:254(M+)。
元素分析:C14H13O1Fe1として 理論値 C 66.43%、H 5.17%、O 6.32%、Fe 22.07% 実測値 C 66.12%、 5.5%、O−、Fe− (1−4)1,6−ビス(フェロセニルメトキシ)ヘキサ
−2,4−ジインの合成 混合溶媒中(ピリジン:メタノール=1:1)140mlに酢
酸銅(一水和物)11.80g(5.91×10-2mol)を溶解し
た。
ピリジンに溶解したフェロセニルメチルプロパギルエ
ーテル10.00g(3.94×10-2mol)を滴下した。約12時
間、室温にて攪拌した。
氷浴(塩入り)で冷しながら、18N硫酸約130mlをゆっ
くりと攪拌しながら滴下した。エーテルで抽出し、水で
洗浄した。
硝酸銀水溶液(6.69g、3.94×10-2mol)で洗浄し、フ
ェロセニルメチルプロパギルエーテルを取り除いた。再
びエーテル層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシュウムで
乾燥した。溶出溶媒に石油エーテル:エーテル=1:9を
用いて、アルミナカラム(約80g)で精製した。石油エ
ーテルで再結晶した。収量は4.96gであり、収率にして5
0%であった。
赤外吸収スペクトル(KBr)波数/cm-1:1076(νC−O
−C)、500(ν ring tilt)、482(ν metal−ring s
tretch);1H−NMR(CDCl3)/δppm:2.28(t、≡C−
H)、4.00〜4.33(m、Cp・O−CH2−C)、4.33
(s、Fc−CH2−O)、;質量スペクトルm/e:506
(M+);電子スペクトル(アセトニトリル):λ max/n
m(log ε):310(2.42)、438(2.42)。
元素分析:C28H26O2Fe2として 理論値 C 66.43%、H 5.18%、O 6.32%、Fe 22.07% 実測値 C 66.37%、 5.19%、O−、Fe− 得られた複核フェロセンモノマーのサイクリックボル
タンメトリーを、柳本製作所のポーラログラフィックア
ナライザーP−1100を使用し、三極式ボルタンメトリー
で行なった。
電解液には、支持電解質として0.1Mの過塩素酸テトラ
ブチルアンモニウム(TBAP)を加えた精製アセトニトリ
ルを用いた。
測定の前には、溶存酸素を除去するためにアンゴンガ
スを30分間通気した。
使用電極は、作用電極(WE)としてはグラッシーカー
ボン電極、対極(CE)としては白金電極、参照電極(R
E)として飽和カロメル電極(SCE)を使用した。
結果を第6図に示す。
得られた複核フェロセンモノマーは、酸化側には一つ
の酸化波を、再還元側にも一つの還元波を示す。すなわ
ち可逆的な二電子的一段階反応が見受けられる。
これは二核フェロセン分子全体において、酸化還元部
位である鉄原子が同時に酸化還元されていることを示
す。つまり、一分子中の二つのフェロセンが一つづつ酸
化還元されているのではない。
もし違うのであるならば複核フェロンのどちらか一方
が最初に酸化される。これがサイクリックボルタンメト
リーの第一酸化ピークになる。続いて掃引していくと残
りのフェロセン部分が酸化される。
これが第二酸化ピークとなる。再還元側もこれと同じ
ことが起る。
よって、酸化側と再還元側において2つのピークがあ
る可逆波となる。また、得られたフェロセン複核錯体は
0.56Vに酸化ピークが観察される。
実施例2 1,6−ビス(フェロセニルメトキシ)ヘキサ−2,4−ジイ
ンの重合 実施例1で合成した複核フェロセンを前処理すること
なくそのまま用い、重合の光源として、東芝(株)製の
殺菌灯(GL−15)を用いた。その光源の最大吸収波長は
253.7nmの紫外線ランプである。
(2−1)IR測定 KBr錠剤法にて測定を行なった。測定は、同一サンプ
ルを紫外線照射前後に行なった。KBr錠剤サンプルは、
石英管に詰め、乾燥窒素で置換し、紫外線を照射した。
測定装置は、日本分光(株)製のA−302を用いた。
結果を第1図に示す。
複核フェロセンは、紫外線照射後に1670cm-1に新しい
吸収がみられた。これらの新しい吸収は、C=Cの伸縮
に基づくものである。
これは、ジアセチレン部分が重合したものである。
(2−2)ラマンスペクトル測定 被測定物をIRの錠剤成形機にてペレット状にして紫外
線を照射した。
各サンプルは、熱による影響を受ける可能性があるの
で試料回転装置にて測定を行なった。
測定装置は、日本分光(株)製のNR−1100を用いた。
得られた結果を第2図および第3図に示す。
本実施例の化合物は、紫外線の照射前において2270cm
-1に、照射後においては2258cm-1に、C≡Cに基づくピ
ークが観察される。
また、照射後においては、C=Cに基づくピークが15
60cm-1付近に観察される。これらのことより1,6−ビス
(フェロセニルメトキシ)ヘキサ−2,4−ジインにおい
ては、ポリジアセチレン構造を持つ重合が行なわれてい
ると考えられる。
(2−3)可視スペクトル測定 試料をIRの錠剤成形機にてKBr錠剤にした。紫外線を
照射したものと未照射のものについて、大塚電子(株)
製の瞬間マルチ測光検出器MCPD−1000を使い、行なっ
た。結果を第4図および第5図に示す。
本実施例の化合物は、紫外線照射前と照射後を比べる
と、約500〜700nmにかけて吸収の増大が観察される。
この吸収の増大は、ポリジアセチレンの吸収による赤
膜(λmax=540nm)と青膜(650nm)に相当するものと
考えられる。
特に、540nm付近の吸収増大が大きいことより、赤膜
の形成割合が多いと考えられる。
また、この赤と青の色の違いは、有効共役鎖長の違い
によるものと考えられる。
実施例3 複核フェロセンモノマーの電荷移動錯体の合成 (3−1)1,6−ビス(フェロセニルメトキシ)ヘキサ
−2,4−ジイン2+(DDQH-)2の調製(DDQH-;2,3−ジクロロ
−5,6−ジシアノ−4−ヒドロキシフェノキサイド) 室温、窒素下にてベンゼンに実施例1のフェロセンモ
ノマー1.00g(1.98×10-3mol)を溶解した。
DDQ 0.90g(3.96×10-3mol)のベンゼン溶液を激しく
攪拌しながら滴下した。黒色の析出物をロ別し、乾燥し
た。アセトニトリルにて再結晶した。
収量は0.80gであり、収率にして43%であった。
元素分析:C44H28O6N4Cl4Fe2として 理論値 C 54.92%、H 2.93%、O 9.98%、N 5.82% Cl 14.74%、Fe 22.07% 実測値 C 54.32%、H 2.92%、O−、N 6.33% なお、ベンゼンは精製を行なった。2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)は、一級品
(東京化成工業(株))を3回ベンゼンで再結晶したも
のを用いた。その他の試薬は、試薬特級(和光純薬工業
(株))もしくは、一級(和光純薬工業(株))をその
まま用いた。
(3−2)1,6−ビス(フェロセニオメトキシ)ヘキサ
−2,4−ジイン2+(I3 -)2の調製 ベンゼンに実施例1のフェロセンモノマー1.00g(1.9
8×10-3mol)を溶解した。
ヨウ素1.50g(1.19×10-2mol)のベンゼン溶液を激し
く攪拌しながら滴下した。その後、約50℃で15分間攪拌
した。
室温になるまで放置し、黒色の析出物をロ別し、ベン
ゼンで充分洗浄した。真空ポンプで充分乾燥した。
収量は1.14gであり、収率にして45%であった。
元素分析:C28H26O2Fe2I6として 理論値 C 26.53%、H 2.07%、O 2.52%、 Fe 8.81%、I 60.07% 実測値 C 27.17%、H 2.32% 得られた電荷移動錯体の電解電子スペクトルを、
(株)日本分光のUVIDEC−505で測定した。
柳本製作所のポーラログラフィックアナライザーP−
1100を使用し、三極式ボルタンメトリーで行なった。
電解液には、支持電解質として0.1Mの過塩素酸テトラ
ブチルアンモニウム(TBAP)を加えた精製アセトニトリ
ルもしくはクロロホルムを用いた。使用電極は、作用電
極(WE)としては白金メッシュ、対極(CE)としては白
金ワイヤー、参照電極(RE)として飽和カロメル電極
(SEC)を使用した。
結果を第7図に示す。
得られた複核フェロセンは、鉄のd−d遷移にもとづ
く430nmの吸収の減少は認められなかったが、フェリシ
ニウムに基づく630nm付近の新しい吸収が認められた。
これはフェリシニウムが支持電解質と形成した塩が溶
媒に溶けずに濁りを生じたために吸収が全体的に増加し
たためである。
従って、サイクリックボルタンメトリーの酸化ピーク
がフェリシニウムによるものであると帰属できる。
このように電気化学的方法を用いるとフェロセンが酸
化されフェリシニウムが生じることが分かった。
得られた電荷移動錯体中の鉄の原子価状態を観察する
ため、メスバウアー効果測定、EPR測定およびIR測定を
行なった。
メスバウアー効果測定の結果、DDQ錯体の場合は文献
値とよく一致した異性体シフトを示すことからフェロセ
ンの鉄の原子価は3価となっている。
このことは、測定結果が鉄の2価、3価を示す二組の
タブレットが得られず、一組のタブレットとなったこと
により確認される。すなわち、中心鉄はメスバウアーの
タイムスケールより速く非局在化している。
EPR測定の結果、DDQ錯体およびヨウ素錯体とも、フェ
ロセンの鉄原子における3d軌動のe2gの一つが酸化によ
って引き抜かれ、フェロセンが鉄3価の低スピン錯体で
あることが確認された。
すなわち鉄原子の不対電子が確認できたことによりフ
ェロセン部分が酸化されフェリシニウムとなっているこ
とが明らかである。
IR測定においては、800〜900cm-1にフェロセンのC−
Hの変角に基づく吸収があらわれ、鉄原子の原子価状態
により、シフトすることが知られている。エーテル化合
物は、811cm-1と824cm-1にC−Hの変角吸収がみられ
る。そころが、この吸収がDDQ錯体では、827cm-1にシフ
トしている。これは、DDQ錯体の電荷移動が、IRのタイ
ムスケール(〜10-12s)より速いことを示しており、I
RのタイムスケールにおいてDDQ錯体の電荷は非局在状態
であるといえる。
一方、ヨウ素錯体は、C−Hの変角吸収が847cm-1
シフトしている。
ヨウ素錯体においては、電荷移動がIRのタイムスケー
ル(〜1012s)より遅いことを示しており、IRのタイム
スケールにおいてヨウ素錯体の電荷は局在状態であると
いえる。このようにIR測定では、カウンターアニオンの
違いによる電荷移動の変化が観察された。
実施例4 複核フェロセンポリマーの電荷移動錯体の合成 (4−1)ジクロロジシアノ−P−ベンゾキノン(DD
Q)電荷移動錯体 室温、窒素下にてベンゼンに実施例2のフェロセンポ
リマー0.20g(3.95×10-4unit−mol)を分散させた。DD
Q 0.18g(7.90×10-4mol)のベンゼン溶液を激しく攪拌
しながら滴下した。黒色の析出物をロ別し、ベンゼンで
充分に洗浄し、真空ポンプで充分乾燥した。
収量は0.30gであり収率にして79%である。
元素分析:unit当たりC44H28O6N4Cl4Fe2として 理論値 C 54.92%、H 2.93%、O 9.98%、N 5.82%、 Cl 14.7%、Fe 22.07% 実測値 C 55.10%、H 2.92%、O−、N 5.65%、 Cl−、Fe− (4−2)ヨウ素電荷移動錯体 2)重合後のヨウ素による電荷移動錯体の調製 ベンゼンに実施例2のフェロセンポリマー0.20g(3.9
5×10-4unit−mol)を分散させた。ヨウ素0.30g(2.37
×10-3mol)のベンゼン溶液を激しく攪拌しながら滴下
した。その後、約50℃で15分間攪拌した。室温になるま
で放置し、黒色の析出物をロ別し、ベンゼンで充分洗浄
し、真空ポンプで充分乾燥した。
収量は0.45gであり収率にして90%である。
元素分析:unit当たりC28H26O2Fe2I6として 理論値 C 26.53%、H 2.07%、O 2.52%、Fe 8.81%、 I 60.07% 実測値 C 28.14%、H 2.26%、O−、Fe−、I− 以上の試料調製においては、ベンゼンは通常の方法で
精製を行なった。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−
ベンゾキノンは一級品(東京化成工業(株))を3回ベ
ンゼンで再結晶したものを用いた。ヨウ素は、試薬特級
(和光純薬工業(株))もしくは、一級(和光純薬工業
(株))をそのまま用いた。
(4−3)得られた電荷移動錯体の電導度測定 得られた電荷錯体をIRの錠剤成形機を用いて、約600k
g/cm2の力を加え、直径13mmのペレットを作った。この
ままでは、強度が電導度測定において不足する(測定針
を刺すため)ので、一辺が約15mmの正方形のケント紙に
接着剤を用いて貼り付けて補強をした。なお、貼り付け
るときには、直径13mmの円をケント紙に書き、その部分
のみに接着剤を塗った。
電導度測定は、4探針法により測定した。
測定機器は、ADVANTEST(株)製 DIGITAL MULTIMETER TR6846(電圧測定用)、同社製PREAMPLIFIE
R TR8401(プレアンプ)、同社製VIBRATING REED ELECT
ROMETER TR8411(電流計)、同社製HIGH VOLTAGE POWER
SUPPLY TR300C(電源)、島津製作所(株)製CS−3A
(真空ユニット)、同製作所(株)製IONIZATION GAUGE
MODEL IG−11(真空計)、テクノロ工業(株)製PROGR
AMMBLE TEMPERATURE CONTROLLER TRF−100(温度制御装
置)を使用した。
電導度の結果を第8図と表1に示す。
比電導度は次のように求めた。
電導度はσは次の式で求まる。
σ=(I/V){S1 -1+S2 -1−(S1+S2-1−(S2+S3
-1}・(1/2π) (4.3.1) S1、S2、S3は各探針間の距離である。
各探針間の距離をそれぞれ等しいS(S=3mm)にす
ると、 σ=I/2πSV (4.3.2) となる。以上の式(4.3.2)を用いて電導度を算出し
た。
活性化エネルギーΔEaは次のように求めた。高分子の
σは一般に式(4.3.3)て表わされる温度依存性を示
す。
σ=σ0exp(−ΔEa/kT) (4.3.3) σ:比電導度 k:ボルツマン定数 T:絶対温度 ΔEa:活性化エネルギー σ0:定数 σの逆数は、比抵抗となることにより、σ=1/ρとな
る。よって、 1nσ=(−ΔEa/k)(1/T) +1nσ0 (4.3.4) 従って、1/Tに対してlog σをプロットすると第8図
が得られる。
ところで、1eV=1.602189×10-19Jより k=1.38066×10-23 JK-1 =8.61734×10-5 eVK-1となる。
ゆえに図の直線の傾きと式(4.3.5)より、 e・傾き=−ΔEa/k 傾き=(−ΔEa/k)・e-1 (4.3.5) よって、式(4.3.5)より各サンプルの活性化エネル
ギーを求めた。
エーテル化合物のモノマーとポリマーの電導度は、10
-7S/cm程度である。これは、どちらも電荷移動錯体が形
成されてなく、ドープされてない状態であるのでこのよ
うな値になったものと考えられる。また、DDQ錯体では
ドープしたにも関わらず電導度の向上がみられないのは
分子間での電子移動が行なわれていないためと考えられ
る。そこで、紫外線を照射したサンプルを見ると、約31
5K付近では1桁程度電導度が向上している。
第8図と表1は、モノマーに紫外線を照射し、その後
に電荷移動錯体を形成したもののデータである。DDQ錯
体は、電荷移動錯体を形成してから紫外線を照射したも
のとほぼ同じような結果であった。高分子化による効果
は後から電荷移動錯体を形成しても変わらず、同じよう
な電導度を示す。ヨウ素錯体の電導度は、高分子化して
から電荷移動錯体を形成するモノマーのヨウ素錯体と比
べてわずかではあるが、向上したのが認められた。ま
た、ヨウ素錯体の活性体の活性化エネルギーが表に示さ
ない0.55eVから1.15eVに上昇しているのは、高分子化の
影響である。
〈発明の効果〉 本発明によれば、新規なジアセチレン基を含む複核フ
ェロセンおよびその重合体が得られる。また、本発明に
よれば、ジアセチレン基を含む複核フェロセンおよびそ
の重合体の新規な電荷移動錯体が得られる。
上記高次構造を有する化合物は導電性、触媒、センサ
材料、表示記録材料などの機能を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は複核フェロセンポリマーの特性を示
し、第1図はIR測定図、第2図および第3図はラマン測
定図、第4図および第5図は可視スペクトル測定図であ
る。 第6図および第7図は、複核フェロセンモノマー電荷移
動錯体の特性を示し、第6図は、サイクリックボルタン
メトリー測定図であり、第7図は、電解電子スペクトル
測定図を示す。 第8図は、複核フェロセンポリマー電荷移動錯体の電導
度測定図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 17/02 C08F 38/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 Mc−R3−O−R1−DAc−R2−O−R4−Mc (ただし、R1、R2、R3およびR4はアルキレン基を、Mcは
    フェロセン残基を、DAcはジアセチレン基を表わす。) で示されることを特徴とするジアセチレン基を含む複核
    フェロセン。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のジアセチレン基を含む複
    核フェロセンを、前記ジアセチレン基により重合したこ
    とを特徴とする複核フェロセンのポリマー。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のジアセチレン基を含む複
    核フェロセンと、電子受容性化合物とから形成されるこ
    とを特徴とする複核フェロセンの電荷移動錯体。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の複核フェロセンのポリマ
    ーと、電子受容性化合物とから形成させることを特徴と
    する複核フェロセンポリマーの電荷移動錯体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005167175A (ja) * 2003-12-04 2005-06-23 Novaled Gmbh 有機半導体をキノンジイミン誘導体によってドーピングする方法

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