JP2918881B1 - 半導体発光装置とその製造方法並びに光導波路装置とその製造方法 - Google Patents

半導体発光装置とその製造方法並びに光導波路装置とその製造方法

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JP2918881B1
JP2918881B1 JP18735198A JP18735198A JP2918881B1 JP 2918881 B1 JP2918881 B1 JP 2918881B1 JP 18735198 A JP18735198 A JP 18735198A JP 18735198 A JP18735198 A JP 18735198A JP 2918881 B1 JP2918881 B1 JP 2918881B1
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multilayer reflective
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Abstract

【要約】 【課題】 従来技術に比較してより容易にDBR多層膜
を有する半導体発光装置とその製造方法を提供する。 【解決手段】 半導体活性層14を2つの電極11,1
2により挟設し、電極11,12間に直流電圧を印加す
ることにより、キャリアを注入して半導体活性層におけ
るキャリアの再結合により発光する半導体発光装置10
である。ここで、原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法
を用いて、半導体活性層14において所定の間隔で互い
に対向する位置をそれぞれ、所定の微細間隔で周期的に
酸化することにより、互いに対向してそれぞれ周期的な
屈折率変化を有する少なくとも1組の多層反射膜41,
42を形成して、これら多層反射膜41,42を共振器
用ミラーとして用いてレーザ発振させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体レー
ザ装置などの半導体発光装置とその製造方法、並びに、
例えば光導波路などの光導波路装置とその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ装置などの半導体発光装置
において、共振器のための鏡として素子内部に分布ブラ
ッグ反射(Distributed Bragg Reflection;以下、DB
Rという。)多層膜を作製する方法が提案され、この方
法を用いて半導体レーザ装置において、所定の間隔でD
BR多層膜を形成することにより共振器を形成して、レ
ーザ発振させることが知られている。ここで、DBR多
層膜とは光屈折率分布を周期構造にして高い反射率を得
るもので、1周期の長さが発光波長の1/4となる微細
構造である。
【0003】一方、DBR多層膜を1次元方向のみでは
なく2次元、あるいは3次元方向にも形成する光の閉じ
込め構造、いわゆるフォトニック結晶が提案されてお
り、自然放出光の完全制御や、極低消費電力素子の実現
が期待されている。しかしながら、フォトニック結晶に
ついては理論検討が中心で素子の作製及び動作はまだ確
認されていない。
【0004】また、グレーティング(回折格子)光導波
路は従来、表面露光処理あるいは化学的エッチング法な
どによって作製されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】DBR多層膜を分子線
エピタキシャル結晶成長法(以下、MBE結晶成長法と
いう。)によって形成する場合、1μmの成長に約1時
間を要する。通信用の発光素子であれば発光波長が1.
5μmであるから、成長に長時間必要としない。しかし
ながら、近年の量子カスケードレーザの提案により2μ
mから300μm以上の長波長レーザの実現可能性が出
てきた。このような長波長レーザのDBR多層膜をMB
E結晶成長法によって形成すると大変長時間の作業時間
を要するために、制作コストが膨大になってしまうとい
う問題点があった。
【0006】一方、フォトニック結晶については理論検
討が中心で素子の作製方法がまだ完成されていない。す
なわち微細な3次元閉じ込め構造を精度よく作製する技
術はまだ確立されていない。
【0007】また、グレーティング光導波路を形成する
方法の表面露光処理あるいは化学的エッチング法など
は、その分解能はマイクロメートルオーダであるため微
細構造を作製することは現状では不可能となっている。
グレーティング光導波路の反射及び透過特性は1周期の
長さに大きく依存するため、従来技術では反射及び透過
特性を微調整することができないという問題点があっ
た。
【0008】本発明の目的は以上の問題点を解決し、従
来技術に比較してより容易にDBR多層膜又は3次元光
閉じ込め構造を有する半導体発光装置とその製造方法、
並びに、光導波路装置とその製造方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体発光
装置は、半導体活性層を2つの電極により挟設し、上記
2つの電極間に直流電圧を印加することにより、キャリ
アを注入して上記半導体活性層におけるキャリアの再結
合により発光する半導体発光装置において、原子間力顕
微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半導体活性層
において所定の間隔で互いに対向する位置をそれぞれ、
所定の微細間隔で周期的に酸化することにより、互いに
対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有する少なくと
も1組の多層反射膜を形成して、上記少なくとも1組の
多層反射膜を共振器用ミラーとして用いてレーザ発振さ
せることを特徴とする。
【0010】また、上記半導体発光装置において、好ま
しくは、少なくとも3組の上記多層反射膜を形成して、
発光する光を閉じ込める構造を有してレーザ発振させ
る。
【0011】本発明に係る半導体発光装置の製造方法
は、半導体活性層を2つの電極により挟設し、上記2つ
の電極間に直流電圧を印加することにより、キャリアを
注入して上記半導体活性層におけるキャリアの再結合に
より発光する半導体発光装置の製造方法において、原子
間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半導体
活性層において所定の間隔で互いに対向する位置をそれ
ぞれ、所定の微細間隔で周期的に酸化することにより、
互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有する少
なくとも1組の多層反射膜を形成するステップを含み、
上記少なくとも1組の多層反射膜を共振器用ミラーとし
て用いてレーザ発振させることを特徴とする。
【0012】本発明に係る半導体発光装置は、半導体活
性層に励起光を入射して上記半導体活性層を光励起する
ことにより生成されたキャリアの再結合により発光する
半導体発光装置において、原子間力顕微鏡(AFM)微
細加工法を用いて、上記半導体活性層において所定の間
隔で互いに対向する位置をそれぞれ、所定の微細間隔で
周期的に酸化することにより、互いに対向してそれぞれ
周期的な屈折率変化を有する少なくとも1組の多層反射
膜を形成して、上記少なくとも1組の多層反射膜を共振
器用ミラーとして用いてレーザ発振させることを特徴と
する。
【0013】また、上記半導体発光装置において、好ま
しくは、少なくとも3組の上記多層反射膜を形成して、
発光する光を閉じ込める構造を有してレーザ発振させ
る。
【0014】本発明に係る半導体発光装置の製造方法
は、半導体活性層に励起光を入射して上記半導体活性層
を光励起することにより生成されたキャリアの再結合に
より発光する半導体発光装置の製造方法において、原子
間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半導体
活性層において所定の間隔で互いに対向する位置をそれ
ぞれ、所定の微細間隔で周期的に酸化することにより、
互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有する少
なくとも1組の多層反射膜を形成するステップを含み、
上記少なくとも1組の多層反射膜を共振器用ミラーとし
て用いてレーザ発振させることを特徴とする。
【0015】本発明に係る光導波路装置は、光導波路基
板にグレーティング光導波路を備えた光導波路装置にお
いて、原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、
上記光導波路基板の所定の位置を、所定の微細間隔で周
期的に酸化することにより、それぞれ周期的な屈折率変
化を有する少なくとも1組の多層反射膜を形成し、上記
少なくとも1組の多層反射膜をグレーティング光導波路
のミラーとして用いることを特徴とする。
【0016】また、上記光導波路装置において、好まし
くは、上記光導波路基板上で上記多層反射膜を略リング
形状で形成し、上記多層反射膜の一部を貫通するように
形成された少なくとも1個の光入射孔と、上記多層反射
膜の他の一部を貫通するように形成された少なくとも1
個の光出射孔とを備え、上記光入射孔を介して光を入射
した後、入射した光を上記多層反射膜により反射させた
後、上記光出射孔を介して出射させることを特徴とす
る。
【0017】本発明に係る光導波路装置の製造方法は、
光導波路基板にグレーティング光導波路を備えた光導波
路装置の製造方法において、原子間力顕微鏡(AFM)
微細加工法を用いて、上記光導波路基板の所定の位置
を、所定の微細間隔で周期的に酸化することにより、そ
れぞれ周期的な屈折率変化を有する少なくとも1組の多
層反射膜を形成するステップを含み、上記少なくとも1
組の多層反射膜をグレーティング光導波路のミラーとし
て用いることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0019】図1は、本発明に係る第1の実施形態であ
る半導体発光装置10の構造を示す縦断面図である。こ
の実施形態の半導体発光装置10は、図1に示すよう
に、半導体活性層14を2つの電極11,12により挟
設し、上記2つの電極11,12間に可変電圧直流電源
(以下、直流電源という。)30から直流電圧を印加す
ることにより、キャリアを注入して上記半導体活性層1
4におけるキャリアの再結合により発光する半導体発光
装置であり、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscop
e;以下、AFMという。)微細加工法を用いて、上記半
導体活性層14において所定の間隔で互いに対向する位
置をそれぞれ、所定の微細間隔d2で周期的に酸化する
ことにより、互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変
化を有する1組の多層反射膜41,42を形成して、こ
れら多層反射膜41,42を共振器用ミラーとして用い
てレーザ発振させることを特徴としている。
【0020】図1において、本実施形態の発光素子であ
る半導体発光装置10は、2つの電極11,12間に、
真性半導体i層である半導体活性層14をp型キャップ
層15とn型バッファ層13を介して挟設することによ
り形成されたp−i−n型ダイオード発光素子を備えて
いる。ここで、p型キャップ層15側より半導体基板2
0の一部をも酸化するように、AFM微細加工法による
酸化処理により所定の微細間隔d2で周期的に酸化し
て、複数の反射膜21からなるDBR多層反射膜41
と、複数の反射膜22からなるDBR多層反射膜42と
を、それぞれ互いに対向するように形成する。ここで、
多層反射膜41,42はそれぞれ周期的な屈折率変化を
有する。そして、半導体活性層14を多層反射膜41,
42により挟設することにより、多層反射膜41,42
を共振器用ミラーとして用いて、レーザ発振用共振器を
構成する。さらに、電極11,12間に直流電源30に
よって直流電圧を印加することにより、真性半導体i層
である半導体活性層14に対してキャリアを注入してそ
のキャリアの再結合により発光を得る。
【0021】以下、当該半導体発光装置10の製造方法
について説明する。本実施形態の半導体発光装置10
は、図1に示すように、裏面に平板形状のAuからなる
電極12が形成され、Siにてなるn型不純物イオンが
例えば注入量1018/cm3だけ注入されたn−GaA
sにてなる厚さ300μmのn型半導体基板20上に、
以下の各層が順次、n型半導体基板20から近接した側
から積層されて形成される。 (a)Siにてなるn型不純物イオンが例えば注入量1
18/cm3だけ注入されたn−GaAsにてなる厚さ
200nmのn型バッファ層13; (b)厚さ約600nmの真性半導体i層であるGaA
sからなる半導体活性層14; (c)Beにてなるp型不純物イオンが例えば注入量1
18/cm3だけ注入されたp−GaAsにてなる厚さ
110nmのp型キャップ層15;並びに、 (d)Auからなる電極11。
【0022】電極11は直流バイアス電圧Vbの可変直
流電源30の負極及び正極を介して電極12に接続され
る。これによって、半導体発光装置10の電極11,1
2間に所定の直流電界が印加されることになる。
【0023】DBR多層反射膜41と42のそれぞれの
酸化部分の幅間隔d1及び酸化されない部分の幅間隔d
2は、発光波長k及びそれぞれの光屈折率をn1,n2
して次式を満たすようにAFM微細加工法を用いて酸化
処理を行う。
【0024】
【数1】d1=k/(4n1
【数2】d2=k/(4n2
【0025】また、多層反射膜41と42との間隔h
は、レーザ発振させる発光波長に依存して決定される。
【0026】AFM微細加工法を用いて酸化処理におい
ては、走査型トンネル顕微鏡(STM)の探針、あるい
は原子間力顕微鏡(AFM)のカンチレバーを化学反応
を生じさせる超微小な電極として用い、ナノスケールの
微小酸化細線を形成することができる。ここで、AFM
のカンチレバーに正の直流バイアス電圧を印加しかつ基
板に負の直流バイアス電圧を印加すると、カンチレバー
と、大気中の水分が吸着した基板表面間にはトンネル電
流と、水を介したファラデー(Faraday)電流が流れ、
酸化反応が生じる。この反応を利用して探針直下のみの
基板を酸化させ微小酸化細線を形成することができる。
この微小酸化細線は、電子に対してエネルギーバリアと
して働くため、電子デバイスを形成できる。本実施形態
では、酸化された部分は母体となるGaAsとは異なる
屈折率をもつ材料に変化するため、周期的な屈折率分布
を持つDBR多層反射膜41と42が形成される。
【0027】以上のように構成された半導体発光装置1
0において、半導体発光装置10の両端の電極11,1
2に直流電源30から所定の直流バイアス電圧を印加す
ると、電極11,12によりキャリアが注入されて、真
性半導体i層である半導体活性層14に流れ込み、キャ
リアの再結合により発光する。発光する光は対向する1
組のDBR多層反射膜41,42により構成される共振
器に閉じ込められ、共振器内部の多重反射の後、光出力
として例えば半導体発光装置10の横方向から取り出さ
れる。
【0028】以上詳述したように本実施形態に係る半導
体発光装置10によれば、半導体活性層14を有する半
導体発光装置10にそれぞれAFM微細加工法による酸
化処理によってDBR多層反射膜41,42を形成し
て、半導体活性層14を多層反射膜41,42により挟
設してなる共振器を形成したので、量子カスケードレー
ザのような長波長の発光素子では従来困難であったMB
E結晶成長法によるDBR多層反射膜の形成を、従来技
術に比較して比較的短時間でかつ低コストで行うことが
できる。また、AFM微細加工法を用いる表面酸化処理
の分解能は数ナノメートルであるため、従来の方法より
優れた微細加工能力を備えている。
【0029】以上の実施形態において、真性半導体i層
である半導体活性層14は、所望の発光波長を得るよう
に設計された多重量子井戸構造又は超格子構造を有する
半導体活性層であってもよい。
【0030】<第1の実施形態の変形例>以上の実施形
態においては、AFM微細加工法による酸化処理によっ
て1組のDBR多重反射膜41,42を備えた共振器を
有するp−i−n型ダイオード素子である半導体発光装
置10について述べているが、本発明はこれに限らず、
表1及び表2に示すn−i−n型発光素子又はn+−n-
−n+型発光素子であってもよい。
【0031】
【表1】 n−i−n型発光素子 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 層又は基板 組成 厚さ 不純物のドープ量 (/cm3),不純物 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― キャップ層15 n−GaAs 110nm 2×1018,Si 半導体活性層14 GaAs 600nm バッファ層13 n−GaAs 200nm 1018,Si 半導体基板20 n−GaAs 300μm 1018 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0032】
【表2】 n+−n-−n+型発光素子 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 層又は基板 組成 厚さ 不純物のドープ量 (/cm3),不純物 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― キャップ層15 n+−GaAs 110nm 5×1018,Si 半導体活性層14 n-−GaAs 600nm 1×1017,Si バッファ層13 n+−GaAs 200nm 1018,Si 半導体基板20 n+−GaAs 300μm 1018,Si ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0033】以上の実施形態においては、GaAsの材
料を用いているが、本発明はこれに限らず、その材料は
GaAsに限定されずAFMにより酸化が可能な発光材
料であれば何でもよい。その材料は、例えば、InGa
As,InP,InAs,GaNであればよい。
【0034】<第2の実施形態>図2は、本発明に係る
第2の実施形態である半導体発光装置50の構造を示す
部分分解斜視図であり、AFM微細加工法による酸化処
理によって形成された3次元光閉じ込め構造、すなわち
フォトニクス結晶の構造を有する半導体発光装置50を
示す。
【0035】本実施形態の半導体発光装置50は、図2
のz方向に関しては2つの電極11,12間に、真性半
導体層i層である半導体活性層53を、それぞれ真性半
導体層i層である超格子半導体層52,54により挟設
し、さらには、p型キャップ層55とn型バッファ層5
1により挟設し、ここで、半導体活性層53を、DBR
多層反射膜として動作する超格子半導体層52,54に
より挟設することにより形成された共振器を備えたp−
i−n型ダイオード発光素子を構成している。
【0036】一方、図2のx方向に関しては、キャップ
層55の表面側から半導体基板20の一部をも酸化する
ようにz方向で、AFM微細加工法による酸化処理によ
り所定の微細間隔d2で周期的に酸化して、複数の反射
膜23からなるDBR多層反射膜43と、複数の反射膜
24からなるDBR多層反射膜44とを、それぞれ互い
に対向するように形成する。また、図2のy方向に関し
ては、キャップ層55の表面側から半導体基板20の一
部をも酸化するようにz方向で、AFM微細加工法によ
る酸化処理により所定の微細間隔d2で周期的に酸化し
て、複数の反射膜25からなるDBR多層反射膜45
と、複数の反射膜26からなるDBR多層反射膜46と
を、それぞれ互いに対向するように形成する。ここで、
多層反射膜43,44,45,46はそれぞれ周期的な
屈折率変化を有する。そして、半導体活性層53を多層
反射膜43,44,45,46により挟設することによ
り、多層反射膜43,44,45,46を共振器用ミラ
ーとして用いて、レーザ発振用共振器を構成する。さら
に、電極11,12間に直流電源30によって直流電圧
を印加することにより、真性半導体i層である半導体活
性層53に対してキャリアを注入してそのキャリアの再
結合により発光を得る。
【0037】以下、第2の実施形態の半導体発光装置5
0の製造方法について説明する。本実施形態の半導体発
光装置50は、図1に示すように、裏面に平板形状のA
uからなる電極12が形成され、Siにてなるn型不純
物イオンが例えば注入量1018/cm3だけ注入された
n−GaAsにてなる厚さ300μmのn型半導体基板
20の上に、以下の各層が順次、n型半導体基板20か
ら近接した側から積層されて形成される。 (a)Siにてなるn型不純物イオンが例えば注入量1
18/cm3だけ注入されたn−GaAsにてなる厚さ
200nmのn型バッファ層51; (b)超格子構造を有する厚さ約600nmの真性半導
体i層(i−SL)である超格子半導体層52、ここ
で、超格子構造は、50周期のGaAs/AlAsから
なる; (c)厚さ約600nmの真性半導体i層であるGaA
sからなる半導体活性層53; (d)超格子構造を有する厚さ約600nmの真性半導
体i層(i−SL)54、ここで、超格子構造は、50
周期のGaAs/AlAsからなる; (e)Beにてなるp型不純物イオンが例えば注入量1
18/cm3だけ注入されたp−GaAsにてなる厚さ
110nmのp型キャップ層55;並びに、 (f)略中央部に厚さ方向に貫通する円形状の光出射孔
11hが形成されたAuからなる電極51。
【0038】電極12はバイアス電圧Vbの可変電圧直
流電源30の負極及び正極を介して電極11に接続され
る。これによって、半導体発光装置50の電極11,1
2間に所定の直流電解が印加されることになる。DBR
多層反射膜43,44,45,46のそれぞれの酸化部
分の幅間隔d1及び酸化されない部分の幅間隔d2は、
発光波長k及びそれぞれの光屈折率をn1,n2として次
式を満たすように周期d1,d2を定める。
【0039】
【数3】d1=k/(4n1
【数4】d2=k/(4n2
【0040】また、多層反射膜43と44との間隔h
1、多層反射膜45と46との間隔h2、及び多層反射
膜として動作する超格子半導体層52と54との間隔h
3とは、レーザ発振させる発光波長に依存して決定され
る。なお、上記超格子半導体層52,54は、例えば量
子井戸層がGaAsにてなり障壁層がAlAsにてなる
超格子構造を有し、その周期は所望の発光波長によって
決定される。
【0041】以上のように構成された半導体発光装置5
0において、半導体発光装置50の両端の電極11,1
2に直流バイアス電圧を印加すると、電極11,12か
らキャリアが注入されて真性半導体i層である半導体活
性層53に流れ込み、キャリアの再結合により発光す
る。ここで、発光する光は、z方向にはDBR多層反射
膜として動作する超格子半導体層52,54によって、
x方向にはDBR多層反射膜43,44によって、y方
向にはDBR多層反射膜45,46によって、3方向す
べてに構成された共振器によって閉じ込められ,共振器
内部の多重反射の後、光出力として光出射孔11hを介
して取り出される。
【0042】以上詳述したように本実施形態に係る半導
体発光装置50によれば、半導体活性層53を有する半
導体発光装置50にそれぞれAFM微細加工法による酸
化処理によってDBR多層反射膜43,44,45,4
6を形成するとともに、DBR多層反射膜として動作す
る超格子半導体層52,54を形成することにより、半
導体活性層53を3次元で挟設して閉じ込める3次元閉
じ込め構造を有する共振器を形成したので、量子カスケ
ードレーザのような長波長の発光素子では従来困難であ
ったMBE結晶成長法によるDBR多層反射膜の形成
を、従来技術に比較して比較的短時間でかつ低コストで
行うことができる。また、AFM微細加工法を用いる表
面酸化処理の分解能は数ナノメートルであるため、従来
の方法より優れた微細加工能力を備えている。さらに、
3次元閉じ込め構造を有する共振器を形成したので、よ
り効率的に発光する光を閉じ込めてより大きな強度を有
するレーザ発振光を出力させることができる。
【0043】以上の実施形態においては、z方向の反射
膜を結晶成長による超格子構造にて作製したが、本発明
はこれに限らず、バルクの結晶成長を行った後その側面
からAFM微細加工法による酸化処理によってz方向の
DBR多層反射膜を形成することも可能である。
【0044】<第3の実施形態>図3は、本発明に係る
第3の実施形態である光導波路装置60の構造を示す平
面図であり、図4は、図3のA−A’線についての断面
を示す断面図である。本実施形態の光導波路装置60
は、図3及び図4に示すように、光導波路基板であるI
nP基板61上にコア層62とInP層63を形成して
なる光導波路装置において、InP層63を形成する前
に、原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、コ
ア層62の所定の位置を、所定の微細間隔d2で周期的
に酸化することにより、それぞれ周期的な屈折率変化を
有する複数の反射膜70にてなる多層反射膜71を形成
し、多層反射膜71をグレーティング光導波路のミラー
として用いる。ここで、本実施形態では、多層反射膜7
1を略リング形状で形成し、上記多層反射膜71の一部
を貫通するように形成された光入射孔72と、上記多層
反射膜の他の一部を貫通するように形成された光出射孔
73,74,75とを備える。
【0045】以下、本実施形態の光導波路装置60の製
造方法について説明する。クラッド層となるInP基板
61上に、コア層62となる厚さ1μmのInGaAs
PをMBE結晶成長法により形成する。コア層62とな
るInGaAsPの一部をAFM微細加工法による酸化
処理によりグレーティング構造とし、その上からMBE
結晶成長法により厚さ1μmのInP層63を積層す
る。コア層62は二つのInP層61,63に挟まれた
スラブ導波路として機能する。AFM微細加工法による
酸化処理によるグレーティング構造部分はDBR多層反
射膜と同様に任意の波長に対してミラーの働きを有し、
その酸化部分70の幅間隔d1及び酸化されない部分の
幅間隔d2はそれぞれの屈折率n1,n2及び反射される
光の波長λより次式の関係で定まる。
【0046】
【数5】d1=λ/(4n1
【数6】d2=λ/(4n2
【0047】多層反射膜71の酸化パターンは幅間隔d
1,d2の繰り返し周期構造となる。図3の実施形態で
は酸化パターンはリング形状を有しており、そのリング
は4つの切れ目である光入出射孔72,73,74,7
5を有する。いま、波長1.5μmの半導体レーザ装置
のレーザダイオード110からレーザ光を、光ファイバ
ケーブル120、集光レンズ130及び光入射孔72を
介して100で示すようにリング内部に入射する。多層
反射膜71のリングは波長1.5μmのレーザ光を繰り
返し多重反射するような酸化パターンを有する。従っ
て、光入射孔72を介して入射したレーザ光はリング内
部を多重反射するのでリング内部に閉じ込められる。や
がてリングの切れ目である光出射孔73,74,75よ
り出力光として取り出される。
【0048】ここで、光出射孔73を介して出力される
レーザ光は、101で示すように、集光レンズ141及
び光ファイバケーブル142を介して光検出器143に
入力された後、光電変換されて検出される。また、光出
射孔74を介して出力されるレーザ光は、102で示す
ように、集光レンズ151及び光ファイバケーブル15
2を介して光検出器153に入力された後、光電変換さ
れて検出される。さらに、光出射孔75を介して出力さ
れるレーザ光は、103で示すように、集光レンズ16
1及び光ファイバケーブル162を介して光検出器16
3に入力された後、光電変換されて検出される。すなわ
ち、ひとつのレーザ光を分配して任意の出射方向が得ら
れるようにAFMによる酸化パターンが設計されてお
り、当該光導波路装置60は光分配器を構成している。
【0049】以上詳述したように本実施形態に係る光導
波路装置60によれば、光導波路基板上にそれぞれAF
M微細加工法による酸化処理によってリング形状の多層
反射膜71を形成することにより、光分配器を構成し
た。ここで、AFM微細加工法を用いる表面酸化処理の
分解能は数ナノメートルであるため、従来の方法より優
れた微細加工能力を備えており、より微細な光導波路部
品を形成することができる。
【0050】<第3の実施形態の変形例>図5は、第3
の実施形態の変形例である光導波路装置60aの構造を
示す平面図である。この変形例では、図5に示すよう
に、光導波路基板のコア層62に、互いに平行な複数の
反射膜76にてなる多層反射膜77を形成することによ
り、光反射ミラーを構成している。
【0051】図5において、形成された多層反射膜77
はグレーティング光導波路を形成しており、コア層62
の表面にAFM微細加工法による酸化処理により編模様
の酸化パターンを形成し、多層反射膜77のサンプルの
側面からレーザ光(ここでは、波長1.5μmの半導体
レーザ)を入射させる。酸化パターンの間隔d2はレー
ザ光を反射させることができるように定める。ここで
は、多層反射膜77の酸化パターンに対してレーザ光は
垂直ではなく、104で示すように斜めに入射させるこ
とにより光反射を起こして105で示すように出射させ
ることにより、レーザビームの伝搬方向を変化させるこ
とができる。ここで、レーザ光が酸化パターンに対し垂
直に入射すれば180度の反射となる。
【0052】以上詳述したように本変形例に係る光導波
路装置60aによれば、光導波路基板上にそれぞれAF
M微細加工法による酸化処理によって多層反射膜77を
形成することにより、光反射ミラーを構成した。ここ
で、AFM微細加工法を用いる表面酸化処理の分解能は
数ナノメートルであるため、従来の方法より優れた微細
加工能力を備えており、より微細な光導波路部品を形成
することができる。
【0053】<別の変形例>以上の第1と第2の実施形
態においては、半導体活性層を挟設する電極に直流電圧
を印加することにより、キャリアを注入して半導体活性
層におけるキャリアの再結合により発光するように構成
しているが、本発明はこれに限らず、電極を形成せず、
半導体活性層に所定の波長の励起光を入射して半導体活
性層を光励起して、それにより生成されたキャリアの再
結合により発光するように構成してもよい。この場合、
活性層14としては、GaAsを用いる。また、他の材
料としては、InGaAs,InP,InAs,GaN
を用いる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る半導体
発光装置によれば、半導体活性層を2つの電極により挟
設し、上記2つの電極間に直流電圧を印加することによ
り、キャリアを注入して上記半導体活性層におけるキャ
リアの再結合により発光する半導体発光装置において、
原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半
導体活性層において所定の間隔で互いに対向する位置を
それぞれ、所定の微細間隔で周期的に酸化することによ
り、互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有す
る少なくとも1組の多層反射膜を形成して、上記少なく
とも1組の多層反射膜を共振器用ミラーとして用いてレ
ーザ発振させる。従って、量子カスケードレーザのよう
な長波長の発光素子では従来困難であったMBE結晶成
長法によるDBR多層反射膜の形成を、従来技術に比較
して比較的短時間でかつ低コストで行うことができる。
また、AFM微細加工法を用いる表面酸化処理の分解能
は数ナノメートルであるため、従来の方法より優れた微
細加工能力を備えている。
【0055】また、上記半導体発光装置において、好ま
しくは、少なくとも3組の上記多層反射膜を形成して、
発光する光を閉じ込める構造を有してレーザ発振させ
る。従って、より効率的に発光する光を閉じ込めてより
大きな強度を有するレーザ発振光を出力させることがで
きる。
【0056】本発明に係る半導体発光装置の製造方法に
よれば、半導体活性層を2つの電極により挟設し、上記
2つの電極間に直流電圧を印加することにより、キャリ
アを注入して上記半導体活性層におけるキャリアの再結
合により発光する半導体発光装置の製造方法において、
原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半
導体活性層において所定の間隔で互いに対向する位置を
それぞれ、所定の微細間隔で周期的に酸化することによ
り、互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有す
る少なくとも1組の多層反射膜を形成するステップを含
み、上記少なくとも1組の多層反射膜を共振器用ミラー
として用いてレーザ発振させる。従って、量子カスケー
ドレーザのような長波長の発光素子では従来困難であっ
たMBE結晶成長法によるDBR多層反射膜の形成を、
従来技術に比較して比較的短時間でかつ低コストで行う
ことができる。また、AFM微細加工法を用いる表面酸
化処理の分解能は数ナノメートルであるため、従来の方
法より優れた微細加工能力を備えている。
【0057】本発明に係る半導体発光装置によれば、半
導体活性層に励起光を入射して上記半導体活性層を光励
起することにより生成されたキャリアの再結合により発
光する半導体発光装置において、原子間力顕微鏡(AF
M)微細加工法を用いて、上記半導体活性層において所
定の間隔で互いに対向する位置をそれぞれ、所定の微細
間隔で周期的に酸化することにより、互いに対向してそ
れぞれ周期的な屈折率変化を有する少なくとも1組の多
層反射膜を形成して、上記少なくとも1組の多層反射膜
を共振器用ミラーとして用いてレーザ発振させる。従っ
て、量子カスケードレーザのような長波長の発光素子で
は従来困難であったMBE結晶成長法によるDBR多層
反射膜の形成を、従来技術に比較して比較的短時間でか
つ低コストで行うことができる。また、AFM微細加工
法を用いる表面酸化処理の分解能は数ナノメートルであ
るため、従来の方法より優れた微細加工能力を備えてい
る。
【0058】また、上記半導体発光装置において、好ま
しくは、少なくとも3組の上記多層反射膜を形成して、
発光する光を閉じ込める構造を有してレーザ発振させ
る。従って、より効率的に発光する光を閉じ込めてより
大きな強度を有するレーザ発振光を出力させることがで
きる。
【0059】本発明に係る半導体発光装置の製造方法に
よれば、半導体活性層に励起光を入射して上記半導体活
性層を光励起することにより生成されたキャリアの再結
合により発光する半導体発光装置の製造方法において、
原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半
導体活性層において所定の間隔で互いに対向する位置を
それぞれ、所定の微細間隔で周期的に酸化することによ
り、互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有す
る少なくとも1組の多層反射膜を形成するステップを含
み、上記少なくとも1組の多層反射膜を共振器用ミラー
として用いてレーザ発振させる。従って、量子カスケー
ドレーザのような長波長の発光素子では従来困難であっ
たMBE結晶成長法によるDBR多層反射膜の形成を、
従来技術に比較して比較的短時間でかつ低コストで行う
ことができる。また、AFM微細加工法を用いる表面酸
化処理の分解能は数ナノメートルであるため、従来の方
法より優れた微細加工能力を備えている。
【0060】本発明に係る光導波路装置によれば、光導
波路基板にグレーティング光導波路を備えた光導波路装
置において、原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用
いて、上記光導波路基板の所定の位置を、所定の微細間
隔で周期的に酸化することにより、それぞれ周期的な屈
折率変化を有する少なくとも1組の多層反射膜を形成
し、上記少なくとも1組の多層反射膜をグレーティング
光導波路のミラーとして用いる。従って、AFM微細加
工法を用いる表面酸化処理の分解能は数ナノメートルで
あるため、従来の方法より優れた微細加工能力を備えて
おり、より微細な光導波路部品を形成することができ
る。
【0061】また、上記光導波路装置において、好まし
くは、上記光導波路基板上で上記多層反射膜を略リング
形状で形成し、上記多層反射膜の一部を貫通するように
形成された少なくとも1個の光入射孔と、上記多層反射
膜の他の一部を貫通するように形成された少なくとも1
個の光出射孔とを備え、上記光入射孔を介して光を入射
した後、入射した光を上記多層反射膜により反射させた
後、上記光出射孔を介して出射させる。従って、光導波
路で光分配器を構成することができ、ここで、AFM微
細加工法を用いる表面酸化処理の分解能は数ナノメート
ルであるため、従来の方法より優れた微細加工能力を備
えており、より微細な光導波路部品を形成することがで
きる。
【0062】本発明に係る光導波路装置の製造方法によ
れば、光導波路基板にグレーティング光導波路を備えた
光導波路装置の製造方法において、原子間力顕微鏡(A
FM)微細加工法を用いて、上記光導波路基板の所定の
位置を、所定の微細間隔で周期的に酸化することによ
り、それぞれ周期的な屈折率変化を有する少なくとも1
組の多層反射膜を形成するステップを含み、上記少なく
とも1組の多層反射膜をグレーティング光導波路のミラ
ーとして用いる。従って、AFM微細加工法を用いる表
面酸化処理の分解能は数ナノメートルであるため、従来
の方法より優れた微細加工能力を備えており、より微細
な光導波路部品を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態である半導体発
光装置10の構造を示す縦断面図である。
【図2】 本発明に係る第2の実施形態である半導体発
光装置50の構造を示す部分分解斜視図である。
【図3】 本発明に係る第3の実施形態である光導波路
装置60の構造を示す平面図である。
【図4】 図3のA−A’線についての断面を示す断面
図である。
【図5】 第3の実施形態の変形例である光導波路装置
60aの構造を示す平面図である。
【符号の説明】
10…半導体発光装置、 11,12…電極、 11h…光出射孔、 13…バッファ層、 14…半導体活性層、 15…キャップ層、 20…半導体基板、 21,22,23,24,25,26…反射膜、 30…可変電圧直流電源、 41,42,43,44,45,46…多層反射膜、 50…半導体発光装置、 51…バッファ層、 52…超格子半導体層、 53…活性層、 54…超格子半導体層、 55…キャップ層、 60,60a…光導波路装置、 61…InP基板、 62…コア層、 63…InP層、 70…反射膜、 71…多層反射膜、 72…光入射孔、 73,74,75…光出射孔、 76…反射膜、 77…多層反射膜、 100,104…入射光、 101,102,103,105…出射光、 110…レーザダイオード、 120…光ファイバケーブル、 130,141,151,161…集光レンズ、 142,152,162…光ファイバケーブル、 143,153,163…光検出器。
フロントページの続き (72)発明者 堂本 千秋 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール環 境適応通信研究所内 (72)発明者 江上 典文 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール環 境適応通信研究所内 (56)参考文献 特開 平7−176832(JP,A) 特開 平9−251947(JP,A) J Appl Phys,Vol. 83,No.4,p1844−1847,1998 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18 G02B 6/12 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体活性層を2つの電極により挟設
    し、上記2つの電極間に直流電圧を印加することによ
    り、キャリアを注入して上記半導体活性層におけるキャ
    リアの再結合により発光する半導体発光装置において、 原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半
    導体活性層において所定の間隔で互いに対向する位置を
    それぞれ、所定の微細間隔で周期的に酸化することによ
    り、互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有す
    る少なくとも1組の多層反射膜を形成して、上記少なく
    とも1組の多層反射膜を共振器用ミラーとして用いてレ
    ーザ発振させることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも3組の上記多層反射膜を形成
    して、発光する光を閉じ込める構造を有してレーザ発振
    させることを特徴とする請求項1記載の半導体発光装
    置。
  3. 【請求項3】 半導体活性層を2つの電極により挟設
    し、上記2つの電極間に直流電圧を印加することによ
    り、キャリアを注入して上記半導体活性層におけるキャ
    リアの再結合により発光する半導体発光装置の製造方法
    において、 原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半
    導体活性層において所定の間隔で互いに対向する位置を
    それぞれ、所定の微細間隔で周期的に酸化することによ
    り、互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有す
    る少なくとも1組の多層反射膜を形成するステップを含
    み、 上記少なくとも1組の多層反射膜を共振器用ミラーとし
    て用いてレーザ発振させることを特徴とする半導体発光
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体活性層に励起光を入射して上記半
    導体活性層を光励起することにより生成されたキャリア
    の再結合により発光する半導体発光装置において、 原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半
    導体活性層において所定の間隔で互いに対向する位置を
    それぞれ、所定の微細間隔で周期的に酸化することによ
    り、互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有す
    る少なくとも1組の多層反射膜を形成して、上記少なく
    とも1組の多層反射膜を共振器用ミラーとして用いてレ
    ーザ発振させることを特徴とする半導体発光装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも3組の上記多層反射膜を形成
    して、発光する光を閉じ込める構造を有してレーザ発振
    させることを特徴とする請求項4記載の半導体発光装
    置。
  6. 【請求項6】 半導体活性層に励起光を入射して上記半
    導体活性層を光励起することにより生成されたキャリア
    の再結合により発光する半導体発光装置の製造方法にお
    いて、 原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記半
    導体活性層において所定の間隔で互いに対向する位置を
    それぞれ、所定の微細間隔で周期的に酸化することによ
    り、互いに対向してそれぞれ周期的な屈折率変化を有す
    る少なくとも1組の多層反射膜を形成するステップを含
    み、 上記少なくとも1組の多層反射膜を共振器用ミラーとし
    て用いてレーザ発振させることを特徴とする半導体発光
    装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 光導波路基板にグレーティング光導波路
    を備えた光導波路装置において、 原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記光
    導波路基板の所定の位置を、所定の微細間隔で周期的に
    酸化することにより、それぞれ周期的な屈折率変化を有
    する少なくとも1組の多層反射膜を形成し、上記少なく
    とも1組の多層反射膜をグレーティング光導波路のミラ
    ーとして用いることを特徴とする光導波路装置。
  8. 【請求項8】 上記光導波路基板上で上記多層反射膜を
    略リング形状で形成し、上記多層反射膜の一部を貫通す
    るように形成された少なくとも1個の光入射孔と、上記
    多層反射膜の他の一部を貫通するように形成された少な
    くとも1個の光出射孔とを備え、 上記光入射孔を介して光を入射した後、入射した光を上
    記多層反射膜により反射させた後、上記光出射孔を介し
    て出射させることを特徴とする請求項7記載の光導波路
    装置。
  9. 【請求項9】 光導波路基板にグレーティング光導波路
    を備えた光導波路装置の製造方法において、 原子間力顕微鏡(AFM)微細加工法を用いて、上記光
    導波路基板の所定の位置を、所定の微細間隔で周期的に
    酸化することにより、それぞれ周期的な屈折率変化を有
    する少なくとも1組の多層反射膜を形成するステップを
    含み、 上記少なくとも1組の多層反射膜をグレーティング光導
    波路のミラーとして用いることを特徴とする光導波路装
    置の製造方法。
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