JP2914903B2 - 撥水処理された雑草抑制材 - Google Patents

撥水処理された雑草抑制材

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JP2914903B2 JP7330484A JP33048495A JP2914903B2 JP 2914903 B2 JP2914903 B2 JP 2914903B2 JP 7330484 A JP7330484 A JP 7330484A JP 33048495 A JP33048495 A JP 33048495A JP 2914903 B2 JP2914903 B2 JP 2914903B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、雨水の土地への浸
透、地中の水分の蒸散を防ぐため撥水処理された雑草抑
制材に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】雑草の発生をおさえた
い場所、例えば道路の中央分離帯、運動場、ゴルフ場の
ティーグランドなどでは、手作業や、草刈り機により除
草するか、農薬を散布して除草していた。草刈り作業は
重労働であるばかりか、人手不足もあって必要に応じて
何時でも行なうことは困難であった。しかも道路の中央
分離帯は危険であった。又農薬を散布すれば環境への悪
影響を及ぼす危険があった。
【0003】そのため雑草の発生をおさえたい場所に敷
つめる雑草抑制材の開発が望まれた。
【0004】
【従来技術】特開平6−206755号には、基材にシ
リコーンが被覆されている撥水処理された土改良剤が開
示されている。基材の表面に存在するシリコーン樹脂の
撥水性は十分であり、そのような土改良材を土の上に敷
きつめると土改良材が存在する部分はシリコーン樹脂の
撥水性のため土改良材の層の部分には水が滞留せず、そ
のため、その土改良材が存在する土には雑草が生えな
い。しかしながら本発明者の研究によるとシリコーン樹
脂は意外にも耐候性が劣ることがわかった。すなわちシ
リコーン樹脂が被覆されて基材からなる土改良材は2〜
3年でシリコーン樹脂が劣化してしまうことがわかっ
た。基材の上に塗布したシリコーン樹脂が劣化すると撥
水性という機能も失なわれる。表面に被覆したシリコー
ンの撥水性が失なわれると土の上に敷きつめた基材の空
隙に水が保持され雑草が生えてくる。このようにシリコ
ーン樹脂を塗布したものは、2〜3年の除草効果しか持
たないので、実際には利用価値はない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、耐候性に秀
れ、かつ撥水性をも有する被覆用樹脂について幅広い研
究を行い、その結果フッ素樹脂が耐候性及び撥水性とも
に秀れていることを発見し、本発明に至った。
【0006】本発明は、粒度調整された高炉徐冷スラ
グ、軟質又は硬質水砕スラグ、重質炭カル及び小石から
なる群から選択された1種又はそれ以上の基材がフッ素
樹脂で又はフッ素樹脂とウレタンエステル樹脂、アクリ
ルエステル樹脂及びシリコーン樹脂等の他の樹脂との混
合樹脂で被覆されている撥水処理された雑草抑制材に関
する。
【0007】本発明は、又粒度調整された高炉徐冷スラ
グ、軟質又は硬質水砕スラグ、重質炭カル及び小石から
なる群から選択された1種又はそれ以上の基材に下地層
として塩化ビニリデン樹脂等のフッ素樹脂より安価な樹
脂で被覆後、フッ素樹脂で又はフッ素樹脂とウレタンエ
ステル樹脂、アクリルエステル樹脂又はシリコーン樹脂
等の他の樹脂との混合樹脂で被覆されている撥水処理さ
れた雑草抑制材に関する。
【0008】本発明の基材として好ましいのは製鉄所か
らでる副産物として排出される高炉徐冷スラグ(無数の
気泡を有し、角ばった形状)である。高炉スラグを使用
する場合、フルイ機にかけて2〜12mm程度の大きさ
のものを使用する。その雑草抑制材を適用する場所の上
を人が歩行する時は基材の大きさは2〜4mmが好まし
く、その上を歩行しない場所、例えば道路の中央分離帯
では2〜12mmの基材を使用できる。基材が多孔性で
ある時、初めからフッ素樹脂を被覆する時、フッ素樹脂
がその基材の穴の中に入り込み、高価なフッ素樹脂の消
費が大きくなる。そのため基材として多孔性のものを使
用する時は、予めフッ素樹脂より安価な樹脂、例えば塩
化ビニリデン樹脂で被覆すると、そのフッ素樹脂より安
価な樹脂は、その基材の穴の中に入り込む。次いでフッ
素樹脂で被覆すると、高価なフッ素樹脂の消費量は少な
くなる。フッ素樹脂はエマルションタイプのものを使用
する。フッ素樹脂エマルション中のフッ素樹脂濃度は2
〜40重量%が好ましい。
【0009】フッ素樹脂エマルション中にウレタンエス
テル樹脂、アクリルエステル樹脂又はシリコーン樹脂等
の他の樹脂を混合とし、複合樹脂として基材の上に塗布
できる。他の樹脂を使用する時、フッ素樹脂の使用量は
幾分少なくても良い。
【0010】仕上樹脂被膜の補強のためシリカ(SiO
2)および/またはアルミナ(Al23)を仕上樹脂エ
マルションに添加しても良い。添加量は乾燥重量を基準
としてシリカ(SiO2)の場合、2〜6%そしてアル
ミナの場合2〜4%程度である。
【0011】塗布は、下地被覆及び仕上被覆を含めて、
樹脂エマルションの中に基材を浸漬することにより行な
われることが好ましい。その仕上被覆において樹脂エマ
ルションの中に青、黄色等の顔料を加えておくと、美感
上も秀れ、社会環境が明るくなる。
【0012】本発明の雑草抑制材を土の上に3〜20c
mの厚さに敷きつめる。美感上有用な植物は雑草抑制材
の下の土の中に根をおろしているので、土改良材の存在
でも枯れることはない。
【0013】雑草は雑草抑制材層中では水分が保持され
ていないので、その中に根をはることはない。雑草抑制
材の下の土に雑草は根をはったとしても、ごく1部分の
雑草を除いて、雑草抑制材の表面まで伸びることはな
い。
【0014】本発明の雑草抑制材に使用されたフッ素樹
脂は、撥水性及び耐候性に秀れているので、10年間以
上雑草の成長を防ぐという効果を有する。
【0015】
【実施例】撥水性テスト フッ素樹脂とシリコーン樹脂の液滴を固体金属表面にの
せて固体金属表面と液滴との端面とで作る角度を測定し
た結果は次の通りである。 接触角が大きい程、撥水性が大きいことを示す。
【0016】耐候性のテスト フッ素樹脂及びシリコーン樹脂(シリコーンエステル樹
脂)を金属板に塗布し、サンシャインウェザーメーター
による促進、耐候性試験を行なった。その結果を図1に
示す。フッ素樹脂は4000時間の暴露に対して光沢保
持率は10%以下しか低下していません。これは一般的
塗料試験の評価では20年たっても90%以上の光沢を
保持することを意味する。一方シリコーン樹脂では10
00時間の暴露で、光沢が50%になっている。一般に
光沢性の低下は樹脂の劣化と同じ意味である。フッ素樹
脂が4000時間の暴露(20年に相当)に対して90
%以上の光沢性を保持しているということは、フッ素樹
脂が20年の屋外でもほとんど劣化しないことを示す。
【0017】雑草抑制材の調整 高炉徐冷スラグをフルイにかけて2〜12mmものを選
択した。次に粒径を揃えた高炉徐冷スラグをミキサー防
水、排水材の溶液を入れながら散布浸透させ温度80〜
16℃で加熱撹拌しながら5〜10分間水分含有量0〜
1%以内に乾燥させて水、排水材とした。次に塩化ビニ
リデン樹脂10%エマルションの中にスラグを浸漬し、
取出した。それらを加熱乾燥した。次にI) エマル
ション2.0wt%II)シリコーン III)コロイダ
ルシリカ3.0wt% 5wt%他、水道水を入れ
ながら撹拌しを用いて上記のように処理した高炉徐冷ス
ラグに塗布し加熱乾燥した。又処理したものを3ケをビ
ーカーに入れ水を入れると表面に水玉状態になった。こ
れは表面が撥水性になっていることを示す。
【0018】実施例2 A)フッ素樹脂エマルジョン3.5wt% B)アクリ
ルエステル樹脂90.wt% C)ウレタンエステルエ
ーテル樹脂3.0wt% D)コロイダルシリカ3.0
wt% E)シリコーン系界面活性剤0.5wt%
F)シリコーン系消泡剤500PPMwt% G)水性
有機顔料グリーン3.0wt% 残分水道水を入れなが
ら撹拌し、100ccとした混合水溶液を、原料名サン
パルフア2000(粒径2mm 給水率150wt%
(旭化成建材(株)製)に塗布加熱乾燥した。そのよう
に処理したものを3ケ水が入っているビーカーに入れ
た。3日間水中表面に浮いた状態にあり表面は実施例1
と同じように水玉状態であった。
【0019】実施例3 A)フッ素樹脂エマルジョン1.5wt% B)シリコ
ンゴムエマルジョン3.0wt% C)アクリルエステ
ル樹脂9.0wt% 残分水道水を入れながら撹拌し、
100ccとした混合水溶液を原料名小石(重質炭カ
ル,粒径2〜6mm)に塗布、加熱乾燥した。そのよう
に処理したものを3ケ水が入ったビーカーに入れ3日間
水中表面に水玉状態であった。
【0020】このようにして得られ処理された基材は防
水、排水性が優れており、しかも熱に強く280℃以上
でも安定している。長期的に防水、排水性を失わない。
そのうえ無毒、無臭であり、人体に安全である。
【0021】本発明の雑草抑制材の利用例を以下に述べ
る。
【0022】利用例1) 道路の中央分離帯、傾斜面な
どの除草、未舗装の地面の乾燥、未排水のぬかるみの防
止、霜柱の防止などには地面に約5〜15cmの厚さに
雑草抑制材を敷き詰める。
【0023】利用例2) ビニールハウスのように乾燥
の激しい場所での栽培では、植物の根の下に約3〜10
cmの厚さに雑草抑制材を敷き詰める。
【0024】利用例3) 公園、墓地、植木のまわりの
除草の防止に約5〜10cmの厚さに雑草抑制材を敷き
詰める。
【0025】利用例4) ゴルフ場のグリーンのまわり
などで農薬などを散布する場所では、土中に斜降する桶
状又は板状に雑草抑制材を敷き詰めて農薬などの有害物
質を含んだ水を集めてタンクなどに回収する。
【0026】
【発明の効果】長期的に優れた耐候性、防水、排水性を
有し無毒、無害であって、環境への悪影響を与えること
なく除草、地面の乾燥に、或いは土地の乾燥防止、有害
物質の封じ込めなどに広く利用できる。
【0027】以上本発明による雑草抑制材によれば雑草
成育抑制因子による雑草の成育阻害効果と防水、排水に
よる水分がないため種子の発芽抑制効果とが相まって高
い除草効果を発揮する。更に価格も安く製造できる。特
に高炉徐冷スラグは大量の産業副産物であるから、これ
を使用することは資源の有効利用につながり公害などの
問題を解消することにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐候性試験の結果を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 17/48 C09K 17/48 Z (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 25/12 C05G 3/04 C09K 17/06 C09K 17/18 C09K 17/42 C09K 17/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒度調整された高炉徐冷スラグ、軟質又
    は硬質水砕スラグ、重質炭カル及び小石からなる群から
    選択された1種又はそれ以上の基材がフッ素樹脂で又は
    フッ素樹脂とウレタンエステル樹脂、アクリルエステル
    樹脂又はシリコーン樹脂等の他の樹脂との混合樹脂で被
    覆されている撥水処理された雑草抑制材。
  2. 【請求項2】 粒度調整された高炉徐冷スラグ、軟質又
    は硬質水砕スラグ、重質炭カル及び小石からなる群から
    選択された1種又はそれ以上の基材に下地層として塩化
    ビニリデン樹脂等のフッ素樹脂より安価な樹脂で被覆
    後、フッ素樹脂で又はフッ素樹脂とウレタンエステル樹
    脂、アクリルエステル樹脂又はシリコーン樹脂等の他の
    樹脂との混合樹脂で被覆されている撥水処理された雑草
    抑制材。
  3. 【請求項3】 樹脂被膜の補強のため、シリカ(SiO
    2)および/またはアルミナ(Al23)を仕上樹脂に
    添加する請求項1または2記載の雑草抑制材。
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