JP2908718B2 - 消波構造体に付設する振り子式波浪発電装置 - Google Patents

消波構造体に付設する振り子式波浪発電装置

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JP2908718B2 JP7047864A JP4786495A JP2908718B2 JP 2908718 B2 JP2908718 B2 JP 2908718B2 JP 7047864 A JP7047864 A JP 7047864A JP 4786495 A JP4786495 A JP 4786495A JP 2908718 B2 JP2908718 B2 JP 2908718B2
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    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/30Energy from the sea, e.g. using wave energy or salinity gradient

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消波構造体に付設する
振り子式波浪発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】水力、
火力あるいは原子力発電等の一般的な発電システムは、
一部の例外を除いて地上に設置されており、広範な用地
及び大規模な施設を必要とする。特に、国土の狭いわが
国においては、上述した発電システム用の用地の確保が
困難になりつつある。
【0003】また、上述した火力あるいは原子力発電に
おいては、大気汚染、放射能汚染及び燃料資源の枯渇と
いった広い意味での環境汚染も年々重要視されている。
【0004】近年、安全でクリーンな化石エネルギーの
代替エネルギーとして注目されているのが、太陽熱や風
力等の自然エネルギーである。海洋エネルギーもその有
効な1つの自然エネルギーであり、それを利用するため
のエネルギー吸収装置は世界の様々な研究機関において
研究、開発されている。
【0005】しかし、実用化されているものは数える程
しかないのが現状である。その原因の一つとして、取得
エネルギーコストが在来のエネルギーコストを上回るこ
とが挙げられ、その改善こそが実用化への近道であると
考える。したがって、それを考慮に入れた変換装置の研
究開発が不可欠となる。
【0006】そのような状況の中で、1978年室蘭工
業大学にて振り子式波浪発電システムが開発され、有効
な波力吸収装置の1つであることが確認されている。本
発明者等は、上記基本発明を踏まえた上で現在に至るま
で様々な改良発明を行ってきた。以下にその経緯の概略
を示す。
【0007】先ず、本発明者等は先にケーソン内の定常
波(入射波がケーソンの背板に当って反射波となり、こ
れが後続の入射波と重なって生じた重複波)により駆動
される振り子の往復運動を利用する基本システムについ
て発明し、単純な構造で、建設費及び維持費が低減であ
りながら、高い効率で波力エネルギーに変換する装置を
特許出願(特願昭55-26725号(特開昭56-124680号))
した。
【0008】<1>特願昭55-26725号(特開昭56-12468
0号) 同出願の発明は、図16及び図17に示すように、底板
上に一側を開放面とし背板154と少なくとも両側面に
側壁152・153をもち天井の全部又は一部を開放面
としたケーソン150を防波堤又は海岸堤防の全部又は
海側に面する部分の構成要素とし、ケーソン150の水
室長Bc’を水室156内波長Lcの1/4より大きく
して水室156内に定常波波動を発生させ、背板154
よりLc/4だけ海側の点に前記定常波波動の節Yが発
生するようにし、この波動の節の点Yに波動の周期とほ
ぼ同じ値の固有周期で揺動する振り子157を設置し、
前記定常波波動で振り子157を加振することにより波
力エネルギーを吸収して電気エネルギー又は熱エネルギ
ーに変換し、また、振り子157と振り子157により
直接駆動されるエネルギー変換装置とを支持台158に
設置し、支持台158を移動させることにより振り子1
57の設置位置を調整可能とすることを特徴とするもの
である。
【0009】すなわち、この振り子式波浪発電装置の原
理は図16及び図17で示されるような、沖に向けて開
口したケーソン150への進行波とケーソン150背板
154からの反射波によって定常波を発生させ、定常波
の節Yの付近に生じる交番性の水平水粒子運動のエネル
ギーを節Yの部分に設置した振り子157を水平軸回り
に揺動させてシリンダーのピストン運動に変換し、その
運動を油圧エネルギーとして吸収するものである。その
ため、入射波周期が振り子157の固有周期に近づくほ
ど、高効率のエネルギー吸収が可能となる。
【0010】同発明の装置は、軸受などの保守を必要と
する部分が水面下には皆無であり、特に油圧シリンダ1
62、164を用いて波力エネルギーを油圧エネルギー
に変換する場合は、構造が単純で設備費及び維持費が低
廉であるなどの点で顕著に優れている。
【0011】その後、本発明者等は、さらに同基本シス
テムを改善し、発展させた発明を完成し、特許出願(特
願昭56-22883号(特開昭57-137665号))した。
【0012】<2>特願昭56-22883号(特開昭57-13766
5号) 同出願の発明にて、シリンダーにより振り子に働く負荷
を振り子の揺動速度に比例させ、かつ造波抵抗に等しく
させることにより、エネルギー変換率を最高にできるよ
うにし、特に、波力エネルギーを一般電力網に接続し得
る良質の定周波交流電力に経済的に変換するように改良
した。
【0013】さらに、その後本発明者等は同出願の発明
をさらに改善し発展させ発明を完成し、特願昭57-60869
号として特許出願した。
【0014】<3>特願昭57-60869号(特開昭58-17887
9号、特公昭63-44948号) 同出願の発明にて、油圧モータにアキュムレータを接続
して、波力発電出力の周期的変動を取り除くように改良
した。
【0015】さらにまた、その後本発明者等は同出願の
発明をさらに改善し発展させ発明を完成し、特願昭59-1
79313号として特許出願した。
【0016】<4>特願昭59-179313号(特開昭61-5897
7号、特公平2-17712号) 同出願の発明にて、図18に示すような後壁226を設
けることで、入射波の所定長さL以上の部分の水を振り
子217の受圧板218を越えて海岸側に打ち返される
ようにして、入射波に対して受圧板218の背板側の圧
力を増加させ、ストッパー228、230を設けること
により、異常波浪時に受圧板218に過大な波力が作用
しないように改良した。
【0017】ところで、上記振り子式発電装置が設置さ
れるケーソンは、捨て石マウンド上に備え付けられる、
防波堤の機能を併設させた水底固定型のものであり、非
常に深い水深に設置する場合、全水平波力に耐えるため
には相当な重量が必要となり、建設コストが高くなるこ
とが考えられる。
【0018】また、上記ケーソンにより構成される防波
堤は航跡波によって生じる湾内の波を静める消波機能を
有しない。さらに、近年では余暇時間の拡大と共に海を
楽しむ空間の拡大が望まれており、また海の水質浄化も
社会的課題とされているが、このような点については上
記防波堤では対処できないものであった。
【0019】そのような観点から近年では、図15
(B)に示すような、杭式消波構造物500が知られて
いる。この杭式消波構造物500は、2枚の鉛直透水壁
を平行に設置し、この鉛直透水壁間に水平透水壁を水面
下に設けるとともに、鉛直透水壁及び水平透水板を骨組
構造物にて保持し、この骨組構造物に装着した杭により
地盤に固定するようにしている。
【0020】この杭式消波構造物500にあっては、図
15(B)に示す離岸型のもので、2枚の鉛直透水壁に
て消波機能を働かせ、消波構造体から岸より湾内側を静
穏にすることで、岸辺の砂の削れや、砂の移動を防止し
ようとするものである。
【0021】しかしながら、上記各出願<1><2><
3><4>はいずれも、油圧系統の改良をなしてエネル
ギー効率の向上等に寄与したすぐれた基本及び改良発明
であるが、いずれも上記のような水底固定型のケーソン
にて設置されるもので、図15(A)のような離岸堤4
00になるため設置条件が異なり、上記各出願のような
構成では不適合であることが考えられる。
【0022】本発明は、上記した従来技術の問題点を解
決するためになされたものであって、その目的とすると
ころは、上記のような消波構造体を有する離岸堤に振り
子式発電装置を付設することで設備費の占める割合を低
くする等のコストダウンが図れる消波構造体に付設する
振り子発電装置を提供することにある。
【0023】また、本発明の他の目的は、消波機能、波
力低減機能を有し、岸に臨む一定の領域を静穏な領域と
して確保し、かつ離岸、沖側岸側での海水交換機能を併
せ持つ、消波構造体に付設する振り子発電装置を提供す
ることにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る消波構造体に付設される振り子発電装置は、沖側に
設けられ、消波孔が形成された前面の垂直消波板と、岸
側にて前記前面の垂直消波板と相平行に設けられ、消波
孔が形成された後面の垂直消波板と、前記前後の各垂直
消波板を立設保持し、地盤に固定される杭が挿通される
杭挿通孔を備えた透水性のある骨組構造物と、前記前面
の垂直消波板に形成された波受入口と、前記前後の各垂
直消波板に囲まれた領域であって、かつ、前記波受入口
と対向する領域にて、波力により揺動する振り子板と、
前記振り子板の揺動運動を電気エネルギー又は熱エネル
ギーに変換して発電する発電装置と、を有し、前記前後
の各垂直消波板間には、消波孔を有する水平消波板が配
置され、前記振り子板の揺動支点が水面より上方位置に
配置され、前記振り子板の下端が前記水平消波板の下方
の水域まで延在形成され、かつ前記水平消波板は少なく
とも前記振り子板の揺動経路に亘って切欠かれている
とを特徴とする。
【0025】請求項2に記載の発明に係る消波構造体に
付設される振り子発電装置は、地盤に固定される杭が挿
通される杭挿通孔を備えた透水性のある骨組構造物と、
前記骨組構造物上に並列配置された2体の消波ブロック
と、を有し、前記各消波ブロックは、沖側に設けられる
前面の垂直消波板と、岸側にて前記前面の垂直消波板と
相平行に設けられる後面の垂直消波板と、を有し、並列
配置された前記各消波ブロックの沖側の垂直消波板間に
波受入口が形成され、前記波受入口と対向する領域に、
波力により揺動する振り子板が配置され、前記振り子板
の揺動運動を電気エネルギー又は熱エネルギーに変換し
て発電する発電装置が配置され、前記前後の各垂直消波
板間には、消波孔を有する水平消波板が配置され、前記
振り子板の揺動支点が水面より上方位置に配置され、前
記振り子板の下端が前記水平消波板の下方の水域まで延
在形成され、かつ前記水平消波板は少なくとも前記振り
子板の揺動経路に亘って切欠かれているていることを特
徴とする。
【0026】
【0027】請求項に記載の発明は、請求項1または
において、前記波受入口の両側には、前記前面の垂直
消波板より岸側に向けて延設される側壁が形成され、対
向する前記側壁間にて前記振り子板が垂下して支持され
ていることを特徴とする。
【0028】請求項に記載の発明は、沖側に設けら
れ、消波孔が形成された前面の垂直消波板と、岸側にて
前記前面の垂直消波板と相平行に設けられ、消波孔が形
成された後面の垂直消波板と、前記前後の各垂直消波板
を立設保持し、地盤に固定される杭が挿通される杭挿通
孔を備えた透水性のある骨組構造物と、前記前面の垂直
消波板に形成された波受入口と、前記前後の各垂直消波
板に囲まれた領域であって、かつ、前記波受入口と対向
する領域にて、波力により揺動する振り子板と、前記振
り子板の揺動運動を電気エネルギー又は熱エネルギーに
変換して発電する発電装置と、を有し、前記前面の垂直
消波板には、前記波受入口の両側にて、前記骨組構造物
の前記杭挿通孔と連通する杭挿通孔を備えた2本の柱が
形成され、前記柱の対向する側面間に前記振り子板が垂
下して支持されていることを特徴とする。
【0029】請求項に記載の発明は、請求項におい
て、前記振り子板は、前記柱の岸側の端部間にて垂下し
て支持されていることを特徴とする。
【0030】請求項に記載の発明は、請求項1乃至
のいずれかにおいて、前記後面の垂直消波板には、前記
波受入口と対向する領域にて該波受入口より狭い幅を有
する波出口が形成されていることを特徴とする。
【0031】請求項に記載の発明は、請求項1乃至
のいずれかにおいて、水面から前記振り子板の下端まで
の距離をdとし、水深をhとしたとき、1>d/h≧
0.5に設定したことを特徴とする。
【0032】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、離岸に設置さ
れる杭固定式の消波構造体に振り子式波浪発電装置を設
置することにより、比較的波エネルギーの高い離岸にて
振り子板を揺動させることにより、高い波のエネルギー
を吸収することができる。
【0033】また、沖側より前面の垂直消波板に向かう
波力が、消波孔を有する前面の垂直消波板の消波作用に
より減衰されて、波反射板としてのみ機能する防波板を
前面に設置した場合と比較して、波受入口に直接向かう
直進入射波に干渉する波の悪影響を低減できる。このた
め、直進入射波をその波力が減衰されることなく波受入
口に導くことができ、振り子板に高い波のエネルギーを
作用させることができる。
【0034】上記作用に加えて、前後の垂直消波板の設
置により、波受入口に向かう直進入射波以外の、沖側及
び岸側の双方からの波のエネルギーを減衰できるので、
振り子板の揺動領域である前後の垂直消波板間に消波孔
を介して導かれた波の悪影響をも低減できる。
【0035】さらに、上述の振り子式発電効率を高めな
がらも、消波構造体としての他の機能、すなわち消波構
造体の利用側の沖側、岸側での海水互換性を確保して湾
内の海水の浄化がなされる点、ケーソンなどに比べて離
岸への設置が容易である点、等の機能も確保できる。
【0036】請求項2に記載の発明によれば、並設され
た2体の消波ブロック間に形成される波受入口を利用し
て、振り子板への直進入射波の導入が可能となり、請求
項1と同様の作用により効率の高い発電が可能となる。
なお、請求項2の骨組構造物は、2体の消波ブロックを
それぞれ支持する別体で構成することもできるが、一体
とすることが好ましい。2体の消波ブロックを保持する
基準位置が一体の骨組構造物に設定できるので、2体の
消波ブロックの取付け精度を高めることができる。
【0037】さらに、請求項1,2に記載の発明によ
れば、水平消波板を設けることで、前後の垂直消波板の
消波孔を介してその垂直消波板間に導かれた波の消波効
率をより高めることができる。従って、振り子板の揺動
領域である前後の垂直消波板間に導かれた波が、波受入
口を介して振り子板に作用する直進入射波に与える悪影
響をより効果的に低減できる。
【0038】請求項及びの各発明によれば、波受入
口の両側に垂直消波板より延設される側壁が形成される
ので、波受入口からの直進入射波を、両側壁間に流入さ
せて振り子板に向かう一方方向の流れに規制し、横方向
への波の拡散を防止して波エネルギーの散逸を防ぎ、振
り子板に作用する波エネルギーの増大化を図ることがで
きる。特に、請求項に記載の発明によれば、前面の垂
直消波板に形成された柱の側面を側壁として兼用でき
る。側壁間に垂下した振り子板を支持する際に、その振
り子板の振れ角を大きくして波力エネルギー吸収効率が
高めるためするには、請求項の発明のように、振り子
板を柱の岸側の端部間にて垂下して支持すると良いこと
が本発明者などに確認された。
【0039】請求項に記載の発明によれば、後面の垂
直消波板に波受入口よりも幅狭の波出口が設けられてい
るので、波受入口と同幅の波出口を形成した場合と比較
して、湾内での航跡波等の波力が振り子板の揺動領域に
進入して揺動を妨げる弊害を低減できる。
【0040】請求項の発明によれば、骨組構造物によ
り消波ブロックが海底よりも浮上した位置に設置される
浮上型の振り子波浪発電装置でありながら、1>d/h
≧0.5に設定することで、従来の水底固定型とほぼ同
等の発電効率を確保できる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面を
参照して詳細に説明する。
【0042】[1]消波構造体の構造及びその作用効果 先ず、本実施例に係る消波構造体1の構成を図1乃至図
3を用いて説明する。図1は、本実施例に係る消波構造
体1の構造を示す平面図である。図2は、本実施例に係
る消波構造体1の構造を示す側断面図である。図3は、
本実施例に係る消波構造体1の構造を示す正面図であ
る。
【0043】図1〜図3に示すように、消波構造体1
は、予め鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)にて打設した
プレキャスト製のコンクリートからなる所定長さの消波
ブロック2−1・2−2と、該各消波ブロック2−1・
2−2を下部にて支持し、地盤に固定される杭が挿通さ
れる杭挿通孔52を備えた透水性のある骨組構造物50
と、により構成される。
【0044】各消波ブロック2−1・2−2は、沖側に
設けられる前面の垂直消波板10と、岸側にて前記前面
の垂直消波板10と相平行に設けられる後面の垂直消波
板20と、前記前後の各垂直消波板10・20間に形成
される水平消波板30と、後述する柱60と、後述する
梁70と、が一体形成されたものである。こうすること
で、2体の消波ブロック2を骨組構造物50上に並列配
置して消波構造体1を形成する際に、立設された杭位置
に合わせるだけで、比較的楽な位置合わせが可能とな
る。尚、骨組構造体50の上に設置される消波ブロック
2は2体に限らず、複数体にて形成してもよい。
【0045】前面の垂直消波板10は、湾の外側に臨ん
で配設され、湾の外側から来る外海の波の消波を行うも
ので、図3に示すように、所定幅の複数枚の板を間隔を
おいて縦又は横に配列し、各板の間の中でスリット状の
隙間を消波孔12として設けてある。この消波孔12
は、必ずしもスリットにて構成するものに限らず、前面
の垂直消波板10に貫通形成される多数の貫通孔で構成
することもできる。
【0046】この消波孔12は、前面の垂直消波板10
の全体の表面積の例えば約30%程度の開口率になるよ
うに設定されている。また、前面の垂直消波板10の高
さは、高波時の状態を想定して、満潮時の海面の水位よ
りも例えば約2M程度の高さ位置に設定してある。
【0047】また、前面の垂直消波板10には、波面と
垂直方向にて波受入口40が設けられている。この波受
入口40は、各消波ブロック2−1・2−2を骨組構造
物50上に設置した際に、各消波ブロック2−1・2−
2の前面の垂直消波板10・10間の間隙により形成さ
れている。波受入口40は、後述する振り子板90を揺
動させる波を受け入れる入り口としての機能を有する。
【0048】さらに、図1及び図2に示すように、前面
の垂直消波板10の波受入口40の下方領域には、前面
ストッパー80が波受入口40を跨ぐように設置され、
振り子板90の高波等による過剰な振れを防止する機能
を有する。この前面ストッパー80は、振り子板90の
海側への過大な振れを防止するストッパーとして機能す
る。また、前面ストッパー80の高さ位置は、図2に示
すように、水面より下部の振り子板90の水受面に作用
する水平波力をくまなく吸収できるようにするため、振
り子板90の最下端位置に前面ストッパー80を設けて
ある。もし、前面ストッパー80の高さ位置が、振り子
板90の真中や上部であれば、水面近くで大きく作用す
る波力エネルギーがストッパー部分で反射し、振り子板
90による波力エネルギーの吸収効率が悪くなるからで
ある。
【0049】後面の垂直消波板20は、湾の内側に臨ん
で配設され、船の航行によって生じる航跡波などの湾内
の波を消波を行うもので、前面の垂直消波板10と一定
間隔を保って平行に配設してあり、図2に示すように、
所定幅の複数枚の板を間隔をおいて縦又は横に配列し、
各板の間の中で例えばスリット状の隙間を消波孔22と
して設けてある。
【0050】この消波孔22は、前面の垂直消波板10
と同様に、後面の垂直消波板20の全体の表面積の例え
ば約20%程度の開口率になるように設定されている。
また、後面の垂直消波板20の高さは、前記前面の垂直
消波板10同様の高さにて形成されているが、外海の波
に比較して湾内の波はそれほど高くないことから、満潮
時の例えば約2m以下の高さに設定してもよい。さら
に、後面の垂直消波板20の開口率としては、前面の垂
直消波板10の開口率よりも低いものもよく、例えば0
〜20%程度の開口率とすることもできる。従って、前
面の垂直消波板10及び後面の垂直消波板20によっ
て、外海及び湾内の波が消波されて、さらに消波孔1
2、22を介して導入された波が前後の垂直消波板10
・20間で消波されて、湾内は静穏な状態が得られるこ
とになる。
【0051】また、後面の垂直消波板20には、前記波
受入口40と対向して、波出口42が設けられている。
この波出口42は、各消波ブロック2−1・2−2を骨
組構造物50上に設置した際に、各消波ブロック2−1
・2−2の後面の垂直消波板20・20間の間隙により
形成されている。
【0052】但し、図1に示すように、波出口42は、
前記波受入口40より幅寸法の狭い長さに設定されてい
る。その理由は、湾内より沖に向かって生じる航跡波の
侵入を防ぐことで、振り子板90のエネルギー吸収効率
を低下させないためである。また、この波出口42は、
必ずしも垂直消波板20を切欠いて設ける必要はない。
その理由は、垂直消波板20の波受入口40と対向する
領域でも、垂直消波板20には消波孔32が設けられて
いるため、この消波孔32が上述の反射エネルギーの低
減と航跡波の侵入防止に寄与できるからである。
【0053】上記のような前面及び後面の各垂直消波板
10・20には、図1に示すように、前記前面の垂直消
波板10の岸側裏面及び前記後面の垂直消波板20の沖
側表面に沿って、複数の相平行な断面略角状の柱60が
形成されており、各垂直消波板10・20を鉛直に支持
固定している。この角状の柱60には断面円形状の杭挿
通孔64が穿設され、杭を挿入することができるよう形
成されている。
【0054】また、沖側岸側にて相対向する2体の柱6
0間には、梁70が架設されている。この梁70上に後
述する油圧管104を配設して、発電システムを設置す
ることが可能となる。
【0055】さらに、波受入口40の両側の2本の各柱
60の側面間において、後述する振り子板90が揺動可
能に支持される。このような角状の複数の柱60を梁7
0、垂直消波板10・20及び水平消波板30と一体形
成して剛性が強まるという効果だけではなく、角状にす
ることにより各柱60の側面のスペースが増し、波受入
口40から導入されて波の横方向への拡散を防止するこ
とが可能となる。
【0056】水平消波板30は、図2に示すように、前
面及び後面の垂直消波板10・20との間で、干潮時の
水位よりも低い位置にて配設されて、2枚の前記垂直消
波板10・20の消波孔12・22を通過して垂直消波
板10・20間に流れ込んだ波を反射させ、かつ該流れ
込んだ波を上下方向に通過させることで消波させる機能
を有する。この水平消波板30には、図1に示すよう
に、所定幅の複数枚の板を間隔をおいて縦又は横に配列
し、各板の間の中で例えばスリット状の隙間を消波孔3
2として設けてある。尚、水平消波板30は、複数の梁
にて形成された骨組構造物50によって補強支持された
状態となっている。
【0057】従って、水平消波板30がない状態では、
波の周期によって消波率が高くなったり低くなったりし
て不安定であるのに対して、水平消波板30を設けた状
態では、波の周期にかかわりなく消波率がほぼ安定した
状態となる。
【0058】また、水平消波板30には、前記波受入口
40と対向する領域にて、前記波受入口40と連通する
溝部34として形成されている。溝部34は、前記水平
消波板30の下方の領域にて、揺動する振り子板90が
水平消波板30と干渉することを防止するために形成さ
れている。
【0059】さらに、水平消波板30の側面には後面ス
トッパー82、82が側面より突設されて、振り子板9
0の高波等による過剰な振れを防止する機能を有する。
この後面ストッパー82は、図2に示すように、振り子
板90よりも岸側の消波構造体1内に設けられて振り子
板90の岸側への過度の揺動を防止する機能を有する。
また、後面ストッパー82の高さ位置は、図2に示すよ
うに、水面高さ位置に設定され、さらに図1に示すよう
に、消波機能を低減させないために、水平消波板30の
溝部34の相対向する両端に間隔をあけて、水が沖から
岸へ流れるように設置されている。
【0060】骨組構造物50は、前記前後の各垂直消波
板10・20間の下方領域を中心に複数の鋼製又はコン
クリート製の支持梁を組みあわせて、前記各垂直消波板
10・20及び水平消波板30を支持固定する機能を有
する。したがって、骨組構造物50の下部領域では補強
用のブレーシングが形成される。また、地盤に固定され
る杭が挿通される杭挿通孔52を備えて透水性のある構
造とするのが好ましい。この杭挿通孔52は前記杭挿通
孔64と連通している。
【0061】この骨組構造物50が、前記垂直平消波板
10・20及び水平消波板30の下方領域にて透水空間
を有しているので、比較的エネルギーの少ない海底側の
入射波エネルギーをその空間を通して岸方向へ伝播させ
る形状とすることで、消波構造体1全体に作用する水平
波力を低減し、かつ低重量化することが可能となり、コ
ストダウンが図れる。さらに、前記各垂直消波板10・
20及び水平消波板30を構成する本体部分が比較的水
面付近に浮上していることで、下方領域にて海水が循環
し、内水域の汚染を防ぎ、水質保全が可能という利点も
有している。
【0062】このような、消波構造体1を複数並列に連
接することで、図15(A)に示すような離岸堤400
が形成可能となる。
【0063】次に、消波構造体1の構築方法を図1乃至
図3並びに図15を用いて説明する。
【0064】図15(A)に示すような、各堤の設置領
域を含む周辺領域が離岸堤400の基礎工事エリアとな
る。
【0065】消波構造体1の構築は、図15(B)
(C)に示すように、基礎杭を一定間隔毎に海底地盤に
打設し、基礎杭の上より骨組構造物50を下方移動し
て、骨組構造物50に前もって設けてある杭挿通孔52
に基礎杭を挿入して基礎杭と骨組構造物50とを固定す
る。
【0066】ただし、この場合においては、骨組構造物
50を位置決めした状態で、骨組構造物50に前もって
設けてある杭挿通孔52を通して基礎杭を海底地盤に打
設し、基礎杭と骨組構造物50とを連結固定するように
してもよい。
【0067】さらに、その骨組構造物50の上より、突
出する基礎杭に杭挿通孔64を挿通させる形で、図1及
び図3に示すように、垂直消波板10・20を波の進行
方向に対してほぼ直角になるように各消波ブロック2−
1・2−2を設置する。この時、各消波ブロック2−1
・2−2間に間隙すなわち波受入口40が形成されるよ
うに骨組構造物50上に並列配置して、固定を行う。
【0068】尚、この場合基礎杭と消波ブロック2の内
との間にグラウト材を注入して固定するようにしてい
る。この場合、従来の混成堤に比べてプレキャスト構造
物の重量が大幅に軽くなっているので、その運搬及び据
付作業が容易となり、しかも湾内及び湾外の充分な消波
機能を実現できる。
【0069】このように、消波構造体1の打設方向に適
切な長さで分割した消波ブロックを施工単位とし、消波
ブロックを波の進行方向に対し直角に汀線とほぼ平行し
て順次構築延長させてゆく。
【0070】そして、このようにして固定しつつ、図1
及び図3又は図15(B)(C)に示すように、消波ブ
ロック2を横方向に連接して図15(A)のような所定
の領域を囲み、離岸堤、湾などを形成すれば良い。
【0071】[2]振り子板を含む発電装置の構成及び
作用効果 振り子式発電装置の振り子板を除く発電装置の構成は従
来の特公平2-17712号とほぼ同様であるが、振り子板の
設置位置等がことなるのでその点について述べる。
【0072】この発電システムの構成要素は振り子板9
0と発電装置100(油圧シリンダー102・送油間1
04・油圧モーター106a・発電機106b)とによ
り構成される。
【0073】振り子板90は、図1及び図3に示すよう
に、前面の垂直消波板10の岸側裏面に形成される柱6
0、60間に設けられ、かつ前記波受入口90と対向す
る位置にて揺動可能に、水面より上方の位置例えば柱6
0の天面より垂下して支持されている。この時、図1及
び図2に示すように、振り子板90、柱60の岸側に位
置する端部60の該岸側端面を越えない領域に垂下して
支持されている。さらに、図2に示すように、振り子板
90の下端は水平消波板30よりも下方に延び、水平消
波板30の下方の水域も振り子板90の振れる領域とな
っている。
【0074】発電装置100は、図1及び図2に示すよ
うに、消波構造体1に設置されて、振り子板90を波力
により加振することにより波力エネルギーを吸収して電
気エネルギーに変換する機能を有し、油圧シリンダー1
02と、送油管104と、油圧モーター106aと、発
電機106bとにより構成される。
【0075】油圧シリンダー102は、沖側の柱60の
天面に設置されて、従来のシステムと同じように、水粒
子の動圧が振り子板90に作用して波力エネルギーを吸
収して揺動運動させ、この揺動運動を油圧シリンダ10
2に伝えて油圧エネルギーに変換する機能を有する。
【0076】送油管104は、前記梁70上に配設され
て、油圧シリンダー102より油圧モーター106a及
び発電機106bへ向けて油を輸送する管としての機能
を有する。
【0077】油圧モーター106a及び発電機106b
は、岸側の柱60の天面に設置されて、従来のシステム
と同じように、油圧エネルギーを電気等ののエネルギー
に変換する機能を有する。
【0078】上記のような、発電(油圧)機構の具体的
なシステム(回路構成等)は、上述した特公平2-17712
号の従来の本出願人等による発明にて使用した発電シス
テムをそのまま継承する。
【0079】詳しくは、図4(A)(B)のような回路
にて構成される。尚、103は管路、105は整流弁、
107は貯油タンク、108aはリリーフ弁、108b
は減圧弁、108cはシーケンスバルブ、109aは畜
圧器、109bは一方向クラッチ付フライホイール、1
09cは歯車装置、109dは一方向クラッチ、をそれ
ぞれ示す。
【0080】[3]本実施例の作用及び効果 <3−1>離岸に配置される浮上型の波浪発電に関する
点 消波構造体1は、図2に示すように、杭固定式骨組み構
造物50の上に消波ブロックを搭載した構造であるた
め、比較的波エネルギーの高く水深の深い離岸にて設置
可能となる。したがって、消波構造体1に振り子式波浪
発電装置を設置することにより、離岸での高い波のエネ
ルギーを利用でき、発電効率が向上する。また、杭固定
式の骨組構造物50をベースとしていることにより、従
来のケーソンなどに比べて低重量化が可能で、海上工事
も簡略化できるので、コストダウンが図れる。さらに加
えて、骨組構造物50の透水領域にて海水が循環するの
で、湾内の海水の浄化及び水質保全がなされることとな
る。
【0081】尚、この杭固定式が従来の水底固定型のも
のと同様のエネルギー効率を有することは後述する第1
実験により立証されている。
【0082】<3−2>垂直消波板10に波受入口40
が形成されている点 消波構造物1は、外海からの波を前面の垂直消波板10
によって消波する。この時、図19(B)に示すよう
に、垂直消波板10にて反射されるべき斜め入射波λA2
の反射波λA2’の波力が、垂直消波板10の消波作用に
より減衰されて、波受入口40に入るべき直進入射波λ
A1に干渉しないため、直進入射波λA1の波力を減衰させ
ることなく直進入射波λA1を波受入口40に導くことが
できる。
【0083】この点に関して、従来は、ケーソンにて構
成され波受入口に相当する部分の両端が図19(A)に
示されるような、波を反射させて防波する防波堤であっ
たために、直進入射波λA1が、垂直消波板10にて反射
される斜め入射波λA2の反射波λA2により減衰され、λ
Bに変化していた。
【0084】従って、本実施例によれば、離岸での高い
波力エネルギーを有する直進入射波を減衰させずに、波
受入口40に導いて、高効率の波浪発電を実現できる。
【0085】<3−3>波受入口の両側に側壁を有する
点 図1に示すように、波受入口40の両側に垂直消波板1
0より延設される側壁すなわち角状の柱60・60が形
成されている。このため、波受入口40からの直進入射
波を両側壁間に案内し、振り子板90に向かう一方方向
の流れに規制できる。結果として、直進入射波の横方向
への拡散を防止して波エネルギーの散逸を防ぎ、振り子
板90に作用する波エネルギーの増大化を図ることがで
きる。
【0086】特に、前面の垂直消波板10に形成された
柱60の側面を側壁として兼用すれば、直進入射波のガ
イドのための側壁を別個に設ける必要がなくなる。
【0087】<3−4>前後の各垂直消波板10・20
が形成されている点 図1に示すように、前後の各垂直消波板10・20の設
置により、波受入口40に向かう直進入射波以外の、沖
側及び岸側の双方からの波エネルギーを減衰できる。こ
のため、振り子板90の揺動領域である前後の各垂直消
波板10・20に消波孔12・22を介して導かれた波
が、直進入射波に対して干渉などの悪影響を及ぼすこと
を低減できる。さらに、湾内は消波が確実になされて静
穏な状態が維持され、かつ安全な航行が確保されること
となる。
【0088】<3−5>水平消波板30が配設されてい
る点 この水平消波板30は、上述の通り、前後の各垂直消波
板10・20に消波孔12・22を介して導かれた波
を、効果的に消波する事ができる。従って、振り子板9
0の揺動領域である前後の各垂直消波板10・20に導
かれた波に起因する上述の悪影響を、水平消波板30が
ない場合と比較してより低減することができる。
【0089】<3−6>後面の垂直消波板20に波出口
42が形成される点 後面の垂直消波板20には、図1に示すように、波受入
口40よりも幅狭の波出口42が設けられているので、
波受入口40と同幅の波出口42を形成した場合と比較
して、湾内での航跡波が振り子板90の揺動領域に侵入
して揺動を妨げる弊害を低減できる。
【0090】<3−7>振り子板90を柱60の岸側端
部62に設置する点 本実施例においては、図1に示すように垂直消波板10
に設けられた波受入口40の両端に角状の柱60を設け
て、波力エネルギーを集中させてその密度を向上させる
ことができる。後述する第2実験の実験結果で得た15
cm幅の角状の柱の14cmとなる部分で、振り子板90の
振れ角が最大となることから、振れ角が最大、すなわち
振り子板90によるエネルギー吸収率が最大となる位置
に振り子板90を設置する。この位置は、柱60の岸側
端部62の岸側端面を越えない領域に設定することが好
ましい。
【0091】これは、実験からも解るように、常に角状
の柱60の後部にて振り子板90が最大振れ角を記録す
ることからも、従来の定常波の節の位置に設置する状況
とは異なり、また、上記先願の特開昭56-124680号のよ
うに、波の変化による定常波の1/4の節の点の移動と
共に振り子板の位置を移動させる必要がなく、その分、
余分な振り子板移動システムが不必要となり、コストダ
ウン、システムの単純化が図れる。
【0092】<3−8>水面から振り子板90の下端ま
での距離をdとし、水深をhとしたとき、1>d/h≧
0.5に設定する点 この水面下と海底面からの高さの比d/h比は、後述す
る第1実験の実験結果より約0.5に設定するのが好ま
しい。従って、実験装置同様、エネルギー吸収効率が高
まる等の効果が期待でき、水上浮上型に適用できること
が伺える。
【0093】以上のように水上浮上型の振り子式波浪発
電装置は、実海域の波に類似していると考えられる不規
則波における波浪エネルギー吸収性能は非常に高い。
【0094】また、振り子板が入射波のエネルギーを吸
収するために、反射率、伝達率の低減がはかれ、消波機
能が期待できる。
【0095】このような、上下の高さ位置によるエネル
ギー吸収効率には全く問題がなく、反射率、エネルギー
吸収効率は d/h=0.5以上であれば、水中浮上型
と水底固定型とでは全く差がない。
【0096】[4]実験例 <4−1>浮上型である点 (i)実験の詳細な説明(第1実験) a:目的 本実験の目的は、図5に示すような実験模型において、
水面から底盤までの距離をdとし、水深をhとしたと
き、従来のd/h=1(水底固定型)と、本実施例のd
/h<1(浮上型)との各々の振り子板のエネルギー変
換効率を比較することにある。なお、図2に示す実施例
では底盤が設けられていないため、実験装置における底
盤までの距離とほぼ等価である、水面から振り子板の下
端までの距離をdと定義した。
【0097】b:実験方法 本実験で対象となる浮上型振り子式波浪発電システム
は、図5に示すように、装置にケーソン140開口部方
向から進行波が作用すると、ケーソン140内部の水室
内に重複波が形成され、ケーソン140後壁から1/4
波長沖側の位置に、全波エネルギーが水平方向の運動エ
ネルギーとなっている節が発生する。したがって本シス
テムの動作原理は、この節に振り子板120を設置し、
水粒子の往復運動を利用して振り子板120を動揺さ
せ、波エネルギーを振り子板120の振動エネルギーに
変換する。更に、その振動エネルギーを油圧シリンダー
142に伝達し、油圧エネルギーに変換して発電を行お
うとするものである。ここで、前者を一次変換、後者を
二次変換と呼ぶこととする。
【0098】本実験水槽は、図6(A)(B)に示すよ
うに、長さ24m、幅0.6m、高さ1mの2次元水槽
であり、一端に吸収式造波システム136、他端に消波
工134を設置している。そこで、試験模型を設置し、
水深0.6mとする。この実験模型111は、図5に示
すように、ケーソン140の設置位置を上下に、振り子
板120の設置位置を前後に、任意に変化させることが
可能である。従って、ケーソン140内の重複波の節の
位置に振り子板120を設置することができる。更に、
入射波高及び反射率、伝達率を計測するために、模型
前、後方にそれぞれ波高計138を3本、2本設置し
た。
【0099】前述のように実験水槽130に実験模型1
11を設置した後、吃水dを水深の50%(浮上型)、
75%(浮上型)、100%(水底固定型)と変化さ
せ、この模型に規則波及び不規則波の進行波をそれぞえ
作用させ、その反射率KR、伝達率KTを測定して、本装
置の消波性能に関する検討及び吃水の相違による比較を
行う。また、規則波については本装置を矩形浮体として
仮定して伊藤の理論を適用することで考察の補足とす
る。次に、不規則波は Bretschneider−光易型を期待ス
ペクトルとし、水深に対する吃水の割合d/h=1.0
の状態を水底固定型と仮定する。その際、振り子板12
0が効率よく波エネルギーを吸収するため、造波周期を
変化させる度に、ケーソン後壁から1/4波長の位置
に、振り子板120の設置位置を移動する。更に、
T、 KRの計測と同時に、振り子板120が動揺する
ことによって生じる。油圧シリンダー部に作用する反力
やピストン部の移動変位を測定し、その測定値から振り
子板120が取得した平均エネルギー Emを算出する。
続いて、振り子に作用した入射波エネルギー Wiも規則
波、不規則波に対してそれぞれ算出し、入射波エネルギ
ーに対する振り子の取得エネルギー(振動エネルギー)
の割合、一次変換効率ηを求めて検討を行う。
【0100】<一次変換効率の算出方法>前述した入射
波エネルギーを振り子の振動エネルギーに変換する一次
変換効率ηは、振り子や油圧シリンダーを含めた一次変
換システムの平均取得エネルギー量Em、入射波エネル
ギー量をWiとして次式で表される。
【0101】η=Em/Wi ここで、平均拾得エネルギー量Em(kgf・m/sec)は、
計測した油圧シリンダー部の反力fs(kgf)とピストン
の移動変位Δxs(m)を用いると次のように表される。
【0102】Em=(1/T) Σ fs ・ΔxS S=1〜n、ただし、nはデータ収集数(個)、を表
す。
【0103】また、入射波エネルギー量Wiは規則波と
不規則波で異なるので、それぞれについて次式を用い
る。
【0104】(規則波の入射波エネルギー量) Wi=ERgD=(1/8)w02gD ここで、 ER:規則波の単位面積当たりの全エネル
ギー Cg:群速度(C/2(1+2khcosech 2kh) m
/sec) C:波速(m/sec) k:2π/L h:水深(m) D:振り子の幅(m) w0:単位体積重量(1.03 tf/m) H:波高(m) (不規則波の入射波エネルギー量) 一次元のスペクトル密度関数をE(f)(m2/sec)、
不規則波の単位体積当たりの全エネルギーをEIとする
と、 Wi=EIgD=w0D∫ E(f)Cg df ここでCgを周波数f(Hz)を用いて表すと、深水波近
似の場合には、 Cg=(1/2)(gT/
2π)=g/(4πf) またE(f)は、Bretscneider−光易のスペクトル密
度関数を用いて、 E(f)=0.257H1/3
1/3(T1/3f)-5 exp(-1.03(T1/3f)-4) た
だし、 g:重力加速度(9.8 m/sec2) H1/3:有義波高(m) T1/3:有義周期(sec) C:実験結果及び考察 (1)反射率 KR 図7(A)(B)は規則波実験、図7(C)(D)は不
規則波実験のそれぞれd/h=0.5(浮上型)とd/
h=1(水底固定型)のケースの反射率を示している。
ここで縦軸は反射率、横軸は堤体幅B(1.2m)を波
長Lで除した値を取っている。まず、規則波実験の結果
から明らかなことは、吃水が浅い程反射率が0.2前後
減少することであり、このことから浮上型を用いること
によって、構造物に作用する波力は低減されていること
が考えられる。また、吃水に関わらず、B/Lが大きい
程、つまり入射波周期が短い程反射率が低くなる傾向が
ある。更に、図7(B)に実線で示した伊藤の矩形浮体
の理論値と比較すると、本システムの反射率は0.3〜
0.6程度と、矩形断面を持つ構造物よりは優れた消波
性能を有していることが確認できる。
【0105】不規則波実験においては、反射率は規則波
のそれよりも多少大きいものの、値の範囲は0.4〜
0.6程度と規則波実験の結果と大きな差は無く、した
がって、実海域においての反射率の低減を図ることがで
きる。
【0106】したがって、規則波、不規則波を問わず、
反射率の値が小さくなり、振り子が良好な波浪エネルギ
ーの吸収を行っている。
【0107】また、吃水の変化による反射率の違いによ
り、従来の水底固定型と本実施例の浮上型との比較を行
うと、構造物に作用する波力に関しては、本実施例の浮
上型の方が有利である。
【0108】(2)伝達率 KT 図8(A)(B)は規則波実験、図8(C)(D)は不
規則波実験のそれぞれd/h=0.5と1.0の場合で
あり、縦軸には伝達率、横軸には堤体幅B(1.2m)
を波長Lで除した値を取っている。
【0109】規則波実験における浮上型においては、伝
達率が0.1前後とかなり消波性能が高いことが確認で
きる。また、図8(B)に実線で示した矩形浮体の理論
値とほぼ一致した結果が得られたことから、規則波に対
する伝達率については、本装置を矩形浮体とみなしての
推定が可能である。
【0110】さらに、水底固定型と浮上型の場合におけ
る比較では、大きな違いが見受けられないことから、浮
上型でも相当な消波効果が期待でき、短周期側ほどその
効果は優れている。このことは、d/h=0.75の場
合においても確認できた。
【0111】さらに補助実験として行ったd/h=0.
25の場合でも周期1.4程度までは、同様の結果が得
られたことを付け加えておく。それに対しての不規則波
実験のd/h=0.5の場合では、伝達率が0.2〜
0.4と規則波に比べると相当大きな値であり、この場
合においては、50%程度強の消波効果しか得られなか
った。
【0112】尚、d/h=0.75の場合は、伝達率は
0.2前後と規則波実験で得られた程度の値である。
【0113】不規則波実験の結果より、実海域において
も水底固定型よりは浮上型のほうが伝達率は大きくなる
ことは必至である。ただし、d/h=0.75程度であ
れば、浮上型を用いても、かなりの消波効果は期待でき
る。
【0114】(3)一次変換効率 図9(E)(F)はそれぞれ規則波、不規則波実験にお
ける一次変換効率を示している。
【0115】規則波実験においては、本実験の対象であ
る0.5≦d/h<1.0(浮上型)、d/h=1(水
底固定型)においては、波のエネルギーを受ける振り子
の断面積が大きいd/h=1.0の場合が最もエネルギ
ーを取得するには有利と思われる。しかし、結果は、断
面積の小さいd/h=0.5の場合の方が比較的良好な
傾向を示し、一次変換効率は60〜70%程度とかなり
高い値で安定している。
【0116】不規則波においては、変換効率は、d/h
=0.5、H=5.0cmの場合を除けば、0.5≦d
/h≦1.0の範囲においては、規則波の場合とほぼ同
値である。また、T=1.4sec付近にピークが存在す
ることも示され、この周期では規則波を大幅に上回るこ
とが確認でき、浮上型でも効率80%強と相当高い値を
示した。
【0117】このように、規則波実験よりも不規則波実
験のほうが一次変換効率が良好であったことで、実海域
に適用した場合の一次変換効率も高い値が期待できる。
【0118】(ii)上記実験を基に本実施例に適用した場
合との比較 以上の実験結果を基に、本発明者等は、図2に示すよう
な実施例に本研究結果を応用した。
【0119】すなわち、本実施例においては、図2に示
すように、海底より立ち上げられた杭式構造物の基礎杭
の上に骨組構造物50、さらにその上より消波ブロック
2を設置し、該消波ブロック2の上に振り子板140を
設けた、いわゆる水上浮上型の振り子式波浪発電システ
ムを形成している。
【0120】<4−2>角状の柱60岸側端部62に振
り子板90を設置する点 この点に関して本出願人である発明者等は、先に以下に
示す実験を行い、従来の図に示す側面がある場合のケー
ソンに振り子式発電装置を設置した場合の、ことを実験
的に確認した。
【0121】(i)実験の詳細な説明(第2実験) a:実験方法 図9は、本発明者等が行った実験に用いた実験模型11
0を示す斜視図である。図10は、該実験模型110の
設置状況を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正
面図である。図11は、該実験模型110が設置される
実験水槽130を示す斜視図である。
【0122】実験模型110は、図9に示されるよう
に、隣接した二つの堤体をそれぞれ中央で切断したもの
と、堤体間に設置予定の振り子板で構成され、実験水槽
に合わせて現地の堤体の1/16.7の大きさとなって
いる。振り子板120、後壁116、底板114は取り
外しが可能、振り子板120及び後壁116は前後に移
動可能であり水槽130内に図10のように設置した。
本実験で用いた水槽130は、図11で示される長さ2
4m、幅0.6m、高さ1.0mの二次元水槽で、一端
に吸収式不規則波造波システム136、他端に消波工1
34を設置し、一様水深0.6mで実験を行った。模型
前方には勾配1/15の傾斜台132を設置、または入
射波高、反射波高計用に波高計138を2本設置して、
また模型上部に三分力計124を設置して水平波力、鉛
直波力の計測を行い、振り子板120支点下部には変位
計122を連結し振り子板120の振れ角を計測する。
【0123】これまでの研究においては、振り子式波浪
発電装置はケーソン後壁から入射波の1/4波長の位置
に振り子板を設置することで、最大効率を得ることが確
認されている。しかし、今回の振り子板を設置する脚柱
状の浮上形式の離岸堤には従来のケーソンにあたる側壁
部分のない特殊な形状となっている。そのため、最大効
率が得られる振り子板の設置位置を実験によって求め
た。
【0124】そこで、実験模型110に振り子板120
を設置して振れ角を計測し、振り子板120の適切な設
置位置を設定するための実験を波高8cm一定、周期1、
1.2、1.4、1.6secと変化させ、模型前面から
の距離と振れ角を測定するようにして行う。
【0125】同時に消波性能等を確認するために、この
模型の反射率、伝達率、模型に作用する波力の計測を行
う。また、より効果的に振り子板110を運動させるた
め、振り子板110下部に底板を、振り子板110後方
には反射板としての後壁を設置し、これを設置しない場
合との振れ角の相違について比較する。
【0126】b:実験結果及び考察 振れ角の実験結果を図12(A)(B)に示す。いずれ
の周期でも、また後壁、底板の有無にかかわらず、D=
14cm付近で最大値を記録した。D=14cmは図9
に示されるようにちょうど前方の角状の柱の後部に位置
し、角状の柱間内に集中した進行波及び回折波のエネル
ギーが逃げられない形状になっていることが起因してい
ると思われる。つまり、模型前面部の角状の柱113間
では回折等によって波エネルギーが集中し、波高が増大
するのである。
【0127】従来の振り子式発電装置は、入射波エネル
ギーを最大限利用するために図7又は図8に示されるよ
うな水室を持つケーソンを用いていた。しかし、今回の
装置は側壁がなく、底板と後壁のみの構造形式を離岸堤
内に設置し実験を行った。
【0128】また、反射率、伝達率は、図13(A)
(B)に示されるように、ほぼ低い値で安定しているこ
とから、反射率、伝達率の低減により消波性能、波力エ
ネルキーのエネルギーの吸収効率等には問題がないこと
がわかる。
【0129】(ii)上記実験を基に本実施例に適用した場
合との比較 上記点に加えて、底板、背板等がある場合と、ない場合
とでは、当初の予想に反し、上記実験結果の図12
(A)(B)に示すように、最大の振れ角の値に大きな
差がないという観点から、エネルギー吸収率が低下する
という問題点が生じない。
【0130】さらに、水平波力は、図14(A)(B)
に示すようにD=15cmまで高いが、それより後では低
い。これは、水面付近で作用する水平波力は、角状の柱
により波力エネルギーが柱間に集中するためで、柱のな
い部分は比較的低い値となっている。したがって、振り
子板は柱間に設置されるので、エネルギー吸収効率に関
してはとくに問題がない。
【0131】また、図13(A)(B)に示すように、
反射率、伝達率共に低い値で一定であるので、消波効果
を奏しながらも、振り子板が波力エネルギーを効率よく
吸収しているので、本条件の範囲内にて最大のエネルギ
ー吸収効率が得られる状態にすることで、高いエネルギ
ー吸収効率を維持することができる。これは、同時に反
射率の低減も図れ、最良の消波効果が期待できるという
ことでもある。
【0132】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能であ
る。例えば、図15(B)(C)に示すような消波構造
体500、600等にも本発明に係る振り子式発電装置
が設置可能である。
【0133】また、消波ブロック2を骨組構造物50に
設置する場合、骨組構造物50を消波ブロック2に合わ
せて別体にて構成することも可能である。尚、消波ブロ
ック2は、骨組構造物50上に2体設けたが、この限り
ではなく各消波ブロック2間に振り子板90が設置でき
る距離をもつ間隙が設けてあれば、複数体設けてもよ
い。こうして、ポイントアブソーバー列として、各消波
ブロック2を並列配置して横連結することも可能であ
る。
【0134】さらに、消波機能を実現する構造として
は、所定幅の複数枚の板を間隔をおいて縦又は横に配列
し、各板の間の中でスリット状の隙間を消波孔として設
けてあるものに限らず、消波板の表面から裏面にかけて
貫通する多数の穴状の消波孔を有するもので利用する構
造であってもよい。
【0135】さらにまた、離岸タイプとして構成する場
合、消波構造体を海面に浮くように構成し、ワイヤー及
び重りなどを利用して、所定位置に浮設することも可能
である。
【0136】また、水平消波板30の溝部34に隣接す
る端面に複数の凹部を設けて、いわゆる波浪フィルタ効
果を奏する構造としてもよい。その場合、極浅海又は深
海部分にて、フィルタ構造物を方形断面平行水路中に構
成することが好ましい。これにより、背後水域の顕著な
静穏化が可能となる。
【0137】
【発明の効果】請求項1乃至の各発明によれば、波受
入口より取り込まれる直進入射波のエネルギーの散逸を
防止し、かつ、前後の垂直消波板に囲まれた振り子板の
揺動領域にて直進入射波に干渉する波の悪影響を低減さ
せながら、離岸での高い波力エネルギーを振り子板に効
率よく作用させて発電することができる。
【0138】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消波構造体の構造を示す平面図で
ある。
【図2】図1の消波構造体の構造を示す側断面図であ
る。
【図3】図1の消波構造体の構造を示す正面図である。
【図4】(A)、(B)共に、消波構造体に設置される
発電装置のシステムを示す回路図である。
【図5】本発明の効果を立証する第1実験に用いた実験
模型の構造を示す断面図である。
【図6】図5の実験模型の設置状況を示す図であり、
(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図7】第1実験の実験結果を示すグラフであり、
(A)は規則波での反射率<d/h=1>、(B)は規
則波での反射率<d/h=0.5>、(C)は不規則波
での反射率<d/h=1>、(D)は不規則波での反射
率<d/h=0.5>をそれぞれ示す。
【図8】第1実験の実験結果を示すグラフであり、
(A)は規則波での伝達率<d/h=1>、(B)は規
則波での伝達率<d/h=0.5>、(C)は不規則波
での伝達率<d/h=1>、(D)は不規則波での伝達
率<d/h=0.5>、(E)は規則波での一次変換効
率、(F)は不規則波での一次変換効率をそれぞれ示
す。
【図9】本発明の効果を立証する第2実験に用いた実験
模型の構造をを示す斜視図である。
【図10】図9の実験模型の設置状況を示す図であり、
(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図11】図9の実験模型が設置される実験水槽を示す
斜視図である。
【図12】第2実験の実験結果の振り子の振れ角を示す
グラフであり、(A)は後壁底板のない場合、(B)は
後壁底板のある場合、をそれぞれ示す。
【図13】第2実験の実験結果を示すグラフであり、
(A)は反射率、(B)は伝達率、をそれぞれ示す。
【図14】第2実験の実験結果を示すグラフであり、
(A)は水平波力、(B)は垂直波力、をそれぞれ示
す。
【図15】従来の杭式消波構造物(水上浮上型)の例を
示す図であり、(A)は離岸堤の全体図、(B)はその
一例を示す斜視図、(C)は他の例を示す斜視図であ
る。
【図16】従来の振り子式波浪発電装置が設置される水
底固定型ケーソンを示す正面図である。
【図17】図16のケーソンを示す側断面図である。
【図18】他の従来の振り子式波浪発電装置を示す側断
面図である。
【図19】図1の消波構造体の波の作用を示す模式図で
あり、(A)は従来の消波機能を有しないケーソンの場
合、(B)は本発明の消波構造体の場合を示す。
【符号の説明】
1 消波構造体 2−1、2−2 消波ブロック 10 前面の垂直消波板 20 後面の垂直消波板 30 水平消波板 34 溝部 40 波受入口 50 骨組構造物 52 杭挿通孔 60 側壁(柱) 62 岸側端部 64 杭挿通孔 90 振り子板 100 発電装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西牧 均 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−129005(JP,A) 特開 平3−217508(JP,A) 特開 平5−1407(JP,A) 特開 平1−142273(JP,A) 実開 昭64−623(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F03B 13/18 E02B 3/06 302

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沖側に設けられ、消波孔が形成された前
    面の垂直消波板と、 岸側にて前記前面の垂直消波板と相平行に設けられ、消
    波孔が形成された後面の垂直消波板と、 前記前後の各垂直消波板を立設保持し、地盤に固定され
    る杭が挿通される杭挿通孔を備えた透水性のある骨組構
    造物と、 前記前面の垂直消波板に形成された波受入口と、 前記前後の各垂直消波板に囲まれた領域であって、か
    つ、前記波受入口と対向する領域にて、波力により揺動
    する振り子板と、 前記振り子板の揺動運動を電気エネルギー又は熱エネル
    ギーに変換して発電する発電装置と、を有し、 前記前後の各垂直消波板間には、消波孔を有する水平消
    波板が配置され、 前記振り子板の揺動支点が水面より上方位置に配置さ
    れ、前記振り子板の下端が前記水平消波板の下方の水域
    まで延在形成され、かつ前記水平消波板は少なくとも前
    記振り子板の揺動経路に亘って切欠かれている ことを特
    徴とする消波構造体に付設する振り子式波浪発電装置。
  2. 【請求項2】 地盤に固定される杭が挿通される杭挿通
    孔を備えた透水性のある骨組構造物と、 前記骨組構造物上に並列配置された2体の消波ブロック
    と、 を有し、 前記各消波ブロックは、沖側に設けられる前面の垂直消
    波板と、岸側にて前記前面の垂直消波板と相平行に設け
    られる後面の垂直消波板と、を有し、 並列配置された前記各消波ブロックの沖側の垂直消波板
    間に波受入口が形成され、 前記波受入口と対向する領域に、波力により揺動する振
    り子板が配置され、 前記振り子板の揺動運動を電気エネルギー又は熱エネル
    ギーに変換して発電する発電装置が配置され 前記前後の各垂直消波板間には、消波孔を有する水平消
    波板が配置され、 前記振り子板の揺動支点が水面より上方位置に配置さ
    れ、前記振り子板の下端が前記水平消波板の下方の水域
    まで延在形成され、かつ前記水平消波板は少なくとも前
    記振り子板の揺動経路に亘って切欠かれている ことを特
    徴とする消波構造体に付設する振り子式波浪発電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記波受入口の両側には、前記前面の垂直消波板より岸
    側に向けて延設される側壁が形成され、 対向する前記側壁間にて前記振り子板が垂下して支持さ
    れていることを特徴とする消波構造体に付設する振り子
    式波浪発電装置。
  4. 【請求項4】 沖側に設けられ、消波孔が形成された前
    面の垂直消波板と、 岸側にて前記前面の垂直消波板と相平行に設けられ、消
    波孔が形成された後面の垂直消波板と、 前記前後の各垂直消波板を立設保持し、地盤に固定され
    る杭が挿通される杭挿通孔を備えた透水性のある骨組構
    造物と、 前記前面の垂直消波板に形成された波受入口と、 前記前後の各垂直消波板に囲まれた領域であって、か
    つ、前記波受入口と対向する領域にて、波力により揺動
    する振り子板と、 前記振り子板の揺動運動を電気エネルギー又は熱エネル
    ギーに変換して発電する発電装置と、 を有し、 前記前面の垂直消波板には、前記波受入口の両側にて、
    前記骨組構造物の前記杭挿通孔と連通する杭挿通孔を備
    えた2本の柱が形成され、 前記柱の対向する側面間に前記振り子板が垂下して支持
    されていることを特徴とする消波構造体に付設する振り
    子式波浪発電装置。
  5. 【請求項5】 請求項において、 前記振り子板は、前記柱の岸側の端部間にて垂下して支
    持されていることを特徴とする消波構造体に付設する振
    り子式波浪発電装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至のいずれかにおいて、 前記後面の垂直消波板には、前記波受入口と対向する領
    域にて該波受入口より狭い幅を有する波出口が形成され
    ていることを特徴とする消波構造体に付設する振り子式
    波浪発電装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至のいずれかにおいて、 水面から前記振り子板の下端までの距離をdとし、水深
    をhとしたとき、 1>d/h≧0.5に設定したことを特徴とする消波構
    造体に付設する振り子式波浪発電装置。
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