JP4934824B2 - 可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造 - Google Patents

可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造 Download PDF

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Description

本発明は、可動物体型波力エネルギー変換装置のための遊水室構造に関し、特に、水面波の運動から安定的にそのエネルギーを取り出すための構造であり、信頼性が高く高効率な波力エネルギー変換装置の遊水室構造に関する。
技術背景
発電のためにエネルギー源として各種のものが現在使用されており、代表的な方式である火力発電では、石油、石炭等の化石燃料が使用されている。この化石燃料を使用する火力発電は、その化石燃料の燃焼に伴い二酸化炭素を発生させ、地球温暖化の原因を作っている。又、原子力発電は、放射性廃棄物の処理コスト、放射能汚染等の危険性があることから問題がある。最近はこれらの問題がないクリーンなエネルギー源を使用する風力発電、波力発電等が注目され、その技術についても種々提案がなされている。
波力エネルギーを利用した発電方式は、海洋又は湖沼の水面波をエネルギー源とするものであるが、前述した現行の火力発電等で問題となる公害はなく、数少ないクリーンエネルギー源の1つである。この波力エネルギーを利用した発電技術を確立しておくことは、仮に地球上の化石燃料が全て枯渇してもエネルギーを確保できることになり、将来に対しては重要な意味をもつことになる。このため、この波力エネルギーを発電に利用するための変換装置について、従来から種々の研究開発が行われており、既に一部は商業ベースで進められている。
一般に、波力エネルギー変換装置は、波のエネルギーを機械的エネルギーに変換する1次変換装置と、この変換された機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する2次変換装置とで構成されている。1次変換装置としては、現時点では振動水柱型と可動物体型が代表的である。振動水柱型の装置は、上部に閉じた空気室を有し、下部に海水が出入りする開口部を有する装置であり、海水の波の鉛直方向成分である上下運動で空気室に閉じ込められた空気を加圧し、その空気圧で空気タービンを駆動し、この動力で発電機を駆動して電気エネルギーに変換し発電する装置である(例えば、特許文献1参照)。
他方、可動物体型の装置として、水面上に浮遊している可動物体であるフロートが、水面波の運動により上下方向に運動する動力として取り出し、これを回転する軸の機械的エネルギーに変換し、更にこれを電気的エネルギーに変換して発電する装置が知られている。次に、この後者の技術を詳細に説明する。この技術に関わる装置は、可動物体の周囲の海水域を仕切る構造体である枠体が配置されている。
本発明の発明者が提案した、特許文献2に記載された可動物体型波力エネルギー変換装置の枠体は、枠体前方壁の水面下に海水が出入りする開口部を有し、この開口部の後方に開口部を左右に挟む案内側板を、配置したものである。この枠体前方壁と枠体後方壁との間隔は、海水面に形成される波の波長の6分の1を越えないようにしている。更に、枠体前方壁と枠体後方壁との間隔が案内側板の水平方向長さの2倍を越えないようにしている。
枠体は、枠体の開口部外側に、波の作用で開口部より下側から侵入してきた海水を開口部に導入するため、外側を海底方向に傾斜させた案内底板を有する。更に、枠体は、枠体の下端に枠体底板を有し、波の作用で開口部より上側に侵入してきた海水を滑らかに開口部に導入するため、外側を水面方向に傾斜させた案内板を有する。
この構成により、可動物体の周囲に設けた枠体により、可動物体周辺の海水の運動を所望の方向に制御し、可動物体支持部に有害な力が作用するのを回避している。一方、最近、防波堤前面の遊水室内の海水の運動の研究もなされている(例えば、非特許文献1参照)。この遊水室型海水交換防波堤は、反射波による小船舶の災害の防止や港湾域の静穏化を目的としたものであり、堤体の港外側に設けた垂下版と背後壁の間に遊水室を配置したものである。
この遊水室の底部に通水路を確保し、透過波の低減のために水平版を配置したものである。また、水平版の下部に通水部を配置したものも提案されている。この構造を有する防波堤では、遊水室内に励起されるピストンモードの波動運動の発生、及びその共振現象により、水平版の上部の遊水室では渦流れの増大現象を引き起こし、反射波エネルギーが効果的に減衰されること等を解明している。そして、遊水室内では、遊水室の全体にわたる水の循環流を生じることから、遊水室内の渦の回転エネルギーを水車の回転として取り込み、発電利用への可能性について言及している。
特開平10−213059号 WO02/38951 A1号 中村孝幸 外1名:「遊水室型海水交換防波堤の効果と遊水室内渦流れを利用する波エネルギー取得について」、海洋開発論文集、第21巻、pp.547−552(2005年7月13,14日)
しかしながら、前述の特許文献、非特許文献で示す従来の技術は、有効に波動エネルギーを取り出すという観点からは、完全なものではなく種々問題があり改良の余地がある。特許文献2で示す技術は、本発明と同一発明者の提案になるものであるが、可動物体の周囲に設けられた水域を仕切る枠体の内側、即ち、遊水室内の水の運動には水平動の成分が存在し、可動物体の鉛直方向の運動を利用する波力エネルギー変換装置が円滑に稼動出来ないという問題点がある。又、非特許文献1に記載されたいる遊水質構造は、遊水室内に強い渦流れがあるために、可動物体の上下動を利用する波力エネルギー変換装置の駆動には適さないことは明らかである。
本発明は、前述の波力エネルギー変換装置に関わる前述の状況に鑑み発明されたものであり、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、遊水室内の海水の動きを、水平動を抑えて略鉛直方向の運動のみにした、可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、浮動する可動物体を安定して上下動させ、確実で安定したエネルギー変換を行うことができるように、可動物体を浮かせた遊水室内の下部に複数の小遊水室を配置し、この小遊水室の下部の開口から波を導入できる、可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造の提供にある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、遊水室内の水の動きに水平動がなく略鉛直方向のみにすることに成功した。本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、
遊水室(5)内の水面に浮かべた可動物体であるフロート(9)の上下運動により波エネルギーを機械的エネルギーに変換する可動物体型波力エネルギー変換装置のための遊水室構造であって、
水面を区画して構成した空間である前記遊水室(5)を構成するために水面の一部を仕切るための枠体(1,3,7)と、
前記枠体(1,3,7)のうち波を受ける側の前記枠体(3)の水面下に形成された開口部(8)と、
前記遊水室(5)の下部の水面下に配置され、上部が前記遊水室(5)に連通して開口し、下部が前記開口部(8)に面して開口しており、鉛直方向に広がる区画空間である複数の小遊水室(6,24)とからなり、
前記小遊水室(6,24)は、相互に平行に水平方向に隔離して並列に固定して配置された複数の板状部材の平面壁(4)により区画されており、
前記複数の平面壁(4)は、上端高さが一致して配列され、下端高さが前記遊水室の奥行き方向に段階的に下がるように配列されていることを特徴とする。
本発明2の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、
遊水室(5)内の水面に浮かべた可動物体であるフロート(9)の上下運動により波エネルギーを機械的エネルギーに変換する可動物体型波力エネルギー変換装置のための遊水室構造であって、
水面を区画して構成した空間である前記遊水室(5)を構成するために水面の一部を仕切るための枠体(1,3,7)と、
前記枠体(1,3,7)のうち波を受ける側の前記枠体(3)の水面下に形成された開口部(8)と、
前記遊水室(5)の下部の水面下に配置され、上部が前記遊水室(5)に連通して開口し、下部が前記開口部(8)に面して開口しており、鉛直方向に広がる区画空間である複数の小遊水室(6,24)とからなり、
前記小遊水室(6,24)は、相互に平行に水平方向に隔離して並列に固定して配置された複数の板状部材の平面壁(4)により区画されており、
前記複数の平面壁(4)は、その上端(21)および下端(22)を遊水室の奥行き方向に段階的に下げて配列されていることを特徴とする。
本発明3の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、本発明1又は2において、前記複数の平面壁(4)には、前記小遊水室(6,24)間で海水の交換ができるように貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明4の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、本発明1又は2において、前記複数の平面壁(4)の下端部には、前記開口部(8)方向に張り出し海水の出入りを誘導するように案内部(11,20)が設けられていることを特徴とする。
本発明5の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、本発明1又は2において、前記複数の平面壁(4)の上端部は、前記可動物体(9)との衝突を緩衝するために可撓性部材(13)で構成されていることを特徴とする。
本発明6の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、本発明1又は2において、前記遊水室(5)は、前記複数の平面壁(5)を横切る方向に跨って複数の側壁(7)が交差して配置され、マトリックス状に複数の前記遊水室(5)を構成するものであることを特徴とする。
本発明7の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、本発明4において、前記案内部(11)は、前記複数の平面壁(4)の下端部が、前記開口部(8)に向けて平面状に張り出して構成されていることを特徴とする。
本発明8の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、本発明4において、前記案内部(20)は、前記複数の平面壁の下端部が前記開口部(8)に向けて曲面形状で張り出して構成されていることを特徴とする。
本発明9の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、
遊水室(5)内の水面に浮かべた可動物体であるフロート(9)の上下運動により波エネルギーを機械的エネルギーに変換する可動物体型波力エネルギー変換装置のための遊水室構造であって、
水面を区画して構成した空間である前記遊水室(5)を構成するために水面の一部を仕切るための枠体(1,3,7)と、
前記枠体(1,3,7)のうち波を受ける側の前記枠体(3)の水面下に形成された開口部(8)と、
前記遊水室(5)の下部の水面下に配置され、上部が前記遊水室(5)に連通して開口し、下部が前記開口部(8)に面して開口しており、鉛直方向に広がる区画空間である複数の小遊水室(6,24)とからなり、
前記小遊水室(6,24)は、相互に平行に水平方向に隔離して並列に固定して配置された複数の板状部材の平面壁(4)により区画されており、
前記複数の平面壁(4)の全ては、前記下端が海底(10)に接するように構成され、かつ前記小遊水室(6)間で海水の交換ができるように貫通孔(12)が形成されていることを特徴とする。
本発明10の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造は、本発明9において、前記貫通孔(12)の開口面積は、前記遊水室の奥行き方向に向かって、段階的に小さくなっていることを特徴とする。
本発明の遊水室構造は、可動物体を浮かせた遊水室内の下部に複数の小遊水室を配置した構造であるので、その遊水室内の海水は水平動を規制され、上下方向に運動する。このことにより海水面上に浮上している可動物体であるフロートは鉛直方向に安定して浮動することができる。即ち、可動物体およびその支持部に対して水平方向の衝撃力等が作用しないので、可動物体やその支持部を損傷することなく安定して浮動させることができる。
結果的に波浪エネルギーを、可動物体の上下運動により安定的に確実に取り出すことができ、機械的エネルギーに変換する高効率の一次変換装置が得られる。例えば、日本の冬は北風が強いので、波の波高が高く、遊水室内の水面の上下動が大きくなり、多くの電力を得ることができる。この電力はこの時期の暖房用電力の需要に充てることができ極めて効果的である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の基本的構成は、海岸や港湾等の防波堤や岸壁の港湾構造物の前方に配置された遊水室である。この遊水室は、水域を仕切る構造体である枠体により形成されている。遊水室を構成する枠体のうち、沖に面した波を受ける側の枠体の下部は開口となっており、水面波の運動により遊水室内に水面の上下動がおこる。また、遊水室内の水面上には、可動物体であるフロートが浮遊状態で配置され、遊水室内の水面上下動によりこの可動物体の上下動が誘起され、可動物体型の波力エネルギー変換を行なうようになっている。
可動物体の上下運動の動力を円滑に抽出するため、遊水室の下部位置には、複数の鉛直な平面壁等で区画される分割空間である小遊水室が配置されている。この小遊水室は、平面板である平面壁により複数の空間に区画されたものであり、断面形状が矩形のマトリックス状のもの、又は断面形状がハニカム構造等である。この小遊水室の平面壁には、多数の貫通孔が開けられたものであっても良い。この貫通孔は、互いに隣接する小遊水室の間で水位差による海水(湖沼の場合は、水である。以下、本発明では同義に用いる。)の交換を行い、遊水室内の水面を水平にする役割を果たす。結果として、この貫通孔により、小遊水室内の水の大局的な運動を略鉛直とするので、この小遊水室の上部の遊水室の水面をほぼ水平な状態で上下方向に昇降させる。
防波堤等の岸壁の前方に配置され、遊水室を構成する枠体の構成要素である略鉛直壁は、通常水面下の下半分を水が出入りする構造の開口部を持つが、この開口部を出入りする水の流れは各小遊水室の各々に均等に配分される。尚、遊水室は、通常防波堤や岸壁の港湾構造物の前方に設けるが、海岸から離れた沖の超大型浮遊体構造物(メガフロート)の外周部に配置してもよい。以下、実施例において具体的に詳細に説明する。
又、遊水室構造においても、遊水室の奥行き、即ち、海側の鉛直壁と岸壁面との間隔は、波浪の波長の1/6以下で略5m程度が好ましい。この5mは、遊水室に浮かぶ可動物体の直径約3m程度が取り扱いやすいという理由からであり、理論的に決まる数値ではない。この可動物体を1列に配置して波力発電装置を行う場合、現場での取り扱いが容易であるという理由からである。なお、海底が水平で平面の場合、波浪の波長は理論的には周期と水深により決まり、周期が長いほど、そして水深が深いほど波長は長くなる。波浪は、通常水深の深い沖から浅い水域に入ってくるので、反射波が強い場合を除けばある場所で生じている波浪の波長は、上記のように周期と水深で決まる値より大きいのが一般的である。
以下、本発明の可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造(以下、「遊水室構造」という。)の実施例を、図面に従って説明する。図1は、本発明の遊水室構造の実施例1を示す断面図である。実施例1の遊水室構造は、複数の平面壁4の下端位置を遊水室の奥行き方向に段階的に低下させたものである。図2は、図1のII−II線で切断したときの断面図である。岸壁1、鉛直壁3、側壁7で囲まれた遊水室5内の上部に円筒形のフロートが浮遊状態で配置されている。実施例1の遊水室構造は、コンクリート等で構築された防波堤の岸壁1の側壁面2に隣接して固定配置されたものである。この岸壁1の海側の側壁面2に、これと一定間隔を置いて、これに沿うように鉛直でかつ平行に配置され、しかも板状体の壁面である鉛直壁3が配置されている。
岸壁1と鉛直壁3との間の下方の空間には、これらと平行に配置された鉛直の壁面で板状の部材で作られた複数の平面壁4が一定間隔に固定配置され、遊水室5の下方の空間を仕切り区画している。平面壁4の下端は、岸壁1に近いものは、海底10まで延びており、鉛直壁3に近いものは、鉛直壁3の下端と同じ位置である。従って、図1に示したように、平面壁4の下端は岸壁1に近づくにつれて段階的に海底10側に延長されている。
更に、鉛直壁3の側壁面3aと岸壁面2との間の空間は、これらと直交して配置された鉛直の板状の壁面である複数の側壁7が配置され(図2参照)、平面壁4と共に空間を区画している。この側壁7は、平面壁4の下端から水面より上方まで延びている。側壁7の両端は、鉛直壁3の側壁面3aと岸壁面2にそれぞれ連結固定されている。結局、平面壁4と側壁7は、岸壁1と鉛直壁2との間の空間を区画し、上部に遊水室5、及び下部にマトリックス状に複数の小遊水室6を区画していることになる。
平面壁4及び側壁7は、水面下において断面が矩形で鉛直方向に複数の小遊水室6の空間に分割していることになる。個々の小遊水室6は、鉛直壁3から岸壁1に至るまで、その容積を段階的に変化させたものである。一方、各平面壁4の上端高さは、水面下で同一高さに揃えられている。なお、側壁7は、海底10まで延長させたものであっても良い。側壁7を海底10まで延長させたものは、斜め入射波の際における遊水室内の水の運動の岸壁1に沿う方向の成分を遮断することができる。
鉛直壁3の側面と岸壁面2で区画され上部空間は、空間部である遊水室5に区画されている。この遊水室5内には、可動物体である円筒形の複数のフロートである可動物体9が浮遊状態でそれぞれ配置されている。遊水室5は、この可動物体9の上下運動が可能な空間領域を形成する。鉛直壁3の下部と海底10との間は、開口部8が形成されている。開口部8は、海洋側からの波浪エネルギーを取り込むための取入口である。このために各小遊水室6は、海側に下端が開口していることになる。各小遊水室6の下端の開口面は、一定角度で開口部8に面していることになる。
なお、各平面壁4には複数の貫通孔(図示せず)を設けておいてもよく、この場合には、各小遊水室6間で海水の交換が行われ、上部空間における水の水平動が抑えられる。また、貫通孔の形状はどのようなものでもよい。各平面壁4を構成する材質は問わないが、一般的にはFRP等の非金属性の材料が耐腐食性、メイテナンス性等の観点から好ましい。以上の構成において、海から入射波が防波堤の開口部8に向かって浸入してくると、これが各小遊水室6の下部に侵入して海水が上下方向に振動する。
これと連通している遊水室5の海水面が上下動し、この海水面に浮いて配置されている可動物体9が上下移動する。可動物体9の上下運動エネルギーを電気エネルギーに変換する機構は、周知技術であり、かつ実施例5で説明するのでその説明は省略する。
図3は、本発明の遊水室構造の実施例2を示す断面図である。この実施例2の遊水室構造は、平面壁4の下端位置に水平方向に案内部材11を設けたものである。実施例2の遊水室構造は、基本的な構造については図1に示す実施例1の遊水室構造と同様である。実施例2の遊水室構造は、図3に示すような平面壁4をなす平面板、若しくは小遊水室6の下端に、海側に向けて水平方向に向いた案内部材11を、これと一体に設けたものである。
ただし、案内部材11は、その傾斜角が60度程度以下であれば、水平でなく沖側に下がるものであっても良い。このような水平ないしは下向きに傾斜する案内部材11によって、波浪の鉛直方向の運動エネルギーのみを円滑に小遊水室6の下部に誘導することができる。この場合にも、実施例1の遊水室構造と同様に、平面壁4を構成する各平面板には複数の貫通孔(図示せず)を設けておいてもよい。
図4は、本発明の遊水室構造の実施例3を示す断面図である。実施例3の遊水室構造は、平面壁4の開口部12の大きさを、海側の前面の平面壁4から岸壁面2方向に近づくに従って、大径から小径へと変化させたものである。図4に示す実施例3の遊水室構造は、実施例1の遊水室構造と同様に、複数の平面壁4を岸壁1と鉛直壁3に平行に配置されている。ただし、この平面壁4は、開口8の位置に配置され、しかも海底10まで延長された長さを有する点で実施例1のものとは異なる。平面壁4の上端は水平に揃えられ、下端は海底10まで達している。
各平面壁4には、円形の貫通孔である開口部12が形成されている。各平面壁4は、貫通孔である開口部12が複数個形成されている。この開口部3の開口面積は、海側の鉛直壁2側から岸壁1側に遠ざかるに従って減少している。即ち、平面壁4の全面積に対する全ての開口部12の面積の比率(開口率)(a/A、ただし、aは開口部12の面積、Aは平面壁4の全面積)は、鉛直壁3から岸壁2側方向に行くに従ってほぼ直線的に減少している。
即ち、開口率を、海側の鉛直壁1側の平面壁4から岸壁1方向へと後方に遠ざかるに従って、大から小へと変化させるものである。このようにすることで、開口8を出入りする水の流れをほぼ均等に個々の小遊水室6内の流れに配分する。そして遊水室内5の水の上下運動を安定化し、エネルギー変換をより確実にすることができる。又、この開口部12を有した平面壁4を設けたことにより、小遊室6への海水の出入りの際の勢いを抑制するのにも有効である。
図5は、本発明の遊水室構造の実施例4を示す断面図である。実施例4の遊水室構造は、平面壁4の全体、又は上半部を、可撓性部材13で構成した実施例4を示す断面図である。即ち、図4に示す実施例4の遊水室構造は、実施例1の遊水室構造と基本的な構造では変わることはない。実施例4の遊水室構造は、平面壁4の上半部を可撓性部材13で構成し、下半部を剛体部14としたものである。可撓性部材13は、合成ゴム、合成樹脂エラストマー等の軟質部材で構成する。図5の拡大図Aに示すように、可撓性部材13と剛体部14の連結は、両側面から板材である連結板15を当て、リベット16で固定したものである。
なお、平面壁4の全体を可撓性部材13で構成しても良い。図示していないが、実施例2及び実施例3の遊水室構造においても同様の技術思想で構成することができる。この実施例4の遊水室構造の場合、遊水室5内の可動物体5の上下運動に対して、可動物体9と平面壁4とが接触しても、平面壁4、可動物体9等を損傷することはない。
又、上記いずれの実施例の遊水室構造においても、遊水室5の奥行き、即ち、海側の鉛直壁3と岸壁面2との間隔は、前述したように波浪の波長の1/6以下で略5m程度が好ましい。また、可動物体9と、鉛直壁3の側壁面3a、及び可動物体9と岸壁1の側壁面2とのクリアランスは、それぞれ1m程度とるようにすれば、可動物体9の上下動に際して、可動物体9と岸壁面2、又は鉛直壁3の側壁面3aとの衝突を回避することができる。又、可動物体9の周囲を緩衝材で覆うことにより、岸壁1の岸壁面2、又は鉛直壁3の側壁面3aとの接触・衝突に対処することができる。
図6は、本発明の遊水室構造の実施例5を示す断面図である。実施例5の遊水室構造は、平面壁4の下部を曲面状の案内部20としたものである。図7は、図6のVII−VII線で切断した断面図である。図6に示すように、岸壁1に対し海側に鉛直壁3を配置して遊水室5を構成する点は、前述の実施例1等の遊水室構造と同様である。この岸壁1を鉛直壁3に跨って、複数の平面壁4が等間隔に鉛直方向と平行に並列して設けられている。ただし、実施例5の遊水室構造において平面壁4を等間隔に設けているが、必ずしも等間隔にする必要はない。
鉛直壁3の下部は開口部8となっていて、海水が小遊水室24へ自在に出入りできるようになっている。小遊水室24の上端21は、水平方向に高さが一致している。下端部22は、鉛直壁3側から岸壁1側に向かって平面壁4の下端の長さは、相対的に異なっている。この下端部22は、鉛直壁3から岸壁1に向かって段階的に海底10側に長く延びており、岸壁面2側の平面壁4の下端は、海底10側に接した状態となっている。
この複数の平面壁4の下端22は、全て先端が曲面状、又は断面形状が円の1/4の円弧状に海側に張り出しており、これが案内部20を構成している。この複数枚の平面壁4間は、図7に示すように平面壁4を横切る方向に複数の側壁23を交差させて接合されている。平面壁4とこの側壁23との間で複数の小遊水室24を構成している。側壁23は図7に示すように平面壁4に対し所定角度で斜めに交差させ結合させている。
従って、小遊水室24の形状は、三角形あるいは台形の形状を有することになる。図2に示した実施例1の遊水室構造は、側壁7を平面壁4に対し所直角方向に交差させて接合させているので、小遊水室24は矩形体、又は長方体状の形状となっている。いずれも平面壁4と側壁7とで小遊水室6はハニカム的な構造を構成している。海水は開口部8から出入りする際、平面壁4の下部に設けられた案内部20の曲面形状によりその流れが規制される。
この案内部20の形状に沿って水平方向に海水が流れ込むと、海水は矢印で示すように平面壁4に沿って上昇し各小遊水室24に流れ、これに伴ない遊水室5の海水面は上昇する。又逆に流れが引く場合には、平面壁4に沿って海水面は下降し、案内部20の曲線形状に沿って海水は海側へ戻ることになる。
小遊水室24は、平面壁4と側壁23が案内通路の機能を有しているので、海水は上下方向のみに規制され流れる。案内部20を曲線状にしたことで、海水はスムースに水平から上下方向にその流れを変えることになる。この構成により、海水は遊水室5内において、安定し、確実に上下運動を維持することとなる。図6に示すように、海水面上に可動物体9が浮動状態で設置されている。この可動物体9は、水面の上下移動に追随して上下運動する。可動物体9は、常時水面上を浮動しているものであって、例えば内部が密封された空間を有する円筒体である。
この形状は浮体であればどのような形状であってもよい。例えば、球状であってもよく鉄板以外の材質のものでもよい。この可動物体9の上部には、ワイヤ、チェーン等の索条体25の一端が連結されている。この索条体25は駆動輪に巻かれており、他端は錘26、即ち索条体25に張力を与えるためのカウンタウェイトに連結されている。この可動物体9は、上下運動することにより上部に設置されたエネルギー変換装置の一部である回転軸27を駆動し、波浪の上下運動エネルギーは、一方向クラッチ等の機構を有する機械装置28により回転力に変換され、更にこの回転力により発電機29を回転駆動して電気的エネルギーに変換される。
これらの装置に関する詳細な説明は本発明の要旨でないので省略するが、可動物体9が上方向に移動しても下方向に移動しても回転軸27は同一回転方向に駆動され、電気的エネルギーに変換される。可動物体9は、本実施の形態により上下方向のみに浮動するようにしてはいるが、安全のため何らかの形で水平方向の運動も生じることを考慮し、図示していないが可動物体及び岸壁、鉛直壁等に緩衝部材を設け保護対策を講じている。
図8は、本発明の遊水室構造の実施例6を示す断面図である。実施例6の遊水室構造は、平面壁4の下部を曲面状の案内部としたことは実施例5のものと同様であるが、平面壁4の上下方向長さを全て同一にしたものである。小遊水室24内の複数の平面壁4の上下方向の長さは全て同一である。平面壁4の下端22の位置は、実施例5と同様に鉛直壁2から岸壁1側に向かって、段階的に海底10側に延びている。このため、平面壁4の上端21は、このずらしに応じて鉛直壁3側から岸壁1側にかけて段階的に下方にずれている。鉛直壁3に近接する平面壁4の上端21は常に水面下になるように設置される。
この実施例6の水の流れも前述したものと同様に、海水が水平方向に開口部8に流れ込むと、平面壁4の案内部20の曲面形状に沿って小遊水室24へ取り込まれて遊水室5の上方へ流れ、遊水室5の水面は上昇する。水は小遊水室24から上方へ出ると、他の小遊水室24からの水と混じり合うことになり、その範囲は実施例5に比し大きくなるが、水平方向への分力は生じず水面は上昇する。
複数の平面壁4の長さを全て同一にしたことは、この遊水室5を構成する上で、コスト低減できる利点がある。前述の実施例も同様であるが、実際に設置される装置は複数の遊水室5を隣接させ、防波堤等に設けられる構造体となる。従って、個々の部材の使用量は数多いものとなるので、構成を単純化したり部品点数を減らしたりすることはコスト低減になる。側壁7の構成については、図示していないが実施例5と同様な構成である。
前述のように、平面壁4の上端21は常に水面の下になるような位置に設置されていて、干潮で水面が低くなる場合であっても水面下になるようにしている。 以上種々の実施例を説明したが、いずれの実施例においても、遊水室5を構成する枠体の一部として、防波堤の岸壁1を直接利用することで説明した。しかし、岸壁1とは別個の独立した枠体として、遊水室5を構成してもよいことは明らかである。この場合、枠体を防波堤の一部とする形態、あるいは独立した枠体を防波堤、沖合等に設置する形態となる。この遊水室構造は独立して移動可能に構成すれば、他の場所に設置することも可能である。従って、平面壁4の下端と海底10の間は、空間が形成され海水が自由に通る通水構造となる。
また、海からの波の波高は年間平均すれば50cmから1m程度以上と考えられるが、遊水室5の下端、即ち平面壁4の上端の高さは、(大潮時の干潮面―設計波来襲時の遊水室内の水面動揺の振幅―可動物体喫水深)程度とすればよい。前述のいずれの実施例においても、本発明の遊水室構造での海水の上下動に基づく可動物体の上下運動を前述のように回転駆動に置き換え一方向クラッチ機構等の周知の適切な機構により機械的エネルギーに変換し、即、電気などの利用しやすいエネルギーに変換することができる。
上述の実施例においては、防波堤の前方に設けた遊水室について説明したが、防波堤に限らず、超大型浮体式構造物(メガフロート)の外周部に設けた遊水室についても、同様に本発明を実施することができる。台船状の大型浮遊体構造物を採用した場合には、台風等の際には、曳航することで可動物体型波力エネルギー変換装置を避難することもできる。また、所望の波浪の発生域に移動して効率的にエネルギーを獲得することができる。以上種々の実施例について説明したが、本発明はこれら実施例に限定されないことはいうまでもない。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明の遊水室構造は、外洋、湖沼、港湾等において、波浪エネルギーを効率的に機械的エネルギーに変換することができるため、波力発電装置に代表されるエネルギー変換装置のうちの一次変換装置として有効である。更に、港湾内の防波堤や岸壁の前面や前方水域に配置すれば、高波のエネルギーを吸収するために、消波装置としても好適である。
図1は、本発明の遊水室構造の実施例1を示す断面図である。 図2は、図1のII−II線で切断した断面図である。 図3は、本発明の遊水室構造の実施例2を示す断面図である。 図4は、本発明の遊水室構造の実施例3を示す断面図である。 図5は、本発明の遊水室構造の実施例4を示す断面図である。 図6は、本発明の遊水室構造の実施例5を示す断面図である。 図7は、図6のVII−VII線で切断したときの断面図である。 図8は、本発明の遊水室構造の実施例6を示す断面図である。
符号の説明
5…遊水室
1…岸壁
2…岸壁面
3…鉛直壁
4…平面壁
5…遊水室
6…小遊水室
7…側壁
8…開口部
9…可動物体(フロート)
13…可撓性部材

Claims (10)

  1. 遊水室(5)内の水面に浮かべた可動物体であるフロート(9)の上下運動により波エネルギーを機械的エネルギーに変換する可動物体型波力エネルギー変換装置のための遊水室構造であって、
    水面を区画して構成した空間である前記遊水室(5)を構成するために水面の一部を仕切るための枠体(1,3,7)と、
    前記枠体(1,3,7)のうち波を受ける側の前記枠体(3)の水面下に形成された開口部(8)と、
    前記遊水室(5)の下部の水面下に配置され、上部が前記遊水室(5)に連通して開口し、下部が前記開口部(8)に面して開口しており、鉛直方向に広がる区画空間である複数の小遊水室(6,24)とからなり、
    前記小遊水室(6,24)は、相互に平行に水平方向に隔離して並列に固定して配置された複数の板状部材の平面壁(4)により区画されており、
    前記複数の平面壁(4)は、上端高さが一致して配列され、下端高さが前記遊水室の奥行き方向に段階的に下がるように配列されている
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
  2. 遊水室(5)内の水面に浮かべた可動物体であるフロート(9)の上下運動により波エネルギーを機械的エネルギーに変換する可動物体型波力エネルギー変換装置のための遊水室構造であって、
    水面を区画して構成した空間である前記遊水室(5)を構成するために水面の一部を仕切るための枠体(1,3,7)と、
    前記枠体(1,3,7)のうち波を受ける側の前記枠体(3)の水面下に形成された開口部(8)と、
    前記遊水室(5)の下部の水面下に配置され、上部が前記遊水室(5)に連通して開口し、下部が前記開口部(8)に面して開口しており、鉛直方向に広がる区画空間である複数の小遊水室(6,24)とからなり、
    前記小遊水室(6,24)は、相互に平行に水平方向に隔離して並列に固定して配置された複数の板状部材の平面壁(4)により区画されており、
    前記複数の平面壁(4)は、その上端(21)および下端(22)を遊水室の奥行き方向に段階的に下げて配列されている
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
  3. 請求項又はに記載された可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造において、
    前記複数の平面壁(4)には、前記小遊水室(6,24)間で海水の交換ができるように貫通孔が形成されている
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
  4. 請求項又はに記載された可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造において、
    前記複数の平面壁(4)の下端部には、前記開口部(8)方向に張り出し海水の出入りを誘導するように案内部(11,20)が設けられている
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
  5. 請求項又はに記載された可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造において、
    前記複数の平面壁(4)の上端部は、前記可動物体(9)との衝突を緩衝するために可撓性部材(13)で構成されている
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
  6. 請求項又はに記載された可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造において、
    前記遊水室(5)は、前記複数の平面壁(5)を横切る方向に跨って複数の側壁(7)が交差して配置され、マトリックス状に複数の前記遊水室(5)を構成するものである
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
  7. 請求項に記載された可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造において、
    前記案内部(11)は、前記複数の平面壁(4)の下端部が、前記開口部(8)に向けて平面状に張り出して構成されている
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
  8. 請求項に記載された可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造において、
    前記案内部(20)は、前記複数の平面壁の下端部が前記開口部(8)に向けて曲面形状で張り出して構成されている
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
  9. 遊水室(5)内の水面に浮かべた可動物体であるフロート(9)の上下運動により波エネルギーを機械的エネルギーに変換する可動物体型波力エネルギー変換装置のための遊水室構造であって、
    水面を区画して構成した空間である前記遊水室(5)を構成するために水面の一部を仕切るための枠体(1,3,7)と、
    前記枠体(1,3,7)のうち波を受ける側の前記枠体(3)の水面下に形成された開口部(8)と、
    前記遊水室(5)の下部の水面下に配置され、上部が前記遊水室(5)に連通して開口し、下部が前記開口部(8)に面して開口しており、鉛直方向に広がる区画空間である複数の小遊水室(6,24)とからなり、
    前記小遊水室(6,24)は、相互に平行に水平方向に隔離して並列に固定して配置された複数の板状部材の平面壁(4)により区画されており、
    前記複数の平面壁(4)の全ては、前記下端が海底(10)に接するように構成され、かつ前記小遊水室(6)間で海水の交換ができるように貫通孔(12)が形成されている
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
  10. 請求項に記載された可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造において、
    前記貫通孔(12)の開口面積は、前記遊水室の奥行き方向に向かって、段階的に小さくなっている
    ことを特徴とする可動物体型波力エネルギー変換装置の遊水室構造。
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