JP2906279B2 - ガラススケールの熱変位補正装置 - Google Patents

ガラススケールの熱変位補正装置

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JP2906279B2 JP22265090A JP22265090A JP2906279B2 JP 2906279 B2 JP2906279 B2 JP 2906279B2 JP 22265090 A JP22265090 A JP 22265090A JP 22265090 A JP22265090 A JP 22265090A JP 2906279 B2 JP2906279 B2 JP 2906279B2
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一徳 鹿山
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、基準尺たるガラススケールの熱変位を検出
し、読み取り誤差を補正するに好適なガラススケールの
熱変位補正装置に関する。
[従来の技術] 工作機械等において、移動体の移動量を測定する手段
としては第3図に示すような測定手段が一般に採用され
る。すなわち、工作機械等等固定側7に固定されるガラ
ススケール1aには多数本の目盛4が高精度に刻設され
る。一方、移動体9側にはリードヘッド10および電気信
号変換器11等を設けた読み取り装置12が配置される。読
み取り装置12のリードヘッド10が移動前記の目盛4を読
み取り、その目盛数により移動量を検出するものであ
る。なお、移動量はリードヘッド10を係合する電気信号
変換器11により電気信号に変換され、目盛の表示装置側
に送られる。
[発明が解決しようとする課題] 第4図において、ガラススケール1aは熱変位のない状
態にあるものとする。読み取り装置12が当初a位置で1
の目盛を確認しb位置まで移動して4の目盛を確認した
とする。この場合には1目盛を1mmとすれば移動量は3mm
となる。ガラススケール1aに熱変位がないため移動量は
正確に検出される。第5図は第4図のガラススケール1a
が熱変位した場合のガラススケール1a′を示す。第4図
における各目盛間の間隔が拡張したものとし、1の目
盛,2の目盛等は1′の目盛,2′の目盛等のように広が
る。なお、説明の都合上各目盛の変位は1.5倍だけ広が
ったものとする。そのため、移動体9がa位置からb位
置まで移動した場合に読み取り装置12は1′の目盛と
3′の目盛を読み取ることになり、移動量は2mmと検出
される。従って、実際は3mm移動したに拘らず2mmしか移
動しないと検出される。すなわち、その分だけ測定誤差
を生ずることになる。
ガラススケール1aは熱変位しないようにすることは不
可能なため、測定に先立ってガラススケール1aが所定許
容範囲以上に熱変位したか否かを正確に検出することが
出来ると共に、どの位の熱変位が生じているかを検出す
ることが出来れば、測定値をその分だけ補正することが
可能となる。
本発明は、以上の要請に基づき創案されたものであ
り、ガラススケールの伸縮度合,歪状態を数値データと
して正確に検出出来、該数値データを基にして測定値
(移動量)を補正可能にしたガラススケールの熱変位補
正装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、以上の目的を達成するために、表面に目盛
を刻設すると共に四隅に角面を形成する細長なガラスス
ケールと、該ガラススケールの前記角面の1つにレーザ
光を入射するレーザ光源と、前記ガラススケールからの
反射光による干渉縞を形成する干渉計とから構成され、
前記ガラススケールは、前記レーザ光の入射する角面を
半透鏡とし残りの角面を前記ガラススケールの内部にの
みレーザ光を反射させる反射鏡から形成し、前記干渉計
は、前記半透鏡から直接反射する第1の反射レーザ光
と、前記半透鏡を通って前記ガラススケールの内部に入
ったレーザ光が反射鏡により順次反射して再び前記半透
鏡から出射する第2の反射レーザ光とにより前記干渉縞
を形成するものから構成されるガラススケールの熱変位
補正装置を手段とするものである。
[作用] レーザ光源からのレーザ光はガラススケールの半透鏡
で反射し、第1の反射レーザ光を干渉計側に入光させ
る。一方、レーザ光はガラススケール内に入り、3つの
反射光で順次反射し、もとの半透鏡から第2の反射レー
ザ光として出射され干渉計に入光される。
第1および第2の反射レーザ光は干渉計に入光される
までの経路長に差があるため、干渉縞を形成する。ガラ
ススケールに熱変位がない場合の干渉縞と、熱変位が生
じて前記経路長の差の値が変化した場合には干渉縞の形
状も相異する。そのため、干渉縞の変化からガラススケ
ールの熱変位を定量的に求めることが出来る。
[実施例] 以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明する。
第1図は本実施例の全体構造を示す平面図であり、第
2図は本実施例の説明を説明するための説明用平面図で
ある。
本実施例に係る装置はガラススケール1と、レーザ光
源2および干渉計3とから構成される。
ガラススケール1は固定側7に固定されると共に、固
定側7の材質とほぼ同一の熱変位をするガラス材から形
成される。ガラス材を固定側7の材質と同一の熱変位を
するものから形成することは、ガラスの成分を工夫する
ことにより既存の公知技術により可能である。ガラスス
ケール1aは透明の細長な板材からなり、四隅に角面を形
成し、その表面には目盛4が高精度に刻設される。前記
角面の1つは半透鏡5として形成され、残りの3つの前
記角面は反射鏡6,6,6から形成される。半透鏡5は入射
光の一部を透過させると共に、他の一部を反射させるよ
うに形成される光学素子であり、一方、反射鏡6は光の
反射現像を用いて入射された光の進行を反射させるよう
に形成されるもので、本実施例ではガラス内部において
反射するように形成される。半透鏡も反射鏡もガラスの
表面にアルミニウムなどの金属を蒸着するか、屈折率の
異なる誘電体薄膜を交互に多層重ねた誘電体多層膜を形
成することにより製作可能である。なお、半透鏡5の図
の真下にある反射鏡6は半透鏡5から透過した光を直面
に反射させるように形成され、該反射鏡6の図の真横に
ある反射鏡6は入射された光を真上方向に反射するよう
に形成され、その反射光6の図の上方にある反射鏡6は
入射された光を半透鏡5側に反射するようにそれぞれ形
成される。
レーザ光源2はレーザ光8を出射するものでレーザ光
8は半透鏡5に入射されその一部は直接に反射し干渉計
3側に入光し、一部はそのままガラススケール1内に透
過し、半透鏡5の図の真下にある反射鏡6に入射される
ように配置される。
干渉計3は公知のものが使用され、経路の相異する2
つのレーザ光によりその経路差に見合う干渉縞を形成す
るように構成されるものである。
次に、本実施例の作用を第2図により更に詳しく説明
する。
レーザ光源2からのレーザ光8はガラススケール1の
半透鏡5に当り、その一部は直接反射し、第1の反射レ
ーザ光Aとなり干渉計3に入光される。一方、レーザ光
8の一部はガラススケール1内に透過しレーザ光8aとな
り、反射鏡6に入射し、直角に反射し、レーザ光8bとな
り、次の反射光6に当り直角に図の上方に反射し、レー
ザ光8cとなり、その次の反射鏡6に入光する。ここで、
更に直角に反射しレーザ光8dとなり、再び半透鏡5側に
進み、半透鏡5から出射し、第2の反射レーザ光Bとな
って干渉計3に入光される。
ガラススケール1が熱変位しない状態における第1の
反射レーザ光Aと第2の反射レーザ光Bとによる干渉縞
を干渉計3により予め検出し、計測しておく。次に、ガ
ラススケール1を所定量だけ変位させた状態における第
1および第2の反射レーザ光A,Bによる干渉縞を予め求
め、計測しておく。第2図において、ガラススケール1
が熱変位し、2点鎖線で示す状態に拡張したとする。こ
の場合、第1の反射レーザ光Aは変化しない。しかし、
ガラススケール1内に透過し反射鏡6で反射したレーザ
光はレーザ光8bと異なるレーザ光8b′となり反射鏡6に
入射し、反射鏡6で反射したレーザ光8c′(レーザ光8c
とほぼ同じ)は次の反射鏡6でレーザ8d′(レーザ光8d
と異なる)となり半透鏡5側に反射する。すなわち、ガ
ラススケール1の熱変位によってガラススケール1内に
入ったレーザ光は熱変位のない場合よりも長い経路を通
った後にもとの半透鏡5側に戻り第2の反射レーザ光c
となって干渉計3に入光させる。従って、第1の反射レ
ーザ光Aと第2の反射レーザ光cとは熱変位のない状態
における干渉縞と相異する形状の干渉縞を形成すること
になる。
干渉縞の測定値を比較することによりガラススケール
1の熱変位量を定量的に数値データとして求めることが
出来る。この数値データを用いて移動量をその都度補正
することにより正しい移動量を求めることが出来る。
[発明の効果] 本発明によれば、次のような効果が上げられる。
1)ガラススケールに熱変位が生じた場合に、干渉計に
入光される2つのレーザ光による干渉縞の形状が相異す
るため、この干渉縞の変化によりガラススケールの熱変
位量が数値データとして把握され、それにより移動量を
補正することが出来る。
2)干渉縞はガラススケールの微妙な変化に対しても敏
感に変化することが出来るため、微小量の熱変位が検出
され、読み取り誤差が生じない。
3)ガラススケール自体に形成される半透鏡および反射
鏡によって2つの反射レーザ光を形成し、その干渉縞の
変化によって熱変位を検出する比較的簡単なもので、容
易に、かつ安価に実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の全体構造を示す構成用平面
図、第2図は同実施例の作用を説明するための説明図の
平面図、第3図は従来の移動量の測定手段を示す概要構
成図、第4図および第5図は従来の測定手段による測定
方法を説明するための部分平面図である。 1,1a,1a′……ガラススケール、2……レーザ光源、3
……干渉計、4……目盛、5……半透鏡、6……反射
鏡、7……固定側、8,8a,8b,8b′,8c,8c′,8d,8d′……
レーザ光、A……第1の反射レーザ光、B,C……第2の
反射レーザ光、9……移動体、10……リードヘッド、11
……電気信号変換器、12……読み取り装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に目盛を刻設すると共に四隅に角面を
    形成する細長なガラススケールと、該ガラススケールの
    前記角面の1つにレーザ光を入射するレーザ光源と、前
    記ガラススケールからの反射光による干渉縞を形成する
    干渉計とから構成され、前記ガラススケールは、前記レ
    ーザ光の入射する角面を半透鏡とし残りの角面を前記ガ
    ラススケールの内部にのみレーザ光を反射させる反射鏡
    から形成し、前記干渉計は、前記半透鏡から直接反射す
    る第1の反射レーザ光と、前記半透鏡を通って前記ガラ
    ススケールの内部に入ったレーザ光が反射鏡により順次
    反射して再び前記半透鏡から出射する第2の反射レーザ
    光とにより前記干渉縞を形成するものから構成されるこ
    とを特徴とするガラススケールの熱変位補正装置。
JP22265090A 1990-08-27 1990-08-27 ガラススケールの熱変位補正装置 Expired - Lifetime JP2906279B2 (ja)

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JPH04105004A JPH04105004A (ja) 1992-04-07
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