JP2905630B2 - 移動体の性状を測定する装置および移動体の速度測定方法 - Google Patents

移動体の性状を測定する装置および移動体の速度測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体の移動速度、形
状、間隔等の性状を測定する測定装置および移動体の移
動速度を測定する速度測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のシステムには、尾佐竹
徇他、「交通システム」日刊工業新聞社、昭和47年 1月
31日発行、および「レーダ技術 (その2)」社団法人
電子通信学会、昭和53年 5月25日発行に開示されたもの
がある。その代表的なものとして、超音波のセンサによ
り車両の形状または走行速度を検出する方式、ループコ
イルのセンサにより車体の金属に感応して車両を検出す
る方式などがあり、各々のセンサからの信号に適当な処
理を施して速度、車長、進行方向、道路上車両の占有率
(オキュパンシー)などを測定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来から
の方法では、センサから取り出し得る情報をすべて有効
に利用しているとは言い難く、移動体の移動速度はFM/C
W レーダ、すなわち無変調連続波(CW)レーダの送信信号
に周波数変調を施したレーダにより、また移動体の個数
はループコイルにより、移動体の長さ・高さは光学式手
段により等、各々別々の手段により測定していた。その
ため無駄があり装置が複雑となっていた。
【0004】本発明はこのような従来技術の欠点を解消
し、効率の良い移動体の性状を測定する装置および移動
体の速度測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、移動体
がその上を移動する基準面に向けて高周波ビームを発射
する第1の送信手段と、基準面および移動体より反射さ
れた反射ビームを受信する第1の受信手段とを含み、偏
移周波数から移動体の性状を測定する装置は、第1の送
信手段の発射した高周波ビームに対する第1の受信手段
の受信した反射ビームのドップラ効果による偏移周波数
を抽出し、偏移周波数の値より移動体の端部を識別する
処理手段を有する。
【0006】本発明による測定装置はさらに、第1の送
信手段から所定の間隔で離隔され基準面に向けて高周波
ビームを発射する第2の送信手段と、第1の受信手段か
ら前記所定の距離で離隔され基準面および移動体より反
射された反射ビームを受信する第2の受信手段とを含
み、処理手段は、時刻を規定する時計手段と、時計手段
に応動して、第1の受信手段の受信した反射ビームによ
り移動体を感知した時刻、および第2の受信手段の受信
した反射ビームにより移動体を感知した時刻、ならびに
前記所定の距離に基づいて、移動体の移動速度を算出す
る演算手段とを含んでもよい。
【0007】本発明によればまた、移動体がその上を移
動する基準面に向けて高周波ビームを発射し、基準面お
よび移動体より反射された反射ビームを受信して、偏移
周波数により移動体の速度を測定する移動体の速度測定
方法は、基準面の第1の位置に高周波ビームを発射する
工程と、高周波ビームが第1の位置より反射された反射
ビームを受信する工程と、基準面における第1の位置か
ら所定の距離だけ離隔した第2の位置に高周波ビームを
発射する工程と、高周波ビームが第2の位置より反射さ
れた反射ビームを受信する工程と、第1および第2の位
置よりの反射ビームについて偏移周波数を求める工程
と、偏移周波数が所定の値より大であれば移動体の端部
と判定する工程と、第1の位置について移動体の端部を
感知した時刻、および第2の位置について移動体の端部
を感知した時刻、ならびに前記所定の距離に基づいて、
移動体の移動速度を算出する工程とを含む。
【0008】
【作用】本発明によれば、高周波ビームを基準面に発射
して、そのビームが基準面および移動体によって反射さ
れた反射ビームを受信し、偏移周波数により移動体を感
知する。その際、偏移周波数が所定の値より大であれば
移動体の存在を認識する。
【0009】高周波ビームを基準面の第1および第2の
位置に照射すれば、両位置について、その間の距離およ
び偏移周波数の検出時刻から、移動体の移動速度、長
さ、高さ、および先行する移動体に対する間隔等の性状
を算出することができる。
【0010】
【実施例】次に添付図面を参照して本発明による移動体
測定装置の実施例を詳細に説明する。図1を参照する
と、本発明による移動体測定システムの実施例は、たと
えば道路または軌道などの基準面5の上を移動する車両
などの移動体2について、その移動速度、形状、間隔等
の性状を測定する測定装置である。この測定のため本装
置は、偏移周波数に基づいて移動体2の通常の走行方向
に沿った2つの位置で移動体1を測定する。より具体的
には、基準面5から所定の高さHに中心間距離Rをおい
て2組の空中線すなわちアンテナ11a、 13aおよび11b、 1
3bが配設されている。アンテナ11a および11bは、所定
の周波数の電波16a および16b をそれぞれそのほぼ直下
の基準面5に向けて照射する送信アンテナであり、基本
的には同じものでよい。また、アンテナ13a および13b
は、そのほぼ直下の基準面5または移動体2から反射さ
れる電波18a および18b をそれぞれを受信する受信アン
テナであり、基本的にはこれも同じものでよい。電波16
a および16b は、たとえばミリ波帯などの非常に高い周
波数を有し、両電波は同じ周波数であっても、互いに異
なっていてもよい。また、連続波でよいが、パルス状で
あってもよい。本実施例では、車両検知センサの方式
は、偏移周波数によるFW/CW レーダ方式である。
【0011】2組のアンテナの間の距離すなわちビーム
間距離Rは、被測定移動体2の走行速度、要求測定精
度、被測定車種の範囲等により異なる。ビーム間距離R
は厳密には、両ビームの反射点の路面に平行な間隔距離
を言う。正確な測定値を得るためにはビームの高さ方向
の反射位置に係りなく、ビーム間距離Rが一定となるよ
う、2組のアンテナ11a、 13aおよび11b、 13bを設置する
必要がある。本実施例では、高さHは5 m であり、距離
Rは10 mである。
【0012】同図において、車両1および2は、左側か
ら右側に互いに独立して移動中である。図表示の時点で
は、車両1は、すでに検知システムの測定エリア外にあ
り、いわゆる車間距離dで他の車両2がこれに続いてい
る。車両2は、この例では長さlおよび高さhを有し、
システムは目下、車両2を測定中である。被測定物の移
動体1および2は、道路上の車両のほか、軌道上の車
両、人、工場における製造ライン上を移動中の物等であ
ってもよい。また車両検知センサの方式は、偏移周波数
を用いたものであれば、超音波式FW/CW レーダでもよ
い。超音波方式の場合は、アンテナ11a、 13aおよび11b、
13bに代って超音波センサ用ヘッドが配設され、周波数
も電波のミリ波帯と同程度の領域が使用される。しかし
電波式は、気象条件、環境条件に対し耐久性がより優れ
ている。また、FW/CW レーダの他、実績のある既存のセ
ンサを利用してもよい。
【0013】2組のアンテナ11a、 13aおよび11b、 13bは
それぞれ、レーダ部10a および10bに接続されている。
レーダ部10a および10b は、それぞれ送信アンテナ11a
および13a により電波を送信して受信アンテナ11b およ
び13bにより反射波を受信し、その反射波から様々な信
号を抽出してそれぞれ接続線32a および32b にそれらを
出力する機能部である。接続線32a および32b はデータ
処理部30に接続され、データ処理部30とレーダ部10a お
よび10b とによって測定ユニット8を構成している。レ
ーダ部10a および10b は基本的には同じ構成でよく、そ
の詳細はレーダ部10として図2を参照して別途説明す
る。データ処理部30は、レーダ部10a および10b から得
られる様々な信号に基づいて移動体2の移動速度、形
状、間隔等の性状を算出する処理システムであり、たと
えば交通管制を行なう管理センタ(図示せず)と制御線
36にて接続されている。データ処理部30の詳細は図3を
参照して別途説明する。
【0014】アンテナ11b および13b から車両2の上面
までの距離をxとした場合、下記関係式が成立する。
【0015】H=x+h ・・・・・ (1) 図2はレーダ部10a および10b の構成を機能単位にブロ
ックで示す図である。前述のようにレーダ部10a および
10b は、基本的には同じ構成でよく、したがってここで
は、ぞれぞれの添字aおよびbを除去して共通的にレー
ダ部10として示す。他のアンテナ11および13などの部分
も同様である。レーダ部10は、レーダ本体100、およびそ
れに接続された偏移抽出部110 を有し、これらは公知の
機器構成でよい。レーダ本体100 は、送信アンテナ11よ
り周波数変調を施した非常に高い周波数の電波ビーム
(例えばミリ波帯)である送信電波16を地表面5 側に向
けて発射し、発射された電波の反射波18を受信アンテナ
13で受信する機能を有する。レーダ本体 100は、反射波
18による受信信号を増幅してこれを偏移抽出部 110に送
る。
【0016】ところで、電波ビーム16は有意に直線周波
数変調(FM)が加えられており、発射電波f0と受信電波間
fbには偏移周波数fdが生じる。これは次の関係式とな
る。
【0017】fd=f0-fb ・・・・・ (2) この偏移周波数fdの発生する要因は、電波の伝達距離と
いわゆるドップラ効果によるものである。電波の伝達距
離による偏移周波数fd1 は電波の反射距離によるもので
あり、送信ビーム16と反射ビーム18のビーム伝達距離に
比例する。また、ドップラ効果による偏移周波数fd2
は、ビーム反射面のビーム進行方向の変位率により生じ
るものである。これらの原理は周知の事項であるため詳
細説明を省略する。電波ビームの下に車両がない時、レ
ーダ10の偏移周波数fdはビームの伝達距離に比例した値
となる。本例は図1のレーダ部10a の、送信ビーム16a
と反射ビーム18a のビームの反射面が道路面である場合
に相当し、偏移周波数fdは測定ユニット8の設置高さH
に比例する。
【0018】レーダビーム16内に移動体である車両2が
入ると、ビームの反斜面の変位量とドップラ効果による
影響を受け偏移周波数fdは変化する。車両2が電波ビー
ム16の下に入る時は電波の反射面がアンテナ13の側に接
近するため、車両2の先端部でドップラ効果による偏移
周波数fd2 は正数となり、隔離する終端部で負数とな
る。車両2の構造にもよるが一般的に、車両2の端部は
高さ方向に対し偏移率が大きいため、他の部位に比べ偏
移周波数fd2 の変化は大きく現れることが経験的に知ら
れている。その特性を車両2の端部の検出に利用する。
【0019】偏移抽出部110 は、送信アンテナ11から発
射される電波16の周波数 f0 と受信アンテナ13の受ける
電波18の周波数 fb の差すなわち偏移周波数 fd を式
(2) に基づいて抽出し、さらに差 fd をF/E (周波数f
/直流電圧e )変換回路(図示せず)により電圧eに変
換して出力 112に出力する回路である。後者の関係は下
記式として表わすことができる。本実施例では、この原
理に基づく直流電位eを利用して後述の各種信号を得
る。
【0020】e ∝ fd ・・・・・ (3) 偏移抽出部 110の出力 112は信号増幅部 120、先端・終
端識別部 130、比較回路 140および車両検知部 170に接
続されている。信号増幅部120 はバッファアンプ回路で
構成され、偏移抽出部110 の出力信号112 を増幅し、偏
移信号を出力する。この偏移信号は、路面すなわち基準
面5に対する車両2の高さhを算出するための信号であ
る。
【0021】先端・終端識別部130 は車両2の先端およ
び終端を識別する機能部である。上述のとおり、偏移抽
出部110 の出力信号112 は車両2の先端部において正の
パルスを、終端部において負のパルスを形成する。先端
・終端識別部130 はこのパルスを抽出する回路部であ
り、パルスが正の場合に一方の出力線134 に、また負の
場合に他方の出力線136 にそれぞれ検知信号を出力す
る。
【0022】比較回路140 は、接続部32の端子 195およ
び接続線 148を通してデータ処理部30からの出力信号で
ある基準値K1を受け、これと偏移抽出部110 の出力信号
112とを比較することにより、車両2の端部を識別抽出
する回路である。偏移抽出信号112 が規定値K1より大で
あれば車両2の端部と判定し、パルス信号を出力142す
る。これは配置変位とドップラ偏移の識別を主目的とし
ている。こうして出力されたパルス信号142 、車両2の
先端検知信号134 および終端検知信号136 は、アンド回
路152 および154 により論理積され、それぞれ先端信号
144 および終端信号146 となる。先端信号193 および終
端信号194 は、所定の時間内における車両の通過台数・
車両間距離・走行速度の各測定に利用される。
【0023】車両検知部170 は、偏移抽出部110 の出力
信号112 を内部で作成した所定の基準値と比較する。こ
こで所定の基準値とは、測定システム設置高さによるイ
ニシャル偏移とノイズマージンが主要成分である。この
基準値以上の信号について車両ありと判別して検知信号
172 を出力する機能部である。その出力すなわち移動体
検知信号 172は渋滞検知部180 およびアンド回路 156の
一方の入力に接続されている。
【0024】渋滞検知部 180は、移動体検知部170 の信
号172 を受け、所定時間内に継続して同信号172 が入力
されている時は同一車両2による継続的な信号入力状態
と判定する回路である。その出力 182は渋滞検知信号を
示し、アンド回路 156の他方の入力に接続されている。
移動体検知信号172 と渋滞検知信号182 はアンド回路15
6にて論理積された後、渋滞信号176 として出力197 よ
り出力される。換言すれば、有効な偏移抽出部110 の出
力信号112 が基準値以上であり、しかも基準時間以上継
続した場合にのみ、接続部32の端子197 へ渋滞信号 176
が出力される。渋滞信号197 は、レーダビーム16および
18内に所定期間以上にわたって同じ車両が存在したこと
を判定するのに利用される。出力端子 191、193 、194
、195 、197 および 198から出力される信号すなわち
測定要素信号は、連結部32を経由してデータ処理部30へ
送られる。
【0025】図3はデータ処理部30のより具体的な構成
例を示す。データ処理部30は、演算部 300、時計 310、
記憶部 330および接続部 360が図示のように接続されて
構成されている。演算部 300には2つのレーダ部10a お
よび10b がそれらの連結部32により接続されている。ま
た、接続部 360には、たとえば交通管制を行なう管理セ
ンタ(図示せず)が接続されている。接続部 360は、管
理センタとのインタフェースをとり、それとの間でデー
タ転送を行なう機能部である。
【0026】演算部300 は、データ処理部30の中心部で
あり、レーダ部10からの各種信号について時計部310 か
らの時計信号312 と共に演算解析を行なう。演算部はま
た、レーダ部10における測定のための基準値となる規定
値K1およびK2をレーダ部10aおよび10b に入力すると共
に、測定結果をレーダ部10a および10b から受ける機能
も有する。
【0027】記憶部 330は、この演算解析の手順が蓄積
されている読出し専用記憶領域334、入力されたデータ
を一時蓄積する入力データ記憶領域 336、演算部 300の
演算解析のための作業領域であるワーキング領域 338お
よび出力データを一時蓄積する出力データ領域 340を含
む記憶装置である。この演算解析については、後に詳述
する。時計部310は、本システムにおける様々な動作の
基準となるタイミングおよび日時を規定する機能部であ
り、それらのタイミング信号および日時データ、すなわ
ち時計信号 312を演算部 300に供給する。
【0028】動作状態において、レーダ部10a および10
b は、それぞれの送信アンテナ11により電波を送信し、
その反射波18を受信アンテナ13により検出する動作を行
なっている。受信アンテナ13により受信された信号に基
づき、レーダ部10a および10b は次のようにして前述の
測定要素信号を生成する。
【0029】偏移抽出部110 は、受信信号から前述の偏
移周波数 fd を式(2) に基づいて抽出し、これを電圧e
に変換してその出力 112に出力する。このとき、受信ア
ンテナ13a または13b の直下を車両2が通過すると、レ
ーダ部10の各機能部は次のように動作する。
【0030】A.「偏移信号」の出力手順 偏移抽出部110 の出力信号112 は信号増幅部120 で増幅
され、偏移信号 122として接続部32の端子191 を経由し
てデータ処理部30へ出力される。
【0031】B.「先端信号、終端信号」の計測手順 先端・終端識別部130 は、信号112 が一定値以上の正パ
ルスを含有すると出力線134 に先端検知信号を、また一
定値以上の負パルスを含有すると出力線136 に終端検知
信号を出力する。比較回路140 は、データ処理部30から
基準値K1を受け、これと出力信号112 とを比較して、偏
移抽出信号112 が基準値K1を越えていればアンド回路 1
52および 154の一方の入力142 を付勢する。これによっ
て、車両2について先端検知信号134 および終端検知信
号136 はそれぞれ、アンド回路152 および154 を通過
し、先端信号144 および終端信号146 として出力端子19
3 および194 から演算部30へ出力される。
【0032】C.「渋滞信号」の計測手順 たとえば車両2が所定の期間以上にわたって受信アンテ
ナ13の下にとどまっていると、車両検知部170 は、偏移
抽出部110 の出力信号112 を基準値と比較の結果、基準
値以上の信号に対し車両ありと判別して検知信号172 を
出力する。渋滞検知部180 は、この信号172 を受け、一
定時間内に継続して同信号が入力されていると、これを
同一車両による信号と判定し、アンド回路 156の一方の
入力 182を付勢する。そこで移動体検知信号172 はアン
ド回路156 を通過して渋滞信号176 として出力197 より
データ処理部30に供給される。
【0033】データ処理部30は、レーダ部10から様々な
測定要素信号を受け、次のようにしてデータの演算解析
を行なう。解析した結果は、最終測定結果として接続部
360から、たとえば管理センタに送出される。
【0034】車両2が路面5に沿って図1の左から右へ
走行し、まず時刻tb1 でその先端がレーダ10b を通過
し、次に時刻tb2 でその終端がレーダ10b を、そして時
刻ta1でその先端がレーダ10a を、さらに時刻ta2 でそ
の終端がレーダ10a を通過する。
【0035】イ)走行速度vの測定手順 レーダ間隔Rの区間における車両2の平均走行速度v
は、下記式によって得られる。
【0036】v1=R/(tb1-ta1) ・・・・・ (4) v2=R/(tb2-ta2) ・・・・・ (5) v12=(v1+v2)/2 ・・・・・ (6) 式(4) または(5) にても結果は得られるが、測定値によ
り信頼性を求める場合は、式(6) を採用する。また、測
定値の正負は車両2の進行方向を表す。
【0037】ロ)車両の長さlの測定手順 進行方向の車両2の長さlは下記式により求める。
【0038】 la =|R×(ta2-ta1)/(tb1-ta1)| =|(ta2-ta1)×v1| ・・・・・ (7) lb =|R×(tb2-tb1)/(tb2-ta2)| =|(tb2-tb1)×v2| ・・・・・ (8) lab=(la+lb)/2 ・・・・・ (9) より信頼性を欲する場合は、イと同様に式(9) を採用す
る。
【0039】ハ)車間距離dの測定手順 先行車両1とこれに引き続く車両2の車間距離dは、下
記式によって得られる。
【0040】d =v12×(ta2-tb1) ・・・・・ (10) また、先行車両1の先端部と後続車両2の先端部との間
の距離を欲する場合は、式(10)により得られた車間距離
dに式(9) で得られた車両1の長さlを加算すれば、こ
れを得ることができる。
【0041】ニ)車両の高さh および同方向の形状の測
定手順 移動体2の上面位置までの距離、いわゆる車高hは下記
手順により求める。接続線191 を介して得られるレーダ
部10からの信号「偏移信号」191 は、垂直方向距離x に
よるものとドップラ効果によるものとを含んでいる。ド
ップラ効果によるものは距離x の時間t に対する変化率
であり、これは下記の一次微分式として表わすことがで
きる。
【0042】 fd1∝dx/dt ・・・・・ (11) ドップラ効果による偏移周波数fd2 は上述のように、車
両の端部において顕著に現われ、車両毎のその時間積分
値は理論上零となる。よって、車両毎の平均車高値は先
端信号から終端信号までの偏移信号を積分することによ
って得られる。図1の実施例における車両2の様な箱形
車両の場合、車両2の中間位置においては、ドップラ効
果による偏移周波数fd2 は無視でき、偏移周波数fdはほ
ぼ一定値を保つ。これに対し、凹凸の激しい車両におい
ては偏移周波数fdが変動する。この、偏移周波数fdの対
時間変化率は車両の高さ方向の形状を判定するデータと
して利用される。ただし、偏移周波数fdは上述の2種の
要因により発生し、その識別が困難であるため微細な高
さの形状を求めることは、本方式では難しい。この難点
を解決する方法については後述する。
【0043】ホ)渋滞警報信号の確認手順 上述のように、図2に示す端子197 を経由して渋滞信号
176 がデータ処理部30へ入力される。データ処理部30に
おいてはこの信号176 の正当性を確認する処理を行な
う。この処理では、車両2の渋滞状態と相関性を有する
データ、例えば車両走行速度、車間距離d、先端信号14
4 および終端信号146 の電位の大きさ、同信号144 およ
び146 の単位時間における発生数等が所定数値以下であ
るか否かが確認される。たとえば、走行速度vが 100 k
m/h で車間距離dが1メートルなどの現実的でない測定
結果に対する補正を行なう。
【0044】ヘ)計測補正手順 図1を参照して前述したとおり、ドップラ変移値は車両
の形状により変わるほか、車両の走行速度の影響をも受
ける。よって、レーダ部10の基準値として出力する値を
経験則、例えば時間帯に応じて、あるいは車両走行速度
の値に基づき変更・修正を行なう。これは測定結果の信
頼性を向上させるためである。
【0045】ト)データ入出力手順 データ処理部30は2つのレーダ部10から上記の各種の信
号を受けてこれを記憶部 330の入力データ記憶領域336
に一時蓄積し、上述の手順により解析処理を行なう。そ
の結果は逐次、出力データ記憶領域 340に記憶される。
結果は定期的に、または管理センタからの要求により、
接続線36を経由して管理センタへ出力される。また、レ
ーダ部10への規定値K1およびK2は接続線を経由して逐次
出力される。管理センタでは、これらのデータを利用し
て車間規制、車両の大きさ別による様々な統計処理など
を行なうことができる。
【0046】チ)車両の高さを微細に求める手順 以上イ〜トの測定には、レーダ部10の送信ビーム16には
連続FMをかけている。このため偏移周波数fdは電波の伝
達距離によるものfd1 とドップラ効果によるものfd2
を含んでおり、既述のようにその分別には限界がある。
この問題点の解消を欲する時は下記手順を取る。送信ビ
ーム16を時間分割し、異なった2種の電波を順次繰返し
発射する間欠FMとする。その一の電波はFMがかけられた
ものであり、前述の手順で用いた電波と同一である。他
方の電波はFMがかけられていないものとする。本方式の
採用により下記の利点が生じる。つまり、送信ビーム16
にFMがかかっていない時、得られる偏移周波数fdの成分
は、ドップラ効果によるものfd2 だけであり電波の伝達
距離によるものfd1 を含まない。これに対し、FMがかか
っている時は既述のとおり両者fd1 およびfd2 を含んで
いる。よって、両条件下における2種の偏移周波数fd
得て両者の差分を解析すれば、電波の伝達距離による偏
移周波数fd1 とドップラ効果による偏移周波数fd2 とに
分離することができる。以上の手順により車両の高さh
を微細に求めることができると共に、車両の端部の識別
をより正確に行なうことができる。
【0047】以上、レーダ部を2個用いたいわゆる2ビ
ーム法に基づき一実施例を説明したが、3ビーム以上に
よる構成で本発明を実現することも可能である。このよ
うにビーム数を増し、より微細に計測すれば、その測定
結果はより精度が高くなることが予想される。
【0048】
【発明の効果】このように本発明によれば、偏移周波数
により移動体の存在を検知することができる。高周波ビ
ームセンサを複数個使用すれば、それらの反射ビームか
ら、簡単な構成で移動体の移動速度、長さ、高さ方向の
形状、移動体の間隔、渋滞の有無等の移動体の性状に関
する様々な情報を効果的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移動体の性状を測定する装置を車
両測定システムに適用した実施例の構成図である。
【図2】図1に示す実施例におけるレーダ部の構成例を
示すブロック図である。
【図3】図1に示す実施例におけるデータ処理部の構成
例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,2 車両 5 基準面 8 測定ユニット 10 レーダ部 11 送信アンテナ 13 受信アンテナ 16 送信ビーム 18 反射ビーム 30 データ処理部 100 レーダ本体 120 信号増幅部 170 車両検知部 300 演算部 330 記憶部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/64 G01S 13/00 - 17/88 G01P 3/68 G08G 1/01 G08G 1/052

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体がその上を移動する基準面に向け
    て高周波ビームを発射する第1の送信手段と、該基準面
    および移動体より反射された反射ビームを受信する第1
    の受信手段とを含み、偏移周波数から移動体の性状を測
    定する装置において、該装置は、 第1の送信手段の発射した高周波ビームに対する第1の
    受信手段の受信した反射ビームのドップラ効果による偏
    移周波数を抽出し、該偏移周波数の値より前記移動体の
    先端部および終端部を識別する第1の識別手段と、 第1の送信手段から所定の間隔で離隔された前記基準面
    および該基準面に移動された前記移動体に向けて高周波
    ビームを発射する第2の送信手段と、 第1の受信手段から該所定の距離で離隔され該基準面お
    よび該基準面に移動された移動体より反射された反射ビ
    ームを受信する第2の受信手段と、 第2の送信手段の発射した高周波ビームに対する第2の
    受信手段の受信した反射ビームのドップラ効果による偏
    移周波数を抽出し、該偏移周波数の値より前記移動体の
    先端部および終端部を識別する第2の識別手段と、 時刻を規定する時計手段と、 該時計手段に応動して、第1の受信手段の受信した反射
    ビームにより第1の識別手段が識別した移動体の先端部
    および終端部を感知した時刻、および第2の受信手段の
    受信した反射ビームにより第2の識別手段が識別した該
    移動体の先端部および終端部を感知した時刻、ならびに
    前記所定の距離に基づいて、前記移動体の移動速度を算
    出する演算手段とを含む ことを特徴とする移動体の性状
    を測定する装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において 前記演算手段は、該識別された先端部および終端部から
    前記移動体の長さおよび高さ、ならびに該移動体に先行
    する他の移動体との間隔を含む該移動体の性状を算出す
    ことを特徴とする移動体の性状を測定する装置。
  3. 【請求項3】 移動体がその上を移動する基準面に向け
    て高周波ビームを発射する第1の送信手段と、該基準面
    および移動体より反射された反射ビームを受信する第1
    の受信手段とを含み、偏移周波数から移動体の性状を測
    定する装 置において、該装置は、 第1の送信手段の発射する高周波ビームは有意に時間分
    割され、第1の高周波ビームと第2の高周波ビームによ
    り構成され、 第1の高周波ビームは直線周波数変調がかけられてお
    り、第2の高周波ビームは直線周波数変調がかけられて
    いない ことを特徴とする移動体の性状を測定する装置。
  4. 【請求項4】 移動体がその上を移動する基準面に向け
    て高周波ビームを発射、該基準面および移動体より反
    射された反射ビームを受信して、偏移周波数より移動体
    速度を測定する移動体の速度測定方法において、該
    は、 第1の送信手段により前記基準面の第1の位置に高周波
    ビームを発射する工程と、 該高周波ビームが第1の位置より反射された反射ビーム
    を第1の受信手段により受信する工程と、 第1の受信手段により受信された反射ビームについて偏
    移周波数を第1の偏移抽出手段により求める工程と、 第1の偏移抽出手段により求めた該偏移周波数が所定の
    値より大であれば前記第1の位置に移動された前記移動
    体の先端部および終端部であると第1の識別手段により
    判定する工程と、 第2の送信手段により前記基準面における第1の位置か
    ら所定の距離だけ離隔した第2の位置に高周波ビームを
    発射する工程と、 該高周波ビームが第2の位置より反射された反射ビーム
    を第1の受信手段より該所定の距離だけ離隔した第2の
    受信手段により受信する工程と、 第2の受信手段により受信された反射ビームについて偏
    移周波数を第2の偏移抽出手段により求める工程と、 第2の偏移抽出手段により求めた該偏移周波数が所定の
    値より大であれば前記第2の位置に移動された前記移動
    体の先端部および終端部であると第2の識別手段により
    判定する工程と、 第1の識別手段により判定された第1の位置について前
    記移動体の先端部および終端部を感知した時刻、および
    第2の識別手段により判定された第2の位置に ついて該
    移動体の先端部および終端部を感知した時刻、ならびに
    前記所定の距離に基づいて、演算手段により前記移動体
    の移動速度を算出する工程とを含む ことを特徴とする移
    動体の速測定方法
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