JP2902047B2 - Ｘ線ｃｔ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、電力および信号を固定部および回転部間
で伝達するスリップリングを備えたＸ線CT装置に関す
る。

（従来の技術） 連続回転方式のＸ線CT装置では、電力印加用接触子
（以下、ブラシという。）にスリップリング電極が、電
気的に接触しながら連続回転することによって実現され
ている。

第２図は、従来のブラシおよびスリップリング電極の
構造を示す概念図である。

ブラシ21およびブラシ21より左側が固定部であり、右
側が回転部である。

Ｘ線管回転装置23からは、複数のブラシ21aへ、50Hz
あるいは60Hzなどの商用周波数の中小電力を印加してい
る。これらの中小電力は、ブラシ21aに接触するスリッ
プリング電極25aを介してＸ線管27に供給されている。
また、Ｘ線装置29からは、Ｘ線管27の制御信号が出力さ
れ、ブラシ21bに接触するスリップリング電極25bを介し
てＸ線管27に入力されている。

さらに、商用周波数の中小電力が２本のブラシ21cに
印加されている。この中小電力はスリップリング電極25
cに設けられたトランス31により、各種の電力に変換さ
れ、各電源に供給されている。

このように従来のスリップリングでは、商用周波数で
ある複数種類の中小電力、あるいは制御信号が、それぞ
れ１本づつのブラシ21a〜ｄおよびスリップリング電極2
5a〜25dを介して伝達されている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、各電力や信号に対応するスリップリン
グ電極を１本１本設けることによってスリップリング電
極の本数が増大する。また、商用周波数の電力を用いる
ことにより、各種電力に変換するトランスが大型とな
る。これらにより、スリップリング電極を収納する架台
が大型化してしまうといった問題があった。

そこでこの発明は、このような従来の事情に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、スリップ
リング電極の本数を最小限にし、さらに、高周波数の電
力を使用することによってトランスを小型にさせ、架台
を小型化できるＸ線CT装置を提供することにある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成させるため、この発明は、電力を固定
部及び回転部間で伝達すスリップリングを備え、連続回
転可能としてＸ線CT装置において、前記固定部は、必要
最少種類の電力を印加するのに必要な最少数の電力印加
用接触子を備え、前記回転部は、前記電力印加用接触子
にそれぞれ対応して接触するスリップリング電極と、ト
ランスを有し前記スリップリング電極を通じて供給され
た前記必要最少種類の電力を複数種類の電力に変換する
電力変換手段とを備え、前記トランスに高周波電力を印
加することを特徴とするものである。

（作用） 上記構成において、この発明は、ブラシおよびスリッ
プリング電極を最小限の数だけ用いている。そして、こ
れらのブラシにそれぞれ接触するスリップリング電極に
トランスを設け、このトランスの２次側には、制御信号
によって複数種類の電力に変換する装置を設け、変換さ
れた各電力をＸ線管に供給している。

（実施例） 以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明する。

第１図は、この発明のＸ緑CT装置に係わる電力印加用
接触子（以下、ブラシという。）およびスリップリング
電極の構造の一実施例を示す概念図である。

２本の中小電力用ブラシ1aと、２本の信号用ブラシ1b
とが設けられている。これらのブラシ1a,1bには、それ
ぞれに対応するスリップリング電極3a,3bが電気的に接
触している。

ブラシ1aには、高周波電力が印加されている。

このブラシ1aを介して高周波電力が印加されるスリッ
プリング電極3aには、トランス５が設けられている。

トランス５は、スリップリング電極3aに印加される高
周波電力を分圧し、電力変換部７、AC電源、あるいはDC
電源へ電力を供給するものである。

電力変換部７は、分圧された電力を制御信号９に従っ
て複数種類の電力に変換し、この電力をＸ線管11に供給
するものである。

ブラシ1bには、制御装置13が接続されている。この制
御装置13は、電力変換部７およびサーマルスイッチ15を
制御する基準信号を出力するものである。

この基準信号が伝送するブラシ1bに接触するスリップ
リング電極3bには、制御部17が接続されている。

制御部17は、制御装置13から出力される基準信号に基
づき、電力変換部７へ制御信号９を与えるものである。
また、制御部17は、サーマルスイッチ15を制御する機能
も有している。

このように構成されたＸ緑CT装置では、ブラシ1a,bが
架台（図示せず）内で固定され、スリップリング電極3
a,bがブラシ1a,bに接触しながら架台内で連続回転され
る。これに伴い、トランス５、電力変換部７、Ｘ線管1
1、および制御部17などが、同時に回転される。

スリップリング電極3a,bが回転された状態で、ブラシ
1aに印加された高周波の中小電力がトランス５によって
分圧される。分圧された電力は、電力変換部７、AC電源
あるいはDC電源に供給される。

一方、制御装置13から出力された基準信号は、制御部
17に入力される。制御部17からは、この基準信号に基づ
いた制御信号９が電力変換部７へ出力される。

この制御信号９に従って電力変換部７では、電力変換
部７に供給された電力が各種の電力に変換される。さら
に、変換された電力は、Ｘ線管11に供給される。

このように、トランス５、電力変換部７、および制御
部17を設けることによって、複数種類の電力を４本のブ
ラシ1a,bおよびスリップリング電極3a,bのみによって得
ることができる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、スリップリング
電極を最少数にし、さらに、高周波電力を用いることに
よってトランスを小型化できるので、スリップリング電
極を収納する架台を小型にすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のＸ線CT装置に係わるブラシおよびス
リップリング電極の構造の一実施例を示す概念図、第２
図は従来のブラシおよびスリップリング電極の構造を示
す概念図である。 1a,1b……ブラシ（電力印加用接触子） 3a,3b……スリップリング電極 ５……トランス、７……電力変換部 ９……制御信号、17……制御部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電力を固定部及び回転部間で伝送するスリ
   ップリングを備え、連続回転を可能としたＸ線CT装置に
   おいて、 前記固定部は、必要最少種類の電力を印加するのに必要
   な最少数の電力印加用接触子を備え、 前記回転部は、前記電力印加用接触子にそれぞれ対応し
   て接触するスリップリング電極と、トランスを有し前記
   スリップリング電極を通じて供給された前記必要最少種
   類の電力を複数種類の電力に変換する電力変換手段とを
   備え、 前記トランスに高周波電力を印加することを特徴とする
   Ｘ線CT装置。
2. 【請求項２】制御信号を伝送するのに必要な最少数の信
   号伝送用接触子と、これらの信号伝送用接触子にそれぞ
   れ対応して接触する信号伝送用スリップリング電極とを
   さらに備えることを特徴とする請求項１記載のＸ線CT装
   置。