JP2899434B2 - 音声信号処理装置 - Google Patents

音声信号処理装置

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JP2899434B2
JP2899434B2 JP3075693A JP7569391A JP2899434B2 JP 2899434 B2 JP2899434 B2 JP 2899434B2 JP 3075693 A JP3075693 A JP 3075693A JP 7569391 A JP7569391 A JP 7569391A JP 2899434 B2 JP2899434 B2 JP 2899434B2
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI IRYO FUKUSHI KIKI KENKYUSHO
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音声信号の明瞭度を改善
する音声信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、難聴者に対して音声を聞き易
いように処理を行う音声信号処理装置が研究されてい
る。以下、図面を参照しながら、上述したような従来の
音声信号処理装置について説明を行う。
【0003】(図13)は従来の音声信号処理装置のフ
ローチャートを示すものである。まず入力信号から子音
の区間を検出する。次に入力信号が子音区間ならば子音
区間を2回出力する。一方、入力信号が子音区間でない
ならば入力信号をそのまま出力する。
【0004】(図14)はこの従来の信号処理装置によ
り音声信号を処理した結果を示すもので、(図14
(a))が入力信号s(t)、(図14(b))が出力
信号y(t)である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、子音区間の抽出が難しく、また子音区
間を2回繰り返すことにより出力時間が長くなってしま
い、さらに子音の繰り返しのつなぎ目が不連続になると
いう課題を有していた。
【0006】本発明は上記課題に鑑み、比較的簡単な処
理で、出力時間が長くなることなく、しかも安定に音声
の明瞭度を改善することのできる音声信号処理装置を
供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の音声信号処理装置は、係数計算手段、第1遅
延手段、乗算手段を備え、係数計算手段は、絶対値手
段、第2遅延手段、第1記憶手段、第1積和演算手段、
第2記憶手段、第2積和演算手段、除算手段からなり、
絶対値手段は、入力信号の絶対値を求め、第2遅延手段
は、絶対値手段の出力を所定の時間長順次記憶し、第1
記憶手段は、積和演算した結果が時間軸に対して2階微
分する特性となる係数を記憶し、第1積和演算手段は、
第2遅延手段の記憶内容と第1記憶手段の係数との積和
演算を行い、第2記憶手段は、積和演算した結果が時間
軸に対して積分する特性となる係数を記憶し、第2積和
演算手段は、第2遅延手段の記憶内容と第2記憶手段の
係数との積和演算を行い、除算手段は、第1積和演算手
段の出力を第2積和演算手段の出力で除算し、レベル抑
制係数を出力する、第1遅延手段は、係数計算手段の処
理遅延を補償するため入力信号に遅延をかけ、乗算手段
は、第1遅延手段の出力信号に係数計算手段のレベル抑
制係数を乗算することを特徴とする。
【0008】さらに、本発明の音声信号処理装置は、
数計算手段、第1遅延手段、非線形処理手段、乗算手段
を備え、係数計算手段は、絶対値手段、第2遅延手段、
第1記憶手段、第1積和演算手段、第2記憶手段、第2
積和演算手段、除算手段からなり、絶対値手段は、入力
信号の絶対値を求め、第2遅延手段は、絶対値手段の出
力を所定の時間長順次記憶し、第1記憶手段は、積和演
算した結果が時間軸に対して2階微分する特性となる係
数を記憶し、第1積和演算手段は、第2遅延手段の記憶
内容と第1記憶手段の係数との積和演算を行い、第2記
憶手段は、積和演算した結果が時間軸に対して積分する
特性となる係数を記憶し、第2積和演算手段は、第2遅
延手段の記憶内容と第2記憶手段との積和演算を行い、
除算手段は、第1積和演算手段の出力を第2積和演算手
段の出力で除算し、レベル抑制係数を出力する、非線形
処理手段は、レベル抑制係数が所定の上限値より大きい
場合は上限値を出力し、下限値より小さい場合は下限値
を出力し、第1遅延手段は、係数計算手段及び非線形処
理手段の処理遅延を補償するため入力信号に遅延をか
け、乗算手段は、第1遅延手段の出力信号に非線形処理
手段の係数を乗算することを特徴とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【作用】本発明の音声信号処理装置は、乗算手段にて第
1の遅延手段の出力に係数計算手段の出力を乗じること
により、入力信号のレベルの時間的な変化が低減され
て、子音のような小さいレベルの信号が、母音のような
大きいレベルの信号にマスキングされることが防がれる
ので、明瞭度が改善されることとなる。さらに、上記係
数計算手段の出力に非線形処理を施す非線形処理手段を
設け、この非線形処理手段と第1の遅延手段の出力とを
乗算手段にて乗算することにより、過度の強調や抑圧を
防ぐことができ、自然性を損なうことなく音声の強調を
行うことができる。
【0012】すなわち、本発明の音声信号処理装置は、
入力信号の絶対値を求め、次にその時刻及びその前後の
時刻における入力信号の絶対値の情報に基づいて前記入
力信号のレベルの変化を抑える値A(t)を算出し、前
記入力信号に前記A(t)を乗じて出力することによ
り、入力信号のレベルの時間的な変化が低減されて、子
音のような小さいレベルの信号が、母音のような大きい
レベルの信号にマスキングされることが防がれるので、
明瞭度が改善されることとなる。また、入力信号の絶対
値を求め、次にその時刻及びその前後の時刻における入
力信号の絶対値の情報に基づいて前記入力信号のレベル
の変化を抑える値を算出し、前記値に非線形処理を施
し、前記入力信号に前記非線形処理を施した値を乗じて
出力することにより、過度の強調や抑圧を防ぐことがで
き、自然性を損なうことなく音声の強調を行うことがで
きる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の音声信号処理装置の一実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0014】本発明は、入力信号のレベルの時間的な変
化を低減することにより継時マスキングを防いで明瞭度
を改善することができ、かつ簡単なハードウェアで実現
することのできる音声信号処理装置を提供するものであ
る。
【0015】(図1)は本発明の第1の実施例における
音声信号処理装置の構成図を示すものである。(図1)
において、11は係数計算手段、12は第1の遅延手
段、13は乗算手段である。
【0016】以上のように構成された音声信号処理装置
について、以下その動作について説明する。
【0017】まず、係数計算手段11と第1の遅延手段
12に入力信号s(t−b)が入力される。次に係数計
算手段11は、その時刻t及びその前後の時刻の入力信
号に基づいて入力信号s(t)のレベルの変化を抑える
値A(t)を求める。また第1の遅延手段12は、処理
に要する時間bだけ入力信号に遅延をかけて、遅延され
た信号s(t)を出力する。次に乗算手段13は、第1
の遅延手段12の出力s(t)に係数計算手段11の出
力A(t)を乗じて出力する。そして第1の遅延手段1
2が記憶している内容全体を1ポイントずつ遅延させ
る。
【0018】(図2)は本発明の音声信号処理装置の一
実施例における係数計算手段11の構成図を示すもので
ある。(図2)において、21は絶対値手段、22は第
2の遅延手段、23は入力信号のレベルの変化を抑える
値を算出するための係数を記憶する第1の記憶手段、2
4は入力信号のレベルを算出するための係数を記憶する
第2の記憶手段、25は畳み込み演算を行う第1の積和
演算手段、26は畳み込み演算を行う第2の積和演算手
段、27は除算手段である。
【0019】以上のように構成された係数計算手段につ
いて、以下その動作について説明する。
【0020】まず絶対値手段21は、入力信号s(t−
b)の絶対値を求めてその結果を第2の遅延手段22に
出力する。次に第2の遅延手段22は時刻t及びその前
後の時刻の絶対値手段21の出力(|s(t−b)|〜
|s(t+f)|)を記憶する。そして第1の積和演算
手段25は、第2の遅延手段22の内容(|s(t−
b)|〜|s(t+f)|)と第1の記憶手段23に記
憶されている内容(C(−b)〜C(f))との積和演
算を行い、レベルで正規化される前の、入力信号のレベ
ルの変化を抑える値M(t)を求める。次に第2の積和
演算手段26は第2の遅延手段22の内容(|s(t−
e)|〜|s(t+e)|)と第2の記憶手段24の内
容(E(−e)〜E(e))との積和演算を行い、時刻
tにおける入力信号のレベルL(t)を求める。次に除
算手段27は、第1の積和演算手段25の出力M(t)
を第2の積和演算手段26の出力L(t)で除算するこ
とにより、入力信号のレベルの変化を抑える値A(t)
を出力する。そして第2の遅延手段22の内容全体を1
ポイントずつ遅延させる。
【0021】(図3)は入力信号のレベル変化を抑える
値M(t)を算出するために、第1の記憶手段23に記
憶されている係数C(t)の特性を示したものである。
この係数C(t)を(数6)に示す。また(数8)に示
すように、この係数C(t)を入力信号s(t)の絶対
値に畳み込むことにより、時刻tの前後のレベルが時刻
tのレベルよりも大きい場合にはM(t)の値が大きく
なり、時刻tの前後のレベルが時刻tのレベルよりも小
さい場合にはM(t)の値が小さくなるので、M(t)
を入力信号に乗じることにより入力信号のレベルが平滑
化される。つまり、係数C(t)は時間軸に対して2階
微分をする特性である。ただし、係数C(t)は全体の
レベルを変化させないために、(数7)の条件を満足す
るように設定する。
【0022】
【数6】
【0023】
【数7】
【0024】
【数8】
【0025】(図4)は入力信号のレベル変化を抑える
値M(t)を算出するために第1の記憶手段23に記憶
されている係数C(t)の別の特性を示したものであ
る。この係数C(t)を(数9)に示す。(図4)に示
すように、係数C(t)を時間軸に対して非対称にする
ことにより、聴覚の継時マスキングがより忠実に補償さ
れることとなる。また(数11)に示すように、この係
数C(t)を入力信号s(t)の絶対値に畳み込むこと
により、時刻tの前後のレベルが時刻tのレベルよりも
大きい場合にはM(t)の値が大きくなり、時刻tの前
後のレベルが時刻tのレベルよりも小さい場合にはM
(t)の値が小さくなるので、M(t)を入力信号に乗
じることにより入力信号のレベルが平滑化される。つま
り、係数C(t)は時間軸に対して2階微分をする特性
である。ただし、係数C(t)は全体のレベルを変化さ
せないために、(数10)の条件を満足するように設定
する。
【0026】
【数9】
【0027】
【数10】
【0028】
【数11】
【0029】(図5)は入力信号のレベルを求めるため
に第2の記憶手段24に記憶されている係数E(t)の
特性を示したものである。この係数E(t)を(数1
2)に示す。また(数14)に示すように、この係数E
(t)を入力信号の絶対値に畳み込むことにより、絶対
値化した入力信号が平滑化されて、入力信号のレベルを
求めることができる。つまり、係数E(t)は時間軸に
対して積分をする特性である。ただし、係数E(t)は
全体のレベルを変化させないために、(数13)の条件
を満足するように設定する。
【0030】
【数12】
【0031】
【数13】
【0032】
【数14】
【0033】(図6)は本実施例における音声信号処理
装置により処理した結果を示すもので、(図6(a))
は入力信号s(t)のレベル、(図6(b))はが出力
信号y(t)のレベルである。(図6)に示すように、
入力に比べて出力のレベルの変化が抑圧される。
【0034】以上のように本実施例によれば、係数計算
手段11により、その時刻及びその前後の時刻の入力信
号に基づいて入力信号のレベルの変化を抑える値A
(t)を求め、乗算手段13にて第1の遅延手段12の
出力s(t)に係数計算手段11の出力A(t)を乗じ
て出力することにより、入力信号に比べて出力信号のレ
ベルの変化が抑えられ、子音のような小さいレベルの信
号が母音のような大きいレベルの信号にマスキングされ
ることが防がれ、明瞭度を改善することができ、またレ
ベルの急激な変化が抑えられるので、パルス性の雑音を
抑圧することができる。また、係数計算手段11は入力
信号のレベルの変化に対応した値を出力するので、無音
区間の定常雑音を増幅してしまうことはない。
【0035】さらに第1の記憶手段23が(数6)もし
くは(数9)で示される係数C(t)を(数7)もしく
は(数10)の条件で記憶し、第2の記憶手段24が
(数12)で示される係数E(t)を(数13)の条件
で記憶し、第1の積和演算手段25が第2の遅延手段2
2の内容と第1の記憶手段23の内容との積和演算を行
い、第2の積和演算手段26が第2の遅延手段22の内
容と第2の記憶手段24の内容との積和演算を行い、除
算手段27が第1の積和演算手段25の出力M(t)を
第2の積和演算手段26の出力L(t)で除算すること
により、M(t)が入力信号のレベルで正規化された値
A(t)となり、このA(t)は時刻tの前後のレベル
が時刻tのレベルよりも大きい場合には値が大きくな
り、時刻tの前後のレベルが時刻tのレベルよりも小さ
い場合には値が小さくなるので、容易に入力信号のレベ
ルの変化を安定に抑える値A(t)を得ることができ
る。
【0036】以下、本発明の音声信号処理装置の第2の
実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0037】本発明は、相対的にレベルの低い子音など
を強調して、入力信号のレベルの時間的な変化を低減す
ることにより継時マスキングを防いで明瞭度を改善する
ことができ、かつ簡単なハードウェアで実現することの
できる音声信号処理装置を提供するものである。
【0038】(図7)は本発明の第2の実施例における
音声信号処理装置の構成図を示すものである。(図7)
において、71は係数計算手段、72は第1の遅延手
段、73は乗算手段、74は非線形処理手段である。
【0039】以上のように構成された音声信号処理装置
について、以下その動作について説明する。
【0040】まず、係数計算手段71と第1の遅延手段
72に入力信号s(t−b)が入力される。次に係数計
算手段71は、その時刻t及びその前後の時刻の入力信
号に基づいて入力信号s(t)のレベルの変化を抑える
値A(t)を求める。この係数計算手段71は、第1の
実施例で示した係数計算手段11と同様、(図2)の如
き構成で実現できる。また第1の遅延手段72は、処理
に要する時間bだけ入力信号に遅延をかけて、遅延され
た信号s(t)を出力する。次に非線形処理手段74は
係数計算手段71の出力A(t)に非線形処理を施して
値A'(t)を出力する。そして乗算手段13は、第1
の遅延手段72の出力s(t)に非線形処理手段74の
出力A'(t)を乗じて出力する。次に第1の遅延手段
72が記憶している内容を1ポイントずつ遅延させる。
【0041】(図8)は本発明の第2の実施例における
音声信号処理装置の非線形処理手段74の構成図を示す
ものである。(図8)において、81は値A(t)の上
限を設定する第1の飽和手段、82は値A(t)の下限
を設定する第2の飽和手段である。
【0042】以上のように構成された音声信号処理装置
の非線形手段について、以下その動作について説明す
る。
【0043】まず、第1の飽和手段81は、値A(t)
が上限の閾値Ahを越える場合には、値A(t)をAh
に飽和させる。次に第2の飽和手段82は値A(t)が
下限の閾値Alを越えない場合には、値A(t)をAl
に飽和させて、入力信号のレベルの変化を抑える値A'
(t)を出力する。(図9)は非線形処理手段74の入
出力特性を示したものである。この値A'(t)を入
信号s(t)に乗じることにより、過度な強調や抑制を
することなく入力信号のレベルが平滑化される。
【0044】(図10)は本発明の第2の実施例におけ
る音声信号処理装置により処理した結果を示すもので、
(図10(a))は入力信号s(t)のレベル、(図1
0(b))は出力信号y(t)のレベルである。本実施
例ではAlは1.0に設定して、レベルの抑圧は行わず
強調だけを行っている。(図10)に示すように、入力
信号s(t)のレベルの低い部分のレベルは上昇する
が、レベルの高い部分のレベルは変化しない。つまり、
子音のようなレベルの低い音は強調されるが、母音のよ
うなレベルの高い音は変化しないので、自然性をあまり
損なうことなく入力に比べて出力のレベルの変化が抑圧
される。
【0045】以上のように本実施例によれば、係数計算
手段71により、その時刻及びその前後の時刻の入力信
号に基づいて入力信号のレベルの変化を抑える値A
(t)を求め、非線形手段74にて値A(t)に非線形
処理を施して、上限と下限を設けた値A'(t)を出力
し、乗算手段73によって第1の遅延手段72の出力s
(t)に非線形手段74の出力A'(t)を乗じて出力
することにより、入力信号に比べて出力信号のレベルの
変化が抑えられ、子音のような小さいレベルの信号が、
母音のような大きいレベルの信号にマスキングされるこ
とが防がれ、明瞭度を改善することができる。また、係
数計算手段71が入力信号のレベルの変化に対応した値
A(t)を出力するので、無音区間の定常雑音を増幅し
てしまうことはなく、非線形手段74が過度の強調や抑
圧を防ぐので、自然性を損なうことなく音声の強調を行
うことができる。
【0046】以上、本発明の実施例における音声信号処
理装置を説明したが、このような音声信号処理装置は、
ソフトウェアで実現することもできる。以下、ソフトウ
ェアで実現する場合の動作についてフローチャートを用
いて説明する。
【0047】
【0048】(図11)は本発明の第1の実施例におけ
る音声信号処理装置の動作を示すフローチャートで
る。以下その動作について説明する。
【0049】まず、時刻(t−b)における入力信号s
(t−b)を読み込む。次に入力信号s(t−b)の絶
対値|s(t−b)|を求める。そして(数15)に基
づいて入力信号のレベルの変化を抑える値A(t)を求
める。(数15)において、C(i)は(数6)もしく
は(数9)で示したC(t)と同一であり、E(i)は
(数12)で示したものと同一である。
【0050】
【数15】
【0051】次に(数16)に示すように、入力信号s
(t)にA(t)を乗じて出力信号y(t)を得る。
【0052】
【数16】
【0053】そして(f+b)個の入力信号の絶対値を
1ポイントずつシフトする。次にb個の入力信号を1ポ
イントずつシフトする。最後に時刻tを更新して先頭の
処理に戻る。
【0054】以上のように、入力信号の絶対値を求め、
その時刻t及びその前後の時刻の入力信号の絶対値を用
いて(数15)に基づいて入力信号のレベルの変化を抑
える値A(t)を求め、このA(t)を入力信号s
(t)に乗じることにより、入力信号のレベルの変化を
抑えるので、子音のような小さいレベルの信号が、母音
のような大きいレベルの信号にマスキングされることが
防がれ、明瞭度を改善することができ、またレベルの急
激な変化を抑えるので、パルス性の雑音を抑圧すること
ができる。また、A(t)は入力信号のレベルの変化に
対応した値なので、無音区間の定常雑音を増幅してしま
うことはない。
【0055】
【0056】
【0057】(図12)は本発明の第2の実施例におけ
る音声信号処理装置の動作を示すフローチャートで
る。以下その動作について説明する。
【0058】まず、時刻(t−b)における入力信号s
(t−b)を読み込む。次に、入力信号s(tーb)の
絶対値|s(t−b)|を求め、(数15)に基づいて
入力信号のレベルの変化を抑える値A(t)を求める。
次にこのA(t)に対して非線形処理を施すのである
が、この処理は、A(t)がある上限の閾値Ahより大
きい場合にはAhをA'(t)とし、A(t)がある下
限の閾値Alより小さい場合にはAlをA'(t)と
し、A(t)が閾値Ah以下で閾値Al以上の場合には
A(t)をA'(t)として出力する。
【0059】次に(数17)に示すように、入力信号s
(t)にA'(t)を乗じて出力信号y(t)を得る。
【0060】
【数17】
【0061】次に(f+b)個の入力信号の絶対値を1
ポイントずつシフトする。そしてb個の入力信号を1ポ
イントずつシフトする。最後に時刻tを更新して先頭の
処理に戻る。
【0062】以上のように、入力信号の絶対値を求め、
その時刻t及びその前後の時刻の入力信号の絶対値を用
いて(数15)に基づいて入力信号のレベルの変化を抑
える値A(t)を求め、A(t)に非線形処理を施した
値A'(t)を入力信号s(t)に乗じることにより、
入力信号のレベルの変化を抑えるので、子音のような小
さいレベルの信号が、母音のような大きいレベルの信号
にマスキングされることが防がれ、明瞭度を改善するこ
とができる。またA(t)は入力信号のレベルの変化に
対応した値なので、無音区間の定常雑音を増幅してしま
うことはない。さらに非線形処理により過度の強調や抑
圧が防がれるので、自然性を損なうことなく音声の強調
を行うことができる。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明の音声信号処理装置
は、その時刻及びその前後の時刻の入力信号に基づいて
入力信号のレベルの変化を抑える値を求める係数計算手
段と、第1の遅延手段の出力に係数計算手段の出力を乗
じて出力する乗算手段を設けることにより、出力信号は
入力信号に対してレベルの変化が抑えられるので、子音
のような小さいレベルの信号が、母音のような大きいレ
ベルの信号にマスキングされることが防がれ、明瞭度を
改善することができ、またレベルの急激な変化が抑えら
れるので、パルス性の雑音を抑圧することができる。さ
らに係数計算手段は、入力信号のレベルの変化に対応し
た値を出力するので、無音区間の定常雑音を増幅してし
まうこともない。
【0064】また、第1の記憶手段が時間軸に対して2
階微分する特性を記憶し、第2の記憶手段が時間軸に対
して積分する特性を記憶し、絶対値手段が入力信号の絶
対値を求めて第2の遅延手段に出力し、第1の積和演算
手段が第2の遅延手段の内容と第1の記憶手段の内容と
の積和演算を行い、第2の積和演算手段が第2の遅延手
段の内容と第2の記憶手段の内容との積和演算を行い、
除算手段にて第1の積和演算手段の出力を第2の積和演
算手段の出力で除算することにより、容易にレベルの変
化を平滑化する値を求めることができる。
【0065】また、非線形手段は係数計算手段の出力に
上限と下限を設けて飽和させるようにしているので、過
度の強調や抑圧が防がれ、自然性を損なうことなく音声
の強調を行うことができるなど、数々の優れた効果を得
ることができる音声信号処理装置を実現できるものであ
る。
【0066】すなわち、本発明の音声信号処理装置によ
れば、入力信号の絶対値を求め、その時刻t及びその前
後の時刻の入力信号の絶対値を用いて(数10)に基づ
いて入力信号のレベルの変化を抑える値A(t)を求
め、このA(t)を入力信号s(t)に乗じることによ
り、入力信号のレベルの変化を抑えることができ、子音
のような小さいレベルの信号が、母音のような大きいレ
ベルの信号にマスキングされることが防がれ、明瞭度を
改善することができ、またレベルの急激な変化を抑える
ので、パルス性の雑音を抑圧することができる。また、
A(t)は入力信号のレベルの変化に対応した値なの
で、無音区間の定常雑音を増幅してしまうことはない。
【0067】さらに、上記A(t)に非線形処理を施し
た値A'(t)を入力信号s(t)に乗じることによ
り、入力信号のレベルの変化を抑えるので、子音のよう
な小さいレベルの信号が、母音のような大きいレベルの
信号にマスキングされることが防がれ、明瞭度を改善す
ることができる。また、非線形処理により過度の強調や
抑圧が防がれるので、自然性を損なうことなく音声の強
調を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における音声信号処理装置の
構成図である。
【図2】本発明の音声信号処理装置の係数計算手段の一
実施例の構成図である。
【図3】本発明の音声信号処理装置の第1の記憶手段に
記録されているC(t)の特性図である。
【図4】本発明の音声信号処理装置の第1の記憶手段に
記録されているC(t)の他の特性図である。
【図5】本発明の音声信号処理装置の第2の記憶手段に
記録されているE(t)の特性図である。
【図6】(a)本発明の第1の実施例における音声信号
処理装置の入力信号の波形図である。(b)本発明の第
1の実施例における音声信号処理装置の出力信号の波形
図である。
【図7】本発明の第2の実施例における音声信号処理装
置の構成図である。
【図8】本発明の第2の実施例における音声信号処理装
置の非線形処理手段の構成図である。
【図9】本発明の第2の実施例における音声信号処理装
置の非線形手段の特性図である。
【図10】(a)本発明の第2の実施例における音声信
号処理装置の入力信号の波形図である。(b)本発明の
第2の実施例における音声信号処理装置の出力信号の波
形図である。
【図11】本発明の第1の実施例における音声信号処理
装置のフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施例における音声信号処理
装置のフローチャートである。
【図13】従来の音声信号処理装置のフローチャートで
ある。
【図14】(a)従来の音声信号処理装置の入力信号の
波形図である。(b)従来の音声信号処理装置の出力信
号の波形図である。
【符号の説明】
11,71 係数計算手段 12,72 第1の遅延手段 13,73 乗算手段 21 絶対値手段 22 第2の遅延手段 23 第1の記憶手段 24 第2の記憶手段 25 第1の積和演算手段 26 第2の積和演算手段 27 除算手段 74 非線形処理手段 81 第1の飽和手段 82 第2の飽和手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 目片 強司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 山田 義則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 9/00 G01L 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 係数計算手段(11)、第1遅延手段
    (12)、乗算手段(13)からなる音声信号処理装置
    であって、 係数計算手段(11)は、絶対値手段(21)、第2遅
    延手段(22)、第1記憶手段(23)、第1積和演算
    手段(25)、第2記憶手段(24)、第2積和演算手
    段(26)、除算手段(27)からなり、 絶対値手段(21)は、入力信号の絶対値を求め、 第2遅延手段(22)は、絶対値手段(21)の出力を
    所定の時間長順次記憶し、 第1記憶手段(23)は、積和演算した結果が時間軸に
    対して2階微分する特性となる係数を記憶し、 第1積和演算手段(25)は、第2遅延手段(22)の
    記憶内容と第1記憶手段(23)の係数との積和演算を
    行い、 第2記憶手段(24)は、積和演算した結果が時間軸に
    対して積分する特性となる係数を記憶し、 第2積和演算手段(26)は、第2遅延手段(22)の
    記憶内容と第2記憶手段(24)の係数との積和演算を
    行い、 除算手段(27)は、第1積和演算手段(25)の出力
    を第2積和演算手段(26)の出力で除算し、レベル抑
    制係数を出力する、 第1遅延手段(12)は、係数計算手段(11)の処理
    遅延を補償するため入力信号に遅延をかけ、 乗算手段(13)は、第1遅延手段(12)の出力信号
    に係数計算手段(11)のレベル抑制係数を乗算する
    声信号処理装置。
  2. 【請求項2】 第1記憶手段(23)は、次式の係数C
    (t)を記憶する請求項1記載の音声信号処理装置。 【数1】
  3. 【請求項3】 第1記憶手段(23)は、次式の係数C
    (t)を記憶する請求項1に記載の音声信号処理装置。 【数2】
  4. 【請求項4】 第2記憶手段(24)は、次式の係数E
    (t)を記憶する請求項1に記載の音声信号処理装置。 【数3】
  5. 【請求項5】 係数計算手段(11)、第1遅延手段
    (12)、非線形処理手段(74)、乗算手段(13)
    からなる音声信号処理装置であって、 係数計算手段(1
    1)は、絶対値手段(21)、第2遅延手段(22)、
    第1記憶手段(23)、第1積和演算手段(25)、第
    2記憶手段(24)、第2積和演算手段(26)、除算
    手段(27)からなり、 絶対値手段(21)は、入力信号の絶対値を求め、 第2遅延手段(22)は、絶対値手段(21)の出力を
    所定の時間長順次記憶し、 第1記憶手段(23)は、積和演算した結果が時間軸に
    対して2階微分する特性となる係数を記憶し、 第1積和演算手段(25)は、第2遅延手段(22)の
    記憶内容と第1記憶手段(23)の係数との積和演算を
    行い、 第2記憶手段(24)は、積和演算した結果が時間軸に
    対して積分する特性となる係数を記憶し、 第2積和演算手段(26)は、第2遅延手段(22)の
    記憶内容と第2記憶手段(24)との積和演算を行い、 除算手段(27)は、第1積和演算手段(25)の出力
    を第2積和演算手段(26)の出力で除算し、レベル抑
    制係数を出力する、 非線形処理手段(74)は、レベル抑制係数が所定の上
    限値より大きい場合は上限値を出力し、下限値より小さ
    い場合は下限値を出力し、 第1遅延手段(72)は、係数計算手段(71)及び非
    線形処理手段(74)の処理遅延を補償するため入力信
    号に遅延をかけ、 乗算手段(73)は、第1遅延手段(72)の出力信号
    に非線形処理手段(74)の係数を乗算する 音声信号処
    理装置。
  6. 【請求項6】 第1記憶手段(23)は、次式係数C
    (t)を記憶する請求項5に記載の音声信号処理装置。 【数4】
  7. 【請求項7】 第1記憶手段(23)は、次式係数
    (t)を記憶する請求項5に記載の音声信号処理装置。 【数5】
  8. 【請求項8】 第2記憶手段(24)は、(数3)に示
    す係数E(t)を記憶する請求項5に記載の音声信号処
    理装置。
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