JP2891492B2 - インク・ジェット・ペンとその動作方法 - Google Patents

インク・ジェット・ペンとその動作方法

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JP2891492B2
JP2891492B2 JP1345049A JP34504989A JP2891492B2 JP 2891492 B2 JP2891492 B2 JP 2891492B2 JP 1345049 A JP1345049 A JP 1345049A JP 34504989 A JP34504989 A JP 34504989A JP 2891492 B2 JP2891492 B2 JP 2891492B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、インク・ジェット印字システムに関し、
特に反復的な環境の変動中に残余インクがインク・ジェ
ット・ペンの溢れ溜めの溢れ溜めに溜まり、ついには溢
出することを防止できる構造のインク・ジェット・ペン
とその動作方法に関する。
〔従来技術とその問題点〕
インクジェット・プリンタは動作が静かで迅速であ
り、用紙への印刷性能が高いので極めて普及してきた。
そしてこれまで色々な形式のインクジェット・印字シス
テムが開発されてきた。
連続噴射印刷と呼ばれるインクジェット・印字システ
ムの一つでは、インクは加圧されて印字ヘッド内のノズ
ルに給送され、連続的なインクジェットを生成する。各
インク・ジェットは一連のインク小滴の中で振動によっ
て分離される。即ちこの小滴は荷電され、静電的に偏向
されて印刷媒体又は後の再循環用のインク溢れ溜めへと
送られる。米国特許明細書第3,596,275号はこの方法を
開示している。
静電引込み印刷と呼ばれる別のインクジェット・印字
システムでは、印刷ノズル内のインクはゼロ圧力又は低
い正圧を受け、インク滴の流れの中に静電的に引き込ま
れる。インク滴はインク滴の飛翔方向と、印刷媒体上の
所望位置への沈積とを制御するように配置された2対の
偏向電極の間を飛翔する。米国特許明細書第3,060,429
号はこの方法を開示している。
前述の方法よりも普及している第3の方法はドロップ
・オン・デマンド(需要に応じた滴下)印刷として知ら
れている。この技術の場合は、インクは大気圧以下の圧
力でペン内に保持され、インク滴生成器によって一時に
一滴ずつ需要に応じて噴出される。これには2つの基本
的噴射機構が利用される。即ち熱バブル・システムと圧
電圧力波システムである。熱バブル・システムでは、イ
ンク滴生成器内の薄膜抵抗器が加熱され、インクの小部
分を急激に気化させる。急激に膨張したインク蒸気はイ
ンクをノズルから移動してインク滴の噴射が行われる。
米国特許明細書第4,490,728号はこのような熱バブル・
ドロップ・オン・デマンド・システムの例である。
圧電圧力波システムでは、インク滴生成器内のインク
容積を急激に圧縮するために圧電素子が利用され、それ
によって圧力波が生成されてノズルからインク滴を噴射
させる。米国特許明細書第3,832,579号はこのような圧
電波ドロップ・オン・デマンド・システムの例である。
ドロップ・オン・デマンド技術は、静止状態におい
て、インクはインクが噴射されるまでペン内に溜まるよ
うに、インク溜め内の圧力が大気圧以下であることが必
要である。この“低圧”(又は“部分真空”)の度合い
は重要である。低圧が小さ過ぎると、即ちインク溜めの
圧力が正であると、インクはインク滴生成器から漏れ出
てしまう。低圧が大きすぎると静止状態のインク滴生成
器内に空気が吸引される。(インク生成器の強い毛管現
象によって、空気とインクのメニスカスがインク溜めの
部分真空に抗して保持されるので、空気は通常はインク
滴生成器内に吸引されない。) ドロップ・オン・デマンド・システムに必要な低圧は
多様な方法で得ることができる。一つのシステムでは、
低圧はインクの表面がノズルのレベルよりも僅かに下に
なるようにインク溜めを下げることによって重力式に得
られる。しかし、インク溜めのこのような位置決めは必
ずしも容易には達成されず、印字ヘッドの設計に重大な
制約をもたらす。重力式低圧の例は米国特許証明書第3,
452,361号である。
必要な低圧を達成するための別の技術はいずれも本件
の出願人に譲渡されている、米国特許第4,509,062号及
び米国出願番号07/115,013号に開示されている。前者の
特許では、低圧はインクが引き出されるにつれて漸次つ
ぶされる袋式インク溜めを使用することによって達成さ
れる。弾力的袋の復元力によって、インク溜め内のイン
クの圧力が大気圧より僅か低く保たれる。後者の特許出
願に開示されているシステムでは、一端がインク溜め内
のインクに浸漬され、他端が大気圧へと開放されている
溢れ溜めに連結された毛管インク溜め通気管、即ちバブ
ル生成器を使用することによって低圧が達成される。こ
れもインク溜めに接続されている印字ヘッドがインク溜
めからインクを引き出すと、インク溜めの内圧が低下す
る。インクがインク溜めから噴射されると、この低圧は
増大する。低圧がしきい値に達すると、インク溜めは少
量のインクを毛管を通してインク溜め内に引込み、それ
によって低圧がしきい値を超えることが防止される。
インク溜めの低圧を維持するための前記の2つのアプ
ローチは多くの側面で充分に満足でき、特有の効果があ
ることが実証されているが、それにも係わらず幾つかの
欠点がある。例えば、前記引用した特許に開示されたペ
ンでは、弾力的な袋が完全に凹んだ状態に達すると、低
圧はインク滴生成器が最早インクを引き出せず、袋の中
に未使用のインクが残ったまま印刷が終了してしまう値
まで増大する。前記に引用した出願に記載のペンはそれ
が適正に機能することができる温度と標高に制約があ
る。例えば、このようなペンが高度8000フィートに加圧
された航空機のキャビン中で輸送されると、インク溜め
内の空気は約1/3だけ容積が膨張するだろう。インク溜
め内の空気の容積が毛管インク溜め通気管からの溢れ
(オーバーフロー)が行きつく溢れ溜めの容積の3倍以
上である場合は、空気膨張は溢れ溜めが収容し得る以上
のインクを溢れ溜めに押しやり、溢れ溜めは溢れてしま
うであろう。この問題は可能な如何なる高度又は温度環
境でもインクを収容するに充分の大きさの溢れ溜めを設
けることによって、例えば、溢れ溜めの寸法をインク溜
めの寸法の完全に35%にすることによって解決可能であ
る。
しかし、この解決法も充分なものではない。溢れ溜め
からインクをインク溜めに戻す唯一の手段は双方の間に
延在するインク滴下管である。殆どのアプローチでは、
溢れ溜めのインクレベルがインク滴下管の端以下のレベ
ルになるので、インク溜めの空気容積が収縮すると溢れ
溜め内のインクの全てがインク溜めに戻ることはできな
い。このような場合、管の露出端を通して空気がインク
溜め内に吸引される。インク溜め内の空気の第2の膨張
(高度又は温度の上昇による)によって、インク溜め内
の空気が増大するため、それまでよりも多くのインクが
溢れ溜め内に吸引されることが認められる。更に、溢れ
溜めはそれまでの高度又は温度サイクルからすでにある
程度のインクを含んでいる。その結果、第2の高度及び
温度の変動によって溢れ溜めがその許容量を超えて充満
し、インクが溢れ溜めの通気管及びペンから溢れだすこ
とがあり、これは極めて不都合な流出である。それに続
く環境上の変動がある毎にこの問題は悪化する。
〔発明の目的〕
この発明は特に、インク漏れなく、反復する高度及び
温度の変動に耐えるインク・ジェット・ペンを提供する
ことを目的としている。
〔発明の概要〕
発明の1実施例に基づき、インク・ジェット・ペンに
ペンのインク溜めからペンの溢れ溜めの異なる領域へと
下方に延びるインク・ピック・アップ管を設けている。
溢れ溜め内に幾分かのインクが残留している場合、端部
がインク内に浸漬されるように管の一つを配置して、ペ
ンの向きにかかわりなく管がインクをインク溜めに再度
引き込むことができるようにピック・アップ管は配置さ
れている。
〔発明の詳細な説明〕
第2A図乃至第2D図は米国特許出願第115,013号に記載
のペン10の4つの異なる動作段階が示されている。ペン
は基本的に、主要上部14と、そこから下方に延びるイン
ク井戸16を有するインク溜め12を有している。インク滴
生成器アセンブリ18は、フィルター20を介してインクを
井戸16から給送し、インクを印刷媒体に向けて放出する
機能を果たす。
インク井戸16の近傍で、インク溜めの主要部14の下に
溢れ溜め22がある。溢れ溜め22とインク溜め12はインク
井戸16の滴下部分26の低部に位置するオリフィス24によ
って連結されている。通気管28はペンのベースから上方
に延び、且つ溢れ溜め22を周囲大気へと通気するため頂
部に通気口30を有している。
溢れ溜め22とオリフィス24は協同して2つの機能を果
たす。第1の機能は定常動作中、オリフィス24が気泡の
形状の空気を溢れ溜めからインク溜め12へと誘導する。
これらの気泡はインク滴生成アセンブリ18によるインク
滴の放出に起因するインク溜めの圧力低下を緩和し、且
つ低圧をオリフィスの“気泡点”圧力に調整することで
ある。(このためオリフィスは“気泡生成器”と呼ばれ
ることがある。)第2に、オリフィスは、環境条件に応
じてインク溜めと溢れ溜めとの間をインクが流れること
ができるような導管として機能する。
図示したペンは従来の技術と比較して多くの利点を備
えているが、環境変動が反復されると、インクを溢れ溜
めに累積する傾向がある。環境変動の例としては、ペン
が客室又は貨物室の何れで輸送されるにせよ、8000フィ
ートの高度に対応する圧力下に晒される航空機での飛行
状態がある。このような高度では、インク溜め内の空気
は容積が約33%膨張し、且つ、対応する容積のインクが
オリフィス24を通して溢れ溜めへと駆動される。このイ
ンクを収容する溢れ溜めの適正な容量を保証するため、
溢れ溜めはインク溜めのおよそ1/3の大きさに設計され
る。
このような実施例では、ペンの空間的な配位及びイン
ク溜め内の空気部分の量にかかわりなく、溢れ溜めは移
動したインクを収容できる。その後環境状態が例えば航
空機が平均海面に戻ることによって元の状態に戻ると、
インク溜め内の空気は元の容積に戻る。この空気の収縮
によってインクは溢れ溜めから再びオリフィス24を通し
てインク溜めに戻る。しかし、オリフィス24はそれが溢
れ溜め内のインクで浸潤している場合だけしかインクを
インク溜めに戻す機能を果たさない。溢れ溜め内のイン
クのレベルがこのポイントを超えた後は、インク溜め内
の空気が更に収縮してもインクではなく空気がインク溜
め内に引き込まれる。溢れ溜め内に残されたインクは孤
立する。
その後ペンに別の環境変動が加わった場合、前の変動
によるインクの残量が残っているので、溢れ溜めはイン
ク溜めから移動したインクを収容しきれない。更に変動
が加わると、更に大量の累積したインク量が溢れ溜め内
に孤立して残り、更にその収容量が減少する。場合によ
っては溢れ溜めが溢れ、インクは通気管から流出してユ
ーザーに触れてしまう。
この一連の事象は第2A図乃至第2D図に示されている。
第2A図はペンのインク溜め12内で空気が膨張する前のペ
ン10を示している。第2B図はペンのインク溜め内の空気
が最初に膨張して、インクを溢れ溜め22内に押し出した
後のペンを示している。第2C図はペンのインク溜め内の
空気が収縮して、溢れ溜め内のインクの全てではなく一
部を再度インク溜めへと引き込んだ後のペンを示してい
る。(ペンの空間的配位によってオリフィス24が溢れ溜
めを完全に排出することが妨げられる。)最後に、第2D
図はペンのインク溜め内の空気が2度目に膨張し、イン
クを溢れ溜め内に押し込み、且つ溢れ溜めが通気管を通
して溢れた後のペンを示している。
前述の問題を解決するため、この発明はペンの向きに
かかわりなく、環境変動の各周期毎に溢れ溜めを完全に
排気する手段を提供している。第1図に示した発明の実
施態様40では、この手段はインク溜め12と溢れ溜め22の
間の部分44内に形成され、且つ溢れ溜めの角46内に延び
るインク・ピックアップ42と称する複数個の小管42を備
えている。(第1図の断面図では溢れ溜めの4つの隅の
うち2つだけを示している。)ペンの配位にかかわりな
く、これらのピックアップのうち少なくとも一つは湿っ
た状態に留まり、溢れ溜めが完全に排出されるまで作用
する。
ピックアップ42は多くの形状を呈することができる。
その例として、端部で穿孔され、単数又は複数のオリフ
ィス48を形成した鋳造プラスチックのモールド管、又は
端が開放され、織物スクリーンを貼着した管がある。別
の形態では、ピックアップはフォーム、多孔材又はグラ
スファイバー束のような毛管マトリクス材料から製造可
能である。唯一の制約はピックアップは後述するよう
に、ピックアップが考えられるあらゆる条件下でインク
を保持する必要があるということである。
インクはペンの空間的な配位に係わらず溢れ溜め内に
累積しないことが望ましい。説明上、第1図のペンが完
全に転倒し、溢れ溜め22がインク溜め12の上にある場合
を想定する。溢れ溜めにインクがなく、環境の変動によ
ってインク溜め内の空気が膨張した場合、膨張した空気
自体がオリフィス48及び通気管28から追い出される。ペ
ンの転倒した配位でもインクはインク溜め内に保持され
る。
ペンが第3A図乃至第3D図に示す向きにある場合、イン
ク溜め内の膨張した空気はインクを気泡生成器オリフィ
ス24を通して溢れ溜め22へと押し出し、そこでインクは
第3B図に示すように溜まる。インクはインク・ピックア
ップの端部が湿っていない限りインク・ピックアップを
通してインク溜めから押し出されることはない。即ち、
湿っていないピックアップ管の端部の空気とインクの界
面にある毛管作用は通常は管を有効に密封するのに充分
であり、且つインクが管から溢れ溜めに流出することを
防止する。しかし、ピックアップ管の端が溢れ溜め内の
インクによって湿っている場合は、空気とインクの界面
は存在せず、毛管作用はない。その場合はインクはピッ
クアップを通して溢れ溜め内に流入する。
インク溜め内の空気がオリフィス24を通して溢れ溜め
内に駆動された場合の3B図の状態を参照すると、溢れ溜
め内のインクのレベルは上昇し、やがて単数又は複数の
インク・ピックアップ管の端を浸潤する。浸潤される
と、インクは管(単数又は複数)から流出し、その流れ
は管及び管の端部の小オリフィス(単数又は複数)での
粘着性の抗力、及びインク溜めと溢れ溜めの間の圧力差
によって制御される。
その後の環境状態によってインク溜め内の空気容積が
収縮すると、インク溜め内の圧力は溢れ溜め内の圧力よ
りも低くなる。その端がインクに浸漬されたインク・ピ
ックアップによって、このインクは粘着性抗力を受けて
インク溜めに再度流入できる。ペンの設計者は各インク
・ピックアップを通したインクの流速が、そのピックア
ップでの圧力差(溢れ溜めとインク溜めとの圧力差に等
しい)が気泡生成器オリフィス24の気泡点を超えること
なく、インク溜め内の空気の可能な最大収縮速度と適合
できるように注意する必要がある。この気泡圧を超える
と、ペンはインク・ピックアップ管を通してインクをイ
ンク溜め内に再度引き戻すのではなく、優先的に気泡生
成器オリフィスを通して空気をインク溜め内に引き込ん
でしまう。このようにして引き込まれた空気容によって
ペンが平衡状態になると、対応する量のインクが溢れ溜
め内に残される。
インク・ピックアップの一つがインクに浸漬され、し
かし、気泡生成器オリフィス24が浸漬されていない場合
は、インク・ピックアップは、気泡生成器がそれ以下の
圧力では空気がインク溜めに引き込まれる圧力にてその
インクをインク溜めに戻すことができなければならな
い。この圧力は気泡生成器の気泡圧であり、且つ、気泡
生成器と印字ヘッドとの高さの変化を考慮した後、その
印字ヘッドに給送されるインクの低圧(即ち“部分真
空”)である。インク・ピックアップにかかる圧力は管
の長さ全体にわたる“メジャー”ヘッド損失と、管の端
におけるオリフィス(単数又は複数)を通した流れに関
連する“マイナー”損失から成り、“マイナー”損失は
管の頂部を出る流れに関連し、且つ圧力はピックアップ
管の端と端の間の高さの差に関連する。
通常は、2つ又はそれ以上のインク・ピックアップ
(インク滴下管26もインク・ピックアップとしての機能
を果たす)はインクの流れをインク溜めに再配分するこ
とができる。しかし、インクが溢れ溜めの一つの隅にだ
け溜まっている場合は、一つのインク・ピックアップだ
けがインクを流し、且つピックアップは気泡生成器の気
泡点を超える圧力降下を避けるに充分なサイズでなけれ
ばならない。インク・ピックアップはインクの全てをピ
ックアップするために、溢れ溜めの厳密な隅にある必要
はない。表面張力が“距離を置いた”インクを引き寄せ
る補助になる。62ダイン/cmの表面張力のインクの場
合、引き寄せ範囲は0.10インチである。
インクに浸漬されていないインク・ピックアップは必
然的に“死んでいる”。それらは空気又はインクを流さ
ない。オリフィスの気泡点は1)気泡生成器の気泡点、
ひいては2)インク・ピックアップでの最高圧よりも大
幅に高いので、空気はオリフィスを通って気泡化しな
い。前述のように、インクがインク・ピックアップに残
ることが重要である。ペンが第1図のように向いている
場合は、ピックアップ42は基本管の毛管作用により、イ
ンク溜めの圧力が溢れ溜めの圧力よりも高い場合でイン
クを保持する。物理的衝撃のような形態の機械的エネル
ギが加わっても、インクはオリフィスがインクを保持す
るのに充分小さければ管内に留まる。そこで設計者は基
本的にインク・ピックアップ・オリフィスの直径を(前
述のような)高過ぎない圧力で充分に流れるだけ縮小す
ることが必要である。その結果、物理的に頑丈なペンに
なる。インク・ピックアップの口径も同様のインク流の
制約に従って、同じ理由で縮小する必要がある。ペンが
転倒していても、インクはインク・ピックアップ内に保
持される。それはインクがインク・ピックアップ・オリ
フィス内のメニスカス上に引き下ろされるからである。
(更に、インク・ピックアップ・オリフィスにとって、
少なくともインク・ピックアップ内のインクの質量によ
り生成される負圧と、ペンが機能し続ける加速との積に
等しい気泡圧を持つことは容易であるからである。) 前述の説明で、発明に基づくペンは競合するシステム
と比較して多くの利点を有することが理解されよう。そ
の一つは容量効率である。溢れ溜めのサイズは予測出来
ない程の大量の溢れインクを収容する必要がないので、
そのサイズをかなり縮小してもインク漏れの危険がな
い。更にペンはインク漏れなく複数回に及ぶ高度及び温
度変動の周期にも耐えられる。第4A乃至第4D図の検査か
ら明らかであるように、発明に基づくペンはほぼ水平の
位置でも動作可能である。最後にこの発明は輸送中にペ
ンの印字ヘッドを密封し、通気する必要がない。
これまで発明の原理を好適な実施例及びその幾つかの
変形に基づき説明してきたが、発明はこのような原理か
ら離れることなく、構成や細部を修正可能である。例え
ば、発明は溢れ溜めを完全に排出するため、複数個のイ
ンク・ピックアップ管を使用するものとして説明してき
たが、溢れ溜めにフォームを詰めて、インクを単数又は
複数の連結オリフィスから引き出すことによっても同様
の結果が達成される。同様に、発明はインク滴下管/気
泡生成器及び複数個のインク・ピックアップ管の双方を
含むペンを参照して説明してきたが、別の実施例では、
インク・ピックアップの一つがインク滴管/気泡生成器
としても機能し得る。
発明の原理を適用可能な実施態様の範囲が広いので、
図示した装置は説明上のためだけに過ぎず、発明の範囲
を限定するものではないということが理解されよう。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明の実施により、その中の
空気の膨張によりインク溜めから溢れ溜めに流れ出した
インクは、空気の収縮に伴って、再び、全てインク溜め
に取り戻される。従って、環境変化に伴って、空気圧や
温度の変化が生じても、溢れ溜めに流出したインクが、
環境変化の本復に伴って、再びインク溜めに取り戻され
るから、溢れ溜めに残留するインクは実質的に生じな
い。従って、溢れ溜めから外部に溢れ出すこともない。
また、上述の動作は、インク・ジェット・ペンの向き
によらないから、使用状態で姿勢変化があるような場合
でも、有効である。
従って、実用に供して有益である。
【図面の簡単な説明】
第1図は4個のインク・ピック・アップ管のうちの2個
を示す本発明の一実施例のペンの横断面図である。 第2A図は、ペンのインク溜めで空気が膨張する前のペン
内インク分布を示すための図である。 第2B図は、ペンのインク溜め内の空気が第一回目の膨張
をおこない、インクを溢れ溜めに押し込んだ後のペン内
インク分布を示すための図である。 第2C図は、ペンのインク溜め内の空気が収縮して、溢れ
溜め内のインクの一部をインク溜めに呼び戻した後のペ
ン内インク分布を示すための図である。 第2D図は、ペンのインク溜め内の空気が第二回目の膨張
をおこない、インクを溢れ溜めに押し込んで、溢れ溜め
が溢れた後のペン内及び漏れたインクの分布を示す図で
ある。 第3A図は、ペンのインク溜め内の空気が膨張する前の第
1図のペン内のインク分布を示すための図である。 第3B図は、ペン内のインク溜め内の空気が第一回目の膨
張をおこない、インクを溢れ溜めの中に押し込んだ後の
第1図のペン内のインクが分布を示すための図である。 第3C図は、ペンのインク溜め内の空気が収縮して、イン
クを湿った管に引き込んだときの第1図のペン内インク
分布を示すための図である。 第3D図は、ペンのインク溜めの空気が十分収縮して溢れ
溜めのインクを全て引き出してインク溜めの中に呼び戻
した後の第1図のペン内のインク分布を示すための図で
ある。 第4A図乃至第4D図は、それぞれ第3A図乃至第3D図と同様
で、同様の4段階の動作におけるペンを示すための図で
ある。但し、第3A図乃至第3D図と異なる角度づけがなさ
れており、本発明が広範囲な向きにおいて動作可能であ
ることを示している。 10:ペン 12:インク溜め 14:主要上部 16:インク井戸 18:インク滴生成器アセンブリ 22:溢れ溜め 24、48:オリフィス 42:(インク)ピックアップ管

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後記(イ)から(ホ)を備えたインク・ジ
    ェット・ペン、 (イ)インクを収容するインク溜め、 (ロ)前記インク溜めから印字媒体へインク小滴を噴射
    するための滴噴射器、 (ハ)前記噴射による前記インク溜めの圧力低下を緩和
    するために空気泡を前記インク溜めに導入し、また前記
    インク溜めの中の空気が膨張したとき該インク溜めから
    インクを移送するためのオリフィス、 (ニ)前記移送されたインクを前記オリフィスを介して
    受けるための前記インク溜めに結合された溢れ溜め、 (ホ)前記インク溜めの中の空気が収縮したときに、前
    記オリフィスが前記溢れ溜めの中のインクでぬれていな
    いとき、前記溢れ溜めから前記インク溜めへインクを返
    すため前記溢れ溜めを前記インク溜めに結合するための
    インク・ピックアップ手段。
  2. 【請求項2】前記ピックアップ手段が前記インク溜めか
    ら前記溢れ溜めの相異なる部分へ延びた複数の管から成
    ることを特徴とする請求項1記載のインク・ジェット・
    ペン。
  3. 【請求項3】インク溜めと、溢れ溜めと、該インク溜め
    と該溢れ溜めとを結合するオリフィスと、前記オリフィ
    ス以外の手段をを備えたインク・ジェット・ペンの動作
    方法であって、後記(イ)から(ハ)のステップを含む
    動作方法、 (イ)前記インク溜めの空気が膨張したとき、前記オリ
    フィスを介して、前記インク溜めから前記溢れ溜めにイ
    ンクを流すステップ、 (ロ)前記インク溜めの空気が収縮し、前記オリフィス
    が前記溢れ溜めの中のインクでぬれているとき、前記オ
    リフィスを介して、前記溢れ溜めからインクを前記イン
    ク溜めに逆流させるステップ、 (ハ)前記インク溜めの空気が収縮し、前記オリフィス
    が前記溢れ溜めの中のインクでぬれていないとき、前記
    オリフィス以外の手段で前記インク溜めに前記溢れ溜め
    からインクを逆流させるステップ。
  4. 【請求項4】複数の前記オリフィス以外の手段を備え、
    前記インク・ジェット・ペンの向きにかかわらず、前記
    インク溜めの空気が収縮したとき、前記オリフィスおよ
    び前記オリフィス以外の手段により、実質的に全てのイ
    ンクを前記溢れ溜めより前記インク溜めへ呼び戻す請求
    項3に記載の方法。
JP1345049A 1988-12-30 1989-12-28 インク・ジェット・ペンとその動作方法 Expired - Fee Related JP2891492B2 (ja)

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US07/292,585 US4961076A (en) 1987-10-28 1988-12-30 Reliability improvement for ink jet pens
US292,585 1988-12-30

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JPH02231146A JPH02231146A (ja) 1990-09-13
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4791438A (en) 1987-10-28 1988-12-13 Hewlett-Packard Company Balanced capillary ink jet pen for ink jet printing systems

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US4791438A (en) 1987-10-28 1988-12-13 Hewlett-Packard Company Balanced capillary ink jet pen for ink jet printing systems

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