JP2884037B2 - 耐放射線性・不純物補償型光検知器 - Google Patents

耐放射線性・不純物補償型光検知器

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JP2884037B2
JP2884037B2 JP6150583A JP15058394A JP2884037B2 JP 2884037 B2 JP2884037 B2 JP 2884037B2 JP 6150583 A JP6150583 A JP 6150583A JP 15058394 A JP15058394 A JP 15058394A JP 2884037 B2 JP2884037 B2 JP 2884037B2
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直樹 岸本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐放射線性・不純物
補償型光検知器に関するものである。さらに詳しくは、
この発明は、原子炉、宇宙環境、あるいは加速器等の高
エネルギー放射線環境における分光光度計および放射温
度計等に有用な耐放射線性・不純物補償型光検知器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、オプトエレクトロ
ニクスの分野で広く一般的に用いられている光検知器と
して、半導体を使用したものが知られている。このよう
な半導体を用いた光検知の方法は、一般的に、光起電力
方法と、光伝導方法に大別されており、それらの各方法
は既に実用技術として確立されていると言っても過言で
はない。
【0003】しかしながら、従来の光検知器の場合、通
常環境での使用ではなく、例えば、近年注目を浴びてい
る原子炉、宇宙環境、あるいは加速器等の高エネルギー
放射線環境下での使用においては、光検知器の感度の劣
化が極めて大きく、正確な計測は不可能であった。その
理由は、例えば、光起電力方法の光検知器の場合には、
半導体に数百ナノメーターの薄い接合層を設けているた
めに、この接合層は高エネルギー放射線損傷の影響を受
け易く、またその接合部での強電界によって照射損傷に
よる破壊が生じやすいためである。また、光伝導方法の
光検知器では、非照射条件下で高感度特性を得るために
暗電流の少ない高純度材料が用いられているため、高エ
ネルギー放射線の照射によって、著しくその感度が劣化
してしまうからである。
【0004】つまり、従来の半導体光検知器において
は、通常環境下においては、非常に精度が高いものの、
高エネルギー環境下では、精度が非常に低いという問題
があり、しかも、その精度を向上させるための手段は、
現在まで知られていないのが現状である。この発明は、
以上の通りの従来技術の欠点を解消し、通常環境下だけ
でなく、高エネルギー放射線環境下においても、高精度
で光検知を可能とする、新しい半導体光検知器を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、半導体シリコン中にエネルギー
的に浅い不純物が1015〜1017/cm3 添加された光
検出器であって、不純物から供給された自由電荷が、高
エネルギー放射線により生成した照射欠陥を補償するこ
とにより、その照射欠陥の光電荷捕獲能力を減殺するこ
とを特徴とする光伝導型の耐放射線性・不純物補償型光
検知器を提供する。
【0006】またさらに、この発明は、半導体シリコン
が受光した光電流信号を電圧に変換した後、位相検波方
式により光強度に比例した電気信号を得ることを特徴と
する前記の光伝導型の耐放射線性・不純物補償型光検知
器をも提供する。
【0007】
【作用】上記の通りのこの発明において、「エネルギー
的に浅い」との規定は、電子を供給するn型不純物に対
しては伝導帯に近いエネルギー準位であることを意味
し、正孔を供給するp型不純物に対しては価電子帯に近
いエネルギー準位であることを意味している。反対に、
「エネルギー的に深い」との規定は、電子を供給するn
型電子状態に対しては伝導帯から離れたエネルギー準位
であることを意味し、正孔を供給するp型電子状態に対
しては価電子帯から離れたエネルギー準位、すなわち、
禁制帯の中央に近いエネルギー準位であることを意味し
ている。
【0008】つまり、この発明においては、半導体シリ
コンからなる光伝導素子に不純物を添加し、照射欠陥補
償能力を持たせて耐高エネルギー放射線性を高めたこと
に大きな特徴がある。さらに、この発明においては、位
相検波方式を用いることにより、通常環境においても、
高感度な光検知を可能としたことに大きな特徴がある。
【0009】例えば従来は、光伝導素子などのセンサー
材料への不純物添加については、センサーが赤外光(低
エネルギー)域を対象とする場合、一般的に、金等のエ
ネルギー的に深い不純物の添加が行われていた。またエ
ネルギー的に浅い不純物の添加は、従来はp−n接合を
作る目的にのみ用いられており、このp−n接合を用い
たものでは、この発明の光検出器のように耐高エネルギ
ー放射線性に優れたものとはならない。またさらに、従
来の光伝導方法の光検知器の場合、エネルギー的に浅い
不純物の添加は、暗電流を上げて電荷移動度を下げてし
まい、その結果、光感度が低下してしまうため、通常環
境下においてはこのような方法はまったく適用されてい
なかった。
【0010】一方、この発明の耐放射線性・不純物補償
型光検知器は、従来の常識とは異って、光伝導素子中に
エネルギー的に浅い不純物を添加して自由電荷を供給
し、高エネルギー放射線により生成した照射欠陥をその
自由電荷で補償することにより、照射欠陥の光電荷捕獲
能力を減殺して耐高エネルギー放射線性を高めたもので
ある。従って、この発明においては、n型のPおよびS
b等のエネルギー的に浅い不純物、あるいはp型のBお
よびGa等のエネルギー的に浅い不純物を、1015〜10 17
/cm3 添加した光伝導素子を好適なものとして使用す
る。
【0011】図1は、この発明の不純物補償型光検知器
の動作原理を説明したものである。すなわち、この図1
に明示したように、高エネルギー放射線が生成する照射
欠陥は、一般的に、センサー材料中にエネルギー的に深
い準位を作り、光励起された電荷等を直ちに捕獲し光電
流を減少させてしまう。そこでこの発明の不純物補償型
光検知器では、エネルギー的に浅い不純物を比較的多く
添加して自由電荷を供給し、高エネルギー放射線により
生成した照射欠陥を補償して、照射欠陥の捕獲能力を減
殺する。
【0012】このため、照射欠陥が導入された状態で
は、自由電荷が欠陥を補償するため、光伝導特性が急激
には劣化せず、従来の無添加である光検知器と比べて、
優れた光伝導特性を示すことになる。なお、この発明を
構成する光素子は、光伝導方法のものであることが望ま
しく、その光伝導素子は、オーミック特性を持つ平行
(プラナー)型電極を持つ。
【0013】さらにこの発明においては、電極部分以外
の受光面に、エッチング処理を行なうことが望ましく、
電極部にマニキュア等のエッチング保護剤を塗布した
後、乾燥させ、CP4等のフッ酸系エッチング液により
表面エッチングを施してもよい。この発明の耐放射線性
・不純物補償型光検知器では、光伝導素子もしくはその
代表的なものとしてシリコンを用いる。また、従来公知
の電極作成技術を適宜に使用してもよい。この電極用金
属材料としては、Au、および、Al等を用いることが
できる。不純物としてのエネルギー的に浅いものの添加
は、1015〜1017/cm3 の範囲とする。1015/cm3 未満の
場合には、この発明の補償効果は少なく、また、1017
cm3 を超える場合には、光検知性能そのものが低下する
ため好ましくない。
【0014】以上の範囲での不純物の添加に際しては、
蒸着とその後の熱拡散、より具体的には、上記の電極用
金属材料を基本とし、たとえばn型シリコンに対しては
Sb、および、P等を添加物として含み、p型シリコン
に対しては,B、および、Ga等を0.1 〜1%程度含ん
だ材料を蒸着源に用いて、真空蒸着装置により約50nm
〜1μm程度蒸着し、次いで熱拡散することができる。
【0015】さらにこの発明においては、暗電流の弊害
を軽減するために、位相検波方式(交流法)を用いるこ
とが好ましい。つまり、被測定光はチョッパーにより矩
形波変調し、その変調された矩形波を、上記光伝導素子
が受光し、光電流信号を電圧に変換した後、位相検波方
式により光強度に比例した電気信号を得る。また、光チ
ョッパーの前方または後方に分光器を設置し、被測定光
を分光すれば波長に関する光スペクトルを得ることがで
きる。
【0016】またさらに、この発明の光検知器において
は、素子冷却技術、直流電源、電流・電圧変換器、およ
び、位相検波増幅器等については、従来公知のものをは
じめとして、適宜なものを使用してもよい。以下、実施
例を示し、さらに詳しくこの発明の不純物補償型光検知
器について説明する。
【0017】
【実施例】p型不純物としてのBを約1 ×1015/cm3(試
料番号:P1E15 )含むシリコンのウェハー(厚さ約200
ミクロン)と、n型不純物としてのPを約4 ×1015/cm3
(試料番号:N4E15 )含むシリコンのウェハー(厚さ約
200 ミクロン)を、幅約4mm ×長さ約7 mm程度の短冊
形状に切り出した。
【0018】その短冊形状のシリコンウェハーの中央の
幅約1mm の部分を光感受部とし、残りの部分にプラナー
型オーミック電極を形成して、光伝導素子とした。この
オーミック電極は、p型試料に対してはGa添加・A
u、n型試料にはSb添加・Auを蒸着し、熱拡散処理
(500 ℃×10分)により作製した。例えば、図2に例示
したように、被測定光は機械的チョッパーにより、矩形
波変調され、さらに分光されて素子表面に導かれる。光
伝導素子の電極間には約1〜10Vの電界を印可し、零下7
3℃に冷却した。
【0019】光により誘起された交流の電流信号はロッ
クインアンプ(位相検波方式の増幅器)により位相検波
および増幅され、光強度に比例した電気信号が得られ
る。そして、高エネルギー放射線については、17MeV プ
ロトンを照射して、光伝導特性への影響を検査した。そ
の光伝導度(出力信号)の17MeVプロトン照射線量
依存性は、例えば図3に例示した通りである。この発明
を構成する光素子の光伝導度は、ほとんど不純物を添加
されていない標準の検知器P1E13 (p型不純物1 ×1013
/cm3)に比べて、耐高エネルギー放射線性が著しく改善
されている。
【0020】すなわち、標準の検知器の光伝導度が照射
開始直後から急激に低下するのに対し、P1E15 、およ
び、N4E15 の光伝導度は、それぞれ、5 ×1013ion/cm2
(2.5×10-7dpa )、および、1.5 ×1014ion/cm2 (7.5
×10-7dpa )の線量に至るまでほぼ一定の値が得られ
た。一方、その間、標準の検知器P1E13 の光電流は2桁
程度低下した。
【0021】このようにこの発明であるP1E15 、およ
び、N4E15 の光伝導特性は、標準材よりもはるかに優れ
た耐高エネルギー放射線性・安定性を示した。さらに、
光伝導・波長スペクトルの17MeV プロトン照射量依存性
は、例えば図4に例示したように、スペクトル形状も照
射線量の増加によってあまり変化しないことが分かる。
これはエネルギー的に浅い不純物の添加では母相シリコ
ンの電子構造があまり変化しないためであり、光検知器
として非常に好ましい性質である。
【0022】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
り、耐高エネルギー放射線性が向上し、高エネルギー放
射線環境下でも、信頼性のある光検知が可能となる。そ
して、この発明の耐放射線性・不純物補償型光検知器
は、新しい光検知器として、原子炉等過酷な高エネルギ
ー放射線環境の光検知器として広く応用することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原理を示した概念図である。
【図2】この発明の光検知器の構成模式図である。
【図3】この発明と従来の光検出器の光伝導度の17M
eVプロトン照射線量依存性を示した関係図である。こ
こで横軸(上)の単位dpaとはイオン密度(ion/cm
2 )に対応する照射欠陥生成量(比濃度)を意味する。
【図4】この発明における、p型Siの光伝導スペクト
ルの17MeVプロトン照射線量依存性を示した関係図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/0248

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体シリコン中にエネルギー的に浅い
    不純物が1015〜1017/cm3 添加された光検出器で
    あって、不純物から供給された自由電荷が、高エネルギ
    ー放射線により生成した照射欠陥を補償することによ
    り、その照射欠陥の光電荷捕獲能力を減殺することを特
    徴とする光伝導型の耐放射線性・不純物補償型光検知
    器。
  2. 【請求項2】 半導体シリコンが受光した光電流信号が
    電圧に変換された後、位相検波方式により光強度に比例
    した電気信号に変換されることを特徴とする請求項1の
    光伝導型の耐放射線性・不純物補償型光検知器。
JP6150583A 1994-06-09 1994-06-09 耐放射線性・不純物補償型光検知器 Expired - Lifetime JP2884037B2 (ja)

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JPS4834492A (ja) * 1971-09-06 1973-05-18
JPS4838082A (ja) * 1971-09-14 1973-06-05
JPS62118221A (ja) * 1985-11-19 1987-05-29 Shimadzu Corp 周波数変調測光方法

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