JP2882404B1 - 手書き符号処理装置 - Google Patents

手書き符号処理装置

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JP2882404B1 JP34803197A JP34803197A JP2882404B1 JP 2882404 B1 JP2882404 B1 JP 2882404B1 JP 34803197 A JP34803197 A JP 34803197A JP 34803197 A JP34803197 A JP 34803197A JP 2882404 B1 JP2882404 B1 JP 2882404B1
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/048Interaction techniques based on graphical user interfaces [GUI]
    • G06F3/0487Interaction techniques based on graphical user interfaces [GUI] using specific features provided by the input device, e.g. functions controlled by the rotation of a mouse with dual sensing arrangements, or of the nature of the input device, e.g. tap gestures based on pressure sensed by a digitiser
    • G06F3/0488Interaction techniques based on graphical user interfaces [GUI] using specific features provided by the input device, e.g. functions controlled by the rotation of a mouse with dual sensing arrangements, or of the nature of the input device, e.g. tap gestures based on pressure sensed by a digitiser using a touch-screen or digitiser, e.g. input of commands through traced gestures
    • G06F3/04883Interaction techniques based on graphical user interfaces [GUI] using specific features provided by the input device, e.g. functions controlled by the rotation of a mouse with dual sensing arrangements, or of the nature of the input device, e.g. tap gestures based on pressure sensed by a digitiser using a touch-screen or digitiser, e.g. input of commands through traced gestures for inputting data by handwriting, e.g. gesture or text

Abstract

【要約】 【課題】 手書き筆跡の品質を損なわずに高効率に圧縮
された手書き符号を実現する。 【解決手段】 設定レジスタ3が保持する特性情報に応
じて座標データをハードウェアに依存しない手書き情報
に変換する入力制御手段2と、その手書き情報を特性情
報に応じて表示手段10に適した表示画面に変換する表
示制御手段9を有することにより、異なる検出精度の装
置で検出したデータであっても正しい筆跡表示と安定し
た圧縮率が期待できる。また、手書き符号化手段4が、
手書き入力で加速度ベクトルの大きさと連続回数が反比
例する特性を利用した手書き符号を生成するとともに、
平均的な手書き速度に対する速度上昇の割合に応じて手
書き情報の解像度を低下させて手書き筆跡の品質を確保
しつつ高効率の圧縮を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙と筆記具の操作
性を電子的に実現する手書き入力表示装置に関し、特
に、手書き筆跡の持つ表現力を低下させることなく、ユ
ーザの手書き入力を高効率で符号化して手書き入力表示
装置の処理負荷を低減する手書き符号処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】紙と筆記具の操作性を実現した手書き入
力表示装置は、キーボードやマウスに比べて訓練が不要
で作業スペースが節約できるため、一般ユーザ向け携帯
端末の入力装置としての利用が増加しているが、従来技
術においては、紙と筆記具のような使いやすさが十分に
実現されていないという問題がある。
【0003】このことを示す第1の従来技術として、手
書き入力では連続した2座標点間ベクトルの差分を表す
ベクトルは、大きさが小さく方向変化が少ない性質を利
用した符号化としてゾーン符号化(CCITT勧告T.
150、日本国内におけるJT−T.150規格)が知
られている。この符号化方式を用いたテレライティング
端末のような従来の手書き符号処理装置では、ビット単
位の可変長符号により高圧縮率を実現しているが、同じ
値の連続に対する符号化がなされていないため、変化の
ない入力が行われても符号数が多くなり、装置全体とし
ての処理負荷が大きくなる。また、差分ベクトルが大き
くなると圧縮率が低下するため、適用する装置における
手書き入力の検出精度によっては十分な圧縮率が得られ
ず、異なる検出精度の装置で符号化されると適正な筆跡
表示が困難であった。さらに、ユーザの手書き入力にお
ける手のふらつき等を含めた精度が手書き操作の内容に
よって変化するにもかかわらず、座標検出や表示のため
に符号化されるデータの精度は常に一定で手書き操作の
内容と対応していないため、例えば、ユーザが速く大ま
かに線を引いた場合にも意図した以上の精度で検出され
て多量の符号が出力され処理負荷が増大することにな
る。さらにまた、符号化されたデータの最初から順にす
べての点を復号しなければ符号長と値が判定できないた
め、符号化されたデータの一部分を編集することが非常
に困難であった。
【0004】次に第2の従来技術として、例えば特開平
3−163961号公報「画像圧縮方法」が知られてい
る。この公報に示されるような静止画像用の符号化で
は、同じ値の連続するする区間を検出して符号化する方
式が知られているが、このような汎用の符号化を適用し
て手書き情報の符号化の圧縮率を向上する従来の手書き
入力表示装置では、手書き入力のデータにおける特性と
静止画像のデータの特性が異なるため、手書き入力の座
標点列の順序や変化量が失われる場合があり、例えば特
開平9−190275号公報「手書き入力表示装置」に
示されるようなユーザの手書き操作における性質を利用
した処理負荷の小さい筆跡再現処理が利用できず、高速
な応答表示が困難であるとともに筆跡表示の品質が低下
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の手
書き符号処理装置では以下のような課題があった。
【0006】第1の課題として、同じ値の連続に対する
符号化がなされていないため、変化のない入力が行われ
ても符号数が多くなり装置の処理負荷が大きくなるとい
う課題があった。
【0007】第2の課題として、適用する装置における
手書き入力の検出精度によっては十分な圧縮率が得られ
ず、また、異なる検出精度の装置で符号化されると適正
な筆跡表示が困難であるという課題があった。
【0008】第3の課題として、ユーザの手書き入力の
精度の変化に符号化されるデータの精度が対応していな
いため、意図した以上の精度で検出されて多量の符号が
出力され処理負荷が増大するという課題があった。
【0009】第4の課題として、符号化されたデータの
最初から順にすべての点を復号しなければ符号長と値が
判定できないため、符号化されたデータの一部分を編集
することが非常に困難であるという課題があった。
【0010】第5の課題として、汎用の符号化を適用し
た場合、手書き入力の座標点列の順序や変化量が失われ
る場合があり、高速な応答表示が困難であるとともに筆
跡表示の品質が低下するという課題があった。
【0011】本発明の目的は、上記の点に鑑み、これら
の課題を解決した手書き符号処理装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の手書き符号処理
装置では、設定レジスタが保持する表示手段の解像度や
手書き入力手段の検出精度などのハードウェアの特性情
報に応じて、手書き入力手段で検出された座標データを
ハードウェアに依存しない手書き情報に変換する入力制
御手段と、設定レジスタの保持する特性情報に応じて手
書き情報から表示画面を生成して表示手段に出力する表
示制御手段を有する。このため、異なる検出精度の装置
であってもハードウェア性能に依存しない手書き情報と
して入力および表示が行われるため、上記第2の課題を
解決する。
【0013】また、本発明の手書き符号処理装置では、
入力制御手段が変換した手書き情報を受け取り、この手
書き情報の特性に応じた圧縮符号化を行った手書き符号
を出力する手書き符号化手段と、手書き符号化手段から
手書き符号を受け取って対応する処理を実行し、処理結
果に応じて表示手段に表示するための表示用手書き符号
を出力する処理手段と、圧縮符号化された表示用手書き
符号を処理手段から受け取って復号化した表示用手書き
情報を生成する手書き符号復号手段とを有する。このた
め、手書き特性に応じた符号化が可能でであり第5の課
題を解決する。
【0014】さらに、本発明の手書き符号処理装置で
は、手書き符号化手段が、手書き情報のベクトル成分を
抽出してベクトル符号を生成するベクトル符号生成手段
と、手書き情報の連続する同じ値を抽出して連続符号を
生成する連続符号生成手段と、ベクトル符号と連続符号
を受け取りあらかじめ与えられた基本ビット数またはそ
の倍数となるようにベクトル符号と連続符号の符号長を
調節して合成した手書き符号を生成する符号長制御手段
で構成される。また、手書き符号復号手段が、手書き符
号を受け取りベクトル符号と連続符号に分離して出力す
る符号分離手段と、ベクトル符号を復号化して出力する
ベクトル符号復号手段と、連続符号を復号化して出力す
る連続符号復号手段で構成される。このように、ベクト
ル符号による圧縮とともに連続数に対する圧縮による符
号数の削減も可能であり、第1の課題を解決する。さら
に、ベクトル符号と連続符号を基本ビット数の倍数で表
現することにより、符号化されたデータは基本ビット数
単位で参照し編集することが可能であり、第4の課題を
解決する。
【0015】さらにまた、本発明の手書き符号処理装置
では、手書き符号化手段が、入力制御手段の出力である
手書き情報から入力速度を判定する入力速度判定手段
と、入力速度判定手段の判定結果に応じて手書き情報を
縮小してベクトル符号生成手段および連続符号生成手段
に出力する入力解像度制御手段を有する。また、手書き
符号復号手段が、表示制御手段へ出力される手書き情報
から対応する手書き入力の速度を判定する出力速度判定
手段と、出力速度判定手段の判定結果に応じてベクトル
符号復号手段および連続符号復号手段から受け取った復
号された手書き情報を拡大して表示制御手段に出力する
出力解像度制御手段とを有する。このように、手書き操
作の速度の増加に伴うユーザの入力精度の低下に応じて
符号化する手書き情報の精度を低下させることにより、
ユーザの意図に近い精度で圧縮率の高い手書き符号を出
力可能であり、第3の課題を解決する。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0017】まず、各図面を元に本発明の構成の実施の
形態について詳細に説明する。
【0018】本発明の実施の形態の構成の一例を示す図
1を参照すると、表示手段10は2次元表示を行う。手
書き入力手段1は、ユーザの手書き入力を検出し、表示
手段10の画面座標に対応する座標データを出力する。
設定レジスタ3は、表示手段10の表示解像度や手書き
入力手段1の検出精度といったハードウェアの特性情報
を保持する。入力制御手段2は、設定レジスタ3の保持
する特性情報に応じて、手書き入力手段1の出力である
座標データをハードウェア特性に依存しない手書き情報
に変換して出力する。手書き符号化手段4は、入力制御
手段2から手書き情報を受け取り、手書きの特性に応じ
た圧縮符号化を行った手書き符号を出力する。蓄積手段
6は、データの蓄積を行う。通信手段7は他の手書き符
号処理装置と通信を行う。処理手段5は、手書き符号化
手段4から手書き符号を受け取って対応する処理を実行
し、処理結果に応じて表示手段10に表示するための表
示用手書き符号を出力する。さらに、処理手段5は、処
理結果や通信手段7を介した他の手書き符号処理装置と
の通信結果に応じて、蓄積手段6への手書き符号の蓄
積、設定レジスタ3に保持されている特性情報の修正、
手書き符号化手段4への符号化方法の修正指示、通信手
段7を介した手書き符号の通信を行う。手書き符号復号
手段8は、処理手段5から表示用手書き符号を受け取っ
て復号化した手書き情報を出力する。表示制御手段9
は、手書き符号復号手段8から手書き情報を受け取り、
設定レジスタ3に保持されている特性情報に応じて表示
手段10に適した表示画面を生成して表示手段10に出
力する。
【0019】本発明の本実施の形態における入力制御手
段2の構成の一例を示す図2を参照すると、入力制御手
段2は、検出精度制御手段21と入力表現変換手段22
で構成される。検出精度制御手段21は、設定レジスタ
3に保持されている特性情報に応じて手書き入力手段1
の出力である座標データの精度を変化させ、ハードウェ
ア特性に依存しない座標データを生成する。入力表現変
換手段22は、検出精度制御手段21から座標データを
受け取り、隣接する2座標点間を結ぶ速度ベクトルの差
分ベクトルである加速度ベクトルを生成し、この加速度
ベクトルを手書き情報として手書き符号化手段4に出力
する。
【0020】次に、本発明の本実施の形態における手書
き符号化手段4の構成の一例を示す図3を参照すると、
手書き符号化手段4は、入力速度判定手段41と入力解
像度制御手段42とベクトル符号生成手段43と連続符
号生成手段44と符号長制御手段45で構成される。入
力速度判定手段41は、入力制御手段2の出力である手
書き情報を受け取り、ユーザの手書き入力の速度を判定
する。入力解像度制御手段42は、入力速度判定手段4
1の判定結果に応じて入力制御手段2から受け取った手
書き情報のベクトル値を縮小して出力する。ベクトル符
号生成手段43は、入力解像度制御手段42から受け取
った手書き情報に対応するベクトル符号を生成して出力
する。連続符号生成手段44は、入力解像度制御手段4
2から手書き情報を受け取り、同じベクトル値が連続す
る状態を検出し連続数を連続符号として出力する。符号
長制御手段45は、連続符号生成手段44から受け取っ
た連続符号とベクトル符号生成手段43から受け取った
ベクトル符号を合成し、あらかじめ定められた基本ビッ
ト数またはその基本ビット数の整数倍の長さを持つ複合
符号を生成し、手書き符号として処理手段5に出力す
る。また、入力解像度制御手段42は、処理手段5の指
示に応じて入力速度判定手段41の判定結果とは無関係
に手書き情報の縮小を行うとともに、処理手段5の指示
によって手書き情報の縮小を行う場合には、縮小率が変
更されたことを示す制御符号を出力する手書き符号の前
に挿入して出力する機能を有する。
【0021】次に、本発明の本実施の形態における手書
き符号復号手段8の構成の一例を示す図4を参照する
と、手書き符号復号手段8は、符号分離手段81とベク
トル符号復号手段82と連続符号復号手段83と出力速
度判定手段84と出力解像度制御手段85で構成され
る。符号分離手段81は、処理手段5から表示用手書き
符号として受け取った複合符号をベクトル符号と連続符
号に分離して出力する。ベクトル符号復号手段82は、
符号分離手段81から受け取ったベクトル符号を手書き
情報のベクトルに変換して出力する。連続符号復号手段
83は、符号分離手段81から受け取った連続符号を連
続数に変換して出力する。出力速度判定手段84は、出
力解像度制御手段85から表示制御手段9に出力される
手書き情報から対応する手書き入力の速度を判定する。
出力解像度制御手段85は、ベクトル符号復号手段82
から受け取った手書き情報のベクトルを出力速度判定手
段84の判定結果に応じて拡大するとともに、このベク
トルを連続符号復号手段83から受け取った連続数だけ
反復した手書き情報を生成して表示制御手段9に出力す
る。また、符号分離手段81は、速度情報とは無関係に
縮小率が変更されたことを示す制御符号を受け取った場
合には、出力解像度制御手段85に拡大率の変更を指示
する機能を有する。
【0022】次に、本発明の本実施の形態における表示
制御手段9の構成の一例を示す図5を参照すると、表示
制御手段9は、出力表現変換手段91と表示精度制御手
段92と動的表示制御手段93で構成される。出力表現
変換手段91は、手書き符号復号手段8から加速度ベク
トルで表現された手書き情報を受け取り、座標データに
変換して出力する。表示精度制御手段92は、出力表現
変換手段91から座標データを受け取り、設定レジスタ
3に保持されている特性情報に応じて表示手段10に適
した座標データに変換する。この座標データの変換方法
に関しては、出力表現変換手段91から受け取った座標
データに対する拡大や縮小とともに、特開平9−190
275号公報に示されているように、手書き入力の特性
に応じた座標点の補間によって滑らかな手書き線画を構
成することもできる。動的表示制御手段93は、表示精
度制御手段92から座標データを受け取り動的な表示画
面を生成して表示手段10に出力する。この動的な表示
画面では、例えば特開平9−258885号公報に示さ
れる運筆再現(手書き入力された通りの速度での筆跡表
示)といった手書き入力の特性に応じた表示効果を実現
することができる。
【0023】ここで、本発明の動作の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】図6は、本実施の形態の動作を説明するた
めの座標データの一例を示す図であり、この図6を参照
すると、入力軌跡301は、表示画面10上のユーザの
手書き入力の軌跡である。入力点401、入力点40
2、入力点403、入力点404は、この順番で、入力
軌跡301に示すユーザ入力に対して手書き入力手段1
が検出した座標データを示す。速度501、速度50
2、速度503は、それぞれ入力点401、入力点40
2、入力点403に対応する手書き入力の速度ベクトル
であり、例えば速度502は入力点402とその直前の
点である入力点401の差分ベクトルである。加速度6
01、加速度602、加速度603は、それぞれ入力点
401、入力点402、入力点403に対応する手書き
入力の加速度ベクトルであり、例えば加速度601は速
度502と速度501の差分ベクトルである。
【0025】図6の座標データに対応する手書き情報の
一例を示す図7を参照すると、入力制御手段2が出力す
る手書き情報は、図6の各入力点に対する加速度ベクト
ル列として表現される。図7では、入力点402、入力
点403、入力点404が検出された時点で、それぞれ
加速度601、加速度602、加速度603が手書き情
報として出力される。
【0026】本発明の本実施の形態における手書き符号
の構造の一例を示す図8を参照すると、符号長制御手段
45は、8ビットを基本単位として、8ビットまたはそ
の倍数の符号長の符号を生成する。各基本単位で最上位
であるビット7の値が1の場合は継続する8ビットが存
在することを示し、ビット7が0の場合は継続する8ビ
ットが存在しないことを示す。図8に示すように、ビッ
ト7が1であるデータがn−1個連続した後ビット7が
0であるデータが続く場合は、符号長はn×8ビット
(nバイト)である。
【0027】図8の構造を用いた手書き符号の体系の一
例を示す図9、および、図9の手書き符号におけるベク
トル符号と座標点の関係の一例を示す図10を参照する
と、図9の(a)から(d)までは手書き情報のベクト
ルの大きさによって使い分ける1バイトまたは2バイト
の可変長で表された手書き符号の例であり、(e)は座
標データを表現するための3バイトの手書き符号の例で
ある。Lnは連続符号を表し、Ln1とLn2はそれぞ
れ(d)における連続符号の上位1ビット、下位1ビッ
トを表す。dXY1、dXY2は、それぞれ手書き情報
のベクトルのX成分およびY成分の絶対値が2より小さ
い場合、3より小さい場合のベクトル符号を表し、dX
とdYはそれぞれ(d)における手書き情報のベクトル
のX成分、Y成分を表す。X1、X2はそれぞれ(e)
におけるX座標値の上位3ビット、下位7ビットを表
し、同様に、Y1、Y2はそれぞれY座標値の上位3ビ
ット、下位7ビットを表す。図9の(a)は、ベクトル
のX成分とY成分が共に0である場合の手書き符号であ
り、ビット0からビット3までの4ビット(Ln)で1
から15までの連続数を表現する。図9の(b)は、ベ
クトルのX成分とY成分がそれぞれ−1から1までの範
囲にあり、かつ、図9の(a)で表現できない場合の手
書き符号であり、ビット0からビット3までの3ビット
(dXY1)で8方向のベクトルの方向を表し、ビット
4からビット5までの3ビットで1から7までの連続数
を表す。図10の(a)は、図9の(b)におけるdX
Y1の値とベクトルの方向を図示しており、中央の黒い
座標点を原点とした場合に、例えば、X=1かつY=0
ならdXY1=0、X=1かつY=1ならdXY1=1
に、というように0から7まで(2進数表現で3ビッ
ト)の符号でベクトルを表現することを示す。同様に、
図9の(c)は、ベクトルのX成分、Y成分が−2から
2までの範囲で、かつ、図9の(a)または(b)で表
現できない場合の手書き符号であり、dXY2は、図1
0の(b)に示すような0から15まで(2進数表現で
4ビット)のベクトルを表現し、Lnは0から3までの
連続数を表す。図9の(d)は、図9の(a)から
(c)で表現できない場合の手書き符号であり、Ln1
とLn2で0から3までの連続数を表し、dXとdYで
ベクトルのX成分とY成分がともに−32から31まで
の範囲にあるベクトルを表現する。図9の(e)は、差
分を表す(a)から(d)までの手書き符号とは別に、
手書き筆跡の始点を表現するなど絶対的な座標指定が必
要な場合に利用する手書き符号であり、X1とX2とY
1とY2により座標値のX成分とY成分が共に0から1
024の範囲にある座標値を表現する。
【0028】図7の手書き情報に対応する手書き符号の
一例を示す図11を参照すると、図11の(a)、
(b)、(c)は、それぞれ図7の加速度601、加速
度602、加速度603を図9および図10で示した符
号体系で表現した手書き符号であり、合計5バイトの符
号で表現される。例えば、加速度601は、X成分が
2、Y成分が2のベクトルであり、図9の(c)の手書
き符号を適用し、図10の(b)からベクトル符号dX
Y2=2(2進数表現で0010)、連続数Ln=1
(2進数表現で01)の手書き符号となる。
【0029】本発明の本実施の形態における入力解像度
制御手段の概略機能を説明する図12を参照すると、
(a)は手書き情報のベクトルのX成分とY成分がそれ
ぞれ−4から4までの範囲にある場合のベクトル符号の
種類数を示す。中心部の黒い点を始点としたベクトル
は、大きさ0のベクトルを除いて斜線で示された周辺部
の点の個数分を区別する符号が必要である。(b)は、
(a)の解像度を3分の1に低下させた場合、つまり、
(a)の3点×3点を(b)の1点として表現した場合
のベクトル符号の種類数を示す。例えば、(a)の始点
(中心部の黒い点)を取り囲む8方向のベクトルは、
(b)ではいずれも始点(中心部の黒い点)として表現
される。(a)では始点を含めて81通り(9点×9
点)のベクトル符号が存在するが、解像度を3分の1に
することにより(b)のように始点を含めて9通り(3
点×3点)のベクトル符号で表現される。このように、
ベクトル符号の種類数が低減すると、ベクトル符号の符
号長を短くできるとともに、同じベクトル符号が出現す
る確率が増加するため、可変長符号による圧縮と連続符
号による圧縮の両方の圧縮率が向上する。(c)は、
(b)に示す解像度を3分の1にしたベクトル符号を3
倍に拡大し、(a)に示すもとの解像度のベクトルを再
現した例である。(b)の始点は(c)の始点に、
(b)の斜線で示される点は大きさを3倍に拡大して
(c)の斜線で示される点に変換される。(a)におけ
るすべての点は(b)の9通りのベクトル符号で表現さ
れ、もとの解像度に再現された場合は(c)のように誤
差2点未満(同一点、または、もとの点を取り囲む8点
のいずれか)のベクトルとして表現される。
【0030】本発明の本実施の形態における手書き符号
生成の動作を説明するための流れ図である図13を参照
すると、本実施の形態における符号生成ステップは、手
書き入力手段1による入力ステップ201と、入力制御
手段2による精度調整ステップ202と加速度生成ステ
ップ203と、入力速度判定手段41による倍率生成ス
テップ204と、入力解像度制御手段42による倍率判
定ステップ205と解像度変更ステップ206と、ベク
トル符号生成手段43によるベクトル符号生成ステップ
207と、連続符号生成手段44による連続数判定ステ
ップ208と連続数加算ステップ209と、符号長制御
手段45による直前符号出力ステップ210と連続数設
定ステップ211と複合符号生成ステップ212と符号
確定判定ステップ213と現在符号出力ステップ214
と未出力符号出力ステップ215からなる。
【0031】本発明の本実施の形態の動作を説明するた
めの表示筆跡の一例を示す図14を参照すると、図6と
同様に、入力軌跡301で示すユーザ入力に対して、手
書き入力手段1は入力点401、入力点402、入力点
403、入力点404を順次検出する。表示軌跡302
は、入力軌跡301に示すユーザ入力に対応して表示手
段10上に表示された線画であり、表示軌跡302上の
表示点411、表示点412、表示点413、表示点4
14は、それぞれ入力点401、入力点402、入力点
403、入力点404に対応して符号化によって生成さ
れた表示手段10上の座標点を表す。速度511、速度
512、速度513は、それぞれ表示点411、表示点
412、表示点413が表示された時点での表示軌跡3
02の表示が進行する速度ベクトルであり、例えば速度
512は、表示点412とその直前の点である表示点4
11の差分ベクトルである。加速度611、加速度61
2、加速度613は、それぞれ表示点411、表示点4
12、表示点413が表示された時点の表示軌跡302
の速度の変化量を表す加速度ベクトルであり、例えば、
加速度611は、表示点412における速度ベクトルで
ある速度512とその直前の点である411における速
度ベクトルである511の差分ベクトルである。
【0032】図14の入力点402検出時点における手
書き符号化手段の動作を説明するための図である図15
を参照すると、図15は、図14の入力点402付近に
加速度611の始点を原点とした座標系を割り当てた図
である。加速度611は、表示点411が表示された後
入力点402が検出された場合に、速度511の終点か
ら入力点402への加速度ベクトル(X方向に5、Y方
向に4の大きさ)の解像度を3分の1(3点×3点の正
方形を1点に変換)にして表現したベクトル(X方向に
1、Y方向に1の大きさ)として生成される。
【0033】図14の入力軌跡に対応する手書き符号化
手段の動作を説明するための図である図16、図17、
図18を参照すると、図16は、図15で示した加速度
611と、同様の生成方法で図14の入力点403、入
力点404が検出された時点で生成された加速度61
2、加速度613を用いて、ベクトル符号生成手段43
が図14の表示軌跡302に対応する手書き情報のベク
トル符号を構成した例であり、加速度611、加速度6
12、加速度613はともにX成分が1でY方向が1の
大きさを持つベクトル符号で表現されている。図17
は、図16のベクトル符号を連続符号生成手段44が、
同じベクトルが3個連続することを判定した後、符号長
制御手段45によって1個のベクトル符号として表現さ
れた例である。図18は、符号長制御手段45が図17
のベクトル符号を生成した場合に出力される表示筆跡3
02に対応する手書き符号であり、図9の(b)の符号
に図10の(a)からdXY1=1(2進数表現で00
1)、符号長制御手段45の出力からLn=3(2進数
表現で011)の値を用いた1バイトの手書き符号で表
現される。
【0034】図18の手書き符号に対応する手書き符号
復号手段の動作を説明するための図である図19、図2
0、図21を参照すると、図19は、ベクトル符号復号
手段82によって生成された図18の手書き符号に対応
するベクトルを示す。図20は、出力解像度制御手段8
5が現在の出力速度から図19に示すベクトルの3倍に
拡大したベクトルを示す。図21は、連続符号復号手段
83の出力である連続数3を用いて出力解像度制御手段
85が図20に示すベクトルから生成した3個のベクト
ルを示し、この3個のベクトルは、図14の加速度61
1、加速度612、加速度613に対応しており、図1
4の表示点411が表示された後、手書き符号復号手段
8が図18の手書き符号を受け取った場合に、表示点4
12、表示点413、表示点414を表示するための手
書き情報である。
【0035】次に、図面を用いて本実施の形態の動作を
部分的に説明する。
【0036】図1、図2、図5、図6、図7を用いて本
発明の手書き符号処理装置における手書き情報の生成方
法と表示方法について詳細に説明する。ユーザが表示手
段10の表示画面上で図6の入力軌跡301に示す手書
き操作を行った場合、手書き入力手段1は、例えば一定
時間間隔でのサンプリングによって、ユーザの手書き入
力を検出して入力点401、入力点402、入力点40
3、入力点404の座標データを出力する。入力制御手
段2は、この出力を受け取ってハードウェアに依存しな
い手書き情報を生成する。図2を参照すると、検出精度
制御手段21は、設定レジスタ3に保持されているハー
ドウェアの特性情報に応じて、手書き入力手段1から受
け取った入力点の座標系を変換する。入力表現変換手段
22は、検出精度制御手段21から受け取った座標デー
タを、図7に示すように、手書き符号に適した加速度ベ
クトルに変換する。
【0037】検出精度制御手段21の動作について、例
えば、ユーザが手書き線画を入力する際のペン先の移動
速度の平均値が1秒間に30mmである場合について考
える。設定レジスタ3が保持している特性情報から手書
き入力手段1の座標サンプリングが1秒間に100回、
表示手段10の表示画素密度が1mm中に6点であった
場合、手書き入力手段1の座標検出は100分の1秒で
行われるので、その間のペン先の移動距離は平均で0.
3mmとなる。表示手段10は0.3mmに対して2点
の画素が存在するため、図6に示す速度501、速度5
02、速度503のように各入力点に対する速度ベクト
ルの大きさの平均値は2点となる。同様に、座標検出が
50分の1秒で行われる場合は、移動距離が0.6mm
で、対応する速度ベクトルの平均値は4点となる。この
ように、手書き入力に対する手書き入力手段1の検出情
報は、装置の特性に応じて変化するため、特性の異なる
装置で検出された座標値は正しく表示できないことにな
る。そこで、検出精度制御手段21は、あらかじめ基準
とした特性情報と設定レジスタ3の保持する特性情報を
比較して、基準とする特性情報での検出に合致するよう
に座標値の変更を行う。例えば、基準となる座標検出の
速度が50分の1秒であり、設定レジスタ3の特性情報
では100分の1秒の検出速度であった場合、検出精度
制御手段21は、得られた座標データの2点毎に座標デ
ータを出力する。同様に、表示画素密度が基準となる特
性情報と異なる場合には、基準となる特性情報の単位系
にあわせて出力を行う。
【0038】手書き線画の表示に関しては、図5を参照
すると、出力表現変換手段91は、入力表現変換手段2
2の変換とは逆に、加速度ベクトルで表現された手書き
情報を受け取り、座標データを出力する。表示精度制御
手段92は、検出精度制御手段21の変換とは逆に、基
準となる特性情報に従った座標データを設定レジスタ3
の特性情報に応じて表示手段10への表示に適した座標
データに変換する。動的表示制御手段93は、表示精度
制御手段92から座標データを受け取り、手書き特性に
応じた表示を行う。表示精度制御手段92および動的表
示制御手段93での処理においては、特開平8−190
275号公報に示した座標点の補間や特開平9−258
885号公報に示した運筆再現(手書き入力された通り
の速度での筆跡表示)といった手書き入力の特性に応じ
た表示効果を実現することができる。
【0039】以上のように、本発明の手書き符号処理装
置では、設定レジスタ3が保持する特性情報に応じて手
書き入力手段1で検出された座標データをハードウェア
に依存しない手書き情報に変換する入力制御手段2と、
逆にハードウェアに依存しない手書き情報から表示手段
10に適した表示画面を生成する表示制御手段9を有す
ることにより、異なる検出精度の装置で検出したデータ
であっても正しく筆跡表示を行うことが可能であるとと
もに、手書き符号化手段4や手書き符号復号手段8での
圧縮および伸張処理で利用される手書きデータの精度が
常に一定となるため、安定した圧縮率が期待できる。
【0040】次に、図3、図4、図7、図8、図9、図
10、図11、図12を用いて、本発明の手書き符号処
理装置における手書き情報の符号化方法について詳細に
説明する。
【0041】図3の符号長制御手段45は、ベクトル符
号生成手段43で生成された加速度ベクトルのベクトル
符号と連続符号生成手段44で生成された同じ加速度ベ
クトルが連続する回数を示す連続符号を合成して可変長
符号を生成する。符号長制御手段45が生成する可変長
符号は、図8に示すように、1バイト単位で第7ビット
の値によって後続の1バイトの情報があるかどうかを示
すことによって符号長を決定する。例えば、1バイトの
符号は第7ビットが0であり、2バイトの符号は最初の
1バイトでは第7ビットが1であり次の1バイトでは第
7ビットが0となる。図9は、この可変長符号で加速度
ベクトルの符号化を行う場合のベクトル符号と連続符号
を合成した手書き符号の例である。ユーザが手書き入力
を行う場合、ユーザが意図して変化量を一定にしてペン
を移動させるのは容易ではないが、ペンを静止させるこ
とで容易に加速度ベクトルを0にできるため、加速度ベ
クトルが0の場合の連続回数は加速度ベクトルが0以外
の場合に比べて多くなる。また、加速度ベクトルの絶対
値が2未満の場合は、図10の(a)で示されるような
始点を取り囲む8方向の点を終点とするベクトルが存在
することになり、加速度ベクトルが2以上3未満の場合
は、図10の(b)で示されるような16方向の点を終
点とするベクトルが存在する。この時、加速度ベクトル
が乱数的に発生するとしても、加速度ベクトルが大きく
なるに従って方向が増加し、同一ベクトルが連続する確
率が低くなることになる。特に、手書き入力において
は、従来技術で示したゾーン符号化でも利用されている
ように、加速度ベクトルの大きさが小さくの変化が少な
いことが一般に知られており、加速度ベクトルが小さい
場合には連続することが多く、大きくなるに従って出現
頻度が低下し連続する確率は低くなる。図9の手書き符
号では、このように手書き入力では加速度ベクトルの大
きさと連続回数が反比例する特性を利用し、図9の
(a)に示すように加速度ベクトル=0の場合のみの符
号で連続数が多く表現できるように設定し、加速度ベク
トルが0でない場合は、加速度ベクトルを表現するビッ
ト数と同じ値の加速度ベクトルの連続回数を表現するビ
ット数の割合が、加速度ベクトルのビット数が多くなる
に従って連続回数のビット数が少なくなるように設定さ
れており、手書き入力を効率的に圧縮符号化することが
できる。さらに、このビット数の割合を調整することに
より、1バイト(8ビット)またはその倍数で表現され
る可変長符号としているため、手書き符号を1バイト単
位で参照し、その前後の手書き符号を含めてビット7の
みを比較すれば符号長が決定できるため、従来のビット
単位の可変長符号に比べて、高い圧縮率を実現しつつ手
書き符号列中の部分参照や編集が容易に行える。具体的
に、図7に示した加速度601、加速度602、加速度
603からなる手書き情報に図9の手書き符号を適用す
る場合について考える。この加速度ベクトルを固定長で
表現する場合は、加速度ベクトルの大きさとして存在す
る最大のビット数を表現可能な符号が必要である。例え
ば、表示画面座標の最大値が1023であったとする
と、加速度ベクトルのX成分とY成分はそれぞれ0から
1023の値を表現する必要があるため、図9の(e)
に示すような3バイトの符号がそれぞれの加速度ベクト
ルに必要となる。図7の手書き情報では、加速度ベクト
ルが3個存在するので、9バイト(3バイト符号×3
個)の手書き符号が生成されることになる。これに対し
て、本発明の可変長符号を適用する場合、図7の加速度
601は、X成分が2、Y成分が2であるので図9の
(c)の符号を用い、連続符号Ln=1、ベクトル符号
dXY2=2の手書き符号となる。同様に、加速度60
2と加速度603は図9の(d)の符号を用いることに
なり、全体で図11に示す5バイトの手書き符号とな
る。図7の手書き情報では同じベクトルの連続がないた
め連続量による圧縮の効果はないが、固定長を用いた場
合に比べて55%程度の符号長に圧縮できることにな
る。さらに、例えば、加速度602と加速度603が同
じベクトルであったとすると、図11において、(b)
で連続符号Ln=2とすることにより(c)を除いた3
バイトの手書き符号となり、固定長の符号に比べて33
%程度の符号長に圧縮することが可能である。
【0042】図3の入力解像度制御手段42は、入力速
度判定手段41で判定された現在の速度に応じて、入力
制御手段2から受け取った手書き情報の解像度を低下し
てベクトル符号生成手段43と連続符号生成手段44に
出力する。入力解像度制御手段42により解像度を低下
した場合の効果を説明する図12において、(a)は手
書き情報のベクトルのX成分とY成分がそれぞれ−4か
ら4までの範囲にある場合のベクトル符号の種類数を、
(b)は(a)の解像度を3分の1に低下させた場合、
つまり、(a)の3点×3点を(b)の1点として表現
した場合のベクトル符号の種類数を示す。(a)では始
点を含めて81通り(9点×9点)のベクトル符号が存
在するが、解像度を3分の1にすることにより(b)の
ように始点を含めて9通り(3点×3点)のベクトル符
号で表現される。このように、ベクトル符号の種類数が
低減すると、ベクトル符号を構成する符号長を短くでき
るとともに、乱数的にベクトルが発生するとしても同じ
ベクトル符号が出現する確率が増加するため、可変長符
号による圧縮と連続符号による圧縮の両方の圧縮率が向
上する。また、(c)は、(b)に示す解像度を3分の
1にしたベクトル符号を3倍に拡大し、(a)に示すも
との解像度のベクトルを再現した例であり、(b)の斜
線で示される点は大きさを3倍に拡大して(c)の斜線
で示される点に変換される。(a)におけるすべての点
は(b)の9通りのベクトル符号で表現され、もとの解
像度に再現された場合は(c)のように誤差2点未満
(同一点、または、もとの点を取り囲む8点のいずれ
か)のベクトルとして表現される。特に、手書き入力に
おいては、例えば、走り書きのように速く入力を行った
場合にユーザの意図に対するペン先の動きの精度が低下
するといったように、ユーザの入力速度が通常の入力速
度に対して速くなるに従って手書き筆跡の精度が低下す
るため、表示座標における数ドットの誤差が手書き筆跡
に与える影響が少なくなる。このことから、入力解像度
制御手段42では、ユーザが平均的な手書き速度で入力
を行っている場合には解像度の低下を行わず、平均的な
手書き速度に対する速度上昇の割合に応じて手書き情報
の解像度を低下させることにより、ユーザの意図した手
書き筆跡の品質を確保しつつ手書き符号の圧縮率を向上
させることが可能であり、蓄積時の容量が低減し通信負
荷が低減する。
【0043】上記の手書き符号の復号については、手書
き符号化手段4の処理と全く逆の手順で行われる。図4
を参照すると、符号分離手段81は、圧縮された手書き
符号を受け取ってベクトル符号と連続符号に分離し、ベ
クトル符号復号手段82と連続符号復号手段83がそれ
ぞれ手書き情報のベクトルと連続数に変換する。出力解
像度制御手段85は、手書き情報のベクトルを出力速度
判定手段84の判定結果に応じて拡大し、連続符号復号
手段から受け取った連続数だけ反復した手書き情報を生
成して表示制御手段9に出力する。この場合、手書き符
号化手段4は非復元圧縮を行うため、表示制御手段9が
受け取る手書き情報は、入力制御手段2が出力した手書
き情報とは異なるものであるが、手書き入力の特性に応
じてユーザの意図した手書き筆跡の品質を確保した符号
化であるため、表示された場合の手書き筆跡はユーザの
意図したものと大きく異なることはない。
【0044】また、図3の入力解像度制御手段42は、
処理手段5の指示に応じて入力速度判定手段41の判定
結果とは無関係に手書き情報の縮小を行い、手書き速度
とは無関係に縮小率が変更されたことを示す制御符号を
手書き符号の前に挿入して出力する。図4の符号分離手
段81は、速度情報とは無関係に縮小率が変更されたこ
とを示す制御符号を受け取った場合には、出力解像度制
御手段85に拡大率の変更を指示する。このように、処
理手段5の指示に応じて手書き情報の精度を変化させる
機能を提供することにより、例えば署名欄の精度を向上
するといったように、表示画面上の領域や選択されてい
るペン種によって精度を変更することが可能であり、手
書き入力の特性に応じた圧縮に加えて、処理内容に応じ
てさらに効率的な圧縮を行うことができる。
【0045】以上のように、本発明の手書き符号処理装
置では、手書き入力では加速度ベクトルの大きさと連続
回数が反比例する特性を利用し、加速度ベクトルのビッ
ト数が多くなるに従って連続回数のビット数が少なくな
るような手書き符号を生成することにより、手書き入力
を効率的に圧縮符号化することができる。さらに、基本
ビット数またはその倍数で表現される可変長符号として
いるため、従来のビット単位の可変長符号に比べて、高
い圧縮率を実現しつつ手書き符号列中の部分参照や編集
が容易に行える。また、ユーザが平均的な手書き速度で
入力を行っている場合には解像度の低下を行わず、平均
的な手書き速度に対する速度上昇の割合に応じて手書き
情報の解像度を低下させることにより、ユーザの意図し
た手書き筆跡の品質を確保しつつ手書き符号の圧縮率を
向上させることが可能であり、蓄積時の容量が低減し通
信時の負荷が低減する。さらに、非復元圧縮ではある
が、手書き入力の特性に応じてユーザの意図した手書き
筆跡の品質を確保した符号化であるため、表示された場
合の手書き筆跡はユーザの意図したものと大きく異なる
ことはない。さらにまた、処理手段の指示に応じて手書
き情報の精度を変化させる機能を提供することにより、
例えば署名欄の精度を向上するといったように、表示画
面上の領域や選択されているペン種によって精度を変更
することが可能であり、手書き入力の特性に応じた圧縮
に加えて、処理内容に応じてさらに効率的な圧縮を行う
ことができる。
【0046】次に、図面を用いて本実施の形態の全体的
な動作を説明する。
【0047】図1、図2、図3、図4、図5、図6、図
7、図8、図9、図10、図11、図12、図13、図
14、図15、図16、図17、図18、図19、図2
0、図21を用いて、本発明の手書き符号処理の動作に
ついて詳細に説明する。手書き符号生成手順を示す図1
3に従って本実施の形態の動作を説明すると、図1の手
書き入力手段1は、一定時間間隔でユーザ入力を検出し
ており、ユーザが表示手段10の表示画面上で図6の入
力軌跡301のように手書き入力を行うと、ユーザ入力
を検出して表示画面座標に対応した座標データとして入
力点401、入力点402、入力点403、入力点40
4を順次出力する(入力ステップ201)。入力制御手
段2は、この座標データを受け取り手書き情報として出
力する。図2を参照すると、検出精度制御手段21は、
設定レジスタ3の保持する特性情報に応じて座標データ
をハードウェアに依存しない座標データに変換する(精
度調整ステップ202)。入力表現変換手段22は、検
出精度制御手段21から座標データを受け取って加速度
ベクトルを生成して出力する(加速度生成ステップ20
3)。例えば、図6において、入力点402に対応する
座標データを受け取った時点で、入力点402と直前の
点である入力点401の差分ベクトルである速度502
を生成し、同様に直前の点である入力点401を受け取
った時点で生成した速度501との差分ベクトルである
加速度601を生成する。このように各入力点に対する
加速度ベクトルを手書き情報として順次出力することに
より、図6に示す入力軌跡301に対して図7に示す手
書き情報を生成する。
【0048】手書き符号化手段4は、入力制御手段2の
出力である手書き情報を受け取り、ユーザの手書き入力
の特性に応じた圧縮符号化を行った手書き符号を生成し
て出力する。図3を参照すると、入力速度判定手段41
は、図2の入力表現変換手段22が出力する図7に示す
手書き情報から現在の入力速度を判定して入力解像度の
倍率を算出する(倍率生成ステップ204)。入力解像
度制御手段42は、入力速度判定手段41の算出した倍
率に応じて(倍率判定ステップ205)、倍率が1の場
合は入力表現変換手段22から受け取った手書き情報を
そのまま出力し、倍率が1以外の場合は手書き情報の解
像度を倍率に応じて低下させて出力する(解像度変更ス
テップ206)。解像度を変換することにより、図14
に示すように、入力軌跡301に示すユーザの手書き入
力と表示軌跡302に示す表示手段10の表示画面上の
表示が異なる場合が存在する。例えば、入力点401が
入力され対応する表示点411が表示された後、入力点
402が検出された場合の表示点412の生成手順につ
いて説明する。図15を参照すると、表示点411が表
示された時点で直前の表示点との差分ベクトルである速
度511が生成される。次に、入力点402が検出され
た場合、図6での加速度ベクトルの生成手順と同様に、
加速度ベクトルは速度511の終点から入力点402へ
のベクトル(図15でX成分5、Y成分4のベクトル)
となる。この時、速度511が通常のユーザ入力より速
いことを入力速度判定手段41が検出して倍率として3
を算出すると、入力解像度制御手段42は、速度511
の終点から入力点402への加速度ベクトルのX成分と
Y成分をともに3分の1の大きさに変更して出力する。
後述の手書き符号復号手段8の説明で述べるように、表
示される前にもとの解像度、つまり、3倍の大きさに変
換されるため、結果として入力点402に対応する加速
度ベクトルは図15の加速度611となり、加速度61
1の終点として表示点412が表示される。さらに、表
示点411と表示点412の差分ベクトルとして速度5
12が算出され、次の入力点が得られた時点で同様に新
たな加速度ベクトルおよび表示点の生成が行われる。こ
のように、入力解像度制御手段42は、図14の入力軌
跡301に対して加速度611、加速度612、加速度
613の解像度を3分の1に低下した図16に示す手書
き情報を生成して出力する。
【0049】図3のベクトル符号生成手段43は、入力
解像度制御手段42から手書き情報を受け取り、それぞ
れ加速度ベクトルの大きさを示すベクトル符号を出力す
る(ベクトル符号生成ステップ207)。同様に、連続
符号生成手段44は、入力解像度制御手段42から手書
き情報を受け取り、同じ加速度ベクトルが連続するかど
うかを判定して(連続符号判定ステップ)、その個数を
示す連続符号を出力する(連続数加算ステップ20
9)。例えば、図16に示す手書き情報を受け取ると、
ベクトル符号生成手段43は、図17に示すようなベク
トル符号を生成し、連続符号生成手段44は、その連続
数として3を出力する。符号長制御手段45は、ベクト
ル符号生成手段43から受け取ったベクトル符号と連続
符号生成手段44から受け取った連続符号を合成して、
可変長の手書き符号を生成する。符号長制御手段45の
出力する手書き符号は、図8、図9、図10に示すよう
に、基本ビット数(8ビット)またはその倍数で構成さ
れる可変長符号であり、加速度ベクトルが小さいほど連
続数が多く表現できるようにベクトル符号と連続符号の
割合が設定されている。例えば、図16に示す手書き情
報が図17に示すベクトル符号と連続符号=3として表
現されている場合、ベクトル符号のX成分が1、Y成分
が1であるので、図9の(b)の符号が適用され、連続
符号Ln=3、図17のベクトルを図10の(a)と比
較してベクトル符号dXY1=1の値が代入された図1
8に示す1バイトの手書き符号が生成される。この手書
き符号は、同じ入力軌跡301(図6)に対して解像度
変更を行わない場合の手書き情報(図7)に対応する5
バイトの手書き符号(図11)と比較して、符号長が2
0%程度に圧縮されている。このような手書き符号を出
力する場合、符号長制御手段45は、ベクトル符号生成
手段43から受け取ったベクトル符号が未出力のベクト
ル符号と同じ場合は現在の手書き符号の連続符号を更新
(連続数加算ステップ209)し、未出力のベクトル符
号と異なる場合は直前までの手書き符号を出力(直前符
号出力ステップ210)して、現在のベクトル符号と連
続符号=1の新たな手書き符号を生成(連続数設定ステ
ップ211)することによって、ベクトル符号と連続符
号を合成した手書き符号を生成する(復号符号生成ステ
ップ212)。さらに、生成した手書き符号の連続符号
が表現できる最大値となり符号が確定したことを検出
(符号確定判定ステップ)した場合には、現在の手書き
符号出力する(現在符号出力ステップ214)。この
後、次の入力点に対して同様にステップ201からステ
ップ214までを繰り返し、手書き入力が終了した時点
で確定していない未出力の手書き符号があれば出力する
(未出力符号出力ステップ215)。
【0050】図1の処理手段5は、このようにして生成
された手書き符号を受け取って対応する処理を実行し、
処理結果に応じて表示手段10に表示するための表示用
手書き符号を出力する。さらに、処理結果や通信手段7
を介した他の手書き符号処理装置との通信結果に応じ
て、蓄積手段6への手書き符号の蓄積、設定レジスタ3
に保持されている特性情報の修正、手書き符号化手段4
への符号化方法の修正指示、通信手段7を介した手書き
符号の通信を行う。処理手段5が圧縮符号化された手書
き符号を用いることによって、通信手段7を介した通信
での負荷低減や蓄積手段6への手書き入力データの蓄積
容量の低減が可能である。また、連続数によって圧縮さ
れた手書き符号は、処理装置や表示装置が同じ処理の繰
り返しとして一括処理できるための処理負荷が低減し、
高速で効率的な処理が可能である。さらに、処理手段5
が設定レジスタの特性情報の修正や手書き符号化方法の
修正を行えることにより、例えば、テレライティング通
信時などのリアルタイムでの高速応答が求められる場合
に手書き入力の精度を変化させるといったように、手書
き入力の特性だけでなく現在の処理内容に応じた効率的
な符号を生成することが可能である。
【0051】図1の手書き符号復号手段8は、処理手段
5から表示用手書き符号を受け取って、手書き符号化手
段4と全く逆の手順で復号化した手書き情報を出力す
る。図4を参照すると、符号分離手段81は、符号長制
御手段45と逆に、手書き符号をベクトル符号と連続符
号に分離する。また、速度情報とは無関係に縮小率が変
更されたことを示す制御符号を受け取った場合には、出
力解像度制御手段85に拡大率の変更を指示する。ベク
トル符号復号手段82は、ベクトル符号生成手段43と
逆に、ベクトル符号から手書き情報の加速度ベクトルを
生成する。連続符号復号手段83は、連続符号生成手段
44と逆に、連続符号から加速度ベクトルの連続数を生
成する。出力速度判定手段84は、入力速度判定手段4
1とは逆に、出力される手書き情報の速度を判定して解
像度を向上するための倍率を算出する。出力解像度制御
手段85は、入力解像度制御手段42とは逆に、ベクト
ル符号復号手段82と連続符号復号手段83から手書き
情報の加速度ベクトルとその連続数を受け取り、出力速
度判定手段84の算出した倍率に応じて手書き情報の解
像度を向上して表示制御手段9に出力する。例えば、図
14の表示点411を表示した後に、手書き符号化手段
4が入力点402、入力点403、入力点404に対応
して生成した図18の手書き符号を受け取ると、符号分
離手段81は、手書き符号のビット7が0であることか
ら図8の可変長構造の1バイトの符号であることを知
り、ビット6が1であることから図9の(b)の符号で
あることを知り、dXY1の値をベクトル符号復号手段
82に、Lnの値を連続符号復号手段83に出力する。
ベクトル符号復号手段82は、dXY1の値が1である
ことから図10の(a)におけるX成分=1、Y成分=
1のベクトルであることを知って出力解像度制御手段8
5に図19に示す手書き情報のベクトルを出力する。連
続符号復号手段83は、Lnの値が3であることから、
連続数として3を出力解像度制御手段85に出力する。
出力速度判定手段84は、現在の表示軌跡302の速度
ベクトルである速度511が通常の手書き速度より速い
ことを検出して倍率として3を算出する。出力解像度制
御手段85は、出力速度判定手段84から受け取った倍
率から図19のベクトルの解像度を3倍に向上して図2
0に示すベクトルを生成し、連続数から図20に示すベ
クトルを複製して図21に示す3個のベクトルを生成す
る。この3個のベクトルは、図14における加速度61
1、加速度612、加速度613に対応する。
【0052】図1の表示制御手段9は、手書き符号復号
手段8から手書き情報を受け取り、設定レジスタ3に保
持されている特性情報に応じて表示手段10に適した表
示画面を生成して表示手段10に出力する。図5を参照
すると、出力表現変換手段91は、出力解像度制御手段
85から加速度ベクトルとして表現される手書き情報を
受け取り、座標データに変換する。例えば、図14の表
示点411が表示された後、図21に示す手書き情報を
受け取った場合、まず、図15に示すように、表示点4
11に対応する速度511の終点を加速度611の始点
とした場合の加速度611の終点から表示点412を算
出してその座標データを出力する。さらに、表示点41
1と表示点412の差分ベクトルから速度512を生成
する。同様に、図14に示すように、加速度612から
表示点413の座標データを、加速度613から表示点
414の座標データを生成して出力する。表示精度制御
手段92は、出力表現変換手段91から座標データを受
って設定レジスタ3の保持する特性情報に応じて表示手
段10に適した座標データに変換し、動的表示制御手段
93は、表示精度制御手段92から座標データを受け取
り動的な表示画面を生成して表示手段10に出力する。
この座標データは、手書き入力の特性に応じて符号化さ
れたデータを復号したものであるため、例えば、特開平
8−190275号公報に示される座標点の補間や特開
平9−258885号公報に示される運筆再現(手書き
入力された通りの速度での筆跡表示)といったように、
手書き入力の特性に応じた表示効果を実現することがで
きる。
【0053】以上のように、本発明の手書き符号処理装
置では、入力制御手段2がハードウェアに依存しない手
書きデータを生成し、手書き符号化手段4が手書き入力
の特性に基づいて手書き筆跡の品質を保ちつつ高効率の
圧縮符号化を行い、処理手段5が処理内容に応じて手書
き符号の精度を調整し、手書き符号復号手段8が手書き
符号を復号し、表示制御手段9が手書き特性に従って表
示手段10に適した表示画面を生成する。このように、
処理手段5が圧縮符号化された手書き符号を用いること
によって、通信負荷低減や蓄積容量の低減が可能である
とともに、連続数によって圧縮された手書き符号は、処
理装置や表示装置が同じ処理の繰り返しとして一括処理
できるための処理負荷が低減し、高速で効率的な処理が
可能である。さらに、処理手段5が設定レジスタの特性
情報の修正や手書き符号化方法の修正を行えることによ
り、手書き入力の特性だけでなく現在の処理内容に応じ
た効率的な符号を生成することが可能である。これによ
り、手書きの特性を損なわずに効率の良い符号を用いた
効率的で応答性の良い手書き操作が可能であり、物理的
な紙と筆記具の特性を十分に再現することが可能であ
る。
【0054】尚、本実施の形態では、連続符号とベクト
ル符号のビット数の割合や可変長符号の構成を図9の符
号体系で説明したが、これに限定されるものではなく、
装置の性能やリアルタイム処理に求められる高速性や一
括処理による負荷低減の必要性等の条件に応じて符号体
系を変更しても、手書き入力の特性に従ってベクトルの
大きさと連続数が反比例する組み合わせの可変長符号を
用いる限り同様の効果が期待できる。
【0055】また、本実施の形態では、図13に示すス
テップで符号生成手順を説明したが、これに限定される
ものではなく、装置に最適な処理手順を考慮して解像度
変更ステップとベクトル符号生成ステップと連続符号生
成ステップの順序を入れ替えたとしても、手書き入力の
特性に従って連続符号や解像度変更を行った手書き符号
を生成する限り同様の効果が期待できる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の手書き符
号処理装置では、人間の手書き入力の特性に基づいた効
率のよい手書き符号の生成および処理を行うことによ
り、手書き筆跡の品質を損なわずに従来の手書き符号処
理装置に比べて通信や蓄積を含めた処理効率を飛躍的に
向上させ、物理的な紙と筆記具の特性を十分に再現した
効率的で応答性の良い手書き操作を実現するものであ
り、以下のような効果がある。
【0057】本発明の手書き符号処理装置では、設定レ
ジスタが保持する特性情報に応じて手書き入力手段で検
出された座標データをハードウェアに依存しない手書き
情報に変換する入力制御手段と、逆にハードウェアに依
存しない手書き情報から表示手段に適した表示画面を生
成する表示制御手段を有することにより、異なる検出精
度の装置で検出したデータであっても正しく筆跡表示を
行うことが可能であるとともに、手書き符号化手段や手
書き符号復号手段での圧縮および伸張処理で利用される
手書きデータの精度が常に一定となるため、安定した圧
縮率が期待できる。
【0058】また、本発明の手書き符号処理装置では、
手書き入力では加速度ベクトルの大きさと連続回数が反
比例する特性を利用し、加速度ベクトルのビット数が多
くなるに従って連続回数のビット数が少なくなるような
手書き符号を生成することにより、手書き入力を効率的
に圧縮符号化することができる。さらに、基本ビット数
またはその倍数で表現される可変長符号としているた
め、従来のビット単位の可変長符号に比べて、高い圧縮
率を実現しつつ手書き符号列中の部分参照や編集が容易
に行える。また、ユーザが平均的な手書き速度で入力を
行っている場合には解像度の低下を行わず、平均的な手
書き速度に対する速度上昇の割合に応じて手書き情報の
解像度を低下させることにより、ユーザの意図した手書
き筆跡の品質を確保しつつ手書き符号の圧縮率を向上さ
せることが可能であり、蓄積時の容量が低減し通信時の
負荷が低減する。さらに、非復元圧縮ではあるが、手書
き入力の特性に応じてユーザの意図した手書き筆跡の品
質を確保した符号化であるため、表示された場合の手書
き筆跡はユーザの意図したものと大きく異なることはな
い。さらにまた、処理手段の指示に応じて手書き情報の
精度を変化させる機能を提供することにより、例えば署
名欄の精度を向上するといったように、表示画面上の領
域や選択されているペン種によって精度を変更すること
が可能であり、手書き入力の特性に応じた圧縮に加え
て、処理内容に応じてさらに効率的な圧縮を行うことが
できる。
【0059】さらに、本発明の手書き符号処理装置で
は、処理手段が圧縮符号化された手書き符号を用いるこ
とによって、通信負荷低減や蓄積容量の低減が可能であ
るとともに、連続数によって圧縮された手書き符号は、
処理装置や表示装置が同じ処理の繰り返しとして一括処
理できるための処理負荷が低減し、高速で効率的な処理
が可能である。さらに、処理手段が設定レジスタの特性
情報の修正や手書き符号化方法の修正を行えることによ
り、手書き入力の特性だけでなく現在の処理内容に応じ
た効率的な符号を生成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の装置構成を示すブロック
図である。
【図2】本発明の実施の形態における入力制御手段の構
成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における手書き符号化手段
の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における手書き符号復号手
段の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態における表示制御手段の構
成の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態の動作を説明するための座
標データの一例を示す図である。
【図7】図6の座標データに対応する手書き情報の一例
を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における手書き符号の構造
の一例を示す図である。
【図9】図8の構造を用いた手書き符号の体系の一例を
示す図である。
【図10】図9の手書き符号におけるベクトル符号と座
標点の関係の一例を示す図である。
【図11】図7の手書き情報に対応する手書き符号の一
例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における入力解像度制御
手段の概略機能を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態における手書き符号生成
の動作を説明するための流れ図である。
【図14】本発明の実施の形態の動作を説明するための
表示筆跡の一例を示す図である。
【図15】図14の入力点402検出時点における手書
き符号化手段の動作を説明するための図である。
【図16】図14の入力軌跡に対応する手書き符号化手
段の動作を説明するための図である。
【図17】図14の入力軌跡に対応する手書き符号化手
段の動作を説明するための図である。
【図18】図14の手書き情報に対応する手書き符号の
一例を示す図である。
【図19】図18の手書き符号に対応する手書き符号復
号手段の動作を説明するための図である。
【図20】図18の手書き符号に対応する手書き符号復
号手段の動作を説明するための図である。
【図21】図18の手書き符号に対応する手書き符号復
号手段の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 手書き入力手段 2 入力制御手段 3 設定レジスタ 4 手書き符号化手段 5 処理手段 6 蓄積手段 7 通信手段 8 手書き符号復号手段 9 表示制御手段 10 表示手段 21 検出精度制御手段 22 入力表現変換手段 41 入力速度判定手段 42 入力解像度制御手段 43 ベクトル符号生成手段 44 連続符号生成手段 45 符号長制御手段 81 符号分離手段 82 ベクトル符号復号手段 83 連続符号復号手段 84 出力速度判定手段 85 出力解像度制御手段 91 出力表現変換手段 92 表示精度制御手段 93 動的表示制御手段

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示を行う表示手段と、 ユーザの手書き操作を検出し、前記表示手段の画面座標
    に対応した座標データを出力する手書き入力手段と、 前記表示手段の解像度や前記手書き入力手段の検出精度
    などのハードウェアの特性情報を保持する設定レジスタ
    と、 前記設定レジスタの保持する特性情報に応じて前記手書
    き入力手段で検出された座標データをハードウェアに依
    存しない手書き情報に変換する入力制御手段と、 データを蓄積する蓄積手段と、 前記入力制御手段から手書き情報を受け取って対応する
    処理を実行し、この処理結果に応じて前記表示手段に表
    示するための表示用手書き情報の出力を行うとともに、
    前記蓄積手段に前記手書き情報の蓄積を行う処理手段
    と、 前記設定レジスタの保持する特性情報に応じて前記表示
    用手書き情報から表示画面を生成して前記表示手段に出
    力する表示制御手段と、 を有することを特徴とする手書き符号処理装置。
  2. 【請求項2】前記処理手段が、前記処理結果に応じて前
    記設定レジスタの保持する特性情報に修正を加える機能
    を有することを特徴とする請求項1に記載の手書き符号
    処理装置。
  3. 【請求項3】前記入力制御手段から手書き情報を受け取
    り、この手書き情報の特性に応じて圧縮符号化された手
    書き符号を出力する手書き符号化手段と、を有し、 前記処理手段が、前記手書き符号化手段から圧縮符号化
    された手書き符号を受け取って処理を行い、この処理結
    果に応じて表示用手書き符号の出力および前記蓄積手段
    への手書き符号の蓄積を行う機能を有するとともに、 前記処理手段から圧縮符号化された表示用手書き符号を
    受け取って復号化した表示用手書き情報を生成して前記
    表示制御手段に出力する手書き符号復号手段と、 をさ
    らに有することを特徴とする請求項1または2記載の手
    書き符号処理装置。
  4. 【請求項4】前記手書き符号化手段が、前記手書き情報
    のベクトル成分を抽出してベクトル符号を生成するベク
    トル符号生成手段と、前記手書き情報の連続する同じ値
    を抽出して連続符号を生成する連続符号生成手段と、前
    記ベクトル符号と前記連続符号を受け取りあらかじめ与
    えられた基本ビット数またはその倍数となるように前記
    ベクトル符号と前記連続符号の符号長を調節して合成し
    た手書き符号を生成する符号長制御手段と、を有すると
    ともに、 前記手書き符号復号手段が、前記手書き符号を受け取り
    前記ベクトル符号と前記連続符号に分離して出力する符
    号分離手段と、前記ベクトル符号を復号化して出力する
    ベクトル符号復号手段と、前記連続符号を復号化して出
    力する連続符号復号手段と、を有することを特徴とする
    請求項3に記載の手書き符号処理装置。
  5. 【請求項5】前記手書き符号化手段が、前記入力制御手
    段の出力である前記手書き情報から入力速度を判定する
    入力速度判定手段と、前記入力速度判定手段の判定結果
    に応じて前記手書き情報を縮小して前記ベクトル符号生
    成手段および前記連続符号生成手段に出力する入力解像
    度制御手段と、を有するとともに、 前記手書き符号復号手段が、前記表示制御手段へ出力さ
    れる手書き情報から対応する手書き入力の速度を判定す
    る出力速度判定手段と、前記出力速度判定手段の判定結
    果に応じて前記ベクトル符号復号手段および前記連続符
    号復号手段から受け取った復号された手書き情報を拡大
    して前記表示制御手段に出力する出力解像度制御手段
    と、を有することを特徴とする請求項4に記載の手書き
    符号処理装置。
  6. 【請求項6】前記符号長制御手段が、前記ベクトル符号
    の符号長が短い場合には前記連続符号の符号長を長く、
    前記ベクトル符号の符号長が長い場合には前記連続符号
    の符号長を短くし、前記ベクトル符号と前記連続符号を
    8ビットまたは8ビットの整数倍の可変長符号となるよ
    うに合成して出力する機能を有することを特徴とする請
    求項4または5に記載の手書き符号処理装置。
  7. 【請求項7】前記処理手段が、処理結果に応じて前記手
    書き符号化手段の符号化方法の修正を指示する機能を有
    するとともに、 前記手書き符号化手段が、前記処理手段の指示に応じて
    符号化方法を修正した場合に符号化方法が変更されたこ
    とを示す制御符号を前記手書き符号に挿入して出力する
    機能を有し、 前記手書き符号復号手段が、前記制御符号を受け取った
    場合に復号方法を修正する機能を有することを特徴とす
    る請求項3〜6のいずれか一項に記載の手書き符号処理
    装置。
  8. 【請求項8】前記入力制御手段が、連続する入力座標点
    の2座標点間を結ぶ速度ベクトルの差分ベクトルである
    加速度ベクトルを前記手書き情報として出力する機能を
    有し、 前記表示制御手段が前記加速度ベクトルを前記手書き情
    報として受け取って表示画面を生成する機能を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の手
    書き符号処理装置。
  9. 【請求項9】他の手書き符号処理装置と通信する通信手
    段を有し、 前記処理手段が、前記通信手段を介して接続された他の
    手書き符号処理装置との通信結果に応じて前記設定レジ
    スタの保持する特性情報の修正を行う機能を有すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の手書き符号処理
    装置。
  10. 【請求項10】他の手書き符号処理装置と通信する通信
    手段を有し、 前記処理手段が、前記通信手段を介して接続された他の
    手書き符号処理装置との通信結果に応じて前記手書き符
    号化手段への符号化方法の修正および前記設定レジスタ
    の保持する特性情報の修正を行う機能を有することを特
    徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の手書き符
    号処理装置。
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