JP2880313B2 - 荷役用パレット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はフォークリフト用の荷役
用パレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、木製、樹脂製、鋼板製、アルミ製
などのパレットが用いられているが、これらは分解組立
が出来ないので、重くて一人で移動することが困難であ
り、広い保管場所を必要とする上、積載した荷物との間
の摩擦係数が大きく、従って、その上に積載した貨物を
トラックなどに移す場合、フォークリフトの機能を利用
することができないので、積卸しに多大の人手を要する
という問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の問題
を解決しようとするものであり、具体的には、本発明の
目的は、簡単に分解して移動及び保管ができ、積載物を
パレットから下ろす場合には、フォークリフトの力を利
用して滑り下ろすことができ、従って人手を要しない新
規な荷役用パレットを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】叙上の本発明の目的は、
荷役用パレットを、複数の透孔を設けた方形の鋼板を折
り曲げて、上面が平坦な台形状でかつ高さの等しい複数
の山部と、底面が平坦でかつ深さの等しい複数の谷部を
形成し、更に、谷部が山谷に平行な方向のフォーク進入
路を形成し、上記透孔が山部の一部の切通しを形成し、
その切通しが山谷に直交する方向のフォーク進入路を形
成するよう構成された中間トラス部材と、中間トラス部
材の上面に着脱自在に取付けられる天板と、中間トラス
部材の、山谷に直交する方向のフォーク進入路の底面を
形成するよう中間トラス部材に着脱自在に取付けられる
補強板と、とにより構成することによって達成される。

【０００５】

【作用】本発明に係る荷役用パレットは、天板と、中間
トラス部材と、補強板とに分解でき、それらを個別に積
み重ねて保管できるものである。従って、移動が容易
で、保管場所も狭くて済む。又、この荷役用パレット
は、天板が鋼板で、積載物との摩擦が少なく、かつ、フ
ォークリフトに掛け止められるフックを設けて置けば、
フォークリフトのプッシュプレートにより、積載物を押
し滑らして、パレットの外に下ろすことが可能となる。

【０００６】

【実施例】以下、図面により本発明の詳細を説明する。
図１は、本発明に係る荷役用パレットの一実施例を示す
斜視図、図２はその立体分解図、図３は中間トラス部材
の製造方法を示す説明図、図４は天板を積み重ねた状態
を示す斜視図、図５は中間トラス部材を多数積み重ねた
状態を示す斜視図、図６は貨物を積載したパレットをフ
ォークリフトに積載しようとするときの状態を示す斜視
図、図７はその貨物を積載したパレットをフォークリフ
トで搬送するときの一方法を示す斜視図、図８はそのパ
レットから貨物を下ろす一方法を示す斜視図である。

【０００７】而して、図中、10は本発明に係る荷役用パ
レット、12はそれを構成する中間トラス部材、14は天
板、16、16は補強板であり、20はフォークリフト、22、
22は一対のフォーク、24、24はフォーク22、22に設けら
れるパレット係止具、26はプッシュプレート、30はパレ
ット10に積載される貨物である。

【０００８】図２に示す如く、荷役用パレット10は、中
間トラス部材12に、一枚の天板14と、二枚の補強板16、
16を着脱自在に取り付けて成るものである。中間トラス
部材12を製造するときは、図３に示された鋼板18に、図
示されている様に３列２行の方形の大きな透孔18ａ、18
ｂ、18ｃ、18ｄ、18ｅ及び18ｆと、細長い透孔18ｇ及び
18ｈとを穿ち、更に図中、破線で示される部分で谷折り
し、一点鎖線で示されるところで山折りし、図２などに
示されているように、上面が平坦な台形状でかつ高さの
等しい三列の山部と、底面が平坦でかつ深さの等しい二
条の谷部を形成するものである。

【０００９】三列の山部は、図２に於いて、左列の12
ａ、12ｂ及び12ｃ、中央の12ｄ、12ｅ及び12ｆ、右列の
12ｇ、12ｈ及び12ｉであり、これらは何れも台形状で、
同一の高さを有する。二条の谷部12ｊ及び12ｋは、何れ
も底面が平坦で、深さが等しく、かつ、これらは上記の
山部の列の間に形成される。ここで、図３に示された大
きな透孔18ａ、18ｂ及び18ｃと、18ｄ、18ｅ及び18ｆ
は、これらの山部の間の切通し12ｍ及び12ｎを形成す
る。

【００１０】パレット10が組み立てられたとき、左右の
山部の列の下側の空間及び谷部の上側の空間は、図中左
右方向、即ち、山谷に平行な方向のフォーク進入路を形
成し、上記透孔により形成された切通し12ｍ及び12ｎ
は、図中前後方向、即ち、山谷に直交する方向のフォー
ク進入路を形成する。又、鋼板18の中心部に設けた細長
い透孔18ｇ及び18ｈは、中央の山部12ｅの頂部に二つの
浅い切通し12ｐ及び12q を形成する。

【００１１】天板14は、その四隅に中間トラス部材12の
四隅の山部の肩に掛け留められる係止爪14ａ、14ａを有
し、又、その一辺の中央には、図６に示すフォークリフ
ト20の一対のフォーク22、22にそれぞれ取付けられるス
ライド・オン・アーム24、24に係止されるフック14ｂが
設けられ、更にその中央部には、細長い下向きの折込片
14ｃ及び14ｄが設けられる。

【００１２】この細長い下向きの折込片14ｃ及び14ｄ
は、それぞれ、中間トラス部材12の中央の山部12ｅの頂
部に設けられている浅い切通し12ｐ及び12ｑを通って、
山部12ｂ及び12の斜面に突き当てられ、これにより、天
板14は、中間トラス部材12に対し相対的にずれることが
ないように保持されることになる。補強板16は、中間ト
ラス部材12の切通し12ｍ及び12ｎに挿入され、その下方
のエッジに適合し、固く嵌め込み得るよう折り曲げられ
ている。

【００１３】天板14と、補強板16とは、随時中間トラス
部材12に取付けられ、図１に示されたようなパレット10
を形成するが、又随時分解され、図４及び５に示すよう
に同種のものを積み上げて保管し得るよう、適宜、末広
がりに形成される。このパレット10の使用方法は、図
６、７及び８に示されている。パレット10を組み立てた
状態では、四方からフォークを挿入し得ることは既に明
らかであろう。

【００１４】図１に示す状態で、図中前後方向の、即
ち、山部12ａ、12ｇなどの下側のフォーク進入路を使用
すれば、貨物30と共にパレット10全体を持ち上げること
ができる。

【００１５】又、それと直角方向の切通し部分のフォー
ク進入路を使用すれば、図６及び図７に示す如く、中間
トラス部材12及び補強板16を残して、貨物30を積載した
天板14を持ち上げることができる。又、このようにして
天板14を持ち上げるときは、そのフック14ｂを、フォー
クリフト20のフォーク22に取り付けられたスライド・オ
ン・アーム24に引き掛けて置けば、荷を下ろす際、図８
に示す如く、プッシュプレート26を用いて貨物30を押し
ながら、フォークリフト20を後退させれば、所望の場所
に荷を下ろすことができる。

【００１６】天板14は極めて薄いから、このようにして
も貨物30を損傷せず、又、荷崩れを生ずることがない。
従って、このようにすれば、多くの人手を煩わすことな
く、トラックの荷台や他のパレットの上などに貨物を移
動し得るものである。

【００１７】尚、本発明の構成は叙上の実施例に限定さ
れるものでなく、例えば、中間トラス部材を形成するた
めの透孔の数や配置、鋼板の折り曲げ方や、天板及び補
強板の形状、中間トラス部材との結合方法などは、本発
明の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであっ
て、本発明はそれらのすべてを包摂するものであり、
又、本発明に係るパレットは、図に示したインバータプ
ッシュクランプリフトの外、汎用のフォークリフト、ロ
ードプッシュリフト、プッシュプルリフト、その他のあ
らゆる種類のフォークリフトで使用できるものである。

【００１８】本発明に係る荷役用パレットは叙上の如く
構成されるから、本発明によるときは、簡単に解体して
運搬、保管でき、従って保管場所を取らず、又、随時簡
単に組み立てて使用でき、荷下ろしに人手を要しない便
利な荷役用パレットを安価に提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る荷役用パレットの一実施例を示す
斜視図である。

【図２】図１に示した荷役用パレットの立体分解図であ
る。

【図３】中間トラス部材の製造方法を示す説明図であ
る。

【図４】天板を積み重ねた状態を示す斜視図である。

【図５】中間トラス部材を多数積み重ねた状態を示す斜
視図である。

【図６】貨物を積載したパレットをフォークリフトに積
載しようとするときの状態を示す斜視図である。

【図７】その貨物を積載したパレットをフォークリフト
で搬送するときの一方を示す斜視図である。

【図８】そのパレットから貨物を下ろす一方法を示す斜
視図である。

【符号の説明】

10・・・・・・・荷役用パレット 12・・・・・・・中間トラス部材 14・・・・・・・天板 16・・・・・・・補強板

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フォークリフトによる荷役用のパレット
   に於いて、複数の透孔を設けた方形の鋼板を折り曲げ
   て、上面が平坦な台形状でかつ高さの等しい複数の山部
   と、底面が平坦でかつ深さの等しい複数の谷部を形成
   し、更に、上記山部及び谷部の空間がこれらの山谷に平
   行な方向のフォーク進入路を形成し、上記透孔が山部の
   一部の切通しを形成し、その切通しが山谷に直交する方
   向のフォーク進入路を形成するよう構成された中間トラ
   ス部材（12）と、中間トラス部材（12）の上面に着脱自
   在に取付けられる天板（14）と、中間トラス部材（12）
   の、山谷に直交する方向のフォーク進入路の底面を形成
   するよう中間トラス部材（12）に着脱自在に取付けられ
   る補強板（16）と、から成ることを特徴とする上記の荷
   役用パレット。
2. 【請求項２】 透孔が３行２列に整列して設けられ、２
   列の透孔が山谷に直交するフォーク進入路を形成する請
   求項１に記載の荷役用パレット。
3. 【請求項３】 天板（14）が、四隅に中間トラス部材
   （12）に引掛け得る係止爪（14ａ）を有し、かつ、一辺
   の中央にフォークリフトに係止し得るフック（14ｂ）を
   有する請求項１に記載の荷役用パレット。
4. 【請求項４】 天板（14）と中間トラス部材（12）が、
   それらの中央に互いに係合し得る契合部を有する請求項
   １に記載の荷役用パレット。
5. 【請求項５】 天板（14）が、多数積み重ね得るよう構
   成された請求項１に記載の荷役用パレット。
6. 【請求項６】 中間トラス部材（12）が、多数積み重ね
   得るよう構成された請求項１に記載の荷役用パレット。
7. 【請求項７】 補強板（16）が、多数積み重ね得るよう
   構成された請求項１に記載の荷役用パレット。