JP2879661B2 - タンパク質あるいはペプチドのアミノ酸配列を決定する方法 - Google Patents

タンパク質あるいはペプチドのアミノ酸配列を決定する方法

Info

Publication number
JP2879661B2
JP2879661B2 JP8154580A JP15458096A JP2879661B2 JP 2879661 B2 JP2879661 B2 JP 2879661B2 JP 8154580 A JP8154580 A JP 8154580A JP 15458096 A JP15458096 A JP 15458096A JP 2879661 B2 JP2879661 B2 JP 2879661B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
protein
amino acid
acid sequence
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8154580A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1026624A (ja
Inventor
晧 次田
圭司 高本
龍明 安宅
寿彦 作原
豊明 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP8154580A priority Critical patent/JP2879661B2/ja
Priority to US08/854,187 priority patent/US5962642A/en
Publication of JPH1026624A publication Critical patent/JPH1026624A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2879661B2 publication Critical patent/JP2879661B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6803General methods of protein analysis not limited to specific proteins or families of proteins
    • G01N33/6842Proteomic analysis of subsets of protein mixtures with reduced complexity, e.g. membrane proteins, phosphoproteins, organelle proteins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/06Linear peptides containing only normal peptide links having 5 to 11 amino acids
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6803General methods of protein analysis not limited to specific proteins or families of proteins
    • G01N33/6818Sequencing of polypeptides
    • G01N33/6824Sequencing of polypeptides involving N-terminal degradation, e.g. Edman degradation

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンパク質あるい
はペプチドの1次構造解析法に関する。特に、アミノ末
端(N末端)アミノ酸残基のα−アミノ基が修飾されて
いるタンパク質あるいはペプチドの、N末端からのアミ
ノ酸配列分析法に関する。
【0002】
【従来の技術】多くのタンパク質のN末端が修飾されて
いることが明らかにされてきている。タンパク質のうち
半数以上が何らかのN末端修飾を受けているといわれて
いる。タンパク質のN末端からアミノ酸配列分析は一般
的にエドマン分解法によって行われている。しかしなが
らこれらN末端が修飾されているタンパク質は、そのま
まではエドマン法を用いたアミノ酸配列分析ができな
い。
【0003】例えば、N末端アミノ酸残基のα−アミノ
基がアセチル化されているタンパク質(N−アセチルタ
ンパク質)がある。タンパク質のN末端修飾のうち80
%以上がアセチル化であるといわれている。更にそのう
ちおよそ30%がN末端セリンのα−アミノ基がアセチ
ル化されているタンパク質(N−アセチルセリルタンパ
ク質)であり、およそ10%がN末端スレオニンのα−
アミノ基がアセチル化されているタンパク質(N−アセ
チルスレオニルタンパク質)であるといわれている。従
来これらN−アセチルタンパク質のN末端からのアミノ
酸配列を決定するためには、以下のような方法が報告さ
れている。
【0004】[従来法1] (1)N−アセチルタンパク質をタンパク質分解酵素で
消化し複数のペプチド断片の混合物とする。 (2)新たに生成したペプチド断片のα−アミノ基にフ
ェニルイソチオシアナートを作用させ、チオカルバミル
化合物とする。ここでは、元の試料のN末端ペプチドの
N末端アミノ酸はアセチル化されているため作用を受け
ない。 (3)チオカルバミル化合物を過蟻酸で酸化してカルバ
ミル化合物とし、エドマン分解されないようにする。 (4)アセチルアミノ酸遊離酵素を作用させ、元の試料
のN末端ペプチドのN末端のアセチル化されたアミノ酸
を遊離する。 (5)以降エドマン法でアミノ酸配列を決定する。ここ
で作用を受けるのは、元の試料のN末端ペプチドだけで
ある(Tsunazawaet al.,J. Protein Chem(1992)11
巻、382ページ)。
【0005】[従来法2] (1)N−アセチルタンパク質をタンパク質分解酵素で
消化し複数のペプチド断片の混合物とする。 (2)ゲルろ過でペプチド断片を精製する。 (3)ペプチド断片の混合物から、HPLCを用いて元
の試料のN末端ペプチドを分取する。 (4)アセチルアミノ酸遊離酵素を作用させ、元の試料
のN末端ペプチドのN末端のアセチル化されたアミノ酸
を遊離する。 (5)以降エドマン法でアミノ酸配列を決定する(続生
化学実験講座2、タンパク質の化学(上)、日本生化学
会編、東京化学同人、227ページ)。
【0006】[従来法3]従来法2における1から3の
操作を実行する。得られた元の試料のN末端ペプチドを
質量分析してアミノ酸配列を分析する(続生化学実験講
座2、タンパク質の化学(上)、日本生化学会編、東京
化学同人、228ページ)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法には、反応
条件が過酷なため試料が変化する、特別の機器の使用を
含む煩雑な工程を必要とし回収率が低い、酵素を使用す
るため酵素の基質特異性や活性がさまざまであることか
ら正確な分析が困難になることがある、という欠点があ
る。
【0008】そこで本発明は、過酷な反応条件を用い
ず、特別の機器を使用を含む煩雑な工程を無くし、酵素
を用いることなく、N−アセチルセリルタンパク質また
はペプチドおよびN−アセチルスレオニルタンパク質ま
たはペプチド(N−アセチルセリルまたはスレオニルタ
ンパク質またはペプチド)のN末端からのアミノ酸配列
を決定する方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
の欠点を克服しN−アセチルセリルまたはスレオニルタ
ンパク質あるいはペプチドのN末端からのアミノ酸の配
列を決定するために、N末端のセリンまたはスレオニン
の水酸基がアセチル化されているタンパク質あるいはペ
プチド(O−アセチルセリルまたはスレオニルタンパク
質あるいはペプチド)に酸性条件下でイソチオシアナー
ト化合物を作用させてチオカルバミル化合物を得て、こ
のチオカルバミル化合物をエドマン分解法によって分析
することとした。このO−アセチルセリルまたはスレオ
ニルタンパク質あるいはペプチドは、N−アセチルセリ
ルまたはスレオニルタンパク質あるいはペプチドに酸を
作用させて得たものである。
【0010】上記手段により、過酷な反応条件を用い
ず、特別の機器を使用を含む煩雑な工程を無くし、酵素
を用いることなく、N−アセチルセリルまたはスレオニ
ルタンパク質あるいはペプチドのN末端からのアミノ酸
配列を決定することが可能になった。
【0011】
【発明の実施の形態】以下実施例に基づいて本発明を詳
細に説明する。 (実施例1)図1は本発明の分析方法を示す工程図であ
る。図中の、R−、はアミノ酸の側鎖を示す。これは以
降の各図においても同じである。まず、N−アセチルセ
リルまたはスレオニルタンパク質あるいはペプチドに酸
を作用させて、O−アセチルセリルまたはスレオニルタ
ンパク質あるいはペプチドを得る。次に、このO−アセ
チルセリルまたはスレオニルタンパク質あるいはペプチ
ドに酸性条件下でφ−NCSで表わされるイソチオシア
ナート化合物を作用させ、チオカルバミル化合物を得
る。以下、この試料をエドマン法を用いて分析すること
によって、N−アセチルセリルまたはスレオニルタンパ
ク質あるいはペプチドのN末端からのアミノ酸配列分析
を決定することができる。
【0012】(実施例2)ここでは実験方法の一例の詳
細を述べる。本発明のアミノ酸配列分析の操作手順は以
下の通りである。(図2参照) N−アセチルセリルまたはスレオニルタンパク質あるい
はペプチドを含む試料溶液、あるいはN−アセチルセリ
ルまたはスレオニルタンパク質あるいはペプチドを保持
した膜をチューブに入れた後乾燥させる。
【0013】次に、ここに酸溶液を入れ蓋をし、酸を作
用させる。 ・反応条件 酸溶液 :75%ペンタフルオロプロピオン酸(PFP
A)水溶液 反応温度:50℃ 反応時間:1時間 ここでは、PFPAの代わりに、ヘプタフルオロ酪酸
(HFBA)を含む他の酸を用いることもできる。ここ
で、N−アセチルセリルまたはスレオニルタンパク質あ
るいはペプチドに酸が作用し、O−アセチルセリルまた
はスレオニルタンパク質あるいはペプチドが得られる。
ここで、チューブ内の試料を乾燥させる。
【0014】次に、チューブににイソチオシアナート化
合物を含む溶液を入れ、試料に作用させる。 ・反応条件 イソチオシアナート化合物:4−スルフォフェニルイソチオシアナート(SPIT C)HO3S-C6H4-NCS SPITC濃度 :0.5% 溶媒 :0.1Mピリジン−酢酸緩衝溶液(pH6.0) とアセトニトリルとを3対2の割合で混合したもの 反応温度 :50℃ 反応時間 :30分間 ここでは、SPITCの代わりに、トリメチルシリルイ
ソチオシアナートを含む他のイソチオシアナート化合物
を用いることもできる。
【0015】ここで、O−アセチルセリルまたはスレオ
ニルタンパク質あるいはペプチドにイソチオシアナート
化合物が作用し、チオカルバミル化合物が得られる。そ
してこの試料をエドマン法を用いて分析し、得られる一
連のチオヒダントイン化合物を同定することによって、
タンパク質あるいはペプチドのアミノ酸配列を決定す
る。エドマン法を用いた分析方法の手順の詳細について
は公知であるのでここでは述べない。
【0016】(実施例3)ここでは、実施例2に記述し
た操作によって得られたチオカルバミル化合物にエドマ
ン分解法(図3参照)を用いることによって、アミノ酸
配列分析が可能であることを示す。試料として、配列番
号1のヘプタペプチド、アセチルセリル−グルタモイル
−アスパラギニル−プロリル−チロシル−バリル−バリ
ンアミドである(Ac-Ser-Gln-Asn-Pro-Tyr-Val-Val-NH2)
を用いた。図4は、得られたチオカルバミル化合物を質
量分析して得られた結果である。
【0017】質量分析の条件は以下の通りである。 質量分析の条件 ・分析装置:二重収束質量分析計 HX−110(日本電子) ・測定条件: 加速電圧 10kV 分解能 1,000 イオン源 FAB (高速粒子衝撃法) イオン化ガス Xe イオンモード 陽イオン FABガン加速電圧 6kV 検出器 MULTIPLIER 付加電圧 −20kV データ処理システム DA5000 マトリックス グリセロール:チオグリセロール:m−ニトロベンジ ルアルコール(GLYCEROL:THIOGLYCEROL:m-NITROBENZYLALCOHOL)=1:1:1 ・試料調製手順: 試料を減圧乾固する。 67%酢酸水溶液(あるいはジメチルホルムアミ
ド)に溶解する。 ターゲット上にマトリックスを1μlのせる。 更にターゲット上に試料溶液を1μlのせ、混和す
る。 イオン源に導入する。 配列番号1のヘプタペプチドに対応するO−アセチルペ
プチドにSPITCが作用して得られるチオカルバミル
化合物(分子量1062)に対応する分子イオンが検出
されている。
【0018】次にこの化合物にトリフルオロ酢酸を作用
させる。これは、図3に示すようにアミノ酸配列分析を
行うためのエドマン反応における切断の工程である。す
なわち、タンパク質あるいはペプチドのN末端アミノ酸
のα−アミノ基にイソチオシアナート化合物が作用して
できたチオカルバミルタンパク質あるいはペプチドのN
末端側の第1アミノ酸残基と第2アミノ酸残基との間の
ペプチド結合が、酸によって特異的に切断される工程で
ある。
【0019】反応条件は下記の通りである。 ・反応条件 反応試薬:トリフルオロ酢酸(無水) 反応温度:50℃ 反応時間:30分間 図5は、こうして得られた化合物を質量分析して得られ
た結果である。
【0020】質量分析の条件は上述のものと同じであ
る。配列番号1のヘプタペプチドに対応するO−アセチ
ルペプチドにSPITCが作用して得られるチオカルバ
ミル化合物(分子量1062)に対応する分子イオンが
検出されなくなり、試料として用いたヘプタペプチドが
アミノ末端のアセチル化されたセリンを失ったヘキサペ
プチドであるグルタモイル−アスパラギニル−プロリル
−チロシル−バリル−バリンアミド(Gln-Asn-Pro-Tyr-V
al-Val-NH2)(分子量717)に対応する分子イオンが
検出されている。
【0021】よって、以降得られたチオカルバミル化合
物にエドマン分解法を用いることによってアミノ酸配列
分析が可能であることがわかる。また、この実施例にお
いて、ここで試料として用いた配列番号1のヘプタペプ
チドがアミノ末端のアセチル化されたセリンを失ったヘ
キサペプチドであるグルタモイル−アスパラギニル−プ
ロリル−チロシル−バリル−バリンアミド(Gln-Asn-Pr
o-Tyr-Val-Val-NH2)が得られたことから、SPITCが
配列番号1のヘプタペプチドに対応するO−アセチルペ
プチドのN末端アミノ酸のα−アミノ基と反応して対応
するチオカルバミル化合物が生成したこと、更に前段階
において、配列番号1のヘプタペプチド(N−アセチル
ペプチド)に酸を作用させた際に配列番号1のヘプタペ
プチドに対応するO−アセチルペプチドが生成してN末
端アミノ酸のα−アミノ基が出現したこと、がわかる。
【0022】(実施例3)ここでは、SPITCとN末
端アミノ酸のα−アミノ基とが反応して、対応するチオ
カルバミル化合物が生成する際の反応条件を検討した結
果を示す。試料として配列番号2のペンタペプチドであ
るロイシル−トリプトファニル−メチオニル−アルギニ
ル−フェニルアラニン(Leu-Trp-Met-Arg-Phe)を用い
た。
【0023】検討した反応条件は下記の通りである。 ・反応条件 SPITC濃度:0.5% 反応溶媒 緩衝溶液 :0.1Mピリジン−酢酸緩衝溶液(1)pH4.0、(2) pH5.5、(3)pH6.03条件 有機溶媒との混合:(1)無し、(2)緩衝溶液とアセトニトリルとを3対 2の比で混合の2条件 反応温度 :50℃ 反応時間 :30分間
【0024】実験手順は下記の通りである。 (1)上記の各条件下で、SPITCと配列番号2のペ
ンタペプチドとを反応させる。 (2)反応生成物を高速液体クロマトグラフ(HPL
C)で分析する。 (3)未反応の配列番号2のペンタペプチド由来のピー
ク面積(Aとする)を未反応の配列番号2のペンタペプ
チド由来のピーク面積とSPITCと配列番号2のペン
タペプチドとの反応生成物由来のピーク面積(Bとす
る)との和と比較する。
【0025】反応収率(%)の算出式は下記の通りであ
る。 (1−A/A+B)×100 HPLC分析の条件は以下の通りである。 ・カラム :資生堂 CAPSELPACK C−18 ・濃度勾配溶出:A液 0.1%TFA水溶液 B液 80%メタノールと0.1%TFAとを含む水溶液 0− 5min B液20% 5−25min B液20→100%(LINEAR) 25−30min B液100% ・検出 :280nmの吸収 ピークの同定には質量分析を用いた。質量分析の条件
は、実施例3に記載したものと同じである。結果を図6
から図11に示す。反応条件と結果を示した図の対応を
まとめたのが下記表1である。
【0026】
【表1】 反応収率をまとめたのが下記表2である。
【0027】
【表2】 いずれも、pH6.0の緩衝溶液を用いた場合に反応収
率が高いことがわかる。これらのうち、アミノ酸配列分
析に用いる膜への含浸性のより高い、緩衝溶液(pH
6.0)にアセトニトリルを上記の比率で混合した溶
液、を上述の実施例において用いた。
【0028】以上述べてきた結果をまとめると次のよう
になる。本発明においては、N末端のセリンまたはスレ
オニンのα−アミノ基がアセチル化されたタンパク質あ
るいはペプチド(N−アセチルセリルまたはスレオニル
タンパク質あるいはペプチド)のN末端からのアミノ酸
の配列分析を遂行するために、O−アセチルセリルまた
はスレオニルタンパク質あるいはペプチドに酸性条件下
でイソチオシアナート化合物を作用させてチオカルバミ
ル化合物を得て、このチオカルバミル化合物をエドマン
分解法によって分析することとした。このO−アセチル
セリルまたはスレオニルタンパク質あるいはペプチド
は、N−アセチルセリルまたはスレオニルタンパク質あ
るいはペプチドに酸を作用させて得たものである。これ
によって、N−アセチルセリルまたはスレオニルタンパ
ク質あるいはペプチドの、N末端からのアミノ酸配列を
決定することが可能になった。
【0029】
【発明の効果】本発明の重要な点は下記の通りである。
N末端のセリンまたはスレオニンのα−アミノ基がアセ
チル化されたタンパク質あるいはペプチド(N−アセチ
ルセリルまたはスレオニルタンパク質あるいはペプチ
ド)のN末端からのアミノ酸の配列分析を遂行するため
に、O−アセチルセリルまたはスレオニルタンパク質あ
るいはペプチドに酸性条件下でイソチオシアナート化合
物を作用させてチオカルバミル化合物を得て、このチオ
カルバミル化合物をエドマン分解法によって分析するこ
ととした。このO−アセチルセリルまたはスレオニルタ
ンパク質あるいはペプチドは、N−アセチルセリルまた
はスレオニルタンパク質あるいはペプチドに酸を作用さ
せて得たものである。
【0030】これによって、特別の機器を使用を含む煩
雑な工程を無くし、酵素を用いることなく、N−アセチ
ルセリルまたはスレオニルタンパク質あるいはペプチド
の、N末端からのアミノ酸配列を決定することが可能に
なった。よって、本発明によるタンパク質あるいはペプ
チドのN末端からのアミノ酸配列を決定する方法はその
工業的価値が大である。
【0031】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:7 配列の形:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:2 配列の長さ:5 配列の形:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分析方法を示す工程図である。
【図2】本発明の実験手順を示すための反応式である。
【図3】エドマン分解法の工程図である。
【図4】チオカルバミル化合物を質量分析した結果であ
る。
【図5】チオカルバミル化合物を酸処理して得られた化
合物を質量分析した結果である。
【図6】SPITCと配列番号2のペンタペプチドとの
反応収率を調べるためのHPLC分析の結果である。
【図7】SPITCと配列番号2のペンタペプチドとの
反応収率を調べるためのHPLC分析の結果である。
【図8】SPITCと配列番号2のペンタペプチドとの
反応収率を調べるためのHPLC分析の結果である。
【図9】SPITCと配列番号2のペンタペプチドとの
反応収率を調べるためのHPLC分析の結果である。
【図10】SPITCと配列番号2のペンタペプチドと
の反応収率を調べるためのHPLC分析の結果である。
【図11】SPITCと配列番号2のペンタペプチドと
の反応収率を調べるためのHPLC分析の結果である。
【符号の説明】
1 配列番号1のヘプタペプチドに対応するO−アセチ
ルペプチドにSPITCが作用して得られるチオカルバ
ミル化合物(分子量1062)、に対応する分子イオン
由来の信号 2 配列番号1のヘプタペプチドがアミノ末端のアセチ
ル化されたセリンを失ったヘキサペプチド(分子量71
7)、に対応する分子イオン由来の信号 3 配列番号2のペンタペプチド由来のピーク 4 SPITCと配列番号2のペンタペプチドとの反応
生成物由来のピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 豊明 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコー電子工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/68

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ末端アミノ酸残基の水酸基がアセ
    チル化されたタンパク質あるいはペプチドに酸性条件下
    でイソチオシアナート化合物を作用させてチオカルバミ
    ル化合物を得ることを特徴とする、タンパク質あるいは
    ペプチドのアミノ酸配列を決定する方法。
  2. 【請求項2】 前記アミノ末端アミノ酸残基の水酸基が
    アセチル化されたタンパク質あるいはペプチドは、アミ
    ノ末端アミノ酸残基のα−アミノ基がアセチル化された
    タンパク質あるいはペプチドに酸を作用させて得たもの
    であることを特徴とする、請求項1記載のタンパク質あ
    るいはペプチドのアミノ酸配列を決定する方法
  3. 【請求項3】 前記アミノ末端アミノ酸残基の水酸基が
    アセチル化されたタンパク質あるいはペプチドに酸性条
    件下でイソチオシアナート化合物を作用させて得たチオ
    カルバミル化合物をエドマン分解法によって分析するこ
    とを特徴とする、請求項1記載のタンパク質あるいはペ
    プチドのアミノ酸配列を決定する方法。
JP8154580A 1996-05-09 1996-06-14 タンパク質あるいはペプチドのアミノ酸配列を決定する方法 Expired - Fee Related JP2879661B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8154580A JP2879661B2 (ja) 1996-05-09 1996-06-14 タンパク質あるいはペプチドのアミノ酸配列を決定する方法
US08/854,187 US5962642A (en) 1996-05-09 1997-05-09 Method for sequencing of protein or peptide

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-115087 1996-05-09
JP11508796 1996-05-09
JP8154580A JP2879661B2 (ja) 1996-05-09 1996-06-14 タンパク質あるいはペプチドのアミノ酸配列を決定する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1026624A JPH1026624A (ja) 1998-01-27
JP2879661B2 true JP2879661B2 (ja) 1999-04-05

Family

ID=26453690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8154580A Expired - Fee Related JP2879661B2 (ja) 1996-05-09 1996-06-14 タンパク質あるいはペプチドのアミノ酸配列を決定する方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5962642A (ja)
JP (1) JP2879661B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002267674A (ja) * 2001-03-14 2002-09-18 Nec Corp 蛋白質あるいはペプチドの分析方法
KR100611313B1 (ko) * 2004-06-30 2006-08-10 고려대학교 산학협력단 폴리펩티드의 n-말단 치환용 화합물, 이를 이용한폴리펩티드 내의 아미노산 서열분석 및 정량방법
US20240200058A1 (en) * 2022-12-06 2024-06-20 Shifeng Li Methods and appratus for protein and peptide sequencing

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5534440A (en) * 1991-02-22 1996-07-09 Biomedical Research Centre Limited Compounds and methods for sequencing amino acids
JPH0694461B2 (ja) * 1992-08-17 1994-11-24 一洋 今井 7−置換−4−(2,1,3−ベンゾオキサジアゾリル)イソチオシアネート及びそれを含むアミン、アミノ酸、ペプチド、タンパク質測定用組成
US5468843A (en) * 1994-09-08 1995-11-21 Perkin-Elmer Acetic anhydride activation for C-terminal protein sequencing

Also Published As

Publication number Publication date
US5962642A (en) 1999-10-05
JPH1026624A (ja) 1998-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1425586B1 (en) Mass labels
US7183116B2 (en) Methods for isolation and labeling of sample molecules
US20030194717A1 (en) Mass labels
CA2420567C (en) Mass spectrometric analysis of biopolymers
US6846679B1 (en) Characterizing polypeptides through cleavage and mass spectrometry
Yates [15] Protein structure analysis by mass spectrometry
Knecht et al. Sequence determination of eglin C using combined microtechniques of amino acid analysis, peptide isolation, and automatic Edman degradation
AU757356B2 (en) Methods and kits for sequencing polypeptides
JP3124507B2 (ja) タンパク質あるいはペプチドのカルボキシ末端からのアミノ酸配列を決定する方法
JP2879661B2 (ja) タンパク質あるいはペプチドのアミノ酸配列を決定する方法
EP1589341A2 (en) Method of selective peptide isolation for the identification and quantitative analysis of proteins in complex mixtures
Hayashi et al. A method for identifying the carboxy terminal amino acid of a protein
Hunyadi-Gulyás et al. Factors that contribute to the complexity of protein digests
Chen et al. Micellar capillary electrophoresis separation and thermo‐optical absorbance detection of products from manual peptide sequencing
Mudgett et al. Peptide sequencing: the utility of chemical ionization mass spectrometry
Stults Peptide sequencing by mass spectrometry
Mathews et al. Characterization of impurities in a synthetic renin substrate peptide by fast‐atom bombardment mass spectrometry and hybrid tandem mass spectrometry
Okyem et al. Nontargeted Identification of D-Amino Acid-Containing Peptides Through Enzymatic Screening, Chiral Amino Acid Analysis, and LC-MS
Krutzsch Protein/peptide sequence analysis by mass spectrometry
EP0905519B1 (en) A method for amino acid sequencing of protein or peptide from carboxy terminus thereof
Bose et al. An improved system for the separation and identification of phenylthiohydantoin derivatives of histidine and arginine by thin-layer chromatography
Wang et al. Protein ladder sequencing: towards automation
Smith et al. Protein Sequencing
US5143851A (en) Method for separating diphenylurea (dpu) and phenylthiohydantoin-tryptophan (pth-trp) allowing unambiguous identification of trp in automatic sequence analysis
Roepstorff Mass spectrometry in protein structural analysis

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080129

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090129

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100129

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110129

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110129

Year of fee payment: 12

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees