JP2879555B2 - 偏光素子,光源装置及び投写型表示装置 - Google Patents

偏光素子,光源装置及び投写型表示装置

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JP2879555B2
JP2879555B2 JP9353871A JP35387197A JP2879555B2 JP 2879555 B2 JP2879555 B2 JP 2879555B2 JP 9353871 A JP9353871 A JP 9353871A JP 35387197 A JP35387197 A JP 35387197A JP 2879555 B2 JP2879555 B2 JP 2879555B2
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信介 鹿間
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光方向が不定な
自然光を偏光が一方向にのみ大きい部分偏光に変換する
偏光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TN(Twisted Nematic)型の液晶ライト
バルブは、偏光板を液晶層の前後に配置して構成されて
いる。偏光板は一方向の偏光のみの光を透過し、それと
は直交する方向の偏光は吸収する働きがある。一般に
は、プラスチック製偏光板が用いられることが多く、ヨ
ウ素化合物や染料等の二色性物質をポリビニルアルコー
ル(PVA)フィルムに吸着させた材料を、一方向に配
向させて、特定方向の偏光のみを吸収するよう構成され
ている。
【0003】偏光方向が不定な自然光を液晶ライトバル
ブに入射すると、半分の光パワーが偏光板で吸収され
る。液晶ライトバルブを使用した投写型表示装置は、液
晶ライトバルブを高輝度の光源により照明しており、偏
光板における光吸収は熱の発生要因となっている。偏光
板の耐熱温度を越えて使用すると、偏光板の変形や変性
により、偏光度が低下して画質が大きく劣化する。とり
わけプラスチック性偏光板を用いた液晶ライトバルブ
は、偏光板が80〜90℃しか耐熱性がないので、高照度で
照明して高輝度な画像を得る際の障害となる。
【0004】この問題を解決する一方法として、偏光板
の手前であらかじめ不要な方向の偏光を除去する方法が
ある。この従来例について図14を用いて説明する。図14
はJAPAN DISPLAY '89 DIGEST pp.646-649 で報告され
た、液晶ライトバルブを用いた投写型表示装置の光学系
を示す図である。光源120 は放物面鏡13等を併用して平
行な光束2を出射する。フィルタ12により紫外線及び赤
外線をカットして、プリポラライザと呼ばれる偏光素子
6により、光束2を偏光方向が不定な自然光を偏光方向
が一方向にのみ大きい部分偏光に変換する。
【0005】次に、ダイクロイックミラー7a,7bにより
赤(R),緑(G),青(B)3色の光に分離して、赤
色の光はミラー11a で反射させ、それぞれの光をコンデ
ンサレンズ8r, 8g, 8bで集光した後、2枚の偏光板17r,
17g, 17b, 18r, 18g, 18bに挟まれた液晶ライトバルブ
3r, 3g, 3bで光変調して3原色の画像を形成する。次
に、青色の光はミラー11b で反射させ、3原色の画像を
色合成用ダイクロイックミラー9a, 9bで合成して、投写
レンズ4により拡大し、カラー画像をスクリーン上(図
示せず)に拡大投写する。
【0006】図15は偏光素子6を示す図であり、偏光素
子6は、ガラス板61を積層した構造である。ガラス板61
は、空気層とガラス板層との屈折率が異なる界面におい
て、一方の直線偏光(P偏光)22はすべて透過し、他方
の直線偏光(S偏光)21の一部が反射する入射角(ブリ
ュースタ角)に設定されている。ガラス板61を複数枚積
層して液晶ライトバルブ3r, 3g, 3bに必要な偏光方向、
つまり液晶ライトバルブの入射側偏光板17r, 17g, 17b
の偏光軸と同方向の偏光の光束を生成する。
【0007】従来例では、偏光素子6により、液晶ライ
トバルブの入射側偏光板17r, 17g,17b の偏光方向と直
交する偏光成分(図52のS偏光)をあらかじめ除去して
いるので、光吸収による入射側偏光板17r, 17g, 17b の
発熱劣化を低減できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来例における偏光素
子6は、光軸に対しブリュースタ角、典型的には約57゜
(屈折率n=1.52の場合)に傾けたガラス板により構成
している。1枚のガラス板で偏光素子を構成すると、光
束断面領域に対し約1.5 倍の奥行きDを必要とする。図
15のように1回折り返した構造にすると、奥行きDを半
分にすることが可能である。投写型表示装置の高輝度化
のためには、できるだけ光源120 を液晶ライトバルブ3
r, 3g, 3bに近接して設置する必要がある。従来の技術
では大形の偏光素子6がその障害となっており、また投
写型表示装置のコンパクト化の点からもより薄形の偏光
素子の実現が望まれている。
【0009】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、薄形で、かつ損失が少ない偏光素子を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1発明の偏光素子は、
入射面及び出射面がP偏光を低損失で透過するような角
度で折り返し、素子断面がひし形の柱状の単位素子が一
定間隔で連結した形状であり、この偏光素子の厚み及び
折り返し周期を最適化したものであって、更に入射角を
ブリュースタ角またはそれ以上の角度となるようにした
ものである。また、この偏光素子の材料にプラスチック
材料を用いたものである。本発明の偏光素子に紫外・赤
外線をカットするフィルタを併用した光源装置である。
また、本発明の偏光素子への強制冷却を施した光源装置
である。また、偏光素子を複数積層し、更に、偏光素子
間にスペーサを挿入したものである。また、この偏光素
子の一部に突起構造を一体に形成してスペーサを代用
し、素子間に空気層を設けたものである。
【0011】第1発明の偏光素子によれば、低損失でP
偏光を透過する角度で折り返した形状であるので、偏光
素子は薄形となる。入射角が、ブリュースタ角のときP
偏光は無損失で透過し、更に厚みを最適設計することに
よりP偏光の透過効率が向上する。また、入射角をブリ
ュースタ角以上に設定することにより、P偏光はわずか
に損失するが、それ以上にS偏光の透過率が減少するの
で消光比が向上する。また、この偏光素子をプラスチッ
ク材料で形成することにより、複雑な形状でも一層の素
子を一体かつ容易に、しかも安価に製造できる。また、
紫外・赤外線カットフィルタを併用し、更に強制冷却を
施すことにより、偏光素子自体の熱的変形・変性を防止
できる。また、偏光素子を複数積層することにより消光
比を向上させる。更に、偏光素子間にスペーサを挿入し
て空気層を確保することにより、多重反射による消光比
の劣化を防止する。
【0012】また、第2発明の偏光素子は、入射面及び
出射面がP偏光を低損失で透過させ、素子断面を三角波
形状にし、更に入射角がブリュースタ角またはそれ以上
の角度となるように、素子の厚み及び折り返し周期を最
適化したものである。
【0013】第2発明の偏光素子によれば、断面形状を
三角波形状にしたので、層厚が一様で機械的強度が強い
構造となる。また、入射角がブリュースタ角またはそれ
以上の角度となるように、素子の厚み及び折り返し周期
を最適化したので、P偏光の透過効率を向上させる。
【0014】また、第3発明の投写型表示装置は、第1
発明または第2発明の偏光素子を、光源と液晶ライトバ
ルブとの間に備えたものである。
【0015】第3発明の投写型表示装置によれば、第1
発明または第2発明の偏光素子を適用することにより、
液晶ライトバルブの入射側偏光板の発熱を低減でき、よ
り高輝度でコンパクトな投写型表示装置を実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて詳述する。 〈第1発明〉(偏光素子) 実施の形態1.図1は第1発明の実施の形態1の偏光素
子の構成図である。偏光素子62は、断面がひし形をした
柱状素子162 を一定間隔で一体に連結した形状をしてお
り、入射側折り返し面63の山(または谷)部と、出射側
折り返し面64の山(または谷)部とが表裏で同一の位置
にある。なお、図1(b)中の一点鎖線Lは、偏光素子
62の中心線を示し、Nは中心線Lに対する法線を示す。
偏光素子62の入射面63及び出射面64における斜辺の傾き
θi は、P偏光を低損失で透過させ、S偏光の一部を反
射させる角度を成している。なお、θi は偏光素子62の
法線Nに対する入射・出射平面の法線方向の角度であ
る。出射面は入射面と同一の形状であり、偏光方向が不
定な自然光25を法線Nに平行に偏光素子62に入射する
と、P偏光(図1(b)において紙面内左右方向の偏
光)はほとんど透過するが、S偏光(紙面に垂直な偏
光)は入射面63と出射面64で一部反射される。したがっ
て、出射光26はP方向の偏光成分が強い、偏った偏光
(部分偏光)となる。
【0017】P偏光を100 %透過するような入射角は、
前に述べたように、ブリュースタ角と呼ばれる。空気層
と屈折率nの基板層との界面におけるブリュースタ角θ
B は以下の(1)式で求められる。 θi =θB =tan-1n ……(1)
【0018】図2は、n=1.57の透明基板への入射角に
対するP偏光とS偏光との透過率T・反射率Rを示す。
入射角θi がブリュースタ角θB =57.51 ゜のとき、P
偏光は100 %透過するが、S偏光は約18%の光が界面で
反射される。
【0019】図3は、偏光素子62の単位素子であるひし
形の柱状素子162 を透過する光束を示す図である。ブリ
ュースタ角を実現するためには、ひし形の頂角θP を
(2)式のように設定する。 θP =π−2θB ……(2) ひし形の単位素子162 に入射する光束25a は、入射面63
と出射面64とにおいて屈折した後、出射光束26a とな
る。光束25a より外側に入射する光束25b は、26bのよ
うに単位素子162 を透過するので不要光26b となる。図
中の斜線部は偏光素子として無効な領域である。ひし形
の単位素子162 を斜線部が互いに重なりあって一体とな
るように連結して形成すれば、斜線部による光損失を除
去できる。
【0020】次に、図1(b)に示した偏光素子62の断
面形状の最適設計について述べる。図4(a)に示すよ
うに、中心線Lからの最大厚みをa、最小厚みをb、入
射面の折り返し周期をc、材料の屈折率n、(1)式で
求まるブリュースタ角をθBとすると、以下の(3)式
の関係にあればP偏光は無損失で素子を透過する。 a:b:c=1:1+2COS(2θB) :−(4/n)COS(2θB) ……(3) 上記(3)式を満たさない場合の一例として厚みbが
(3)式の関係より小さいときには、図4(b)中の斜
線部に示すように光を透過しない領域が発生し、縞状の
影ができる。また25b のような光束は損失光となる。
【0021】上記実施の形態1は図1(b)に示す入射
角θi がブリュースタ角θB を成すように設定したが、
入射角θi がブリュースタ角より少し大きいほうがS偏
光を除去できる割合が大きくなる。図5はn=1.57の基
板への入射角に対するP偏光とS偏光との透過比(消光
比)の関係を示す図で、例えば、入射角を70゜にした場
合、図2よりP偏光の透過率は4%低下するが、消光比
は15%向上する。この場合、θP をブリュースタ角に対
する値64.98 °から40°に変更することになる。当然θ
P は0°よりも大きいので、0<θP ≦π−2θB の範
囲でθP を設定すればよい。
【0022】偏光素子62の材料は、所望の光波長に対し
透明な材料であればよい。可視光領域においては、ガラ
ス材料,プラスチック材料等がある。耐熱性の面ではガ
ラス材料を成形または研磨加工して作成することが有利
である。複雑な形状を容易に成形できる点ではプラスチ
ック材料が有利である。可視光領域において透明で吸収
損失が少なく光学特性に優れたプラスチック材料とし
て、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチ
レン(PS)、ポリカーボネート(PC)等がある。高
輝度の光源を照射し耐熱性が問題となる場合は、例え
ば、熱可塑性樹脂ARTON(日本合成ゴム社製,(商
標名),加重たわみ温度164 ℃)や、高耐熱性ポリカー
ボネートApec HT(バイエル社製,(商標名),
加重たわみ温度141 〜215 ℃)のような材料がある。
【0023】プラスチック材料は紫外領域での吸収が大
きく、紫外線を多く含む高輝度光を照射すると発熱要因
となる。公知の紫外・赤外線カットフィルタを偏光素子
62の入射面63よりも光源側に置いて、赤外光も含めて遮
光して偏光素子62に自然光25を照射することにより、材
料の温度上昇を低減でき、偏光素子62の熱的な変形や変
性を防止できる。
【0024】また、公知のファンを用いて送風による空
冷等で偏光素子の強制冷却を行っても良く、前述の紫外
・赤外線カットフィルタを併用すれば、冷却効果はより
高くなる。
【0025】実施の形態2.図6は第1発明の実施の形
態2の偏光素子を示す断面図である。実施の形態2は、
図1(b)に示した偏光素子62を3枚積層したもので、
不要な偏光成分(S偏光)を除去できる割合が大きくな
る。
【0026】図7は実施の形態2の自然光を入射した場
合のP偏光とS偏光との強度比を消光比・偏光度で表し
た図である。偏光素子62の1枚あたり入射面と出射面の
2面でS偏光が除去されるので、実施の形態1に示した
素子(基板屈折率n=1.57,入射角θi =57.51 °)を
5枚積層すれば、S偏光の強度がP偏光に対し15%以下
となる。積層枚数は用途に応じて図7の消光比を参考に
適宜設定してよい。
【0027】実施の形態1における光学素子の厚さaを
1mmとした場合、(3)式より厚さbは0.15mmとなり、
この素子を5枚積層しても層厚は6.6 mmである。一方、
従来例を示す図15において液晶ライトバルブの幅(また
は照明光束の幅)を40mmとすると、偏光素子6の奥行き
Dは30.8mm以上となり、実施の形態2の偏光素子により
大幅な薄形化が達成できることがわかる。しかも、本実
施の形態2の偏光素子は、液晶ライトバルブの幅(また
は照明光束の幅)が大きくなっても変わらない。一方、
従来例の偏光素子は、液晶ライトバルブの幅(または照
明光束の幅)に比例して偏光素子の奥行きDが大きくな
る。
【0028】実施の形態3.図8は第1発明の実施の形
態3を示す断面図、図9は図8のb−b線における断面
図である。実施の形態2と同様に、偏光素子62を複数枚
積層するが、光路の障害とならない位置に、スペーサ65
を挿入して偏光素子62間に空気層66を確保している。2
枚の偏光素子62間が近接すると、偏光素子62を透過した
S偏光26s が偏光素子62間で多重反射をして再び透過光
となるので、偏光度が低下する。更に空気層66の厚さが
波長オーダになると干渉膜として働き、透過光の色の変
化及び色むらの原因となる。図8に示すように入射面63
b で反射し分離されたS偏光26s が出射面64a で再び反
射させないためには、実施の形態2の偏光素子62(厚さ
a=1mmの設計例)を用いればギャップdを0.32mm以上
となるようなスペーサ65を挿入すればよい。
【0029】実施の形態4.図10は第1発明の実施の形
態4を示す断面図、図11は図10のb−b線における断面
図である。実施の形態3において使用したスペーサ65に
代えて、偏光素子62の一部に突出部67を設けてスペーサ
を偏光素子62と一体成形している。プラスチック材料を
使用すればスペーサの一体成形も比較的容易にできる。
【0030】実施の形態3,4では、それぞれ空気層66
を風路として公知のファン等を用いて送風すれば、効率
よく偏光素子の冷却が行える効果もある。
【0031】〈第2発明〉(偏光素子) 図12は第2発明の偏光素子を示す断面図である。偏光素
子68は、入射側折り返し面69の山(または谷)部と出射
側折り返し面70の谷(または山)部とが、素子の表裏で
一致した関係となっている。このため全体の断面形状は
三角波状となり、層厚が一様であるため機械的強度が強
い構造となる。入射面がブリュースタ角θB をなすため
には、入射面69と出射面70との折り返し角θP は、下記
(4)式となる。 θP =π−2θB ……(4)
【0032】中心からの最大厚みをa、最小厚みをb、
折り返し周期をcとした場合、以下の(5)式の関係を
満たすとき、P偏光は無損失で偏光素子68を透過する。 a:b:c=1:{2+3COS (2θB)}/{2+COS(2θB)} :−{4COS(2θB)}/[n{2+COS(2θB)}] ……(5)
【0033】その他、入射角をブリュースタ角以上に設
定すれば消光比が向上すること、偏光素子68の材料及び
積層して使用する例、スペーサ等については、第1発明
の実施の形態1,2,3,4と同様である。
【0034】〈第3発明〉(投写型表示装置) 図13は第3発明における偏光素子を使用した投写型表示
装置の光学系の図である。図13では従来例を示す図14と
比較して偏光素子が変更された点が異なっている。光源
120 は放物面鏡13等を併用して平行な光束2を出射す
る。フィルタ12により紫外線及び赤外線をカットして、
上述した偏光素子62または68を複数枚積層した偏光素子
16により、光束2を偏光方向が不定な自然光を偏光方向
が一方向にのみ大きい部分偏光に変換する。ダイクロイ
ックミラー7a,7bにより赤(R),緑(G),青(B)
3色の光に分離して、赤色の光はミラー11a で反射さ
せ、それぞれの光をコンデンサレンズ8r, 8g, 8bで集光
した後、2枚の偏光板17r, 17g, 17b, 18r, 18g, 18bに
挟まれた液晶ライトバルブ3r, 3g, 3bで光変調して3原
色の画像を形成する。次に、青色の光はミラー11b で反
射させ、3原色の画像を色合成用ダイクロイックミラー
9a, 9bで合成して、投写レンズ4により拡大し、カラー
画像をスクリーン上(図示せず)に拡大投写する。
【0035】前述した第1発明または第2発明の偏光素
子62,68、またはこれを複数枚積層した偏光素子16を、
従来の装置(図14)の偏光素子6に代替すれば、光源12
0 を液晶ライトバルブに近づけて設定できるので装置が
コンパクトになり、また液晶ライトバルブの照度を高く
できるので、高輝度な投写型表示装置を実現できる。な
お、図13の偏光素子16は3層構成の例を示しているが、
層数を増やすに従って消光比(偏光度)は良好になり液
晶ライトバルブ3r,3g,3bの入射側偏光板17r,17g,17b
の発熱を低減できる。
【0036】
【発明の効果】以上に詳述したように、第1発明によれ
ば、表面及び裏面をP偏光を低損失で透過する角度で折
り返した形状であるので、自然光を部分偏光に変換する
光学素子が薄形となる。更に、偏光素子の入射角及び出
射角がブリュースタ角となる様に頂角θP を設定するこ
とにより、P偏光を無損失で素子界面を透過できる。更
に、素子の厚み及び折り返し周期がほぼ(3)式を満た
すように設計することで、P偏光を無損失で偏光素子を
透過できる。また、偏光素子への入射角及び出射角をブ
リュースタ角以上に設定するためθP を(2)式よりも
小さくすることにより、P偏光の透過率は若干低下する
が、消光比を向上できる。
【0037】偏光素子の材料にプラスチック材料を用い
ることにより、複雑な形状もガラス材料等に比べ比較的
容易に、しかも安価に作成できる。プラスチック材料の
偏光素子で、高光強度の白色光を偏光する場合、紫外・
赤外線カットフィルタを併用することにより温度上昇に
伴う、偏光素子の変形や変性を低減できる。更に、空冷
等による強制冷却を行えば、偏光素子の変形や変性を低
減できる効果が高くなる。また、一枚あたりの偏光素子
が薄いので、複数積層しても偏光素子は薄形であり、層
数を増すにともない消光比が向上できる。更に、スペー
サを挿入して素子間に空気層を確保することにより、素
子間でのS偏光の多重反射を除去でき消光比が向上す
る。また、空気層を風路として送風冷却すれば偏光素子
の熱変形が緩和できる。また、偏光素子とスペーサとを
一体成形すれば、偏光素子の組立工程を削減できる。
【0038】また、第2発明によれば、偏光素子の断面
を三角波形状とすることにより、偏光素子の厚みが一様
となり、機械的強度が強い構造となる。更に、第1発明
と同様に偏光素子の入射角及び出射角をブリュースタ角
に設定することにより、P偏光を無損失で素子界面を透
過できる。更に、素子の厚み及び折り返し周期がほぼ
(5)式を満たすように設計することにより、P偏光を
無損失で偏光素子を透過できる。
【0039】また、第3発明によれば、第1発明または
第2発明の偏光素子を、液晶ライトバルブを用いた投写
型表示装置に適用することにより、液晶ライトバルブ入
射側の偏光板の発熱が低減され、偏光板の変性や変形に
伴う画質劣化が防止できる。また、偏光素子が薄形であ
るため光源を液晶ライトバルブに接近して設置できるの
で、高輝度の投写画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の偏光素子の構成を示す図である。
【図2】 透明基板への入射角と透過率と反射率との関
係を示すグラフである。
【図3】 偏光素子の単位素子である柱状素子を透過す
る光束の説明図である。
【図4】 偏光素子を透過する光束の説明図である。
【図5】 透明基板への入射角と消光比との関係を示す
グラフである。
【図6】 本発明の偏光素子の構成を示す断面図であ
る。
【図7】 偏光素子の積層枚数と偏光度との関係を示す
グラフである。
【図8】 本発明の偏光素子の構成を示す断面図であ
る。
【図9】 図8のb−b線における断面図である。
【図10】 本発明の偏光素子の構成を示す断面図であ
る。
【図11】 図10のb−b線における断面図である。
【図12】 本発明の偏光素子の構成を示す断面図であ
る。
【図13】 本発明の投写型表示装置の光学系を示す図
である。
【図14】 従来の他の投写表示装置の構成を示す図で
ある。
【図15】 従来の偏光素子を示す図である。
【符号の説明】
3r, 3g, 3b 液晶ライトバルブ、4 投写レンズ、12
フィルタ、16 偏光素子、62 偏光素子、65 スペー
サ、66 空気層、67 突出部、68 偏光素子、120 光
源、162 柱状素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03B 33/12 G03B 33/12 H04N 5/74 H04N 5/74 A (56)参考文献 特開 昭61−114205(JP,A) 特開 平4−141603(JP,A) 特開 平2−294614(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 27/28 G02B 5/30 G02B 13/18 G02F 1/1335 510 G03B 21/14 G03B 33/12 H04N 5/74

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光方向が不定な自然光を一方向にのみ
    偏光が大きい部分偏光に変換する偏光素子において、頂角θP のひし形の断面形状を有する柱状の単位素子が
    連結されており、 前記頂角θP がブリュースタ角θB に対してほぼπ−2
    θB となるとともに、 上記連結された単位素子の断面形
    状の中心からの最大厚みaと最少厚みb及び折り返し周
    期cとの関係が、ほぼ 1: 1+2COS(2θB):−(4/n)C
    OS(2θB)となるように形成されている 偏光素子(但し、
    nは偏光素子基板の屈折率)。
  2. 【請求項2】 偏光方向が不定な自然光を一方向にのみ
    偏光が大きい部分偏光に変換する偏光素子において、 断面形状が入射面の山(谷)部と出射面の谷(山)部の
    位置が素子面内で一致する折り返し角θP の三角波形状
    であり、 前記折り返し角θP がブリュースタ角θB に対してほぼ
    π−2θB となるとともに、 上記断面形状の中心からの最大厚みaと最少厚みb及び
    折り返し周期cとの関係が、ほぼ 1:{ 2+3COS(2θ
    B)}/{ 2+ COS(2θB)} :−{4COS(2θB)}/[ n{ 2+ COS(2θB)}]となる
    ように形成されている 偏光素子(但し、nは偏光素子基
    板の屈折率)。
  3. 【請求項3】 偏光方向が不定な自然光を一方向にのみ
    偏光が大きい部分偏光に変換する偏光素子において、 所定の角度θP で複数回折り返された形状に形成されて
    いるとともに、 入射角及び出射角をブリュースタ角θB より大きく設定
    するために、前記折り返し角θP がπ−2θB より小さ
    く形成されている偏光素子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載の偏
    光素子が複数枚積層されていることを特徴とする偏光素
    子。
  5. 【請求項5】 複数枚積層された前記偏光素子間にスペ
    ーサが挿入されていることを特徴とする請求項記載の
    偏光素子。
  6. 【請求項6】 前記複数枚積層された偏光素子に前記ス
    ペーサとなる突起構造が一体形成されていることを特徴
    とする請求項記載の偏光素子。
  7. 【請求項7】 前記複数枚積層された偏光素子間に空気
    層が設けられていることを特徴とする請求項4乃至6の
    いずれか1項記載の偏光素子。
  8. 【請求項8】 プラスチック材料にて形成されている
    とを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の偏
    素子。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の偏光素子と、自然光を放
    射する光源と、前記偏光素子と光源との間に設けられた
    紫外・赤外線カットフィルタとを備えることを特徴とす
    光源装置。
  10. 【請求項10】 請求項記載の偏光素子と、自然光を
    放射する光源と、前記偏光素子を送風冷却するファン
    を備えることを特徴とする光源装置。
  11. 【請求項11】 光源により照明した液晶ライトバルブ
    の画像を投写レンズでスクリーンに拡大投写する投写型
    表示装置において、光源と液晶ライトバルブ間に請求項
    1乃至8のいずれか1項に記載の偏光素子を具備する
    とを特徴とする投写型表示装置。
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