JP2877113B2 - ソレノイド - Google Patents
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- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/0036—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity
- H01F1/0072—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity one dimensional, i.e. linear or dendritic nanostructures
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
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- Y10S977/00—Nanotechnology
- Y10S977/70—Nanostructure
- Y10S977/734—Fullerenes, i.e. graphene-based structures, such as nanohorns, nanococoons, nanoscrolls or fullerene-like structures, e.g. WS2 or MoS2 chalcogenide nanotubes, planar C3N4, etc.
- Y10S977/742—Carbon nanotubes, CNTs
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Nanotechnology (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Electromagnets (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】微弱電流で大きな磁場を発生
させるナノスケールの微細ソレノイドに関する。
させるナノスケールの微細ソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、螺旋状に電流を流して、磁場
を発生させたり、インダクタンスを実現するために、
芯、あるいは空芯に電導線を巻いて電流を流すソレノイ
ド素子がある。強力磁場を発生させる場合には大電流が
必要なため、超伝導コイルを使用していた。
を発生させたり、インダクタンスを実現するために、
芯、あるいは空芯に電導線を巻いて電流を流すソレノイ
ド素子がある。強力磁場を発生させる場合には大電流が
必要なため、超伝導コイルを使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、ソレノ
イドの径は最低でもmmオーダー程度であり、それより
微細なソレノイドを実現することは困難であった。
イドの径は最低でもmmオーダー程度であり、それより
微細なソレノイドを実現することは困難であった。
【0004】また、強力磁場を発生させるためには大電
流が必要であり、その電力消費を削減するために従来は
超伝導コイルを用いていたが、その場合には、図7に示
すように冷却装置、強力電源等が必要となり、装置の小
型化が困難であった。そのため、従来は装置の大型化が
避けられず、電磁デバイスを重電産業以外のエレクトロ
ニクスに応用するのは困難であった。
流が必要であり、その電力消費を削減するために従来は
超伝導コイルを用いていたが、その場合には、図7に示
すように冷却装置、強力電源等が必要となり、装置の小
型化が困難であった。そのため、従来は装置の大型化が
避けられず、電磁デバイスを重電産業以外のエレクトロ
ニクスに応用するのは困難であった。
【0005】本発明の目的は、上記課題を解決し、微弱
電流で大きな磁場を発生でき、かつナノスケールの微細
ソレノイドを提供することにある。
電流で大きな磁場を発生でき、かつナノスケールの微細
ソレノイドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、原子配置が非
対称で螺旋性を有する化合物ナノチューブからなり、ナ
ノチューブ表面に巻き付くように電流が流れることを特
徴とするソレノイドである。
対称で螺旋性を有する化合物ナノチューブからなり、ナ
ノチューブ表面に巻き付くように電流が流れることを特
徴とするソレノイドである。
【0007】前記化合物ナノチューブは、導体でも半導
体でもよいが、半導体ならばナノチューブ内にアルカリ
金属のような電子キャリヤーがドープされていることが
望ましい。
体でもよいが、半導体ならばナノチューブ内にアルカリ
金属のような電子キャリヤーがドープされていることが
望ましい。
【0008】例えば、導体の化合物ナノチューブとして
は、炭化窒素からなるものが、半導体の化合物ナノチュ
ーブとしては、炭化ホウ素からなるものがある。
は、炭化窒素からなるものが、半導体の化合物ナノチュ
ーブとしては、炭化ホウ素からなるものがある。
【0009】また、前記ナノチューブに機械的応力を加
えることにより、チューブ軸に沿った方向の直線電流か
ら、チューブ表面に巻き付くような螺旋電流へと、電流
方向を制御できる。機械的応力としては、ナノチューブ
の長手方向に加えられる引っ張り応力などがあり、加え
る応力の大きさによって、螺旋ピッチ(従来のコイルの
巻き数に相当)を変えることができる。
えることにより、チューブ軸に沿った方向の直線電流か
ら、チューブ表面に巻き付くような螺旋電流へと、電流
方向を制御できる。機械的応力としては、ナノチューブ
の長手方向に加えられる引っ張り応力などがあり、加え
る応力の大きさによって、螺旋ピッチ(従来のコイルの
巻き数に相当)を変えることができる。
【0010】更に、ナノチューブの内側に強磁性体を充
填して芯を設ければ、磁場の強さをさらに大きくするこ
とができる。ナノチューブは、多層でも単層でもよい。
填して芯を設ければ、磁場の強さをさらに大きくするこ
とができる。ナノチューブは、多層でも単層でもよい。
【0011】本発明によれば、数nm径の微細な螺旋状
に電流が流れるため、数μアンペア程度の微弱な電流で
も大きな磁場を発生でき、かつ従来のような強力電源装
置や冷却装置を必要としないため、強磁場発生装置を小
型化することができる。
に電流が流れるため、数μアンペア程度の微弱な電流で
も大きな磁場を発生でき、かつ従来のような強力電源装
置や冷却装置を必要としないため、強磁場発生装置を小
型化することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の一形態を、図
面を用いて説明する。
面を用いて説明する。
【0013】炭化ホウ素(BC3)、炭化窒素(CN)ナ
ノチューブなど、原子配置に螺旋性を有するナノチュー
ブを用いる。図1に炭化ホウ素(BC3)からなるナノチ
ューブの構造を、図3に炭化窒素(CN)からなるナノ
チューブの構造を示す。
ノチューブなど、原子配置に螺旋性を有するナノチュー
ブを用いる。図1に炭化ホウ素(BC3)からなるナノチ
ューブの構造を、図3に炭化窒素(CN)からなるナノ
チューブの構造を示す。
【0014】CNは金属であるが、BC3 化合物は半導
体でバンドギャップが有るため、電流を得るためにキャ
リヤーをドープする。本実施の形態ではキャリヤーにア
ルカリ金属を使う。アルカリ金属を少量BC3 化合物チ
ューブ内に取り込むと、電子の移動がアルカリ金属から
チューブに生じ、移動した電子がキャリヤーとして働
く。
体でバンドギャップが有るため、電流を得るためにキャ
リヤーをドープする。本実施の形態ではキャリヤーにア
ルカリ金属を使う。アルカリ金属を少量BC3 化合物チ
ューブ内に取り込むと、電子の移動がアルカリ金属から
チューブに生じ、移動した電子がキャリヤーとして働
く。
【0015】炭化窒素(CN)ナノチューブ、アルカリ
金属がドープされた炭化ホウ素(BC3)ナノチューブの
自然の状態(機械的応力が加えられる前の状態)では、
これらのチューブにはチューブの長手方向に沿った直線
電流が流れる。
金属がドープされた炭化ホウ素(BC3)ナノチューブの
自然の状態(機械的応力が加えられる前の状態)では、
これらのチューブにはチューブの長手方向に沿った直線
電流が流れる。
【0016】しかし、このチューブの長手方向に機械的
応力を掛け伸ばすと、チューブ壁の原子配置が歪んで対
称性が崩れる。加える応力の大きさは、応力を加える前
の長さの5%程度伸ばせば十分である。対称性が崩れる
ことによって、チューブ壁は非等方的な導体に変わる。
つまり電場に対して斜めになった方向に電流が流れる。
チューブの軸方向(長手方向)に電場を掛けると、チュ
ーブ壁には電場の方向より傾いた方向に電流が流れるた
め、この電流は螺旋電流となる。このようにして、本発
明によるチューブはソレノイドとしての特性を持つこと
ができる。図2に、アルカリ金属がドープされた炭化ホ
ウ素(BC3)ナノチューブに応力を加えた状態を、図4
に炭化窒素(CN)ナノチューブに応力を加えた状態を
示す。
応力を掛け伸ばすと、チューブ壁の原子配置が歪んで対
称性が崩れる。加える応力の大きさは、応力を加える前
の長さの5%程度伸ばせば十分である。対称性が崩れる
ことによって、チューブ壁は非等方的な導体に変わる。
つまり電場に対して斜めになった方向に電流が流れる。
チューブの軸方向(長手方向)に電場を掛けると、チュ
ーブ壁には電場の方向より傾いた方向に電流が流れるた
め、この電流は螺旋電流となる。このようにして、本発
明によるチューブはソレノイドとしての特性を持つこと
ができる。図2に、アルカリ金属がドープされた炭化ホ
ウ素(BC3)ナノチューブに応力を加えた状態を、図4
に炭化窒素(CN)ナノチューブに応力を加えた状態を
示す。
【0017】起磁力(F)は、電流(I)とコイルの巻
き数(n)に比例し、ソレノイド内に強磁性体の芯を置
くことで強力な磁場を発生させることができる。
き数(n)に比例し、ソレノイド内に強磁性体の芯を置
くことで強力な磁場を発生させることができる。
【0018】本発明によれば、螺旋電流の螺旋径が数n
mであるため、微弱電流で、強磁場が発生する。螺旋電
流の螺旋ピッチは、加える応力の大きさによって制御で
き、応力を大きくすれば螺旋ピッチ数が増加し、大きな
磁場を発生させる事ができる。
mであるため、微弱電流で、強磁場が発生する。螺旋電
流の螺旋ピッチは、加える応力の大きさによって制御で
き、応力を大きくすれば螺旋ピッチ数が増加し、大きな
磁場を発生させる事ができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の一実施例を説明する。
【0020】まず、直径がnmサイズの原子配置が螺旋
性を有する化合物ナノチューブを合成する。原子配置が
螺旋性を有し、直径がナノスケールのチューブとして、
黒鉛を基本構造とした炭素元素からなる極微細円筒構造
のカーボンナノチューブが知られている。これは、炭素
をその構成単位として六員環を主構造とした螺旋構造で
形成された円筒形状を持ち、外径がnmサイズの極めて
小さな多重構造の黒鉛繊維であり、単層の黒鉛繊維も知
られている。
性を有する化合物ナノチューブを合成する。原子配置が
螺旋性を有し、直径がナノスケールのチューブとして、
黒鉛を基本構造とした炭素元素からなる極微細円筒構造
のカーボンナノチューブが知られている。これは、炭素
をその構成単位として六員環を主構造とした螺旋構造で
形成された円筒形状を持ち、外径がnmサイズの極めて
小さな多重構造の黒鉛繊維であり、単層の黒鉛繊維も知
られている。
【0021】直径が約1.3nmのカーボンナノチュー
ブを大量に合成する方法は、既に文献(1996年、サ
イエンス、273巻、483頁〜487頁(A.The
ss,et al.,Science Vol.27
3,p.483(1996)))に示されているが、本
実施例ではBC3 、 CNナノチューブを同様の技術で合
成した。以下に、BC3 、 CNナノチューブの合成方法
を説明する。
ブを大量に合成する方法は、既に文献(1996年、サ
イエンス、273巻、483頁〜487頁(A.The
ss,et al.,Science Vol.27
3,p.483(1996)))に示されているが、本
実施例ではBC3 、 CNナノチューブを同様の技術で合
成した。以下に、BC3 、 CNナノチューブの合成方法
を説明する。
【0022】先ず、上記文献(1996年、サイエン
ス、273巻、483頁〜487頁)に記載の方法に従
い、容器内にグラファイトロッドにNiを少量まぶした
ものとグラファイト板を近い間隔で設置する。次に、グ
ラファイトロッドにレーザー光をあてると、グラファイ
トロッドから蒸発した気体がグラファイト板に吹きつけ
られてナノチューブが成長する。レーザー照射する雰囲
気ガス中にBCl3 ガスを混入するとBC3 ナノチュー
ブが、NH3 ガスを混入するとCNナノチューブが成長
する。それぞれのガスの分解反応が化合物チューブの生
成を助ける。
ス、273巻、483頁〜487頁)に記載の方法に従
い、容器内にグラファイトロッドにNiを少量まぶした
ものとグラファイト板を近い間隔で設置する。次に、グ
ラファイトロッドにレーザー光をあてると、グラファイ
トロッドから蒸発した気体がグラファイト板に吹きつけ
られてナノチューブが成長する。レーザー照射する雰囲
気ガス中にBCl3 ガスを混入するとBC3 ナノチュー
ブが、NH3 ガスを混入するとCNナノチューブが成長
する。それぞれのガスの分解反応が化合物チューブの生
成を助ける。
【0023】次に、チューブに電流を流しかつ機械的応
力を加えるために、金属電極をチューブ壁上に設ける。
金属電極をチューブ壁につけるには、真空中での金属蒸
着技術を応用する。チューブと金属フィラメントを真空
チャンバー内にいれ、金属フィラメントを通電加熱して
チューブ壁上に金属を蒸着する。真空中で金属フィラメ
ントを加熱することにより、金属原子を放出させてナノ
チューブ表面に蒸着させるものである。電極をつけない
領域にはカバーをしておく(図6参照)。チューブを置
く基板には、図6に図示するように裂け目が入ってい
て、基板を両側に引っ張ることによりチューブに応力を
加えることが出来るようになっている。
力を加えるために、金属電極をチューブ壁上に設ける。
金属電極をチューブ壁につけるには、真空中での金属蒸
着技術を応用する。チューブと金属フィラメントを真空
チャンバー内にいれ、金属フィラメントを通電加熱して
チューブ壁上に金属を蒸着する。真空中で金属フィラメ
ントを加熱することにより、金属原子を放出させてナノ
チューブ表面に蒸着させるものである。電極をつけない
領域にはカバーをしておく(図6参照)。チューブを置
く基板には、図6に図示するように裂け目が入ってい
て、基板を両側に引っ張ることによりチューブに応力を
加えることが出来るようになっている。
【0024】チューブに機械的応力を加えるためには、
チューブ壁上に金属電極をつけた部分を、電極をつけて
ない部分のおよそ100倍の長さにする。それは、電極
とチューブ壁の結合力が、チューブ壁内の原子間力に打
ち勝つために好ましい比率である。
チューブ壁上に金属電極をつけた部分を、電極をつけて
ない部分のおよそ100倍の長さにする。それは、電極
とチューブ壁の結合力が、チューブ壁内の原子間力に打
ち勝つために好ましい比率である。
【0025】例えば、ナノチューブに電流を流してコイ
ルとして使う部分が100nmである場合には、図6に
示すように、全体の長さのうち10μmの長さは電極と
なる金属と結合させる。
ルとして使う部分が100nmである場合には、図6に
示すように、全体の長さのうち10μmの長さは電極と
なる金属と結合させる。
【0026】長さ100nm、直径1.3nmのナノチ
ューブを5%伸ばすには、約0.6dynの力を必要と
する。引っ張り変形のためにチューブ壁の蜂の巣格子状
の原子配置は歪み、結果として電気伝導度に異方性を生
じる。チューブ軸方向の伝導度が下がる一方、チューブ
周方向の伝導度はあがる。これは引っ張りにより周方向
の長さが縮むからである。電気伝導度に異方性が生じる
ことにより、電場に対して斜めになった方向に電流が流
れ、螺旋電流となる。
ューブを5%伸ばすには、約0.6dynの力を必要と
する。引っ張り変形のためにチューブ壁の蜂の巣格子状
の原子配置は歪み、結果として電気伝導度に異方性を生
じる。チューブ軸方向の伝導度が下がる一方、チューブ
周方向の伝導度はあがる。これは引っ張りにより周方向
の長さが縮むからである。電気伝導度に異方性が生じる
ことにより、電場に対して斜めになった方向に電流が流
れ、螺旋電流となる。
【0027】CN化合物は金属的なので、チューブにし
ても金属の性質を保持している。一方、BC3 化合物は
半導体でバンドギャップがあるため、電流を得るために
キャリヤーをドープする。BC3 ナノチューブに電子キ
ャリヤーを導入させるために、アルカリ金属をチューブ
内にドープする。ドープ量は、チューブ壁の原子一個あ
たり千分の6個もあれば十分である。
ても金属の性質を保持している。一方、BC3 化合物は
半導体でバンドギャップがあるため、電流を得るために
キャリヤーをドープする。BC3 ナノチューブに電子キ
ャリヤーを導入させるために、アルカリ金属をチューブ
内にドープする。ドープ量は、チューブ壁の原子一個あ
たり千分の6個もあれば十分である。
【0028】ドーピングは、アルカリ金属とチューブ壁
間のイオン性結合によって行われることは、理論的に予
言されており、1995年、フィジカル・レビュー・レ
ターズ、74巻、2993頁〜2996頁(Y.Miy
amoto,et al.,Physical Rev
iew Letters,Vol.74,p.2993
(1995))に記載されている。以下に、BC3 ナノ
チューブにアルカリ金属をドープする方法を説明する。
間のイオン性結合によって行われることは、理論的に予
言されており、1995年、フィジカル・レビュー・レ
ターズ、74巻、2993頁〜2996頁(Y.Miy
amoto,et al.,Physical Rev
iew Letters,Vol.74,p.2993
(1995))に記載されている。以下に、BC3 ナノ
チューブにアルカリ金属をドープする方法を説明する。
【0029】まずBC3 ナノチューブの先端を酸化して
破壊し口を開ける。この開口部を溶解したアルカリ金属
に接すると、毛細管現象によりナノチューブ内にアルカ
リ金属が取り込まれる。このときナノチューブの直径が
10nmを越える場合には、アルカリ金属の表面張力が
妨げとなって、取り込むことが出来ないので数nmのオ
ーダーの直径の細さが重要である。
破壊し口を開ける。この開口部を溶解したアルカリ金属
に接すると、毛細管現象によりナノチューブ内にアルカ
リ金属が取り込まれる。このときナノチューブの直径が
10nmを越える場合には、アルカリ金属の表面張力が
妨げとなって、取り込むことが出来ないので数nmのオ
ーダーの直径の細さが重要である。
【0030】BC3 ナノチューブにアルカリ金属をドー
プする際、アルカリ金属原子一個につき電子キャリヤー
を一個供給できるため、キャリヤー濃度はアルカリ金属
原子ドープ濃度と同じである。
プする際、アルカリ金属原子一個につき電子キャリヤー
を一個供給できるため、キャリヤー濃度はアルカリ金属
原子ドープ濃度と同じである。
【0031】このチューブに1Vの電界をかける。この
際に発生する電流量は2μアンペアで、発生する内部磁
場は0.2テスラにも及ぶ。電流が小さいわりに磁場の
値が著しく大きいのは、チューブの直径が非常に小さい
ためである。
際に発生する電流量は2μアンペアで、発生する内部磁
場は0.2テスラにも及ぶ。電流が小さいわりに磁場の
値が著しく大きいのは、チューブの直径が非常に小さい
ためである。
【0032】磁場の強さを倍増するには、図5に示すよ
うに、強磁性物質(鉄やコバルトなど)の金属原子をチ
ューブの内側にドープすれば良い。この場合、毛細管現
象によりチューブ内へのドーピングを行うことができ、
次のようにして強磁性物質をチューブの内側にドープし
た。
うに、強磁性物質(鉄やコバルトなど)の金属原子をチ
ューブの内側にドープすれば良い。この場合、毛細管現
象によりチューブ内へのドーピングを行うことができ、
次のようにして強磁性物質をチューブの内側にドープし
た。
【0033】先ず、チューブの先端を酸化させることに
より開く。そして、強磁性体金属が溶融した液をチュー
ブの開口部に接し、強磁性体金属をチューブ内に取り込
ませた。
より開く。そして、強磁性体金属が溶融した液をチュー
ブの開口部に接し、強磁性体金属をチューブ内に取り込
ませた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ナノメートル級の微細
ソレノイドを実現でき、微弱電流でも非常に大きな磁場
を発生させることができ、強磁場発生装置を小型化する
ことができる。装置の小型化を図れることにより、重電
産業に限らず、電磁デバイスの重電産業以外のエレクト
ロニクス分野での応用も期待できる。
ソレノイドを実現でき、微弱電流でも非常に大きな磁場
を発生させることができ、強磁場発生装置を小型化する
ことができる。装置の小型化を図れることにより、重電
産業に限らず、電磁デバイスの重電産業以外のエレクト
ロニクス分野での応用も期待できる。
【図1】 BC3 ナノチューブの原子配置を示す図であ
る。白丸はC原子、黒丸はB原子である。
る。白丸はC原子、黒丸はB原子である。
【図2】 応力を掛けられたBC3 ナノチューブと電流
方向の模式図である。
方向の模式図である。
【図3】 CNナノチューブの原子配置を示す図であ
る。白丸はC原子、黒丸はN原子である。
る。白丸はC原子、黒丸はN原子である。
【図4】 応力を掛けられたCNナノチューブと電流方
向の模式図である。
向の模式図である。
【図5】 強磁性金属原子を内包したナノチューブの模
式図である。
式図である。
【図6】 本発明のソレノイドへの電極形成方法と、応
力を加える方法を説明するための図である。
力を加える方法を説明するための図である。
【図7】 従来のソレノイドの構成図である。
1 応力の方向 2 螺旋電流の向き 3 チューブ内にとりこまれる磁性金属原子 4 BC3 またはCNナノチューブ
Claims (9)
- 【請求項1】 原子配置が非対称で螺旋性を有する化合
物ナノチューブからなることを特徴とするソレノイド。 - 【請求項2】 前記化合物ナノチューブが導体であるこ
とを特徴とする請求項1記載のソレノイド。 - 【請求項3】 前記化合物ナノチューブが半導体であ
り、前記ナノチューブ内に電子キャリヤーがドープされ
てなることを特徴とする請求項1記載のソレノイド。 - 【請求項4】 前記キャリヤーが、アルカリ金属である
ことを特徴とする請求項3記載のソレノイド。 - 【請求項5】 前記化合物ナノチューブが炭化窒素から
なることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のソレ
ノイド。 - 【請求項6】 前記化合物ナノチューブが炭化ホウ素か
らなることを特徴とする請求項1又は請求項3又は請求
項4記載のソレノイド。 - 【請求項7】 前記ナノチューブに機械的応力を加える
ことにより、電流方向が制御されることを特徴とする請
求項1〜請求項6のいずれかに記載のソレノイド。 - 【請求項8】 前記機械的応力が、前記ナノチューブの
長手方向に加えられる引っ張り応力であることを特徴と
する請求項7記載のソレノイド。 - 【請求項9】 前記化合物ナノチューブ内に強磁性体が
取り込まれていることを特徴とする請求項1〜請求項8
のいずれかに記載のソレノイド。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8342178A JP2877113B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | ソレノイド |
US08/995,858 US6157043A (en) | 1996-12-20 | 1997-12-22 | Solenoid comprising a compound nanotube and magnetic generating apparatus using the compound nanotube |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8342178A JP2877113B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | ソレノイド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10189330A JPH10189330A (ja) | 1998-07-21 |
JP2877113B2 true JP2877113B2 (ja) | 1999-03-31 |
Family
ID=18351726
Family Applications (1)
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