JP2874947B2 - 電気メス用対極板 - Google Patents
電気メス用対極板Info
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気メス用対極板、特に静電容量型対極板に
関する。
関する。
本発明は、電気メスにおけるメス先電極の対極として
用いられ、電極シートと絶縁誘電フィルムを有してなる
電気メス用対極板において、上記電極シートと上記絶縁
誘電フィルム間に導電性接着剤を介在させて構成するこ
とにより、静電容量と耐電圧の向上を同時に図れるよう
にしたものである。
用いられ、電極シートと絶縁誘電フィルムを有してなる
電気メス用対極板において、上記電極シートと上記絶縁
誘電フィルム間に導電性接着剤を介在させて構成するこ
とにより、静電容量と耐電圧の向上を同時に図れるよう
にしたものである。
一般に、電気メスは、電気エネルギを熱エネルギに変
換し、その熱エネルギによって生体組織の切開作用及び
凝固作用を発現させるものである。
換し、その熱エネルギによって生体組織の切開作用及び
凝固作用を発現させるものである。
ここで、電気メスの原理を簡単に説明すると、第６図
に示すように、高周波電力を発生させる電気メス本体
（31）と生体（32）とを挟むメス先電極（能動電極）
（33）及び対極板（34）から構成される。電気メス本体
（31）からの高周波電流ｉは、メス先電極（33）より生
体（32）に流れ、対極板（34）を通して電気メス本体
（31）に還流する。生体組織が切開あるいは凝固される
のは、電流密度の大きいところで起きる。即ち、メス先
電極（33）に高周波電圧が印加されると、生体組織の間
にアーク放電が発生し、このアーク放電が数十μｓ続く
と、放電中の生体組織温度は、100℃以上に急上昇して
細胞中の水分が爆発的に蒸発し生体組織は切開される。
このとき、切開層の近傍は、電流密度が小さくなるた
め、温度上昇が低くなり、生体組織は凝固される。この
ようにして、メス先電極（33）に高周波電流ｉを供給し
ながら該電極（33）を移動させれば、凝固作用による止
血を伴った切開作用を持たせることができる。また、10
μｓ程度の高周波パルス電流を約50μｓの間隔で生体組
織に供給すると、生体組織の温度は100℃以下に抑えら
れて、生体組織は切開されず、凝固作用のみを持たせる
ことができる。また、高周波パルス電流のパルス幅を数
十μｓにすると、止血能力の強い切開（混合切開）作用
を持たせることができる（社団法人日本電子機械工業編
ME機器ハンドブック 1 P284〜P285参照）。
に示すように、高周波電力を発生させる電気メス本体
（31）と生体（32）とを挟むメス先電極（能動電極）
（33）及び対極板（34）から構成される。電気メス本体
（31）からの高周波電流ｉは、メス先電極（33）より生
体（32）に流れ、対極板（34）を通して電気メス本体
（31）に還流する。生体組織が切開あるいは凝固される
のは、電流密度の大きいところで起きる。即ち、メス先
電極（33）に高周波電圧が印加されると、生体組織の間
にアーク放電が発生し、このアーク放電が数十μｓ続く
と、放電中の生体組織温度は、100℃以上に急上昇して
細胞中の水分が爆発的に蒸発し生体組織は切開される。
このとき、切開層の近傍は、電流密度が小さくなるた
め、温度上昇が低くなり、生体組織は凝固される。この
ようにして、メス先電極（33）に高周波電流ｉを供給し
ながら該電極（33）を移動させれば、凝固作用による止
血を伴った切開作用を持たせることができる。また、10
μｓ程度の高周波パルス電流を約50μｓの間隔で生体組
織に供給すると、生体組織の温度は100℃以下に抑えら
れて、生体組織は切開されず、凝固作用のみを持たせる
ことができる。また、高周波パルス電流のパルス幅を数
十μｓにすると、止血能力の強い切開（混合切開）作用
を持たせることができる（社団法人日本電子機械工業編
ME機器ハンドブック 1 P284〜P285参照）。
このような電気メスにおいて、対極板（34）は、メス
先電極（33）から生体組織に流れた高周波電流ｉを安全
に電気メス本体（31）に戻す役目を担う。高周波電流ｉ
を安全に電気メス本体（31）に戻すためには、生体（3
2）と対極板（34）との接触面積を大きくとり、電流密
度を小さくする必要がある。現在では通常15平方インチ
以上のものが用いられている。
先電極（33）から生体組織に流れた高周波電流ｉを安全
に電気メス本体（31）に戻す役目を担う。高周波電流ｉ
を安全に電気メス本体（31）に戻すためには、生体（3
2）と対極板（34）との接触面積を大きくとり、電流密
度を小さくする必要がある。現在では通常15平方インチ
以上のものが用いられている。
ところで、種々の対極板の中でも特に、静電容量型対
極板は、薄くかつ軟らかい構造にすることが可能であ
り、生体への接着性も良好であることから、対極板とし
てのシュアを広げる傾向にある。
極板は、薄くかつ軟らかい構造にすることが可能であ
り、生体への接着性も良好であることから、対極板とし
てのシュアを広げる傾向にある。
従来の静電容量型対極板は、第７図の模式的断面図で
示すように、基材（41）、粘着剤層（42）、絶縁フィル
ム（43）、電極シート（44）、粘着剤層（45）、絶縁誘
電フィルム（46）、粘着剤層（47）、剥離フィルム（4
8）の順に積層されてなる。使用するときは、剥離フィ
ルム（48）をはがし、露出した粘着剤層（47）を介して
対極板を生体（二点鎖線で示す）（32）に接着させて使
用する。
示すように、基材（41）、粘着剤層（42）、絶縁フィル
ム（43）、電極シート（44）、粘着剤層（45）、絶縁誘
電フィルム（46）、粘着剤層（47）、剥離フィルム（4
8）の順に積層されてなる。使用するときは、剥離フィ
ルム（48）をはがし、露出した粘着剤層（47）を介して
対極板を生体（二点鎖線で示す）（32）に接着させて使
用する。
しかしながら、従来の対極板においては、電極シート
（44）と生体（32）との間に粘着剤層（45）、絶縁誘電
フィルム（46）及び粘着剤層（47）が介在するため、電
極シート（44）と生体（32）間の距離Ｄが大きくなり、
対極板の静電容量を小さくしてしまうという不都合があ
る。そこで、粘着剤層（45）及び（47）の厚みを薄くし
て静電容量を増大化させるという方法が考えられるが、
耐電圧が低下し、生体（32）に対する安全性が確保でき
ないという不都合がある。その他、粘着剤層（45），
（47）中にチタン酸バリウム等の強誘電体を分散させて
静電容量をかせぐ方法もあるが、チタン酸バリウムは、
劇物等の指定をうけた材質であり、医療分野に用いるに
は適さない。
（44）と生体（32）との間に粘着剤層（45）、絶縁誘電
フィルム（46）及び粘着剤層（47）が介在するため、電
極シート（44）と生体（32）間の距離Ｄが大きくなり、
対極板の静電容量を小さくしてしまうという不都合があ
る。そこで、粘着剤層（45）及び（47）の厚みを薄くし
て静電容量を増大化させるという方法が考えられるが、
耐電圧が低下し、生体（32）に対する安全性が確保でき
ないという不都合がある。その他、粘着剤層（45），
（47）中にチタン酸バリウム等の強誘電体を分散させて
静電容量をかせぐ方法もあるが、チタン酸バリウムは、
劇物等の指定をうけた材質であり、医療分野に用いるに
は適さない。
本発明は、このような点に鑑み成されたもので、その
目的とするところは、静電容量と耐電圧の向上を同時に
図ることができる電気メス用対極板を提供することにあ
る。
目的とするところは、静電容量と耐電圧の向上を同時に
図ることができる電気メス用対極板を提供することにあ
る。
本発明は、電気メスにおけるメス先電極（23）の対極
として用いられ、電極シート（５）と絶縁誘電フィルム
（７）を有してなる電気メス用対極板（Ａ）において、
電極シート（５）と上記絶縁誘電フィルム（７）間に導
電性接着剤（６）を介在させて構成する。
として用いられ、電極シート（５）と絶縁誘電フィルム
（７）を有してなる電気メス用対極板（Ａ）において、
電極シート（５）と上記絶縁誘電フィルム（７）間に導
電性接着剤（６）を介在させて構成する。
上述の本発明の構成によれば、電極シート（５）と絶
縁誘電フィルム（７）間に導電性接着剤（６）を介在さ
せたので、静電容量を得る実質的な距離が、電極シート
（５）と生体（13）間の距離Ｄではなく、更に短い導電
性接着剤（６）と生体（13）間の距離ｄで決定されるこ
ととなり、静電容量が増大化する。その結果、絶縁誘電
フィルム（７）の厚みを大きくすることが可能となり、
静電容量の向上と耐電圧の向上を同時に実現させること
ができる。それに伴ない、安全性並びに特性が更に向上
し、医療用の対極板として好適なものとなる。
縁誘電フィルム（７）間に導電性接着剤（６）を介在さ
せたので、静電容量を得る実質的な距離が、電極シート
（５）と生体（13）間の距離Ｄではなく、更に短い導電
性接着剤（６）と生体（13）間の距離ｄで決定されるこ
ととなり、静電容量が増大化する。その結果、絶縁誘電
フィルム（７）の厚みを大きくすることが可能となり、
静電容量の向上と耐電圧の向上を同時に実現させること
ができる。それに伴ない、安全性並びに特性が更に向上
し、医療用の対極板として好適なものとなる。
以下、第１図〜第５図を参照しながら本発明の実施例
を説明する。
を説明する。
第１図は、本実施例に係る電気メス用静電容量型対極
板（Ａ）の構成を示す分解斜視図、第２図はその断面
図、第３図はその模式的拡大断面図である。
板（Ａ）の構成を示す分解斜視図、第２図はその断面
図、第３図はその模式的拡大断面図である。
この対極板（Ａ）は、図示する如く、基材（１）、粘
着剤層（２）、絶縁フィルム（３）、接着剤層（４）、
電極シート（５）、導電性接着剤層（６）、絶縁誘電フ
ィルム（７）、粘着剤層（８）及び剥離フィルム（９）
を順次積層してなる。尚、絶縁フィルム（３）、接着剤
層（４）、電極シート（５）及び導電性接着剤層（６）
は、他の部材（１），（２），（７），（８）及び
（９）より一回り小さく形成される。そして、基材
（１）から電極シート（５）までの各端部に２つずつ設
けた透孔（1h），（2h），（3h），（4h），（5h）に２
本のリベット（10a），（10b）を夫々貫通させると共
に、電極シート（５）の透孔（5h）の下方に位置させた
２つのリング（11a），（11b）に夫々挿通し、更にこれ
らリベット（10a），（10b）をかしめ付ける。各リング
（11a），（11b）には夫々導線（12a），（12b）を介し
て電気メス本体（図示せず）に接続されるため、このリ
ベット（10a），（10b）のかしめ付けによって、上記電
気メス本体と電極シート（５）とが電気的に接続され
る。そして、電極シート（５）下に導電性接着剤（６）
を介して絶縁誘電フィルム（７）を接着し、更にこの絶
縁誘電フィルム（７）下に粘着剤層（８）を介して剥離
フィルム（９）を接着して本例に係る静電容量型対極板
（Ａ）を得る。
着剤層（２）、絶縁フィルム（３）、接着剤層（４）、
電極シート（５）、導電性接着剤層（６）、絶縁誘電フ
ィルム（７）、粘着剤層（８）及び剥離フィルム（９）
を順次積層してなる。尚、絶縁フィルム（３）、接着剤
層（４）、電極シート（５）及び導電性接着剤層（６）
は、他の部材（１），（２），（７），（８）及び
（９）より一回り小さく形成される。そして、基材
（１）から電極シート（５）までの各端部に２つずつ設
けた透孔（1h），（2h），（3h），（4h），（5h）に２
本のリベット（10a），（10b）を夫々貫通させると共
に、電極シート（５）の透孔（5h）の下方に位置させた
２つのリング（11a），（11b）に夫々挿通し、更にこれ
らリベット（10a），（10b）をかしめ付ける。各リング
（11a），（11b）には夫々導線（12a），（12b）を介し
て電気メス本体（図示せず）に接続されるため、このリ
ベット（10a），（10b）のかしめ付けによって、上記電
気メス本体と電極シート（５）とが電気的に接続され
る。そして、電極シート（５）下に導電性接着剤（６）
を介して絶縁誘電フィルム（７）を接着し、更にこの絶
縁誘電フィルム（７）下に粘着剤層（８）を介して剥離
フィルム（９）を接着して本例に係る静電容量型対極板
（Ａ）を得る。
尚、本例において、リベット（10a），（10b）とリン
グ（11a），（11b）は、すずめっきを施したものを用い
る。また、導線（12a），（12b）は、原理的には１本で
よいが、本例では、導線（12a），（12b）自体及び電極
シート（５）の断線のチェック並びに基材（１）、絶縁
フィルム（３）等の機械的破損をチェックするために２
本の導線（12a），（12b）を用いる。即ち、断線等のチ
ェックは、導線（12a），（12b）に夫々正負両極を接続
して、一方の導線（12a）から電流を流し、その電流が
他方の導線（12b）に環流するのを確認することにより
行なわれる。一方、電気メスの対極板として使用すると
きは、剥離フィルム（９）をはがし、露出した粘着剤層
（８）を介して対極板（Ａ）を生体（第３図において二
点鎖線で示す）（13）に接着させ、導線（12a），（12
b）に夫々同極を接続して使用する。
グ（11a），（11b）は、すずめっきを施したものを用い
る。また、導線（12a），（12b）は、原理的には１本で
よいが、本例では、導線（12a），（12b）自体及び電極
シート（５）の断線のチェック並びに基材（１）、絶縁
フィルム（３）等の機械的破損をチェックするために２
本の導線（12a），（12b）を用いる。即ち、断線等のチ
ェックは、導線（12a），（12b）に夫々正負両極を接続
して、一方の導線（12a）から電流を流し、その電流が
他方の導線（12b）に環流するのを確認することにより
行なわれる。一方、電気メスの対極板として使用すると
きは、剥離フィルム（９）をはがし、露出した粘着剤層
（８）を介して対極板（Ａ）を生体（第３図において二
点鎖線で示す）（13）に接着させ、導線（12a），（12
b）に夫々同極を接続して使用する。
上記導電性接着剤層（６）の導電材としては、例えば
カーボン、Ni,Au,Ag,Cu,半田等の金属粉又は繊維、もし
くは金属コート処理された樹脂粉末が用いられる。ま
た、導電性接着剤層（６）の厚みｔは５〜100μｍ、好
ましくは10〜40μｍで、この時の有効使用面積における
厚さ方向の導通抵抗が100Ω以下、好ましくは10Ω以下
であることとする。尚、導電材は、単独もしくは、二種
以上のものを併用してもよい。
カーボン、Ni,Au,Ag,Cu,半田等の金属粉又は繊維、もし
くは金属コート処理された樹脂粉末が用いられる。ま
た、導電性接着剤層（６）の厚みｔは５〜100μｍ、好
ましくは10〜40μｍで、この時の有効使用面積における
厚さ方向の導通抵抗が100Ω以下、好ましくは10Ω以下
であることとする。尚、導電材は、単独もしくは、二種
以上のものを併用してもよい。
ここで、本例で使用される粘着剤層（２），（８）及
び導電性接着剤層（６）の作製方法について説明する。
び導電性接着剤層（６）の作製方法について説明する。
まず、２エチルヘキシルアクリレート60g、エチルア
クリレート35g、グリシジルメタクリレート5g、アゾビ
スイソブチルニトリル0.7gを酢酸エチル100gに溶解し、
これを窒素気流中で約70℃で10時間反応させ、更に、ト
ルエン133gを加えて希釈してアクリル共重合体溶液を得
る。次に、架橋剤をアクリル共重合体溶液100gに対し、
2g加え均一に混合して本例に係る粘着剤層（２），
（８）を得る。導電性接着剤層（６）は、上述の製法に
て得た接着剤100gにカーボンブラック3gを加え均一に混
合することにより得られる。
クリレート35g、グリシジルメタクリレート5g、アゾビ
スイソブチルニトリル0.7gを酢酸エチル100gに溶解し、
これを窒素気流中で約70℃で10時間反応させ、更に、ト
ルエン133gを加えて希釈してアクリル共重合体溶液を得
る。次に、架橋剤をアクリル共重合体溶液100gに対し、
2g加え均一に混合して本例に係る粘着剤層（２），
（８）を得る。導電性接着剤層（６）は、上述の製法に
て得た接着剤100gにカーボンブラック3gを加え均一に混
合することにより得られる。
次に、上記実施例についての耐電圧実験及びその実験
で得られる静電容量値について下表に基いて説明する。
で得られる静電容量値について下表に基いて説明する。
この耐電圧実験は、実施例、比較例１及び２に対し、
3kVの高圧を５分間かけ、そのときの絶縁破壊までの時
間と静電容量値を調べたものであり、夫々３回行なっ
た。
3kVの高圧を５分間かけ、そのときの絶縁破壊までの時
間と静電容量値を調べたものであり、夫々３回行なっ
た。
ここで、実施例は、基材（１）、粘着剤層（２）、絶
縁フィルム（３）、接着剤層（４）、電極シート
（５）、導電性接着剤層（６）、絶縁誘電フィルム
（７）及び粘着剤層（８）の各厚みを夫々1.0mm,12μm,
25μm,3μm,12μm,12μm,38μm,12μｍとしたもので、
比較例１は、上記実施例のうち、絶縁誘電フィルム
（７）の厚みを25μm,粘着剤層（８）の厚みを25μｍと
したものを使用し、比較例２は、第７図で示す従来品を
使用した。
縁フィルム（３）、接着剤層（４）、電極シート
（５）、導電性接着剤層（６）、絶縁誘電フィルム
（７）及び粘着剤層（８）の各厚みを夫々1.0mm,12μm,
25μm,3μm,12μm,12μm,38μm,12μｍとしたもので、
比較例１は、上記実施例のうち、絶縁誘電フィルム
（７）の厚みを25μm,粘着剤層（８）の厚みを25μｍと
したものを使用し、比較例２は、第７図で示す従来品を
使用した。
上表で示す実験結果からもわかるとおり、実施例の場
合、３回の耐電圧実験において、絶縁破壊は生じず、静
電容量値も対極板として好ましい7nF以上得られてい
る。之に対し比較例１は、容量値の増大化はみられる
が、絶縁破壊が10〜15秒で発生してしまい、対極板とし
て使用できない。比較例２は、絶縁破壊までの時間が比
較例１よりも長くなっているが、３〜４分程度であり、
容量値も7nF以下となっている。
合、３回の耐電圧実験において、絶縁破壊は生じず、静
電容量値も対極板として好ましい7nF以上得られてい
る。之に対し比較例１は、容量値の増大化はみられる
が、絶縁破壊が10〜15秒で発生してしまい、対極板とし
て使用できない。比較例２は、絶縁破壊までの時間が比
較例１よりも長くなっているが、３〜４分程度であり、
容量値も7nF以下となっている。
上述の如く、本例によれば、電極シート（５）と絶縁
誘電フィルム（７）間に導電性接着剤層（６）を介在さ
せたので、静電容量を得る実質的な距離が、電極シート
（５）と生体（13）間の距離Ｄではなく、更に短い導電
性接着剤（６）と生体（13）間の距離ｄで決定されるこ
ととなり、静電容量が増大化する。その結果、絶縁誘電
フィルム（７）の厚みを大きくすることが可能となり、
静電容量と耐電圧の向上を同時に実現させることができ
る。それに伴ない、安全性並びに特性が向上し、医療用
の対極板として好適なものとなる。
誘電フィルム（７）間に導電性接着剤層（６）を介在さ
せたので、静電容量を得る実質的な距離が、電極シート
（５）と生体（13）間の距離Ｄではなく、更に短い導電
性接着剤（６）と生体（13）間の距離ｄで決定されるこ
ととなり、静電容量が増大化する。その結果、絶縁誘電
フィルム（７）の厚みを大きくすることが可能となり、
静電容量と耐電圧の向上を同時に実現させることができ
る。それに伴ない、安全性並びに特性が向上し、医療用
の対極板として好適なものとなる。
ところで、実際の電気メスによる手術は、第４図に示
すように、電気メス本体（21）と心電モニタ（22）とを
併用させて行なうようにしている。尚、（23）はメス先
電極である。この実際の電気メスによる手術において、
仮に対極板（Ａ）と生体（13）との接触状態が悪いと、
対極板（Ａ）による電流密度の拡散作用が悪くなって局
部的に電流が流れ、電流の流れが集中する部位において
熱傷を起こすという問題がある。また、メス先電極（2
3）からの高周波電流ｉが、生体（13）の四肢等に取付
けた心電モニタ（22）の電極（24）を通って流れ、その
電極（24）取付部位で熱傷を起こすという問題も生じ
る。
すように、電気メス本体（21）と心電モニタ（22）とを
併用させて行なうようにしている。尚、（23）はメス先
電極である。この実際の電気メスによる手術において、
仮に対極板（Ａ）と生体（13）との接触状態が悪いと、
対極板（Ａ）による電流密度の拡散作用が悪くなって局
部的に電流が流れ、電流の流れが集中する部位において
熱傷を起こすという問題がある。また、メス先電極（2
3）からの高周波電流ｉが、生体（13）の四肢等に取付
けた心電モニタ（22）の電極（24）を通って流れ、その
電極（24）取付部位で熱傷を起こすという問題も生じ
る。
そこで、本例では、第５図に示すように、電極シート
（５）を外側部（5a）と内側部（5b）に２分割し、夫々
独立に高周波電流の帰路を取る。このとき、外側部（5
a）及び内側部（5b）の面積を夫々S1及びS2、夫々の帰
路電流をi1及びi2とすると、全電流i0は、次式 i0＝i1＋i2 ‥‥（１） となる。
（５）を外側部（5a）と内側部（5b）に２分割し、夫々
独立に高周波電流の帰路を取る。このとき、外側部（5
a）及び内側部（5b）の面積を夫々S1及びS2、夫々の帰
路電流をi1及びi2とすると、全電流i0は、次式 i0＝i1＋i2 ‥‥（１） となる。
また、各帰路電流i1及びi2は、外側部（5a）及び内側
部（5b）の面積比により、次式 となる。
部（5b）の面積比により、次式 となる。
そして、上式（１）及び（２）から、各帰路電流i1及
びi2の電流量及び比についての計算値を求め、その計算
値と実測値により、対極板（Ａ）の生体（13）に対する
接触状態を早急に知ることができる。この例によれば、
電気メスの対極板として使用しながら、同時に生体（1
3）との接触状態をモニタできるため、安全性を更に向
上させることができる。
びi2の電流量及び比についての計算値を求め、その計算
値と実測値により、対極板（Ａ）の生体（13）に対する
接触状態を早急に知ることができる。この例によれば、
電気メスの対極板として使用しながら、同時に生体（1
3）との接触状態をモニタできるため、安全性を更に向
上させることができる。
本発明の電気メス用対極板によれば、静電容量と耐電
圧の向上を同時に図ることができると共に、安全性並び
に特性の向上を図ることができ、医療用の対極板として
好適なものとなる。
圧の向上を同時に図ることができると共に、安全性並び
に特性の向上を図ることができ、医療用の対極板として
好適なものとなる。
第１図は本実施例に係る電気メス用静電容量型対極板の
構成を示す分解斜視図、第２図はその断面図、第３図は
その模式的拡大断面図、第４図は電気メスの使用状態を
示す説明図、第５図は他の実施例に係る電極シートの構
成を示す平面図、第６図は電気メスの原理を示す説明
図、第７図は従来例を示す模式的断面図である。 （Ａ）は対極板、（１）は基材、（２）は粘着剤層、
（３）は絶縁フィルム、（４）は接着剤層、（５）は電
極シート、（６）は導電性接着剤層、（７）は絶縁誘電
フィルム、（８）は粘着剤層、（９）は剥離フィルムで
ある。
構成を示す分解斜視図、第２図はその断面図、第３図は
その模式的拡大断面図、第４図は電気メスの使用状態を
示す説明図、第５図は他の実施例に係る電極シートの構
成を示す平面図、第６図は電気メスの原理を示す説明
図、第７図は従来例を示す模式的断面図である。 （Ａ）は対極板、（１）は基材、（２）は粘着剤層、
（３）は絶縁フィルム、（４）は接着剤層、（５）は電
極シート、（６）は導電性接着剤層、（７）は絶縁誘電
フィルム、（８）は粘着剤層、（９）は剥離フィルムで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石渡 正之 栃木県鹿沼市さつき町18番地 ソニーケ ミカル株式会社鹿沼工場内 (72)発明者 西野 康司 栃木県鹿沼市さつき町18番地 ソニーケ ミカル株式会社鹿沼工場内 (56)参考文献 特開 昭57−188250（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−8046（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−149010（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−168317（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A61B 17/39 330
Claims (1)
- 【請求項１】電気メスにおけるメス先電極の対極として
用いられ、電極シートと絶縁誘電フィルムを有してなる
電気メス用対極板において、 上記電極シートと上記絶縁誘電フィルム間に導電性接着
剤を介在させてなる電気メス用対極板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2081711A JP2874947B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | 電気メス用対極板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2081711A JP2874947B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | 電気メス用対極板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03280946A JPH03280946A (ja) | 1991-12-11 |
| JP2874947B2 true JP2874947B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=13753977
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2081711A Expired - Lifetime JP2874947B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | 電気メス用対極板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2874947B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
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| US8777940B2 (en) * | 2007-04-03 | 2014-07-15 | Covidien Lp | System and method for providing even heat distribution and cooling return pads |
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-
1990
- 1990-03-29 JP JP2081711A patent/JP2874947B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03280946A (ja) | 1991-12-11 |
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