JP2874648B2 - 音響回流水槽計測装置 - Google Patents

音響回流水槽計測装置

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JP2874648B2
JP2874648B2 JP8156943A JP15694396A JP2874648B2 JP 2874648 B2 JP2874648 B2 JP 2874648B2 JP 8156943 A JP8156943 A JP 8156943A JP 15694396 A JP15694396 A JP 15694396A JP 2874648 B2 JP2874648 B2 JP 2874648B2
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measuring cylinder
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隆一 佐藤
健治 長沼
弘之 秋山
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BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
IHI Corp
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BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
IHI Corp
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、略環状に形成され
た空胴内に充満した水を循環させる回流水槽の計測胴内
に供試体を配置し、その供試体から発生する音を計測す
る音響回流水槽計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】船が走行するときにプロペラ等から発生
する音が大きいと渦が発生したりキャビテーション等が
発生し推進効率に影響を与える。また、海洋調査船等の
ように水中音響機器を用いて海中を調査する場合にはプ
ロペラキャビテーション雑音が問題となる。
【0003】このため船用のプロペラの低雑音化やキャ
ビテーション防止、走行中の船の静粛化を図るため、回
流水槽の水流中にプロペラや船舶モデル等の供試体を配
置し、その供試体から発生する音を計測することが行わ
れている。
【0004】図4は供試体の音を測定するための回流水
槽の外観斜視図である。
【0005】同図において、略環状に形成された空胴1
の上側中央に断面が略矩形の計測胴2が設けられてい
る。空胴1の下側中央には回流ポンプ3が設けられてお
り、この回流ポンプ3は外部に配置された電動機4で回
転駆動される。空胴1内には水が充満しており電動機4
が作動すると水が空胴1内を循環するようになってい
る。計測胴2の外部には図には示されていない計測装置
が設けられており、計測胴2内に配置された供試体(例
えばプロペラ)5から発生する音を計測するようになっ
ている。
【0006】図5は音響回流水槽計測装置の他の従来例
の断面図である(Philip A.Abbot,Stephen A.Celuzza an
d Robert.J.Etter.,THE ACOUSTIC CHARACTERISTICS OF
THENAVAL SURFACE WARFARE CENTER'S LARGE CAVITATION
CHANNEL(LCC),NCA-Vol.15/FED-Vol.168,Flow Noise Mo
deling,Measurement,and Control ASME 1993)。
【0007】この音響回流水槽計測装置は、計測胴2の
下面に音響窓21を設け、音響窓21の下側にトラフ2
2を設け、トラフ22の内壁に吸音材23を設け、吸音
材23と音響窓21の間にハイドロフォン24を面状に
複数個配置してハイドロフォンアレイ24aを形成した
ものである。供試体25で発生した音波がハイドロフォ
ンアレイ24aの各ハイドロフォン24に到達するまで
の時間には差があるので、その差を位相差として各ハイ
ドロフォン24からの信号を重ね合わせることにより指
向性をもたせることができる。また信号の位相を変える
ことにより、特定の方向からの音波を高感度でひろうこ
とができる。尚、26は背後(下)からの反射波を反射
するための反射板である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示した従来例では、音響窓21は計測胴2の一方の面に
限られるため、水流中の供試体25から四方に放射され
る音波を自在に補足することは困難である。また、音響
窓21が設けられた面以外の計測胴2の内壁で反射され
た音波が重畳するため、ハイドロフォンアレイ24aの
指向性を利用した供試体25の音源の位置解析が難しい
という問題があった。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、回流水槽の水流中に置かれた種々の供試体から発生
する音を、背景雑音から分離して高感度で計測し、か
つ、音源の位置の解析が容易な音響回流水槽計測装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、略環状に形成された空胴内に充満した水
を循環させる回流水槽の計測胴内に供試体を配置し、そ
計測胴を音波を透過しやすい材質で構成し、計測胴の
周囲に計測胴を取り囲むように吸音トラフを設け、計測
胴と吸音トラフとの間に多数のハイドロフォンを計測胴
を取り囲むとともに水の流れ方向に沿って所定の間隔で
面状に配置して供試体から発生する音を計測する音響回
流水槽計測装置において、吸音トラフを、計測胴の上下
面及び両側面をそれぞれ覆う箱状の筐体と、筐体内に水
の流れ方向に沿うように所定の間隔で設けられた多孔性
のゴムからなる複数の楔型の吸音材とで構成し、計測胴
に着脱自在かつ内部を水で充満できるようにしたもので
ある。
【0011】
【0012】上記構成によって、供試体から発生した音
波が計測胴を透過して、計測胴の周囲に配置された各ハ
イドロフォンに到達する。供試体で発生した音波がハイ
ドロフォンアレイの各ハイドロフォンに到達するまでの
時間には差があるので、その差を位相差として各ハイド
ロフォンからの信号を重ね合わせることにより指向性を
もたせることができる。ハイドロフォンは計測胴の周囲
に配置されているので、供試体の音源を四方から立体的
につきとめることができる。他方、各ハイドロフォンの
背後に伝搬した音波は吸音トラフの吸音材に吸収される
ので、吸音トラフでの反射波がハイドロフォンに到達す
ることがなく、高S/N比が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0014】図1は本発明の音響回流水槽計測装置の一
実施の形態を示す断面図であり、図2は図1に示した音
響回流水槽計測装置の拡散分解図である。図3は矢印A
方向の矢視断面図である。
【0015】図1に示す計測胴30は、略U字形状の耐
圧殻31と耐圧殻31を塞ぐ耐圧殻上蓋32とで構成さ
れ、耐圧殻31の下面、両側面及び耐圧殻上蓋32には
それぞれ観測窓33,34,35,36が設けられてい
る。耐圧殻31、耐圧殻上蓋32及び観測窓33,3
4,35,36には、音波を透過しやすい材質(例えば
アクリル等、水と音響インピーダンスが略等しいもの、
アルミハニカム材を用いてもよい)が用いられている
(ここで「音波を透過しやすい」とは音波が反射や屈折
等をほとんど伴わずに透過することを意味する)。
【0016】計測胴30の上下両側面には吸音トラフ3
7,38,39が設けられており、吸音トラフ37,3
8,39の内側には複数の楔型の吸音材40が設けられ
ている。吸音材40と計測胴30との間には断面L字状
のハイドロフォン取付台41と平板状のハイドロフォン
取付台42,47が設けられており、ハイドロフォン取
付台41,42には多数(図では24個であるが限定さ
れない)のハイドロフォン43が所定の間隔で配置され
ている。
【0017】吸音トラフ37,38,39、吸音材4
0、ハイドロフォン取付台41,42及びハイドロフォ
ン43で上部計測トラフ44及び下部計測トラフ45,
46が構成されており、各計測トラフ44,45,46
は計測胴30に着脱自在に取り付けられるようになって
おり、各計測トラフ44,45,46内は水で充満する
ようになっている。
【0018】図2において、耐圧殻上蓋32に取り付け
られる上部計測トラフ44の吸音トラフ37は略箱状に
形成されており、その内側には複数(図では9枚である
が限定されない)の多孔性ゴムからなる吸音材40が配
置され、吸音トラフ37の吸音材40と耐圧殻上蓋32
と一致する面との間には平板状のハイドロフォン取付台
47が破線で示す支持部材48を介して取り付けられて
いる。このハイドロフォン取付台47には5個(図では
5個であるが限定されない)のハイドロフォン43が所
定の間隔で配置されている。
【0019】図3に示すように、上部計測トラフの下面
が開口した箱状の吸音トラフ37内には、複数(図では
6枚であるが限定されない)の吸音材40が一定の間隔
を隔てて互いに平行、かつ耐圧殻上蓋32に対して垂直
になるように配置されている。すなわち、5枚×6枚の
吸音材40が面状に配置されている。吸音トラフ37の
前面及び後面には略矩形状の吸音材49が貼り付けられ
ている。吸音材40と耐圧殻上蓋32と一致する面との
間には複数(例えば7個)のハイドロフォン43が水の
流れ方向(矢印B方向、図1及び図2では紙面に垂直な
方向)に対して所定の間隔を隔てて、吸音トラフ37か
らの固体振動伝搬を遮断するため防振ゴムを介して配置
されている。尚、吸音材40の高さhは吸収すべき背景
雑音となる音波(反射波)の波長λN に等しく、間隔S
1 はその音波の半波長(λN /2)に等しいのが好まし
い。また、ハイドロフォン43の間隔S2 は計測すべき
音波の半波長(λS /2)に等しいのが好ましい。
【0020】図2において、耐圧殻31の左側の側面と
下面とに取り付けられる吸音トラフ38は略断面L字状
に形成されており、その内側には複数(図では15枚で
あるが限定されない。)の吸音材40が配置されてい
る。吸音材40は図では15枚だけ示されているが、水
の流れ方向に沿って一定の間隔(λN /2)を隔てて6
枚ずつ配置されている(計90枚)。
【0021】吸音トラフ38の吸音材40と耐圧殻31
と一致する面との間には略断面L字状のハイドロフォン
取付台41が設けられており、このハイドロフォン取付
台41には複数(図では13個であるが限定されな
い。)のハイドロフォン43が配置されている。ハイド
ロフォン43は図では13個だけ示されているが、水の
流れ方向に沿って一定の間隔を隔てて7個ずつ配置され
ている(計91個)。
【0022】耐圧殻31の右側の側面に設けられた吸音
トラフ39は平板状に形成されており、その内側には複
数(図では6枚であるが限定されない。)の吸音材40
が配置されている。吸音トラフ39の吸音材40と耐圧
殻31と一致する面との間には平板状のハイドロフォン
取付台42が設けられており、このハイドロフォン取付
台42には複数(図では6個であるが限定されない。)
のハイドロフォン43が所定の間隔で配置されている。
ハイドロフォン43は図では6個だけ示されているが、
水の流れ方向に沿って一定の間隔を隔てて7個ずつ配置
されている(計42個)。各計測トラフ44,45,4
6にはそれぞれ給水管50及び排水管51が接続されて
いる。
【0023】このような音響回流水槽計測装置を組み立
てた後、計測胴内に供試体としての破線で示すプロペラ
52と、船体の模型(プロペラが複数(2つ)ある場合
の船尾の一部)53とを配置し、電動機4(図4参照)
を作動させるととともにプロペラ52を図示しない回転
機構により回転させるとプロペラ52から音波が発生す
る。プロペラ52から発生した音波は計測胴30を透過
して、計測胴30の周囲に配置された各ハイドロフォン
43に到達する。プロペラ52で発生した音波がハイド
ロフォンアレイ43a,43b,43cの各ハイドロフ
ォン43に到達するまでの時間には差があるので、その
差を位相差として各ハイドロフォン43からの信号を重
ね合わせることにより指向性をもたせることができる。
ハイドロフォン43は計測胴30の周囲に配置されてお
り、船体の模型53が配置されるので、実際の走行に近
い条件でプロペラ52の音源を四方から立体的につきと
めることができる。
【0024】他方、各ハイドロフォン43の背後に伝搬
した音波は計測トラフ44,45,46の吸音材40に
吸収されるので、計測トラフ44,45,46での反射
波がハイドロフォン43に到達することがなく、高S/
N比が得られる。
【0025】このように構成したことで、回流水槽の水
流中に置かれたプロペラ52から発生する音を、背景雑
音から分離して高感度で計測し、かつ、音源の位置の解
析が容易に行える。また、計測トラフ44,45,46
が複数(3個)に分解できるので、メンテナンスが容易
であり、分解した後は計測胴30を従来と同様に使用す
ることができる。
【0026】尚、本実施の形態では上部計測トラフ44
と両下部計測トラフ45,46とを計測胴に装着した場
合について説明したが、上下いずれか一方だけでもよ
い。また、供試体として4枚羽のプロペラ52を用いた
が、これに限定されるものではなく、3枚以下、5枚以
上のプロペラを用いてもよい。さらに、模型53として
プロペラが複数(2つ)ある場合の船尾の一部を用いた
が、限定されるものではなくプロペラが1枚の場合の船
尾(略半円断面状)の一部を用いてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0028】計測胴が音波を透過しやすい材質からな
り、計測胴の周囲に計測胴を取り囲むように吸音トラフ
を設けるとともに、計測胴と上記吸音トラフとの間に多
数のハイドロフォンを計測胴を取り囲むとともに水の流
れ方向に沿って所定の間隔で面状に配置したので、回流
水槽の水流中に置かれた種々の供試体から発生する音
を、背景雑音から分離して高感度で計測することがで
き、かつ、音源の位置の解析が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響回流水槽計測装置の一実施の形態
を示す断面図である。
【図2】図1に示した音響回流水槽計測装置の拡散分解
図である。
【図3】図1に示した上部計測トラフの矢視断面図であ
る。
【図4】供試体の音を測定するための回流水槽の外観斜
視図である。
【図5】音響回流水槽計測装置の他の従来例の断面図で
ある。
【符号の説明】
30 計測胴 37,38,39 吸音トラフ 40 吸音材 43 ハイドロフォン 52 供試体(プロペラ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平4−85145(JP,U) Ahilip A.Abbot,St ephen A.Celuzza an d Robert.J.Etter., THE ACOUSTIC CHARA C TERISTICS OF THE NAVAL SURFACE WAR FARE CENTER’S LARG E CAVITATION CHANN EL(LCC),NCA−Vol.15 /FED−Vol.168,Flow N oise Modeling,Meas urement,and Contro l ASME 1993 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 10/00 G10K 11/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略環状に形成された空胴内に充満した水
    を循環させる回流水槽の計測胴内に供試体を配置し、そ
    計測胴を音波を透過しやすい材質で構成し、計測胴の
    周囲に計測胴を取り囲むように吸音トラフを設け、上記
    計測胴と上記吸音トラフとの間に多数のハイドロフォン
    を上記計測胴を取り囲むとともに水の流れ方向に沿って
    所定の間隔で面状に配置して上記供試体から発生する音
    を計測する音響回流水槽計測装置において、吸音トラフ
    を、計測胴の上下面及び両側面をそれぞれ覆う箱状の筐
    体と、筐体内に水の流れ方向に沿うように所定の間隔で
    設けられた多孔性のゴムからなる複数の楔型の吸音材と
    で構成し、計測胴に着脱自在かつ内部を水で充満できる
    ようにしたことを特徴とする音響回流水槽計測装置。
JP8156943A 1996-06-18 1996-06-18 音響回流水槽計測装置 Expired - Lifetime JP2874648B2 (ja)

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US4789502A (en) * 1986-11-24 1988-12-06 Shell Oil Company Carboxylic acid production
KR101508984B1 (ko) * 2014-02-17 2015-04-07 한국해양과학기술원 모듈형 관측부가 구비된 대형 캐비테이션 터널
CN110763323A (zh) * 2019-10-25 2020-02-07 哈尔滨工程大学 一种基于声波全反射的低频噪声测量装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Ahilip A.Abbot,Stephen A.Celuzza and Robert.J.Etter.,THE ACOUSTIC CHARAC TERISTICS OF THE NAVAL SURFACE WARFARE CENTER’S LARGE CAVITATION CHANNEL(LCC),NCA−Vol.15/FED−Vol.168,Flow Noise Modeling,Measurement,and Control ASME 1993

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