JP2869630B2 - 囲繞体並びに容器並びにパルプを主原料としたシート板材の連結構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、組み立て分解が簡易な
囲繞体並びに容器並びにパルプを主原料としたシート板
材の連結構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら適宜な部材で形成された周壁と底板とから成る容器が
種々提案されている。

【０００３】例えばプラスチック製にして周壁及び底板
が一体成型された平面視方形状の容器がある。

【０００４】この容器は当然のことながら組み立て分解
は不可能であり、運搬に際してかさ張るという欠点があ
る。

【０００５】そこで、４枚のプラスチック製の方形状の
周壁板材31を図１，２に図示したような係止手段32ａ，
32ｂにより連結し、更に、底板材を適宜な手段で連結し
た容器が提案されている（図１は連結前、図２は連結後
である。）。

【０００６】この図１，２に図示した係止手段32ａ，32
ｂを具備した容器は各周壁板材を、一度連結すると簡単
には分解できないという欠点を有している他、係止手段
32ｂが係止手段32ａを貫通し、周壁板材31から突出して
しまい、外観上好ましくないという欠点も有している。

【０００７】本発明はこのような欠点を解決した囲繞体
並びに容器並びにパルプを主原料としたシート板材の連
結構造を提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。

【０００９】板状体１の端縁同志を連結してなる囲繞体
であって、板状体１の一方の端縁１ａから所定の距離Ｌ
₁の位置に段差部５を設け、この段差部５に窓孔２を形
成し、一方、板状体１の他方の端縁１ｂに差し込み突片
３を設け、この差し込み突片３に該差し込み突片３を前
記窓孔２に嵌入した際、該窓孔２の縁にその端縁が係止
される係止突片６を形成し、該係止突片６の差し込み突
片３基面からの突出量Ｌ₂と前記窓孔２の巾Ｌ₃及び厚さ
Ｌ₄とを、板状体１の一方の端縁１ａに対して板状体１
の他方の端縁１ｂを略９０°の角度にした際、窓孔２に
対しての差し込み突片３の抜き差しは自在となり、ま
た、板状体１の一方の端縁１ａと板状体１の他方の端縁
１ｂとを略直線状にした際、窓孔２内に嵌入されている
差し込み突片３の係止突片６が該窓孔２の縁に係止され
抜け不能状態となる突出量Ｌ₂と巾Ｌ₃及び厚さＬ₄とに
設定したことを特徴とする囲繞体に係るものである。

【００１０】また、請求項１記載の囲繞体において、方
形状の囲繞体とすべく、板状体１に４ケ所の直角状角部
を設け、直角状角部間に一方の端縁１ａと他方の端縁１
ｂとを位置せしめたことを特徴とする囲繞体に係るもの
である。

【００１１】また、請求項１，２いずれか１項に記載の
囲繞体に底板４を着脱自在に設けたことを特徴とする容
器に係るものである。

【００１２】また、プレスによる切断加工やプレスによ
る屈曲加工が可能なパルプを主原料とした保形性を有す
るシート板材１の連結構造であって、シート板材１の一
方の端縁１ａに該シート板材１の厚さに略等しい段差の
段差部５を該端縁１ａより所定の距離Ｌ₁を置いて該端
縁１ａと平行に設け、この段差部５にシート板材１の厚
さより少し広い窓孔２を複数個所定の間隔を置いて直列
状態に穿設し、当該シート板材１の他方の端縁１ｂに窓
孔２に挿入される複数個の差し込み突片３を該端縁１ｂ
に板材面と面一状態で突設し、この差し込み突片３の一
部をコ字状に切離し、頂部をシート板材１の他方の端縁
１ｂと平行にして裏側に少し傾斜状態に突出せしめるこ
とで係止突片６を形成し、シート板材１の段差部５から
一方の端縁１ａまでの距離Ｌ₁の部分を支承部７とし、
シート板材１の差し込み突片３をシート板材１の窓孔２
に嵌入して係止突片６を該窓孔２の外側内縁に係止せし
めることでシート板材１の一方の端縁１ａとシート板材
１の他方の端縁１ｂとを引き抜くときには両者分離不能
に、また、シート板材１の一方の端縁１ａに対してシー
ト板材１の他方の端縁１ｂを直角状態にして引き抜くと
きには両者分離可能に設けたことを特徴とするパルプを
主原料としたシート板材の連結構造に係るものである。

【００１３】また、請求項４記載のパルプを主原料とし
たシート板材１の連結構造により方形状の囲繞体８を形
成し、この囲繞体８に底板４を付設したことを特徴とす
る容器に係るものである。

【００１４】

【本発明の作用並びに効果】板状体１の一方の端縁１ａ
の段差部５に形成した窓孔２に他方の端縁１ｂに設けた
差し込み突片３を嵌入し、係止突片６の係止作用により
一方の端縁１ａと他方の端縁１ｂとを連結して囲繞体８
を組み立てる。

【００１５】本発明は上述のように構成したから、組み
立て分解が非常に簡易に行える囲繞体並びに容器並びに
パルプを主原料としたシート板材の連結構造を提供し得
ることになる。

【００１６】

【発明の実施の形態】図３〜８は本発明の一実施例を図
示したもので以下に説明する。

【００１７】本実施例は、平面視方形状の紙製のプラン
ターであり、このプランターは北越製紙(株)製の「パス
コ」がその素材として使用されている。

【００１８】このパスコは適度な強度と保形性を有し軽
量でありプレスによる切断加工やプレスによる屈曲加工
が可能であり、また、このパスコは紙である故に適度な
吸水性，吸湿性に秀れ、よって、本発明をプランターと
して実施する為の素材としては最適であるとともに該パ
スコを採用することにより本実施例に係るプランターは
非常に簡易且つ効率的に製造し得ることになる。

【００１９】尚、このパスコに関する技術は、特公昭５
３−４３２０９号に開示されている。

【００２０】本実施例は、このパスコを使用して作成さ
れるものであって、４つの角部を形成する為の４つの屈
曲部１'を設けたシート板材１と、底板４と、受け皿９
とで構成される。符号14は折曲部である。

【００２１】シート板材１は、一方の端縁１ａから距離
Ｌ₁の位置に段差部５が形成されており、この段差部５
には２つの窓孔２が所定間隔を置いて穿設されている。

【００２２】一方、他方の端縁１ｂには前記窓孔２に嵌
入し得る２つの差し込み突片３が突設されている。この
各差し込み突片３にはその一部がコ字状に切離され、差
し込み突片３の裏側へ切り起こされて差し込み突片３の
基面に対して傾斜状態で突出する係止突片６が形成され
ている。

【００２３】この係止突片６の差し込み突片３の基面か
らの突出量Ｌ₂と前記窓孔２の巾Ｌ_３及び厚さＬ_４とは
所定の関係に設定されており、よって、シート板材１の
一方の端縁１ａに対してシート板材１の他方の端縁１ｂ
を略９０°の角度にした際、窓孔２に対しての差し込み
突片３の抜き差しは自在となり、また、シート板材１の
一方の端縁１ａとシート板材１の他方の端縁１ｂとを直
線状にした際、窓孔２に嵌入されている差し込み突片３
の係止突片６が該窓孔２の縁に係止され窓孔２に対し差
し込み突片３は抜け不能状態となる。この場合、支承部
７（段差部５から一方の端縁１ａまでの距離Ｌ₁の部
分）によりシート板材１の他方の端縁１ｂは支承され
る。

【００２４】尚、符号12は内側へ折曲する折曲片，13は
通気窓である。

【００２５】このように１枚のシート板材１の一方の端
縁１ａの窓孔２にシート板材１の他方の端縁１ｂの差し
込み突片３をシート板材１の一方の端縁１ａに対して直
交する方向から挿入し（シート板材１の一方の端縁１ａ
を内側に押圧して折曲し、一方の端縁１ａが他方の端縁
１ｂに対して略９０°となるようにしておく。）、続い
て、シート板材１の一方の端縁１ａとシート板材１の他
方の端縁１ｂとを一方の端縁１ａを元に戻して面一状態
（直線状）にすると、該差し込み突片３に係る係止突片
６は窓孔２の縁に係止され、抜け不能状態となる。即
ち、シート板材１の他方の端縁１ｂをシート板材１の一
方の端縁１ａに対して引動しても該一方の端縁１ａと他
方の端縁１ｂとの連結は保持される（シート板材１の一
方の端縁１ａに対しシート板材１の他方の端縁１ｂを略
９０°の状態にせず、直線状の状態でも差し込み突片３
を窓孔２に挿入することは可能である。）。

【００２６】このシート板材１の一方の端縁１ａとシー
ト板材１の他方の端縁１ｂとの連結により形成される囲
繞体８に底板４を付設すると平面視方形状のプランター
が出来る。

【００２７】尚、シート板材１の一方の端縁１ａとシー
ト板材１の他方の端縁１ｂとの分解は上記と逆の手順に
よる。即ち、シート板材１の一方の端縁１ａを内側に押
圧して該一方の端縁１ａとシート板材１の他方の端縁１
ｂとを略９０°となるようにして差し込み突片３を窓孔
２から抜き取ることになる。

【００２８】符号10はシート板材１の所定位置に所定間
隔を置いて２本の切離線を形成し、この切離線間を内側
へ押圧して形成される嵌入部であって、囲繞体８内に上
方から底板４を挿入し、該底板４の折曲垂下片４ａを該
嵌入部10に嵌入する。また、11は通気通水孔である。

【００２９】よって、本実施例に係るプランターは組み
立て分解が非常に簡易であり、運搬時に際しては分解し
た状態で運搬して店頭に陳列する。そして、購入者は分
解されている本実施例に係るプランターを購入し、必要
に応じて簡易に組み立てて、砂、土、植物を入れて使用
し得ることになる。

【００３０】また、本実施例に係るプランターは図１，
２に図示した従来例とは異なり外面から連結手段が突出
したりもせず、この点において外観上、非常に良好なプ
ランターとなる。

【００３１】また、本実施例に係るプランターは見た目
は紙製である為、非常に変わった感じのプランターとな
り、それだけ購買欲をそそる商品になるとともに紙製故
に、そのまま土中に廃棄することもできることとなる。
しかし、紙製とはいえ所定の強度を有する為、耐久的に
使用できる秀れたプランターとなる。

【００３２】以上、本実施例は実用性に秀れたプランタ
ーとなる。

【００３３】尚、囲繞体８は、本実施例のように角部を
４箇所設けた平面視方形状のものだけに限らず、角部を
３箇所設けた平面視三角形状のもの等、適宜設計し得る
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の説明斜視図である。

【図２】従来例の説明斜視図である。

【図３】本実施例の分解斜視図である。

【図４】本実施例の要部の平断面図である。

【図５】本実施例の要部の縦断面図である。

【図６】本実施例のシート板材の正面図である。

【図７】本実施例の要部の平断面図である。

【図８】本実施例の使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ｌ₁ 距離 Ｌ₂ 突出量 Ｌ₃ 巾 Ｌ₄ 厚さ １ 板状体・シート板材 １ａ 一方の端縁 １ｂ 他方の端縁 ２ 窓孔 ３ 差し込み突片 ４ 第一角部 ５ 段差部 ６ 係止突片 ７ 底板 ８ 囲繞体

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状体の端縁同志を連結してなる囲繞体
   であって、板状体の一方の端縁から所定の距離の位置に
   段差部を設け、この段差部に窓孔を形成し、一方、板状
   体の他方の端縁に差し込み突片を設け、この差し込み突
   片に該差し込み突片を前記窓孔に嵌入した際、該窓孔の
   縁にその端縁が係止される係止突片を形成し、該係止突
   片の差し込み突片基面からの突出量と前記窓孔の巾及び
   厚さとを、板状体の一方の端縁に対して板状体の他方の
   端縁を略９０°の角度にした際、窓孔に対しての差し込
   み突片の抜き差しは自在となり、また、板状体の一方の
   端縁と板状体の他方の端縁とを略直線状にした際、窓孔
   内に嵌入されている差し込み突片の係止突片が該窓孔の
   縁に係止され抜け不能状態となる突出量と巾及び厚さと
   に設定したことを特徴とする囲繞体。
2. 【請求項２】 請求項１記載の囲繞体において、方形状
   の囲繞体とすべく、板状体に４ケ所の直角状角部を設
   け、直角状角部間に一方の端縁と他方の端縁とを位置せ
   しめたことを特徴とする囲繞体。
3. 【請求項３】 請求項１，２いずれか１項に記載の囲繞
   体に底板を着脱自在に設けたことを特徴とする容器。
4. 【請求項４】 プレスによる切断加工やプレスによる屈
   曲加工が可能なパルプを主原料とした保形性を有するシ
   ート板材の連結構造であって、シート板材の一方の端縁
   に該シート板材の厚さに略等しい段差の段差部を該端縁
   より所定の距離を置いて該端縁と平行に設け、この段差
   部にシート板材の厚さより少し広い窓孔を複数個所定の
   間隔を置いて直列状態に穿設し、当該シート板材の他方
   の端縁に窓孔に挿入される複数個の差し込み突片を該端
   縁に板材面と面一状態で突設し、この差し込み突片の一
   部をコ字状に切離し、頂部をシート板材の他方の端縁と
   平行にして裏側に少し傾斜状態に突出せしめることで係
   止突片を形成し、シート板材の段差部から一方の端縁ま
   での距離の部分を支承部とし、シート板材の差し込み突
   片をシート板材の窓孔に嵌入して係止突片を該窓孔の外
   側内縁に係止せしめることでシート板材の一方の端縁と
   シート板材の他方の端縁とを引き抜くときには両者分離
   不能に、また、シート板材の一方の端縁に対してシート
   板材の他方の端縁を直角状態にして引き抜くときには両
   者分離可能に設けたことを特徴とするパルプを主原料と
   したシート板材の連結構造。
5. 【請求項５】 請求項４記載のパルプを主原料としたシ
   ート板材の連結構造により方形状の囲繞体を形成し、こ
   の囲繞体に底板を付設したことを特徴とする容器。