JP2869042B2 - 液状またはペースト状の生成物を貯蔵し、その所定量を分配する装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液状またはペース
ト状の生成物を貯蔵し、該生成物を所定量だけ分配する
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】例え
ば研究所において、生成物を空気から隔離するととも
に、必要時に取り出すための従来の方法は、シールされ
た複数の容器内に生成物を貯蔵し、必要に応じて、一の
容器を開口して殺菌されたピペットを使用して生成物を
取り出すものである。

【０００３】この方法は、不便で、しかも生成物を適正
に保存できないという欠点を有する。何故なら、ピペッ
トが殺菌されていても、容器を開けることによって生成
物は大気と接触し、この結果、生成物が汚されるからで
ある。

【０００４】この欠点を克服するために、生成物を入れ
た容器を収容することができるシールケースと、該シー
ルケースに収容できるようにサイズ決めされており貯蔵
される生成物が入れられる複数の容器とを備える貯蔵・
取出し装置がいくつか提案された。

【０００５】各シールケースはその上部が開口してお
り、その部分にストッパを備えている。ディップチュー
ブが該ストッパに通されており、生成物内にまで侵入し
ているとともに、容器およびシールケースの外側にまで
延びている。

【０００６】さらに、容器の内側は、容器内の生成物レ
ベルよりも上方に位置する空気路を介して、シールケー
スの内側と連通している。

【０００７】容器の内側が加圧されると、容器内の生成
物がこの圧力を受けて、ディップチューブを通って外部
へ移動する。

【０００８】生成物の貯蔵という観点からは、このよう
な貯蔵・取出し装置は完全に満足できるものである。何
故なら、生成物を取り出しても、貯蔵されている生成物
は外気と接触せず、生成物近傍にまで接近するのはシー
ルケース内に導入される圧縮空気のみであるから、この
空気を無菌状態とするのは容易だからである。

【０００９】しかしながら、この知られた装置は、容器
からの生成物の取出し量に関しての信頼性が低い。本発
明は、特にこの問題を解決するものである。

【００１０】

【発明の開示】本発明は、液状またはペースト状の生成
物を貯蔵し、その所定量を分配する装置に関する。本発
明の装置は、生成物を入れる上部が開口した容器を少な
くとも１つ、該容器を閉じるストッパ、該ストッパを通
過して生成物内へと延びるとともに容器外側にまで延在
しているディップチューブ、および前記容器を受け入れ
て該容器に外部圧力よりも高い圧力を負荷するシールケ
ースを備えており、シールケースのボトムが計量要素を
備えていることを特徴とする。この計量要素は、シール
ケース内に配置された容器の重量を計る。

【００１１】したがって次のことが理解できる。すなわ
ち、シールケースを加圧することにより容器から取り出
される生成物の量を、容器の重量を計ることによって計
量することができる。

【００１２】このようにして、容器からどれくらいの量
の生成物が取り出されたのかを、いつでも正確に知るこ
とができる。

【００１３】本発明の有利な一例においては、計量要素
は、シールケース加圧手段の制御システムに接続され
る。この制御システムは、容器の重量変化と容器から取
り出されるべき生成物の所定量に対応する設定値との比
較を行う。そして、容器の重量変化がこの設定値に達す
ると、シールケースの加圧を停止する。

【００１４】この例においては、生成物の所定量の取出
しは自動的に行なわれる。これにより、所要量よりも多
くの生成物が取り出されることが防止できる。

【００１５】さらに、このような自動的な操作は、本発
明の装置を自動化された生成物分配システムに組み込む
のに特に適している。この分配システムは、それぞれが
ストッパによって閉じられる複数の容器、全ての容器に
共通のシールケース、および操作アームを備えてなる。
操作アームは、所望の生成物が入っている容器を把み、
生成物の適正な取出しのために該容器をシールケース内
に運び、そして、シールケース内の容器を把んで該容器
を元の位置に戻すことができる。

【００１６】容器をシールケース内へ運ぶこと(特に、
このことが操作アームを使用して自動的に行なわれる場
合に)を容易にするために、本発明の一例においては、
シールケースはその上部において開口しており、その底
部にはリフト手段が設けられている。リフト手段は、例
えば、空気式のジャッキであって、シールケースのボト
ムを上部の開口部付近にまで持ち上げることができる。

【００１７】このように、スタンバイ位置においては、
シールケースのボトムは、シールケースの開口部付近に
位置しており、したがって、ユーザーまたは操作アーム
が単に容器を降ろすだけで該容器を受け取ることができ
る。

【００１８】リフト手段を作動させてシールケースのボ
トムを下げることによって、容器はシールケース内へと
導入される。

【００１９】取出し操作が完了すると、シールケースの
ボトムを上昇させることによって、容器はシールケース
外部へと運ばれる。そして、該容器はユーザーまたは操
作アームによって再度把まれる。

【００２０】本発明の一例においては、ストッパは軸方
向の遊びをもって容器上に取り付けられる。つまり、ス
トッパは自在に容器から僅かに離れることができ、こう
して、容器内外をつなぐ空気路が形成される。

【００２１】ディップチューブは、ストッパが容器を閉
じたときに容器底面に接触し、ストッパが容器から離れ
たときに容器底面から離れることが好ましい。

【００２２】その場合、ストッパが容器を閉じたときデ
ィップチューブが容器底部に接触して塞がれるので、容
器のシール状態は確保される。

【００２３】ストッパが容器から離れたとき、容器の開
口部とストッパとの間に空気路が形成され、ディップチ
ューブも解放されている。

【００２４】本発明の一例においては、シールケースは
その上部において開口しており、ストッパはシールケー
ス内に置かれた容器上に配置されたときにシールケース
を閉じるような寸法とされている。

【００２５】この例においては、シールケースを閉じる
方法をかなり簡単化して、生成物の自動的な取出しを容
易化できるという利点を有する。

【００２６】この例においては、シールケースは、その
底部に容器があるときには、ストッパがシールケース上
に位置することにって容器から離れるように移動するこ
ととなるような寸法とされている。

【００２７】これによって、シールケースを閉じること
だけでなく、容器を単にシールケース内に入れることで
該容器が自動的に開くことが確実とされる。

【００２８】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態を添付の図面を
参照して以下に説明する。以下の実施形態は、本発明を
限定するものではない。

【００２９】図示した装置はガラス製の容器１を備えて
おり、容器１は、その上部に開口部２を有している。開
口部２は、ネック部３に囲まれている。

【００３０】ストッパ４が容器１のネック部３上に配置
されており、開口部２を閉じている。ストッパ４は、２
つの部分から構成されている。すなわち、容器１を覆う
蓋５と、容器１のネック部３の周囲に嵌め合わされるス
リーブ６とである。

【００３１】蓋５は、スリーブ６の周囲に嵌め合わされ
るスカート部５aを有している。スリーブ６は、正反対
の位置に配置されて外側に向かって延びる２つのスタブ
７を備えている。各スタブ７は、蓋５のスカート部５a
に形成された軸方向凹部８内に延びている。

【００３２】このように、蓋５はスリーブ６に対して遊
びをもって取り付けられており、図２に示したように、
蓋５はスリーブから遠ざかるように移動することができ
る。

【００３３】図１に示した閉じた位置においては、スリ
ーブ６の上端部９が蓋５下面の対応する環状の支持面10
と接触することによって、蓋５とスリーブ６との間のシ
ールが確保される。この場合、スリーブ上端部９と環状
支持面10との間の接触力は、蓋５の重量のみによって与
えられる。

【００３４】スリーブ６は、その端部においてネック部
３とスナップ係合する。ネック部３は、このスナップ係
合のためのリブ11を備えている。

【００３５】ディップチューブ12がストッパ４を通過し
て設けられている。ディップチューブ12は、ニップル13
を介してストッパ４に取り付けられている。ニップル13
は、蓋５の上面中央部に形成された凹部内に固定されて
いる。

【００３６】ディップチューブ12の高さは、図１に示し
たように蓋５が閉じた状態にあるとき、その端部12aが
容器１の底壁１aの表面上に位置することとなるように
設定される。

【００３７】このように、単にディップチューブ下端部
12aを容器底面１aと接触させることによって、ディップ
チューブ12を閉じることができる。

【００３８】ニップル13は、チューブの端部を受け入れ
るように、または、容器１から取り出された生成物を受
け入れる外部容器(図示せず)の端部を受け入れるよう
に、設計されている。

【００３９】シールケース14は、その上部フランジ17に
よって動作表面15に取り付けられる。フランジ17は、マ
ウント16によって動作表面15に取り付けられる。

【００４０】シールケース14には内部空間18が形成され
ており、該空間内にはボトム19が設けられている。この
ボトム19は、リフト手段を作動させると上部位置と下部
位置との間を軸方向に移動する。リフト手段としては、
空気式のジャッキ(図示せず)等がある。

【００４１】このボトム19のシャフト19aは、その上端
が第１プレート19bにまで延びている。第１プレート19b
の下面に設けられた凹部内にはガスケット20が配置され
ている。ガスケット20は、図２に示したようにボトムが
下部位置にあるときに、シールケース14をシールする。

【００４２】ダイナモメトリックセンサ21が第１プレー
ト19bに取り付けられており、第２プレート22を支持し
ている。第２プレート22は容器１を支持する。

【００４３】２つのプレート19b、22およびダイナモメ
トリックセンサ21により構成されるアッセンブリは、ボ
トム19に継続的に作用する容器１の重量を計る計量要素
を構成する。

【００４４】この装置は、以下のようにして使用する。

【００４５】容器１内の液状生成物23の所定量を取り出
すために(この量はウエイトと呼ばれる)、ボトム19を図
１に示したように上部位置とした状態で容器１がプレー
ト22上に置かれる。

【００４６】次に、リフト手段が作動してボトム19を下
部位置へと移動させる。こうして、ボトム19は、図２に
示したように、容器１とともにシールケース内部へと移
動する。

【００４７】第１プレート19bの下面がシールケースの
底壁14aと接触すると、ボトム19は下部位置に位置し、
ガスケット20がシールケース下部を確実に密閉する。

【００４８】またこのとき、ストッパ４の蓋５がシール
ケースの上端部24に圧接して、シールケース上部を確実
に密閉する。

【００４９】保持要素(図示せず)によって、蓋５がその
位置にロックされる。保持要素は、例えば、空気を利用
して制御されるものである。

【００５０】図２は、下部位置にあるボトム19を示して
いる。また、容器１は蓋５から離れている。さらに詳し
く説明すると、容器１のネック部３に連結されたスリー
ブ６は容器１とともにシールケース内部へと下降してい
るが、蓋５はシールケースの上端部24と当接しているの
で下降していない。この結果、蓋５とスリーブ６との間
に空間が形成される。このことは、スタブ７が凹部８内
で摺動自在であるが故に可能である。

【００５１】この空間は、容器１の内部とシールケース
内の空間18との間に空気路を構成する。したがって、オ
リフィス25を介して空間18内に圧縮空気が導入される
と、液体生成物23は過剰な圧力にさらされ、ディップチ
ューブ12を通して容器外へと移動する。

【００５２】容器１の壁部はシールケース内において圧
力平衡の状態にあり、生成物23が高粘度である場合に要
求される高圧にも耐えることができる。

【００５３】この操作の間、容器１および液体生成物23
の重量は計量要素19b、21、22によって継続的に計量さ
れており、したがって、容器１から取り出された生成物
の量は容器の重量変化を計算することによって測定する
ことができる。シールケース内に圧力を生じさせる手段
を制御するシステム(図示せず)を計量要素に接続するこ
ともできる。このような制御システムとしては、例え
ば、殺菌された圧縮空気リザーバに接続されたバルブ等
がある。

【００５４】そのような制御システムは、容器１の重量
の変化と取り出されるべき生成物の所定量に対応する設
定値とを比較する。容器の重量変化が設定値に達したと
き、制御システムは、シールケース14の加圧を中断す
る。この結果、ディップチューブ12を介した生成物23の
取出しが停止される。このようにして、正確な量の生成
物を完全に自動的に取り出すことができる。

【００５５】蓋５はシールケースの上端部にロックされ
ており、また、ディップチューブ12は蓋５に固定されて
いるので、計量要素は、蓋に作用した場合に計量を妨げ
るであろういかなる力のいかなる作用にも影響されるこ
とがない。これらの力は、チューブの存在に起因するも
の、または、容器１から取り出された生成物を受け入れ
るために設けられる前記外部容器の端部がニップル13と
係合していることに起因するものである。

【００５６】ここに説明した具体例は、勿論、本発明の
本質を限定するものではなく、本発明の範囲から逸脱す
ることなく多くの変更を為すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の装置の軸方向断面図である。

【図２】 図１の装置を容器がシールケース内に挿入さ
れた状態で示す断面図である。

【符号の説明】

１ 容器 １a 容器の底壁 ２ 開口部 ３ ネック部 ４ ストッパ ５ 蓋 ５a 蓋のスカート部 ６ スリーブ ７ スタブ ８ 凹部 ９ スリーブの上端部 10 環状支持面 11 リブ 12 ディップチューブ 12a ディップチューブの下端部 13 ニップル 14 シールケース 14a シールケースの底壁 15 動作表面 16 マウント 17 フランジ 18 シールケースの内部空間 19 ボトム 19a シャフト 19b 第１プレート 20 ガスケット 21 ダイナモメトリックセンサ 22 プレート 23 生成物 24 シールケースの上端部 25 オリフィス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミッシェル・ゴーベル フランス95190グウセンヴィル、リュ・ ポール・パンルヴェ５番 (56)参考文献 特開 平２−21957（ＪＰ，Ａ) 特表 平６−508327（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B67C 3/00 B65D 83/14

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液状またはペースト状の生成物を貯蔵
   し、その所定量を分配する装置であって、 生成物を入れる上部が開口した容器(１)を少なくとも１
   つ、 該容器を閉じるストッパ(４)、 該ストッパを通過して生成物内へと延びるとともに容器
   外側にまで延在しているディップチューブ(12)、および
   前記容器を受け入れて該容器に外部圧力よりも高い圧力
   を負荷するシールケース(14)を備えており、 シールケースのボトムが、該ケース内に配置された容器
   の重量を計る計量要素(19b、21、22)を備えていること
   を特徴とする、装置。
2. 【請求項２】 前記計量要素(19b、21、22)は、シール
   ケース(14)を加圧する手段を制御するシステムに接続さ
   れており、 該制御システムは、容器(１)の重量変化と容器から取り
   出されるべき生成物の所定量に対応する設定値との比較
   を行い、容器の重量変化がこの設定値に達すると、シー
   ルケースの加圧を停止する、請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 前記シールケース(14)は、その上部に開
   口部を有しているとともに、そのボトム(19)に空気式ジ
   ャッキ等のリフト手段が設けられており、 該リフト手段は、ボトム(19)を上部の開口部付近にまで
   上昇させることができる、請求項１または２記載の装
   置。
4. 【請求項４】 前記ストッパ(４)は、軸方向の遊びをも
   って容器(１)上に配置されており、該容器から自在に僅
   かに離れることができ、これによって、容器(１)の内外
   をつなぐ空気路が形成される、請求項１、２または３の
   いずれかに記載の装置。
5. 【請求項５】 前記ディップチューブ(12)は、ストッパ
   (４)が容器(１)を閉じているとき容器(１)の底部(１a)
   に接触し、ストッパ(４)が容器(１)から離れると容器
   (１)の底部(１a)から離れる、請求項４記載の装置。
6. 【請求項６】 前記シールケース(14)は、その上部に開
   口部を有しており、ストッパ(４)はシールケース(14)内
   に置かれた容器(１)上に配置されたときにシールケース
   (14)を閉じるような寸法とされている、請求項１、２、
   ３、４または５のいずれかに記載の装置。
7. 【請求項７】 前記シールケース(14)は、その底部(14
   a)に容器(１)があるときには、ストッパ(４)がシールケ
   ース(14)上に位置することにって容器(１)から分離する
   こととなるような寸法とされている、請求項６記載の装
   置。