JP2868369B2 - プログラマブル光学素子とホログラム光学素子の書き込み方法並びにそのソフト開発支援装置 - Google Patents

プログラマブル光学素子とホログラム光学素子の書き込み方法並びにそのソフト開発支援装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】光学システム(光機器)は、シス
テムの仕様を満足する性能を持った光学素子(レンズ、
プリズムなど)を設計し、それを製造し、組み合わせる
事により構築される。ところが、光学素子の製造は一般
に複雑で多工程であり、また組み合わせ時にも光軸合わ
せ等の位置合わせが必要な為、多くの時間・労力が必要
であった。本発明は、ハードウエアによる光学システム
をソフトウエアで置き換える事が可能なプログラマブル
光学素子とホログラム光学素子の書き込み方法並びに位
置合わせを不要とするソフト開発支援装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図33は、「光学装置」(特開平3−28
8881)によるレーザービームの位置を制御する光学装置
を示す。レーザー素子104から出射したレーザービー
ム109はコリメートレンズ105によって拡大された
平行光となり、液晶ライトバルブ(実時間ホログラム素
子)106へ入射する。そして、液晶ライトバルブ(実
時間ホログラム素子)106に書き込まれた計算機ホロ
グラム(ホログラム光学素子)の作用により偏向され、
レンズ107を通過した後、所定の出力面108上にレ
ーザービームのスポットを形成する。液晶ライトバルブ
(実時間ホログラム素子)の書換は、予めメモリ102
に記憶しておいたパターンデータを次々に読み出して実
現する。
【0003】コヒーレントな光源のもとでは、ホログラ
ムは古典光学素子(レンズ、プリズムなど)の2つ以上
の機能を1つで実現する事ができ、ホログラム光学素子
と呼ばれ、既に光ディスク等のピックアップに応用され
ている。(例えば、「光ピックアップ」昭63−74149 参
照)。一方、上記のホログラム光学素子は機能が固定で
あるが、電気的、光学的または磁気的に機能を可変でき
る実時間(書換可能)ホログラム素子が、各方面で研究
開発されている。(例えば、「録再可能なホログラフィ
装置」特開平1−315785など)。また、ホログラム素子
は光の振幅、位相を空間的なパターンにて変化させるも
のであるので、実時間で光の振幅、位相を変調する光空
間変調素子(光学 第14巻第1号 1985.2参照)にて
も実時間ホログラム素子は形成可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、 1:用途が固定化されており汎用性が無い。 2:液晶ライトバルブ(実時間ホログラム素子)に書き
込まれる計算機ホログラム(ホログラム光学素子)は、
ある時刻に1部品であって、複雑な光学システムを構築
するのは難しい。 3:液晶ライトバルブの熱膨張により発生する計算機ホ
ログラム(ホログラム光学素子)の収差を補う機構がな
い。 4:液晶ライトバルブ(実時間ホログラム素子)と他の
光学素子(例えばレンズ)との位置合わせが必要であ
る。 5:液晶ライトバルブ(実時間ホログラム素子)に入射
するレーザー光の波長変動により発生する計算機ホログ
ラム(ホログラム光学素子)の収差を補う機構がない。
などの問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
1:ユーザーの作成した複数のパターンデータ(ホログ
ラム光学素子)と位置データを記憶手段(メモリ)へ入
力可能にし、そのデータを元にホログラム光学素子を実
時間ホログラム素子(液晶ライトバルブなど)へ書き込
む。 2:実時間ホログラム素子の温度を検出し、熱膨張を相
殺するようにパターンを縮小する。 3:物を位置合わせするのではなく、実時間ホログラム
素子に書き込まれたホログラム光学素子のパターンや位
置を変更する。 4:実時間ホログラム素子へ入射する光の波長を検出
し、波長毎に実時間ホログラム素子へ書き込むホログラ
ム光学素子を書き換える。
【0006】
【作用】本発明では、ユーザーに作成された光学システ
ムデータから本発明のソフト開発支援装置によって、ソ
フトウエア(ホログラム光学素子のパターンデータ、位
置データ、制御対象化データ)が作成され、これを該プ
ログラマブル光学素子の入出力端子より入力する事によ
って、該プログラマブル光学素子内の実時間ホログラム
素子に所用のホログラム光学素子を形成し光学システム
を構築する。
【0007】該実時間ホログラム素子の熱膨張により発
生するホログラム光学素子の収差の抑制は、温度toで
の線膨張率をα、実時間ホログラム素子に取り付けられ
た温度検出手段からの温度データをtとする時、実時間
ホログラム素子の温度toにて作成されたホログラム光
学素子のパターンデータを、1/{1+α(t−t
o)}倍して実時間ホログラム素子へ書き込む事により
行う。
【0008】該プログラマブル光学素子の実時間ホログ
ラム素子に展開された複数のホログラム素子や該プログ
ラマブル光学素子に接続された受光、発光素子間の位置
合わせは、実際に物を移動するのでは無く、前記ホログ
ラム光学素子の実時間ホログラム上でのパターンや位置
を変化させる事により行う。この位置合わせは、前記ソ
フト開発支援装置が該プログラマブル光学素子により構
築された光学システムが仕様を満足しているかどうか
を、光学システム内の撮像素子からの信号を元に判断し
行うか、もしくは外付けの撮像素子からの情報を元に行
う。
【0009】入射光の波長変動により発生するホログラ
ム光学素子の収差の抑制は、回折格子を通過した入射光
の偏向方向が波長により異なる事を利用し、位置測定素
子(PSD、CCDなど)にて波長情報とし、それによ
り該プログラマブル光学素子内の実時間ホログラム素子
へ書き込むホログラム光学素子のパターンデータや位置
データを書き換えることにより行う。
【0010】
【実施例】図1は本発明のプログラマブル光学素子の概
念図である。本発明は、図1に示すように、実時間ホロ
グラム素子1、温度検出手段2、記憶手段3、制御対象
化手段4、書換手段5、入出力制御手段6、入出力端子
7からなる。書換手段5は、記憶手段3にホログラム光
学素子のデータがあれば、それを定数倍(温度検出手段
2からの温度データにより定まる)して実時間ホログラ
ム素子1へ書き込み、制御対象化手段4からホログラム
光学素子のデータが入力されれば、それを定数倍して書
き込む。
【0011】制御対象化手段4は、入出力端子7から入
力された外部の制御系の操作信号に対応するホログラム
光学素子のデータを記憶手段3から選び出し、それを書
換手段5へ出力する。入出力制御手段6に対し、外部か
ら入出力端子7を通じて記憶手段3へのデータ入力の要
求があった場合は、記憶手段3を記憶モードにし、外部
へ要求受理の信号を送り、外部からのデータを記憶手段
3の予め定められた領域へ記憶させる。
【0012】図2は本発明のプログラマブル光学素子の
一例であるプログラム制御された場合の構成図である。
実時間ホログラム素子の種類に応じて、図2の破線内の
構成Mは、以下のように4通りの構成となる。
【0013】1:図3は電気書き込みで、記憶性のない
実時間ホログラム素子にて構成した例であり、実時間ホ
ログラム素子10,温度検出器11,描画回路12およ
びビットマップメモリ13からなる(磁気書き込みも同
様)。 2:図4は電気書き込みで、記憶性のある実時間ホログ
ラム素子にて構成した例であり、実時間ホログラム素子
10,温度検出器11および描画回路12からなる(磁
気書き込みも同様)。 3:図5は光書き込みで、記憶性のない実時間ホログラ
ム素子にて構成した例であり、実時間ホログラム素子1
0,温度検出器11,描画回路12,ビットマップメモ
リ13,光源14および光偏向手段15からなる。 4:図6は光書き込みで、記憶性のある実時間ホログラ
ム素子にて構成した例であり、実時間ホログラム素子1
0,温度検出器11,描画回路12,光源14および光
偏向手段15からなる。
【0014】図7および図8は、実時間ホログラム素子
として、マトリクス電極−液晶媒体型の実時間ホログラ
ム素子31を使用した場合の本発明のプログラマブル光
学素子の斜視図および断面図である。
【0015】両図において、30は入出力コネクター,
31はマトリクス電極−液晶媒体型の実時間ホログラム
素子,32は実時間ホログラム素子の構成部品であるガ
ラス板,33はサーミスタ,34はフレーム1,35は
フレーム2,36はPBW,37は描画IC,38はC
PU&メモリ,39はフレキシブル基板である。
【0016】パターンデータは、実時間ホログラム素子
の種類や厚みなどによって表現方法が幾通りもあり(例
えば、計算機ホログラムの作成方法については特開平3
−274586参照)、またパターンの作成には光線追跡(例
えば、J.N.Latta R.C.Fairchild :New Development in
the Design of Holographic Optics ,SPIE,39, 107/126
(1973)、J.N.Latta :Horograms as Optical Element
s,SPIE,Enginneering Applicasions of Holography,345
/359 (1972)、J.N.Latta :Analysis of Multiple Holog
ram Optical Elements with Low Dispersion and Low A
verrations,Appl.Opt,11-8,1686/1696 (1972)参照)を
必要とする。
【0017】しかし、要点だけを説明する為に、ホログ
ラムをバイナリーホログラムに限定し、かつ1部品に限
定した(光線追跡を行わない)例にて説明する。図9は
一般的なホログラムパターンの作成を示す図である。こ
の場合のホログラムパターンは、 [O1Pの光学距離]−[O2Pの光学距離]=mλ:mは整数 (式1) を満たすP点の集合であるので、XY平面上で点(X,
Y)の集合として表す事ができる。
【0018】図10に、O1=(0,0,-∞),O2=(0,0,10) m
m ,λ=780 nm でのパターン例を示す(mは20お
き)。ここで、ホログラム面が移動・回転したとする
(図9のN参照)。新たに座標系を書き換えると図11
となり、その場合、O1、O2の新しい座標系からみた
位置はO´1、O´2となるので、新たなパターンは、 [O´1Pの光学距離]−[O´2Pの光学距離]=m
λ:mは整数 を満たす点(X,Y)の集合となる。つまり、ホログラ
ム面が移動・回転した場合には、座標変換により新たな
パターンを作成する事ができる。
【0019】上の例から、O1点を発した光をO2点に
集光させるには、従来の技術ではパターンを固定してホ
ログラム面を移動回転しないように位置合わせしていた
が、本実施例ではホログラム面を移動回転せずにパター
ンを変更する事により可能な事がわかる。
【0020】例えば、図12の(a)に示す光学システ
ム(CCDカメラ等)があったとする(Iは像面、Oは
物体面、L1、L2はレンズ面)。これが製造、組立ば
らつきによって、図12の(b)のようになっている場
合は、図12の(c)に示すように、位置(O1)を像
面の光軸と実時間ホログラム素子面の交点位置(O´
1)へ、そして位置(02)を物体面の光軸と実時間ホ
ログラム素子面の交点位置(0´2)へそれぞれ移動
し、それを新たな座標原点としてパターンを変更すれば
良い。
【0021】次に、実時間ホログラム素子の熱膨張によ
るパターンの変化を図13にて説明する。今、実時間ホ
ログラム素子の温度toの時に作成されたパターンのm
=i上の1点(X,Y)において、座標原点Oからの距
離は、実時間ホログラム素子の温度toでの熱膨張率を
αとして、温度tでは、
【0022】√X2 +Y2 ×{1+α(t−to)}と
なる。これを変形すると、
【0023】
【数1】 であるから、熱膨張を相殺するにはパターンデータを1
/{1+α(t−to)}倍すれば良いことが判る。
【0024】以降、上記基本原理を達成する図2の構成
について説明する。また、図14,図15に各データフ
ォーマットを示す。パターンデータフォーマットのみ、
ホログラム光学素子毎にデータ量が異なるので、データ
の始まりを示す、ヘッダーコードおよびパターンデータ
群の終了を示すENDコードを含む。種類・位置データ
と制御対象化データは、データ量がホログラム光学素子
毎に同じなので表の形で表される。なお、両フォーマッ
トのZは後述する複数の実時間ホログラム素子の指定に
使う。尚、制御対象、操作量という言葉は、図16に示
す一般的な制御系での制御対象、操作量に合わせたもの
である。
【0025】図17は書換手段のプログラム制御による
フローチャートであり、これに従い書換手段の実施例を
説明する。まず、記憶手段としてのメモリ40内の種類
・位置データ領域の先頭にアドレスを移し、部品番号を
読み出し、パターンデータ領域から、部品番号と同一の
値の種類コードを持つパターンデータレコードを探し、
種類・位置データのX,Y,Zデータを基に、ビットマ
ップメモリ41上へパターンデータを1/{1+α(t
−to)}倍しながら展開する。
【0026】この動作を、ENDコードが現れるまで行
う。ビットマップメモリ41上に展開された点の集合
(パターンは図9〜図13を用いて説明したように、点
データ列の集合)は、専用の描画ハードにより実時間ホ
ログラム素子のマトリクス点の電圧に対応させられ、マ
トリクス点の位置にある液晶媒体の透過率や屈折率の変
化となる。
【0027】続いて、制御対象化手段としてのCPU4
2からのデータ入力(種類コードとX,Y,Z)があれ
ば、それを基にメモリ40からパターンデータを探し出
し、ビットマップメモリ41上の該当位置のパターンを
消してから、新しいパターンデータを展開する。
【0028】図18は、制御対象化手段のプログラム制
御によるフローチャートであり、これに従い制御対象化
手段の実施例を説明する。まず、図19に示すフォーマ
ットをもつ操作信号が入るまで待つ。信号入力があれ
ば、それの操作部品番号と操作量を基に、メモリ40内
の制御対象化データ領域から、同じ値を持つ制御対象化
データレコードを探し出し、その部品番号とX,Y,Z
を書換手段としてのCPU42へ出力する。
【0029】制御対象はユーザーにより任意に設定でき
る。例えば、1つのホログラムレンズ(この操作部品番
号を1とする)について波長の変動による収差の発生を
無くしたい場合は、図20のように光学システムに波長
検出手段を付加し波長変動を検出する。
【0030】レーザーモニター光95を回折格子94で
偏向しその位置をPSD92で検出する。この場合、図
20の各量に対して、 SINθ=λo/P, S=dtan(δ
λ/P/COSθ)となる。半導体レーザー93の波長変動は
λo±δλなので、δλをm分割するとし、パターンデ
ータを(式1)のλにλo−δλからλo+δλまでの
値をδλ/m刻みで代入し、m+1個のパターンデータ
を求める。
【0031】これを図21のように、操作量に対応する
ように制御対象化データを形成し、メモリ40に入力す
れば収差の発生を抑える事ができる(ここでは、操作量
と操作部品番号を引数とし、部品番号と位置データを返
す関数を作った訳である)。収差の発生を完全に抑える
には分割数を無限大にする必要があるが、一般に収差は
0にする必要はなく、ある値(例えば、マレシャルの波
面収差基準など)以下にすれば良いので分割数は、要求
される収差の値により決定される。
【0032】入出力制御手段としてのCPU42は、プ
ログラム制御の場合は、CPUの持つDMA(Direct M
emory Access)機能により達成されるので説明は省略す
る。以上の構成、動作によりプログラマブル光学素子が
実現される。
【0033】図22は本発明によるプログラマブル光学
素子のソフト開発支援装置の概念図である。入力手段5
0は、市販されている光学設計用CAD(例えば、OR
A社製のCODE−Vなど)の光学システムデータを通
信もしくはメディア(磁気テープ、フロッピーディスク
など)を介して受取り、データ変換する機能を持つ。デ
ータ変換は各CADソフト毎に光学システムデータのフ
ォーマットが異なるので、これを装置内部のデータフォ
ーマットに変換するものである。
【0034】入出力端子52は、プログラマブル光学素
子により構築された光学システム(図23)115内の
撮像素子114や、それが無い場合(図24参照)は、
ユーザーが外付けした撮像素子114が接続されるもの
であり、前述した実時間ホログラム素子の位置変化、傾
きを算出するための情報が入力されたり、作成したホロ
グラム光学素子のデータが出力されるものである。な
お、111はソフト開発支援装置,112はプログラマ
ブル光学素子,113はレーザー光源である。
【0035】図25は本発明によるソフト開発支援装置
の一例であるプログラム制御された場合の計算手段51
のフローチャートであり、これに従い計算手段51の実
施例を説明する。光学システムのデータと入出力端子5
2から情報を基に、実時間ホログラム素子や光源、受光
素子の位置、傾きを算出し、図10〜図13での説明の
原理に基づき、新たなホログラム光学素子のパターン、
種類・位置データ、制御対象化データ(作成方法は前
述)が作成され、プログラマブル光学素子へ入力され
る。
【0036】後述する複数の実時間ホログラム光学素子
(図26中1〜m)からなるプログラマブル光学素子を
使った光学システムについて、2次元に簡略化した一般
的なモデルを図26に示すが、光学システムのデータ
(図27参照)とは異なり、組立ばらつき、製造ばらつ
きにより、図26のOに示すように、各光学素子の、撮
像素子の座標系に対する座標系の原点の位置(xi,yi)と
角度θi i=1,2,..,m+1がばらばらであるとする。この
位置と傾きは以下のフローにて算出される。
【0037】1:1番目の実時間ホログラム素子以外の
実時間ホログラム素子の全面に偏向ホログラム光学素子
を置き、各偏向角を適当に振り、試行錯誤によって発光
素子から撮像素子へ至る1本の光線を求める(図28参
照)。 2:1番目以降の実時間ホログラム素子の状態を保った
まま、1番目の実時間ホログラム素子の全面に偏向ホロ
グラム素子を置き、偏向角δiにてそれに対する撮像素
子の出力Yoi を得る(図29参照)。 3:1番目の実時間ホログラム素子の座標の位置(z1、
y1),角度θ1と項目1で求めた光線の入射位置(0,Y1)
と入射角度ψ1の5変数に対して、Yoi=y1+Y1Cosθ1-(z
1+Y1Sinθ1)Tan(ψ1+δi-θ1)が成立するので、項目2
の処理を3回行えば上式の連立から3変数(z1,y1,θ
1)の値が決定する。 4:2番目の実時間ホログラム素子に対しても、項目1
の処理と同様な操作を行い、未知数を決定する。 5:この操作をm+1番目の光学素子まで繰り返せば、
全ての座標系の位置と角度が求まる。以上は2次元で説
明したが3次元に拡張できるのは言うまでもない。
【0038】図30〜図32は他の実施例である、複数
の実時間ホログラム素子を持つプログラマブル光学素子
の構成図を示す。例えば、図33の従来技術によるレー
ザービーム位置制御装置を形成するには、図30のプロ
グラマブル光学素子の構成(図33のコリメートレンズ
105、液晶ライトバルブ106、レンズ107に相当
するホログラム光学素子を3つの実時間ホログラム素子
142、143、144にて形成する)でも良いが、ミ
ラー146を追加した図31(1つの透過型実時間ホロ
グラム素子145にコリメートレンズ、液晶ライトバル
ブ、レンズに相当するホログラム光学素子148、14
9、150を形成する)や反射型実時間ホログラム素子
147{透過型実時間ホログラム素子の一方の表面に反
射膜を形成した物や元々反射型であるDMD(Deformab
le Mirror Device)やCCD書き込み型素子など}を持
つ図32(1つの反射型実時間ホログラム素子にコリメ
ートレンズ、液晶ライトバルブ、レンズに相当するホロ
グラム光学素子148、149、150を形成する)の
方がコストおよびスペース的に優れている。このことが
可能となるのも、1つの実時間ホログラム素子に複数の
ホログラム光学素子が展開できる機能を与えたからであ
る。
【0039】以上は、本発明の各手段をユーザーが不可
侵の領域へ納め、ユーザーにその他のメモリ空間の使用
を許すようにすれば、ユーザーは光学システムの為の制
御系を本発明のプログラマブル光学素子の内部に形成可
能となり、コスト、スペース的により有利となる観点か
らプログラム制御にて実施例を示したが、当然ワイヤー
ドロジックでも構成することが可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明のプログラマブル光学素子によれ
ば、 1:任意のホログラム光学素子のデータを記憶させる事
ができるので汎用性が高くなり、光学素子を製造する必
要が無くなる。 2:1つの実時間ホログラム素子に複数のホログラム光
学素子を書き込めるようになったので複雑な光学システ
ムを形成する事が容易になる。また小型化が可能であ
る。 3:実時間ホログラム素子の熱膨張により発生する収差
を無くす事ができるので、例えば従来その為に実時間ホ
ログラム素子に使用出来なかった透明プラスチック材料
が使用可能となる。 4:本発明のソフト開発支援装置を用いる事によって、
従来の光学素子に必要な位置合わせが不要となる。ま
た、ホログラム光学素子の欠点であった収差の位置依存
性を無くす事ができるので、例えば従来その為に量産で
きなかった高NAホログラムレンズなどが使用可能とな
る。 5:制御対象化手段によって、プログラマブル光学素子
の実時間ホログラム素子に書き込まれたホログラム光学
素子を制御対象とする事ができ、より応用範囲が広がる
(例えばオートフォーカスなど)。また、波長を検出し
それを操作量とすることによって、ホログラム光学素子
の欠点であった収差の波長依存性を無くす事ができるの
で、従来その為に量産できなかった高NAホログラムレ
ンズなどが使用可能となる。
【0041】以上に示すように、本発明のプログラマブ
ル光学素子及びそのソフト開発支援システムによって従
来のハードウエアによる光学システムをソフトウエアに
置き換える事と位置合わせを不要とする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプログラマブル光学素子の概念図。
【図2】本発明のプログラマブル光学素子の一実施例で
あるプログラム制御された場合の構成図。
【図3】実施例のホログラム素子構成図。
【図4】実施例のホログラム素子構成図。
【図5】実施例のホログラム素子構成図。
【図6】実施例のホログラム素子構成図。
【図7】本発明のプログラマブル光学素子の1例である
マトリクス電極ー液晶媒体型の実時間ホログラム素子を
使用した場合の斜視図。
【図8】図7のA−A´断面図。
【図9】実施例のホログラム光学素子のパターンデータ
の作成方法を示す説明図。
【図10】実施例のホログラム光学素子のパターンデー
タの作成方法を示す説明図。
【図11】実施例のホログラム光学素子のパターンデー
タの作成方法を示す説明図。
【図12】実施例のホログラム光学素子のパターンデー
タの作成方法を示す説明図。
【図13】実施例のホログラム光学素子のパターンデー
タの作成方法を示す説明図。
【図14】実施例の各データのデータフォーマット例を
示す説明図。
【図15】実施例の各データのデータフォーマット例を
示す説明図。
【図16】実施例に係る一般的な制御系のブロック構成
図。
【図17】実施例のプログラマブル光学素子のプログラ
ム制御された場合の書換制御手段のフローチャート。
【図18】実施例のプログラマブル光学素子のプログラ
ム制御された場合の制御対象化手段のフローチャート。
【図19】実施例の操作信号のフォーマット例を示す説
明図。
【図20】本発明の制御対象化手段の動作を示す説明
図。
【図21】実施例の制御対象化データを示す図表。
【図22】本発明のソフト開発支援装置の概念図。
【図23】本発明のプログラマブル光学素子とソフト開
発支援装置の接続を示すブロック図。
【図24】本発明のプログラマブル光学素子とソフト開
発支援装置の接続を示すブロック図。
【図25】本発明によるソフト開発支援装置の計算手段
のフローチャート。
【図26】本発明の計算手段の各光学素子の位置、傾斜
の計算フローを示す説明図。
【図27】本発明の計算手段の各光学素子の位置、傾斜
の計算フローを示す説明図。
【図28】本発明の計算手段の各光学素子の位置、傾斜
の計算フローを示す説明図。
【図29】本発明の計算手段の各光学素子の位置、傾斜
の計算フローを示す説明図。
【図30】本発明のプログラマブル光学素子の複数の実
時間ホログラム素子を持つ構成図。
【図31】本発明のプログラマブル光学素子の複数の実
時間ホログラム素子を持つ構成図。
【図32】本発明のプログラマブル光学素子の複数の実
時間ホログラム素子を持つ構成図。
【図33】従来技術によるレーザービーム位置制御装置
の構成図。
【符号の説明】
30 入出力コネクター 31 マトリクス電極ー液晶媒体型の実時間ホログラム
素子 32 の上構成部品であるガラス板 33 サーミスター 34 フレーム1 35 フレーム2 36 PWB 37 描画IC 38 CPU&メモリ 39 フレキシブル基板 92 位置検出素子(PSDなど) 94 回折格子 95 モニターレーザー光 111 ソフト開発支援装置 112 プログラマブル光学素子 93,91,115 プログラマブル光学素子により構
築された光学システム 113,141 レーザー光源 142,143,144,145 透過型実時間ホログ
ラム素子 146 ミラー 147 反射型実時間ホログラム素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03H 1/08 G03H 1/02 G02B 5/32 G02F 1/13 G02B 27/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実時間ホログラム素子、温度検出手段、
    記憶手段、制御手段、入出力端子から構成され、任意の
    ホログラム光学素子のパターンデータ、位置データ、お
    よび制御対象化データを前記入出力端子を通じて、前記
    記憶手段へ記憶させる入出力制御手段と、前記記憶手段
    に入力されたパターンデータ、位置データ、温度検出手
    段からの温度データを元に、実時間ホログラム素子内
    に、ホログラム光学素子を書き込む書換制御手段と、前
    記入出力端子に入力される操作信号により、任意の前記
    ホログラム光学素子の機能や位置を、ユーザーの制御対
    象とする制御対象化手段とを備えてなるプログラマブル
    光学素子。
  2. 【請求項2】 複数の透過型実時間ホログラム素子や反
    射型実時間ホログラム素子、ミラーが配置してなる事を
    特徴とする請求項1のプログラマブル光学素子。
  3. 【請求項3】 温度toでの実時間ホログラム素子の線
    膨張率をα、実時間ホログラム素子に取り付けられた温
    度検出手段からの温度データをtとする時、実時間ホロ
    グラム素子の温度toにて作成されたホログラム光学素
    子のパターンデータを、1/{1+α(t−to)}倍
    して実時間ホログラム素子へ書き込む事により、実時間
    ホログラム素子の熱膨張により発生する収差を無くすこ
    とを特徴とするホログラム光学素子の書き込み方法。
  4. 【請求項4】 実時間ホログラム素子やその他の光学素
    子、発光素子、受光素子の位置情報を基に、ホログラム
    光学素子のパターンデータ、位置データを作成すること
    により、光学素子間の組み立て、製造ばらつきにより発
    生する収差を無くすことを特徴とする実時間ホログラム
    素子へのホログラム光学素子の書き込み方法。
  5. 【請求項5】 実時間ホログラム素子へ入射する光の波
    長を検出し、その波長を元にホログラム光学素子のパタ
    ーンデータを作成することにより、ホログラム光学素子
    へ入射する光の波長変動により発生する収差を無くすこ
    とを特徴とする実時間ホログラム素子へのホログラム光
    学素子の書き込み方法。
  6. 【請求項6】 請求項3〜6に記載の書き込み方法の1
    以上を応用することを特徴とする請求項1のプログラマ
    ブル光学素子。
  7. 【請求項7】 CADデータが入出力できる入力手段、
    実時間ホログラム素子の位置,傾斜情報を検出する外付
    けの撮像素子や構築する光学システム内の撮像素子との
    接続用入出力端子、前記CADデータおよび撮像素子か
    らの情報を基にシステム内の光学素子の位置,傾斜を算
    出し、それによりホログラム光学素子のパターンデー
    タ,位置データ,制御対象化データを作成する計算手段
    とを備えてなることを特徴とするプログラマブル光学素
    子のソフト開発支援装置。
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