JP2868288B2 - エポキシ樹脂成形材料の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂成形材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、半導体素子など電子部品の封止に用いられ
るエポキシ樹脂成形材料の製造方法に関するものであ
る。
【従来の技術】
コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、サイリス
タ、ホール素子等の半導体や、IC、LSI等の集積回路に
おいては、半導体を機械的及び電気的に保護するために
樹脂で封止されている。樹脂の種類としては、エポキシ
樹脂とシリコン樹脂があるが、シリコン樹脂は高価であ
ると共に金属との密着性が悪いために、エポキシ樹脂封
止が主流となっている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしエポキシ樹脂についても問題がある。すなわ
ち、まずエポキシ樹脂は湿気に対する信頼性が悪いこと
が挙げられる。 また、エポキシ樹脂はシリコンチップやリードフレー
ムとの線膨張係数の差が大きいために成形後に内部応力
が発生し、ヒートサイクル試験や半田耐熱試験中にその
応力が増大して半導体素子保護皮膜に傷や割れが生じ、
ついには半導体素子にクラックが発生するということも
挙げられる。 内部応力は一般に線膨張係数と曲げ弾性率、さらには
ガラス転移温度の積に比例するということが知られてい
る。そこで、エポキシ樹脂に無機充填剤を添加して線膨
張係数を小さくすることがおこなわれているが、無機充
填剤を多量に添加すると、線膨張係数は小さくなるもの
の、逆に曲げ弾性率が大きくなって内部応力を小さくす
る効果が得られない結果になると共に、またエポキシ樹
脂の耐湿性も低下することになるものであった。 本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、耐湿
性の低下を避けつつ低応力化を実現することができるエ
ポキシ樹脂成形材料を提供することを目的とするもので
ある。
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエポキシ樹脂成形材料の製造方法は、ア
ミノ変性ポリシロキサンをフェノールノボラック樹脂と
溶融混合し、これをエポキシ樹脂に添加配合することを
特徴とするものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において用いるアミノ変性ポリシロキサン(シ
リコーンオイルあるいはシリコン中間体とも称される)
としては、次ぎの一般式で示されるものが好ましい。 またこのアミノ変性ポリシロキサンとしては、アミノ
当量が600〜3000のものが好ましく、アミノ当量がこの
範囲になるように上記一般式のxやyの数値が設定され
る。アミノ当量が600未満であると、アミノ量増大によ
る耐湿性の低下や硬化挙動の変化が発生し、3000を超え
ると成形品の表面にムラが発生し易くなると共に曲げ弾
性率の低下も不十分になる。 一方、エポキシ樹脂は従来から汎用されているもの、
すなわちノボラック型やビスフェノール型など任意のも
のを使用することができる。このエポキシ樹脂に硬化剤
や充填剤、顔料、離型剤、補強材などを必要に応じて配
合し、混練、粉砕することによってエポキシ樹脂成形材
料を調製することができるが、本発明においてはこのエ
ポキシ樹脂成形材料を調製する際に上記アミノ変性ポリ
シロキサンを添加配合する。アミノ変性ポリシロキサン
の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して1〜15重
量部の範囲が好ましく、アミノ変性ポリシロキサンを添
加してエポキシ樹脂成形材料を調製することによって、
曲げ弾性率が低下し、外観にムラなどが発生することが
なく、且つ耐湿性も低下することなく応力を下げた封止
成形品を得ることができるものである。アミノ変性ポリ
シロキサンの添加量が1重量部未満であると曲げ弾性率
への寄与が不十分になり、また15重量部を超えると成形
品の外観にムラが発生するおそれがある。 アミノ変性ポリシロキサンの添加方法としては、材料
配合中に添加してブレンドする方法などがあるが、本発
明では、第一段階として、硬化剤に使用するフェノール
ノボラック樹脂とアミノ変性ポリシロキンサンとを予め
溶融混合させておき、この後に第二段階として成形材料
の主材料であるエポキシ樹脂にこれを添加する方法を採
用している。この方法でアミノ変性ポリシロキサンの添
加をおこなうことによって、エポキシ樹脂との反応の際
に分子の骨格の中心に取り込まれ易くなり、アミノ変性
ポリシロキサンを添加することによって効果を有効に得
ることができるのである。フェノールノボラック樹脂と
アミノ変性ポリシロキサンとの溶融混合の際の溶融温度
は100〜160℃の範囲が好ましく、またアミノ変性ポリシ
ロキサンの混合量は10〜30重量%に設定するのが好まし
い。
【実施例】
次ぎに本発明を実施例によって例証する。 実施例1〜4 第1表の配合量で配合をおこなうことによって、エポ
キシ樹脂成形材料を調製した。このとき、まず第一段階
として予めフェノールノボラック樹脂とアミノ変性ポリ
シロキサンとを130℃の温度で溶融混合しておき、次ぎ
に第二段階としてこれと残りの各材料を配合し、この後
に80〜110℃の熱ロール上で混練し、得られたシート状
物を冷却・粉砕することによって、エポキシ樹脂成形材
料を得た。 比較例 アミノ変性ポリシロキンサンを使用しない第1表の配
合で、実施例と同様にしてエポキシ樹脂成形材料を調製
した。 上記のようにして得られたエポキシ樹脂成形材料を封
止成形に供した。この成形品について第2表に示す試験
をおこなった。第2表に示すように、各実施例のものは
比較例のものに比べて、曲げ弾性率を小さくして熱応力
を低くできることが確認される。
【発明の効果】
上述のように本発明は、上記化学式で示され、アミノ
当量が600〜3000となるように式中のx、yの値が設定
されたアミノ変性ポリシロキサンをフェノールノボラッ
ク樹脂と溶融混合し、これをエポキシ樹脂に添加配合す
るようにしたので、アミノ変性ポリシロキサンによって
成形品の耐湿性を劣化させることなく曲げ弾性率を低下
させることができ、成形品の熱応力を低くすることがで
きるものである。またこのアミノ変性ポリシロキサンの
配合割合をエポキシ樹脂100重量部に対して1〜15重量
部とするようにしたので、成形品の熱応力及び体積抵抗
率を低くすると共に、その外観を向上することができる
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 63/00 - 63/10 C08L 83/08 C08G 59/62 H01L 23/29

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化学式で示され、アミノ当量が600〜3
    000となるように式中のx、yの値が設定されたアミノ
    変性ポリシロキサンをフェノールノボラック樹脂と溶融
    混合し、これをエポキシ樹脂に添加配合すると共に、こ
    のアミノ変性ポリシロキサンの配合割合をエポキシ樹脂
    100重量部に対して1〜15重量部とすることを特徴とす
    るエポキシ樹脂成形材料の製造方法。
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