JP2865601B2 - 電流の制御方法と流体の特性の測定方法 - Google Patents

電流の制御方法と流体の特性の測定方法

Info

Publication number
JP2865601B2
JP2865601B2 JP27644395A JP27644395A JP2865601B2 JP 2865601 B2 JP2865601 B2 JP 2865601B2 JP 27644395 A JP27644395 A JP 27644395A JP 27644395 A JP27644395 A JP 27644395A JP 2865601 B2 JP2865601 B2 JP 2865601B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
temperature
current
value
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27644395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0996616A (ja
Inventor
友繁 堀
健介 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YUKIJIRUSHI NYUGYO KK
Original Assignee
YUKIJIRUSHI NYUGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YUKIJIRUSHI NYUGYO KK filed Critical YUKIJIRUSHI NYUGYO KK
Priority to JP27644395A priority Critical patent/JP2865601B2/ja
Publication of JPH0996616A publication Critical patent/JPH0996616A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2865601B2 publication Critical patent/JP2865601B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)
  • Control Of Temperature (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体中に配置した
発熱体に電流を供給して発熱させることにより、例えば
熱伝導率や動粘性率などといった流体の特性を測定する
ために、発熱体に供給する電流を制御する方法と流体の
特性の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】流体中に配置した発熱体を発熱させ、発
熱体と流体の温度差に基づいて、例えば熱伝導率や動粘
性率などといった流体の特性を測定する方法は公知にな
っている。また、例えば金属管の内部に電気抵抗素子を
内蔵した構成の測温可能な発熱体を用いて発熱体と流体
の温度差を検出し、流体の粘性や物性の変化などをイン
ラインで簡単に測定する方法が開発されている。かかる
測定方法において測定精度を向上させるためには、発熱
体に供給される電流や発熱体の発熱量などを正確に制御
し、発熱体の温度を精度良く測定することが不可欠とさ
れる。特に最近では、発熱体と流体の温度差を百分の1
℃〜千分の1℃という高い精度で測定することが要求さ
れるようになってきた。
【0003】従来、以上の如き流体特性の測定方法にお
いて、例えば発熱体の発熱量を所望の量まで上昇させる
場合には、PID(proportional int
egral differential)制御などが一
般に利用されている。また、発熱体には定電流源からの
一定の電流を供給し、その電流値と発熱体に印加された
電圧値に基づいて発熱体の温度や流体の温度を測定する
ようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来一般に採
用されているPID制御は制御に長時間を要し、また、
目標値近辺においてハンチングを起こす。流体の物性を
測定する場合は、このハンチングがあまり大きいと、発
熱体による発熱により流体の物性に影響を与える心配が
生じる。
【0005】また、一般の産業設備において利用されて
いるような定電流源の設定電流値を用いて発熱体と流体
の温度差を測定した場合は、通常0.1℃程度の精度で
しか温度差を測定できないのが現状である。(例えば流
体中の一点で温度を測定した場合はプラスマイナス0.
01℃程度の誤差が熱力学的に避けられないのに比べ
て、温度差を測定する場合はそのような問題はないが、
しかしそれでも)発熱体と流体の温度差を百分の1℃〜
千分の1℃という高い精度で測定できるような高性能の
定電流源や電流計を用いた場合には、測定設備は相当に
高価なものとなってしまう。
【0006】従って本発明の目的は、発熱体の発熱量を
ハンチングのない状態で制御することができ、かつ、安
価な設備でありながら、発熱体の温度を百分の1℃〜千
分の1℃以上という高い精度で測定できる方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1は、流体中に配置した発熱体に
電流を供給して発熱させることにより流体の特性を測定
するために、発熱体に供給する電流を制御する方法にお
いて、少なくとも発熱体の温度が定常状態になるまで
は、発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるように発熱体
に供給する電流を制御する工程と、発熱体の温度が定常
状態になった後、更に発熱体の発熱量を目標発熱量にさ
せるように発熱体に供給する電流を制御し、その制御さ
れた電流に基づいて発熱体に供給する基準電流を定める
工程と、この基準電流の電流を発熱体に供給する工程と
を備えることを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項2は、測温可能な発
熱体を流体中に配置すると共に発熱体の近傍に測温セン
サを配置し、発熱体に電流を供給して発熱させ、発熱体
により測定された発熱時における発熱体の温度および測
温センサにより測定された発熱時における発熱体近傍の
流体温度と、発熱体および/または測温センサにより測
定された発熱前における流体温度とに基づいて流体の特
性を測定するために、発熱体に供給する電流を制御する
方法において、少なくとも発熱体の発熱量が定常状態に
なるまでは、発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるよう
に発熱体に供給する電流を制御する工程と、発熱体の温
度が定常状態になった後、更に発熱体の発熱量を目標発
熱量にさせるように発熱体に供給する電流を制御し、そ
の制御された電流に基づいて発熱体に供給する基準電流
を定める工程と、この基準電流の電流を発熱体に供給す
る工程とを備えていることを特徴とする。
【0009】これら請求項1、2の方法において、請求
項3、4に記載したように、発熱体に電源と標準電気抵
抗体を直列に接続して電流を供給し、更に請求項5に記
載したように、標準電気抵抗体の電気抵抗値と発熱体に
印加された電圧および標準電気抵抗体に印加された電圧
とに基づいて、標準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にし
て発熱体の温度と発熱量を求めるように構成することが
好ましい。この場合、より好ましくは請求項6に記載し
たように、標準電気抵抗体の抵抗温度係数が0.000
1℃-1以下であり、発熱体および標準電気抵抗体に印加
された電圧を計測する際の分解能が5桁以上であるのが
良い。
【0010】そして、本発明において用いられる発熱体
や測温センサは、例えば請求項7、8に記載したよう
に、金属もしくはセラミックスの電気抵抗材料からなる
円柱状の電気抵抗素子を内蔵した円柱状もしくは平板状
のものとすることができる。この場合、これら発熱体や
測温センサに内蔵される電気抵抗素子は、直径0.3m
m以下の白金細線で構成するのが良い。また、発熱体の
表面と測温センサの表面との最短距離は、請求項9に記
載したように、流体の対流伝熱温度境界層の厚さの10
倍以下とするのが良い。
【0011】また基準電流値は、請求項10に記載した
ように、例えば発熱体の温度が定常状態になった後にお
いて発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるように制御し
て発熱体に供給した電流の平均値で定義することができ
る。なお、本発明において測定される流体の特性として
は、請求項11に記載したように、例えば流体の熱伝導
率や流体の動粘性率などを挙げることができる。
【0012】そしてまた、本発明の請求項12によれば
流体中に配置した発熱体に電流を供給して発熱させるこ
とにより流体の特性を測定する方法において、少なくと
も前記発熱体の温度が定常状態になるまでは、発熱体の
発熱量を目標発熱量にさせるように発熱体に供給する電
流を制御する工程と、発熱体の温度が定常状態になった
後、更に発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるように発
熱体に供給する電流を制御し、その制御された電流に基
づいて発熱体に供給する基準電流を定める工程と、その
基準電流を発熱体に供給し、流体の特性を測定する工程
とを備えていることを特徴とする流体の特性の測定方法
が提供される。
【0013】流体の熱物性値が正確に測定できれば、例
えば流体中の水分や脂肪率の指標値として利用できる。
また、熱的な方法は発熱量が小さければ、市乳製品のよ
うな熱に敏感な製品の管理にも応用できる。そのために
は、温度差の測定精度が決め手となる。本発明者らにお
いて測定精度に影響すると考えられる様々な要因につい
て検討した結果、温度差の測定精度を向上させるために
は、測定に用いる発熱体の加熱電流値の安定性の確保が
最も重要であることが判明した。熱物性値の測定に際し
ては、発熱体の発熱量が一定であることが必要である。
ここで、発熱量を一定にしようとして電流の値を頻繁に
変えるような制御を行うと、温度差の測定精度が悪くな
り、その傾向は発熱量が小さい程、より顕著となる。非
常に高価な機器を用いれば、電流の値を頻繁に変えるよ
うに制御を行うことによっても、電流と発熱量の安定化
を実現でるが、そのような機器は研究室のような良い環
境下でなければ性能が発揮されない。また、平衡条件を
確保するために1回の測定に数時間から時には数日間も
の時間を要する。従って、時間の経過と共に変質し易い
食品素材などの測定には利用できない。本発明の目的
は、比較的安い機器を用いて、かつ環境の余りよくない
現場でも、短時間で、精度良く温度差を計測し、その値
を用いて流体の水分量等を測定できるようにすることに
。測定精度が高ければ発熱量が小さくでき、温度差
の変化幅が小さくてもその変化を検出できるようにな
る。本発明では、発熱量の安定化と電流の安定化を実時
間で達成する従来の手法に代え、先ず発熱量を目標値の
「近く」で安定化させる(勿論、その際の電流値は制御
されるため、一定値ではない)。次いで、その際の電流
値の平均値などによって基準値を定める。そして、最後
にその基準値の電流を引き続き発熱体に供給することに
より、目標の発熱量に近く、かつ正真正銘の一定電流と
することが可能となる。本発明方法は、発熱体と被測定
試料の温度差(熱物性値に対応する温度差)を正確に計
り、成分濃度などの流体特性の測定を実用化するための
基本計測技術のひとつとしてとらえることができる。即
ち、温度差の測定精度が1桁上がれば、濃度等の流体特
性の測定能も概ね1桁良くなる。例えば乳製品について
いえば、脂肪率の測定精度が1%では不十分であるが、
0.1%になれば実用性が生じることになる。更に、測
定精度が0.01%になれば、従来予想できなかった新
用途を開発することも可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。先ず図面を基にして、本発明方法を実施
するための測定システムの一例を説明する。
【0015】図1に示すように、恒温液体1が充填され
た恒温槽2の内部に、測定の対象となる流体3を充填し
た容器4が設けられている。流体3は、このシステムに
おいては液体を図示したが、その他の流体、例えば気
体、スラリーなどの特性を本発明の方法によって測定す
ることも可能である。容器4の上部は蓋5によって密封
されており、この蓋5を貫通するようにして設けられた
棒状の発熱体6と測温センサ7の下端が容器4内の流体
3中にそれぞれ浸漬されている。
【0016】図2に示すように、発熱体6は中空の円柱
状もしくは平板状の金属管などからなる熱伝導性の優れ
た保護管10の内部下方に、正もしくは負の抵抗温度係
数を有する電気抵抗材料からなる電気抵抗素子11を内
蔵した構成になっている。この電気抵抗素子11は、例
えば直径0.3mm以下の円柱状の白金線からなる。図
1に示すように発熱体6を容器4内の流体3中に浸漬さ
せた際には、流体3の液面よりも十分に下方に電気抵抗
体11が位置するようになっている。発熱体6の一端側
(図示の例では上端側)からはリード線12a、12
b、12c、12dからなるリード線束12が引き出さ
れている。図示の例ではこのリード線束12の内、リー
ド線12a、12dは電気抵抗体11の下端に接続さ
れ、リード線12b、12cは電気抵抗体11の上端に
接続されている。従って、例えばリード線12aと12
bの間で電流を供給しながらリード線12cと12dの
間で電圧を測定することにより、いわゆる4端子法を利
用して電気抵抗体11の電気抵抗値Rwを知ることが可
能である。
【0017】測温センサ7も基本的には発熱体6と同様
の構成を備えている。即ち、図3に示すように、測温セ
ンサ7は中空の円柱状もしくは平板状の金属管などから
なる熱伝導性の優れた保護管15の内部下方に、正もし
くは負の抵抗温度係数を有する電気抵抗材料からなる電
気抵抗素子16を内蔵した構成であり、電気抵抗素子1
6は、例えば直径0.3mm以下の円柱状の白金線から
なる。測温センサ7を図1に示すように容器4内の流体
3中に浸漬させた際には、流体3の液面よりも十分に下
方に電気抵抗体16が位置するようになっている。ま
た、測温センサ7の一端側(上端側)からはリード線1
7a、17b、17c、17dからなるリード線束17
が引き出され、図示の例ではこのリード線束17の内、
リード線17a、17dは電気抵抗体16の下端に接続
され、リード線17b、17cは電気抵抗体16の上端
に接続されている。従って、この測温センサ7も先に説
明した発熱体6と同様に、例えばリード線17aと17
bの間で電流を供給しながらリード線17cと17dの
間で電圧を測定することにより、いわゆる4端子法を利
用して電気抵抗体16の電気抵抗値Rfを知ることが可
能である。
【0018】図1に示すように、発熱体6と測温センサ
7は容器4内の流体3中において何れも垂直方向に(互
いに平行に)配置されており、この実施の形態では、発
熱体6の表面と測温センサ7の表面との最短距離が、流
体3の対流伝熱温度境界層の厚さの10倍以下となるよ
うに設定されている。但し、測温センサ7の位置が温度
境界層の厚さの10倍以下の範囲なら良く、10倍より
距離が長いと全く良くないという訳ではない。温度境界
層とは文字通り温度の境界であり、具体的には発熱体6
の熱的影響が及ぶ範囲を示す。発熱体6自体の温度が自
己発熱によって上昇した場合、その影響を受けて周囲の
流体3も伝導伝熱と対流伝熱によって温められることに
なるが、その影響は(実用上は)無限遠方に迄は至ら
ず、発熱体6の表面近傍に止まるとして問題がない。例
えば、後述する実施例において形成される温度境界層の
範囲は、発熱体6の表面から1mmの範囲よりも相当に
小さいと仮定できるが、発熱体6の表面と測温センサ7
の表面との最短距離がその値の10倍程度の範囲になれ
ばよい。温度測定の精度ないし感度がよければ、例え
ば、100倍でも構わないことになる。なお、本願発明
において精度±0.001℃程度であれば、発熱体6の
表面と測温センサ7の表面との最短距離は経験的に温度
境界層の厚さの10倍程度以内と判断される。
【0019】これら発熱体6と測温センサ7からそれぞ
れ引き出されたリード線束12とリード線束17は何れ
も中継端子20に接続されている。また、中継端子20
には、温度制御雰囲気21内に設けられた標準電気抵抗
体22から引き出されたリード線束23と、これら発熱
体6、測温センサ7および標準電気抵抗体22と制御部
25との間で信号を送るためのリード線束26も接続さ
れている。
【0020】標準電気抵抗体22は、この実施の形態に
おいては、抵抗温度係数が0.0001℃-1以下の線材
料で構成されている。標準電気抵抗体22の抵抗温度係
数は小さければ小さい程好ましい。但し、正確には標準
電気抵抗体22の置かれる雰囲気の温度の安定度による
が、実用的には0.0001℃-1以下程度で良い。図4
に示すように、標準電気抵抗体22の両端にはリード線
23a、23dとリード線23b、23cがそれぞれ接
続されており、これらリード線23a、23b、23
c、23dからなるリード線束23が先に説明した中継
端子20に接続されている。従って、先に説明した発熱
体6および測温センサ7と同様に、例えばリード線23
aと23bの間で電流を供給しながらリード線23cと
23dの間で電圧を測定することにより、いわゆる4端
子法を利用して標準電気抵抗体22の電気抵抗値Rsを
知ることが可能である。なお、以上のような標準電気抵
抗体22は温度制御雰囲気21内に設置されており、標
準電気抵抗体22の電気抵抗値Rsが実質的に一定に保
たれるように構成されている。
【0021】制御部25は、制御装置27と主制御装置
28を備える。これら制御装置27と主制御装置28と
の間での信号の受け渡しは通信線29を介して行われ
る。制御装置27は、電圧計30、電源31、リレー端
子32、およびスイッチ33を内蔵する。
【0022】後の図5〜7で詳述するように、電圧計3
0は発熱体6の電圧を測定するための測定部30wと、
測温センサ7の電圧を測定するための測定部30fと、
標準抵抗体22の電圧を測定するための測定部30sを
備えている。電圧計30は、それら各電圧を計測する際
の分解能が5桁以上のものを使用することが望ましい。
【0023】同様に後の図5〜7で詳述するように、電
源31は発熱体6に対して温度測定精度以上の温度上昇
を生じさせない程度の電流を供給する電源部31wと、
測温センサ7に対して温度測定精度以上の温度上昇を生
じさせない程度の電流を供給する電源部31fと、標準
抵抗体22に対して発熱を生じさせない程度の電流を供
給する電源部31sと、後述するように、標準電気抵抗
体22と直列に接続された発熱体6に発熱を生じさせる
程度の電流を供給する電源部31zを備えている。これ
らの内、特に電源部31zは出力電流の電流値を調節す
ることが可能である。
【0024】リレー端子32は、リード線束12、1
7、23および26を介して、発熱体6と測温センサ7
と標準抵抗体22のそれぞれと電圧計30および電源3
1を中継し、それらの4端子法による計測を可能にす
る。同様に後の図5〜7で詳述するように、リレー端子
32は発熱体6と電圧計部30wおよび電源部31wを
中継するリレー端子32wと、測温センサ7と電圧計部
30fおよび電源部31fを中継するリレー端子32f
と、標準抵抗体22と電圧計部30sおよび電源部31
sを中継するリレー端子32sを備えている。
【0025】スイッチ33は、発熱体6と標準電気抵抗
体22に対して電源31をそれぞれ個別に接続させる状
態と、発熱体6と標準電気抵抗体22と電源31とを直
列に接続させる状態に切り替えることが可能である。図
5、6に示されるように、スイッチ33は四つのスイッ
チ部33a、33b、33c、33dを備えている。こ
れら各スイッチ部33a、33b、33c、33dは端
子I、端子II、端子IIIをそれぞれ備えており、何れのス
イッチ部33a、33b、33c、33dも、端子Iと
端子IIを通電させる状態と、端子Iと端子IIIを通電させ
る状態に切り替えることが可能である。
【0026】図5は、スイッチ部33aと33bは端子
Iと端子IIIを通電させ、スイッチ部33cと33dは端
子Iと端子IIを通電させた状態を示している。この図5
に示す状態では、発熱体6に対して電源部31wから発
熱を生じさせない程度の電流が供給され、発熱体6に印
加された電圧が測定部30wで測定される。また、標準
電気抵抗体22に対しては電源部31sから発熱を生じ
させない程度の電流が供給され、標準電気抵抗体22に
印加された電圧が測定部30sで測定される。
【0027】一方図6は、スイッチ部33aと33bは
端子Iと端子IIを通電させ、スイッチ部33cと33d
は端子Iと端子IIIを通電させた状態を示している。この
図6に示す状態では、発熱体6と標準電気抵抗体22と
電源部31zが直列に接続されて、発熱体6に発熱を生
じさせる程度の電流が電源部31zから供給される。そ
して、発熱体6に印加された電圧は測定部30wで測定
され、標準電気抵抗体22に印加された電圧は測定部3
0sで測定される。
【0028】このように、発熱体6と標準電気抵抗体2
2に対して電源部31wと電源部31sからそれぞれ個
別に電流を供給した場合と、発熱体6と標準電気抵抗体
22を直列に接続して電源部31zから同時に電流を供
給した場合の、何れの場合についても4端子法を利用し
て発熱体6の電気抵抗値Rwと標準電気抵抗体22の電
気抵抗値Rsを測定できるように構成されている。
【0029】また図7に示すように、測温センサ7に対
してはリレー端子32fを介して電源部31fから発熱
を生じさせない程度の電流が供給され、測温センサ7に
印加された電圧がリレー端子32fを介して測定部30
fで測定されるようになっている。測温センサ7に対し
て電源部31fから電流を供給しながら測定部30fで
電圧を測定することにより、4端子法を利用して測温セ
ンサ7の電気抵抗値Rfを知るように構成されている。
【0030】次に、以上のように構成された測定システ
ムに基づいて実施される本発明方法の実施の形態を、図
8に示すフローチャートと図9に示すタイミングチャー
トを基にして説明する。
【0031】先ず発熱体6の発熱を開始する前に、ステ
ップS1において流体3の温度θ∞を測定する。この場
合はスイッチ33の切り替えによって、先に図5で説明
したようにスイッチ部33aと33bは端子Iと端子III
を通電させ、スイッチ部33cと33dは端子Iと端子I
Iを通電させた状態にする。そして、発熱体6に対して
電源部31wから温度測定精度以上の温度上昇を生じさ
せない程度の電流を供給し、発熱体6に印加された電圧
を測定部30wで測定する。こうして測定した発熱体6
の電圧と電源部31wから供給されている電流の値から
発熱体6の電気抵抗値Rwを算出し、その電気抵抗値R
wと温度の関係に基づいて流体3の温度θ∞を求める。
なおこの場合、測温センサ7に対して電源部31fから
温度測定精度以上の温度上昇を生じさせない程度の電流
を供給し、測定部30fで電圧を測定することによって
も、同様に流体3の温度θ∞を求めることができる。そ
の他、適当な温度センサを用いて流体3の温度θ∞を測
定するようにしても良い。
【0032】流体3の温度θ∞を測定した後、スイッチ
33を切り替えて、先に図6で説明したようにスイッチ
部33aと33bは端子Iと端子IIを通電させ、スイッ
チ部33cと33dは端子Iと端子IIIを通電させる。こ
うして、発熱体6と標準電気抵抗体22と電源部31z
を直列に接続することにより発熱体6に対して電源部3
1zから電流を供給し、ステップS2において発熱を開
始する(図9において時刻t0)。
【0033】こうして流体3中において発熱体6による
発熱を開始した後は、発熱体6に印加された電圧は測定
部30wで、また、標準電気抵抗体22に印加された電
圧は測定部30sで、それぞれ4端子法を利用して測定
する。そして、ステップS3に示すようにそれら各電圧
値と標準電気抵抗体22の電気抵抗値Rsに基づいて発
熱体6の発熱量を求める。
【0034】発熱体6の発熱量を求めるに際しては、先
ず、測定部30sで測定された標準電気抵抗体22の印
加電圧と標準電気抵抗体22の電気抵抗値Rsから電流
値iwを求める。そして、この電流値iwと測定部30
wで測定された発熱体6の印加電圧から発熱体6の発熱
量を求めることができる。
【0035】次にステップS4に示すように、こうして
求めた発熱体6の発熱量を目標発熱量にさせるように、
発熱体6に供給する電流iwを制御する(図9において
時刻t0〜t1)。目標発熱量は、例えば一定の目標値、
一定の目標範囲、あるいはまた時間の経過と共に目標発
熱量が変化するような関数で定義されるものであっても
良い。発熱体6の発熱量がそのような目標発熱量に一致
するように、あるいは発熱体6の発熱量がそのような目
標発熱量の範囲に入るように、発熱体6に供給する電流
iwを制御する。なお、電流iwの制御は、電源部31
zの出力電流の電流値を調節することによって行うこと
ができる。
【0036】次にステップS5に示すように、発熱体6
の温度θwを求める。標準電気抵抗体22の印加電圧と
電気抵抗値Rsから求めた電流値iwと測定部30wで
測定された発熱体6の印加電圧から発熱体6の電気抵抗
値Rwを求め、この電気抵抗値Rwと温度の関係に基づ
いて発熱体6の温度θwを求めることができる。
【0037】次にステップS6に示すように、こうして
標準電気抵抗体22の電気抵抗値Rsを基準にして求め
られた発熱体6の温度θwが定常状態になったか否かの
判定が行われる。そして、発熱体6の温度θwがまだ定
常状態になっていない場合は、再びステップS3〜ステ
ップS6の工程が繰り返される。
【0038】一方、発熱開始から十分な時間が経過する
ことにより、発熱体6の温度θwが定常状態となったと
判定された場合は、次のステップS7において、更に発
熱体6の発熱量の測定が行われる。発熱体6の温度θw
が定常状態となったことは、例えば発熱体6の温度θw
が時間の経過に対してほぼ一定の値を示すようになるこ
とから判定することができる。発熱体6の発熱量は、先
と同様に発熱体6に印加された電圧を測定部30wで4
端子法により測定し、また、標準電気抵抗体22に印加
された電圧を測定部30sで4端子法により測定し、そ
れら各電圧値と標準電気抵抗体22の電気抵抗値Rsに
基づいて発熱体6の発熱量を求める。
【0039】次にステップS8に示すように、こうして
求めた発熱体6の発熱量を目標発熱量にさせるように、
発熱体6に供給する電流iwを制御する(図9において
時刻t1〜t2)。そしてステップS9に示すように、発
熱体6の温度θwを求める。発熱体6の温度θwは、標
準電気抵抗体22の印加電圧と電気抵抗値Rsと発熱体
6の印加電圧から求められる。
【0040】次にステップS10に示すように、基準電
流iw’を定めることができるか否かが判定される。こ
の判定は、例えば発熱体6の温度θwが定常状態になっ
た後において発熱体6に供給する電流iwについての制
御が所定回数行われたか否か、また、発熱体6の温度θ
wが定常状態になった後において所定の時間が経過した
か否か、などに基づいて行われる。そして、基準電流i
w’を定めることがまだできないと判定された場合は、
再びステップS7〜ステップS10の工程が繰り返され
る。
【0041】一方、基準電流iw’を定めることができ
ると判定された場合は、次のステップS11において基
準電流iw’が決定される。
【0042】基準電流iw’は、例えば発熱体6の温度
θwが定常状態になった後において発熱体6に供給した
電流iwの平均値などによって定義することができる。
また、基準電流iw’をその他の方法、例えば発熱体6
の温度θwが定常状態になった後において発熱体6に供
給した電流iwを用いて最小二乗法により基準電流i
w’を関数で定義する、基準電流iw’の上限値と下限
値を定めて許容範囲で定義する、などといったことも可
能である。
【0043】次にステップS12に示すように、電源部
31zの出力電流の電流を基準電流iw’に固定し、そ
の基準電流iw’を発熱体6に供給する(図9において
時刻t2〜t3)。そして、発熱体6に印加された電圧を
測定部30wで測定し、また、測温センサ7に印加され
た電圧を測定部30fで測定する。次にステップS13
に示すように、発熱体6の印加電圧と基準電流iw’か
ら算出される発熱体6の電気抵抗値Rwと温度の関係に
基づき、発熱時における発熱体6の温度θwを求める。
また、測温センサ7に対して電源部31fから温度測定
精度以上の温度上昇を生じさせない程度の電流を供給
し、測定部30fで電圧を測定することによって、測温
センサ7の電圧値と電流値から算出される測温センサ7
の電気抵抗値Rfと温度の関係に基づき、発熱時におけ
る発熱体6近傍の流体3の温度θ∞’を求める。
【0044】次にステップS13に示すように、以上の
各工程で求めた発熱時における発熱体6の温度θw、発
熱体6近傍の流体3の温度θ∞’、および発熱前におけ
る流体3温度θ∞に基づいて、例えば熱伝導率や動粘性
率といった流体3の特性を測定する。
【0045】かくして、以上のように流体3の特性を測
定すると、電圧計30による測定、電源31からの電流
の供給がすべて終了し、こうして一連の工程が終了す
る。
【0046】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。この実施
例では、直径0.013mmの白金線を電気抵抗材料と
する直径0.8mm、長さ40mmの電気抵抗体素子
(0℃における電気抵抗値、約500Ω)を外径2.5
mm、長さ60mmのステンレス製保護管の内部に固定
した発熱体と、直径0.013mmの白金線を電気抵抗
材料とする直径0.8mm、長さ4mmの電気抵抗体素
子(0℃における電気抵抗値、約50Ω)を外径2.5
mm、長さ60mmのステンレス製保護管の内部に固定
した測温センサを用いた。それら発熱体と測温センサを
互いに平行でかつ表面間の最短距離が1mmとなるよう
に、恒温(20℃)に維持された約3cm3および約5
00cm3の試料中に鉛直に固定した。また、温度係数
が0.00005℃-1以下の白金箔からなる標準電気抵
抗体(0℃における電気抵抗値、約50Ω)を±1℃程
度に制御された室温雰囲気内に設置した。測温センサの
電気抵抗値はヒューレット・パッカード社の電圧計(製
品番号44701A)内蔵式データ収集/制御装置(製
品番号3852A)および内蔵式プラグインアクセサリ
ー(製品番号44705A)の4端子計測機能を用いて
計測した。一方、発熱体と標準電気抵抗体については、
ヒューレット・パッカード社のプラグインアクセサリー
(製品番号44705A)、同(製品番号44725
A)および直流電源(製品番号44727B)を用い
て、発熱開始前においてそれら発熱体と標準電気抵抗体
の各電気抵抗値を4端子計測した。また、プラグインア
クセサリー(製品番号44725A)によりスイッチ回
路の切り替えを行って、直流電源(製品番号44727
B)により電流を発熱体に供給し、発熱時における発熱
体と標準電気抵抗体の各電気抵抗値を4端子計測した。
そして、先に説明した通りの本発明の方法を実施し、流
体の特性である熱伝導率および動粘性率と、発熱体の温
度θw、発熱体近傍の流体温度θ∞’、および発熱前に
おける流体温度θ∞との関係を調べた。
【0047】ここで、例えば本実施例で電気抵抗材料に
用いた白金線についていえば、白金線の温度係数は約
0.004℃-1であり、0.001℃の変化に伴う、抵
抗の変化率は約0.0004%である。測定値の精度
は、例えば変動率[標準偏差(より適切には標準誤差)
/平均値]で表される。本実施例では平均抵抗値が50
〜200Ω前後の範囲にあるので、検出したい抵抗差は
0.2〜0.8mΩと算出される。仮に抵抗値を50
Ω、検出したい抵抗差を0.2mΩ、測定電流を20m
A(電圧1V)とし、電流の不安定性(標準抵抗体の不
安定性を含む、本実施例の機器では0.00005%以
下程度)を無視すると、検出すべき電圧差は0.004
mVとなる。従って、1回の測定で検出するためには7
桁以上の確度が必要となる(例えば、ヒューレット・パ
ッカード社製電圧計3458A(有効桁数81/2)はこ
れに対応できる)。しかし、本実施例の計測では測定電
圧値のバラツキが正規分布に従うと仮定できるので、測
定を繰り返し、平均値をとれば中心極限定理によって、
真値に限りなく近い値が得られることになる。言い換え
ると、繰り返し測定に系統誤差が伴わない機器であれ
ば、測定回数の選び方によって7桁より小さな有効桁数
でも良いということになる。本願実施例では、51/2
の電圧計で、温度換算±0.001℃で計測することが
可能である。
【0048】先ず、発熱を開始する前において発熱体と
測温センサの両方を用いて流体温度θ∞を測定した。両
者による温度測定値を比較したところ、偏差は0.01
℃以下であり、恒温(温度変化率0.05℃/時以下)
であることに加えて、流体内部の温度差が十分に小さい
ことを確認した。
【0049】次に、スイッチの切り替えにより発熱体と
標準電気抵抗体と直流電源(44727B)を互いに直
列に接続して発熱を開始した。そして、発熱体と標準電
気抵抗体の各電気抵抗体値をそれぞれ独立に4端子法に
よって計測し、標準電気抵抗体の電気抵抗値に基づいて
算出される発熱体への供給電流の値と発熱体の電圧値を
用いて発熱量を求め、発熱量が5W/mの目標発熱量と
なるように発熱体への供給電流を制御した。この制御を
90秒間行い、発熱体の温度が経時的にほぼ一定の値を
示して定常状態になったことを確認した後、更に30秒
間発熱量が5W/mの目標発熱量となるように発熱体へ
の供給電流を制御し続け、その間の電流の平均値(約1
8mA)として基準電流を定めた。
【0050】最後に、発熱体への供給電流を基準電流
(約18mA)に固定して約60秒間にわたって更に発
熱を継続しながら、発熱体と発熱体表面近傍に配置され
た測温センサの電気抵抗値を測定し(測定繰り返し数、
計50回)、流体と熱的に接触する発熱体の温度θwお
よび発熱体表面近傍の流体温度θ∞’をそれぞれ測定し
た。そして、温度差指標値として、発熱体と発熱体表面
近傍の流体との温度差Δθw’=θw−θ∞’(伝導伝
熱寄与部分)と、発熱体表面近傍の流体と発熱開始直前
の流体温度の差Δθ∞’=θ∞’−θ∞(対流伝熱寄与
部分)を求め、それらを発熱量で基準化した値として、
それぞれ2.7708±0.0007℃および0.07
58±0.0002℃を得た。なお、測定精度を表す±
0.0007℃および±0.0002℃は標準誤差で定
義した。
【0051】以上の手順に従い、水、エタノール、グリ
セリン、濃度80%のグリセリン水溶液、および濃度8
0%のエタノール水溶液について上記2種類の温度差指
標値を計測したところ、図10に示されるように、約3
cm3の試料中で計測された発熱体と発熱体表面近傍の
流体との温度差Δθw’は熱伝導率λの逆数値と高い相
関性を示した。また、図11に示されるように、約50
0cm3の試料中で計測された発熱体表面近傍の流体と
発熱開始直前の流体との温度差Δθ∞’の対数値は動粘
性率νの対数値と直線関係が認められた。なお、図1
0、11においてQは発熱体の全発熱量、Lは発熱体の
有効長さを表す。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、標準抵抗体を利用する
ことにより、安価な設備でありながら発熱体と流体の温
度差を百分の1℃〜千分の1℃以上という高い精度で測
定できるようになる。従って、発熱体と流体の温度差の
測定精度が向上することによって、例えば熱伝導率や動
粘性率などといった流体の特性も高い精度で測定するこ
とができるようになる。また本発明によれば、基準電流
を定めることによって発熱体の発熱量をハンチングのな
い状態で制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる測定システムの説
明図である。
【図2】発熱体の正面図である。
【図3】測温センサの正面図である。
【図4】標準電気抵抗体の正面図である。
【図5】発熱を開始する前における発熱体と標準電気抵
抗体に対する電圧計と電源の接続状態を示す回路図であ
る。
【図6】発熱を開始した後における発熱体と標準電気抵
抗体に対する電圧計と電源の接続状態を示す回路図であ
る。
【図7】測温センサに対する電圧計と電源の接続状態を
示す回路図である。
【図8】本発明方法の実施の形態を示す流れ図である。
【図9】本発明方法の実施の形態のタイミングチャート
である。
【図10】発熱体の単位長さ当たりの発熱量で基準化し
た温度差指標値Δθw’と流体の熱伝導率の関係を示す
グラフである。
【図11】発熱体の単位長さ当たりの発熱量で基準化し
た温度差指標値Δθ∞’と流体の動粘性率の関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 恒温液体 2 恒温槽 3 流体 4 容器 5 蓋 6 発熱体 7 測温センサ 12、17、23、26 リード線束 20 中継端子 21 温度制御雰囲気 22 標準電気抵抗体 25 制御部 27 制御装置 28 主制御装置 29 通信線 30 電圧計 31 電源 32 リレー端子 33 スイッチ

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体中に配置した発熱体に電流を供給し
    て発熱させることにより前記流体の特性を測定するため
    に、前記発熱体に供給する電流を制御する方法におい
    て、 少なくとも前記発熱体の温度が定常状態になるまでは、
    前記発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるように前記発
    熱体に供給する電流を制御する工程と、 前記発熱体の温度が定常状態になった後、更に前記発熱
    体の発熱量を目標発熱量にさせるように前記発熱体に供
    給する電流を制御し、その制御された電流に基づいて前
    記発熱体に供給する基準電流を定める工程と、 前記基準電流を前記発熱体に供給する工程とを備えてい
    ることを特徴とする電流の制御方法。
  2. 【請求項2】 測温可能な発熱体を流体中に配置すると
    共に該発熱体の近傍に測温センサを配置し、前記発熱体
    に電流を供給して発熱させ、前記発熱体により測定され
    た発熱時における前記発熱体の温度および前記測温セン
    サにより測定された発熱時における前記発熱体近傍の流
    体温度と、前記発熱体および/または前記測温センサに
    より測定された発熱前における流体温度とに基づいて前
    記流体の特性を測定するために、前記発熱体に供給する
    電流を制御する方法において、 少なくとも前記発熱体の発熱量が定常状態になるまで
    は、前記発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるように前
    記発熱体に供給する電流を制御する工程と、 前記発熱体の温度が定常状態になった後、更に前記発熱
    体の発熱量を目標発熱量にさせるように前記発熱体に供
    給する電流を制御し、その制御された電流に基づいて前
    記発熱体に供給する基準電流を定める工程と、 前記基準電流を前記発熱体に供給する工程とを備えてい
    ることを特徴とする電流の制御方法。
  3. 【請求項3】 流体中に配置した発熱体に電流を供給し
    て発熱させることにより前記流体の特性を測定するため
    に、前記発熱体に供給する電流を制御する方法におい
    て、 前記発熱体に電源と標準電気抵抗体を直列に接続して電
    流を供給し、 前記標準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にして前記発熱
    体の温度と発熱量を求めるように構成し、かつ、 少なくとも前記標準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にし
    て求められる前記発熱体の温度が定常状態になるまで
    は、前記標準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にして求め
    られる前記発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるように
    前記発熱体に供給する電流を制御する工程と、 標準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にして求められる前
    記発熱体の温度が定常状態になった後、更に前記標準電
    気抵抗体の電気抵抗値を基準にして求められる前記発熱
    体の発熱量を目標発熱量にさせるように前記発熱体に供
    給する電流を制御し、その制御された電流に基づいて前
    記発熱体に供給する基準電流を定める工程と、 前記基準電流を前記発熱体に供給する工程とを備えてい
    ることを特徴とする電流の制御方法。
  4. 【請求項4】 測温可能な発熱体を流体中に配置すると
    共に該発熱体の近傍に測温センサを配置し、前記発熱体
    に電流を供給して発熱させ、前記発熱体により測定され
    た発熱時における前記発熱体の温度および前記測温セン
    サにより測定された発熱時における前記発熱体近傍の流
    体温度と、前記発熱体および/または前記測温センサに
    より測定された発熱前における流体温度とに基づいて前
    記流体の特性を測定するために、前記発熱体に供給する
    電流を制御する方法において、 前記発熱体に電源と標準電気抵抗体を直列に接続して電
    流を供給し、 前記標準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にして前記発熱
    体の温度と発熱量を求めるように構成し、かつ、 少なくとも前記標準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にし
    て求められる前記発熱体の温度が定常状態になるまで
    は、前記標準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にして求め
    られる前記発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるように
    前記発熱体に供給する電流を制御する工程と、 前記標準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にして求められ
    る前記発熱体の温度が定常状態になった後、更に前記標
    準電気抵抗体の電気抵抗値を基準にして求められる前記
    発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるように前記発熱体
    に供給する電流を制御し、その制御された電流に基づい
    て前記発熱体に供給する基準電流を定める工程と、 前記基準電流を前記発熱体に供給する工程とを備えてい
    ることを特徴とする電流の制御方法。
  5. 【請求項5】 前記標準電気抵抗体の電気抵抗値と前記
    発熱体に印加された電圧および前記標準電気抵抗体に印
    加された電圧とに基づいて前記発熱体の温度と発熱量を
    求める請求項3または4に記載の電流の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記標準電気抵抗体の抵抗温度係数が
    0.0001℃-1以下であり、前記発熱体および前記標
    準電気抵抗体に印加された電圧を計測する際の分解能が
    5桁以上である請求項5に記載の電流の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記発熱体が、金属もしくはセラミック
    スの電気抵抗材料からなる円柱状の電気抵抗素子を内蔵
    した円柱状もしくは平板状のものである請求項1〜6の
    何れかに記載の電流の制御方法。
  8. 【請求項8】 前記測温センサが、金属もしくはセラミ
    ックスの電気抵抗材料からなる円柱状の電気抵抗素子を
    内蔵した円柱状もしくは平板状のものである請求項2、
    4〜7の何れかに記載の電流の制御方法。
  9. 【請求項9】 前記発熱体の表面と前記測温センサの表
    面との最短距離が前記流体の対流伝熱温度境界層の厚さ
    の10倍以下である請求項2、4〜8の何れかに記載の
    電流の制御方法。
  10. 【請求項10】 前記基準電流が、前記発熱体の温度が
    定常状態になった後において前記発熱体の発熱量を目標
    発熱量にさせるように制御して前記発熱体に供給した電
    流の平均値で定義される請求項1〜9の何れかに記載の
    電流の制御方法。
  11. 【請求項11】 前記流体の特性が、前記流体の熱伝導
    率および/または前記流体の動粘性率である請求項1〜
    10の何れかに記載の電流の制御方法。
  12. 【請求項12】 流体中に配置した発熱体に電流を供給
    して発熱させることにより前記流体の特性を測定する方
    法において、 少なくとも前記発熱体の温度が定常状態になるまでは、
    前記発熱体の発熱量を目標発熱量にさせるように前記発
    熱体に供給する電流を制御する工程と、 前記発熱体の温度が定常状態になった後、更に前記発熱
    体の発熱量を目標発熱量にさせるように前記発熱体に供
    給する電流を制御し、その制御された電流に基づいて前
    記発熱体に供給する基準電流を定める工程と、 前記基準電流を前記発熱体に供給し、流体の特性を測定
    する工程とを備えていることを特徴とする流体の特性の
    測定方法。
JP27644395A 1995-09-29 1995-09-29 電流の制御方法と流体の特性の測定方法 Expired - Fee Related JP2865601B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27644395A JP2865601B2 (ja) 1995-09-29 1995-09-29 電流の制御方法と流体の特性の測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27644395A JP2865601B2 (ja) 1995-09-29 1995-09-29 電流の制御方法と流体の特性の測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0996616A JPH0996616A (ja) 1997-04-08
JP2865601B2 true JP2865601B2 (ja) 1999-03-08

Family

ID=17569504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27644395A Expired - Fee Related JP2865601B2 (ja) 1995-09-29 1995-09-29 電流の制御方法と流体の特性の測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2865601B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101984236B1 (ko) * 2017-07-04 2019-09-03 한국과학기술원 유체의 열전달 성능 측정 방법 및 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0996616A (ja) 1997-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fujii et al. Simultaneous measurements of thermal conductivity and thermal diffusivity of liquids under microgravity conditions
Zhang et al. Simultaneous measurements of the thermal conductivity and thermal diffusivity of molten salts with a transient short-hot-wire method
US3566233A (en) Method and apparatus for measuring impedance of a conducting medium with a calibrated probe
US4652811A (en) Method for measuring liquid content in a porous medium such as soil
Davis et al. Non‐steady‐state, hot wire, thermal conductivity apparatus
JP2865601B2 (ja) 電流の制御方法と流体の特性の測定方法
Garnier et al. A new transient hot-wire instrument for measuring the thermal conductivity of electrically conducting and highly corrosive liquids using small samples
Dziedzic et al. Heaters for gas sensors from thick conductive or resistive films
JPH08136491A (ja) 雰囲気検出装置
Klonz et al. Multijunction thermal converter with adjustable output voltage/current characteristics
Wang et al. Improved methods to determine the electrochemical Peltier heat using a thermistor I: Improved heat-sensor electrodes and lumped-heat-capacity analysis
Anderson et al. High precision, semimicro, hydrostatic calorimeter for heats of mixing of liquids
CN212622818U (zh) 一种升降温可控的电阻率测量系统
SU1318885A1 (ru) Способ измерени теплопроводности материалов
JPH0317543A (ja) 熱伝導率測定法
US3039025A (en) Humidity sensitive device
JPH03506076A (ja) 電磁エージングパラメータを有する1個または1個以上の素子のエージングについて加速された決定をおこなうための方法および装置
Log Transient one‐dimensional heat flow technique for measuring thermal conductivity of solids
JPH088457Y2 (ja) ケーブルの耐水性試験装置
RU2703720C1 (ru) Способ определения температурного коэффициента сопротивления тонких проводящих пленок с использованием четырехзондового метода измерений
US3382429A (en) Method of and apparatus utilizing bridge for measuring conductivity
SU1742697A1 (ru) Способ определени влажности сыпучих материалов
JP3670167B2 (ja) 微細単線の熱伝導率測定装置
RU2032897C1 (ru) Способ определения равновесного потенциала в электролите и электрод сравнения для его осуществления
SU1138762A1 (ru) Устройство дл измерени электрической проводимости

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19981110

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees