JP2864799B2 - アクチュエータの保護回路 - Google Patents

アクチュエータの保護回路

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JP2864799B2
JP2864799B2 JP3184892A JP18489291A JP2864799B2 JP 2864799 B2 JP2864799 B2 JP 2864799B2 JP 3184892 A JP3184892 A JP 3184892A JP 18489291 A JP18489291 A JP 18489291A JP 2864799 B2 JP2864799 B2 JP 2864799B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ディスク又は光磁気デ
ィスク(以下光ディスクと総称する)等の駆動装置のア
クチュエータの保護回路に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
光ディスクの駆動装置のフォーカスアクチュエータの保
護は、例えばフォーカスアクチュエータに供給する駆動
電流をその最大定格直流電流でリミットをかけることに
よりなされていた。ところが、例えば溝有ディスクにオ
ートフォーカスをかけている状態では溝の凹凸によりク
ロストークが発生する場合がある。このクロストークに
よる影響等フォーカス制御のもつダイナミックレンジに
対してこれを越えるような大きな過渡的な外乱が発生す
ると、駆動電流がドライバーでリミットがかかってしま
い、過渡的な外乱を押さえるためにアクチュエータを駆
動する電流がもっと必要にもかかわらず、外乱を押さえ
るための電流が足りず、このためサーボの位置ずれが生
じていた。従って、過渡的な外乱に対して応答性がよく
なく、フォーカス点がずれるという問題点があった。
【0003】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、アクチュエータを保護しつ
つ、過渡的な外乱に対しフォーカス点のずれをなくする
ことを可能にしたアクチュエータの保護回路を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1に係る発明のアクチュエータの保護回路
は、アクチュエータの駆動電流を検出するモニタ手段
と、モニタ手段の検出信号を入力し、所定の時定数Tで
積分する積分回路と、積分回路の積分出力と所定の定数
Kとを比較して積分出力が大のときアクチュエータの駆
動信号の供給を停止させる比較器とを有し、そして、ア
クチュエータの最大定格電流がa(A)でb(sec)
であり、アクチュエータの実使用条件がa1(A)でb
1(sec)であるとき、 a1>a及びb1<bであり、かつ a1・b1<K<a・bである。 (2)請求項2に係る発明のアクチュエータの保護回路
は、アクチュエータの駆動電流を検出するモニタ手段
と、モニタ手段の検出信号を入力し、所定の時定数Tで
積分する積分回路と、積分回路の積分出力と所定の定数
Kとを比較して積分出力が大のときアクチュエータの駆
動信号の供給を停止させる比較器とを有し、積分回路の
特性は時間5T以下での積分出力がKより小さくなるよ
うに設定される。
【0005】
【作用】
(1)請求項1に係る発明においては、アクチュエータ
の駆動信号の示す値が瞬時的に所定の定数Kより大とな
ってもその駆動信号の検出信号は積分回路により積分さ
れるので、積分回路の積分出力は定数K(但し、この定
数Kは、a1>a及びb1<b、かつa1・b1<K<
a・bという条件を満たしている)より小さく、アクチ
ュエータの駆動信号は供給され続ける。従って、過渡的
な外乱が発生した場合には、その外乱を押さえるための
大きな値に対応した駆動信号が供給され、過渡的な外乱
に対する応答性がよくなる。ところが、アクチュエータ
の駆動信号の示す値が定数Kを越えてしかも持続してス
テップ状に供給されると、積分出力は定数Kより大きく
なり、比較器はアクチュエータの駆動信号の供給を停止
させる。このようにしてアクチュエータの駆動信号の供
給を停止させることにより、アクチュエータを保護して
いる。 (2)請求項2に係る発明においても、アクチュエータ
の駆動信号の示す値が瞬時的に所定の定数Kより大とな
ってもその駆動信号の検出信号は積分回路により積分さ
れるので、積分回路の積分出力は定数Kより小さく、ア
クチュエータの駆動信号は供給され続ける。従って、過
渡的な外乱が発生した場合には、その外乱を押さえるた
めの大きな値に対応した駆動信号が供給され、過渡的な
外乱に対する応答性がよくなる。ところが、アクチュエ
ータの駆動信号の示す値が定数Kを越えてしかも時間5
T持続してステップ状に供給されると、積分出力は定数
Kより大きくなり、比較器はアクチュエータの駆動信号
の供給を停止させる。このようにしてアクチュエータの
駆動信号の供給を停止させることにより、アクチュエー
タを保護している。
【0006】
【実施例】図1は本発明の一実施例のアクチュエータの
保護回路のブロック図である。図において、スピンドル
2にディスク4が装着されており、ディスク4はスピン
ドル2の駆動により回転する。ディスク4に近接してキ
ャリッジ6が配設されており、このキャリッジ6はディ
スク4の直径方向に移動する。キャリッジ6にはレーザ
発光素子、受光素子等を内蔵した光ピックアップ8が搭
載される。光ピックアップ8はレーザのフォーカスを調
整するオートフォーカスアクチュエータ(AFアクチュ
エータという)10も搭載している。光ピックアップ8
からの変異信号はオートフォーカス制御回路(以下AF
制御回路という)12に入力し、AF制御回路12によ
り得られた制御信号がドライバー14に入力し、ドライ
バー14はその制御信号に基づいた駆動電流をAFアク
チュエータ10に供給して駆動し、レーザのフォーカス
を調整する。
【0007】このとき、電流モニタ16は駆動電流を検
出し、それを電圧変換して積分回路18に出力する。積
分回路18は駆動電流に対応した検出信号を後述するよ
うに所定の時定数で積分する。比較器20は積分回路1
8の積分出力と最大値設定回路22の出力Kとを比較し
て例えば積分回路18の出力が大のときには電源回路2
4とドライバー10との間に設けられているスイッチ2
6を開成して、ドライバー14への電源供給を遮断して
駆動電流の供給を停止させる。
【0008】次に、積分回路18の時定数Tについて説
明する。積分回路18には時定数Tが設定されており、
電流モニタ16からの駆動電流の検出信号が入力し、時
定数Tで充放電する。
【0009】図2は積分回路18の特性図である。図に
おいてKは最大値設定回路22の出力(以下単に定数と
いう)であり、常時流してよい駆動電流に対応した信号
レベルに設定されている。ここで、時定数Tと定数Kの
関係は次のとおりである。 (1) AFアクチュエータの最大直流定格電流は a(A)で、b(sec)である。(保護条件) (2) AFアクチュエータの実使用条件は (シーク時、シーク終了直後 →トラッキングまでの
間) a1(A)で、b1(sec)で使用する。 但し、a1とa、b1とbの関係は次式のとおりであ
る。
【0010】
【数1】 従って、定数Kの設定条件は上記により次式のとおりで
ある。
【0011】
【数2】
【0012】通常の動作においては、AFアクチュエー
タ10に供給される電流は、「0」を中心にプラス及び
マイナスに振れており、積分回路18の積分出力はチャ
ージ及びディスチャージを自己的に繰り返すので、ほぼ
「0」である。そして、過渡的に大きな電流が流れたと
しても時定数Tで設定された時間以前にその過大電流が
流れない状態になった場合には積分出力は定数Kに達す
る前に降下するので、積分出力<定数Kの状態が継続
し、駆動電流は遮断されない。
【0013】図3はこのときの状態を示すタイミングチ
ャートである。この図に示されるように、AFアクチュ
エータ10の駆動電流が図示のようにパルス状に立ち上
がった場合には、電流モニタ16によりそれが検出され
積分回路18の出力は破線に示すように時定数Tで充電
して立ち上がり、そして、駆動電流が立ち下がるとその
時定数Tで放電して立ち下がる。従って、積分回路18
の積分出力は定数Kに達する前に降下しており、積分出
力<定数Kであり、駆動電流が瞬時的に定数Kより大き
くなっても、比較器20はスイッチ26を開成しないの
で、駆動電流は流れ続ける。このときの駆動電流は定数
Kを越えるがその時間は短いのでアクチュエータを破損
する恐れはない。このように瞬時的な外乱に対しては駆
動電流に制限を加えずに供給することができるので、過
渡的な外乱が発生した場合にはその外乱を押さえるため
の大きな駆動電流が得られ、過渡的な外乱に対する応答
性がよい。
【0014】ところが、アクチュエータの駆動電流がス
テップ状に立ち上がって定数Kを越えかつその振幅値が
持続したときには、積分回路18の積分出力は時定数T
で立ち上がり定数Kの値を越える場合がある。このとき
は、比較器20はスイッチ26を開成して、ドライバー
14の駆動電源を遮断し、ドライバー14はその駆動を
停止し駆動電流の供給は停止する。このようにして駆動
電流の供給を停止することによりAFアクチュエータ1
0を保護している。なお、駆動電流の遮断は上述のよう
にドライバー14に対する駆動電源を遮断するだけでな
く、例えば駆動電流が流れる経路にスイッチを設けてそ
れを開閉するようにしてもよい。
【0015】
【発明の効果】以上のように本願の発明によれば、アク
チュエータの駆動信号の示す値が所定の定数Kに相当す
る値を越えてしかも持続して供給された場合のみ駆動信
号の供給を停止させるようにしたので、アクチュエータ
の保護が適切になされており、また、過渡的な外乱が発
生した場合にはその外乱を押さえるための大きな値に対
応した駆動信号を供給することができ、過渡的な外乱に
対する応答性がよくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のアクチュエータの保護回路
のブロック図である。
【図2】積分回路の動作波形図である。
【図3】図1の実施例の動作を説明する波形図である。
【符号の説明】
8 光ピックアップ 10 AFアクチュエータ 12 AF制御回路 14 ドライバー 16 電流モニタ 18 積分回路 20 比較器 26 スイッチ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータの駆動電流を検出するモ
    ニタ手段と、 該モニタ手段の検出信号を入力し、所定の時定数Tで積
    分する積分回路と、 該積分回路の積分出力と所定の定数Kとを比較して該積
    分出力が大のときアクチュエータの駆動信号の供給を停
    止させる比較器とを有し、 前記アクチュエータの最大定格電流がa(A)でb(s
    ec)であり、前記アクチュエータの実使用条件がa1
    (A)でb1(sec)であるとき、 a1>a及びb1<bであり、かつ a1・b1<K<a・b であることを特徴とするアクチュエータの保護回路。
  2. 【請求項2】 アクチュエータの駆動電流を検出するモ
    ニタ手段と、 該モニタ手段の検出信号を入力し、所定の時定数Tで積
    分する積分回路と、 該積分回路の積分出力と所定の定数Kとを比較して該積
    分出力が大のときアクチュエータの駆動信号の供給を停
    止させる比較器とを有し、 前記積分回路の特性は、時間5T以下での積分出力がK
    より小さいことを特徴とするアクチュエータの保護回
    路。
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